JP2008154878A - 階段昇降判別装置及び活動量計 - Google Patents

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正晴 北堂
Hideki Nakamura
秀樹 中村
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和憲 木寺
Yoshihiro Matsumura
吉浩 松村
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Abstract

【課題】気圧センサ等他の手段を用いず、加速度センサの加速度検知出力のみで被装着者の階段の昇り降りを判別することができる階段昇降判別装置及びそれを用いて正確な活動量を計測できる活動量計を提供することにある。
【解決手段】階段昇降判別装置1は、人体に装着される加速度センサ2と、該加速度センサ2の加速度検知出力に基づいて歩行ピッチ及び加速度振幅を演算する体動検出部3と、平地歩行での歩行ピッチ時の加速度振幅とを対応させた平地歩行特性テーブルを記憶した記憶手段たるメモリ部4と、体動検出回路3で演算された歩行ピッチ及び加速度振幅のデータと前記平地歩行特性テーブルのデータとを比較して被装着者の階段の昇降を判別する昇降判別部5とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被装着者の階段における昇降状態を判別する階段昇降判別装置及びそれを用いて階段の昇降を反映させた被装着者の活動量を計測する活動量計に関するものである。
使用者の身体の活動を検知して使用者に生活改善のデータを提示するための装置として、運動レベル経時記憶装置(例えば特許文献1)が提供されている。
この特許文献1に開示されている運動レベル経時記憶装置は、運動強度の測定を行うために一つの加速度センサを用いて、使用者の歩数をカウントするとともに、カウント値と加速度センサが出力する最大電圧値とに基づいた運動量レベルの代表値を演算し、経時的変化を記憶するものである。
また、複数の加速度センサを用いて、その中で垂直方向の加速度センサを選び、その加速度センサ出力から歩数を検出する体動検出装置(例えば特許文献2)も提供されている。
この特許文献2に開示されている体動検出装置は、複数の加速度センサの一つを選んで演算を行って一方向だけの加速度について運動レベルを算出している。
特許第3027346号公報 特開2002−191580号公報
ところで、上述の特許文献1,2に開示されているもののも、使用者が平地歩行を行うことを前提とするもので、階段昇降と平地歩行との消費カロリーの違いを考慮していなかった。またそのような階段の昇降を判別する手段も備えいなかった。
一方階段の昇降を判別するめに気圧センサ等加速度センサ以外の手段を設けたものもあるが、センサの扱いが加速度センサとは別であるため、演算処理の負担が大きくなる上に、センサのコストも高くなるという課題があった。
本発明は、上述の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、気圧センサ等他の手段を用いず、加速度センサの加速度検知出力のみで被装着者の階段の昇り降りを判別することができる階段昇降判別装置及びそれを用いて正確な活動量を計測できる活動量計を提供することにある。
上述の目的を達成するために、請求項1の階段昇降判別装置の発明では、人体に装着される加速度センサと、該加速度センサの加速度検知出力に基づいて歩行ピッチ及び加速度振幅を演算する体動検出手段と、平地歩行での歩行ピッチ時の加速度振幅とを対応させた平地歩行特性テーブルを記憶した記憶手段と、前記体動検出手段で演算された歩行ピッチ及び加速度振幅のデータと前記平地歩行特性テーブルのデータとに基づき、被装着者の階段の昇降を判別する昇降判別手段とを有することを特徴とする。
請求項1の階段昇降判別装置によれば、気圧センサ等他の手段を用いず、加速度センサの加速度検知出力のみで被装着者の階段の昇り降りを判別することができ、コスト的にも安価である。
請求項2の階段昇降判別装置の発明では、請求項1の発明において、前記昇降判別手段は、前記体動検出手段が演算して求めた歩行ピッチに対応する加速度振幅を前記平地歩行特性テーブルのデータから参照し、該参照した加速度振幅と、前記体動検出手段が演算して求めた加速度振幅とを比較して、演算で求めた加速度振幅が参照した加速度振幅より小さいときには昇り状態と判定し、演算で求めた加速度振幅が参照した加速度振幅より大きいときには降り状態と判定することを特徴とする。
請求項2の階段昇降判別装置の発明によれば、被装着者の階段の昇り、降りの判別を簡単な演算処理で行える。
請求項3の階段昇降判別装置の発明では、請求項1又は2の発明において、前記平地歩行特性テーブルのデータは、被装着者の事前の平地歩行に基づいて取得したデータに基づいて設定されていることを特徴とする。
請求項3の階段昇降判別装置の発明によれば、被装着者自身の平地歩行時のデータを用いて予め作成した平地特性テーブルデータを用いて昇り降りの判別を行うため、精度良い判別ができる。
請求項4の活動量計の発明では、請求項1乃至3の何れかの階段昇降判別装置と。前記加速度センサの加速度検知出力に基づいて人体の活動量を演算する演算手段とを有し、該演算手段は、階段昇降判別装置の昇り状態、降り状態の判定結果を活動量の演算に反映させることを特徴とする。
請求項4の活動量計の発明によれば、平地歩行の消費カロリーとは異なる階段の昇り降り時の消費カロリーを考慮した正確な活動量演算を可能とした活動量計を実現できる。
本発明の階段昇降判別装置に係る発明は、気圧センサ等他の手段を用いず、加速度センサの加速度検知出力のみで被装着者の階段の昇り降りを判別することができ、コスト的にも安価であり、また本発明の活動量計の発明は、平地歩行の消費カロリーとは異なる階段の昇り降り時の消費カロリーを考慮した正確な活動量演算を可能とした活動量計を実現できるという効果がある。
本発明の階段昇降判別装置及び活動量計の夫々の実施形態を以下に詳説する。
(実施形態1)
本実施形態は階段昇降判別装置1の実施形態であって、図1に示すように加速度センサ2と、マイクロコンピュータ等から構成される体動検出部3及び昇降判別部4と、平地歩行テーブルを記憶したメモリ部5と、電池電源等の電源部(図示せず)で、該階段の昇降情報を用いる後述する活動量計6に組み込まれたり、昇降の判別出力を利用する機器に組み込まれた判別結果を提供するようになっている。
ここで加速度センサ2の加速度検知出力のみを用いて階段の昇降を判別する原理を説明する。
まず、人が階段を昇降する際に、足が着地する際に受ける衝撃(重力方向加速度)は平地歩行と比較して階段の昇りでは小さく、降りでは大きくなる傾向がある。この点に着目して人が平地歩行をしているのか、階段を昇降しているのかを、着地時の衝撃の大きさの違いから昇降の判別を行うのが本実施形態の階段昇降判別装置1である。
ところで、加速度センサを体の例えば腰回りに装着し、ゆっくりと歩行して停止、普通の早さで歩行して停止、普通の早さより早く歩行して停止という動作を順次行った場合の垂直方向(重力方向)成分の加速度検知出力の波形は図2(a)に示すようになる。図中T1はゆっくりした歩行した区間、T2は普通の早さで歩行した区間、T3は普通の早さより早く歩行した区間を夫々示す。この図2(a)から分かるように一般的に歩行速度を上げれば(歩行ピッチが大きくなれば)、加速度検知出力の振幅が大きくなる。それだけ地面を強く蹴り、また着地の衝撃を強く受けるので、発生する加速度も大きくなる。従って歩行速度(=歩行ピッチ)と発生する加速度の大きさには高い相関があり、加速度の大きさが分かれば、その値から歩行速度(=歩行ピッチ)を推定することができる。図2(b)は歩行時の重力方向の加速度と歩行速度(=歩行ピッチ)の関係を示す。
このように歩行ピッチが分かれば加速度の振幅の大きさが分かり、逆に加速度の振幅の大きさが分かれば歩行ピッチが一意に推定できる点に注目して本実施形態では、階段昇降の判別に用いる平地歩行テーブルを作成してメモリ部5に記憶させてある。
表1はこの平地歩行テーブルの一例であるが、実際には人の歩行の仕方に個人差(年齢、性別、身長などによる)があるので、推定速度を高めるためには、被装着者毎に平地歩行を実際に行って、そのときの実測データを用いて平地歩行テーブルを作成しておく必要がある。
Figure 2008154878
而して、階段昇降判別装置1を体に装着した被装着者が歩行すると、加速度センサ2から出力される加速度検知出力Aを取り込んだ体動検出部3は垂直方向(重力方向)成分の所定以上ある振幅ピークの数から歩行ピッチを算出し、この算出した歩行ピッチからそのときに生じるであろう平地歩行の加速度振幅値Cを表1に示す平地テーブルデータを参照して求め、加速度センサ2から出力される加速度検知出力Aから演算した加速度振幅Dと参照した加速度振幅値Cとを昇降判別部4は比較し、参照した加速振幅値Cと実測による加速度振幅値Dとが等しいと見なせる一定範囲内にある場合には平地歩行と判別し、実測による加速度振幅Dが参照の加速度振幅値Cより大きければ階段降りと判別し、また実測による加速度振幅値Dが参照の加速度振幅値Cより小さければ階段昇りと判別してその判別結果Eを出力する。
図3は、上述の判別原理を図示したもので、平地歩行の加速度振幅値と歩行ピッチと、階段昇降の関係を示しており、実測により求められた加速度振幅値の位置(例として○で示している)が図3上でどの位置にあるかによって上述の判別ができることになる。
以上のように本実施形態の階段昇降判別装置1では、気圧センサ等他の手段を用いることなく、階段の昇降を加速度センサ2のみで判別することができる。
尚平地歩行テーブルのデータを被装着者が実際に歩行して得たデータを用いて設定しているが、予め標準となるデータを予め登録し、実際に装着して使用する際に、入力部(図示せず)によって入力される被装着者の年齢、身長、性別等に応じてデータを所定値で補正し、この補正後のデータで平地歩行テーブルを作成するようにしても良い。
(実施形態2)
本実施形態は、図4に示すように実施形態1の階段昇降判別装置1を組み込んだ活動量計5を構成するもので、図示するように階段昇降判別装置1以外に、階段昇降判別装置1の体動検出部3で求めた加速度振幅値Dと、判別結果Eとに基づいて被装着者の活動量(消費カロリー)を演算する活動量演算部7と、その結果を表示する表示部8と、電池電源のような電源部(図示せず)とを、身体に装着可能な大きさの本体(図示せず)に備えて構成される。尚活動量演算部7を、体動検出部3及び昇降判別部4と共に一つのマイクロコンピュータで構成しても良い。
而して活動量演算部7は、階段昇降判別装置1の体動検出部3で求めた加速度振幅値Dから人の移動の早さを推定し消費カロリーを演算する際に、判別結果Eが平地歩行を示す場合にはそのままの演算で求めた消費カロリー値をそのまま累積し、判別結果Eが階段昇りを示す場合には演算で求めた消費カロリー値に一定割合を上乗せする演算を行いその演算結果を累積し、また判別結果Eが階段降りを示す場合には演算で求めた消費カロリー値に一定割合を差し引く演算を行いその演算結果を累積する処理を行う。そしてこの累積した消費カロリー量を被装着者が消費したカロリー量、つまりトータル活動量として表示部8に表示して被装着者に示す。表示部8の表示は図示しない操作部等の操作に応じて行い、通常は歩数等を表示するようなっている。
ここで、上述の一定割合は、例えば「階段の昇り:平地:階段の降り」の各消費カロリーの比が「6:4:3」であるとすると、昇りと判別された場合には平地歩行の1.5倍の消費カロリーを、また降りと判別された場合には平地歩行の0.7倍の消費カロリーを夫々累積していけば良いことになる。
本実施形態の活動量計6は、階段の昇降を反映させた消費カロリー量を累積できるので、正確な活動量を計測して示すことができる。
実施形態1の回路構成図である。 (a)は歩行時における加速度センサの加速度検知出力の波形図、(b)は歩行時の加速度振幅と歩行ピッチの関係説明図である。 実施形態1の階段昇降及び平地歩行時の加速度振幅と歩行ピッチの関係説明図である。 実施形態2の回路構成図である。
符号の説明
1 階段昇降判別装置
2 加速度センサ
3 体動検出部
4 昇降判別部
5 メモリ部

Claims (4)

  1. 人体に装着される加速度センサと、該加速度センサの加速度検知出力に基づいて歩行ピッチ及び加速度振幅を演算する体動検出手段と、
    平地歩行での歩行ピッチ時の加速度振幅とを対応させた平地歩行特性テーブルを記憶した記憶手段と、
    前記体動検出手段で演算された歩行ピッチ及び加速度振幅のデータと前記平地歩行特性テーブルのデータとに基づき、被装着者の階段の昇降を判別する昇降判別手段とを有することを特徴とする階段昇降判別装置。
  2. 前記昇降判別手段は、前記体動検出手段が演算して求めた歩行ピッチに対応する加速度振幅を前記平地歩行特性テーブルのデータから参照し、該参照した加速度振幅と、前記体動検出手段が演算して求めた加速度振幅とを比較して、演算で求めた加速度振幅が参照した加速度振幅より小さいときには昇り状態と判定し、演算で求めた加速度振幅が参照した加速度振幅より大きいときには降り状態と判定することを特徴とする請求項1記載の階段昇降判別装置。
  3. 前記平地歩行特性テーブルのデータは、被装着者の事前の平地歩行によって基づいて取得したデータに基づいて設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の階段昇降判別装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかの階段昇降判別装置と。前記加速度センサの加速度検知出力に基づいて人体の活動量を演算する演算手段とを有し、該演算手段は、階段昇降判別装置の昇り状態、降り状態の判定結果を活動量の演算に反映させることを特徴とする活動量計。
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