JP2008154583A - インターロイキン−1関連遺伝子およびタンパク質 - Google Patents

インターロイキン−1関連遺伝子およびタンパク質 Download PDF

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Abstract

【課題】インターロイキン−1関連遺伝子および遺伝子産物を提供する。特に、公知のインターロイキン−1サイトカイン類に高度に相同的であるタンパク質、そのようなタンパク質をコードする核酸分子、そのタンパク質を認識する抗体、ならびに宿主の炎症性および免疫応答に関連する異常を診断する方法を提供する。
【解決手段】ヒト由来の特定のアミノ酸配列を含むインターロイキン−1関連ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離DNAおよび該ポリペプチドの単離。
【選択図】なし

Description

技術分野
本発明はインターロイキン−1関連遺伝子および遺伝子産物に関する。特に、本発明は公知のインターロイキン−1サイトカイン類に高度に相同的であるタンパク質、そのようなタンパク質をコードする核酸分子、そのタンパク質を認識する抗体、ならびに宿主の炎症性および免疫応答に関連する異常を診断する方法に関する。
背景技術
炎症誘発性サイトカインであるインターロイキン−1(IL−1)は、感染、発熱、睡眠、食欲不振、急性期タンパク質合成、ケモカイン生成、接着分子上方制御、血管拡張、凝血状態、造血活性増大、ならびにマトリックスメタロプロテイナーゼおよび増殖因子の生成および放出を含む、病態生理学的状態への宿主応答を開始し促進する広範なアレイの生物活性を発揮する。最近まで、IL−1の活性は二つの分子、IL−1アルファ(IL−1α)およびIL−1ベータ(IL−1β)、のそれぞれに備わっていると考えられており、これらは宿主の免疫応答にならびに炎症性および自己抗体性疾患の発症に重要な役割を演じている強力な炎症性サイトカインである。約25%しか同一ではないが、二つのサイトカインはIL−1タイプI受容体(IL−1RI)およびIL−1受容体アクセサリータンパク質(IL−1RAP)サブユニットから成る、同じ受容体複合体と相互作用し活性化する。結合および受容体活性化に際して、NF−カッパBにより制御される経路を含む多数のシグナル導入経路が活性化される。
事実、IL−1αおよびIL−1βは、IL−1受容体ファミリーにより動員されるIL−1RI関連キナーゼ/TNF受容体−関連因子様複合体により刺激されるNF−kBおよびAP−1シグナル伝達を正方向もしくは負方向に調整すると考えられる。IL−1は、サイトカイン、増殖因子、細胞接着分子、転写因子およびプロテアーゼを含む多数の遺伝子の発現を誘導する。アゴニストペプチドに加えて、第3のIL−1であるIL−1受容体アンタゴニストタンパク質(IL−1RA)がIL−1受容体に結合して、IL−1αおよびIL−1βの活性をブロックすることができる。IL−1システムは動物およびヒトにおいて多数の炎症性疾患に影響を及ぼすことが示されている。IL−1α、IL−1βもしくはIL−1RIのいずれかに対する抗体でのIL−1シグナル伝達のブロックは、なかんずく関節炎、脳炎、接触過敏症、移植片拒絶、内毒素性ショックおよび炎症性大腸疾患の動物モデルにおける疾病過程の発生をブロックする。加えて、遺伝子組換えIL−1受容体アンタゴニストタンパク質はヒトの臨床試験において関節リウマチの進行をブロックすると示されている。
最近の研究は、IL−1システムが関連遺伝子のファミリーによって表されていることを示している。IL−1関連遺伝子の一つはIL−18である。このサイトカインは、最初はそのガンマインターフェロン発現を誘導する活性によりクローン化された。後になって、この分子はIL−1と顕著な構造相同性を有することが示され、引き続いてIL−1RIおよびIL−1RAPに高度に関連するがこれらとは別個の受容体に結合することが示された。ファミリーのもう一つのメンバーであるIL−1受容体アンタゴニスト(IL−1RA)はまた、IL−1RIに結合するがIL−1RAPとの次の相互作用を誘導することに失敗し、かくしてそれ自身でシグナル伝達を行わないのみならず、受容体をブロックすることにより、アゴニストのIL−1の作用も阻害する。最近、4個の新たなIL−1関連分子が同定された。これらのタンパク質は特性化されたIL−1分子と13〜50%の同一性を有している。この点に関して、二つの報告が、IL−1H1、IL1H2、IL−1H3およびIL−1H4(Kumar et al., J. Biol. Chem. 275 (2000), 10308-10314)ならびにFILδ、FILε、FILνおよびFILζ(Smith et al., J. Biol. Chem. 275 (2000), 1169-1175)を含むIL−1関連遺伝子の重なり合うが同一ではないセットを同定している。IL1H2とFILν、IL−1H3とFILδ、およびIL−1H4とFILζを含むこれらの遺伝子の幾つかは同一であるかもしくは同じ遺伝子から明らかに得られている。IL−1H4とFILζは88%同一であり、cDNAの最末端でのみ変化している。かくして、これら二つの配列は同じ遺伝子のさらに別なスプライシングから得られる。興味あることに、これらの分子の殆どは、IL−1α、IL−1βもしくはIL−18のいずれかよりも、比較的、IL−1RAにより関連しており、これはこれらの分子の共通なIL−1拮抗作用が別の、独特の活性と重なり得ることを暗示している。重要なことは、アミノ酸のレベルでは関連しているものの、IL−1関連タンパク質のどれも公知のIL−1受容体には結合しないらしいことである。
発明の概略
本発明はインターロイキン−1サイトカインに、特に新規なインターロイキン−1関連ポリペプチド1(IL−1RP1)に関する。
第一の態様では、本発明は配列番号1に示されるようなアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを提供する。さらに、本発明は配列番号1に示されるようなアミノ酸配列からなる単離ポリペプチドを提供する。配列番号1に示されるようなアミノ酸配列はインターロイキン−1ポリペプチドファミリーの公知のメンバーの配列と相当な程度の相同性を示す。簡便のために、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列からなるポリペプチドをインターロイキン−1関連ポリペプチド1、もしくはIL−1RP1と呼ぶ。そのようなポリペプチドもしくはそのフラグメントはインターロイキン−1ポリペプチドファミリーのもう一つの公知のメンバーと同様に、種々の組織において、優先的に皮膚において、発現する。配列番号1に示されるようなアミノ酸配列を有する単離ポリペプチドのフラグメントは、約5〜152個のアミノ酸、好ましくは約10〜約152個のアミノ酸、さらに好ましくは約20〜約100個のアミノ酸、そして最も好ましくは約20〜約50個のアミノ酸を含むポリペプチドを含むであろう。本発明のこの態様にしたがって、ヒト由来の新規なポリペプチドならびに生物学的に、診断上もしくは治療上に有用なフラグメント、それらの変異体および誘導体、フラグメントの変異体および誘導体、ならびに前述のもののアナログが提供される。
第二の態様では、本発明は、上述のようにポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離DNAを提供する。特に、本発明は(1)配列番号2に示されるようなヌクレオチド配列を含む単離DNA;(2)配列番号3に示されるヌクレオチド配列を含む単離DNA;(3)配列番号3に示されるヌクレオチド配列に高度に厳密な条件下でハイブリダイズする能力のある単離DNA;および(4)配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む単離DNAを提供する。また、少なくとも約15塩基、好ましくは少なくとも約20塩基、さらに好ましくは配列番号2もしくは配列番号3の約30個の連続した塩基を含む核酸配列が提供される。本発明の範囲内にはまた、配列番号2もしくは配列番号3に示されるようなヌクレオチド配列を有する核酸に実質的に類似する核酸がある。好ましい態様では、単離DNAは本発明のDNAの少なくとも一つのフラグメントを含むベクター分子の形状を取り、特に、配列番号2もしくは配列番号3に示されるようなヌクレオチド配列からなるDNAを含む。
本発明の第3の態様はヒトにおける宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連する異常を診断する方法を包含し、これはヒトからの適切な組織もしくは細胞中に配列番号1に示すアミノ酸配列からなる新規なポリペプチドをコードする天然型内在性ヒト遺伝子から転写されたメッセンジャーRNAの上昇した転写を検出することを含み、そこではそのような上昇した転写はヒトのそのような異常の罹患の診断となる。特に、配列番号1に示すアミノ酸配列からなる新規なポリペプチドをコードする該天然型内在性ヒト遺伝子は配列番号4に示されるゲノムヌクレオチド配列を含む。本発明の一つの態様では、診断法は該適切な組織もしくは細胞の試料を、またはその組織もしくは細胞から得られる単離RNAまたはDNA分子を、配列番号1に示すアミノ酸配列を有する新規なポリペプチドをコードする単離ヌクレオチド配列と高度に厳密な条件下でハイブリダイズするところの少なくとも約15〜20ヌクレオチド長の単離ヌクレオチド配列と接触させることを含む。本発明のアッセイ態様のもう一つの実施態様は、ヒトにおける宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連する特定の疾患を診断する方法を提供し、これはそのような疾患に罹患したヒトからの特定の組織もしくは細胞において、配列番号1のポリペプチドもしくはそのフラグメントの量を測定することを必要とし、そこでは健常な個人の対応する組織または細胞中のポリペプチドもしくはそのフラグメントの量と比べて上昇した量のポリペプチドもしくはそのフラグメントの存在が、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に人が罹患していることの診断となる。
本発明のこの態様の一つの実施態様にしたがって、新規なインターロイキン−1関連ポリペプチド1をコードする遺伝子の転写を調節できるアンチセンスポリヌクレオチドが提供され;もう一つの実施態様では、新規なIL−1RP1をコードする遺伝子の転写を調節できる二重鎖RNAが提供される。
本発明のもう一つの態様は、前述のポリペプチド、ポリペプチドフラグメント、変異体および誘導体、変異体および誘導体のフラグメント、ならびに前述のもののアナログを生成する方法を提供する。本発明のこの態様の好ましい実施態様では、そのようなポリヌクレオチドをコードする外来性ヌクレオチド配列を含有する発現ベクターをその中に組み込んでいる宿主細胞を、宿主細胞中でポリペプチドを発現するために十分な条件下で培養し、それによってポリヌクレオチドの発現を引き起し、そして発現されたポリペプチドを任意に回収することを含む、前述のインターロイキン−1関連ペプチドを生成する方法が提供される。本発明のこの態様の好ましい実施態様では、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列を含むかからなるポリペプチドの生成方法が提供され、これは配列番号1に示されるようなアミノ酸配列を含むかからなるポリペプチドをコードする外来性のポリヌクレオチドを含有する発現ベクターをその中に組み込んだ宿主細胞を、宿主細胞中でポリペプチドを発現するために十分な条件下で培養し、それによってポリヌクレオチドの発現を引き起し、そして発現されたポリペプチドを任意に回収することを含む。好ましくはそのような方法のいずれかにおいて、外来性ポリヌクレオチドは配列番号2に示されるヌクレオチド配列、配列番号3に示されるヌクレオチド配列または配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含むかからなる。本発明のもう一つの態様にしたがって、前述のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを、なかんずく研究、生物学、臨床および治療のために利用するプロセスならびに方法が提供される。
本発明のこの態様の特定のもう一つの好ましい実施態様において、配列番号1に示されるアミノ酸配列、即ちIL−1RP1、を含むポリペプチドに特異的に結合するところの抗体もしくはそのフラグメントが提供される。この点に関する特定の特に好ましい態様では、抗体はヒトIL−1RP1ポリペプチドもしくはヒトIL−1RP1ポリペプチドの部分に高度に選択的である。
さらなる態様において、配列番号1に示されるアミノ酸配列のフラグメントもしくは部分に結合する抗体またはそのフラグメントが提供される。
もう一つの態様において、疾患が、配列番号1に示されるアミノ酸配列またはそのフラグメントもしくは部分を持つポリペプチドに結合する抗体の有効量を対象に投与することにより、特定の組織もしくは細胞中においてIL−1RP1遺伝子発現の増加もしくは減少、またはIL−1RP1ポリペプチドの存在下での増加もしくは減少に仲介されるかまたは関連している、対象における疾患を処置する方法が提供される。また、対象においてIL−1RP1遺伝子発現の増加もしくは減少、またはIL−1RP1ポリペプチドの存在下の増加もしくは減少に関連する疾患もしくは異常を診断する方法が提供され、それは配列番号1に示されるアミノ酸配列またはそのフラグメントもしくは部分を持つポリペプチドに結合する抗体をイムノアッセイにおいて利用することを含む。
さらにもう一つの態様では、本発明は、インビトロで増殖されることができる宿主細胞、好ましくは、配列番号1に示されるアミノ酸配列セットもしくはそのフラグメントを含むポリペプチドを培養増殖で生成する能力のあるところの、脊椎動物細胞、特に哺乳動物細胞、または細菌細胞を提供し、そこでは細胞は転写制御性DNA配列、好ましくはヒトIL−1RP1転写制御配列以外、を含有し、そこでは転写制御配列は、配列番号1にしたがうアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを持つポリペプチドをコードするDNAの転写を制御する。
本発明のなおもう一つの態様では、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの正常を超えた発現を、患者から得られる体組織試料中に検出するために必要な成分を含むアッセイ法およびキットが提供され、そのようなキットは例えば、配列番号1に示されるアミノ酸配列に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドにもしくはそのフラグメントに結合する抗体を、または本発明のポリヌクレオチドとハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを含む。好ましい実施態様では、そのようなキットはまた、キットの成分が使用されるべき手順を詳細を記した説明書を含む。
もう一つの態様では、本発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチド、そのようなポリペプチドもしくはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド、または配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含む該ポリペプチドに結合する抗体を、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した疾患を処置するための医薬品の製造に使用することに向けられる。
もう一つの態様は、配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むかまたはからなるポリペプチド、そのようなポリペプチドもしくはそのフラグメントをコードするポリヌクレオチド、またはそのようなポリペプチドもしくはそのフラグメントに結合する抗体を、適当な医薬担体、賦形剤もしくは希釈剤と一緒に、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した疾患の処置のために含む、医薬組成物に向けられる。
もう一つの態様では、本発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドに結合しそして/もしくは配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの活性を調整することのできる分子、または、核酸配列に結合することができて、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を調整する、分子を同定する方法に向けられる。そのような方法は、例えば、米国特許第5,541,070号;第5,567,317号;第5,593,853号;第5,670,326号;第5,679,582号;第5,856,083号;第5,858,657号;第5,866,341号;第5,876,946号;第5,989,814号;第6,010,861号;第6,020,141号;第6,030,779号;および第6,043,024号に開示されており、これらの全てを全体的な出典明示により本明細書の一部とする。そのような方法により同定される分子はまた本発明の範囲に該当する。
関連する態様において本発明は、本発明の新規なIL−1RP1が結合できる受容体を同定する方法に向けられる。この点に関し、多数の技術がIL−1RP1のような分子に対する受容体および結合タンパク質の同定を考慮に入れ、これらとしては、酵母の二−ハイブリッド分析(S. Fields and O. Song, Nature, 1989 340: 245-6)、または標識されたもしくはタグをつけたリガンドを用いて、cDNAライブラリーの形質移入後の受容体を発現する細胞を見出すことを伴う、哺乳動物細胞における発現クローン化の技術があげられるが、これらに限定されない。
なおもう一つの態様において本発明は、本発明の核酸を処置を必要とする対象の1つもしくはそれ以上の組織中に、核酸によりコードされた1つもしくはそれ以上のタンパク質が組織内の細胞により発現されそして/または分泌される結果をもって、導入する方法に向けられる。
本発明の他の目的、特徴、利点および態様は以下の説明から当業者には明らかになるであろう。しかしながら、以下の説明および具体的実施例は、発明の好ましい実施態様を示しながら、単に例示として呈示されることを理解すべきである。開示される発明の精神および範囲内での多様な変更および修飾は、下記の説明を読むことからおよび本開示の他の部分を読むことから当業者には容易に明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
図1Aは、新規なIL−1RP1をコードする、完全長cDNA配列(配列番号2)の描写である。ORFの開始コドンおよび停止コドンを太線のアンダーラインで示す;中に含有されるORFの配列(配列番号3)はヌクレオチド位置番号60(atg)から始まりヌクレオチド位置番号516、即ち停止コドン(tag)の前で終わる。図1Bは152個のアミノ酸を含む新規なIL−1RP1のアミノ酸配列(配列番号1)を図示する。星印(*)はストップコドンを指す。
図2は、新規なインターロイキン−関連ポリペプチド1をコードする、ゲノムDNA配列(配列番号4)の描写である。対応するORFのアミノ酸が示されている。また、ゲノム領域の正確な物理的マッピングに対処する制限部位が示されている。
図3はIL−1ファミリーのタンパク質のアミノ酸配列の比較である。
図4はRT−PCRにより測定された種々のヒト組織中におけるIL−1RP1の発現を図示する。
図5は種々の組織におけるヒトIL−RP1のmRNA発現のノーザンブロット分析の結果を図示する。
図6はIL−1RP1の一次配列を図示する。
図7はIL−1RP1のエキソン/イントロン構造を図示する。
図8はIL−1RP1cDNAの二重鎖ヌクレオチドの配列を図示する。
発明の詳細な説明
本明細書に引用される全ての特許出願、特許および参考文献は全体的な出典明示により本明細書の一部とする。
本発明の実施に際しては、分子生物学、微生物学および組換えDNAにおける多くの従来技法が使用される。これらの技法は周知であり、そして例えば、「分子生物学における最新の実験手順、I、IIおよびIII巻」、1997 (F. M. Ausubel ed.); Sambrook et al., 1989、「分子クローン化:実験室マニュアル、第二版」, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y.;「DNAクローン化:実用的アプローチ、IおよびII巻」、1985 (D. N. Glover ed.);「オリゴヌクレオチド合成」、1984 (M. L. Gait ed.);「核酸ハイブリダイゼーション」、1985, (Hames and Higgins);「転写と翻訳」、1984 (Hames and Higgins eds.);「動物細胞培養」、1986 (R. I. Freshney ed.);「固相化細胞および酵素」、1986 (IRL Press); Perbal, 1984、「分子クローン化への実用的指針」;the series, Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.);「哺乳動物細胞の遺伝子導入ベクター」、1987 (J. H. Hiller and M. P. Calos eds., Cold Spring Harbor Laboratory);ならびにMethods in Enzymology Vol. 154 and Vol. 155 (Wu and Grossman, and Wu, eds., respectively)、に説明されている。
最も広い意味において、用語“実質的に類似している”は、ヌクレオチド配列に関してここで用いられるとき、基準ヌクレオチドに対応するヌクレオチド配列[配列中、対応するヌクレオチド配列は、基準ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドと実質的に同一の構造および機能を有するポリペプチドをコードする]を意味し、例えばそこではポリペプチドの機能に影響を及ぼさないアミノ酸変化のみが起こっている。望ましくは、実質的に類似しているヌクレオチド配列は基準ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドをコードする。実質的に類似しているヌクレオチド配列と基準配列との間の同一性の百分率は、望ましくは少なくとも80%、さらに望ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、なおさらに好ましくは少なくとも99%である。配列の比較はSmith-Watermanの配列アラインメントアルゴリズム(例えばWaterman, M. S.、「コンピューター生物学入門:マップ、配列およびゲノム」、Chapman & Hall. London: 1995: ISBN 0-412-99391-0, or at http://www-hto.usc.edu/software/sequaln/index.htmlを参照)を用いて行われる。localSプログラムのバージョン1.16は次のパラメータで使用される:マッチ:1、ミスマッチペナルティー:0.33、オープンギャップペナルティー:2、拡大ギャップペナルティー:2。
基準ヌクレオチド配列に“実質的に類似している”ヌクレオチド配列は、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M NaPO、1mM EDTA中50℃で2X SSC、0.1%SDS中50℃での洗浄を伴って、さらに望ましくは7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M NaPO、1mM EDTA中50℃で1X SSC、0.1%SDS中50℃での洗浄を伴って、さらになお望ましくは7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M NaPO、1mM EDTA中50℃で0.5X SSC、0.1%SDS中50℃での洗浄を伴って、好ましくは7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M NaPO、1mM EDTA中50℃で0.1X SSC、0.1%SDS中50℃での洗浄を伴って、さらに好ましくは7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、0.5M NaPO、1mM EDTA中50℃で0.1X SSC、0.1%SDS中65℃での洗浄を伴って、基準ヌクレオチド配列とハイブリダイズし、しかもなお機能的に同等な遺伝子産物をコードする。
“上昇したmRNA転写”とは、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に罹患している個人の適切な組織もしくは細胞中に、そのような異常に罹患していないヒトの対応する組織中に見出されるmRNAより大量に、特に少なくとも約2倍、好ましくは少なくとも約5倍、さらに好ましくは少なくとも約10倍、最も好ましくは少なくとも約100倍量で、存在する本発明の新規なポリペプチドをコードする天然型内在性ヒト遺伝子から転写されたメッセンジャーRNAの増加量をいう。そのような上昇したレベルのmRNAは究極的には、宿主の炎症性もしくは免疫応答と関連した異常に罹患している個人において、健常人と比較して、そのようなmRNAから翻訳されるタンパク質の増大したレベルに至る。
本明細書において使用される“宿主細胞”とは、例えば、エレクトロポレーション、燐酸カルシウム沈降、マイクロインジェクション、形質転換、ウイルス感染などの任意の方法により細胞中に導入されている異種のDNAを含有するところの原核もしくは真核細胞をいう。
本明細書において使用される“異種の”とは、“異なる天然由来の”を意味しもしくは非天然の状態を表す。例えば、もし宿主細胞が他の生物から、特に他の生物種から、得られるDNAもしくは遺伝子で形質転換されるならば、その遺伝子はその宿主細胞に関して、そしてまたその遺伝子を保有する宿主細胞の子孫に関して異種である。同様に、“異種の”とは、同じ天然の元の細胞タイプから得られかつその中に挿入されるが、非天然の状態、例えば異なるコピー数、もしくは異なる調節エレメントによる制御下で存在する、ヌクレオチド配列をいう。
“ベクター”分子は、その中に異種核酸を挿入することができて、次いで適切な宿主細胞中に導入され得る、核酸分子である。ベクターは好ましくは、一つもしくはそれ以上の複製起点、および組換えDNAが挿入されうる一つもしくはそれ以上の部位を有する。ベクターはしばしば、ベクターを有する細胞をそうでないものから選別できる簡便な手段を有しており、例えばそれらは薬剤耐性遺伝子をコードする。一般的なベクターとしては、プラスミド、ウイルスゲノム、および(主として酵母および細菌中の)“人工染色体”が挙げられる。
“プラスミド”は、先行する小文字のpおよび/もしくはそれに続く大文字ならびに/または数字により、当業者におなじみの標準的命名規約にしたがってここでは示される。ここで開示される出発材料のプラスミドは市販で入手可能であるか、無制限に公開で入手可能であるか、または入手可能なプラスミドから周知の公表された手順の日常的な適用により構築され得るかのどちらかである。本発明にしたがって用いることのできる多くのプラスミドならびに他のクローン化および発現ベクターは周知であり、かつ当業者には容易に入手可能である。さらに、当業者は発明における使用に適当な任意の数の他のプラスミドを容易に構築し得る。本発明におけるそのようなプラスミドならびに他のベクターの性質、構築および使用は、本開示より当業者には容易に明らかであるあろう。
“単離された”なる用語は、材料がその本来の環境(例えば、それが天然に由来するならば、天然の環境)から除去されることを意味する。例えば、生きている動物中に存在している天然由来のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは単離されていないが、天然のシステムで共存する物質の一部もしくは全てから分離される、同じポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは、たとえその後で天然のシステムに再導入されたとしても、単離されている。そのようなポリヌクレオチドはベクターの一部であってもよく、そして/またはそのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部であってもよく、そしてなおそのようなベクターもしくは組成物がその天然環境の一部でない点において、単離されている。
本明細書において使用される“転写制御配列”なる用語は、それらが機能し得るように結合された、タンパク質をコードする核酸配列の転写を誘導し、抑制し、もしくはさもなければ制御するところの、開始配列、エンハンサー配列およびプロモーター配列のような、DNA配列をいう。
本明細書において使用される“ヒト転写制御配列”は、本発明の新規なインターロイキン−1関連ポリペプチドをコードするヒト遺伝子と関連して、それがそれぞれのヒト染色体中に見出されるように、通常見出されるそれらの転写制御配列のいずれかを指す。
本明細書において使用される“非ヒト転写制御配列”は、ヒトゲノムに見出されない任意の転写制御配列である。
“ポリペプチド”なる用語は、本明細書において、“ポリペプチド類”および“タンパク質(類)”なる用語と互換的に用いられる。
本明細書において使用されるように、本発明のポリペプチドの“化学的誘導体”は、通常その分子の一部ではないさらに別の化学的部分を含有する本発明のポリペプチドである。そのような部分は分子の溶解性、吸収、生物学的半減期などを改善し得る。これに代えて、これらの部分は分子の毒性を軽減し、分子の任意の望ましくない副作用を消失もしくは減弱させ得る。そのような効果を仲介する能力のある部分は、例えば、「レミントン薬学第16版」、Mack Publishing Co., Eatson, Pa. (1980)に開示されている。
本発明は一般に、新規なインターロイキンを特異的にコードする新規なヌクレオチド配列に関する。新規な遺伝子は、本明細書で詳細に概略されるように、ここでインターロイキン−1関連ポリペプチドもしくはIL−1RP1と呼ばれ、インターロイキン−1に属している、ポリペプチドをコードする。
ヒトゲノム中にIL−1ファミリーのポリペプチドのさらに別のメンバーが存在するかどうかを決定するために、IL−1βおよびIL−1H1ペプチド配列を用いて社内および公開のヒトゲノムデータベースを検索する。IL−1H1は、胎盤および食道の扁平上皮でのみ構成的に発現されることが最近示されたところのIL−1関連分子であり、インビトロでケラチン生成細胞中で誘導されることができた。ベイトとしてのこれら二つの配列およびtBlastNプログラムを用いて、以前に報告されなかった、一つの新規な配列が社内のデータベースの特定のクローンに対応して見出される。このゲノム配列の翻訳物はIL-1H1と33%の同一性および52%の類似性を示す。次いでこの配列を用いて、BlastNを用いさらに別の重なり合ったゲノム配列を見出し、それにより公開のデータベースからゲノムDNAの大きなセグメントを同定する。社内のデータベースの配列に隣接する凡そ1kbのゲノム配列が六つの読み取り枠全ての中で翻訳され、ClustalWによりIL−1H1およびIL−1βと比較される。さらに別の127のヌクレオチドの配列が見出される。同定された一次配列に基づいて、PCRプライマーをデザインして、ヒト胎児小腸のMarathon[登録商標]cDNA(Clontech, Palo Alto, CA)からのコード領域を増幅し、そして配列がゲノム領域から予測されるものと同一であると見出される。最後に5’RACEを用いて、cDNAの5’末端を同定する。IL−1RP1に対する完全なコード領域の配列を図1に示す。IL−1RAを除くIL−1ファミリーのメンバーの全てと同様に、IL−1RP1は疎水性の分泌シグナルを含有していない。かくして、IL−1RP1は細胞内タンパク質として生成されそして、IL−1αおよび細胞内型のIL−RAのように、細胞障害の際に遊離されて、その生物学的機能を得るものと思われる。
IL−1RP1に対する完全長のcDNAは152個のアミノ酸のタンパク質を予想する。IL−1関連分子のファミリーの同等性プロフィールを次の表1に示す。
Figure 2008154583
表1は、新規なIL−1RP1を含む、IL−1ファミリーのタンパクの同一性の百分率を示す。FILζおよびIL1H4は88%同一であり、アミノおよびカルボキシル基最末端のみが異なるだけであり、かくして同じ遺伝子の代替のスプライス型を表していると思われるため、同じの遺伝子としてリストされていることに注意されたい。また、IL−1H2およびFILνならびにIL−1H3およびFILζは同じの遺伝子としてリストされている。成熟型のIL−1α、IL−1β、IL−1RAおよびIL−18は比較のため用いられている。同一性百分率は、Myers and Miller, CABIOS 1989 4: 11-17、により記載された全体的アラインメントを用いて、および−12/−2のギャップペナルティーも持つBLOSUM50スコアリングマトリックスを用いて測定された。
予想されたIL−1RP1ペプチドは、IL−1H3/FILδおよびIL−1RAと最も相同性が高く、それぞれ、42%および38%同一である。
かくしてIL−1ポリペプチドファミリーのメンバーとして認定されるため、新規なポリペプチドIL−1RP1は同様の生理学的機能を有するであろう。それは、その全てがヒトの疾患に重大な影響力を与える公知の機能を持つIL−1関連ポリペプチドとの類似性のために炎症もしくは宿主の免疫応答に関与していると思われる。IL−1RP1の配列および予想される構造は、それにもしくはその受容体に対して向けられる低分子もしくはタンパク質(例えば抗体)のどちらかの使用による抗炎症剤のデザインに有用であろう。加えて、IL−1RP1の配列から得られるタンパク質をまた、治療薬として使用して、宿主の免疫もしくは炎症性応答を修飾し得る。
新規なポリペプチドの発現パターンを決定するために、種々のヒト組織からのcDNAのパネルをIL−1RP1転写物を同定できたPCRプライマーを用いてPCR分析に供する。転写され加工されたmRNAからのPCR産物が任意の元のゲノムDNAから容易に区別できるように、予想されるIL−1RP1の別々のエキソン上に存在するところのPCRプライマーが選択される。その結果、IL−1RP1はヒトの組織で示差的に発現しており、脳、心臓、肝臓、肺、胃、精巣、胎盤、前立腺および皮膚で検出可能である。最も著しくは、IL−1RP1は皮膚で高度に発現している。かくして、IL−1RPは転写された遺伝子を表す。さらに、その構成的発現は皮膚で非常に高く、それが皮膚の炎症応答において役割を演じていることを示唆している。図4を参照されたい。
したがって、一つの態様では、本発明は新規なインターロイキン−1関連ポリペプチド(IL−1RP1)に関する。上に概略したように、IL−1RP1は、上で議論したように他のIL−1タンパク質と高度に類似しているので、明らかにIL−1ファミリーのメンバーである。これはまたIL−1ファミリーと多くの類似性を共有している。IL−1RP1のゲノム配列は、FILεおよびIL−1H1のように同じヒトゲノムBACクローンの第2染色体上に見出される。今日まで、全てのIL−1関連分子は第2染色体の同じ部分上にあり、比較的最近の進化的分岐を示唆する。最後に、ゲノム配列およびcDNA配列の分析は、IL−1RP1のイントロン−エキソン編成がIL−1RAおよびFILδと殆ど同一であることを示している。これらの観察は、全てが同じ祖先の遺伝子から得られるという仮定に一致する。
本発明は配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドに関する。そのようなポリペプチドは、例えば、新規なインターロイキン−1関連ポリペプチド1のアミノ酸配列を含有する融合タンパク質でもよい。もう一つの態様では、本発明は、特に新規なIL−1RP1である、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる単離ポリペプチドに関する。
本発明は核酸もしくはヌクレオチド分子、好ましくは、特に新規なIL−1RP1をコードする、DNA分子を含む。好ましくは、本発明の単離核酸分子、好ましくはDNA分子、は配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする単離核酸分子、好ましくはDNA分子、も同様に好ましい。そのような核酸もしくはヌクレオチド、特にそのようなDNA分子は好ましくは、(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする完全なcDNA配列である、配列番号2に示されるようなヌクレオチド配列;(2)配列番号2に示されるcDNA配列の読み取り枠に対応する、配列番号3に示されるヌクレオチド配列;(3)配列番号3に示されるヌクレオチド配列と高度に厳密な条件下でハイブリダイズする能力のあるヌクレオチド配列;および(4)配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする内在性ヒトゲノムDNAに対応する、配列番号4に示すヌクレオチド配列、からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む。そのようなハイブリダイゼーションの条件は、上述のように、高度に厳密でももしくはより低い高度に厳密でもよい。核酸分子がデオキシリボヌクレオチド(“オリゴ”)の場合には、高度に厳密な条件とは、例えば、6X SSC/0.05%ピロ燐酸ナトリウム中で37℃(14−塩基オリゴの場合)、48℃(17−塩基オリゴの場合)、55℃(20−塩基オリゴの場合)、および60℃(23−塩基オリゴの場合)での洗浄を指してもよい。種々の組成の核酸についてのそのような厳密な条件の適当な範囲は,上記で引用したManiatis等に加えて、Krause and Aaronson (1991), Methods in Enzymology, 200: 546-556、に記載されている。
これらの核酸分子は、例えば、標的遺伝子の調節に有用な標的遺伝子のアンチセンス分子としておよび/もしくは標的遺伝子の核酸配列の増幅反応におけるアンチセンスプライマーとして作用し得る。さらに、そのような配列を、標的遺伝子の調節にまた有用なリボザイムおよび/もしくは三重らせん配列の一部として使用し得る。なおさらに、そのような分子を、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した疾患を引き起こす対立遺伝子の存在を検出し得るところの診断法の成分として使用し得る。
本発明はまた、(a)前述のヌクレオチド配列および/もしくはそれらの相補体(即ちアンチセンス)のいずれかの少なくともフラグメントを含有するベクター;(b)ベクター分子、好ましくは転写制御配列を含むベクター分子、特にコード領域の発現を指令する調節エレメントと機能し得るように関連した前述のコード配列のいずれかを含有する発現ベクター;ならびに(c)本明細書において記載したベクター分子もしくは、宿主細胞においてコード配列の発現を指令する調節エレメントと機能し得るように関連した前述のヌクレオチド配列のいずれかの少なくとも一つのフラグメントを含有するところの遺伝子工学宿主細胞、を包含する。本明細書において使用されるように、調節エレメントとしては、発現を駆動させ調節するところの、非誘導性プロモーター、エンハンサー、オペレーターおよびその他の当業者に周知であるエレメントが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、宿主細胞は、脊椎動物の宿主細胞、好ましくはヒト細胞もしくはCHOもしくはBHK細胞のようなげっ歯類細胞のような哺乳動物の宿主細胞であってもよい。同様に好ましくは、宿主細胞は細菌の宿主細胞、特に大腸菌細胞であってもよい。
特に好ましいのは、インビトロで増殖させることができて、そして培養増殖によりIL−1RP1ポリペプチド、特に配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むかからなるポリペプチドを生成する能力のあるところの、とくに上述のタイプの宿主細胞であり、そこでは該細胞は、該ポリペプチドをコードする天然型内在性ヒト遺伝子の転写制御配列ではないところの少なくとも一つの転写制御配列を含み、そこでは該一つもしくはそれ以上の転写制御配列が該ポリペプチドをコードするDNAの転写を制御する。
本発明は、本明細書において開示される核酸配列のいずれかのフラグメントをも含む。新規なIL−1RP1ポリペプチドをコードする核酸配列のフラグメントをcDNAライブラリー用のハイブリダイゼーションのプローブとして用いて、完全長遺伝子を単離しそしてIL−1RP1遺伝子に高度の配列類似性もしくは類似の生物活性を有する他の遺伝子を単離し得る。このタイプのプローブは好ましくは、少なくとも約30個の塩基を持ちそして、例えば、約30〜約50個の塩基、約50〜約100個の塩基、約100〜約200個の塩基、もしくは201個以上の塩基を含有してもよい。プローブをまた用いて、完全長転写物に対応するcDNAクローンならびにゲノムのクローン、もしくは調節およびプロモーター領域、エキソンおよびイントロンを含む完全なIL−1RP1遺伝子を含有する一つ以上のゲノムクローンを同定し得る。スクリーニングの例は、公知のDNA配列を用いてオリゴヌクレオチドプローブを合成することにより、IL−1RP1遺伝子のコード領域を単離することを含む。本発明の遺伝子の配列に相補的な配列を有する標識オリゴヌクレオチドは、ヒトcDNA、ゲノムDNAもしくはmRNAのライブラリーをスクリーニングに用いて、ライブラリーのどのメンバーにプローブがハイブリダイズするかを決定するのに使用される。
上述の遺伝子配列に加えて、例えば他の生物種に存在するであろうような配列のホモログを、当分野において周知である分子生物学的技法により、必要以上の実験を行わずに、同定しかつ容易に単離し得る。さらに、そのような遺伝子産物の一つもしくはそれ以上のドメインに広範な相同性を有するタンパク質をコードするところの遺伝子が、ゲノム内の他の遺伝子座に存在してもよい。これらの遺伝子はまた、類似の技法により同定され得る。
例えば、新規なIL−RP1をコードする本発明の単離ヌクレオチド配列を標識し、興味のある生物から得られたmRNAから構築されたcDNAライブラリーをスクリーニングするのに使用してもよい。cDNAライブラリーが標識配列が得られた生物のタイプと異なる生物から得られるときには、ハイブリダイゼーションの条件はより低い厳密度になるであろう。これに代えて、標識フラグメントを用いて、興味のある生物から得られるゲノムライブラリーを、ここでも適切に厳密な条件を用いてスクリーニングし得る。そのような低い厳密度の条件は当業者に周知であろうし、そしてライブラリーおよび標識配列が得られる特定の生物に依存して予想の通りに変るであろう。そのような条件の指針として例えば上で引用されたSambrook等を参照されたい。
さらに、興味のある遺伝子内のアミノ酸配列に基づいてデザインした二つの縮重したオリゴヌクレオチドプライマープールを用いてPCRを実施することにより、以前に知られていなかった、差次的発現遺伝子型(differentially expressed gene-type)の配列を単離し得る。反応用のテンプレートは、差次的発現対立遺伝子を発現すると知られているか推測されるヒトのもしくは非ヒトの細胞株または組織から調製したmRNAの逆転写により得られるcDNAであってもよい。
PCR産物はサブクローン化して配列を決定し、増幅された配列が差次的発現遺伝子様核酸配列の配列を表わすことを確認し得る。次いで、PCRフラグメントを用いて、種々の方法により完全長cDNAクローンを単離し得る。例えば、増幅されたフラグメントを標識し、バクテリオファージのcDNAライブラリーをスクリーニングに用い得る。これに代えて、標識フラグメントを用いてゲノムライブラリーをスクリーニングし得る。
PCR技法はまた完全長cDNA配列を単離するのに利用され得る。例えば、適切な細胞もしくは組織の供給源から標準的な手順によりRNAを単離し得る。第1鎖の合成のプライミングために増幅フラグメントの5’最末端に特異的なオリゴヌクレオチドを用いて、RNAについて逆転写反応を実行し得る。次いで、ここで得られるRNA/DNAハイブリッドに、標準的な末端トランスフェラーゼ反応を用いて、グアニンでテールをつけ得て、ハイブリッドをRNアーゼHで消化し得て、次いで第2鎖の合成をポリCプライマーでプライムし得る。かくして、増幅フラグメント上流のcDNA配列を容易に単離し得る。使用し得るクローン化戦略の総説については、例えば、上述のSambrook et al., 1989を参照されたい。
同定された遺伝子が正常の、即ち野生型の、遺伝子である場合には、この遺伝子を使用して、遺伝子の変異型対立遺伝子を単離し得る。そのような単離は、遺伝的基盤を有すると知られているか疑われているプロセスや異常において好ましい。変異型対立遺伝子は、炎症性もしくは免疫応答に関連した疾患症状に寄与する遺伝子型を有すると知られているか疑われている個人から単離され得る。次いで、変異型対立遺伝子および変異型対立遺伝子産物を下記の診断アッセイシステムで利用し得る。
変異遺伝子のcDNAは、例えば、当業者に周知である技術のPCRを用いて単離され得る。この場合には、第1のcDNA鎖を、変異型対立遺伝子を保有すると考えられる個人において発現していることが知られているか疑われている組織から単離されたmRNAにオリゴdTオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせることにより、そして新しい鎖を逆転写酵素で伸張することにより合成し得る。次いで、cDNAの第2鎖は、正常遺伝子の5’末端に特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを用いて合成される。これら二つのプライマーを用いて、産物を次いでPCRで増幅し、適当なベクター中にクローン化し、そして当業者に周知である方法によりDNA配列分析に供する。変異型遺伝子のDNA配列を正常遺伝子のそれと比較することにより、変異型遺伝子産物の機能の消失もしくは変化の原因となる変異を確認することができる。
これに代えて、ゲノムもしくはcDNAライブラリーを構築し、変異型対立遺伝子を保有すると知られているか疑われている個人において、興味のある遺伝子を発現していると知られているか疑われている組織からのDNAまたはRNAをそれぞれ用いてスクリーニングすることができる。次いで、正常な遺伝子もしくはその任意の適当なフラグメントを標識し、プローブとして用いて、ライブラリー中の対応する変異型対立遺伝子を同定し得る。次いで、この遺伝子を含有するクローンを当分野において日常的に実施される方法により精製し、上述のように配列分析に供し得る。
これに加えて、変異型対立遺伝子を保有すると疑われているか知られている個人において、興味のある遺伝子を発現していることが知られているか疑われている組織から単離されたDNAまたは同組織から合成されたcDNAを用いて発現ライブラリーを構築することができる。この様式で、推定上で変異の組織から作成される遺伝子産物を発現し、以下に説明するように、正常な遺伝子産物に対して育成した抗体と一緒に標準的な抗体スクリーニング技法を用いてスクリーニングし得る。(スクリーニング技法については、例えば、Harlow, E. and Lane, eds., 1988、「抗体:実験室マニュアル」、Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harborを参照のこと)。変異が変化した機能を有する発現遺伝子産物をもたらす場合には(例えばミスセンス変異の結果)、抗体のポリクローナルセットは変異遺伝子産物と交叉反応すると思われる。そのような標識抗体との反応により検出されるライブラリークローンを精製し、上述のように配列分析に供することができる。
本発明は、配列番号2、3、もしくは4のいずれかに示されるヌクレオチド配列によってコードされるそれらのタンパク質を、特に配列番号1に示されるアミノ酸配列であるかこれを含むポリペプチドもしくはそのフラグメントを、含む。
さらに、本発明は機能的に同等な遺伝子産物を表すタンパク質を含む。そのような同等な差次的発現遺伝子産物は、上述の差次的発現遺伝子によりコードされるアミノ酸配列内に、アミノ酸残基の欠失、付加もしくは置換を含んでもよいが、それはサイレントな変化をもたらし、かくして機能的に同等な差次的発現遺伝子産物を生成する。アミノ酸の置換は、関与する残基の極性、電荷、溶解性、疎水性、親水性および/もしくは両親媒性における類似性に基づいてなされてもよい。
例えば、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびメチオニンが挙げられ;極性中性アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギンおよびグルタミンが挙げられ;陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リジン、およびヒスチジンが挙げられ;負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられる。本明細書において使用される“機能的に同等な”とは、上述の差次的発現遺伝子配列によりコードされる内在性の差次的発現遺伝子産物と実質的に類似したインビボおよびインビトロ活性を発揮する能力のあるタンパク質もしくはポリペプチドを指してもよい。“機能的に同等な”とはまた、内在性の差次的発現遺伝子の対応する部分がするであろう方式と実質的に類似した様式で他の細胞内もしくは細胞外分子と相互作用する能力のあるタンパク質もしくはポリペプチドを指してもよい。例えば、“機能的に同等な”ペプチドは、イムノアッセイにおいて、内在性タンパク質の対応するペプチド(即ち、そのアミノ酸配列を修飾して“機能的に同等な”ペプチドを達成したペプチド)への、もしくは内在性タンパク質自身への、抗体の結合を減少させることができるであろうが、そこでは抗体は内在性タンパク質の対応するペプチドに対して育成したものである。等モル濃度の機能的に同等なペプチドは、対応するペプチドの前記結合を少なくとも約5%、好ましくは約5%〜10%、さらに好ましくは約10%〜25%、なおさらに好ましくは約25%〜50%、そして最も好ましくは約40%〜50%だけ減少させるであろう。
本発明のポリペプチドは当分野において周知である技法を用いる組換えDNA技術により生成させ得る。したがって、本発明のポリペプチドを生成する方法が提供され、その方法は、配列番号1に示されるようなアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする外来性ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターをその中に組み込んでいる宿主細胞を、その宿主細胞中でポリペプチドを発現させるに十分な条件下で培養することを含み、それによって発現ポリペプチドの生成を引き起こす。所望により、該方法はさらに該細胞により生成されるポリペプチドを回収することを含む。そのような方法の好ましい実施態様において、該外来性ポリヌクレオチドは、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする。好ましくは、該外来性ポリヌクレオチドは、配列番号2、配列番号3もしくは配列番号4のいずれかに示されるようなヌクレオチド配列を含む。配列番号2に示されるヌクレオチド配列、即ちオープンリーディングフレームを使用する場合には、その配列は、ベクターに挿入されるとき、一つもしくはそれ以上の適切な翻訳停止コドンが、好ましくは図1に示される天然型内在性停止コドンが、後ろに続いてもよい。
かくして、それぞれのヌクレオチド配列をコードする核酸を発現させることにより、本発明のポリペプチドおよびペプチドを調製する方法がここに説明される。当業者に周知である方法を用いて、タンパク質−コード配列および適切な転写/翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築することができる。これらの方法としては、例えば、インビトロ組換えDNA技法、合成技法およびインビボ組換え/遺伝子組換えが挙げられる。例えば、上記Sambrook et al., 1989および上記Ausubel et al., 1989に記載されている技法を参照されたい。これに代えて、差次的発現遺伝子のタンパク質配列をコードする能力のあるRNAを、例えば合成機を用いて化学的に合成してもよい。例えば、「オリゴヌクレオチド合成」、1984, Gait, M. J. ed., IRL Press, Oxford(全体的な出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている技法を参照されたい。
種々の宿主−発現ベクターシステムを利用して、本発明の示差的発現遺伝子のコード領域を発現させ得る。そのような宿主−発現システムは、興味のあるコード領域を生成し次いで精製し得るビークルを表すが、また、適切なヌクレオチドコード領域を形質転換もしくは形質移入したときに、インサイツ(in situ)で本発明の遺伝子タンパク質の示差的発現を示し得る細胞を表す。これらとしては、示差的発現遺伝子タンパク質コード配列を含有する、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換した細菌(例えばE. coli、B. subtilis)のような微生物;示差的発現遺伝子タンパク質コード配列を含有する、組換え酵母発現ベクターで形質転換した酵母(例えばSaccharomyces、Pichia);示差的発現遺伝子タンパク質コード配列を含有する、組換えウイルス発現ベクター(例えばバキュロウイルス)で感染もしくは形質移入させた昆虫細胞システム;組換えウイルス発現ベクター(例えばカリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)で感染させた、もしくは、タンパク質コード配列を含有する、プラスミド(例えば Tiプラスミド)を含む組換えベクターで形質転換させた植物細胞システム;または哺乳動物のゲノムから得られる(例えばメタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物ウイルスから得られる(例えばアデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5KプロモーターもしくはCMVプロモーター)プロモーターを含有する組換え発現構築体を収容する哺乳動物細胞システム(例えばCOS、CHO、BHK、293、3T3)が挙げられるが、これらに限定されない。
その細胞に本来存在するIL−1RP1コード遺伝子からの細胞により、本発明のインターロイキン−1関連ポリペプチド1の発現を実施することができる。そのような発現の方法は、例えば、米国特許5,641,670;5,733,761;5,968,502;および5,994,127(これらは全て全体的な出典明示により本明細書の一部とする)に詳述されている。米国特許5,641,670;5,733,761;5,968,502;および5,994,127のいずれかの方法によりIL−1RP1を発現するように誘導されている細胞を生きている動物中で望ましい組織中に植え込んで、組織内のIL−1RP1の局所的濃度を増加させることができる。
細菌のシステムでは、発現されるタンパク質の使用目的に応じて多数の発現ベクターを有利に選択し得る。例えば、抗体の作成のためにもしくはペプチドライブラリーをスクリーニングするために、大量のそのようなタンパク質を生成したいときには、例えば、容易に精製できる融合タンパク質産物の高レベルの発現を指令するベクターが望ましいであろう。この点において、多数の供給業者(例えばQuiagen, Valencia, CA)から提供されるようなヘキサヒスチジンタグを含む融合タンパク質を用い得る(Sisk et al., 1994: J. Virol 68: 766-775)。そのようなベクターとしては、融合タンパク質が生成されるように、タンパクをコードする配列がlacZのコード領域と読み枠中のベクター中で個別に結合され得るところの大腸菌発現ベクターpUR278(Ruther et al., 1983, EMBO J. 2: 1791);pINベクター(Inouye & Inouye, 1985, Nucleic Acids Res. 13: 3101-3109; Van Heeke & Schuster, 1989, J. Biol. Chem. 264: 5503-5509)等が挙げられるが、これらに限定されない。また、pGEXベクターを用いて、外来タンパク質をグルタチオン S−トランスフェラーゼ(GST)と共に融合タンパク質として発現し得る。一般に、そのような融合タンパク質は可溶性であり、溶解した細胞からグルタチオン−アガローズビーズへの吸着とこれに続く遊離グルタチオン存在下の溶出により容易に精製されることができる。pGEXベクターは、クローン化された目的遺伝子タンパク質をGST部分から放出できるようにトロンビンもしくは第Xa因子プロテアーゼ切断部位を含有するようデザインされている。
プロモーター領域は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(“CAT”)のようなプロモーター領域を欠くレポーター転写ユニット、またはルシフェラーゼ転写ユニットを、候補プロモーターフラグメント;即ちプロモーターを含有し得るフラグメント、を導入するための一つ以上の制限部位の下流で、含有するベクターを用いて任意の望ましい遺伝子から選択されることができる。例えば、CAT遺伝子の上流の制限部位におけるプロモーター−含有フラグメントのベクター中へのに導入は、標準的なCATアッセイにより検出することができるCAT活性の生成を惹き起こす。この目的に適したベクターは周知であり容易に入手可能である。二つのそのようなベクターはpKK232−8およびpCM7である。かくして、本発明のポリヌクレオチドの発現用のプロモーターとしては、周知かつ容易入手可能なプロモーターのみでなく、レポーター遺伝子を用いて前述の技法により容易に得られ得るプロモーターも挙げられる。
本発明にしたがってポリヌクレオチドおよびポリペプチドを発現するために適当な公知の細菌プロモーターの中には、大腸菌のlacIおよびlacZプロモーター、T3およびT7プロモーター、T5tacプロモーター、ラムダPR、PLプロモーターならびにtrpプロモーターがある。この点に関して適する公知の真核細胞のプロモーターの中には、CMVの直接前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期および後期SV40プロモーター、Rous肉腫ウイルス(“RSV”)のそれらのようなレトロウイルスLTRのプロモーター、ならびにマウスメタロチオネイン−Iプロモーターのようなメタロチオネインプロモーターがある。
昆虫のシステムでは、Autographa californicaの核多角体病ウイルス(AcNPV)は、外来遺伝子発現ベクターとして用いられることができる幾つかの昆虫システムの一つである。このウイルスはSpodoptera frugiperdaの細胞中で増殖する。コード配列をウイルスの非必須領域(例えば多角体遺伝子)の中に個別にクローン化し、AcNPVプロモーター(例えば多角体プロモーター)の制御下に置き得る。コード配列の成功的挿入は、ポリへドロン遺伝子の失活および閉じ込められていない組換えウイルス(即ち、多角体遺伝子によってコードされるタンパク質性の外被を欠いているウイルス)の生成をもたらす。次いで、これらの組換えウイルスを用いて、その中で挿入遺伝子が発現されるSpodoptera frugiperda細胞を感染させる(例えばSmith et al., 1983, J. Virol. 46: 584; Smith, 米国特許第4,215,051号を参照のこと)。
哺乳動物の細胞では、多数のウイルスに基づく発現システムを利用し得る。アデノウイルスを発現ベクターとして用いる場合には、興味のあるコード配列をアデノウイルスの転写/翻訳制御複合体、例えば後期プロモーターおよび三連リーダー配列に結合させ得る。次いで、このキメラ遺伝子をインビトロもしくはインビボ組換えによりアデノウイルスのゲノム中に挿入し得る。ウイルスゲノムの非必須領域(例えば、E1もしくはE3領域)への挿入は、感染宿主中で生存可能でかつ望ましいタンパク質を発現する能力のある、組換えウイルスをもたらすであろう(例えば、Logan & Shenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 3655-3659を参照のこと)。また、挿入された遺伝子コード配列の効率的翻訳のために特定の開始シグナルが必要であるかもしれない。これらのシグナルとしては、ATG開始コドンおよび隣接の配列が挙げられる。それ自身の開始コドンおよび隣接の配列を含有する遺伝子全体を適切な発現ベクター中に挿入する場合には、さらに別の翻訳制御シグナルは必要でないであろう。しかしながら、配列をコードする遺伝子の一部のみが挿入される場合には、恐らくATG開始コドンを含む外来性翻訳制御シグナルが提供されなければならない。
さらに、挿入物全体の翻訳を確保するためには、開始コドンは望ましいコード配列のリーディングフレームと合っていなければならない。これらの外来性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然のおよび合成の両方の、種々の起源のものでよい。発現の効率は、適切な転写エンハンサーエレメント、転写ターミネーター等を含めることにより増大され得る(Bittner et al., 1987, Methods in Enzymol. 153: 516-544を参照のこと)。他の一般的なシステムは、SV40、レトロウイルスもしくはアデノ随伴ウイルスに基づくものである。宿主細胞内での発現用の適切なベクターおよびプロモーターの選択は周知の手順であり、そして発現ベクターの構築、宿主内へのベクターの導入、および宿主自身内での発現に不可欠な技法は当分野において日常的な技能である。一般的に、組換え体発現ベクターは、複製起点、下流の構造配列の転写を指令するための高度に発現される遺伝子から得られるプロモーター、およびベクターへの曝露後にベクター含有細胞の単離を可能にする選択マーカーを含むであろう。
加えて、挿入配列の発現を調整する、もしくは遺伝子産物を特定の望ましいやり方で修飾し、加工する、宿主細胞株を選択し得る。タンパク質産物のそのような修飾(例えばグリコシル化)および加工(例えば切断)はタンパク質の機能にとって重要であるであろう。種々の宿主細胞は、タンパク質の翻訳後の加工および修飾のための特性的かつ特異的なメカニズムを有する。適切な細胞株もしくは宿主系を選んで、発現された外来性タンパク質の正確な修飾および加工を確実にすることができる。この目的のために、一次転写物の適正な加工、遺伝子産物のグリコシル化および燐酸化のための細胞の仕組みを所有する有核宿主細胞を用い得る。そのような哺乳動物宿主細胞としては、CHO、VERO、BHK、HeLa、COS、MDCK、293、3T3、WI38等が挙げられるが、これらに限定されない。
組換えタンパク質の長期間、高収率な生成のためには、安定的な発現が好ましい。例えば、差次的発現遺伝子タンパク質を安定的に発現する細胞株を工学操作し得る。ウイルスの複製起点を含有する発現ベクターを用いるよりもむしろ、適切な発現調節エレメント(例えば、プロモーター、エンハンサー、配列、転写ターミネーター、ポリアデニル化部位、等)で制御されるDNAおよび選択マーカーにより、宿主細胞を形質転換することができる。外来性DNAの導入に続いて、工学操作された細胞は強化培地で1〜2日間増殖させてもよく、次いで選択培地に切り替えられる。組換えプラスミド中の選択マーカーが選択抵抗性を与え、そして細胞がプラスミドをその染色体中に安定的に組み込み、かつ増殖巣を形成するために増殖することを可能にし、これを今度は細胞株中にクローン化し伸張させることができる。この方法は、差次的発現遺伝子タンパク質を発現する細胞株を工学操作するのに有利に用いられる。そのような工学操作された細胞株は、発現されたタンパク質の内在的活性に影響を及ぼす化合物のスクリーニングおよび評価に特に有用であろう。
それぞれtk、hgprtもしくはaprt細胞内で使用することができる、単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(Wigler, et al., 1977, Cell 11:223)、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Szybalska & Szybalski, 1962, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 48: 2026)およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Lowy, et al., 1980, Cell 22: 817)の遺伝子を含むが、これらに限定されない、多数の選択システムを用い得る。また、メトトレキセートに対する抵抗性を付与するdhfr(Wigler, et al., 1980, Natl. Acad. Sci. USA 77:3567; O'Hare, et al., 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 1527);ミコフェノール酸耐性を付与するgpt(Mulligan & Berg, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 2072);アミノグリコシドG−418に対する耐性を付与するneo(Colberre-Garapin, et al., 1981, J. Mol. Biol. 150:1);およびヒグロマイシン抵抗性を付与するhygro(Santerre, et al.., 1984, Gene 30: 147)の遺伝子に対する選択の基盤として、代謝拮抗剤抵抗性を用いることができる。
これに代わる融合タンパク質システムは、ヒト細胞株で発現される非変性融合タンパク質の迅速な精製を可能にする(Janknecht, et al., 1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88: 8972-8976)。このシステムでは、興味のある遺伝子は、遺伝子のリーディングフレームが6個のヒスチジン残基からなるアミノ末端タグに翻訳的に融合されるように、ワクシニアの組換えプラスミドの中にサブクローン化される。組換えワクシニアウイルスを感染させた細胞からの抽出物をNi2+ニトリロ酢酸−アガロースカラムに装てんし、そしてヒスチジンタグをつけたタンパク質をイミダゾール−含有緩衝液で選択的に溶出する。
以下に説明するようなアッセイシステムにおける成分として用いるときには、本発明のタンパク質を直接にもしくは間接的にのどちらかで標識して、タンパク質と試験物質との間に形成した複合体の検出を容易にし得る。125Iのような放射性同位元素;基質に曝露すると検出可能な比色シグナルもしくは光を発生する酵素標識システム;および蛍光標識を含むが、これらに限定されない、種々の適当な標識システムのいずれかを使用し得る。
組換えDNA技術を用いて、そのようなアッセイシステム用に本発明のタンパク質を生成する場合には、標識、固相化、検出および/もしくは単離を容易にすることができる、融合タンパク質を工学操作するのが有利である。
間接標識は、本発明のポリペプチドに特異的に結合する標識抗体のような、タンパク質の使用を伴う。そのような抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、単鎖、Fabフラグメント、およびFab発現ライブラリーにより生成されるフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。
もう一つの実施態様では、IL−1RP1タンパク質もしくはその機能的誘導体をコードする配列を含む核酸を投与して、遺伝子治療により、正常免疫系機能を促進する。遺伝子治療とは、対象への核酸の投与により実施される治療をいう。本発明のこの実施態様では、核酸は、正常な免疫系の機能を促進することにより治療効果を仲介する、そのコードされたタンパク質を生成する。
当分野において使用可能な遺伝子治療のいずれかを本発明にしたがって使用することができる。例示的な方法は以下に説明されている。
好ましい態様では、治療薬は、適当な宿主中でIL−1RP1関連タンパク質またはそのフラグメントもしくはキメラタンパク質を発現する、発現ベクターの一部であるところのIL−1RP1核酸を含む。特に、そのような核酸はIL−1RP1コード領域に機能し得るように結合されたプロモーターを有しており、該プロモーターは誘導性もしくは構成的であり、そして任意に組織特異的である。もう一つの特別の実施態様では、その中でIL−1RP1コード領域配列および任意の他の望ましい配列がゲノム中の望ましい部位で相同的組換えを促進する領域で隣接されたところの核酸分子が用いられ、かくしてIL−1RP1核酸の染色体内発現を提供する(Koller and Smithies, 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:8932-8935; Zijlstra et al., 1989, Nature 342:435-438)。
患者への核酸の送達は直接的でもよく、この場合には患者は核酸もしくは核酸を保有するベクターに直接曝露され、または間接的のどちらでもよく、この場合には、細胞は先ずインビトロで核酸により形質転換され、次いで患者に移植される。これら二つのアプローチは、それぞれインビボもしくはエキスビボ(ex vivo)遺伝子治療として知られている。
特別の実施態様では、核酸はインビボで直接投与され、そこでは発現してコードされた産物を生成する。これは当分野において公知の多数の方法のいずれかにより達成されることができるが、それは、例えば、それを適切な核酸発現ベクターの一部として構築し、そして、例えば、欠失もしくは弱毒レトロウイルスまたは他のウイルスベクター(例えば米国特許第4,980,286号および上述の他のものを参照のこと)を用いる感染により、もしくは裸のDNAの直接的注入により、もしくは微粒子衝撃(例えば遺伝子銃; Biolistic, Dupont)の使用により、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくは形質移入剤、リポゾーム内への封入、微粒子もしくはマイクロカプセルによるコーティーングにより、それが細胞内となるように、投与することによるか、または核に入ることが知られているペプチドに結合した形でそれを投与することによるか、受容体−仲介エンドサイトーシスを受けるリガンドに結合した形でそれを投与することによる(例えば、米国特許5,166,320;5,728,399;5,874,297;および6,030,954(これらはいずれも全体的な出典明示により本明細書の一部とする) を参照のこと)(これは受容体を特異的に発現する細胞型を標的にするために用いることができる)、等である。もう一つの実施態様では、核酸−リガンド複合体を形成することができて、その中で、リガンドはエンドゾームを破壊する融合誘導性ウイルスペプチドを含み、核酸がリソゾームによる破壊を避けることを可能にする。なおもう一つの実施態様では、核酸は、特異的受容体を標的とすることにより、細胞特異的な取り込みと発現をインビボで標的とされることができる(例えばPCT公開WO 92/06180;WO 92/22635;WO 92/20316;WO 93/14188;およびWO 93/20221を参照のこと)。これに代えて、核酸を細胞内に導入し、相同的組換えにより宿主細胞のDNA内に組み込んで発現させることができる(例えば米国特許5,413,923;5,416,260;および5,574,205;ならびにZijlstra et al., 1989, Nature 342:435-438を参照のこと)。
特別の実施態様では、IL−1RP1核酸を含有するウイルスベクターが用いられる。例えば、レトロウイルスを用いることができる(例えば米国特許5,219,740;5,604,090;および5,834,182を参照のこと)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムをパッケージして宿主細胞のDNAに組み込むために必要でない、レトロウイルス配列を取り除くように修飾されている。遺伝子治療に用いられるIL−1RP1核酸をベクター内にクローン化し、これが患者への遺伝子の送達を容易にする。
アデノウイルスは遺伝子治療に用いることのできる他のウイルスベクターである。アデノウイルスは気道上皮に遺伝子を送達するために特に魅力的なビークルである。アデノウイルスは天然では気道上皮に感染し、そこで軽度の疾患を引き起す。アデノウイルスに基づく送達システムの他の目標は、肝臓、中枢神経系、内皮細胞および筋肉である。アデノウイルスは非分裂細胞に感染する能力があるという利点を有している。アデノウイルスに基づく遺伝子治療を実施する方法は、例えば、米国特許5,824,544;5,868,040;5,871,722;5,880,102;5,882,887;5,885,808;5,932,210;5,981,225;5,994,106;5,994,132;5,994,134;6,001,557;および6,033,8843(これらは全て全体的な出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
アデノ随伴ウイルス(AAV)はまた、遺伝子治療への使用が提案されている。AAVの生成し、利用する方法は、例えば、米国特許5,173,414;5,252,479;5,552,331;5,658,785;5,763,416;5,773,289;5,843,742;5,869,040;5,942,496;および5,948,675(これらは全て全体的な出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
遺伝子治療へのもう一つのアプローチは、エレクトロポレーション、リポフェクション、燐酸カルシウム仲介形質移入もしくはウイルス感染のような方法により、遺伝子を組織培養の細胞に移入することを伴う。通常、移入の方法は選択マーカーの細胞への移入を含む。次いで、細胞を選択下において、移入された遺伝子を取り込んで発現しているそれらの細胞を単離する。次いで、それらの細胞を患者に送達する。
この実施態様では、核酸を先ず細胞に導入した後に、ここで得られる組換え細胞をインビボで投与する。そのような導入は当分野において公知である任意の方法によって行われることができて、その方法としては、形質移入、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、核酸配列を含有するウイルスもしくはバクテリオファージベクターによる感染、細胞融合、染色体仲介性遺伝子導入、マイクロセル仲介性遺伝子導入、スフェロプラスト融合、等が挙げられるが、これらに限定されない。外来性遺伝子を細胞に導入する多数の技法は当分野において公知であり、レシピエント細胞の必要な発生上および生理的機能が損なわれない限り、本発明にしたがって用いられ得る。その技法は、核酸が細胞により発現可能であり、そして好ましくは、細胞の子孫によって遺伝性でありかつ発現可能であるように、核酸の細胞への安定な移入を提供すべきである。
ここで得られる組換え細胞を、当分野において公知である種々の方法により患者に送達することができる。好ましい実施態様では、上皮細胞を例えば皮下に注射する。もう一つの実施態様では、組換え皮膚細胞を皮膚移植片として患者に適用し得る。好ましくは、組換え血液細胞(例えば、造血幹細胞もしくは前駆細胞)が静脈内投与される。使用を想定する細胞の量は、望ましい効果、患者の状態などに依存し、当業者により決定されることができる。
遺伝子治療の目的で核酸を導入できる細胞は、任意の望ましい、入手可能な細胞型をも包含し、そして上皮細胞、内皮細胞、ケラチン生成細胞、線維芽細胞、筋肉細胞、肝細胞;Tリンパ球、Bリンパ球、単球、マクロファージ、好中球、好酸球、巨核球、顆粒球のような血液細胞;種々の幹細胞もしくは前駆細胞、特に、例えば骨髄、臍帯血、末梢血、胎児肝等から得られるような造血幹細胞および前駆細胞、が挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい実施態様では、遺伝子治療に用いられる細胞は患者にとって自家性のものである。
組換え細胞が遺伝子治療に用いられる実施態様では、IL−1RP1細胞はそれが細胞およびその子孫により発現可能であるように細胞中に導入され、次いで、組換え細胞が治療効果のためにインビボで投与される。特別の態様では、幹細胞もしくは前駆細胞が用いられる。単離されて、インビトロで維持されることができる任意の幹−および/もしくは前駆細胞は、本発明のこの実施態様にしたがって潜在的に使用されることができる。そのような幹細胞としては、造血幹細胞(HSC)、皮膚および腸管の内層のような上皮組織の幹細胞、胚性心筋細胞、肝臓幹細胞(例えばWO 94/08598参照)、ならびに神経幹細胞(Stemple and Anderson, 1992, Cell 71:973-985)が挙げられるが、これらに限定されない。
上皮幹細胞(ESC)もしくはケラチン生成細胞は、皮膚および腸管の内層のような組織から公知の手順(Rheiwald, 1980, Meth. Cell Bio. 21A:229)により得られることができる。皮膚のような重層上皮組織では、再生が基底板に最も近い層である基底層内の幹細胞の分裂によって起こる。腸管の内層内の幹細胞はこの組織の迅速な再生速度を提供する。患者もしくはドナーの皮膚また腸管の内層から得られるESCもしくはケラチン生成細胞は組織培養で増殖させられることができる(Pittelkow and Scott, 1986, Mayo Clinic Proc. 61:771)。もしESCがドナーにより提供されるならば、宿主対移植片反応性を抑制する方法(例えば、放射線照射、中等度の免疫抑制を促進する薬剤もしくは抗体の投与)をまた用いることができる。
造血幹細胞(HSC)に関しては、インビトロでHSCの単離、増殖および維持を提供する任意の技法を本発明のこの実施態様において用いることができる。これを達成し得る技法としては、(a)将来の宿主もしくはドナーから単離された骨髄細胞からのHSC培養液の単離および確立、または(b)同種異系もしくは異種であり得る、先に確立された長期HSC培養、が挙げられる。非自家性HSCは、好ましくは将来の宿主/患者の移植免疫反応を抑制する方法と一緒に用いられる。本発明の特別な実施態様では、ヒト骨髄細胞を後部腸骨稜から針穿刺吸引により得ることができる(例えばKodo et al., 1984, J. Clin. Invest. 73:1377-1384を参照のこと)。本発明の好ましい実施態様では、HSCは高度に富化した、もしくは実質的に純粋な形で作成することができる。この富化は長期培養の前、期間中、もしくは後で達成されることができて、当分野において公知である任意の技法によって行われることができる。骨髄細胞の長期培養は、例えば、修飾Dexterの細胞培養技法(Dexter et al., 1977, J. Cell Physiol. 91:335)もしくはWitlock-Witteの培養技法(Witlock and Witte, 1982, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79:3608-3612)を用いて確立され維持されることができる。
特別の実施態様では、遺伝子治療の目的で導入される核酸は、核酸の発現が適切な転写誘導体の存在もしくは不存在を制御することにより制御可能であるように、コード領域に機能し得るように結合された誘導性プロモーターを含む。
本発明のさらなる実施態様は、配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、または該ポリペプチドのフラグメントに特異的に結合する精製抗体もしくはそのフラグメントに関する。好ましい実施態様は、フラグメントがFabもしくはF(ab’)である、そのような抗体のフラグメントに関する。特に、抗体はポリクローナル抗体もしくはモノクローナル抗体であってもよい。
一つもしくはそれ以上の差次的発現遺伝子エピトープを特異的に認識する能力のある抗体を生成する方法がここに説明される。そのような抗体としては、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(mAb)、ヒト化もしくはキメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、Fab発現ライブラリーで生成したフラグメント、抗イディオタイプ(anti−Id)抗体、および上記のいずれかのエピトープ結合フラグメントが挙げられ得るが、これらに限定されない。そのような抗体は、例えば、フィンガープリント、標的、生物学的試料中の遺伝子の検出に、もしくはこれに代えて異常な標的遺伝子活性を阻害する方法として使用され得る。かくして、そのような抗体を心臓血管疾患の処置方法の一部として利用し得て、そして/または患者のIL−1RP1の異常なレベルをもしくは異常な型のIL−1RP1ポリペプチドの存在を試験し得るところの診断技法の一部として使用し得る。
IL−1RP1ポリペプチドに対する抗体の生成のために、IL−1RP1ポリペプチドもしくはその一部による注射により、種々の宿主動物を免疫し得る。そのような宿主動物としては、2、3例を挙げると、ウサギ、マウスおよびラットが挙げられ得るが、これらに限定されない。免疫応答を増強するために、宿主動物種に応じて種々のアジュバントを用いることができるが、これらとしては、フロインドの(完全および不完全)アジュバント、水酸化アルミニウムのような鉱物ゲル、リゾレシチンのような界面活性剤、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、スカシガイのヘモシアニン、ジニトロフェノール、ならびにBCG(bacile Calmette-Guerin)およびCorynebacterium parvumのような潜在的に有用なヒトアジュバントが挙げられるが、これらに限定されない。
ポリクローナル抗体は、興味のある遺伝子産物もしくはその抗原的に機能を有する誘導体のような抗原により免疫した動物の血清から得られる、抗体分子の不均一な集団である。ポリクローナル抗体の生成には、上述のそれらのような宿主動物を、また上述のようにアジュバントを補充したIL−1RP1ポリペプチドもしくはその一部による注射により免疫し得る。
特定抗原に対する抗体の均一な集団であるモノクローナル抗体は、持続性細胞株の培養により抗体分子の生成を提供する、任意の技法によって得られ得る。これらとしては、KohlerおよびMilsteinのハイブリドーマ技法(1975, Nature 256:495-497;および米国特許第4,376,110号)、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(Kosbor et al., 1983, Immunology Today 4:72; Cole et al., 1983, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:2026-2030)およびEBV−ハイブリドーマ技法(Cole et al., 1985、「モノクローナル抗体と癌治療」、Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)が挙げられるが、これらに限定されない。そのような抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDおよびその任意のサブクラスを含む、任意のイムノグロブリンクラスのものでもよい。本発明のmAbを生成するハイブリドーマはインビトロもしくはインビボで培養され得る。インビトロでの高力価のmAbの生成はこれを現在のところ好ましい生成方法とする。
加えて、適切な抗原特異性を持つマウス抗体分子からの遺伝子を適切な生物活性のヒト抗体分子からの遺伝子と共にスプライシングすることにより、“キメラ抗体”を生成するために開発された技法(Morrison et al., 1984, Proc. Natl. Acad. Sci., 81:6851-6855; Neuberger et al., 1984, Nature, 312:604-608; Takeda et al., 1985, Nature, 314:452-454)を用いることができる。キメラ抗体は、マウスmAbから得られる可変領域もしくは超可変領域およびヒトイムノグロブリンの定常領域を有するそれらのような、種々の部分が種々の動物種から得られる分子である。
これに代えて、単鎖抗体の生成のために記述された技法(米国特許第4,946,778号;Bird, 1988, Science 242:423-426; Huston et al., 1988, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883; and Ward et al., 1989, Nature 334:544-546)を適応して、示差的に発現された遺伝子−単鎖抗体を生成することができる。単鎖抗体は、アミノ酸架橋を介してFv領域の重鎖および軽鎖フラグメントを結合させることにより形成されて、単鎖ポリペプチドをもたらす。
最も好ましくは、“ヒト化抗体”の生成に有用な技法を適応して、本明細書において開示されたポリペプチド、フラグメント、誘導体および機能的同等物に対する抗体を生成させることができる。そのような技法は、米国特許第5,932,448号;第5,693,762号;第5,693,761号;第5,585,089号;第5,530,101号;第5,910,771号;第5,569,825号;第5,625,126号;第5,633,425号;第5,789,650号;第5,545,580号;第5,661,016号;第5,770,429号(これらは全て全体的な出典明示により本明細書の一部とする)に開示されている。
特定のエピトープを認識する抗体フラグメントは公知の技法により作成され得る。例えば、そのようなフラグメントとしては、抗体分子のペプシン消化により生成されることのできるF(ab’)フラグメントおよびF(ab’)フラグメントのジスルフィド架橋を還元することにより作成されるFabフラグメントが挙げられるが、これらに限定されない。これに代えて、Fab発現ライブラリーを構築して(Huse et al., 1989, Science 246:1275-1281)、望ましい特異性を持つモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を可能にし得る。
好ましくは、本発明の抗体を、ヒトにおける宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常を診断する方法に用いることができて、それは、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に罹患しているヒトからの適切な組織または細胞中で、配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドの量を測定することを含み、そこでは、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に罹患していないヒトからの対応する組織中の該ポリペプチドもしくはそのフラグメントの量に比べて上昇した量の該ポリペプチドもしくはそのフラグメントの存在は、宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に該ヒトが罹患していることの診断となる。そのような方法は本発明のさらなる実施態様を形成する。好ましくは、該検出ステップは該適切な組織もしくは細胞を、配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドに特異的に結合するところの抗体と接触させ、そして該抗体と該適切な組織もしくは細胞中のポリペプチドとの特異的結合を検出することを含み、そこではポリペプチドへの特異的結合の検出は配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドの存在を示す。
検出の容易のためにはサンドイッチアッセイが特に好ましく、それには多数の変法が存在するが、その全てが本発明に包括されるものとする。
例えば、典型的なフォワードアッセイでは、非標識抗体を固体の基盤に固相化し、結合した分子と被検試料を接触させる。適当な期間のインキュベーションの後、抗体−抗原の二元複合体の形成を起こさせるに十分な期間。この時点で、検出可能なシグナルを誘発する能力のあるレセプター分子で標識された第2抗体を次いで添加してインキュベートし、抗体−抗原−標識抗体の三元複合体の形成に十分な時間を与える。いかなる未反応物質も洗浄して除き、抗原の存在をシグナルの観察で測定するか、もしくは既知量の抗原を含有する対照試料と比較して定量し得る。フォワードアッセイの変法としては、結合した抗体に試料および抗体を同時に添加する同時アッセイ、もしくは標識抗体と被検試料とを先ず一緒にしてインキュベートし、表面に結合した非標識抗体に添加する逆アッセイが挙げられる。これらの技法は当業者に周知であり、そして小さな変法の可能性は容易に明らかであろう。ここで用いる限りでは、“サンドイッチアッセイ”は、基本的な二−サイト技法に基づく全ての変法を包含することとする。本発明のイムノアッセイについて、唯一の制限因子は、標識抗体がIL−1RP1ポリペプチドもしくはそのフラグメントに特異的である抗体でなければならないということである。
このタイプのアッセイにおいて最も汎用されるレセプター分子は、酵素または、蛍光物質もしくは放射性核種を含有する分子のどちらかである。酵素イムノアッセイの場合には、酵素は第2抗体に、通常グルタルアルデヒドもしくは過ヨウ素酸を用いて結合する。容易に認識されるように、しかしながら、多様な異なる連結反応技法が存在し、これらは当業者に周知である。汎用される酵素としては、なかんずく西洋わさびペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼが挙げられる。特定の酵素と共に用いられる基質は、対応する酵素による加水分解によって検出可能な色調変化を生成するように一般に選ばれる。例えば、p−ニトロフェニルホスフェートはアルカリホスファターゼ複合体と共に使用するのに適しており;ペルオキシダーゼ複合体には1,2−フェニレンジアミンもしくはトルイジンが汎用される。蛍光基質を使用することはまた可能で、これは上述の発色性基質の代わりに蛍光産物を与える。次いで、適切な基質を含有する溶液を三元複合体に添加する。第2抗体と結合した酵素と基質が反応して定性的な視覚的シグナルを与え、これを通常分光測定法的にさらに定量して、血清試料中に存在するIL−1RP1の量の判定を得ることができる。
これに代えて、フルオレセインもしくはローダミンのような蛍光性化合物を抗体の結合能を変えることなく抗体に結合させ得る。特定波長の光による照射で活性化されるとき、蛍光色素で標識された抗体は光エネルギーを吸収して分子中に励起状態が誘起され、次いで特徴的なより長波長の光が放射される。発光は、光学顕微鏡により目視で検出可能な特色的な色調として現れる。免疫蛍光およびEIA技法は両方とも当分野において非常に良く確立されていて、本発明の方法にとって特に好ましい。しかしながら、放射性同位元素、化学発光もしくは生物発光分子のようなレポーター分子をまた使用し得る。要求される使用に合わせるためにはどのように手順を変更するかは、当業者に容易に明らかであろう。
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドの診断用試薬としての使用に関する。特に、本発明はヒトにおける宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常を診断する方法に関し、これは、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする天然型内在性ヒト遺伝子から転写されるメッセンジャーRNAの上昇した転写を、ヒトからの適切な組織もしくは細胞中に検出することを含み、そこでは上昇した転写は、該ヒトが宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に罹患していることの診断となる。特に、該内在性ヒト遺伝子は配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む。好ましい実施態様では、そのような方法は、該適切な組織もしくは細胞の試料を、またはその組織もしくは細胞から得られる単離RNAもしくはDNA分子を、配列番号1に示されるアミノ酸配列に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする単離ヌクレオチド配列と高度に厳密な条件下でハイブリダイズするところの、少なくとも約20ヌクレオチド長の単離ヌクレオチド配列と接触させることを含む。
機能障害と関連する、配列番号4のポリヌクレオチドを特徴とする遺伝子の変異型の検出は、この遺伝子の過少発現、過大発現、または変化した位置的もしくは時間的発現によりもたらされるところの疾患、もしくは疾患に罹りやすさの診断に追加し、または、を規定することができる、診断の手段を提供する。この遺伝子の変異を保有する個人は種々の技法によりDNAレベルで検出され得る。
診断用の核酸、特にmRNAは、血液、尿、唾液、組織生検もしくは剖検材料からのような対象の細胞から入手し得る。ゲノムDNAは検出のために直接使用され得るか、または、分析前にPCRもしくはその他の増幅技法を用いることにより酵素的に増幅され得る。RNAもしくはcDNAはまた、同様に用いられ得る。欠失および挿入は、正常な遺伝子型と比較して増幅産物のサイズの変化により検出されることができる。増幅DNAを本発明のIL−1RP1ポリペプチドをコードする標識ヌクレオチド配列にハイブリダイズさせることにより、点突然変異を同定することができる。完全にマッチした配列は、RNアーゼ消化もしくは融解温度の違いによりミスマッチの二重鎖から区別されることができる。DNA配列の差はまた、変性剤の有無で、ゲル中でのDNAフラグメントの電気泳動易動度の変化により、もしくは直接的なDNA配列決定により検出され得る(例えばMyers et al., Science (1985) 230:1242)。特定の位置での配列変化はまた、RNアーゼおよびS1保護のようなヌクレアーゼ保護アッセイ、もしくは化学的切断法(Cotton et al., Proc Natl Acad Sci USA (1985) 85:4397-4401を参照のこと)によって明らかにされ得る。もう一つの実施態様では、本発明のIL−1RP1ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列もしくはそのようなヌクレオチド配列のフラグメントを含むオリゴヌクレオチドプローブのアレーを構築して、例えば遺伝的変異の効率よいスクリーニングを実施することができる。アレー技法の方法は周知で汎用性を有し、そして、遺伝子発現、遺伝連鎖および遺伝的変異性を含む分子遺伝学における様々な問題に対処するために使用されることができる(例えば:M. Chee et al., Science, Vol 274, pp 610-613 (1996)を参照のこと)。
診断用アッセイは、記載の方法によるIL−1RP1遺伝子中の変異の検出を通して疾患に罹りやすさを診断もしくは決定するプロセスを提供する。加えて、そのような疾患は、対象から得られる試料からポリペプチドもしくはmRNAの異常に減少したもしくは増加したレベルを測定することを含む方法により診断されることができる。減少したもしくは増加した発現は、例えば核酸増幅、例を挙げればPCR、RT−PCR、RNアーゼ保護、ノーザンブロッティングおよび他のハイブリダイゼーション法のようなポリヌクレオチド定量用に当分野において周知である方法のいずれかを用いてRNAのレベルで測定されることができる。宿主から得られる試料中における、本発明のポリペプチドのような、タンパク質のレベルを測定するために使用できるアッセイ技法は当業者に周知である。そのようなアッセイ法としては、ラジオイムノアッセイ、拮抗的結合アッセイ、ウエスタンブロットアッセイおよびELISAアッセイが挙げられる。
かくしてもう一つの態様では、本発明は:
(a)本発明のポリヌクレオチド、好ましくは配列番号2、3もしくは4のヌクレオチド配列、またはそのフラグメント;
(b)(a)のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列:
(c)本発明のポリペプチド、好ましくは配列番号1のポリペプチドもしくはそのフラグメント;または
(d)本発明のポリペプチドに対する、好ましくは配列番号1のポリペプチドに対する抗体
を含む、診断用キットに関する。
そのようなキット、(a)、(b)、(c)もしくは(d)、のいずれも実質的な成分を含み得ることは認識されるであろう。そのようなキットは、疾患または疾患への、特に炎症性もしくは免疫応答に関連した疾患もしくは異常への、罹りやすさの診断に有用であろう。
本発明のヌクレオチド配列はまた、染色体上の位置決定にも有用である。配列を個別のヒト染色体上の特定の部位に特異的に目標を定め、これとハイブリダイズさせることができる。本発明にしたがって関連した配列を染色体にマッピングすることは、これらの配列を疾患関連遺伝子と相関させる重要な最初のステップである。一旦配列が正確な染色体の部位にマップされれば、染色体上の配列の物理的な位置を遺伝子マップデータと相関させることができる。そのようなデータは、例えば、V. McKusick、「ヒトにおけるメンデル遺伝」(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを通してオンラインで入手可能)に見出される。同じ染色体領域にマップされている遺伝子と疾患との関係は次いで連鎖分析(物理的に隣接する遺伝子の共遺伝)により同定される。
また、罹患した人々と罹患していない人々の間のcDNAもしくはゲノム配列の差を決定することができる。もし変異が罹患した人々の全てもしくは一部で観察されるが正常人のいずれにも観察されないならば、変異は疾患の原因因子と思われる。
本発明のさらなる実施態様は、上で議論した治療効果のいずれかのための、薬学的に許容される担体、賦形剤もしくは希釈剤と一緒での、医薬組成物の投与に関する。そのような医薬組成物は、インターロイキン−1関連ポリペプチド1、そのポリペプチドに対する抗体、IL−1RP1機能の模倣物、アゴニストもしくは阻害剤からなっていてもよい。組成物を単独で、もしくは安定剤のような少なくとも一つの他の薬剤との組合せで投与してよく、それらは生理食塩水、緩衝生理食塩水、ブドウ糖および水を、限定されること無く、含む任意の無菌で生体適合性の医薬担体中で投与してもよい。組成物を単独で、もしくは他の薬剤、薬物もしくはホルモンとの組合せで投与してもよい。
本発明に包含される医薬組成物を、経口、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、髄内、くも膜下腔内、脳室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下もしくは直腸の手段を、限定されること無く、含む任意の数の経路で投与してもよい。
活性成分に加えて、これらの医薬組成物は活性化合物を薬学的に使用され得る製剤に加工するのを容易にするところの賦形剤および補助剤を含む適当な薬学的に許容される担体を含有してもよい。処方および投与の技法に関するさらなる詳細は「レミントンの薬学」(Maack Publishing Co., Easton, Pa)の最新版に見出され得る。
経口投与用の医薬組成物を、当分野において周知である薬学的に許容される担体を用いて、経口投与に適する剤型に製剤化することができる。そのような担体は、医薬組成物を患者の摂取用に、錠剤、丸剤、糖剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤等に製剤化するのを可能にする。
経口用医薬組成物は、活性化合物の固体賦形剤との組合わせにより、錠剤もしくは糖剤の核を得るために、所望により、適当な補助剤を添加した後、任意に、ここで得られる混合物を磨砕し、そして顆粒の混合物を加工して得られることができる。適当な賦形剤は、乳糖、蔗糖、マンニトールもしくはソルビトールを含む糖類;トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモもしくは他の植物から得られる澱粉;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース;アラビアゴムおよびトラガカントゴムを含むゴム;ならびにゼラチンおよびコラーゲンのようなタンパク質のような、炭水化物またはタンパク質のような増量剤である。所望により、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、もしくはアルギン酸ナトリウムのようなその塩、のような崩壊剤もしくは可溶化剤を添加してもよい。
糖剤の核は、濃縮糖液のような適切なコーティング剤と一緒に用いてもよく、これはまた、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、ならびに/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適当な有機溶剤もしくは溶剤混合物を含有してもよい。製品の識別のために、もしくは活性化合物の量即ち投与量を特色づけるために染料もしくは色素を錠剤もしくは糖剤に添加してもよい。
経口で使用できる医薬組成物としては、ゼラチンで作成した押込嵌めカプセル、ならびにゼラチンおよびグリセリンもしくはソルビトールのようなコーティーング剤で作成した密封軟カプセルが挙げられる。押込嵌めカプセルは、増量剤または乳糖もしくは澱粉のような結合剤、タルクもしくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤および、任意に安定剤、と混合された活性成分を含有することができる。軟カプセル中では、活性化合物を、脂肪油、液体もしくは液状ポリエチレングリコールのような適当な液体中に安定剤の有無で溶解または懸濁していてもよい。
非経口投与に適した医薬組成物は、水溶液中で、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液もしくは生理緩衝食塩水のような、生理的に適合する緩衝液中で、製剤化され得る。水溶性注射懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールもしくはデキストランのような、懸濁液の粘性を増加させる物資を含有してもよい。加えて、活性化合物の懸濁液は適切な油性の注射懸濁液として調製してもよい。適当な脂溶性溶剤もしくはビークルとしては、胡麻油のような脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、またはリポゾームが挙げられる。非脂質性、ポリカチオン性アミノポリマーをまた、送達用のために使用し得る。任意に、懸濁液はまた、適当な安定剤もしくは高濃度溶液の調製に対処するために化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有してもよい。
局所もしくは鼻腔内投与には、浸透させるべき特定の障壁にたいして適切な浸透剤が製剤化に用いられる。そのような浸透剤は当分野において一般的に公知である。
本発明の医薬組成物は、当分野において公知である様式で、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣がけ、湿式粉砕、乳化、カプセル充てん、封入もしくは凍結乾燥により製造され得る。
医薬組成物は塩として供給されてもよく、そして塩を、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等を、限定されること無く、含む多くの酸により形成することができる。塩は、対応する遊離塩基型であるよりも水性もしくは他のプロトン性溶媒中にさらに溶けやすい傾向がある。他の場合には、好ましい製剤は以下のもの:即ち1〜50mMヒスチジン、0.1%〜2%蔗糖および2〜7%マンニトール、のいずれかもしくは全てをpH4.5〜5.5の範囲で含有し得る凍結乾燥粉末でもよく、使用前に緩衝液と混ぜ合わせる。
医薬組成物が調製された後、それらを適切な容器の中に入れ、適用される異常の処置用の表示をする。インターロイキン−1−関連ポリペプチドの投与については、そのような表示は投与の用量、頻度および方法を含むであろう。
本発明における使用に適した医薬組成物としては、活性成分が意図する目的を達成するための有効量で含有されている、組成物が挙げられる。有効用量の決定は当業者の能力内で十分にある。
任意の化合物について、治療上の有効用量を、例えば、腫瘍細胞の細胞培養アッセイで、または通常マウス、ウサギ、イヌもしくはブタの動物モデルで、のどちらかで初めに推定することができる。また、動物モデルを用いて、投与の適切な濃度範囲および経路を決定し得る。次いで、そのような情報を用いて、ヒトにおける投与のための有用な用量および経路を決定することができる。
治療的有効用量とは、症状もしくは異常を軽減する、活性成分、例えばIL−1RP1もしくはそのフラグメント、IL−1RP1の抗体、IL−1RP1のアゴニスト、アンタゴニストもしくは阻害剤、の量をいう。治療的な有効性および毒性は、細胞培養もしくは実験動物での標準的な薬学的手順、例えばED50(集団の50%で治療効果を示す用量)およびLD50(集団の50%で致死的な用量)、により決定され得る。毒性作用と治療効果との間の用量比が治療係数であり、これはLD50/ED50の比で表すことができる。大きな治療係数を示す医薬組成物が好ましい。細胞培養アッセイおよび動物試験で得られたデータはヒトでの使用のための投与量の範囲を処方する際に用いられる。そのような組成に含有される投与量は好ましくは、ED50を毒性が殆どか全く無しに含むところの血液濃度の範囲内である。投与量は、用いられる剤型、患者の感受性および投与経路に依存してこの範囲内で変動する。
正確な投与量は、治療を要する患者に関連した諸要因に照らし合わせて、医師により決定されるであろう。投与量と投与法は、十分なレベルの活性成分を供給するように、あるいは望ましい効果を維持するように調整される。考慮に入れられる要因としては、疾病状態の重症度、対象の全身健康状態、対象の年齢、体重および性別、食事、投与の時刻および頻度、薬剤の組みあわせ、反応感受性、ならびに治療に対する認容性/応答が挙げられる。持続性医薬組成物は特定の処方の半減期およびクリアランス速度に応じて3〜4日毎、週1回、もしくは隔週毎に投与されてもよい。
通常の投与量は、投与経路に応じて0.1〜100,000マイクログラム、約1gの総用量まで変動してもよい。特定の投与量および送達方法に関する指針は文献に提供されており、当分野における医師は一般に入手できる。当業者は、タンパク質もしくはその阻害剤に対するのとは異なる処方をヌクレオチドに対して使用するであろう。同様に、ポリヌクレオチドもしくはポリペプチドの送達は、特定の細胞、異常、部位等に特異的であろう。タンパク質の経口投与に適した医薬処方は、例えば 米国特許5,008,114;5,505,962;5,641,515;5,681,811;5,700,486;5,766,633;5,792,451;5,853,748;5,792,387;5,976,569;および6,051,561に記載されている。
以下の実施例は本発明を例示するものであって、いかなる点からもその範囲を限定するものではない。
実施例
実施例1
バイオインフォーマティックスを用いる新規なインターロイキン−1関連ヒトDNA配列の同定
ヒトIL−1ベータ(IL−1β)(Genbankアクセス番号AAC03536)および後でIL−1H1として発表された新規なヒトIL−1ホモログ50795(Genbankアクセス番号AAF69248.1)について予想されるアミノ酸配列を用いて公開および社内データベースを初めに検索する。tBlastNアルゴリズムを使用し、ヒットをClustalWでアラインメントする。一つの229のヌクレオチド配列が社内データベース内でユニークな配列として見出される。次いで、この配列を用いて、公開および社内データベースからさらに別のゲノム配列を同定する(Genbankアクセス番号AAF200492)。同定されたゲノムフラグメントに隣接する一つの1kbのゲノム配列が6個の読み取り枠に翻訳され、ClustalWを用いてIL−1βおよびIL−1H1のアミノ酸配列とアラインメントされる。IL−1βおよびIL−1H1に相同なタンパク質をコードするさらに別の127のヌクレオチドが、元のゲノム配列の5’末端より298のヌクレオチド上流に見出される。
単離されたcDNAクローンのさらなる分析が従来の方法にしたがってClustalW、BlastN、tBlastNを用いて行われる。
実施例2
配列番号1からなる新規なインターロイキン−1関連ポリペプチド1をコードする完全長cDNAの調製
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、新規なインターロイキン−1関連ポリペプチド(IL−1RP1)をコードするcDNAを単離する。全ての実験でAdvanTaq[登録商標]DNAポリメラーゼ(Clontech)を使用する。二つのプライマーである、vio#3:予想AA配列VPIFLGIQGに対応する5’−GTCCCCATTTTCCTGGGGATCCAGGG−3’およびvio#4:予想AA配列RTKFYFEQSWに対応する5’−ACCAGCTCTGTTCAAAGTAAAACTTGG−3’、を合成し(図1)、そして二段階PCR(95℃−2分;[95℃−30秒、68℃−1分]×35;72℃−3分)を25μlの容積で行う。それぞれの反応液は1×Advantage2PCR緩衝液およびdNTP混合物(Clontech)を含有する。種々のヒト組織からのClontechのMarathon-Ready[登録商標]二重鎖cDNA(反応当り3μl)のパネルを鋳型cDNA源として使用する。増幅された295および595 ntのPCR産物は、それぞれ、IL−1RP1のcDNAおよびゲノムDNAに対応する。IL−1RPのcDNAが最も多量に含まれている胎児ヒト腸からのClontechのMarathon-Ready[登録商標]二重鎖cDNAから増幅された295ntのPCR産物をGel Extraction Kit(Qiagen)を用いて精製し、製造元から供給された使用法にしたがってpCR-Blunt II-TOPOベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA)中にクローン化する。プラスミドDNAのミニプレップをPlasmid DNA Miniprep Kit (Qiagen)を用いて調製し、T7およびM13逆方向プライマー(ACGT Inc., Bethesda, MD)を用いて両方の株で配列を決定する。クローン(#6)は、ヒトゲノム配列との比較してPCRで導入された変異が無いことが判り、これを用いて完全長cDNAを再構築する。
二セットのプライマー:vio#4およびAP1(Clontech);ならびにvio#7:予想AA配列EEGPSLQLEに対応する5’−CTCCAGCTGTAGGGAAGGCCCCTC−3’(図1)およびAP2を用いて供給業者の使用説明書にしたがって5’RACE手順を行う。一番目のPCRはヒト胎児腸からのClontechのMarathon-Ready[登録商標]二重鎖cDNAについてvio#4およびAP1プライマーを用いて二段階PCR(95℃−2分;[95℃−30秒、68℃−1分]×35;72℃−3分)で同一の25μlの反応を3回行う。PCR混合物をプールし、75μlのフェノール:クロホルム:イソアミルアルコール、25:24:1、(Gibco BRL)で1回、75μlのクロロホルム:イソアミルアルコール、24:1、で1回抽出する。全PCR産物を等容積のイソプロパノールで30分間、−20℃で沈殿させる。沈殿物を13000rpmで30分間遠心し、ペレットを氷冷70%エタノールで1回洗浄し、100mlのTE緩衝液、1×(Boehringe Mannheim, Ridgefield, CT)に懸濁する。二番目のPCRは上述の懸濁した一番目のPCR産物2μlを用いてvio#7およびAP2プライマーで行う。主要な360ntのPCR産物を精製して、pCR-Blunt II-TOPOベクター(Invitrogen)中にクローン化する。プラスミドDNAミニプレップをT7およびM13逆方向プライマーで配列決定する。5’RACEクローン#4を用いて、完全長cDNAを再構築する。
IL−1RP1の完全長cDNAを再構築するために、クローン#6をBam HIおよびXho Iで切断し、そして5’RACEのクローン#4をNot IおよびBam HIで切断する。両方のcDNAフラグメントを精製して予めHo IおよびNot Iで消化したpFastBAc(Gibco BRL, Rockville, MD)ベクターに結合する。正しいIL−1RPのcDNAを持つクローンをBAM HI消化により選択し、一次配列をカスタム調製したプライマー#17A 5’−TAT AGT TCT AGT GGT TGG CT−3’で配列決定することにより検証する。
IL−1RP1遺伝子を含有するゲノムDNAの調製は、従来の方法にしたがい、コード領域に隣接するプライマーを用いるPCRにより達成する。これに代えて、ラムダもしくはP1バクテリオファージ、BACもしくはプラスミドライブラリー中のゲノムライブラリーをPCRまたは当業者に公知であるハイブリダイゼーション技術を用いてスクリーニングすることもできる。本明細書に開示するように、本発明のIL−1RP1タンパク質のゲノム配列に関する情報は図2および7に示されており、公開データベース、例えばHuman Genomeデータベースを、従来の方法にしたがって検索することにより得られる。
実施例3
IL−1RP1のmRNAの発現
種々のヒト組織におけるIL−1RP1の相対存在度、したがってその潜在的有用性を測定するために、RT−PCR実験(実施例に記述したような)を24種類のヒト組織のRNAから得られるcDNAの大きなパネルを用いて実施した。パネルはOriGene (OriGene Inc., Rockville, MD)より入手した既製パネルであり、そこではそれぞれのcDNAが正確な量で存在する。RNA量の同等性は全ての組織にほぼ等量で存在するハウスキーピング遺伝子であるヒトベータアクチンのプライマーで行う対照PCRで検証する。IL−1RP1に対する二つのプライマー、vio#3:予想AA配列VPIFLGIQに対応する5’−GTCCCCATTTTCCTGGGGATCCAGGG−3’およびvio#4:予想AA配列RTKFYFEQSWに対応する5’−ACCAGCTCTGTTCAAAGTAAAACTTGG−3’、を合成し、二段階PCR(95℃−2分;[95℃−30秒、68℃−1分]×35;72℃−3分)を24種のヒト組織のパネルについて行う。295ntのPCR産物を再びpCR-Blung II-TOPOベクター(Invitrogen Inc., Carlsbad, CA)中にクローン化し、配列決定して、それが実際にIL−1RP1遺伝子に対応することを検証する。加えて、PCRの後、産物を電気泳動で分析し、ナイロン膜にブロッティングし(サザンブロット)、実施例2に記載のIL−1RP1cDNAから得られるP32標識プローブにハイブリダイズさせる。このブロットを高厳密度(0.1X SSC 0.1%SDSで1時間)で洗浄して、特異的ハイブリダイゼーションを保証する。ここで得られるハイブリダイゼーションシグナルをKodak XAR-5フィルムへの露光を用いるオートラジオグラフィーにより見えるようにする。上の全ての手順は従来の方法を用いて実施する。
図4に示すように、IL−1RP1は種々の組織中に少量で存在する。しかしながら、皮膚は非常に高レベルのIL−1RP1のmRNAを発現していた。このレベルは他の組織におけるよりも少なくとも10倍高い。皮膚におけるこの高レベルの発現は、IL−1RP1が皮膚における炎症に特に関係があり、乾癬および接触皮膚炎のような疾患の抑制に重要であるであろうことを示している。
図1は、新規なIL−1RP1をコードする、完全長cDNA配列(配列番号2)の描写である。ORFの開始コドンおよび停止コドンを太線のアンダーラインで示す;中に含有されるORFの配列(配列番号3)はヌクレオチド位置番号60(atg)から始まりヌクレオチド位置番号516、即ち停止コドン(tag)の前で終わる。図1Bは152個のアミノ酸を含む新規なIL−1RP1のアミノ酸配列(配列番号1)を図示する。星印(*)はストップコドンを指す。 図2は、新規なインターロイキン−関連ポリペプチド1をコードする、ゲノムDNA配列(配列番号4)の描写である。対応するORFのアミノ酸が示されている。また、ゲノム領域の正確な物理的マッピングに対処する制限部位が示されている。 図3はIL−1ファミリーのタンパク質のアミノ酸配列の比較である。 図4はRT−PCRにより測定された種々のヒト組織中におけるIL−1RP1の発現を図示する。 図5は種々の組織におけるヒトIL−RP1のmRNA発現のノーザンブロット分析の結果を図示する。 図6はIL−1RP1の一次配列を図示する。 図7はIL−1RP1のエキソン/イントロン構造を図示する。 図8はIL−1RP1cDNAの二重鎖ヌクレオチドの配列を図示する。

Claims (27)

  1. 配列番号1に示されるアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド。
  2. 配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる単離ポリペプチド。
  3. 請求項1もしくは2に記載のポリペプチドをコードする核酸配列を含む単離DNA。
  4. 請求項3に記載の単離DNAの少なくとも一つのフラグメントを含むベクター分子。
  5. 転写制御配列を含む請求項4に記載のベクター分子。
  6. 請求項5に記載のベクター分子を含む宿主細胞。
  7. 請求項3に記載の単離DNAであって、(1)請求項2に規定されたようなポリペプチドをコードする完全cDNA配列である、配列番号2に示されるヌクレオチド配列;(2)請求項2に規定されたようなポリペプチドをコードするcDNA配列のオープンリーディングフレームである、配列番号3に示されるヌクレオチド配列;(3)配列番号3に示されるヌクレオチド配列に高度に厳密な条件下でハイブリダイズする能力のあるヌクレオチド配列;および(4)請求項2に規定されたようなポリペプチドをコードする内因性のゲノムヒトDNAである、配列番号4に示されるヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、単離DNA。
  8. 請求項7に記載の単離DNAの少なくとも一つのフラグメントを含むベクター分子。
  9. 転写制御配列を含む請求項8に記載のベクター分子。
  10. 請求項9に記載のベクター分子を含む宿主細胞。
  11. インビトロで増殖することができ、そして請求項1もしくは2に記載のポリペプチドを培養増殖で生成する能力のあるところの宿主細胞であって、そこでは該細胞は請求項2に記載のポリペプチドをコードする天然型内在性ヒト遺伝子の転写制御配列でないところの少なくとも一つの転写制御配列を含み、そこでは該一つもしくはそれ以上の転写制御配列は請求項1もしくは2に記載のポリペプチドをコードするDNAの転写を制御する、宿主細胞。
  12. ヒトにおいて宿主の炎症性および免疫応答に関連する異常を診断する方法であって:
    ヒトからの適切な組織もしくは細胞において請求項2で規定されたようなポリペプチドをコードする天然型内在性ヒト遺伝子から転写されるメッセンジャーRNAの上昇した転写を検出すること含み、そこでは該上昇した転写は宿主の炎症性および免疫応答に関連する異常に該ヒトが罹患していることの診断となる、方法。
  13. 天然型内在性ヒト遺伝子が配列番号4に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、適切な組織もしくは細胞の試料を、または組織もしくは細胞から得られる単離RNAまたはRNA分子を請求項3に規定されたような単離ヌクレオチド配列と高度に厳密な条件下でハイブリダイズするところの少なくとも約20ヌクレオチド長の単離ヌクレオチド配列と接触させることを含む、方法。
  15. ヒトにおいて宿主の炎症性および免疫応答に関連する異常を診断する方法であって:
    宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に罹患しているヒトからの適切な組織または細胞中で、配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドの量を測定することを含み、そこでは宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に罹患していないヒトからの対応する組織中の該ポリペプチドもしくはそのフラグメントの量に比べて、上昇した量の該ポリペプチドもしくはそのフラグメントの存在は宿主の炎症性もしくは免疫応答に関連した異常に該ヒトが罹患していることの診断となる、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、検出ステップが適切な組織もしくは細胞を配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドに特異的に結合するところの抗体と接触させそして該抗体と該適切な組織もしくは細胞の中のポリペプチドとの特異的結合を検出することを含み、そこではポリペプチドへの特異的結合の検出は配列番号1に示されるアミノ酸配列もしくはそのフラグメントを含むポリペプチドの存在を示す、方法。
  17. 配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドにまたは該ポリペプチドのフラグメントに特異的に結合する、抗体またはそのフラグメント。
  18. FabもしくはF(ab’)フラグメントである、請求項17に記載の抗体のフラグメント。
  19. ポリクローナル抗体である、請求項17に記載の抗体。
  20. モノクローナル抗体である、請求項17に記載の抗体。
  21. 請求項1もしくは2で規定されたようなポリペプチドを生成する方法であって、その方法は:
    配列番号1に示されるようなアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする外来性ポリヌクレオチドを含有する発現ベクターをその中に組み込んでいる宿主細胞を宿主細胞中でポリペプチドを発現するために十分な条件下で培養し、それによって発現ポリヌクレオチドの生成を引き起こす、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、さらに、細胞により生成されたポリペプチドを回収することを含む、方法。
  23. 外来性ポリヌクレオチドが配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする、請求項21に記載の方法。
  24. 外来性ポリヌクレオチドが配列番号2に示されるようなヌクレオチド配列を含む、請求項21に記載の方法。
  25. 外来性ポリヌクレオチドが配列番号3に示されるようなヌクレオチド配列を含む、請求項21に記載の方法。
  26. 外来性ポリヌクレオチドが配列番号3に示されるようなヌクレオチド配列からなる、請求項21に記載の方法。
  27. 外来性ポリヌクレオチドが配列番号4に示されるようなヌクレオチド配列を含む、請求項21に記載の方法。
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