JP2008153002A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムにおいて、酸化ガスマニホールドの入口付近の酸化ガス入口温度を検知し、この酸化ガス入口温度に基づいて酸化ガスの加湿量を制御することにより、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができる。
【選択図】図6
【解決手段】燃料電池システムにおいて、酸化ガスマニホールドの入口付近の酸化ガス入口温度を検知し、この酸化ガス入口温度に基づいて酸化ガスの加湿量を制御することにより、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法に関する。
環境問題や資源問題への対策の一つとして、酸素や空気等の酸化ガスと、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等とを原料として電気化学反応により化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する燃料電池が注目されている。この燃料電池は、発電に使用される原料のガスや液体燃料が豊富に存在すること、また、その発電原理より排出される物質が水であること等より、クリーンなエネルギー源として様々な検討がされている。
単位燃料電池(単セル)は、電解質膜の一方の面に燃料極(アノード触媒層)と、もう一方の面に空気極(カソード触媒層)とが電解質膜を挟んで対向するように設けられた膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)をセパレータ等のセパレータで挟んだものから形成される。単セルは複数積層されて燃料電池スタックとされる。図9に燃料電池の単セル100の一例の概略上面図を示す。セパレータ102には、流体流路が形成され、発電領域104に、MEA対向面に燃料ガス流路、酸化ガス流路、MEA対向面と反対側面に冷媒流路が形成され、非発電領域106に、燃料ガスマニホールド110、酸化ガスマニホールド112、冷媒マニホールド108が形成されている。燃料ガスが燃料ガスマニホールド110、燃料ガス流路に流され、酸化ガスが酸化ガスマニホールド112、酸化ガス流路に流され、冷媒が冷媒マニホールド108、冷媒流路に流される。流体流路はまわりから接着剤またはガスケット等のシール材によって外部からシールされる。また、隣接する単セルは、セパレータ間を接着剤またはガスケット等のシール材によってシールされる。
燃料電池システムにおいて、イオン伝導性を維持するために、電解質膜を適度に加湿しておく必要がある。従って、通常燃料ガス及び酸化ガスのうち少なくとも1つを加湿するために加湿器が設けられている。しかし、燃料電池が氷点下等の低温環境下に置かれた場合、加湿された酸化ガス等に含まれる水分(加湿水)及び生成水等が各セル内で凍結することがある。
そこで、例えば、特許文献1には、ガス出口温度または燃料電池のスタック温度を検出し、この検出温度が低下したときに加湿器の供給水量を減少させるように制御することが記載されている。
一方、セル内での水分等の凍結を防止するためではないが、特許文献2には、加湿器と燃料電池とを連結する配管内での加湿水の結露を防止するために、この配管内に温度センサを設置し、温度センサが検出した温度に基づいて加湿制御することが記載されている。また、特許文献3には、燃料電池内部での乾燥(加湿不足)を防止するために燃料電池の空気(酸化ガス)出口温度と冷却液出口温度との差が大きい場合に加湿量を増やすように、燃料電池内部の加湿を制御することが記載されている。また、特許文献4には、燃料電池スタックの端部に温度検出手段を設置し、燃料電池の暖気時間を短縮することが記載されている。また、特許文献5には、リン酸型燃料電池のマニホールド内の温度を検出する熱電対を設け、その測定結果に基づき、リン酸の凝集を防止することが記載されている。さらに、特許文献6には、燃料電池スタック内の各単セル間の温度差が生じる部分での加湿量の差が生じないように制御することが記載されている。
氷点下等の低温環境下において燃料電池の暖機運転を行うと、図9で示す発電領域104では発熱のため温度が上昇するが、非発電領域106にあるマニホールドでは発熱がないため温度がほとんど上昇しない。特に発電領域104から離れ、外気に近いセルの外周部(例えば、図9の斜線部)は温度が低い。その状態で例えば酸化ガスマニホールド112に加湿された酸化ガスが流されると、酸化ガスマニホールド112の入口内壁の特に温度が低いセル外周側114で加湿水等が結露し、燃料電池が再び氷点下環境下に置かれると、酸化ガスマニホールド112の内壁でその結露した水が凍結し氷が形成される。燃料電池を氷点下にて始動する際の急速暖機運転では燃料電池スタックが熱膨張するが、ガスケットはこの熱膨張に追従する必要がある。しかし、生成した氷によりガスケットのゴム弾性が阻害され、シール性が低下し、ガスリークが発生するという問題があった。
しかし、特許文献1の制御方法では、ガス出口温度または燃料電池のスタック温度を検出しているため、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができない。
一方、特許文献2の方法は、加湿器と燃料電池とを連結する配管内での加湿水の結露を防止するものであり、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができない。特許文献3の方法は、空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きい場合に加湿量を増やすように加湿を制御するものであり、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができない。また、特許文献4〜6の方法でも、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができない。
本発明は、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することできる燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法である。
本発明は、膜電極接合体及びセパレータを備える単セルを積層し、前記単セルに酸化ガスを供給、排出するための酸化ガスマニホールドを備えた燃料電池と、前記単セルに酸化ガスを供給、排出するための酸化ガスマニホールドと、前記酸化ガスを加湿する加湿手段と、前記酸化ガスマニホールドの入口付近に備えた酸化ガス入口温度検知手段と、前記酸化ガス入口温度検知手段が検知した酸化ガス入口温度T1に基づいて前記加湿量を制御する制御手段と、を有する燃料電池システムである。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記単セルに冷媒を供給、排出するための冷媒マニホールドと、前記冷媒マニホールドの出口付近に備えた冷媒出口温度検知手段と、を有し、前記酸化ガス入口温度T1及び前記冷媒出口温度検知手段が検知した冷媒出口温度T2に基づいて前記加湿量を制御することが好ましい。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記T2と前記T1との差が予め設定した基準温度差α(℃)より大きい場合に、前記加湿量を減らすように制御することが好ましい。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記加湿手段と前記酸化ガスマニホールドとを連結する配管と、前記加湿手段をバイパスするパイパス配管と、前記バイパス配管の開閉を行う開閉手段と、を有し、前記開閉手段の開閉を制御することにより、前記加湿量を制御することが好ましい。
また、本発明は、膜電極接合体及びセパレータを備える単セルを積層した燃料電池を含む燃料電池システムの制御方法であって、前記単セルに酸化ガスを供給、排出するための酸化ガスマニホールドの入口付近の酸化ガス入口温度T1を検知し、前記酸化ガス入口温度T1に基づいて前記酸化ガスの加湿量を制御する。
また、前記燃料電池システムの制御方法において、前記単セルに冷媒を供給、排出するための冷媒マニホールドの出口付近の冷媒出口温度T2を検知し、前記酸化ガス入口温度T1及び前記冷媒出口温度T2に基づいて前記加湿量を制御することが好ましい。
また、前記燃料電池システムの制御方法において、前記T2と前記T1との差が予め設定した基準温度差α(℃)より大きい場合に、前記加湿量を減らすように制御することが好ましい。
本発明では、燃料電池システムにおいて、酸化ガスマニホールドの入口付近の酸化ガス入口温度を検知し、この酸化ガス入口温度に基づいて酸化ガスの加湿量を制御することにより、マニホールドにおける加湿水等の凍結を防止することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る燃料電池システムの一例の概略を図1に示す。燃料電池システム1は、燃料電池10と、加湿手段である加湿器12と、酸化ガス入口温度検知手段である入口温度センサ14と、制御手段である制御部16と、加湿手段をバイパスするバイパス配管20と、バイパス配管20の開閉を行う開閉手段であるバイパスバルブ22とを備える。
本実施形態に係る燃料電池システム1において、加湿器12の空気入口24には配管25によりバルブ27を介してエアコンプレッサ23の吐出側が接続されている。加湿器12の加湿空気出口26と燃料電池10の酸化ガスマニホールド入口30とは配管28で接続され、燃料電池10の酸化ガスマニホールド出口32と加湿器12の加湿空気入口36とは配管34で接続されている。加湿器12の空気出口38には配管40が接続されている。また、配管25のエアコンプレッサ23とバルブ27との間と、配管28の加湿器12と燃料電池10との間にはバイパス配管20が接続され、バイパス配管20の途中にはバイパスバルブ22が備えられている。さらに、燃料電池10の酸化ガスマニホールド入口30付近には入口温度センサ14が設置されている。また、入口温度センサ14、バイパスバルブ22及びバルブ27はそれぞれ制御部16に接続されている。
図2に、本実施形態に係る固体高分子電解質型の燃料電池10の一例の概略側面図を示す。また、図3に、本実施形態に係る燃料電池10における単セル42の一例の概略断面図を示す。図2における各単セル42は、図3に示すようにMEA72と、セパレータ74との積層体から構成される。本例におけるセパレータ74は金属製セパレータ(メタルセパレータ)であるが、焼成カーボン等のカーボン系材料等で構成されるセパレータであってもよい。
図3に示すように、MEA72は、電解質膜58と、電解質膜58の一方の表面に配置された触媒層60を含む燃料極(アノード)64と、電解質膜58の他方の表面に配置された触媒層66を含む空気極(カソード)70とから構成される。触媒層60及び66とセパレータ74との間には、通気性を有するガス拡散層62,68がアノード側、カソード側にそれぞれ設けられる。セパレータ74には、MEA72のアノード側に燃料ガス(通常は水素)を供給するための燃料ガス流路78が形成され、MEA72のカソード側に酸化ガス(酸素、通常は空気)を供給するための酸化ガス流路80が形成されている。また、セパレータ74には冷媒(通常は冷却水)を流すための冷媒流路76も形成されている。
MEA72とMEA72の拡散層62,68の両外側を挟持するセパレータ74とを重ねて単セル42を構成し、図2のように、単セル42を積層してセル積層体44とし、セル積層体44のセル積層方向両端に、ターミナル46、インシュレータ48、エンドプレート50を配置し、セル積層体44をセル積層方向に締め付け、セル積層体44の外側でセル積層方向に延びる締結部材(例えば、テンションプレート)52、ボルト・ナット54等にて固定して、燃料電池スタック56を構成する。なお、セル積層体44における単セル42の積層数は1層以上であれば良く特に制限はない。
図4に単セル42の一例の上面概略図を示す。単セル42は、中央部にガス流路と冷媒流路と電極が存在し発電を行う発電領域82を有し、その周囲に位置し発電を行わない非発電領域84を有する。図5に単セル42を分解した概略斜視図を示すように、単セル42において、MEA72とセパレータ74との間で、非発電領域84の部位に、枠状の(発電領域82に対応する領域が中抜きされた)樹脂フレーム92が設けられており、MEA72は2枚の樹脂フレーム92で挟まれ、その2枚の樹脂フレーム92が2枚のセパレータ74で挟まれる。セパレータ74と樹脂フレーム92には、非発電領域84において、燃料ガスマニホールド88、酸化ガスマニホールド90、冷媒マニホールド86がそれぞれ形成されている。なお、非発電領域84における燃料ガスマニホールド88、酸化ガスマニホールド90及び冷媒マニホールド86の配置位置は、図4,5の位置に限定されるものではない。
図4,5の燃料ガスマニホールド88は図3の燃料ガス流路78と連通しており、酸化ガスマニホールド90は酸化ガス流路80と連通しており、冷媒マニホールド86は冷媒流路76と連通している。マニホールド88、90、86と発電領域の流体流路78、80、76は、それぞれ図示しない連通路を介して、連通しており、連通路にも流体が流れる。通常、単セル42において、冷媒流路76、燃料ガス流路78及び酸化ガス流路80は、複数個並列に形成される。
図5において、MEA72を挟んだ一対の樹脂フレーム92間は接着剤等を用いた接着層によりシールされる。一方、セパレータ74は、接着剤等を用いた接着層により樹脂フレーム92とシールされる。隣接する単セル42間は、ガスケット等によりシールされる。ガスケットは燃料ガスマニホールド88、酸化ガスマニホールド90及び冷媒マニホールド86を流れる各種流体(燃料ガス、酸化ガス、冷媒)を相互にかつ外部から分離した状態で、これらの流体をシールする。ガスケットは、発電領域82(流体流路78,80,76の存在する領域)まわり、および連通路を除いてマニホールド88,90,86まわりに、配置される。シール材としてガスケットを使用することにより、容易に単セル42の取り外し分解が可能となる。
図1の本実施形態に係る燃料電池システム1において、エアコンプレッサ23により吐出された乾燥空気(酸化ガス)は、バルブ27が「開」状態、バイパスバルブ22が「閉」状態の場合には、配管25を通り加湿器12に導入され、燃料電池10から排出された加湿空気との水交換により加湿される。加湿器において加湿された加湿空気は、加湿空気出口26から配管28を通って燃料電池10の酸化ガスマニホールド入口30から図4の酸化ガスマニホールド90を通り、図3の各単セル42の酸化ガス流路80へ供給される。その後、生成水等を含んだ加湿空気は酸化ガス流路80、酸化ガスマニホールド90を通り、図1の酸化ガスマニホールド出口32から排出され、配管34を通り、加湿空気入口36から加湿器12に導入される。加湿空気は加湿器12において乾燥空気と水交換され、空気出口38から配管40を通って、外部へ放出される。一方、乾燥空気(酸化ガス)は、バルブ27が「閉」状態、バイパスバルブ22が「開」状態の場合には、バイパス配管20を通り、加湿器12を経ずに燃料電池10に導入される。
図3に示す各単セル42において、例えば、燃料極64に供給する燃料ガスを水素ガス、空気極70に供給する酸化ガスを空気として運転した場合、燃料極64の触媒層60において、
2H2 → 4H++4e−
で示される反応式(水素酸化反応)を経て、水素ガス(H2)から水素イオン(H+)と電子(e−)とが発生する。電子(e−)は拡散層62から外部回路を通り、空気極70の拡散層68から触媒層66に到達する。触媒層66において、供給される空気中の酸素(O2)と、電解質膜58を通過した水素イオン(H+)と、外部回路を通じて触媒層66に到達した電子(e−)により、
4H++O2+4e− → 2H2O
で示される反応式(酸素還元反応)を経て、水が生成する。このように燃料極64及び空気極70において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。そして、一連の反応において排出される成分は水であるので、クリーンな電池が構成されることになる。
2H2 → 4H++4e−
で示される反応式(水素酸化反応)を経て、水素ガス(H2)から水素イオン(H+)と電子(e−)とが発生する。電子(e−)は拡散層62から外部回路を通り、空気極70の拡散層68から触媒層66に到達する。触媒層66において、供給される空気中の酸素(O2)と、電解質膜58を通過した水素イオン(H+)と、外部回路を通じて触媒層66に到達した電子(e−)により、
4H++O2+4e− → 2H2O
で示される反応式(酸素還元反応)を経て、水が生成する。このように燃料極64及び空気極70において化学反応が起こり、電荷が発生して電池として機能することになる。そして、一連の反応において排出される成分は水であるので、クリーンな電池が構成されることになる。
本実施形態に係る燃料電池システムの制御方法について説明する。図6に、本実施形態に係る燃料電池システムの制御方法の一例のフローチャートを示す。
例えば、燃料電池システムの起動時にまず、酸化ガスマニホールド入口30付近の酸化ガス入口温度T1(℃)を検知する(S10)。
制御部16は、酸化ガス入口温度T1(℃)が予め設定した基準温度T(℃)より低い場合には、バルブ27を「閉」状態、バイパスバルブ22を「開」状態とし、加湿を行わないように制御する(S12)。再びステップS10でT1を検知し、T1≧Tとなった場合は、ステップS14でバルブ27を「開」状態、バイパスバルブ22を「閉」状態とし、加湿を行う。再びT1<Tとなった場合は、バルブ27の「閉」状態、バイパスバルブ22の「開」状態を続け、加湿を行わないように制御する。
一方、T1の値が予め設定した基準温度T(℃)以上であった場合には、バルブ27を「開」状態、バイパスバルブ22を「閉」状態とし、加湿を行うように制御する(S14)。このように、制御部16は、酸化ガス入口温度T1に基づいて加湿器12による加湿量を制御する。ここでは、酸化ガス入口温度T1が基準温度Tより低い場合に加湿を行わないように制御している。
制御部16によるバルブ27及びバイパスバルブ22の制御は、単なる「開」状態及び「閉」状態の制御(すなわち加湿のON/OFF制御)だけではなく、各バルブの流量を調整して、加湿量を制御しても良い。すなわち、酸化ガス入口温度T1が低い場合には酸化ガス入口温度T1が高い場合よりも酸化ガスの加湿量を減らすように制御する。この場合、T1の値と必要な加湿量との関係を予めマップ化しておくことが好ましい。
また、本実施形態において、バイパス配管20、バイパスバルブ22、バルブ27を設けずに、制御部16により直接加湿器12のON/OFFや加湿器12における加湿量の調整を制御しても良い。
氷点下等の低温環境下において燃料電池の暖機運転を行うと、発電時には燃料電池スタック56の発電領域82は昇温しやすく、非発電領域84、特に燃料ガスマニホールド88及び酸化ガスマニホールド90は昇温しにくい。その状態で例えば酸化ガスマニホールド90に加湿された酸化ガスが流されると、酸化ガスマニホールド90の入口内壁の特に温度が低いセル外周側で、加湿された酸化ガスに含まれる水分(加湿水)や生成水等の液体水や水蒸気等の結露が誘発される。そして燃料電池が再び氷点下等の低温環境下に置かれた場合、結露した水分がマニホールド内壁面で凍ってしまうことがある。そこで、本実施形態では、酸化ガスマニホールド入口30付近の酸化ガス入口温度T1を検知し、この酸化ガス入口温度T1に基づいて、例えばこの酸化ガス入口温度T1が予め設定した基準温度より低い場合に、酸化ガス入口温度が高い場合よりも酸化ガスの加湿量を減らすように制御することにより、マニホールド壁面での結露、低温時のマニホールドでの氷の生成を抑制することができる。また、燃料電池を氷点下にて始動する際の急速暖機運転では燃料電池スタックが熱膨張するが、氷の形成が抑制されるため、ガスケットがこの熱膨張に追従することができ、燃料電池のシール性を向上させることができる。例えば、酸化ガスマニホールド入口30の壁面温度が基準温度以上となるまでは、酸化ガスを加湿せずに、または加湿量を減らして供給するように制御すればよい。
ここで、エンドプレート50の酸化ガスマニホールド入口30付近の酸化ガス入口温度は、氷点下等の低温環境下での暖気運転時における燃料電池スタック56の温度が比較的低い部分の温度を示す。したがって、酸化ガス入口温度を検知し、その温度に基づいて加湿量を制御することにより結露を防止することができる。一方、酸化ガスマニホールド出口付近の酸化ガス出口温度に基づいて制御する方法では、結露を防止することができない。
基準温度T(℃)は、予め決めておけばよく特に制限はない。
本実施形態において、燃料ガスを加湿する場合には、燃料ガスマニホールド入口付近にも温度センサ等の燃料ガス入口温度検知手段を設置して、検知した温度(燃料ガス入口温度)及び酸化ガス入口温度に基づいて加湿量を制御しても良い。
本実施形態に係る燃料電池システムの他の例の概略を図7に示す。燃料電池システム3は、燃料電池10と、加湿器12と、酸化ガス入口温度検知手段である入口温度センサ14と、制御部16と、冷媒出口温度検知手段である出口温度センサ18と、加湿手段をバイパスするバイパス配管20と、バイパス配管20の開閉を行う開閉手段であるバイパスバルブ22とを備える。
本実施形態に係る燃料電池システム3では、上記燃料電池システム1にさらに燃料電池10の冷媒マニホールド出口(図示せず)付近に出口温度センサ18が設置されている。また、入口温度センサ14、出口温度センサ18、バイパスバルブ22及びバルブ27はそれぞれ制御部16に接続されている。
本実施形態に係る燃料電池システムの制御方法について説明する。図8に、本実施形態に係る燃料電池システムの制御方法の一例のフローチャートを示す。
例えば、燃料電池システムの起動時にまず、酸化ガスマニホールド入口30付近の酸化ガス入口温度T1(℃)、及び冷媒マニホールド86の出口付近の冷媒出口温度T2(℃)を検知する(S20)。
制御部16は、[冷媒出口温度T2(℃)]−[酸化ガス入口温度T1(℃)]を算出し、その値が予め設定した基準温度差α(℃)より大きい場合には、バルブ27を「閉」状態、バイパスバルブ22を「開」状態とし、加湿を行わないように制御する(S22)。再びステップS20でT1及びT2を検知し、(T2−T1)≦αとなった場合は、ステップS24でバルブ27を「開」状態、バイパスバルブ22を「閉」状態とし、加湿を行う。再び(T2−T1)>αとなった場合は、バルブ27の「閉」状態、バイパスバルブ22の「開」状態を続け、加湿を行わないように制御する。
一方、(T2−T1)値が予め設定した基準温度差α(℃)以下であった場合には、バルブ27を「開」状態、バイパスバルブ22を「閉」状態とし、加湿を行うように制御する(S24)。このように、制御部16は、酸化ガス入口温度T1及び冷媒出口温度T2に基づいて加湿器12による加湿量を制御する。ここでは、(T2−T1)値が基準温度差αより大きい場合に加湿を行わないように制御している。
制御部16によるバルブ27及びバイパスバルブ22の制御は、単なる「開」状態及び「閉」状態の制御(すなわち加湿のON/OFF制御)だけではなく、各バルブの流量を調整して、加湿量を制御しても良い。すなわち、(T2−T1)が大きい場合には(T2−T1)が小さい場合よりも酸化ガスの加湿量を減らすように制御する。この場合、(T2−T1)の値と必要な加湿量との関係を予めマップ化しておくことが好ましい。
また、本実施形態において、バイパス配管20、バイパスバルブ22、バルブ27を設けずに、制御部16により直接加湿器12のON/OFFや加湿器12における加湿量の調整を制御しても良い。
本実施形態では、酸化ガスマニホールド入口30付近の酸化ガス入口温度T1及び冷媒マニホールド86の出口付近の冷媒出口温度T2を検知し、この酸化ガス入口温度T1及び冷媒出口温度T2に基づいて、例えば(T2−T1)値が予め設定した基準温度差αより大きい場合に、(T2−T1)値が小さい場合よりも酸化ガスの加湿量を減らすように制御することにより、マニホールド壁面での結露、低温時のマニホールドでの氷の生成を抑制することができる。また、燃料電池を氷点下にて始動する際の急速暖機運転では燃料電池スタックが熱膨張するが、氷の形成が抑制されるため、ガスケットがこの熱膨張に追従することができ、燃料電池のシール性を向上させることができる。例えば、(T2−T1)値が基準温度差以下となるまでは、酸化ガスを加湿せずに、または加湿量を減らして供給するように制御すればよい。
ここで、エンドプレート50の酸化ガスマニホールド入口30付近の酸化ガス入口温度は、氷点下等の低温環境下での暖気運転時における燃料電池スタック56の温度が比較的低い部分の温度を示す。また、冷媒マニホールド86の出口付近の冷媒出口温度は、燃料電池スタック56から排出される酸化ガス等の温度を示し、これに基づいて排出される酸化ガス等の湿度を判断することができる。したがって、酸化ガス入口温度及び冷媒出口温度を検知し、それらの温度に基づいて加湿量を制御することにより結露を防止することができる。一方、上記の通り、酸化ガス出口温度に基づいて制御する方法では結露を防止することができない。
基準温度差α(℃)は、予め決めておけばよく特に制限はない。
本実施形態において、燃料ガスを加湿する場合には、燃料ガスマニホールド入口付近にも温度センサ等の燃料ガス入口温度検知手段を設置して、検知した温度(燃料ガス入口温度)、酸化ガス入口温度及び冷媒出口温度に基づいて加湿量を制御しても良い。
以上の燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法により、低温時のマニホールドでの氷の生成を抑制することができる。また、燃料電池のシール性を向上させることができる。
本実施形態に係る燃料電池システムは、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として用いることができる。
1,3 燃料電池システム、10 燃料電池、12 加湿器、14 入口温度センサ、16 制御部、18 出口温度センサ、20 バイパス配管、22 バイパスバルブ、23 エアコンプレッサ、24 空気入口、25,28,34,40 配管、26 加湿空気出口、27 バルブ、30 酸化ガスマニホールド入口、32 酸化ガスマニホールド出口、36 加湿空気入口、38 空気出口、42,100 単セル、44 セル積層体、46 ターミナル、48 インシュレータ、50 エンドプレート、52 締結部材、54 ボルト・ナット、56 燃料電池スタック、58 電解質膜、60,66 触媒層、62,68 拡散層、64 燃料極(アノード)、70 空気極(カソード)、72 MEA、74,102 セパレータ、76 冷媒流路(冷却水流路)、78 燃料ガス流路、80 酸化ガス流路、82,104 発電領域、84,106 非発電領域、86,108 冷媒マニホールド、88,110 燃料ガスマニホールド、90,112 酸化ガスマニホールド、92 樹脂フレーム。
Claims (7)
- 膜電極接合体及びセパレータを備える単セルを積層し、前記単セルに酸化ガスを供給、排出するための酸化ガスマニホールドを備えた燃料電池と、
前記酸化ガスを加湿する加湿手段と、
前記酸化ガスマニホールドの入口付近に備えた酸化ガス入口温度検知手段と、
前記酸化ガス入口温度検知手段が検知した酸化ガス入口温度T1に基づいて前記加湿量を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記単セルに冷媒を供給、排出するための冷媒マニホールドと、
前記冷媒マニホールドの出口付近に備えた冷媒出口温度検知手段と、
を有し、
前記酸化ガス入口温度T1及び前記冷媒出口温度検知手段が検知した冷媒出口温度T2に基づいて前記加湿量を制御することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記T2と前記T1との差が予め設定した基準温度差α(℃)より大きい場合に、前記加湿量を減らすように制御することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記加湿手段と前記酸化ガスマニホールドとを連結する配管と、
前記加湿手段をバイパスするパイパス配管と、
前記バイパス配管の開閉を行う開閉手段と、
を有し、
前記開閉手段の開閉を制御することにより、前記加湿量を制御することを特徴とする燃料電池システム。 - 膜電極接合体及びセパレータを備える単セルを積層した燃料電池を含む燃料電池システムの制御方法であって、
前記単セルに酸化ガスを供給、排出するための酸化ガスマニホールドの入口付近の酸化ガス入口温度T1を検知し、
前記酸化ガス入口温度T1に基づいて前記酸化ガスの加湿量を制御することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項5に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
前記単セルに冷媒を供給、排出するための冷媒マニホールドの出口付近の冷媒出口温度T2を検知し、
前記酸化ガス入口温度T1及び前記冷媒出口温度T2に基づいて前記加湿量を制御することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。 - 請求項6に記載の燃料電池システムの制御方法であって、
前記T2と前記T1との差が予め設定した基準温度差α(℃)より大きい場合に、前記加湿量を減らすように制御することを特徴とする燃料電池システムの制御方法。
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JP2006338128A JP2008153002A (ja) | 2006-12-15 | 2006-12-15 | 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 |
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