JP2008156621A

JP2008156621A - 液晶媒体

Info

Publication number: JP2008156621A
Application number: JP2007305387A
Authority: JP
Inventors: Takanori Takeda; 貴徳武田; Yuko Arai; 裕子新井; Yasushi Sugiyama; 靖杉山; Hideo Ichinose; 秀男一ノ瀬; Toshihiro Matsumoto; 俊寛松本; Kan Okazaki; 敢岡▲崎▼
Original assignee: Merck Patent GmbH; Sharp Corp
Current assignee: Merck Patent GmbH; Sharp Corp
Priority date: 2006-11-28
Filing date: 2007-11-27
Publication date: 2008-07-10
Anticipated expiration: 2027-11-27
Also published as: JP5657193B2

Abstract

【課題】ＬＣ媒体、とくにＴＦＴ（薄膜トランジスタ）型、および一般のＴＮもしくはＳＴＮディスプレイのようなアクティブマトリクスディスプレイタイプ用のものとして、極めて高い比抵抗値、低いしきい値電圧、小さい回転粘度、広いネマチック相範囲とともに高い透明点、改善されたＬＴＳおよび速い切り換え時間を同時に有する液晶媒体を提供する。
【解決手段】１種または２種以上の、非置換、フッ素および／または塩素置換したフェニル環および／またはシクロヘキサン環が直接結合した骨格構造を有する特定の化合物を特定の割合で含む液晶媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は液晶媒体、その電気光学目的における使用およびこの液晶媒体を含む電気光学液晶ディスプレイに関する。

ＬＣＤ（液晶ディスプレイ）、とくにマトリクスタイプのものには、極めて高い比抵抗とともに、広い動作温度範囲、低温下においても短い応答時間および低いしきい値電圧に対する多大なる要求がある。とくに、ＴＮ（ねじれネマチック）ディスプレイセル用のＬＣ媒体としては、以下の優位点を具備するセルを有するものが必要とされている：
−ネマチック相範囲が拡大されていること（とくに、低温にまで）
−極端な低温下における切り換え能（野外における使用、自動車、航空機）
−ＵＶ照射に対して耐性が向上していること（より長い耐用年数）

ＴＮセルおよびＳＴＮセル（超ねじれＴＮ）においては、ＬＣ媒体としてより大きい時分割特性、より低いしきい値電圧およびより広いネマチック相範囲、とくに、低温において広いこと、を可能とするものが望まれている。用い得るパラメータ（透明点、スメクチック−ネマチック転移点または融点、粘度、誘電パラメータ、弾性パラメータ）の余裕度のさらなる拡大も望まれている。また、ＬＣ媒体は弾性定数の比Ｋ３３／Ｋ１１の好ましい値を有するべきである。

ＴＶおよびモニター用途においては、ＬＣ媒体として早い応答速度および低いしきい値電圧、さらに良好なＬＴＳ（低温安定性）を有するものが望まれている。また、切り換え可能なＬＣ層の厚みに依存して、中程度の、または高い複屈折性が要求される場合もある。

しかし、従来技術において知られているＬＣ媒体は欠点を有していて、かかる欠点によってこれらの全ての要求が同時に達成されることが妨げられ、ＬＣセルの他のパラメータに負の影響が及ぼされる。

本発明の目的は、ＬＣ媒体、とくにＴＦＴ（薄膜トランジスタ）型、および一般のＴＮもしくはＳＴＮディスプレイのようなアクティブマトリクスディスプレイタイプ用のものとして、前記欠点を有していないか、または有していても小さい程度であり、また好ましくは極めて高い比抵抗値、低いしきい値電圧、小さい回転粘度、広いネマチック相範囲とともに高い透明点、改善されたＬＴＳおよび速い切り換え時間を同時に有するもの、を与えることにある。もう一つの目的は、専門家が用い得るＬＣ媒体のプールを拡大せしめることにある。他の目的は、以下の記載から直ちに明白となる。

これらの目的が、本発明のＬＣ媒体をディスプレイにおいて用いることによって、達成されることが見出された。
すなわち、本発明は、以下を含むＬＣ媒体に関する：
− １種または２種以上の式Ｉの化合物を１０〜３０％、
− １種または２種以上の式ＩＩの化合物を５〜１５％、
− １種または２種以上の式ＩＩＩの化合物を０〜８％、
− １種または２種以上の式ＩＶの化合物を４〜１５％、
− １種または２種以上の式Ｖの化合物を２０〜４０％、
− １種または２種以上の式ＶＩの化合物を２０〜４０％、
− １種または２種以上の式ＶＩＩの化合物を１〜１０％。

式中、
Ｒ^１およびＲ^２は相互に独立して１〜８個のＣ原子を有する直鎖のアルキルであり、好ましくはメチル、エチル、ｎ−プロピル、ｎ−ブチル、ｎ−ペンチルまたはｎ−ヘキシルであり、
Ｒ^３は１〜８個のＣ原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシであり、好ましくはメチル、エチル、ｎ−プロピル、ｎ−ブチル、ｎ−ペンチルもしくはｎ−ヘキシル、またはメトキシ、エトキシ、ｎ−プロポキシ、ｎ−ブトキシ、ｎ−ペントキシもしくはｎ−ヘキソキシであり、
Ｒ^４およびＲ^５は相互に独立して２〜８個のＣ原子を有する直鎖のアルケニルであり、好ましくはビニル、１Ｅ−プロペニルまたは３−ブチルであり、
Ｙ^１はＨまたはＦである。

本発明の液晶媒体は、高い透明点、低い粘度、低いしきい値電圧を有し、および弾性定数の比Ｋ３３／Ｋ１１が、とくに低温において低く、Ｖ−Ｔ曲線がシャープなるといった格別な効果を奏する。また、本発明の液晶媒体は、速い切り換え時間、良好なＬＴＳ、高い比抵抗、高いＵＶ安定性および高い電圧保持率（ＨＲ）も達成する。さらに、透明点、回転粘度、低いΔｎおよび誘電異方性の組み合わせは従来技術において知られているものより優れている。

とくに好ましいＬＣ媒体は、以下の式から選択される１種または２種以上の化合物を含み、

とくにこれらの化合物から本質的になるＬＣ媒体である。
なお、本明細書において「本質的になる」とは、対象となっている成分を、当該媒体全体の９０％以上の割合で含むことを意味する。

さらに好ましいＬＣ媒体は以下を含む：
−１種または２種以上の式Ｉの化合物、とくに式Ｉａ、ＩｂおよびＩｃから選択されたもの、を１５〜２５％
−１種または２種以上の式ＩＩの化合物、とくに式ＩＩａおよびＩＩｂから選択されたもの、最も好ましくは式ＩＩａのもの、を７〜１２％、
−１種または２種以上の式ＩＩＩの化合物とくに式ＩＩＩａのもの、を０．５〜４％、
−１種または２種以上の式ＩＶの化合物、とくに式ＩＶａのもの、を５〜１０％、
−１種または２種以上の式Ｖの化合物、とくに式Ｖａ、ＶｂおよびＶｃから選択されたもの、を２５〜３０％、
−１種または２種以上の式ＶＩの化合物、とくに式ＶＩａおよびＶＩｂから選択されたもの、を２２〜３５％、
−１種または２種以上のＶＩＩの化合物、とくに式ＶＩＩａ、ＶＩＩｂおよびＶＩＩｃから選択されたもの、最も好ましくは式ＶＩＩａおよびＶＩＩｂのもの、を２〜８％。
とくに好ましいＬＣ媒体は、これらの化合物のみからなる。

本発明のＬＣ媒体が有利であるのは、高い透明点、低い粘度、低いしきい値電圧を有し、および弾性定数の比Ｋ３３／Ｋ１１が、とくに低温において低く、Ｖ−Ｔ曲線がシャープになるからである。

純粋な状態において、式Ｉ〜ＶＩＩの化合物は無色であり、電気光学的使用において好ましい位置にある温度範囲において液晶メソフェーズを形成する。同化合物は化学的に、熱的に、そして光に対して、安定である。

式Ｉ〜ＶＩＩの化合物は自体公知の方法によって製造され、かかる方法は文献（例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg- Thieme-Verlag, Stuttgartのような標準的な学術書）に記載されている。正確には、公知であり、該反応に対して好適な条件下においてである。製造には自体公知の変法も用いることができるが、本明細書においてはそれらについてこれ以上詳しくは述べない。

本発明は、このタイプのＬＣ媒体を含む電気光学ディスプレイ、電気光学目的におけるその使用にも関する。極めて好ましいのは、以下を具備するＴＦＴディスプレイである：フレームとともにセルを形成する２つの面平行な外部プレート、外部プレート上の画素の切り換えを行うための集積非線形素子、および正の誘電異方性および高い比抵抗を有し、セル中に配置される本発明のネマチックＬＣ媒体。

本発明のＬＣ混合物は、用い得るパラメータの許容度を顕著に拡大せしめることができる。とくに、同混合物が、速い切り換え時間、低いしきい値電圧、良好なＬＴＳ、高い比抵抗、高いＵＶ安定性および高い電圧保持率（ＨＲ）［S. Matsumoto et al., Liquid Crystals 5, 1320 (1989); K. Niwa et al., Proc. SID Conference, San Francisco, １９８４年６月、 p. 304 (1984); G. Weber et al., Liquid Crystals 5, 1381 (1989)に定義されている］を有することが見出された。また、透明点、回転粘度γ₁、低いΔｎおよび誘電異方性の組み合わせは従来技術において知られているものより優れている。

本発明のＬＣディスプレイの構造は、偏光板、電極基板および表面処理電極を含めて、このタイプのディスプレイの通常の構造に相当する。「通常の構造」の語によって、ＬＣディスプレイの全ての誘導体および改変体が網羅され、とくにマトリクスで素子としてポリ−ＳｉＴＦＴまたはＭＩＭ（金属−絶縁体−金属）を基礎とするものが含まれる。しかしながら、本発明のディスプレイとＴＮセルを基礎とするディスプレイとの顕著な相違が、ＬＣ層のパラメータの選択に存する。

本発明に従って用い得るＬＣ混合物の調製は自体通常の方法によって行われる。
一般に、より少ない量で用いる成分を、所望の量で、主成分を構成する成分中に溶解する。昇温下で行うと有利である。成分の溶液を有機溶剤、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中に混合し、溶剤の再度の除去を例えば蒸留によって、十分に混合した後に行うことも可能である。

本発明のＬＣ媒体は、当業者に公知であり、文献に記載されている添加剤をさらに含んでよい。例えば、０〜１５％の多色性色素、安定化剤またはキラルドーパントを添加することができる。好適な安定化剤およびキラルドーパントは下記において示す。

本明細書および下記の例において、ＬＣ媒体の成分は以下の頭字語を用いて示す。

以下のリストは、本発明のＬＣ媒体に添加し得るキラルドーパントを示す。割合は、好ましくは０．１〜１０ｗｔ．％であり、極めて好ましくは０．１〜６ｗｔ．％である：

以下のリストは、本発明のＬＣ媒体に添加し得る安定化剤である：

本明細書全体をとおして、パーセンテージは重量によるパーセントである。温度はいずれも、摂氏度で示されている。ｍ．ｐ．は融点を表し、ｃｌ．ｐ．＝透明点である。さらにまた、Ｃ＝結晶状態、Ｎ＝ネマチック相、Ｓ＝スメクチック相およびＩ＝アイソトロピック相である。これらの記号間の数字は転移温度を表す。Δｎは光学異方性を表し、ｎ_ｏは屈折率を表す（５８９ｎｍ、２０℃）。回転粘度γ₁［ｍＰａ．ｓ］は２０℃で決定する。Ｖ_１０は、１０％相対透過率（視野角はプレート表面に対して垂直）における電圧を示す。Δεは誘電率異方性を表す（Δε＝ε‖−ε⊥、ここでε‖は分子の長軸に平行な誘電定数を表し、ε⊥は分子の長軸に垂直な誘電定数を表す）。電気光学データの測定は、他に明記されていない限りＴＮセル内にて、第一極小値において（すなわちｄ・Δｎ値が０．５μｍである点において）、２０℃で行う。光学データの測定は、他に明記されていない限り２０℃で行う。

以下の例は、本発明を限定することなく説明するものである。
例１

Ｋ３３／Ｋ１１値として、異なる温度および周波数におけるものを以下に示す。

Claims

以下を含む液晶媒体：
− １種または２種以上の式Ｉの化合物を１０〜３０％、
− １種または２種以上の式ＩＩの化合物を５〜１５％、
− １種または２種以上の式ＩＩＩの化合物を０〜８％、
− １種または２種以上の式ＩＶの化合物を４〜１５％、
− １種または２種以上の式Ｖの化合物を２０〜４０％、
− １種または２種以上の式ＶＩの化合物を２０〜４０％、
− １種または２種以上の式ＶＩＩの化合物を１〜１０％。

式中、
Ｒ^１およびＲ^２は相互に独立して１〜８個のＣ原子を有する直鎖のアルキルであり、
Ｒ^３は１〜８個のＣ原子を有する直鎖のアルキルまたはアルコキシであり、
Ｒ^４およびＲ^５は相互に独立して２〜８個のＣ原子を有する直鎖のアルケニルであり、
Ｙ^１はＨまたはＦである。
以下の群から選択される１種または２種以上の化合物を含む、請求項１に記載の液晶媒体。
以下を含む、請求項２に記載の液晶媒体。
−１種または２種以上の式Ｉａ、ＩｂおよびＩｃの化合物を１５〜２５％、
−１種または２種以上の式ＩＩａ化合物を７〜１２％、
−１種または２種以上の式ＩＩＩａの化合物を０．５〜４％、
−１種または２種以上の式ＩＶａの化合物を５〜１０％、
−１種または２種以上の式Ｖａ、ＶｂおよびＶｃの化合物を２５〜３０％、
−１種または２種以上のＶＩａおよびＶＩｂの化合物を２２〜３５％、
−１種または２種以上のＶＩＩａおよびＶＩＩｂの化合物を２〜８％。
請求項１〜３のいずれかに記載の液晶媒体の、電気光学目的における使用。
請求項１〜３のいずれかに記載の液晶媒体を含む、電気光学液晶ディスプレイ。