JP2008157350A - レギュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】設定圧力の上昇を防止できるレギュレータを提供すること。
【解決手段】流体を設定圧力に制御するレギュレータ1において、弁体7が当接又は離間する弁座部15の硬度が、D70以下である。流体を設定圧力に制御するレギュレータ1において、弁体7が当接又は離間する弁座部15の引張伸び率が、温度23度の条件下で、250%以上である。上記弁座部15は、PFA又はPTFEを材質とすることが望ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体を設定圧力に調整するレギュレータに関する。
例えば、半導体製造装置が製造する半導体は、ウエハに供給する作用ガスの流量や圧力によって製品品質にばらつきが生じる。そのため、半導体製造装置は、ウエハに供給する作用ガスの圧力を設定圧力に制御するために、レギュレータを搭載する。
レギュレータは、PCTFE製の弁シートにポペット弁体が接離可能に設けられ、ポペット弁体と弁シートとの間の弁開度によって圧力室に流れ込む流体を制御する。レギュレータは、弁開度を調整して圧力室の内圧を設定圧力に合わせることにより、作用ガスの圧力を設定圧力に調整する。ポペット弁体は、微妙な圧力変動に対応できるように、摺動部を備えない。
特開2004−362036号公報 特開2005−128697号公報
PCTFEは、他のフッ素樹脂と比べて機械的強度が大きいため、従来、PCTFE製の弁シートを使用するレギュレータは、使用中に設定圧力が上昇しにくいと考えられてたが、実際には、使用中に設定圧力が上昇することがあった。
発明者らは、レギュレータの設定圧力が上昇する理由を突き止めるために、PCTFE製弁シートを使用するレギュレータのシール性(耐久性)を調べた。その結果、従来のレギュレータは、ポペット弁体がある回数弁シートに当接又は離間すると、流体漏れが生じた。
更に、発明者らは、設定圧力が上昇したレギュレータに配置した弁シートのシール面を観察した。その観察結果を図10に示す。
PCTFE製の弁シートは、弁シート中心を挟んで反対位置にあるシール面のうち、一方のシール面の幅が、図10(a)に示すように120μmであったのに対して、他方のシール面の幅が、図10(b)に示すように28μmであった。よって、PTCFE製弁シートは、ポペット弁体が片当たりしていることが分かった。
ポペット弁体の片当たりは、弁シートの摩耗進行によるものであり、摩耗が進行した結果、シール面が劣化し、漏れにつながる。弁シートから漏れた流体は、圧力室に流れ込み、設定圧力を上昇させる。
ポペット弁体の片当たりを是正するために、レギュレータの構成を機械的に変更することも考えられる。しかし、この方法は、ポペット弁体が摺動部を備えないことや、複数の構成部品でレギュレータを構成していることを考慮すると、困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、設定圧力の上昇を防止できるレギュレータを提供することを目的とする。
本発明に係るレギュレータは、次のような構成を有している。
(1)流体を設定圧力に制御するレギュレータにおいて、弁体が当接又は離間する弁座部は、硬度がD70以下のフッ素樹脂を材質とする。
(2)流体を設定圧力に制御するレギュレータにおいて、弁体が当接又は離間する弁座部は、引張伸び率が、温度23度の条件下で、250%以上のフッ素樹脂を材質とする。
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記弁座部は、PFA又はPTFEを材質とする。
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載の発明において、1MPa以下の流体を制御するものである。
本発明のレギュレータは、硬度がD70以下という柔らかいフッ素樹脂製の弁座部を使用するので、弁体が当接したときに弁座部が変形しやすく、流体漏れしにくい。よって、本発明のレギュレータによれば、流体漏れに伴う設定圧力の上昇を防止することができる。
本発明のレギュレータは、温度が23度の条件下で、引張伸び率が250%以上の変形しやすいフッ素樹脂製の弁座部を使用するので、弁座部のシール面が摩耗しにくく、流体漏れを生じにくい。よって、本発明のレギュレータによれば、流体漏れに伴う設定圧力の上昇を防止することができる。
本発明のレギュレータは、弁座部が、硬度がD70以下、又は、温度23度で引張伸び率250%以上であるフッ素樹脂のPFA又はPTFEを材質とすることが望ましい。
本発明のレギュレータは、1MPa以下の流体を制御するので、弁体が弁座部に当接する力が小さくて済む。よって、本発明のレギュレータによれば、弁座部の硬度が低く、或いは、引張伸び率が大きい場合でも、弁座部が破損しにくい。
次に、本発明に係るレギュレータの一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るレギュレータ1の断面図である。
レギュレータ1は、流路ブロック2にハウジング3が取り付けられて外観が構成されている。ハウジング3は、第1シリンダ部4と第2シリンダ部5を螺合接続して構成されている。第2シリンダ部5の上端部には、調整ハンドル6が回転可能に取り付けられている。流路ブロック2に内設されたポペット弁体7は、ダイアフラム8と分離して設けられたフリーポペット構造になっている。ポペット弁体7は、ステンレスなどの金属を材質とする。ダイアフラム8には、ハウジング3に内設された調整機構9が当接している。調整機構9は、調整ハンドル6の回転に応じてダイアフラム8に与える外圧を調整し、作用ガスの設定圧力を設定できるように構成されている。
レギュレータ1は、流路ブロック2に形成された第1ポート11と第2ポート12に、作用ガス供給配管とチャンバとがそれぞれ接続され、第1ポート11から第2ポート12へ流れる作用ガスの圧力を設定圧力に調整する。流路ブロック2には、ポペット弁体7を収納するための第1圧力室13が、第1ポート11と連通するように形成されている。流路ブロック2の上面には、凹部14が円柱状に開設され、第1圧力室13と第2ポート12とを連通させている。
流路ブロック2は、第1圧力室13と凹部14とが連通する部分に、「弁座部」の一例である弁シート15が配置されている。流路ブロック2は、弁シート15にシートホルダ16、ダイアフラム8、ダイアフラム押さえ17を積層し、第1シリンダ部4を螺合接続されている。
従って、弁シート15は、流路ブロック2と第1シリンダ部4とを螺合する際に生じる締結力によって凹部14の底壁に押し付けられ、保持されている。また、ダイアフラム8は、シートホルダ16とダイアフラム押さえ17との間で狭持されて凹部14を気密に塞ぎ、第2圧力室18を形成する。
第1圧力室13には、ポペット弁体7が弁シート15に当接又は離間するように収納されている。ポペット弁体7には、第1圧力室13に縮設された復帰ばね19の弾性力が弁シート15方向(図中上方向)に常時作用している。ポペット弁体7に突設された突出部7aは、弁シート15の中央部を貫いて第2圧力室18側に突き出している。
レギュレータ1の設定圧力は、調整機構9によって調整される。調整機構9は、調整ハンドル6に調圧ロッド20を介して調圧スプリング21が連結されている。調圧スプリング21は、ピストン22を介してダイアフラム8に当接し、ダイアフラム8に弾性力を作用させる。図1に示すレギュレータ1は、調整ハンドル6が最上端に位置し、ダイアフラム8に外圧を作用させていない。この状態では、ダイアフラム8が突出部7aから離間している。調圧ハンドル6を回転させて下降させると、調圧スプリング21が圧縮され、ダイアフラム8に弁シート15方向(図中下方向)の力を与える。ダイアフラム8は、突出部7aに接触して図中下方向の力を与える。
よって、ポペット弁体7には、図中上向きに作用する復帰ばね19の弾性力と作用ガスの流体圧との合力と、図中下向きに作用する調圧スプリング21の弾性力とが作用する。レギュレータ1は、第2圧力室18の圧力が設定圧力である場合には、図中上向きに作用する復帰ばね19の弾性力と作用ガスの流体圧との合力と、図中下向きに作用する調圧スプリング21の弾性力とがつり合い、ポペット弁体7が弁シート15に当接して流路を遮断する。
これに対して、第2圧力室18の圧力が設定圧力より低い場合には、ダイアフラム8が下向きに変形してポペット弁体7を押し下げる。これにより、弁開度が開き、第2圧力室18に流入する作用ガスが増加し、第2圧力室18の圧力が上昇する。
一方、第2圧力室18の圧力が設定圧力より高い場合には、ダイアフラム8が上向きに変形し、それに伴いポペット弁体7が押し上げられる。これにより、弁開度が狭くなり、第2圧力室18に流入する作用ガスが減少し、第2圧力室18の圧力が低下する。
ところで、上記発明が解決しようとする課題の欄でも説明したように、PCTFE製の弁シートを使用するレギュレータは、使用中に設定圧力が上昇することがあった。レギュレータ1は、ポペット弁体7が復帰ばね19に載せられて無摺動状態で第1圧力室13に収容されている。無摺動としたのは、ポペット弁体7の機械的ロスをなくし、ポペット弁体7が微妙な圧力変動に応じて自由に移動できるようにするためである。そのため、レギュレータの構成を変えて設定圧力の上昇を防ぐことは、実質的に難しい。
そこで、本実施形態のレギュレータ1は、硬度がD70以下のフッ素樹脂、又は、周囲温度が23度の条件下で伸び率が250%以上のフッ素樹脂を材質とする弁シート15を使用する。
具体的には、PFA(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)又はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を材質とする弁シート15を使用する。
そして、本実施形態のレギュレータ1は、流体圧力が1MPa以下の流体を制御するために用いる。
発明者らは、PCTFE製の弁シート用サンプル150AとPFA製の弁シート用サンプル150BとPTFE製の弁シート用サンプル150Cを作製し、各サンプル150A,150B,150Cについてシール性を調べる試験を実施した。弁シート材質とシール性との関係を調べる試験の試験方法を図2に示す。
図2に示すように、弁シート材質とシール性との関係を調べる試験では、第1プレート31と第2プレート32との間でサンプル150A(150B,150C)を狭持する。第1プレート31は、試料(本実施形態ではHe)を供給するための流路34を形成し、流路34上にポペット弁体7をセットする。ロードセル33は、復帰ばね19の変わりとしてポペット弁体7に荷重を加え、ポペット弁体7をサンプル150A(150B,150C)にシールさせる。第2プレート32には、流路34と同軸上に流路35を形成し、リークディテクタ36に接続する。
試験では、ロードセル33によってポペット弁体7を所定荷重でサンプル150A(又は150B,150C)に当接させる。この状態で、流路34に所定荷重のHeを供給し、リークディテクタ34で漏洩量を測定する。一連の測定は、ロードセル33がポペット弁体7に加える荷重を徐々に上げながら実施した。
図3は、弁シート材質とシール性との関係を調べる試験の試験結果を示す。図3において、実線はPCTFE製サンプル150Aの試験結果を示し、太線はPFA製サンプル150Bの試験結果を示し、点線はPTFE製サンプル150Cの試験結果を示す。そして、図3の縦軸には、He吹きかけ後の漏洩量(Pa・m3/s)を示す。図3漏洩量は、上に行くほど漏洩量が大きい。横軸には、荷重(N)を示す。
耐久性が欠如すると判断されるレベルの設定圧力上昇を漏洩量に換算すると、1E−05Pa・m3/sになる。この値を基準値Lとする。
PCTFE製サンプル150Aは、漏洩量が基準値L以下になるのに、約2.5Nの荷重を必要とした。これに対して、PFA製サンプル150B及びPTFE製サンプル150Cは、漏洩量が基準値L以下になるのに、約0.2Nの荷重を必要とした。
この試験結果より、PFA製サンプル150BとPTFE製サンプル150Bは、PCTFE製サンプル150Aのシールに必要な荷重に対して10分の1程度小さい荷重で、設定圧力が上昇しないようにシールできることが判明した。よって、PFA製サンプル150BとPTFE製サンプル150Cは、PCTFE製サンプル150Aよりシール性が優れている。
また、PCTFE製サンプル150Aは、約8Nの荷重を加えられるまで緩やかに漏洩量が減少し、約8N以上の荷重を加えられると漏洩量がほぼ一定になる。これに対して、PFA製サンプル150B及びPTFE製サンプル150Cは、約2Nの荷重を加えられるまでの間に漏洩量が急激に減少し、約2Nの荷重を加えられると漏洩量がほぼ一定になる。この試験結果より、PFA製サンプル150B及びPTFE製サンプル150Cは、PCTFE製サンプル150Aと比べて、ポペット弁体7が小さな荷重で短時間のうちに密着し、応答性がよいことが分かった。この点からも、PFA製サンプル150BとPTFE製サンプル150Cは、PCTFE製サンプル150Aよりシール性が優れている。
次に、発明者らは、サンプル150A,150Bを用いたサンプル用レギュレータ100A,100Bの耐久性について調べた。図4は、耐久性を調べる試験で使用した試験回路41の回路図である。
試験回路41は、上流側からサンプル用レギュレータ100A(100B)と圧力計52と弁53と流量調整弁54とを直列に接続したものである。サンプル用レギュレータ100A(100B)の設定圧力は、圧力計52が0.35MPaを計測するように設定する。また、流量調整弁54は、試料の流量を30slmに制御するように弁開度を調整する。
試験では、0.5MPaの試料を上流から供給し、弁53を弁開閉動作させる。レギュレータ100A(100B)は、弁53の弁開閉動作に合わせて、ポペット弁体7が弁シート用サンプル150A(150B)に当接又は離間する。そこで、弁53の動作回数を計測することによって、レギュレータ100A(100B)の耐久性を調べた。
この結果、PCTFE製サンプル150Aを使用するサンプル用レギュレータ100Aは、弁53が10万回動作すると、設定圧力が上昇し、圧力計52の測定値が供給圧と等しくなった。
一方、PFA製サンプル150Bを使用するサンプル用レギュレータ100Bは、弁53が100万回動作しても、設定圧力の上昇は起こらなかった。
上記試験結果より、PFA製サンプル150Bを使用するサンプル用レギュレータ100Bは、PCTFE製サンプル150Aを使用するサンプル用レギュレータ100Aより耐久性が優れていることが判明した。
尚、PTFE製サンプル150Cを使用した場合の耐久性についても、PFAと同様の結果が得られた。
次に、サンプル150A,150B,150Cの耐久試験後の状態を説明する。図6は、PFA製サンプル150Bの耐久試験後の状態を示す図である。図7は、PTFE製サンプル150Cの耐久試験後の状態を示す図である。図6及び図7において、(a)と(b)は、弁シート15の中心を挟んだ反対位置のシール面を部分的に示す。
PFA製サンプル150Bは、一方のシール面の幅は、図6(a)に示すように、80μmであるのに対し、そのシール面と反対側にあるシール面の幅は、図6(b)に示すように、78μmであった。よって、PFA製弁シート用サンプル150Bは、シール面において摩耗の偏りが小さい。よって、PFA製サンプル150Bは、ポペット弁体7が片当たりしない。
PTFE製弁シート用サンプル150Cは、一方のシール面の幅は、図7(a)に示すように、110μmであるのに対し、そのシール面と反対側にあるシール面の幅は、図7(b)に示すように、100μmであった。よって、PTFE製弁シート用サンプル150Cは、シール面において摩耗の偏りが小さい。よって、PTFE製サンプル150Cは、ポペット弁体7が片当たりしない。
一方、PCTFE製サンプル150Aは、発明が解決しようとする課題の欄でも説明したように、一方のシール面の幅は、図10(a)に示すように、120μmであるのに対し、そのシール面と反対側にあるシール面の幅は、図10(b)に示すように、28μmであった。よって、PCTFE製弁シート用サンプル150Aは、シール面において摩耗の偏りが大きい。よって、PCTFE製サンプル150Aは、ポペット弁体7が片当たりする。
以上の試験結果より、弁シート15は、PFA又はPTFEを材質にすると、PCTFEを材質にする場合より、ポペット弁体7の片当たりを防止できるため、耐久性を向上させることができる。
PFA又はPTFEを材質と弁シート15を使用すると、シール性・耐久性が向上する理由について考察する。
図5は、PCTFEとPFAとPTFEの材質特性を比較する図である。
引張伸び率は、温度が23℃の条件下で、PCTFEが80〜250%、PFAが250〜350%、PTFEが200〜400%である。よって、PCTFEは、PFAやPTFEより引張伸び率が小さいため、変形しにくい。
硬度は、PCTFEがD75〜D85、PFAがD60〜D64、PTFEがD50〜D55である。よって、PCTFEは、PFAやPTFEより硬度が大きいため、変形しにくい。
従来のレギュレータは、弁シートの耐久性を向上させるために、PCTFEの機械的強度が大きいことに着目して、弁シートの材質をPCTFEにしていた。換言すれば、機械的強度の小さいPFAやPTFE製の弁シートは、変形による流体漏れを生じやすいと考えられ、使用されていなかった。
しかし、レギュレータ1のように、ポペット弁体7が復帰ばね19に載せられて摺動部を備えない場合、ポペット弁体7は不安定で傾きやすい。
PFA又はPTFE製の弁シート15は、上述したように硬度が低いため、ポペット弁体7が当接したときに変形しやすい。そのため、ポペット弁体7は、弁シート5に傾いて当接しても、復帰ばね19が軸線に沿って押す力によって傾きを是正し、シール面に均一な力で当接する。よって、PFA又はPTFE製の弁シート15は、ポペット弁体7がシール面に均一な力で接触を繰り返し、シール面が偏って変形しにくい(図6、図7参照)。
これに対して、PCTFE製の弁シートは、硬度が高いため、ポペット弁体7が当接したときに変形しにくい。そのため、ポペット弁体7は、弁シート5に傾いて当接すると、復帰ばね19によって軸線方向に押されても傾きを是正できず、シール面に片当たりする。この力で、PCTFE製の弁シートが塑性変形すると、以後、ポペット弁体7はシール面に片当たりし続け、PCTFE製の弁シートはシール面が偏って摩耗する(図10参照)。
また、PFA又はPTFE製の弁シート15は、引張伸び率が大きい。ポペット弁体7は弁シート15のシール面に密着してシールしており、弁シート15から離れるときに、シール面の表面を引っ張る。引張伸び率が大きいPFA又はPTFE製の弁シート15は、ポペット弁体7に引っ張られて変形し、ポペット弁体7の吸着力が徐々に減少するため、シール面の表面がポペット弁体7から離れやすい。よって、PFA又はPTFE製の弁シート15は、シール面の表面がポペット弁体7によって剥がされにくく、摩耗の進行速度が遅い。
これに対して、PCTFE製の弁シートは、引張伸び率が小さい。そのため、ポペット弁体7が、PCTFE製弁シートのシール面に密着してシールした後、PCTFE製の弁シートから離れるときに、PCTFE製の弁シートは、シール面の表面が変形しにくい。PCTFE製弁シートのシール面は、ポペット弁体7に強く引っ張られ、表面がポペット弁体7に密着したまま引き剥がされやすい。よって、PCTFE製の弁シートは、摩耗の進行速度が速くなる。摩耗が生じた部分はシール面が凸凹になり、流体漏れが生じやすくなる。
ここで、発明者らは、図8に示す試験回路を用いて、パーティクル評価試験を行った。
図8に示すように、試験回路は、レギュレータ61と、圧力計62と、フィルタ63と、サンプル用レギュレータ100A(又は100B)と、圧力計64と、エアオペレイトバルブ65と、流量調整弁66と、流量計67とを直列に接続し、流量計67をパーティクルカウンタ68に接続して構成する。
パーティクル評価試験では、PCTFE製弁シート150Aを使用するサンプル用レギュレータ100Aと、PFA製弁シート150Bを使用するサンプル用レギュレータ100Bとを試験回路に組み替えて行い、PCTFE製弁シート150AとPFA製弁シート150Bによるパーティクル発生量(個)を調べた。試験では、レギュレータ61が流体圧を0.3MPaに制御し、サンプル用レギュレータ100A(又は100B)が流体圧を0.15MPaに制御し、流量調整弁66が流量を28L/minに制御するようにした。
図9は、パーティクル評価試験の試験結果を示す図である。
図9に示すように、PCTFE製弁シート150Aを使用するサンプル用レギュレータ100Aは、動作回数が1.E+02回と少ないときから、パーティクルが500個以上生じ、さらに動作回数が1.E+03回になるまでの間にパーティクル発生量が約10倍に増加した。その後、パーティクル発生量が減少するが、これは弁シート150Aの摩耗が進んで削れにくくなり、パーティクルが減少したものと考えられる。
これに対して、PFA製弁シート150Bを使用するサンプル用レギュレータ100Bは、動作回数が1.E+02回の時点ではパーティクル発生量がゼロであった。その後に動作回数を重ねても、基本的にパーティクル発生量がゼロであった。時折パーティクルを発生する場合でも、そのパーティクル発生量は10個以下と極めて少なかった。
よって、PFA製弁シート150Bは、PCTFE製弁シート150Aよりパーティクル発生量が大幅に少なかった。この試験結果は、PFA製弁シート150Bが、PCTFE製弁シート150Aより摩耗速度が遅く、摩耗が少ないことを数値的に裏付けている。
尚、発明者らは、PTFE製弁シート150Cについても同様の試験を行い、PFA製弁シート150Bと同様の結果が得られた。
上記のように、PFA又はPTFE製弁シート15は、PCTFE製弁シートと比べて片当たりによる変形を生じにくいので、流体漏れが生じにくく、耐久性が良い。
しかも、PFA又はPTFE製弁シート15は、PCTFE製弁シートと比べて摩耗速度が遅くて摩耗しにくいので、流体漏れを生じにくく、耐久性が良い。
以上説明したように、本実施形態のレギュレータ1は、硬度がD70以下という柔らかい弁シート15を使用するので、ポペット弁体7が当接したときに弁シート15が変形しやすく、流体漏れしにくい。よって、本実施形態のレギュレータ1によれば、流体漏れに伴う設定圧力の上昇を防止することができる。
本実施形態のレギュレータ1は、温度が23度の条件下で、引張伸び率が250%以上の変形しやすい弁シート15を使用するので、弁シート15のシール面が摩耗しにくく、流体漏れを生じにくい。よって、本実施形態のレギュレータ1によれば、流体漏れに伴う設定圧力の上昇を防止することができる。
本実施形態のレギュレータ1は、1MPa以下の作用ガスを制御するので、ポペット弁体7が弁シート15に当接する力が小さくて済む。よって、本実施形態のレギュレータ1によれば、弁シート15の硬度が低く、或いは、引張伸び率が大きい場合でも、弁シート15が破損しにくい。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、レギュレータをガス供給制御装置に使用したが、第1ポート11をガス容器に接続し、第2ポート12を真空ポンプに接続し、真空引きする際の圧力調整に使用してもよい。
例えば、上記実施形態では、流路ブロック2とシートホルダ16との間で狭持される弁シート15を「弁座部」の一例とした。これに対して、シートホルダ16又は流路ブロック2に弁シート15を一体に設けてもよいし、流路ブロック2やホルダ16などをPTFEなどの樹脂で形成して、弁座部を一体成形してもよい。
本発明の実施形態に係り、レギュレータの断面図である。 同じく、弁シート材質とシール性との関係を調べる試験の試験方法を示す図である。 同じく、弁シート材質とシール性との関係を調べる試験の試験結果を示す図である。縦軸には、He吹きかけ後の漏洩量(Pa・m3/s)を示す。横軸には、荷重(N)を示す。 同じく、耐久性を調べる試験で使用した試験回路の回路図である。 同じく、PCTFEとPFAとPTFEの材質特性を比較する図である。 同じく、PFA製弁シートの耐久試験後の状態を示す図である。 同じく、PTFE製弁シートの耐久試験後の状態を示す図である。 同じく、パーティクル評価試験において使用した装置の回路図である。 同じく、パーティクル評価試験の試験結果を示す図である。 従来のレギュレータに使用されるPCTFE製弁シートの耐久試験後の状態を示す図である。
符号の説明
1 レギュレータ
7 ポペット弁体(弁体)
15 弁シート(弁座部)

Claims (4)

  1. 流体を設定圧力に制御するレギュレータにおいて、
    弁体が当接又は離間する弁座部は、硬度がD70以下のフッ素樹脂を材質とすることを特徴とするレギュレータ。
  2. 流体を設定圧力に制御するレギュレータにおいて、
    弁体が当接又は離間する弁座部は、引張伸び率が、温度23度の条件下で、250%以上のフッ素樹脂を材質とすることを特徴とするレギュレータ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載するレギュレータにおいて、
    前記弁座部は、PFA又はPTFEを材質とすることを特徴とするレギュレータ。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載するレギュレータにおいて、
    1MPa以下の流体を制御するものであることを特徴とするレギュレータ。
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