JP2008153776A - 生体負荷管理装置、動きベクトル周波数遷移回数管理装置、生体負荷管理方法および動きベクトル周波数遷移回数管理方法 - Google Patents

生体負荷管理装置、動きベクトル周波数遷移回数管理装置、生体負荷管理方法および動きベクトル周波数遷移回数管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】映像の品質が損なわれることを防止するとともに、ユーザに過度の負担を与えることを防止する。
【解決手段】生体負荷管理装置は、映像ファイルごとに映像が生体に与える生体負荷値を計算する生体負荷値計算部30と、ユーザに残留する生体負荷値を計算する生体負荷値管理部32と、映像ファイルごとの生体負荷値およびユーザに残留する生体負荷値を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定部36と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体負荷管理装置、動きベクトル周波数遷移回数管理装置、生体負荷管理方法および動きベクトル周波数遷移回数管理方法に関する。
従来文献(特許文献1)には、画面表示される映像から受ける個々人への悪影響を抑制する映像表示装置の一例が示されている。この映像表示装置では、表示画面上の文字及び画像の表示条件に反応して変動し得る生体固有情報(脳波、生体データ等)を計測し、計測データを蓄積し、現在の計測データがその蓄積データに基づく適正値の範囲内にあるか否かを解析し、この結果に応じて文字及び画像の表示条件を補正する。
特開2004‐191628号公報
しかしながら、上記の従来文献の映像表示装置では、ユーザが視聴する映像に特殊な処理を施してから当該映像を画面上に表示するため、映像の品質が損なわれてしまう。ユーザによっては品質が損なわれていない状態で映像を視聴したいという要望があり、このような要望を持つユーザにとっては上記の従来文献の映像表示装置は不満の残るものとなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、映像の品質が損なわれることを防止するとともに、ユーザに過度の負担を与えることを防止することが可能な生体負荷管理装置、動きベクトル周波数遷移回数管理装置、生体負荷管理方法および動きベクトル周波数遷移回数管理方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の生体負荷管理装置は、映像ファイルごとに映像が生体に与える生体負荷値を計算する生体負荷値計算部と、ユーザに残留する生体負荷値を計算する生体負荷値管理部と、映像ファイルごとの生体負荷値およびユーザに残留する生体負荷値を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の動きベクトル周波数遷移回数管理装置は、映像ファイルごとに、単位時間当たりの動きベクトルの発生頻度である動きベクトル周波数が高周波数領域から低周波数領域に遷移した回数をカウントする動きベクトル周波数遷移回数カウント部と、ユーザが視聴した映像ファイルの動きベクトル周波数の遷移回数を積算し、前回映像ファイルを視聴してから経過した時間に応じて当該積算値を減衰させる動きベクトル周波数遷移回数管理部と、映像ファイルごとの動きベクトル周波数遷移回数およびユーザの動きベクトル周波数遷移回数を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定部と、を備えることを特徴とする。
本発明の生体負荷管理方法は、映像ファイルごとに映像が生体に与える生体負荷値を計算する生体負荷値計算ステップと、ユーザに残留する生体負荷値を計算する生体負荷値管理ステップと、映像ファイルごとの生体負荷値およびユーザに残留する生体負荷値を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定ステップと、を含む。
本発明の動きベクトル周波数遷移回数管理方法は、映像ファイルごとに、単位時間当たりの動きベクトルの発生頻度である動きベクトル周波数が高周波数領域から低周波数領域に遷移した回数をカウントする動きベクトル周波数遷移回数カウントステップと、ユーザが視聴した映像ファイルの動きベクトル周波数の遷移回数を積算し、前回映像ファイルを視聴してから経過した時間に応じて当該積算値を減衰させる動きベクトル周波数遷移回数管理ステップと、映像ファイルごとの動きベクトル周波数遷移回数およびユーザの動きベクトル周波数遷移回数を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定ステップと、を含む。
本発明によれば、映像の品質が損なわれることを防止するとともに、ユーザに過度の負担を与えることを防止することが可能な生体負荷管理装置、動きベクトル周波数遷移回数管理装置、生体負荷管理方法および動きベクトル周波数遷移回数管理方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る映像ライブラリシステムの構成図である。映像ライブラリシステムは、アンテナ1と、リモートコントローラ3(以下、リモコンと呼ぶ)と、ディスプレイ5と、録画再生装置10と、を含んで構成されている。この映像ライブラリシステムでは、アンテナ1を介して受信された映像ファイルを録画再生装置10に格納するとともに、録画再生装置10に格納された映像ファイルを再生してディスプレイ5に表示するように構成されている。
アンテナ1は、テレビジョン放送を受信するための装置であり、受信された信号を録画再生装置10に供給する。
リモコン3は、録画再生装置10を操作するための装置であり、録画再生装置10に対して赤外線を利用した無線通信で制御コマンドを与える。リモコン3には、数字を入力するためのテンキーが設けられており、チャンネル番号、放送時間、番組録画予約のためのGコードなどを入力可能としている。また、リモコン3には、再生/録画を指示するための操作ボタンが設けられており、操作ボタンを押すのみで番組の録画、再生、録画予約などを可能としている。また、リモコン3には、十字キーが設けられており、サムネイル画像の選択などのGUI(GraphicalUser Interface)操作を可能としている。
ディスプレイ5は、液晶ディスプレイやCRTディスプレイなどの一般的なディスプレイであり、映像や操作メニュー画面などを表示するための装置である。
録画再生装置10は、アンテナ1を介して受信された映像コンテンツを録画するとともに、録画された映像コンテンツをディスプレイ5に表示するための装置である。録画再生装置10は、後述する説明から理解できることであるが、特許請求の範囲における「生体負荷管理装置」に相当するとともに、特許請求の範囲における「動きベクトル周波数遷移回数カウント装置」に相当する。
録画再生装置10は、映像コンテンツを録画するための構成として、チューナー部12と、映像処理部14と、記憶部16と、を備える。また、録画再生装置10は、映像コンテンツを再生するための構成として、再生部18と、出力部20と、を備える。また、録画再生装置10は、これらの他に、操作部22と、予約部24と、ファイル管理部26と、制御部28と、生体負荷値計算部30と、生体負荷値管理部32と、タイマー部34と、映像ファイル選定部36と、を備える。
チューナー部12は、アンテナ1からの信号を取り込んで、ユーザにより指定された放送チャンネルを選局し、その放送チャンネルの音声映像信号を抽出する。本実施形態では、チューナー部12は、地上アナログ放送を受信して復調する処理部である。但し、チューナー部12は、デジタル放送を受信して復調する処理部であってもよい。
映像処理部14は、チューナー部12で得られた音声映像信号を記録用の信号に変換(エンコード)する部分である。本実施例では、映像信号を、一般的な圧縮符号化の規格であるMPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)にしたがって変換する。変換されたMPEG2の映像ファイルは、記憶部16に格納される。また、音声映像信号の変換時に求められる動きベクトルは、生体負荷値計算部30へ送信されて、生体負荷値を計算するために利用される。なお、映像処理部14は、MPEG2にしたがって映像信号を変換したが、動きベクトルを利用してフレーム間圧縮(時間圧縮)を行うものであれば、H264などの他の変換方法で映像信号を変換するものでもよい。
記憶部16は、映像処理部14で変換されたMPEG2の映像ファイルを主に格納する記憶媒体であり、例えば、ハードディスク、記録型DVD(Digital Versatile Disc)やHD‐DVD(High Definition Digital VersatileDisc)などを用いることができる。記憶部16には、映像ファイルを管理するための映像ファイル管理テーブル(図8参照)、およびユーザを管理するためのユーザ管理テーブル(図9参照)が格納される。
再生部18は、記憶部16に格納された映像ファイルを読み出して、当該映像ファイルを表示用の信号に変換(デコード)する部分である。具体的には、再生部18は、記憶部16に格納されたMPEG2の映像ファイルを読み出して、当該映像ファイルを復号伸長して再生し、再生された音声映像信号を出力部20に出力する。
出力部20は、再生部18からの音声映像信号に応じてディスプレイ5に映像を表示させるとともに音声を出力させる処理部である。なお、出力部20は、再生部18からの映像に、予約部24からの操作メニュー画面や映像ファイル選定部36からの操作画面(図10参照)などを合成して、合成された映像をディスプレイ5に表示する機能も有する。
操作部22は、リモコン3からの制御コマンドを受信すると、録画再生装置10の各構成要素に制御コマンドを供給する処理部である。操作部22により受信される制御コマンドは、例えば、映像ファイルの録画を指示する録画コマンド、映像ファイルの録画予約を指示する録画予約コマンド、映像ファイルの再生を指示する再生コマンド、再生する映像ファイルを選択する選択コマンドなどである。
予約部24は、例えばEPG(Electronic Program Guide)などの番組表を表示し、その番組表を利用した番組録画予約機能をユーザに提供するための処理部である。予約部24は、番組録画予約を管理するために、録画開始日時、放送チャンネル、録画モード(標準、3倍)等を管理する番組録画予約テーブルを有している。予約部24は、時刻情報であるリアルタイムクロック(RealTime Clock:RTC)を出力するタイマー部に接続されており、リアルタイムクロックを元に録画開始日時となったことを判別し、番組の録画を開始するための処理を行う。
ファイル管理部26は、記憶部16に格納された映像ファイルの移動、検索、削除などを行う処理部である。また、ファイル管理部26は、記憶部16に格納される映像ファイル管理テーブルを管理する。具体的には、ファイル管理部26は、映像ファイルが配置されるフォルダ名、フォルダ内の映像ファイル名、映像ファイルの属性(例えば、EPGより取得した映像ファイルのジャンル、TV局コード、放送日)などを管理する。
制御部28は、録画再生装置10のの各処理部の動作を統括的に制御するための処理部である。制御部28は、予約部24からの番組録画の指令信号を取り込むと、チューナー部12、映像処理部14および記憶部16の電源を投入して、チューナー部12に放送チャンネルの選局を指示するとともに、映像処理部14に音声映像信号のエンコードを指示する。また、制御部28は、操作部22および映像ファイル選定部36からの番組再生の指令信号を取り込むと、再生部18および出力部20に電源を投入して、再生部18に映像ファイルのデコードを指示するとともに、出力部20にデコードされた映像信号のディスプレイ5への表示を指示する。
生体負荷値計算部30は、映像処理部14で映像ファイルがエンコードされる度に、その映像ファイルが視聴者の生体に与える生体負荷値を計算する処理部である。ここで、生体負荷値とは、映像酔い、眼精疲労、光過敏性発作などの視聴者の身体状態に影響を与える数値であり、その数値が高いほど視聴者の状態が悪化する数値である。生体負荷値計算部30による生体負荷値の計算手法については、後の説明で詳述する。生体負荷値計算部30は、ある映像ファイルについて生体負荷値を計算すると、その生体負荷値をファイル管理部26に出力する。ファイル管理部26は、生体負荷値計算部30から生体負荷値を取り込むと、記憶部16に格納された映像ファイル管理テーブルを更新して、その生体負荷値を映像ファイルの属性の一つとして記録する。
生体負荷値管理部32は、ユーザごとに残留している生体負荷値(以下、残留生体負荷値と呼ぶ)を管理する。生体負荷値管理部32は、生体負荷値を管理するために、次の2つの機能を有している。第1の機能は、生体負荷値の累積加算である。生体負荷値管理部32は、あるユーザが映像ファイルを視聴する度に、その映像ファイルの属性として記録された生体負荷値を、そのユーザの残留生体負荷値に加算する。第2の機能は、時間経過に応じた残留生体負荷値の減衰処理である。具体的には、生体負荷値管理部32は、残留生体負荷値を、映像の視聴を中止してから経過した時間(インターバル)に応じて、次の減衰式(1)により減衰させる。
この減衰式において、BionicStressは減衰処理後の残留生体負荷値、BSbaseは減衰処理前の残留生体負荷値、factorは所定の係数、intervalは経過時間(インターバル)である。上記の減衰式(1)は、図3に示される生体負荷値の減衰特性を数式化したものである。
映像ファイルを連続して視聴すれば、残留生体負荷値は単調に増加していき、個人差はあるが、ある閾値(以下、許容生体負荷値と呼ぶ)を超えた時点で、映像酔いなどの症状が現れる。それに対し、同じ本数の映像ファイルを視聴する場合でも、1本視聴するごとに、適切なインターバルをとれば、残留生体負荷値は許容生体負荷値を超えることなく、健康な状態を保つことができる。すなわち、第2の機能は、生体の自然回復力をモデル化したものである。
なお、生体負荷値管理部32は、時刻情報であるリアルタイムクロック(Real TimeClock:RTC)を出力するタイマー部に接続されており、リアルタイムクロックを元に、映像の視聴を中止してからのインターバルを計算する。
映像ファイル選定部36は、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する処理部である。具体的には、映像ファイル選定部36は、ユーザに視聴する映像ファイルを選択させるためのナビゲーション画面(図9参照)を生成し、ナビゲーション画面をディスプレイ5に表示させる処理部である。映像ファイル選定部36は、記憶部16に格納された映像ファイル管理テーブルから映像ファイルの属性情報を読み出して、ナビゲーション画面において、記憶部16に格納された複数の映像ファイルをサムネイル画像として表示する。ユーザはリモコン3を用いていずれか一つの映像ファイルを選択することにより、その映像ファイルを視聴できる。また、映像ファイル選定部36は、ナビゲーション画面において、ユーザの許容生体負荷値および残留生体負荷値、各映像ファイルの生体負荷値を表示する。
図2は、録画再生装置10による処理のフローチャートである。このフローチャートを参照して、録画再生装置10が映像を録画し再生する過程で、録画再生装置10の各処理部が行う処理を説明する。以下の説明では、ユーザのリモコン操作に応じて録画再生装置10が映像の録画を行い、その後ユーザが映像を視聴する状況について説明する。なお、録画再生装置10は、実際には映像とともに音声を再生するが、本実施形態において音声再生は重要ではないため音声再生に関する説明を省略する。
(1)初期設定
ユーザが録画再生装置10の生体負荷値管理機能を最初に利用するときの初期設定処理について説明する。ステップS1において、ユーザはリモコン3を用いてユーザIDを入力して、映像ライブラリシステムにログインする。録画再生装置10は、ユーザIDに基づいてユーザを識別する。ステップS2において、ユーザはリモコン3を用いてユーザ自身の許容生体負荷値(例えば、1200)を入力すると、リモコン3は、入力された許容生体負荷値を設定するための設定コマンドを録画再生装置10に送信する。
録画再生装置10は設定コマンドを認識し、録画再生装置10のファイル管理部26は、入力された許容生体負荷値を、記憶部16のユーザ管理テーブルに格納する(S14,S15)。人体が映像から受ける影響には個人差があるため、本実施形態では、上述したように許容生体負荷値をユーザごとに入力して管理する。映像ライブラリシステムの使用を終えると、ステップ13においてユーザは映像ライブラリシステムからログアウトする。なお、許容生体負荷値はユーザ管理テーブルに格納されるため、許容生体負荷値を改めて変更する必要がある場合を除いて、許容生体負荷値を設定し直す必要はない。
(2)映像録画
次に、映像を録画するときの映像録画処理について説明する。ステップS1において、ユーザはリモコン3を用いてユーザIDを入力して、映像ライブラリシステムにログインする。録画再生装置10は、ユーザIDに基づいてユーザを識別する。ユーザによるリモコン3の録画ボタンの押下に応じて、リモコン3から録画再生装置10に録画コマンドが入力される(S2)。録画再生装置10は、録画コマンドを認識し(S3)、映像を録画するための映像処理を行う(S4)。
映像を録画するための映像処理について説明する。映像処理部14は、チューナー部12により受信された音声映像信号を取り込んで、この音声映像信号をMPEG2にしたがってエンコードすることで、圧縮符号化された音声映像信号に変換する。音声映像信号のエンコードに際して、映像処理部14は、連続する2つのフレーム間での動きベクトル(映像の動きの方向と大きさ)を検出するとともに、この動きベクトルを利用して予測画像および予測誤差を算出することで、フレーム間圧縮を行う。
動きベクトルの検出例について、図4および図5を参照して説明する。図4に示される連続フレームを処理することで、図5に示されるように、前フレームにおけるマクロブロックA1,A2が、後フレームにおけるマクロブロックB1,B2に移動していることが検出され、前フレームにおけるマクロブロックA1,A2から後フレームにおけるマクロブロックB1,B2まで延びる動きベクトルMV1,MV2が検出される。
前述のように、動きベクトルは映像を録画するために検出されるものであるが、本実施形態では、動きベクトルはその映像の生体負荷値の計算(S5)のためにも利用される。生体負荷値の計算について説明する。
先ず、生体負荷値計算部30は、1フレームにおける動きベクトルの個数MVnを求め、さらに単位時間あたりの動きベクトルの個数MVnの累積値MVcを計算して、この動きベクトルの累積値MVcを、映像の動きの激しさの尺度である動きベクトル周波数として用いる。動きベクトル周波数の計算方法について、図6に示される一例を参照して説明する。図6では、フレームレートは30Frame/secであり、先頭フレームから最終フレームまでの30枚のフレームが示されている。なお、説明を簡略化するために、1フレームの解像度を仮に48pix×48pixとしているため、1フレームあたりのマクロブロックの個数は3×3個となっている。第1フレームの動きベクトルの個数MVnは1であり、第1フレームの動きベクトルの累積値MVcは1である。第2フレームの動きベクトルの個数MVnは2つあり、第2フレームの動きベクトルの累積値MVcは、第1フレームの動きベクトルの累積値MVcに第2フレームの動きベクトルの個数MVnを加算して求められ、3である。以降、フレームごとに同様な計算が行われて、最終的に30フレーム(1秒)分の動きベクトルの個数の累積値MVcとして14が求められ、動きベクトル周波数として14Hzが求められる。なお、図6の映像は説明の便宜のために簡略化されており、実際の映像の解像度は遥かに高いため、それに応じて動きベクトル周波数は高い。
次に、生体負荷値計算部30は、動きベクトル周波数の変動に基づいて、生体負荷値を計算する。動きベクトル周波数の高周波数から低周波数への急速な変動は、映像の視聴者の血圧の変化に強い相関があり、生体に影響を与えていることが報告されている。そこで、本実施形態では、このような動きベクトル周波数の変動に着目しており、生体負荷値計算部30は、録画中の映像ファイルごとに、映像ファイル全体を通して、高周波数から低周波数に遷移した回数を求め、この遷移回数を生体負荷値としている。図7に示される一例では、動きベクトル周波数が、高周波領域の閾値TH1を超えた状態から、低周波領域の閾値TH2を下回る状態への遷移が3回発生しており、60秒間の生体負荷値は「3」となる。
ステップS6において、ファイル管理部26は、計算された生体負荷値を、MPEG2にしたがってエンコードされた映像ファイルと共に、記憶部16の映像ファイル管理テーブル(図8参照)に格納する。映像ライブラリシステムの使用を終えると、ステップ13においてユーザは映像ライブラリシステムからログアウトする。
なお、上述した生体負荷値の計算方法は、様々な生体負荷値の計算方法の一例であり、他の生体負荷値の計算方法が採用されてもよい。例えば、上述した生体負荷値の計算方法では、生体負荷値は動きベクトル周波数のみから計算されたが、生体負荷値は色変化、輝度変化(フラッシュ周波数)、コンピュータグラフィックスによる3次元立体画像の使用頻度などに基づいて計算されてもよい。また、上述した生体負荷値の計算方法では、生体負荷値は映像ファイルのみの解析に基づいて計算されたが、映像ライブラリシステムが設置された環境(例えばディスプレイ5の置かれた場所の明るさ)を考慮して生体負荷値は計算されてもよい。さらには、上記の生体負荷値の計算方法を組み合わせた方法で、生体負荷値は計算されてもよい。
(3)映像再生時のフロー
次に、映像を再生するときの映像再生処理について説明する。ステップS1において、ユーザはリモコン3を用いてユーザIDを入力して、映像ライブラリシステムにログインする。録画再生装置10は、ユーザIDに基づいてユーザを識別する。ユーザによるリモコン3の再生ボタンの押下に応じて、リモコン3から録画再生装置10に再生コマンドが入力される(S2)。録画再生装置10は、再生コマンドであることを認識する(S7)。
ステップS8において、生体負荷値管理部32は、ユーザの残留生体負荷値を更新する。リモコン3からの再生コマンドの入力に応じて、制御部28は、生体負荷値管理部32にユーザの残留生体負荷値の減衰処理を指示する。生体負荷値管理部32は、記憶部16に格納されたユーザ管理テーブル(図9参照)および映像ファイル管理テーブル(図8参照)を利用して、前回の映像の視聴を終了してからた経過した時間(インターバル)を算出する。すなわち、生体負荷値管理部32は、ユーザ管理テーブルに格納される前回の映像の視聴を開始した時刻に、映像ファイル管理テーブルに格納される前回視聴した映像ファイルの録画時間を加算することで、前回の映像の視聴を終了した時刻を算出し、さらに、タイマー部34から取り込まれる現在時刻から、算出された前回の映像の視聴を終了した時刻を減算することで、前回の映像の視聴を終了してからた経過した時間(インターバル)を算出する。次に、生体負荷値管理部32は、前述の数式(1)により、前回の映像の視聴までに累積した残留生体負荷値を減衰処理し、現在の残留生体負荷値を求める。
ステップS9において、映像ファイル選定部36は、図10に示される映像ファイル選択用画面をディスプレイ5に表示するための処理を行う。この映像ファイル選択用画面では、ユーザ(USER1)の許容生体負荷値(1200)と、ステップS8で求められたユーザの残留生体負荷値(680.7)と、記憶部16に格納された複数の映像ファイルのサムネイルと、が表示される。ここで、映像ファイルのサムネイルの各々には、生体負荷値計算部30により計算された映像ファイルの生体負荷値が表示される。また、映像ファイル選定部36は、許容生体負荷値から残留生体負荷値を減算した差分を計算し、この差分よりも生体負荷値が小さい映像ファイルのサムネイルに、その映像ファイルを推奨する矢印を表示する。これにより、ユーザは、残留生体負荷値と許容生体負荷値を考慮して、安全に視聴できる映像ファイルを選択することができる。
ステップ10において、ユーザがリモコン3を用いて映像ファイルのいずれか1つを選択すると、操作部22は、リモコン3からの選択コマンドを取り込んで、その選択コマンドを制御部28に出力する。ステップ11において、制御部28は、選択コマンドに応じて、ユーザにより選択された映像ファイルの再生を再生部18および出力部20に指示する。再生部18および出力部20は、ユーザにより選択された映像ファイルをディスプレイ5に表示する処理を行う。
ステップ12において、生体負荷値管理部32は、ユーザにより選択された映像ファイルの生体負荷値を映像ファイル管理テーブル(図8参照)から読み出して、ユーザ管理テーブル(図9参照)のUSER1の残留生体負荷値に加算する。映像ライブラリシステムの使用を終えると、ステップ13においてユーザは映像ライブラリシステムからログアウトする。
本実施形態の録画再生装置10によれば、映像を視聴する前にその映像の生体負荷値を提示してユーザの映像選択を支援するため、ユーザは自身の状態(残留生体負荷値)に応じて、自身の体調に不具合を起こさない映像ファイルを選択することが可能となり、健康状態を害することなく映像を視聴することができる。特に、テラバイトクラスの大容量のハードディスクドライブを内蔵するHDDレコーダでは、録画される映像ファイルが膨大となり、ユーザが映像を視聴する時間が長くなるため、上述した録画再生装置10の生体負荷管理機能は効果が大きい。
本実施形態の映像ライブラリシステムを示すブロック図である。 録画再生装置による処理のフローチャートである。 生体負荷値の減衰特性を示すグラフである。 動きベクトルについて説明するための第1図である。 動きベクトルについて説明するための第2図である。 動きベクトル周波数について説明するための図である。 生体負荷値について説明するための図である。 映像ファイル管理テーブルを示す図である。 ユーザ管理テーブルを示す図である。 映像ファイルの選択画面を示す図である。
符号の説明
1…アンテナ、3…リモートコントローラ、5…ディスプレイ、6…記憶部、10…録画再生装置、12…チューナー部、14…映像処理部、16…記憶部、18…再生部、20…出力部、22…操作部、24…予約部、26…ファイル管理部、28…制御部、30…生体負荷値計算部、32…生体負荷値管理部、34…タイマー部、36…映像ファイル選定部。

Claims (10)

  1. 映像ファイルごとに映像が生体に与える生体負荷値を計算する生体負荷値計算部と、
    ユーザに残留する生体負荷値を計算する生体負荷値管理部と、
    前記映像ファイルごとの生体負荷値および前記ユーザに残留する生体負荷値を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定部と、
    を備えることを特徴とする生体負荷管理装置。
  2. 前記生体負荷値計算部は、映像の動きベクトル、色変化、輝度変化、3次元立体画像の使用頻度、映像が視聴される環境の少なくとも1つに基づいて、前記生体負荷値を計算することを特徴とする請求項1に記載の生体負荷管理装置。
  3. 前記生体負荷値管理部は、ユーザが視聴した映像ファイルの生体負荷値を積算し、映像ファイルを視聴しない時間に応じて当該積算値を減衰させることで、前記ユーザに残留する生体負荷値を計算することを特徴とする請求項1に記載の生体負荷管理装置。
  4. 前記生体負荷値管理部は、複数のユーザの各々についてユーザに残留する生体負荷値を計算することを特徴とする請求項1に記載の生体負荷管理装置。
  5. 前記映像ファイル選定部は、映像ファイルを選択するための選択画面において、前記映像ファイルごとの生体負荷値および前記ユーザに残留する生体負荷値を表示することを特徴とする請求項1に記載の生体負荷管理装置。
  6. 前記映像ファイル選定部は、映像ファイルを選択するための選択画面において、ユーザに許容される許容生体負荷値を表示することを特徴とする請求項5に記載の生体負荷管理装置。
  7. 前記映像ファイル選定部は、映像ファイルを選択するための選択画面において、前記ユーザに残留する生体負荷値に前記映像ファイルの生体負荷値を加算しても前記許容生体負荷値を超えない場合に、当該映像ファイルを推奨するように表示することを特徴とする請求項6に記載の生体負荷管理装置。
  8. 映像ファイルごとに、単位時間当たりの動きベクトルの発生頻度である動きベクトル周波数が高周波数領域から低周波数領域に遷移した回数をカウントする動きベクトル周波数遷移回数カウント部と、
    ユーザが視聴した映像ファイルの動きベクトル周波数の遷移回数を積算し、前回映像ファイルを視聴してから経過した時間に応じて当該積算値を減衰させる動きベクトル周波数遷移回数管理部と、
    前記映像ファイルごとの動きベクトル周波数遷移回数および前記ユーザの動きベクトル周波数遷移回数を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定部と、
    を備えることを特徴とする動きベクトル周波数遷移回数管理装置。
  9. 映像ファイルごとに映像が生体に与える生体負荷値を計算する生体負荷値計算ステップと、
    ユーザに残留する生体負荷値を計算する生体負荷値管理ステップと、
    前記映像ファイルごとの生体負荷値および前記ユーザに残留する生体負荷値を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定ステップと、
    を含む生体負荷管理方法。
  10. 映像ファイルごとに、単位時間当たりの動きベクトルの発生頻度である動きベクトル周波数が高周波数領域から低周波数領域に遷移した回数をカウントする動きベクトル周波数遷移回数カウントステップと、
    ユーザが視聴した映像ファイルの動きベクトル周波数の遷移回数を積算し、前回映像ファイルを視聴してから経過した時間に応じて当該積算値を減衰させる動きベクトル周波数遷移回数管理ステップと、
    前記映像ファイルごとの動きベクトル周波数遷移回数および前記ユーザの動きベクトル周波数遷移回数を利用して、ユーザによる映像ファイルの選択を支援する映像ファイル選定ステップと、
    を含む動きベクトル周波数遷移回数管理方法。
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