JP2008153035A - 負極基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れた電池の実現を可能とする負極基材、この負極基材を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成材料及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法を提供する。
【解決手段】表層を金属酸化物膜13で被覆した有機膜12を備えた支持体11に金属膜14を形成してなることを特徴とする負極基材10、この負極基材10を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成材料及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法によれば、高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れた電池を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、負極基材、この負極基材を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成材料及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法に関し、特に、充放電サイクル特性に優れた電池を提供できる負極基材、この負極基材を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成材料及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法に関する。
従来、高い出力電圧と、高いエネルギー密度を兼ね備えた電池の研究開発が盛んに進められている。特に、内部抵抗が低く、充放電による電池容量の低下が少ない、充放電サイクル特性に優れた二次電池が求められている。例えば、薄膜状の非晶質シリコン又は微結晶シリコンを負極材料(負極活物質)として用いたリチウム二次電池が知られている(特許文献1参照)。具体的には、集電体上にシリコン薄膜からなる負極材料層を形成した負極を用いたリチウム二次電池が開示されており、シリコン薄膜の形成には、CVD法(化学気相成長法、化学蒸着法ともいう)やスパッタリング法等の薄膜形成手法が用いられている。
ここで、シリコン等の材料は、リチウムの吸蔵/放出に伴って、膨張/収縮を繰り返すと考えられている。集電体上にシリコン薄膜を形成した負極では、集電体と負極材料層との密着性が高いため、負極材料の膨張/収縮に伴う集電体の膨張/収縮が頻繁に行われることになる。このため、充放電に伴って負極材料層及び集電体に皺等の不可逆的な変形が発生するおそれがある。特に、集電体に銅箔等の延性に富んだ金属箔を用いた場合、変形の程度が大きくなる傾向にある。負極が変形すると、電極としての体積が増加して電気化学反応が不均一になる等の理由から、電池のエネルギー密度が低下するおそれがある。また、充放電に伴う膨張/収縮を繰り返す間に、負極材料が微粉化して集電体から脱離したり、場合によっては薄膜状のまま脱離したりするおそれもあり、電池の充放電サイクル特性が悪化する要因となる。
負極の変形を抑制する方法としては、引張り強さや引張り弾性率等の機械的強度が高い材料を集電体として用いる方法が挙げられる。しかしながら、このような材料からなる集電体上に、薄膜状の負極材料からなる負極材料層を形成した場合、負極材料層と集電体との密着性が不十分となり、十分な充放電サイクル特性が得られないおそれがある。このため、特許文献1には、負極材料と合金化する材料からなる中間層を集電体と負極材料層との間に配置し、中間層よりも機械的強度が高い集電体を用いることによって、充放電時における負極材料の脱離を抑制するとともに、皺等の発生を抑制する技術が開示されている。具体的には、中間層として銅層を用い、集電体としてニッケル箔が用いられている。
上記特許文献1以外にも、負極材料層としてシリコンに銅を固溶させた薄膜を用い、リチウムの吸蔵量を抑制することによって、リチウムを吸蔵した場合の負極材料の膨張を抑制する技術が開示されている(特許文献2参照)。また、負極材料層として、リチウムと合金化する金属と、リチウムと合金化しない金属とからなる合金薄膜を用い、リチウムの吸蔵量を抑制することによって、リチウムを吸蔵した場合の負極材料の膨張を抑制する技術が開示されている(特許文献3参照)。具体的には、リチウムと合金化して固溶体又は金属間化合物等を形成する金属として、Sn、Ge、Al、In、Mg、及びSi等が用いられ、リチウムと合金化しない金属として、Cu、Fe、Ni、Co、Mo、W、Ta、及びMn等が用いられている。
また、厚さ方向への変形量が5μm〜20μmである変形部が、1cmあたり10個以上形成され、且つ、変形部による開口率が4%以下である集電体を用いることによって、充放電に伴う電極の変形を抑制する技術が開示されている(特許文献4参照)。さらには、リチウムを可逆的に吸蔵/放出できる薄膜状の負極材料層の表面及び内部の少なくとも一方に、リチウム非吸蔵性材料を配置させる技術が開示されている(特許文献5参照)。
特開2002−083594号公報 特開2002−289177号公報 特開2002−373647号公報 特開2003−017069号公報 特開2005−196971号公報
しかしながら、上述の各種負極材料いずれをもってしても、十分な出力電圧、エネルギー密度、及び充放電サイクル特性を有する電池は得られていないのが現状である。従って、本発明の目的は、上述した従来技術とは異なる構成により、高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れた電池の実現を可能とする負極基材、この負極基材を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成材料及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、表層を金属酸化物膜で被覆した有機膜上に金属膜が形成された負極基材によれば、高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れた電池を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、表層を金属酸化物膜で被覆した有機膜を備えた支持体に金属膜を形成してなることを特徴とする負極基材を提供する。また、上記有機膜をホトレジスト膜により形成した負極基材、このホトレジスト膜をパターン露光により所定形状にパターン化した負極基材、及び上記金属酸化物膜がシリカ系被膜である負極基材を提供する。さらには、負極基材を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成材料及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法を提供する。
本発明によれば、高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れた電池の実現を可能とする負極基材、負極基材を用いた二次電池、この負極基材の形成に用いられる金属酸化物膜形成用組成物及びホトレジスト組成物、並びに負極基材の製造方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<負極基材>
本発明に係る負極基材10の模式図を図1に示す。図1に示される通り、本発明に係る負極基材10は、支持体11と、金属酸化物膜13で表層が被覆された有機膜12と、金属膜14とから構成される。より詳しくは、金属酸化物膜13で表層が被覆された有機膜12を備えた支持体11に対して、メッキ処理を施すことにより金属膜14を形成してなることを特徴とする。
<支持体>
本発明に係る負極基材10に用いられる支持体11は、その表面上に有機膜12を形成できるものであればよく、特に限定されない。例えば、電子部品用の基板等の従来公知のものが用いられる。具体的には、シリコンウエハ、有機系又は無機系の反射防止膜が設けられたシリコンウエハ、磁性膜が形成されたシリコンウエハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。なお、これらの支持体は、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、チタン、及びタンタルから選ばれる少なくとも1種の元素を含む材料、金属箔、不織布、三次元構造を有する金属集電体等の集電体を兼ねてもよいし、これらの集電体上に形成されてもよい。
<有機膜>
本発明に係る負極基材10における有機膜12は、有機化合物や有機樹脂により形成されるものであり、特に限定されない。好ましくは、親水性基を有する有機化合物や親水性基を有する有機樹脂により形成されるものである。有機膜12の表面上に親水性基が存在すると、この親水性基が後述する金属酸化物膜形成材料と相互作用する結果、有機膜12と強固に密着した金属酸化物膜13を形成できる。
上記有機膜12は、後述するホトレジスト組成物により形成された有機膜12であることが好ましく、パターン露光により所定形状にパターン化されたホトレジストパターンであることがさらに好ましい。ホトレジストパターン上に金属酸化物膜13を形成する場合において、ホトレジストパターンの表面上に親水性基が存在すると、この親水性基が後述する金属酸化物膜形成材料と相互作用する結果、ホトレジストパターンと強固に密着した金属酸化物膜13を形成できる。即ち、高密度で高い機械的強度を有するパターンが得られる。
[ホトレジスト組成物]
本発明に係る負極基材10の形成に用いられるホトレジスト組成物としては、特に限定されず、従来公知のホトレジスト組成物が用いられる。好ましくは、親水性基を有するものである。親水性基を有するホトレジスト組成物から形成されるホトレジストパターン上であれば、上述したように、ホトレジストパターンと強固に密着し、高密度で機械的強度の高い金属酸化物膜13を形成できる。
〔ポジ型ホトレジスト組成物〕
ポジ型の化学増幅型ホトレジスト組成物としては、活性光線又は放射線照射により酸を発生する酸発生剤成分(以下、(A)成分という)、及び酸の作用によりアルカリ水溶液に対する溶解性が変化する樹脂成分(以下、(B)成分という)とを基本成分とするものが好ましく用いられる。(B)成分としては、アルカリ可溶性樹脂の水酸基が酸解離性溶解抑制基で保護されてアルカリ不溶性になっている樹脂が用いられる。このような(B)成分を、前記(A)成分と組み合わせて用いることにより、露光部分では酸が発生し、これが前記酸解離性溶解抑制基による保護を解離する。その結果、その露光部分がアルカリ可溶性となり、現像の際に露光部分だけが選択的に除去されて所定形状のホトレジストパターンが得られる。
(酸発生剤成分(A))
(A)成分としては、活性光線又は放射線の照射により、直接もしくは間接的に酸を発生する物質である。
このような酸発生剤の第一の態様としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、ならびにトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト等の下記の一般式(a1)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 2008153035
上記一般式(a1)中、R1a、R2a、及びR3aは、それぞれ独立なハロゲン化アルキル基であり、当該アルキル基の炭素原子数は1〜6である。
また、酸発生剤の第二の態様としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、ならびに、オキシムスルホネ−ト基を含有する下記の一般式(a2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008153035
上記一般式(a2)中、R4aは、一価、二価、もしくは三価の有機基であり、また、R5aは、置換、未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族性化合物基であり、nは1〜6の整数である。
前記一般式(a2)中、R4aは、芳香族性化合物基であることが特に好ましく、このような芳香族性化合物基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基等の複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等を1個以上有していてもよい。また、R5aとしては炭素原子数1〜6の低級アルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
上記一般式(a2)で表わされる酸発生剤としては、n=1の時、R4aがフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R5aがメチル基の化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリル、〔2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロキシチオフェン−3−イリデン〕(o−トリル)アセトニトリル等が挙げられる。n=2の時、上記一般式で表わされる酸発生剤としては、具体的には下記化学式(a2−1)〜(a2−8)で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 2008153035
さらに、酸発生剤の第三の態様としては、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩を用いることができる。この「ナフタレン環を有する」とは、ナフタレンに由来する構造を有することを意味し、少なくとも2つの環の構造と、それらの芳香族性が維持されていることを意味する。このナフタレン環は炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基等の置換基を有しいてもよい。ナフタレン環に由来する構造は、1価基(遊離原子価が1つ)であっても、2価基(遊離原子価が2つ)以上であってもよいが、1価基であることが望ましい(ただし、このとき、上記置換基と結合する部分を除いて遊離原子価を数えるものとする)。ナフタレン環の数は1〜3が好ましい。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のカチオン部としては、下記一般式(a3)で示される構造が好ましい。
Figure 2008153035
上記一般式(a3)中、R6a、R7a、R8aのうち少なくとも1つは下記一般式(a4)で示される基であり、残りは炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、水酸基、又は炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基である。あるいは、R6a、R7a、R8aのうちの一つが下記一般式(a4)で示される基であり、残りの2つは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状アルキレン基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。
Figure 2008153035
上記一般式(a4)中、R9a、R10aは、それぞれ独立して、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、又は炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R11aは単結合又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、p及びqはそれぞれ独立して0又は1〜2の整数であり、p+qは3以下である。ただし、R10aが複数存在する場合、それらは相互に同じであっても異なっていてもよい。また、R9aが複数存在する場合、それらは相互に同じであっても異なっていてもよい。
上記R6a、R7a、R8aのうち、前記一般式(a4)で示される基の数は、化合物の安定性の点から、好ましくは1つであり、残りは、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基であり、これらの末端が結合して環状になっていてもよい。この場合、前記2つのアルキレン基は、硫黄原子を含めて3〜9員環を構成する。環を構成する原子(硫黄原子を含む)の数は、好ましくは5〜6である。
また、前記アルキレン基が有してもよい置換基としては、酸素原子(この場合、アルキレン基を構成する炭素原子とともにカルボニル基を形成する)、水酸基等が挙げられる。
また、フェニル基が有していてもよい置換基としては、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、又は炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
これらのカチオン部として好適なものとしては、以下の化学式(a5)、(a6)で示すもの等を挙げることができ、特に化学式(a6)で示す構造が好ましい。
Figure 2008153035
このようなカチオン部としては、ヨ−ドニウム塩であってもスルホニウム塩であってもよいが、酸発生効率等の点からスルホニウム塩が望ましい。
したがって、カチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩のアニオン部として好適なものとしては、スルホニウム塩を形成可能なアニオンが望ましい。
このような光酸発生剤のアニオン部としては、水素原子の一部又は全部がフッ素化されたフルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンが好ましい。
フルオロアルキルスルホン酸イオンにおけるアルキル基は、炭素原子数1〜20の直鎖状でも分岐状でも環状でもよく、発生する酸の嵩高さとその拡散距離から、炭素原子数1〜10であることが好ましい。特に、分岐状や環状のものは拡散距離が短く、好ましい。具体的には安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸イオンにおけるアリール基は、炭素原子数6〜20のアリール基であって、アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもされていなくてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられ、安価に合成可能なことから、炭素原子数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には好ましいものとして、フェニル基、トルエンスルホニル基、エチルフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基等を挙げることができる。
前記フルオロアルキルスルホン酸イオン又はアリールスルホン酸イオンにおいて、水素原子の一部又は全部がフッ素化されている場合のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。このようなものとしては、具体的には、トリフルオロメタンスルホネート、パ−フルオロブタンスルホネート、パーフルオロオクタンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート等が挙げられる。
中でも、好ましいアニオン部として、以下の一般式(a7)で示すものが挙げられる。
Figure 2008153035
上記一般式(a7)において、R12aは、下記一般式(a8)、(a9)で示す構造や、化学式(a10)で示す構造が挙げられる。
Figure 2008153035
上記一般式(a8)中、lは1〜4の整数であり、一般式(a9)中、R13aは水素原子、水酸基、炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素原子数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数である。中でも、安全性の観点からトリフルオロメタンスルホネート、パーフルオロブタンスルホネートが好ましい。
また、アニオン部としては、以下の化学式(a11)及び(a12)で表わされる窒素を含有するものを用いることもできる。
Figure 2008153035
上記式(a11)、(a12)中、Xa1は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素原子数は2〜6であり、好ましくは3〜5、最も好ましくは炭素原子数3である。また、Xa2、Xa3は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素原子数は1〜10であり、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜3である。
a1のアルキレン基の炭素原子数又はXa2、Xa3のアルキル基の炭素原子数が小さいほどレジスト溶媒への溶解性も良好であるため好ましい。
また、Xa1のアルキレン基又はXa2、Xa3のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、好ましい。該アルキレン基又はアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
このようなカチオン部にナフタレン環を有するオニウム塩として好ましいものとしては、下記化学式(a13)、(a14)の化合物である。
Figure 2008153035
さらに、酸発生剤の別の態様としては、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、ニトロベンジルトシレ−ト、ジニトロベンジルトシラート、ニトロベンジルスルホナート、ニトロベンジルカルボナート、ジニトロベンジルカルボナート等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールトリメシラート、ピロガロールトリトシラート、ベンジルトシラート、ベンジルスルホナート、N−メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−トリクロロメチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−フェニルスルホニルオキシマレイミド、N−メチルスルホニルオキシフタルイミド等のスルホン酸エステル;N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド等のトリフルオロメタンスルホン酸エステル類;ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート等のオニウム塩;ベンゾイントシラート、α−メチルベンゾイントシラート等のベンゾイントシレート類;その他のジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウム塩、ベンジルカルボナート等が挙げられる。
さらに、酸発生剤の第四の態様としては、下記一般式(a15)で表わされる化合物を用いることができる。
Figure 2008153035
上記式(a15)中、Xa4は原子価sの硫黄原子又はヨウ素原子を表し、sは1又は2である。nは括弧内の構造の繰り返し単位を表わす。R14aはXa4に結合している有機基であり、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数4〜30の複素環基、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数2〜30のアルケニル基、又は炭素原子数2〜30のアルキニル基を表し、R14aはアルキル、ヒドロキシ、アルコシキ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコシキカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオカルボニル、アシロキシ、アリールチオ、アルキルチオ、アリール、複素環、アリールオキシ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキレンオキシ、アミノ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。R14aの個数はs+n(s−1)+1であり、R14aはそれぞれ互いに同じであっても異なっていてもよい。また、2個以上のR14aが互いに直接、又は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR15a−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素原子数1〜3のアルキレン基若しくはフェニレン基を介して結合し、Xa4を含む環構造を形成してもよい。R15aは炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数6〜10のアリール基である。
a5は下記一般式(a16)で表される構造である。
Figure 2008153035
上記式(a16)中、Xa7は炭素原子数1〜8のアルキレン基、炭素原子数6〜20のアリーレン基、又は炭素原子数8〜20の複素環化合物の2価の基を表し、Xa7は炭素原子数1〜8のアルキル、炭素原子数1〜8のアルコキシ、炭素原子数6〜10のアリール、ヒドロキシ、シアノ、ニトロの各基、及びハロゲンからなる群より選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。Xa8は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−NR15a−、−CO−、−COO−、−CONH−、炭素数1〜3のアルキレン基、又はフェニレン基を表す。nは括弧内の構造の繰り返し単位数を表わす。n+1個のXa7及びn個のXa8はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R15aは前述の定義と同じである。
a6−はオニウムの対イオンである。その個数は1分子当たりn+1であり、そのうち少なくとも1個は下記一般式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンであって、残りは他のアニオンであってもよい。
Figure 2008153035
上記式(a17)中、R16aは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。tはその個数を示し、1〜5の整数である。t個のR16aはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(a15)のオニウムイオンの好ましい具体例としては、トリフェニルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド、ビス〔4−{ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホニオ}フェニル〕スルフィド、ビス{4−[ビス(4−フルオロフェニル)スルホニオ]フェニル}スルフィド、4−(4−ベンゾイル−2−クロロフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウム、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、7−イソプロピル−9−オキソ−10−チア−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イルジ−p−トリルスルホニウム、7−イソプロピル−9−オキソ−10−チア−9,10−ジヒドロアントラセン−2−イルジフェニルスルホニウム、2−[(ジフェニル)スルホニオ]チオキサントン、4−[4−(4−tert−ブチルベンゾイル)フェニルチオ]フェニルジ−p−トリルスルホニウム、4−(4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、2−ナフチルメチル(1−エトキシカルボニル)エチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルフェナシルスルホニウム、オクタデシルメチルフェナシルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジ−p−トリルヨードニウム、ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム、ビス(4−デシルオキシ)フェニルヨードニウム、4−(2−ヒドロキシテトラデシルオキシ)フェニルフェニルヨードニウム、4−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、又は4−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウムが挙げられる。
上記一般式(a15)のアニオン成分は、上記一般式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンを少なくとも1個有する。残りのアニオン成分は他のアニオンであってよい。他のアニオンとしては、特に限定されず、従来公知のアニオンを用いることができる。例えば、F、Cr、Br、I等のハロゲンイオン;OH;ClO ;FSO 、ClSO 、CHSO 、CSO 、CFSO 等のスルホン酸イオン類;HSO 、SO 2−等の硫酸イオン類;HCO 、CO 2−等の炭酸イオン類;HPO 、HPO 2−、PO 3−等のリン酸イオン類;PF 、PFOH等のフルオロリン酸イオン類;BF 、B(C 、B(CCF 等のホウ酸イオン類;AlCl ;BiF 等が挙げられる。その他、SbF 、SbFOH等のフルオロアンチモン酸イオン類、あるいはA 、AsFOH等のフルオロヒ素酸イオン類も挙げられるが、これらは毒性の元素を含むため好ましくない。
上記一般式(a17)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンにおいて、R16aはフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素原子数は1〜8、さらに好ましい炭素原子数は1〜4である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐アルキル基;さらにシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクヘキシル等のシクロアルキル基等が挙げられ、アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常、80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%である。フッ素原子の置換率が80%未満である場合には、上記一般式(a15)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩の酸強度が低下する。
特に好ましいR16aは、炭素原子数が1〜4、かつフッ素原子の置換率が100%の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF、CFCF、(CFCF、CFCFCF、CFCFCFCF、(CFCFCF、CFCF(CF)CF、(CFCが挙げられる。R16aの個数tは、1〜5の整数であり、好ましくは2〜4、特に好ましくは2又は3である。
好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、[(CFCFPF、[(CFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[(CFCFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[((CFCFCFPF、[(CFCFCFCFPF、又は[(CFCFCFPFが挙げられ、これらのうち、[(CFCFPF、[(CFCFCFPF、[((CFCF)PF、[((CFCF)PF、[((CFCFCFPF、又は[((CFCFCFPFが特に好ましい。
上記一般式(a15)で表されるオニウムフッ素化アルキルフルオロリン酸塩のうち、下記一般式(a18)で表されるジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスフルオロアルキルホスファートが特に好ましく用いられる。
Figure 2008153035
上記式(a18)中、uは1〜8の整数であり、好ましくは1〜4の整数である。
上記(A)成分の酸発生剤として、好ましくは一般式(a2)、及び(a18)の中から選ばれる少なくとも1種を用いるものであって、一般式(a2)中、好ましいnの値は2であり、また、好ましいR4aは、二価の炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキレン基、又は、置換もしくは非置換の芳香族基であり、また、好ましいR5aは、炭素数1〜8の置換もしくは非置換のアルキル基、又は、置換もしくは非置換のアリール基である。
上述したような(A)成分は、単独で用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
また、(A)成分の配合量は、ポジ型ホトレジスト組成物中、0.05〜5質量%とすることが好ましい。(A)成分の配合量を0.05質量%以上とすることによって充分な感度が得られるようになり、また、5質量%以下とすることによって溶剤に対する溶解性が向上して均一な溶液が得られ、保存安定性が向上する傾向がある。
(樹脂成分(B))
上記樹脂成分としては、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する、ノボラック樹脂(B1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)、及びアクリル樹脂(B3)のうちの少なくとも一種を含む樹脂であるか、又は混合樹脂や共重合体であってもよい。
[(B1)ノボラック樹脂]
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するノボラック樹脂(B1)としては、下記の一般式(b1)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008153035
上記一般式(b1)中、R1bは、酸解離性溶解抑制基であり、R2b及びR3bは、それぞれ独立に水素原子もしくは炭素原子数1〜6のアルキル基であり、nは繰り返し単位を意味する。
さらに、上記R1bで示される酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(b2)又は(b3)で示される、炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラフラニル基、又はトリアルキルシリル基であることが好ましい。
Figure 2008153035
上記一般式(b2)及び(b3)中、R4b、及びR5bは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、R6bは炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、R7bは炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、oは0又は1である。
なお、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
ここで、上記一般式(b2)で示される酸解離性溶解抑制基として、具体的には、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、iso−プロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、iso−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられ、上記式(b3)の酸解離性溶解抑制基として、例えばtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。また、上記トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリ−tert−ブチルジメチルシリル基等の各アルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。
[(B2)ポリヒドロキシスチレン樹脂]
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)としては、下記の一般式(b4)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008153035
上記一般式(b4)中、R8bは、水素原子もしくは炭素数1〜6のアルキル基であり、R9bは、酸解離性溶解抑制基であり、nは繰り返し単位を意味する。
なお、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記R9bで示される酸解離性溶解抑制基としては、上記一般式(b2)及び(b3)に例示したものと同様の酸解離性溶解抑制基を用いることができる。
さらに、前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するポリヒドロキシスチレン樹脂(B2)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類等を挙げることができる。
[(B3)アクリル樹脂]
酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大するアクリル樹脂(B3)としては、下記一般式(b5)〜(b7)で表される樹脂を使用することができる。
Figure 2008153035
上記一般式(b5)〜(b7)中、R10b〜R17bは、それぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素原子又は炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のフッ素化アルキル基であり(ただし、R11bが水素原子であることはない)、Xb1はそれが結合している炭素原子と共に炭素原子数5〜20の炭化水素環を形成し、Xb2は置換基を有していてもよい脂肪族環式基又はアルキル基であり、nは繰り返し単位を意味し、cは0〜4であり、dは0又は1である。
なお、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、環状のアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、フッ素化アルキル基とは、前記アルキル基の水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子により置換されたものである。
前記R11bとしては、高コントラストで、解像度、焦点深度幅等が良好な点から、炭素原子数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましく、前記R13b、R14b、R16b、及びR17bとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
前記Xb1は、それが結合している炭素原子と共に炭素原子数5〜20の脂肪族環式基を形成する。このような脂肪族環式基の具体例としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、シクロヘキサン、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、前記Xb1の脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素数1〜4の直鎖又は分岐状の低級アルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
前記Xb2は、脂肪族環式基又はアルキル基であり、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。特に、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基(さらに置換基を有していてもよい)が好ましい。
さらに、前記Xb2の脂肪族環式基が、その環骨格上に置換基を有する場合、該置換基の例としては、水酸基、カルボキシ基、シアノ基、酸素原子(=O)等の極性基や、炭素原子数1〜4の直鎖又は分岐状の低級アルキル基が挙げられる。極性基としては特に酸素原子(=O)が好ましい。
また、Xb2がアルキル基である場合、炭素原子数1〜20、好ましくは6〜15の直鎖又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基は、特にアルコキシアルキル基であることが好ましく、このようなアルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−iso−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基等が挙げられる。
上記一般式(b5)で表わされるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b5−1)〜(b5−3)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008153035
上記一般式(b5−1)〜(b5−3)中のR18bは水素原子又はメチル基であり、nは繰り返し単位である。
上記一般式(b6)で表わされるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b6−1)〜(b6−28)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008153035
Figure 2008153035
上記一般式(b7)で表わされるアクリル樹脂の好ましい具体例としては、下記一般式(b7−1)〜(b7−22)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2008153035
Figure 2008153035
Figure 2008153035
さらに、このようなアクリル樹脂(B3)は、前記一般式(b5)〜(b7)の構成単位に対して、さらにエーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位を含む共重合体からなる樹脂であることが好ましい。
このような構成単位は、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位である。エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレートである。これらの化合物は単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
さらに、このようなアクリル樹脂(B3)には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他の重合性化合物を構成単位として含むことができる。このような重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物や、アニオン重合性化合物が挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等のビニル基含有芳香族化合物類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類等を挙げることができる。
さらに、このようなアクリル樹脂(B3)の中でも、前記一般式(b7)で表わされる構成単位と、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導された構成単位と、(メタ)アクリル酸単位と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類からなる構成単位とを有する共重合体であることが好ましい。
このような共重合体としては、下記一般式(b8)で表わされる共重合体であることが好ましい。
Figure 2008153035
上記一般式(b8)中、R20bは、水素原子又はメチル基であり、R21bは、炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシアルキル基であり、R22bは、炭素原子数2〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、Xb1は前述の定義と同様である。
さらに、上記一般式(b8)で表わされる共重合体において、e、f、及びgは、それぞれ質量比で、eは1〜30質量%であり、fは20〜70質量%であり、gは20〜70質量%である。
また、(B)成分のポリスチレン換算質量平均分子量は、好ましくは10,000〜600,000であり、より好ましくは50,000〜600,000であり、さらに好ましくは230,000〜550,000である。このような質量平均分子量とすることにより、基板との剥離性が低下することなく、レジスト膜の十分な強度を保持でき、さらにはメッキ処理時のプロファイルの膨れや、クラックの発生を引き起こすことがなくなる。
さらに、(B)成分は、分散度が1.05以上の樹脂であることが好ましい。ここで、分散度とは、質量平均分子量を数平均分子量で除した値のことである。このような分散度とすることにより、所望とするメッキに対する応力耐性や、メッキ処理により得られる金属層が膨らみやすくなるという問題を回避できる。
このような(B)成分の配合量は、ポジ型ホトレジスト組成物中、5〜60質量%とすることが好ましい。
(アルカリ可溶性樹脂(C))
さらに、本発明のポジ型ホトレジスト組成物には、アルカリ可溶性樹脂を適宜配合することができる。このような(C)成分としては、アルカリ可溶性のノボラック樹脂(C1)、ポリヒドロキシスチレン樹脂(C2)、アクリル樹脂(C3)、及びビニル樹脂(C4)の中から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
[(C1)アルカリ可溶性ノボラック樹脂]
前記アルカリ可溶性のノボラック樹脂(C1)としては、ポリスチレン換算質量平均分子量が1,000〜50,000であることが好ましい。
このようなノボラック樹脂(C1)は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」と称する)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られる。この際に使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。
また、アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。付加縮合反応時の触媒は、特に限定されるものではないが、例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸等が使用される。
本発明においては、o−クレゾールを使用すること、樹脂中の水酸基の水素原子を他の置換基に置換すること、あるいは嵩高いアルデヒド類を使用することにより樹脂の柔軟性を一層向上させることが可能である。
[(C2)アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン樹脂]
前記アルカリ可溶性のポリヒドロキシスチレン樹脂(C2)としては、質量平均分子量が1,000〜50,000であることが好ましい。
このようなポリヒドロキシスチレン樹脂(C2)を構成するヒドロキシスチレン系化合物としては、p−ヒドロキシスチレン、α−メチルヒドロキシスチレン、α−エチルヒドロキシスチレン等が挙げられる。さらに前記ポリヒドロキシスチレン樹脂は、スチレン樹脂との共重合体とすることが好ましく、このようなスチレン樹脂を構成するスチレン系化合物としては、スチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
[(C3)アルカリ可溶性アクリル樹脂]
前記アルカリ可溶性のアクリル樹脂(C3)としては、質量平均分子量が50,000〜800,000であることが好ましい。
このようなアクリル樹脂(C3)としては、エーテル結合を有する重合性化合物から誘導されたモノマー、及びカルボキシル基を有する重合性化合物から誘導されたモノマーを含有することが好ましい。
前記エーテル結合を有する重合性化合物としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリラート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリラート、3−メトキシブチル(メタ)アクリラート、エチルカルビトール(メタ)アクリラート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリラート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリラート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリラート等のエーテル結合及びエステル結合を有する(メタ)アクリル酸誘導体等を例示することができ、好ましくは、2−メトキシエチルアクリラート、メトキシトリエチレングリコールアクリラートである。これらの化合物は、単独で使用することも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
前記カルボキシル基を有する重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基及びエステル結合を有する化合物等を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は、単独で使用することも、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
[(C4)アルカリ可溶性ポリビニル樹脂]
前記アルカリ可溶性のポリビニル樹脂(C4)としては、質量平均分子量が10,000〜200,000であることが好ましく、50,000〜100,000であることがより好ましい。
このようなポリビニル樹脂(C4)は、ポリ(ビニル低級アルキルエーテル)であり、下記一般式(c1)で表されるビニル低級アルキルエーテルの単独又は2種以上の混合物を重合することにより得られる(共)重合体からなる。
Figure 2008153035
上記一般式(c1)において、R1cは炭素原子数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
このようなポリビニル樹脂(C4)は、ビニル系化合物から得られる重合体であり、このようなポリビニル樹脂としては、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリヒドロキシスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニル安息香酸、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルフェノール、及びこれらの共重合体等が挙げられる。中でも、ガラス転移点の低さに鑑みてポリビニルメチルエーテルが好ましい。
このような(C)アルカリ可溶性樹脂の配合量は、前記(B)成分100質量部に対して、5〜95質量部とすることが好ましく、より好ましくは10〜90質量部とされる。5質量部以上とすることによりクラック耐性を向上させることができ、95質量部以下とすることにより現像時の膜減りを防ぐことができる傾向がある。
(その他成分)
上記ポジ型ホトレジスト組成物は、その使用に当たっては上記各成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、及びジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル、又はモノフェニルエーテル等の多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;蟻酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類を挙げることができる。これらは単独で用いることもでき、また、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの有機溶剤の使用量は、本発明に係る化学増幅型ポジ型ホトレジスト組成物を(例えば、スピンコート法)使用して得られるホトレジスト層の膜厚が1μm以上となるように、固形分濃度が30質量%以上となる範囲が好ましい。より好ましくは、本発明に係る組成物を使用して得られるホトレジスト層の膜厚は、1μm〜200μmの範囲である。
上記ポジ型の化学増幅型ホトレジスト組成物は、さらに所望により混和性のある添加物、例えば、レジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、増感剤、酸拡散制御剤、接着助剤、安定剤、着色剤、界面活性剤等の慣用されているものを添加含有させることができる。
〔ネガ型ホトレジスト組成物〕
一方、ネガ型ホトレジスト組成物としては、活性光線又は放射線照射により酸を発生する酸発生剤成分(上記(A)成分と同様)、及び多官能エポキシ樹脂(以下、(D)成分という)を基本成分とするものが好ましく用いられる。(D)成分を酸発生剤と組み合わせて用いると、露光部分で発生した酸により、その部分がカチオン重合してアルカリ不溶性となり、現像の際に未露光部分だけが選択的に除去されて所定形状のホトレジストパターンが得られる。
(多官能エポキシ樹脂(D))
多官能エポキシ樹脂(D)としては特に限定されないが、厚膜のパターンを形成するのに十分なエポキシ基を1分子中に有するエポキシ樹脂が好ましい。このような多官能エポキシ樹脂としては、多官能フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、多官能オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、多官能トリフェニル型ノボラック型エポキシ樹脂、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのうち、多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂が好ましく用いられる。その官能性は5官能以上が好ましく、例えば、ジャパンエポキシレジン社製の「エピコート157S70」や、大日本インキ化学工業株式会社製の「エピクロンN−775」が市販品として入手でき、特に好ましく用いられる。
前記多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂は、下記一般式(d1)で表される。
Figure 2008153035
前記式(d1)のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂と重合した重合体でもよい。前記式(d1)中、R1d〜R6dはH又はCHであり、vは繰り返し単位である。
ホトレジスト組成物中における上記多官能エポキシ樹脂の含有量は、80質量%〜99.9質量%であることが好ましく、92質量%〜99.4質量%であることがより好ましい。これにより、上記支持体11上にコーティングした際に、高感度で適当な硬度のホトレジスト膜が得られる。
(酸発生剤成分(A))
酸発生剤成分(A)は、上記ポジ型で用いられる酸発生剤と同様のものが用いられる。この酸発生剤成分(A)は、活性光線又は放射線照射によりカチオン成分を生じるものであり、そのカチオン成分が重合開始剤として作用する。
上記(A)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記(A)成分の含有量は、上記多官能エポキシ樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部であることが好ましい。(A)成分の含有量を上記範囲内とすることにより、十分な感度を保持しつつ、永久膜特性を維持することができる。
(その他成分)
上記ネガ型ホトレジスト組成物は、上記ポジ型と同様に、従来公知の溶剤成分が用いられる。また、γ−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン系溶剤は、ホトレジストパターン形成時における加熱処理により、ラクトンが開環してポリマー中の官能基と反応する結果、ホトレジスト膜中に組み込まれる性質を有するため好ましく用いられる。グリコール酸アルキルエステル、乳酸アルキルエステル、2−ヒドロキシ酪酸アルキルエステル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶剤は、コーティング性及びレベリング性を向上させる性質を有するため好ましく用いられる。
上記ネガ型ホトレジスト組成物は、増感剤として、上記多官能エポキシ樹脂と架橋形成可能な置換基を少なくとも2以上有する芳香族多環式化合物を用いてもよい。このような芳香族多環式化合物の増感機能により、ホトレジスト組成物を高感度化できる。具体的には、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基等を2以上有する、ナフタレン化合物、ジナフタレン化合物、アントラセン化合物、フェナントロリン化合物等の芳香族多環式化合物が好ましく用いられる。これらのうち、ナフタレン化合物がより好ましく、特に、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンが架橋効率向上の観点から好ましく用いられる。
また、上記ネガ型ホトレジスト組成物は、成膜性改善のために高分子直鎖2官能エポキシ樹脂を含有してもよい。硬化後の物性を低下させずに、硬化前のレジスト組成物の柔軟性を向上させる観点から、オキセタン誘導体やエポキシ誘導体を含有させてもよい。さらには、所望により、混和性のある添加剤、例えば、パターン性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤、カップリング剤等の従来公知のものを適宜含有させることができる。
〔ホトレジストパターン〕
本発明で用いられる化学増幅型ホトレジスト組成物は、例えば従来のポジ型レジスト組成物又はネガ型レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を適用することができる。具体的には、上述の支持体11上に、溶液状に調製されたホトレジスト組成物をスピンナー等で塗布し、プレベークを行ってホトレジスト膜を形成する。あるいは、両面を保護膜で保護してドライフィルムとし、これを支持体11上に貼り付けてホトレジスト膜を形成してもよい。ドライフィルムとすれば、支持体11上への塗布、乾燥が省略でき、より簡便にホトレジストパターンを形成できる。
次いで、ホトレジスト膜に対して選択的に露光処理を行う。露光処理には、g、h、i線、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、Fエキシマレーザ光、EUV(Extreme ultraviolet 極端紫外光)、電子線(EB)、軟X線、X線等を用いることができ、所望のマスクパターンを介しての照射、又は直接描画を行う。好ましくは、KrFエキシマレーザ光が用いられる。続いて、露光後加熱処理(ポストエクスポージャーベーク、以下、PEBということもある)を行う。PEB処理後、アルカリ性水溶液等の現像液を用いて現像処理し、水洗、乾燥等の必要に応じた処理を施すことにより、ホトレジストパターンが得られる。現像液は、特に限定されず、従来公知のアルカリ性水溶液等を用いることができる。
プレベークにおける加熱温度及び露光後加熱(PEB)における加熱温度は、70〜160℃、好ましくは100〜150℃である。加熱時間は、40〜180秒間、好ましくは60〜90秒間の範囲で設定される。なお、場合によっては、上記アルカリ現像後、ポストベーク工程を含んでもよい。
なお、上記ホトレジストパターンのアスペクト比は、0.1以上であることが好ましい。ホトレジストパターンのアスペクト比を0.1以上とすることにより、負極基材10の表面積を増大でき、後述するメッキ処理により形成される金属膜量を増大させることができる結果、さらなる高出力化、高エネルギー密度化が達成される。
<金属酸化物膜>
上記有機膜12の表層を被覆する金属酸化物膜13は、金属酸化物により形成されるものであればよく、特に限定されない。好ましくは、シリカ系被膜である。金属酸化物膜13は、後述する金属酸化物膜形成材料により形成される。
[金属酸化物膜形成材料]
本発明の金属酸化物膜形成材料は、加水分解により水酸基を生成し得る金属化合物と、この金属化合物を溶解し且つこの金属化合物と反応する官能基を有さない溶剤とを含有することを特徴とする。
〔金属化合物〕
金属化合物は、上述した通り、加水分解により水酸基を生成し得る化合物である。この金属化合物を含有する金属酸化物膜形成材料を上記有機膜12上に塗布すると、又は必要により塗布後さらに水(好ましくは脱イオン水)を塗布すると、室温程度の低温であっても、金属化合物が大気中の水分や塗布した水と反応し、加水分解により水酸基を生成する。そして、生成した水酸基同士が脱水縮合し、複数の金属化合物分子同士が結合して、膜密度の高い撤密な金属酸化物膜13が形成される。さらに、上記有機膜12がカルボキシ基、水酸基等の反応基を有する場合には、有機膜12の反応基と、金属化合物から生成した水酸基とが反応(脱水縮合、吸着等)し、有機膜12の表面に強固に密着した金属酸化物膜13が形成される。
金属化合物としては、例えば、加水分解により水酸基を生成し得る官能基を有する金属化合物が用いられ、官能基が金属原子に直接結合したものであることが好ましい。官能基の数は、金属原子1つに対して2以上であることが好ましく、2〜4であることがより好ましく、4であることがさらに好ましい。金属原子1つに対して2以上の官能基を有する金属化合物であれば、加水分解により生成した水酸基同士が脱水縮合し、複数の金属化合物分子同士が連続的に結合する結果、強固な金属酸化物膜13が形成される。
加水分解により水酸基を生成し得る官能基としては、アルコキシ基、イソシアネート基、カルボニル基等が挙げられる。また、ハロゲン原子も同様の機能を有するため、本発明においてはハロゲン基も上記官能基に含まれる。アルコキシ基としては、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状の低級アルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基(−O−Me)、エトキシ基(−O−Et)、n−プロポキシ基(−O−nPr)、イソプロポキシ基(−O−iPr)、n−ブトキシ基(−O−nBu)等が用いられる。ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特に塩素原子が好ましく用いられる。
有機膜12の表面にカルボキシ基や水酸基等の反応基が存在する場合には、アルコキシ基やイソシアネート基は、これら反応基と縮合反応し、有機膜12に強固に密着した金属酸化物膜13を形成できるため、好ましく用いられる。また、カルボニル基やハロゲン原子は、有機膜12の表面に存在するカルボキシ基や水酸基等の反応基との相互作用により吸着し、有機膜12に強固に密着した金属酸化物膜13を形成できるため、好ましく用いられる。特に、イソシアネート基及びハロゲン原子(特に塩素原子)は、高活性であるうえ、加熱処理を特に行うことなく簡便に金属酸化物膜13を形成できるため好ましく、イソシアネート基が最も好ましく用いられる。
金属化合物を構成する金属には、通常一般的な金属の他に、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、セレン、テルル等も含まれる。金属化合物を構成する金属としては、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ニオブ、ケイ素、ホウ素、ランタニド、イットリウム、バリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、タンタル等が挙げられる。これらのうち、チタン、ケイ素が好ましく、特にケイ素が好ましい。また、金属化合物中の金属原子の数は1であっても2以上であってもよく、好ましくは1である。
金属化合物は、加水分解により水酸基を生成し得る官能基以外の原子や有機基を有していてもよい。例えば、水素原子を有していてもよい。有機基としては、例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜5の低級アルキル基)等が挙げられ、エチル基、メチル基が好ましい。
アルコキシ基を有する金属化合物(以下、「金属アルコキシド類」ともいう)としては、チタンブトキシド(Ti(O−nBu))、ジルコニウムプロポキシド(Zr(O−nPr))、アルミニウムブトキシド(Al(O−nBu))、ニオブブトキシド(Nb(O−nBu))、シリコンテトラメトキシド(Si(O−Me))、ホウ素エトキシド(B(O−Et))等の希土類金属以外の金属アルコキシド化合物;ランタニドイソプロポキシド(Ln(O−iPr))、イットリウムイソプロポキシド(Y(O−iPr))等の希土類金属の金属アルコキシド化合物;バリウムチタンアルコキシド(BaTi(OR60)等のダブルアルコキシド化合物(なお、ここでの「R60」は炭素数1〜5の低級アルキル基であり、Xは2〜4の整数である);メチルトリメトキシシラン(MESi(O−Me))、ジエチルジエトキシシラン(EtSi(O−Et))等の2個以上のアルコキシ基を有し、且つアルコキシ基以外の有機基を有する金属アルコキシド化合物;アセチルアセトン等の配位子を有し、2個以上のアルコキシ基を有する金属アルコキシド化合物等が挙げられる。
また、上記金属アルコキシド類に少量の水を添加し、部分的に加水分解及び縮合させて得られるアルコキシドゾルやアルコキシドゲルの微粒子を用いることもできる。さらには、チタンブトキシドテトラマー(CO[Ti(OCO])等の、複数個又は複数種の金属元素を有する二核又はクラスター型のアルコキシド化合物や、酸素原子を介して一次元架橋した金属アルコキシド化合物に基づく高分子等も上記金属アルコキシド類に含まれる。
イソシアネート基を有する金属化合物としては、一般式[M(NCO)]で表される2個以上のイソシアネート基を有する化合物が挙げられる(Mは金属原子であり、Xは2〜4の整数である)。具体的には、テトライソシアネートシラン(Si(NCO))、チタンテトライソシアネート(Ti(NCO))、ジルコニウムテトライソシアネート(Zr(NCO))、アルミニウムトリイソシアネート(Al(NCO))等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する金属化合物としては、一般式[M(X](Mは金属原子であり、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子から選ばれる一種であり、nは2〜4の整数である)で表される2個以上(好ましくは2〜4)のハロゲン原子を有するハロゲン化金属化合物が挙げられる。具体的には、テトラクロロチタン(TiCl)、テトラクロロシラン(SiCl)等が挙げられる。また、ハロゲン原子を有する金属化合物は、金属錯体であってもよく、塩化コバルト(COCl)等を用いることもできる。
カルボニル基を有する金属化合物としては、チタニウムオキソアセチルアセテート(TiO(CHCOCHCOO))、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO))等の金属カルボニル化合物、及びこれらの多核クラスターが挙げられる。
上記の各種金属化合物のうち、高活性で加熱処理を行うことなく簡便に金属酸化物膜13を形成できる点から、イソシアネート基及び/又はハロゲン原子を2個以上(好ましくは2〜4個)有するケイ素化合物が特に好ましく用いられる。ケイ素化合物の1分子中のケイ素の数は1であっても2以上であってもよいが、好ましくは1である。特に、一般式[SiWa](aは2〜4の整数、Wはイソシアネート基又はハロゲン原子を示し、複数のWは相互に同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物が好ましい。上記aは4であることがより好ましく、ハロゲン原子は上記と同様に塩素原子であることがより好ましい。これらのうち、イソシアネート基を有するケイ素化合物が特に好ましい。
なお、上記で説明した金属化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して併用してもよい。
〔溶剤〕
本発明の金属酸化物膜形成材料は、上記金属化合物を溶剤(S)に溶解したものである。溶剤(S)としては、金属化合物と反応する官能基を有さず、且つ使用する金属化合物を溶解できる溶剤(S1)であればよく、従来公知の有機溶剤が用いられる。金属化合物と反応する官能基としては、ビニル基等の炭素−炭素二重結合を有する基、水酸基、カルボキシ基、ハロゲン基等が挙げられる。このため、これらの官能基を有さない溶剤であれば、金属化合物は安定して存在できる。
具体的には、上記溶剤(S1)としては、脂肪族化合物であることが好ましい。ここで、本明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。即ち、「脂肪族化合物」は、芳香族性を持たない化合物であることを意味する。脂肪族化合物としては、その構造中に環を有さない鎖式化合物であってもよく、またその構造中に環を有する環式化合物であってもよいが、好ましくは環式化合物である。環式化合物は炭化水素化合物であることが好ましく、飽和の炭化水素化合物であることがより好ましい。このような環式化合物としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカン、これらの環にアルキル基等の置換基が結合した化合物等が挙げられる。
また、上記溶剤(S1)としては、環境に対する影響の小さい溶剤を選択することが好ましく、例えば、出発原料が天然物質である溶剤が好ましく用いられる。出発原料が天然物質である溶剤としては、植物の精油成分から得られるテルペン系溶剤等(例えば、後述するp−メンタン、o−メンタン、m−メンタン等の単環式モノテルペンや、ピナン等の二環式モノテルペン等)が挙げられる。
さらには、上記溶剤(S1)としては、有機膜12を溶解しないものを選択して用いることが好ましい。このような溶剤であれば、特に、ホトレジストパターンの表面に金属酸化物膜13を形成する際に、ホトレジストパターンの形状を損ないにくい。
特に、下記一般式(1)で表される化合物が、金属化合物と反応しないこと、環境に対する影響が少ないこと、及びホトレジストパターンを溶解しないこと等の点から、溶剤(s−1)として好ましく用いられる。
Figure 2008153035
[式(1)中、R21〜R23はそれぞれ独立に水素原子、又は直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であって、R21〜R23のうち少なくとも2つはアルキル基であり、このアルキル基は、シクロヘキサン環における該アルキル基が結合した炭素原子以外の炭素原子と結合して環を形成していてもよい。]
式(1)中、R21〜R23のうち少なくとも2つは直鎖状又は分岐状のアルキル基である。即ち、R21〜R23のうち2つが直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、且つ他の1つが水素原子であってもよく、R21〜R23が全て直鎖状又は分岐状のアルキル基であってもよい。R21〜R23のうち2つが直鎖状又は分岐状のアルキル基であることが好ましい。
21〜R23の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、炭素数1〜3の低級アルキル基がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。これらのうち、メチル基又はイソプロピル基が特に好ましい。
21〜R23のうち少なくとも2つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R21〜R23のうち少なくとも1つが分岐状のアルキル基であることが好ましく、少なくとも1つがイソプロピル基であることがさらに好ましい。上記溶剤(s−1)としては、特に、イソプロピル基及びメチル基の両方を有することが好ましい。
21〜R23のアルキル基は、シクロヘキサン環における該アルキル基が結合した炭素原子以外の炭素原子と結合して環を形成していてもよい。ここで、「シクロヘキサン環における該アルキル基が結合した炭素原子以外の炭素原子と結合して環を形成している」とは、該アルキル基から水素原子を1つ除いた基(アルキレン基)によって、シクロヘキサン環上の、該アルキル基が結合した炭素原子と、それ以外の炭素原子との間が架橋されていることを意味する。
21〜R23の結合位置は、特に限定されないが、少なくとも2つのアルキル基が、それぞれシクロヘキサン環の1位と4位(パラ位)、又は1位と3位(メタ位)に結合していることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物として、具体的には、p−メンタン(沸点約170℃)、m−メンタン(沸点約170℃)、o−メンタン(沸点約170℃)、ピナン(沸点約169℃)等が挙げられる。これらの構造を下記に示す。これらのうち、p−メンタンが特に好ましい。
Figure 2008153035
上記溶剤(S1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して併用してもよい。溶剤(S)中、溶剤(S1)の割合は、50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%がより好ましく、さらに好ましくは100質量%である。
溶剤(S)は、本発明の効果を損なわない範囲で、溶剤(S1)以外の溶剤(S2)を含有してもよい。溶剤(S2)としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、n−へキサン、n−へプタン、トルエン、ベンゼン、クメン等が挙げられる。これらのうち、撤密な膜が形成できる点から、n−へプタン(沸点約98℃)、クメン(沸点約152℃)が好ましい。溶剤(S2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して併用してもよい。
溶剤(S)の含有量は特に限定されないが、好ましくは、金属酸化物膜形成用組成物中のモル濃度(金属化合物と、必要に応じて用いられる後述の有機化合物との合計の濃度)が1〜200mM程度、好ましくは50〜150mM、さらに好ましくは50〜100mMとなるような範囲で用いられる。モル濃度がこの範囲内であれば、より均一な金属酸化物膜を形成できるため好ましい。
〔任意成分〕
上記金属酸化物膜形成材料は、金属化合物及び溶剤(S)の他に、任意成分を含有してもよい。任意成分としては、例えば有機化合物が挙げられる。有機化合物を含有する金属酸化物膜形成材料によれば、金属酸化物と有機化合物との複合化膜が形成できる。有機化合物は、上記溶剤(S)に溶解するものであれば、特に限定されない。ここでいう溶解とは、有機化合物単独で溶解する場合に限らず、4−フェニルアゾ安息香酸のように、金属アルコキシド類との複合化によりクロロホルム等の溶媒に溶解する場合も含まれる。なお、有機化合物の分子量については特に制限はない。
上記有機化合物としては、膜強度の観点や、有機膜12との密着性をより強固にする観点から、複数の反応基(好ましくは水酸基又はカルボキシ基)を有し、また室温下(25℃)において固体の性状であるものが好ましい。このような有機化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリメタクリル酸、ポリグルタミン酸等の水酸基やカルボキシ基を有する高分子化合物;デンプン、グリコゲン、コロミン酸等の多糖類;グルコース、マンノース等の二糖類、単糖類;末端に水酸基やカルボキシ基を持つポルフィリン化合物やデンドリマー等が好ましく用いられる。
また、上記有機化合物として、カチオン性高分子化合物も好ましく用いられる。金属アルコキシド類や金属酸化物は、カチオン性高分子化合物のカチオンに対してアニオン的に相互作用するため、強固な結合を実現することができる。カチオン性高分子化合物の具体例としては、PDDA(ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド)、ポリエチレンイミン、ポリリジン、キトサン、末端にアミノ基を持つデンドリマー等が挙げられる。
これらの有機化合物は、機械的強度の高い薄膜を形成させるための構造成分として機能する。また、得られる薄膜に機能を付与するための機能性部位として、あるいは製膜後に取り除いて、その分子形状に応じた空孔を薄膜中に形成させるための成分としての役割を果たすこともできる。有機化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して併用してもよい。有機化合物の含有量は、金属化合物100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜20質量部が特に好ましい。
〔金属酸化物膜の形成〕
上記金属酸化物膜形成材料を用いて、上記有機膜12上に金属酸化物膜13を形成する。具体的には、金属酸化物膜形成材料を有機膜12の表面に塗布した後、この表面を有機溶媒で洗浄して乾燥する。即ち、金属酸化物膜形成材料を塗布した後、洗浄を行うことにより余分な金属化合物(例えば、支持体11上に付着した金属化合物)が除去される。そして、その後乾燥が完了するまでの間に、空気中の水分により金属化合物が徐々に加水分解して水酸基を生じ、この水酸基が脱水縮合することにより、有機膜12の表面に金属酸化物膜13が形成される。金属酸化物膜形成材料が有機物を含む場合には、有機物と金属酸化物との複合薄膜からなる金属酸化物膜13が形成される。
ここで、従来のシリカ系被膜は、SOG(spin−on−glass)法等のように高温処理を必要とするものであったため、例えば上記有機膜12としてホトレジストパターンを適用した場合には、高温処理によってホトレジストパターンが熱ダレを起こしてしまう。これに対し、本発明の上記金属酸化物膜形成材料は、低温で金属酸化物膜13を形成できるため、被覆されるホトレジストパターンの形状が損なわれることがない。なお、金属酸化物膜13を形成する操作は、反応性制御の点から、不活性ガス雰囲気下で処理することが好ましい。この場合には、空気中の水分を利用せずに処理することになる。
金属酸化物膜形成材料の塗布方法としては、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、有機膜12を備えた支持体11を、金属酸化物膜材料中に浸漬する方法(ディップコート法)や、金属酸化物膜形成材料をスピンコート法により有機膜12上に塗布する方法が挙げられる。また、交互吸着法等の方法によっても金属酸化物膜13を形成できる。
有機膜12上に金属酸化物膜形成材料を塗布する際の温度(塗布温度)は、用いられる金属化合物の活性により異なり、一概に限定することはできないが、一般的には0〜100℃の範囲内である。また、有機膜12上に金属酸化物膜形成材料を塗布してから乾燥するまで(塗布、洗浄、必要に応じて行われる吸着等の処理を含む)の時間、即ち、加水分解前の金属酸化物膜形成材料と有機膜12との接触時間と、その間の温度(接触温度)は、用いられる金属化合物の活性により異なり、一概に限定することはできないが、一般的には数秒から数時間、温度は上記塗布温度と同様の範囲内である。
洗浄に用いる有機溶媒としては、金属酸化物膜形成材料の溶剤(S)として例示したものと同様の溶剤が好ましく用いられる。洗浄は、例えば有機溶媒をスプレー法等によって、金属酸化物膜形成材料からなる塗膜の表面に供給した後、余分な有機溶媒を減圧下で吸引して行う方法や、有機溶媒に浸漬洗浄する方法、スプレー洗浄する方法、蒸気洗浄する方法等が好ましく採用される。洗浄時の温度条件は、金属酸化物膜形成材料を塗布する際の温度と同様である。
金属酸化物膜形成材料を有機膜12の表面に塗布した後、洗浄を行い、支持体11上の余分な金属化合物を除去することにより、膜厚の均一性に優れた金属酸化物膜13が形成できる。即ち、洗浄を行うことにより、主に弱い物理吸着によってのみ吸着されていた金属化合物が除去され、化学吸着された金属化合物のみが有機膜12の表面に均一に残るため、ナノメーターレベルの均一な薄膜が極めて精度良く、且つ高い再現性で形成される。従って、上記洗浄操作は、有機膜12と金属化合物との間において化学的吸着が生じている場合に特に有効である。
ここで、本明細書における「化学吸着」とは、有機膜12の表面に存在する反応基(好ましくは、水酸基又はカルボキシ基)と金属化合物との間に化学結合(共有結合、水素結合、配位結合等)又は静電気による結合(イオン結合等)が形成されて、有機膜12の表面に、金属化合物やその金属イオンが結合している状態を意味する。また、「物理吸着」とは、ファン・デル・ワールス力等の弱い分子間力により、有機膜12の表面に、金属化合物やその金属イオンが結合している状態を意味する。
洗浄後に行う乾燥方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、窒素ガス等の乾燥用ガスを用いてもよく、スピンナーを用いて金属酸化物膜形成材料の塗布を行った場合には、そのまま振り切り乾燥を行ってもよい。
金属酸化物膜形成材料の塗布後、乾燥を行うまでの間に、必要に応じて、有機膜12と金属酸化物膜形成材料からなる塗膜中の金属化合物との化学吸着及び/又は物理吸着を進行させるため、放置等の処理を行ってもよい。
金属酸化物膜形成材料からなる塗膜を洗浄後、乾燥させるまでの間に、塗膜と水とを接触させて表面の金属化合物を加水分解させ、水酸基を生成させる加水処理を行ってもよい。これにより、複数の塗膜が積層された金属酸化物膜13を形成しやすく、金属酸化物膜13の厚みを調整することができる。即ち、金属酸化物膜形成材料からなる塗膜表面に生成した水酸基と、その上にさらに金属酸化物膜形成材料が塗布されて形成された塗膜中の金属化合物とが反応して強固に密着し、複数の塗膜が積層された金属酸化物膜13が得られる。加水処理の手段は、従来公知の方法を用いることができ、特に限定されない。例えば、塗膜を水と接触させるゾルゲル法が最も一般的である。より具体的には、塗膜表面に水を塗布する方法や、少量の水を含んだ有機溶媒中に浸漬する方法が挙げられる。なお、金属化合物として水との反応性が高いものを含む場合には、大気中に放置することにより、大気中の水蒸気と反応して加水分解されるため、加水処理は行わなくてもよい。水としては、不純物等の混入を防止して高純度の金属酸化物を生成するために、脱イオン水を用いることが好ましい。また、加水処理において、酸や塩基等の触媒を用いることにより、処理時間を大幅に短縮できる。
金属酸化物膜13の膜厚は、特に限定されない。好ましくは0.1nm以上であり、より好ましくは0.5〜50nmであり、さらに好ましくは1〜30nmである。金属酸化物膜13の膜厚は、金属酸化物膜形成材料の塗布、洗浄、及び加水処理を繰り返して行うことにより調整できる。即ち、金属酸化物膜形成材料を塗布して塗膜を形成した後、洗浄して必要に応じ放置し、そして加水分解処理を行う一連の操作を繰り返して行うことにより、所望の厚さを有する均一な薄膜からなる金属酸化物膜13を形成できる。例えば、数nm〜数十nm、条件によっては数百nmの膜厚の金属酸化物膜13を精度良く形成できる。
金属化合物として、シリコンテトライソシアネート、チタンブトキシド等の一種類の金属原子を含有する金属アルコキシドを含む金属酸化物膜形成材料を用いた場合、接触条件により、数オングストロームの厚みの薄膜を逐次積層化することができる。この場合、1サイクルあたりの膜厚の増加は金属酸化物膜形成材料の積層回数に対応している。一方、金属化合物として、アルコキシドゲルの微粒子等を用いると、1サイクルあたり、60nm程度の厚みの薄膜を積層化することもできる。また、スピンコート法により金属酸化物膜形成材料からなる塗膜を形成する場合は、用いる溶媒や金属化合物の濃度、スピン速度等を変えることにより、膜厚を数nm〜200nm程度まで任意に制御できる。その際、1サイクル毎に使用する金属化合物の種類を変えることにより、異なる種類の金属酸化物からなる薄膜が積層された金属酸化物膜13を得ることもできる。
なお、有機膜12と金属酸化物膜13のトータルの膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.7μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。トータルの下限値は特に限定されないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上である。
<金属膜>
本発明に係る負極基材10における金属膜14は、メッキ処理により形成されるものが好ましいが、特に限定されるものではない。メッキ処理は従来公知のものが用いられ、上述の金属酸化物膜13を表層に有する有機膜12上に金属膜14を形成できるものであれば特に限定されない。また、金属膜14は、多段階メッキ処理により複数の層から構成されていてもよい。このような金属膜を形成する工程、即ちメッキ処理工程は、好ましくは、洗浄工程、触媒化処理工程に続いて、無電解ニッケルメッキ、又は無電解銅メッキ工程を行い、さらに無電解錫メッキ工程、又は電解錫メッキ工程を含む。
本発明に好適なメッキ処理について、以下に具体的に説明する。
[洗浄工程]
先ず、表層が金属酸化物膜13で被覆された有機膜12を備えた支持体11を、リン酸系溶液中に浸漬させて洗浄を行う。リン酸系溶液としては、リン酸ナトリウム等が用いられる。浸漬時間は、30〜180秒とすることが好ましく、45〜90秒とすることがより好ましい。
[触媒化工程]
上記洗浄工程を経た支持体11を、所定濃度の塩化錫(SnCl)水溶液中に所定時間浸漬させる。塩化錫の濃度は、0.01g/dm〜0.10g/dmが好ましく、0.03g/dm〜0.07g/dmがより好ましい。また、浸漬時間は15〜180秒とすることが好ましく、30〜60秒とすることがより好ましい。
次いで、塩化錫(SnCl)水溶液中に所定時間浸漬させた支持体11を、所定濃度の塩化パラジウム(PdCl)水溶液中に所定時間浸漬させる。塩化パラジウムの濃度は、0.01g/dm〜0.3g/dmが好ましく、0.03g/dm〜0.07g/dmがより好ましい。また、浸漬時間は15〜180秒とすることが好ましく、30〜60秒とすることがより好ましい。
[無電解ニッケルメッキ工程]
上記触媒化工程を経た支持体11を、ニッケルメッキ浴中に浸漬させてニッケルメッキを行う。ニッケルメッキ浴としては、従来公知のものが用いられる。例えば、硫酸ニッケルを0.05M〜0.20M、次亜リン酸ナトリウムを0.10M〜0.30M、鉛イオンを0.05ppm〜0.30ppm、錯化剤を0.05M〜0.30M含有するニッケルメッキ浴が一例として挙げられる。錯化剤としては、カルボン酸類の錯化剤が好ましく用いられる。ニッケルメッキ浴の温度は、50℃〜70℃が好ましく、pHは4.0〜5.5が好ましい。pHの調整には水酸化ナトリウム、硫酸が用いられる。
なお、上記無電解ニッケルメッキの代わりに、無電解銅メッキを行ってもよい。銅メッキ浴としては、従来公知のものが用いられる。
[無電解銅メッキ工程]
上記触媒化工程を経た支持体11を、銅メッキ浴中に浸漬させて銅メッキを行う。銅メッキ浴としては、従来公知のものが用いられる。例えば、硫酸銅を0.02M〜0.10M、ホルマリンを0.10M〜0.40M、2,2’−ビピリジルを1.0ppm〜20.0ppm、界面活性剤(ポリエチレングリコール等)を50.0ppm〜500ppm、錯化剤を0.20M〜0.40M含有する銅メッキ浴が一例として挙げられる。錯化剤としては、エチレン−アミン系の錯化剤が好ましく用いられる。銅メッキ浴の温度は、50℃〜70℃が好ましく、pHは11.5〜12.5が好ましい。また、空気通気による攪拌を行うのが好ましい。pHの調整には水酸化カリウム、硫酸が用いられる。
[無電解錫メッキ工程]
上記無電解ニッケルメッキ、又は無電解銅メッキ工程を経た支持体11を、錫メッキ浴中に浸漬させて錫メッキを行うことにより、表層が金属酸化物膜13で被覆された有機膜12上に金属膜13が形成される。錫メッキ浴としては、従来公知のものが用いられる。例えば、塩化錫を0.02M〜0.20M、三塩化チタン等の還元剤を0.02M〜0.08M、クエン酸3ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム(EDTA−2Na)、ニトリロ三酢酸(NTA)等の錯化剤を0.10M〜0.50M含有する錫メッキ浴が一例として挙げられる。錫メッキ浴の温度は、45℃〜70℃が好ましく、pHは6.5〜8.5が好ましい。pHの調整には炭酸ナトリウム又はアンモニアと塩酸が用いられる。なお、錫メッキ処理は、窒素雰囲気下で行われるのが好ましい。
[電解錫メッキ工程]
なお、上記無電解錫メッキの代わりに、電解錫メッキを行ってもよい。このような錫メッキ工程としては、上記無電解ニッケルメッキ、又は無電解銅メッキ工程を経た支持体11を、錫メッキ浴中に浸漬、通電させて電解錫メッキを行うことにより、表層が金属酸化物膜13で被覆された有機膜12上に金属膜13が形成される。電解錫メッキ浴としては、従来公知のものが用いられる。例えば、レイボルド株式会社の市販メッキ液、スタータークルモ錫メッキ浴が一例として挙げられる。錫メッキ浴の温度は、10℃〜28℃が好ましく、pHは1.0〜1.5とすることが好ましい。また、適用電流密度は0.5A/dm〜6.0A/dmが好ましい。
<二次電池>
上記負極基材10は、二次電池用負極基材、特にリチウム二次電池用負極基材として好適に用いられる。リチウム二次電池は、電解液として有機溶媒及びリチウム塩を用い、負極と正極との間で行われるリチウムイオン(Li)の移動による電荷の授受により、充放電がなされる二次電池であり、出力電圧が高く、エネルギー密度が高いという利点を有する。従来のリチウム二次電池では、通常、負極として炭素、正極として遷移金属酸化物リチウム化合物が用いられていたが、近年ではさらなる高出力、高エネルギー密度を求めて負極材料の検討が進められている。負極材料は、薄膜を形成することができ、且つリチウムを可逆的に吸蔵/放出できるものであることが必要であるところ、上記負極基材10はこれらの要求を満たすため、好適に用いられる。ここで、「吸蔵」とは、リチウムを可逆的に内包したり、リチウムと可逆的に合金、固溶体等を形成したり、リチウムと可逆的に化学結合したりすることである。
上記負極基材10を、リチウム二次電池の負極材料として利用する際には、負極基材10を集電体上に積層して負極を形成することが必要である。ただし、上記支持体11が導電性を有するものであればその必要はなく、支持体11が集電体となり得る。集電体は、導電性を有するものであればよく、その材料や構造等は特に限定されない。従来一般的なリチウム二次電池に用いられる集電体が用いられる。好ましくは、上記負極基材10との密着性が良好なものである。また、リチウムと合金化しない材料であることが好ましい。具体的には、銅、ニッケル、ステンレス、モリブデン、タングステン、チタン、及びタンタルよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む材料が挙げられる。また、金属箔、不織布、三次元構造を有する金属集電体等の構造が好ましい。特に、金属箔を用いることが好ましく、具体的には、銅箔等を用いることが好ましい。集電体の厚さは特に限定されない。
一般に、集電体上に薄膜状の負極材料層を積層して形成された負極では、粒子状の負極材料を結着剤等とともに集電体上に積層した負極に比べ、内部抵抗を低減できる。即ち、上記負極基材10を集電体上に積層して形成された負極によれば、発電特性が高いリチウム二次電池が得られる。しかしながら、集電体上に薄膜状の負極材料層を積層した負極では、負極材料層と集電体との密着性が大きいため、充放電に伴う負極材料層の膨張/収縮によって、負極材料層や集電体に皺等の変形が発生するおそれがある。特に、銅箔等の延性に富んだ金属箔を集電体に用いた場合、変形の程度がより大きくなる傾向にある。このため、薄膜状の負極材料層を集電体上に単に積層するだけでは、電池としてのエネルギー密度が低下したり、充放電サイクル特性が悪化するおそれがある。
これに対して、本発明に係る上記負極基材10は、表層に金属酸化物膜13を有する有機膜12上に金属膜14が積層された構造を有するため、リチウムの吸蔵/放出に伴って金属膜14が膨張/収縮することにより生ずる応力は、有機膜12及び金属酸化物膜13の緩衝作用により緩和される。このため、充放電時に生ずる応力の増大を抑制することができる結果、負極基材や集電体における皺等の変形の発生を抑制できる。ひいては、負極基材の亀裂や集電体からの剥離を抑制できる。即ち、上記負極基材10を集電体上に積層して形成された負極によれば、高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池が得られる。
なお、負極以外の構成については特に限定されず、従来公知のリチウム二次電池と同様の構成でよい。具体的には、リチウムを可逆的に吸蔵/放出できる正極、リチウム伝導性を有する電解質から主に構成される。電解質は、必要によりセパレータによって保持され、セパレータに保持された状態で負極及び正極と接触し、リチウムの交換が行われる。
正極は、リチウムを可逆的に吸蔵/放出できる限り特に限定されず、リチウム二次電池に一般的に用いられる正極が用いられる。具体的には、集電体上に正極材料層を積層した正極を用いればよい。例えば、正極材料と導電剤、結着剤とを分散溶媒中に分散させてスラリー状とし、集電体上に塗布した後に乾燥させることにより形成される。集電体、正極材料層の厚さは特に限定されず、電池設計容量等に応じて任意に設定される。
正極材料も特に限定されず、リチウムと遷移元素とを含む酸化物等の従来公知のものが用いられる。具体的には、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiCo0.5Ni0.5等が用いられる。導電剤は、電気伝導性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛粉末等が用いられる。結着剤は、正極を形成した後に正極材料層の形状を保持できるものであれば特に限定されず、ゴム系結着剤や、フッ素樹脂等の樹脂系結着剤が用いられる。
セパレータは、リチウム伝導性を有する電解質を保持することができ、負極と正極との間の電気的な絶縁を保つことができるものであればよく、その材料や構造等は特に限定されない。例えば、多孔質ポリプロピレン薄膜、多孔質ポリエチレン薄膜等の多孔質性樹脂薄膜や、ポリオレフィン等を含む樹脂製不織布等が用いられる。
電解質は、リチウム伝導性を有するものであればよく、特に限定されない。例えば、リチウムを含む電解質を非水溶媒に溶解させた非水電解質溶液が用いられる。リチウムを含む電解質としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等のリチウム塩が用いられる。非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等、又はこれら非水溶媒の混合溶媒が用いられる。非水電解質溶液の濃度は特に限定されず、いわゆるポリマー電解質や固体電解質等を用いてもよい。
本発明に係る上記負極基材10を負極として利用したリチウム二次電池は、コイン形、円筒形、角形、あるいは平板形の電池等の様々な形状とすることができる。また、その容量も特に限定されず、精密機器等に用いる小型の電池からハイブリッド自動車等に用いる大型の電池にまで適用できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例〕
多官能ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂である「エピコート157S70(商品名:ジャパンエポキシレジン社製)」100質量部、ジフェニル〔4−(フェニルチオ)フェニル〕スルホニウムヘキサフルオロフォスフェートとチオジ−p−フェニレンビス(ジフェニルスルホニウム)ビス(ヘキサフルオロホスフェート)の混合物である「UVI−6992(商品名:ダウケミカル社製)」5質量部、1,5−ジヒドロキシナフタレン5質量部、及びγ−ブチロラクトン43質量部を混合してネガ型ホトレジスト組成物を調整した。
このネガ型レジスト組成物をシリコンウエハ上にスピンコーターで塗布後、乾燥し、20μmの膜厚を有する感光性樹脂組成物層を得た。このネガ型レジスト組成物層をホットプレートにより60℃で5分及び90℃で5分プリベークした。その後、PLA−501F(コンタクトアライナー:キャノン社製)を用いてパターン露光(ソフトコンタクト、GHI線)を行い、ホットプレートにより90℃で5分、露光後加熱(PEB)を行い、PGMEAを用いて浸漬法により4分現像処理を行った。次に、現像後の樹脂パターンを基板ごと、オーブンを用いて、200℃で1時間、ポストベークを行い、シリコンウエハ上に幅10μm(ピッチ20μm)のピラー形状のホトレジストパターン1を得た。
さらに、下記構造式(z1)で表される化合物(K−1S(商品名):サンアプロ社製)1質量部、下記構造式(z2)で表わされる酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂40質量部、m−クレゾールとp−クレゾールとをホルムアルデヒドと酸触媒の存在下で付加縮合して得たノボラック樹脂60質量部、及び1,5−ジヒドロキシナフタレン1質量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに均一に溶解させ、孔径1μmのメンブレンフィルターを通して濾過し、固形分質量濃度40質量%のポジ型ホトレジスト組成物を調整し、上記ネガ型ホトレジスト組成物のパターン形成と同様の手法にて、シリコンウエハ上に幅10μm(ピッチ20μm)のピラー形状のホトレジストパターン2を得た。
Figure 2008153035
他方、p−メンタンに、テトライソシアネートシラン(Si(NCO))を100mMとなるよう溶解して、金属酸化物膜形成材料を調製した。この金属酸化物膜形成材料を、前記ホトレジストパターン1及び2の上に、スピンコート(100rpmで10秒間)で均一に塗布した後、p−メンタンで洗浄(500rpmで10秒間)を行い、さらに、2000rpmで10秒間、3000rpmで10秒間の振り切り乾燥を行った。
その結果、ホトレジストパターン1及び2の表面に均一な被覆層(シリコン酸化物膜(SiO))が形成された。この被覆層は、膜厚がおよそ1nmの超薄膜であった。
前記ホトレジストパターン1及び2上にシリコン酸化物膜が形成されたシリコンウエハを、リン酸ナトリウム溶液中に60秒間浸漬して洗浄処理を行った。続いて、上記洗浄工程を経たシリコンウエハを、0.05g/dmの塩化錫(SnCl)水溶液中に60秒間浸漬させ、さらに、0.05g/dmの塩化パラジウム(PdCl)水溶液中に60秒間浸漬させることにより、触媒化工程を行った。
次いで、上記触媒化工程を経たシリコンウエハを、硫酸ニッケル0.20M、次亜リン酸ナトリウム0.30M、鉛イオン0.30ppm、カルボン酸類の錯化剤0.30Mからなるニッケルメッキ浴中に浸漬させてニッケルメッキ処理を行った。なお、このときのニッケルメッキ浴の温度は70℃とし、pHは5.5に調整した。
さらに、上記無電解ニッケルメッキ工程を経たシリコンウエハを、塩化錫を0.20M、三塩化チタン等の還元剤を0.08M、クエン酸3ナトリウム0.50Mからなる錫メッキ浴中に浸漬させて錫メッキ処理を行った。なお、このときの錫メッキ浴の温度は70℃とし、pHは8.5に調整した。
上記実施例にて得られたホトレジストパターン1を有する負極基材(以下、実施例1とする)、及びホトレジストパターン2を有する負極基材(以下、実施例2とする)を用い、以下の手法で非水電解液二次電池を作製した。この電池の1〜3サイクル後の放電容量を以下の方法で測定した。結果を以下の表1に示す。
実施例で得た各負極基材を作用極とし、対極(正極)としてLiCoOを用い、両極を、セパレーターを介して対向させた。非水電解液としてLiPF6/エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合液(1:1容量比)を用いて常法により非水電解液二次電池を作製した。この非水電解液二次電池は、正極と負極との容量比は1:1であった。
1〜3サイクル後の各放電容量として単位容積当たりの放電容量(mAh/cm)を測定した。単位容積当たりの放電容量は、負極の体積を基準とした。但し、充電時の負極の膨張は考慮しなかった。
Figure 2008153035
上記負極基材に対して、実施例の錫メッキ処理を施した負極基材の表面積は、平面状にメッキ処理を施した場合の約190%であった。
本発明に係る負極基材によれば、高い出力電圧と高いエネルギー密度を有し、且つ充放電サイクル特性に優れた電池の実現が可能であり、例えば、携帯機器等に用いる小型の電池から、ハイブリッド自動車等に用いる大型の電池まで、容量を問わず、各種用途に用いることができる。
本発明に係る負極基材の模式図である。
符号の説明
10 負極基材
11 支持体
12 有機膜
13 金属酸化物膜
14 金属膜

Claims (20)

  1. 表層を金属酸化物膜で被覆した有機膜を備えた支持体に金属膜を形成してなることを特徴とする負極基材。
  2. 前記有機膜が、ホトレジスト膜であることを特徴とする請求項1に記載の負極基材。
  3. 前記有機膜が、パターン露光により所定形状にパターン化されたホトレジストパターンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の負極基材。
  4. 前記ホトレジスパターンが、アスペクト比0.1以上のホトレジストパターンであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の負極基材。
  5. 前記ホトレジスト膜が、活性光線又は放射線照射により酸を発生する酸発生剤成分、及び酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂成分を含有するポジ型ホトレジスト組成物により形成されたものであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の負極基材。
  6. 前記ホトレジスト膜が、ラジカル重合開始剤、及び多官能エポキシ樹脂を含有するネガ型ホトレジスト組成物により形成されたものであることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の負極基材。
  7. 前記金属酸化物膜が、シリカ系被膜であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の負極基材。
  8. 前記金属酸化物膜が、加水分解により水酸基を生成し得る金属化合物と、この金属化合物を溶解し且つこの金属化合物と反応する官能基を有さない溶剤とを含有するシリカ系被膜形成材料より形成される金属酸化物膜であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の負極基材。
  9. 前記金属膜が、メッキ処理により形成される金属膜であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の負極基材。
  10. 前記メッキ処理が、無電解銅メッキ処理、無電解ニッケルメッキ処理、無電解錫メッキ処理、及び電解錫メッキ処理よりなる群から選ばれた少なくとも1種のメッキ処理であることを特徴とする請求項9に記載の負極基材。
  11. 前記メッキ処理が、無電解銅メッキ処理及び無電解ニッケルメッキ処理のうち少なくとも1種のメッキ処理と、無電解錫メッキ処理及び電解錫メッキ処理のうち少なくとも1種のメッキ処理とを含む多段階メッキ処理であることを特徴とする請求項9又は10に記載の負極基材。
  12. 前記負極基材が、二次電池用負極基材であることを特徴とする請求項1から11いずれか1項に記載の負極基材。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の負極基材と、電解質溶液と、この電解質溶液を吸蔵及び放出できる正極基材とを含むことを特徴とする二次電池。
  14. 請求項2から12のいずれか1項に記載の負極基材を形成するためのホトレジスト組成物であって、
    活性光線又は放射線照射により酸を発生する化合物、及び酸の作用によりアルカリに対する溶解性が増大する樹脂成分を含有するポジ型ホトレジスト組成物であることを特徴とするホトレジスト組成物。
  15. 請求項2から12のいずれか1項に記載の負極基材を形成するためのホトレジスト組成物であって、
    ラジカル重合開始剤、及び多官能エポキシ樹脂を含有するネガ型ホトレジスト組成物であることを特徴とするホトレジスト組成物。
  16. 請求項1から11のいずれか1項に記載の負極基材を形成するための金属酸化物膜形成材料であって、
    加水分解により水酸基を生成し得る金属化合物と、この金属化合物を溶解し且つこの金属化合物と反応する官能基を有さない溶剤とを含有することを特徴とする金属酸化物膜形成材料。
  17. 前記溶剤が、下記一般式(1)で表される化合物である請求項16記載の金属酸化物膜形成材料。
    Figure 2008153035
    [式(1)中、R21〜R23はそれぞれ独立に水素原子、又は直鎖状若しくは分岐状のアルキル基であって、R21〜R23のうち少なくとも2つはアルキル基であり、このアルキル基は、シクロヘキサン環における該アルキル基が結合した炭素原子以外の炭素原子と結合して環を形成していてもよい。]
  18. 前記溶剤が、p−メンタンである請求項16又は17に記載の金属酸化物膜形成材料。
  19. 前記金属化合物が、イソシアネート基及び/又はハロゲン原子を2個以上有するケイ素化合物である請求項16から18のいずれか1項に記載の金属酸化物膜形成材料。
  20. 負極基材の製造方法であって、
    (i)支持体上に、有機膜を形成する工程と、
    (ii)前記有機膜上に、金属酸化物膜を形成する工程と、
    (iii)前記金属酸化物膜上に、メッキ処理により金属膜を形成するメッキ処理工程と、を含むことを特徴とする負極基材の製造方法。
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