JP2008157099A - Dpf装置の再生熱害防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】DPF装置の手動による再生処理時において、DPF装置の周辺に設けられた機器類に熱損傷を与えることのないDPF再生熱害防止装置を提供すること。
【解決手段】車両搭載エンジンの排気ガスを浄化するDPF装置と、車両が停車している状態の時にDPF装置の再生を任意に行うDPF再生手段と、DPF再生手段の作動に連動して、車両に搭載されているエアコン用コンデンサーのファンを駆動する駆動手段とを備えてDPF再生熱害防止装置を構成した。これにより、コンデンサーのファンが作動し、車両の床下にファンからの排出風が送られることにより、車両が停止した状態でも床下の空気がよどむことがなくなり、DPF装置の周辺に設けられた機器が、DPF装置から放出される熱で熱損傷を受けることを防止できる。装置を別途車両に設ける必要がないので、低いコストで実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】車両搭載エンジンの排気ガスを浄化するDPF装置と、車両が停車している状態の時にDPF装置の再生を任意に行うDPF再生手段と、DPF再生手段の作動に連動して、車両に搭載されているエアコン用コンデンサーのファンを駆動する駆動手段とを備えてDPF再生熱害防止装置を構成した。これにより、コンデンサーのファンが作動し、車両の床下にファンからの排出風が送られることにより、車両が停止した状態でも床下の空気がよどむことがなくなり、DPF装置の周辺に設けられた機器が、DPF装置から放出される熱で熱損傷を受けることを防止できる。装置を別途車両に設ける必要がないので、低いコストで実現できる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、車両に搭載されたDPF装置に関し、DPF装置を再生する時の熱害を防止する熱害防止装置に関する。
DPF(Diesel Particulate Filter)装置は、車両の排気管に設け、特に排気ガス中に含まれる微粒子をフィルターで捕集する排気ガス浄化装置である。フィルターで捕集された微粒子(特に、煤分)は、走行中に自動的に燃焼させ、フィルターを再生している。ところが車両の走行状態によっては、走行中に燃焼処理を行わせるだけでは、フィルターに処理しきれない微粒子が残り、適宜手動で再生を行わせる必要があった。
手動でのDPF装置の再生処理は、エンジン回転数を高めに保ち、更に未燃焼ガス成分をDPF装置に供給する場合があることなどから、通常車両を停止させた状態で所定時間継続して行われる。
特開平11−336530号公報
しかしながら小型バスなどでは、車体壁が車両床下まで延設してあり、床下の周囲が囲まれている。したがって、停車した状態でDPF装置の再生処理を行うと、DPF装置の再生に伴って発生する熱が床下にこもり、床下に取り付けられた各種機器類に熱損傷を与えるおそれが生じる。
本発明は上記課題を解決し、DPF装置の手動による再生処理時においても、DPF装置の周辺に設けられた機器類に熱損傷を与えることのないDPF再生熱害防止装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため車両のDPF再生熱害防止装置を次のように構成した。
1、車両搭載エンジンの排気ガスを浄化するDPF装置と、車両が停車している状態の時にDPF装置の再生を任意に行うDPF再生手段と、DPF再生手段の作動に連動して、車両に搭載されているエアコン用コンデンサーのファンを駆動する駆動手段とを備えてDPF再生熱害防止装置を構成した。
2、駆動手段は、車両のエアコンが作動しているときには、エアコンの作動を優先し、かつエアコン作動においてファンを駆動させる必要がなくなった場合でも、DPF再生手段の再生時にはファンの回転を停止させないこととした。
3、外気温度が、所定温度以下のときには、DPF再生手段の再生時においても、コンデンサーのファンを駆動させないこととした。
本発明にかかるDPF再生熱害防止装置を用いる車両は、小型バスを想定している。すなわち車両側壁が床下まで延設され、車両の前後左右が側壁で囲まれている車両である。また空調用エアコンのコンデンサーが、車両側方のほぼ中央付近に設置してあり、ファンによりコンデンサーから車両内部に向けて排出風が発生する。更にDPF装置がシャーシフレームの内側で、車両前後方向のほぼ中央付近に配置されている車両である。
車両の側壁構造、エアコンの構成は、特に従来のものと変更はない。コンデンサーのファンは、車両外側から空気を取り込み、コンデンサーを冷却した後、床下に排出風を送出する。この排出風は、DPF装置周辺に送られ、コンデンサーと反対側から車外に排出されたり、車両の前後に放散される。尚、本発明にかかるDPF再生熱害防止装置を設ける車両は必ずしも、上記車両に限定するものではない。
DPF装置は、停車した状態でフィルターの再生処理を行う必要がある形式である。DPF装置は、手動再生処理を行っているとき、微粒子燃焼のため数百℃に温度が上昇される。
本発明においては、ファンによる排出風は、DPF装置に直接当たる必要はなく、DPF装置からの輻射熱やDPF装置が生じさせる熱気により温度が上昇させられる周辺機器に当たったり、周辺機器に触れる空気が床下から排出されればよい。この場合コンデンサーのファンのみが作動すればよく、エアコン本体が作動している必要はない。
エアコンを使用しているときは、エアコンの動作を優先させるので、エアコンの作動において必要なときは、必ずファンは駆動される。一方エアコンの作動において、コンデンサーのファン駆動が不要となった場合でも、DPF装置が手動再生中のときは、コンデンサーのファンを作動させる。
DPF再生熱害防止装置は、従来のファンの駆動回路に、DPF再生熱害防止装置の制御用リレー等を並列に組み入れ、DPF装置の手動再生処理を行っているときに、組み入れた制御用リレーでファンを作動させるようにしても、あるいは、エアコンの制御システムに、DPF再生熱害防止装置の作動制御システムを予め組み入れ、これによりファンを作動させるようにしてもよく、特に、ファンの制御方法は特定しない。
ファンを作動させない所定温度とは、それ以下の外気温であればDPF再生処理による熱害が生じないと判断される程度に低い温度である。あるいは、ファンの作動によりコンデンサーに、着雪したり凍結により不具合が発生する恐れが考えられる温度をいう。かかる温度としては、例えば15℃が考えられる。外気温が15℃以下の環境では、DPF装置を手動再生させても、ほとんど熱害の発生がないと想定される。更に、車両が使用される環境の外気温等に対応させ、ファンの回転を高回転や低回転に切り替えるようにしてもよい。
本発明にかかる車両のDPF熱害防止装置は、次の効果を有している。
コンデンサーのファンが作動し、車両の床下にファンからの排出風が送られることにより、車両が停止した状態でも床下の空気がよどむことがなくなる。これにより、DPF装置の周辺に設けられた機器が、DPF装置から熱を受けて損傷されることを防止できる。送風のために装置を別途車両に設ける必要がないので、低いコストで実現できる。DPF装置の周辺に設けられた機器類の耐熱性能を変更する必要がないので、コスト上昇を防止できる。
コンデンサーのファンが作動し、車両の床下にファンからの排出風が送られることにより、車両が停止した状態でも床下の空気がよどむことがなくなる。これにより、DPF装置の周辺に設けられた機器が、DPF装置から熱を受けて損傷されることを防止できる。送風のために装置を別途車両に設ける必要がないので、低いコストで実現できる。DPF装置の周辺に設けられた機器類の耐熱性能を変更する必要がないので、コスト上昇を防止できる。
エアコンの動作が優先されるので、エアコンは何ら影響を受けることなく使用できる。したがって、作業者はエアコンが作動した車両内に待機し、快適にDPF装置の再生処理が行える。コンデンサーを冷却させた排出風の温度は、再生処理中のDPF装置の温度に比較すると大幅に低いので、DPF装置による熱害防止に対して影響を与えない。
ファンを不要に回転させないので、ファンの破損や、耐用年数の短縮化等を防止できる。コンデンサーに着雪したり、コンデンサーが凍結することを防止できる。
本発明にかかる車両のDPF再生熱害防止装置の一実施形態について、図を参照して説明する。
図5に、DPF(Diesel Particulate Filter)装置を床下に具えた構造の車両100を示す。車両100は、フロントエンジン形式の小型バスであり、車両前方に車両用のエンジン102が搭載してあり、側壁114が、車両100の下部まで延設されている。
図5に、DPF(Diesel Particulate Filter)装置を床下に具えた構造の車両100を示す。車両100は、フロントエンジン形式の小型バスであり、車両前方に車両用のエンジン102が搭載してあり、側壁114が、車両100の下部まで延設されている。
車両100は、図4に示すように中央にラダー型のシャーシフレーム110が配置されている。シャーシフレーム110には、前方からエンジン102、トランスミッション104、DPF装置10が取り付けられている。またシャーシフレーム110には、図3に示すようにボディフレーム112が取り付けてあり、ボディフレーム112の上側に、床材118が設けられ、下側にコンデンサー4が取り付けてある。またボディフレーム112には、側壁114が取り付けてあり、側壁114は床材118を超えて、シャーシフレーム110の下まで延びている。上記コンデンサー4に、本発明にかかるDPF再生熱害防止装置の一例が組み入れられている。
DPF装置10は、エンジン102から延びる排気管に接続し、図4に示すように車両100の前後方向ほぼ中央に、前述したようにシャーシフレーム110に固定されている。DPF装置10は、内部にフィルター(図示せず。)を具え、エンジン102から排出される微粒子をフィルターで捕集し、排気ガスを浄化する。またDPF装置10は、再生手段(図示せず。)を具えている。DPF装置10は、捕集された微粒子を車両走行中に徐々に燃焼させるが、走行条件により微粒子がフィルターに堆積する。すると再生手段を用いて、車両100を停めた状態で、フィルターに堆積した微粒子を燃焼させ、フィルターの再生処理を適宜行う。
コンデンサー4は、車両100の空調用エアコンのコンデンサーであり、図3、図4に示すようにシャーシフレーム110より外側で、側壁114より内側の位置に、ボディフレーム112の下側に取り付けられている。コンデンサー4には、ファン6が、コンデンサー4の内側(車両に対して。)取り付けてあり、エアコンを作動させるとエアコン制御手段(図1参照。)からの操作により駆動手段としてのファンモーター32等が駆動し、ファン6が適宜回転する。ファン6は、コンデンサー4の前面(車両100の側方)から外気を取り入れ、コンデンサー4を通過させた後、コンデンサー4の後方、つまり車両100の内部に向けて風を排出させる。コンデンサー4の前面の車両100の側壁114には、外気導入用に通気孔が複数設けてある。
図1にエアコン制御手段2を示す。エアコン制御手段2は、従来のエアコン制御手段に、DPF再生熱害防止装置におけるファン6の駆動回路を組み合わせたものである。回路の作動について説明する。
E/G(エンジン)ECU21でDPF手動再生が開始されると、ランプ20が点灯し、リレー22が動作する。すると常開接点22aが閉成し、温度センサー30が閉じていれば(所定温度以上である。)、リレー23が動作する。リレー23の動作により常開接点23aが閉成し、常閉接点26bが閉成しているので、リレー24、及びリレー25が動作する。
これにより常開接点24aと常開接点25aが閉成し、リレー27とリレー29が動作し、常開接点27aが閉成し、双方向性接点29cの常開側が閉成する。すると、ファンモーター32とファンモーター33が直列に接続され、A/Cコントローラ31の作動の有無にかかわらず、ファンモーター32とファンモーター33が低速回転で駆動される。ファンモーター32とファンモーター33は、コンデンサー4に取り付けられたファン6の駆動モーターである。
また、DPF手動再生制御においてファンモーター32等が駆動している状態で、エアコンを強冷房運転するときには、A/Cコントローラ31の作動によりリレー27とリレー28が動作され、常開接点28aが閉成し、リレー26が動作する。リレー26の動作により常閉接点26bが開成し、これによりリレー24とリレー25の動作が停止し、常開接点24aと常開接点25aが開成して、DPF手動再生制御によるファンモーター32とファンモーター33の駆動が解除される。そして、リレー29の動作が停止し、双方向性接点29cの常閉側が閉成する。よって、ファンモーター32とファンモーター33に電源が並列に接続され、それぞれは高速回転で駆動される。
更にかかる状態から、A/Cコントローラ31が、ファンモーター32等の駆動を停止させる制御を行っても、リレー24とリレー25が動作して、DPF手動再生制御における各リレーの駆動により、ファンモーター32及び33は継続して駆動される。
なお、エアコンを弱冷房運転する時には、A/Cコントローラ31の作動によりリレー27とリレー29が動作して、ファンモーター32とファンモーター33は、直列の状態で電源に接続され、それぞれ低速回転で駆動される。
一方、外気温が所定温度以下であると、温度センサー30が開成し、DPF手動再生制御においてファンモーター32等を駆動させる信号を発しても、リレー23が動作せずファンモーター32等は駆動しない。
次に、本発明にかかるDPF再生熱害防止装置を有する車両100における、作用、効果等について説明する。
車両100には、DPF装置10の警告灯が設けてあり、フィルターに微粒子が堆積し、DPF装置10の上流側と下流側の排気管に圧力差が生じ、その圧力差が所定値を超えると警告灯が点灯し、運転者に手動による再生処理を促す。手動による再生処理は、車両100を安全な場所に停車させ、ギアをニュートラにし、パーキングブレーキを掛けるなど所定の操作を行って、再生処理のスイッチを入れる。
車両100には、DPF装置10の警告灯が設けてあり、フィルターに微粒子が堆積し、DPF装置10の上流側と下流側の排気管に圧力差が生じ、その圧力差が所定値を超えると警告灯が点灯し、運転者に手動による再生処理を促す。手動による再生処理は、車両100を安全な場所に停車させ、ギアをニュートラにし、パーキングブレーキを掛けるなど所定の操作を行って、再生処理のスイッチを入れる。
すると、車両100はDPF装置10の手動再生処理に入り、ランプ20を点灯させ、DPF装置10は、フィルターに堆積した微粒子の燃焼を開始する。それと同時に、ファンモーター32等が駆動し、コンデンサー4のファン6が作動する。ファン6が作動すると、車両100の外側から側壁114を通して外気を導入し、車両100の床下内側に風を送り出す。ファン6から排出された排出風流は、車両100の内部、つまりシャーシフレーム110の内側にまで送り込まれ、DPF装置10の周囲の空気がファン6からの排出風により入れ替えられる。DPF装置10が手動再生処理により高温になっても、周辺に熱気を滞留させることがなく、周囲に設置された機器類の温度を低下させ、機器類の熱損傷を防止できる。
また、DPF装置10の手動再生処理とエアコン(冷房)を同時に作動させても、エアコンの制御が優先されてファン6が作動し、エアコンの使用に支障は生じない。したがって、運転者は、夏季においても、冷房の効いた車内でDPF装置10の再生処理を行わせることができる。そして、エアコンの制御でファン6の駆動が不要になっても、再生処理を行っているときは、ファン6は駆動するため、機器類の熱損傷を防止できる。
冬季など外気温が所定以下になったときは、DPF装置10の再生処理を行ってもファン6が駆動しないので、ファンモーター32等の疲弊を防止し、寿命を延長できるとともに、コンデンサー4の着氷、凍結等を防止できる。
上記例は、リレー回路を追加して手動再生時にファン6を駆動させることとしたが、本発明はこれに限らず、図2に示すように、予めA/Cコントロールパネルのロジックを変更し、エンジンECU21から手動再生処理を行う信号をA/Cコントロールパネルに入力させたら、A/Cコンパネが上述したようにファンモーター32等を作動させるように設定してもよい。更に、マニュアル制御のエアコンにおいては、ファンモーターの常開接点(図示せず。)に、新たにDPF装置10の手動再生処理時に閉成する常開接点を設けて構成できる。
2…エアコン制御手段
4…コンデンサー
6…ファン
10…DPF装置
21…E/G ECU
31…A/Cコントローラ
100…車両
102…エンジン
104…トランスミッション
110…シャーシフレーム
114…側壁
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Claims (3)
- 車両搭載エンジンの排気ガスを浄化するDPF装置と、前記車両が停車状態の時に前記DPF装置の再生を任意に行うDPF再生手段と、前記DPF再生手段の再生に連動して、前記車両に搭載されているエアコン用コンデンサーのファンを駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするDPF再生熱害防止装置。
- 前記駆動手段は、エアコンが作動しているときには、エアコンの作動を優先し、かつエアコン作動において前記ファンを駆動させる必要がなくなった場合でも、前記DPF再生手段の再生時には前記ファンの回転を停止しないこととした請求項1に記載のDPF再生熱害防止装置。
- 外気温センサを具え、該外気温センサが検出した外気温度が所定温度以下のときには、前記DPF再生手段の作動時においても、前記コンデンサーのファンを作動させないこととした請求項1または2に記載のDPF再生熱害防止装置。
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JP2006346438A JP2008157099A (ja) | 2006-12-22 | 2006-12-22 | Dpf装置の再生熱害防止装置 |
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Cited By (1)
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WO2012050508A1 (en) * | 2010-10-15 | 2012-04-19 | Scania Cv Ab | Arrangement and method for controlling a ventilation system |
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2006
- 2006-12-22 JP JP2006346438A patent/JP2008157099A/ja not_active Withdrawn
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CN103153659A (zh) * | 2010-10-15 | 2013-06-12 | 斯堪尼亚商用车有限公司 | 用于控制通风系统的设备和方法 |
CN103153659B (zh) * | 2010-10-15 | 2015-07-29 | 斯堪尼亚商用车有限公司 | 用于控制通风系统的设备和方法 |
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