JP2008150244A - 硝酸カルシウム水溶液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな設備で効率良く、かつ、安価に製造することのできる硝酸カルシウム水溶液の製造方法を提供する。
【解決手段】炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリー又は石灰泥スラリーと、硝酸とをスタティックミキサー3によって連続的に中和反応させる。中和反応後、フィルタープレス5で濾過する。
【選択図】図1
【解決手段】炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリー又は石灰泥スラリーと、硝酸とをスタティックミキサー3によって連続的に中和反応させる。中和反応後、フィルタープレス5で濾過する。
【選択図】図1
Description
本発明は、硝酸カルシウム水溶液の製造方法に関する。
下水道施設用コンクリート劣化防止剤や消臭剤等に利用される硝酸カルシウム水溶液は、一般に工業用薬品である硝酸カルシウムを所望する濃度に応じて適量を水に溶解させることにより製造されているが、工業用薬品を使用するため高価になってしまう。そこで、本発明者等は炭酸カルシウム等を硝酸と反応させることにより、直接、安価な硝酸カルシウム水溶液を製造する方法について鋭意検討した。
安価な粗粒状の炭酸カルシウムを使用すると、硝酸との中和反応に関与する表面積が小さく反応効率が非常に悪いという問題があった。また、粗粒状の炭酸カルシウムの替わりに粉末状の炭酸カルシウムを使用すると、炭酸カルシウム粒子の凝集のため硝酸への分散性が悪く、反応効率に影響する。炭酸カルシウムと硝酸とを効率良く反応させるための方法について検討した結果、先に粉末状の炭酸カルシウムを水に懸濁させてスラリー化してから硝酸と反応させる方法が有効であることがわかった。
一般的には、攪拌機を有した反応槽に水を入れ、攪拌しながら炭酸カルシウム等を投入して石灰スラリーを調整した後、さらに攪拌しながら硝酸を添加して中和反応を行う方法が採られる。反応終了後、適当な方法で不溶解分を除去することにより目的の硝酸カルシウム水溶液が得られる(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−225175号公報
安価な粗粒状の炭酸カルシウムを使用すると、硝酸との中和反応に関与する表面積が小さく反応効率が非常に悪いという問題があった。また、粗粒状の炭酸カルシウムの替わりに粉末状の炭酸カルシウムを使用すると、炭酸カルシウム粒子の凝集のため硝酸への分散性が悪く、反応効率に影響する。炭酸カルシウムと硝酸とを効率良く反応させるための方法について検討した結果、先に粉末状の炭酸カルシウムを水に懸濁させてスラリー化してから硝酸と反応させる方法が有効であることがわかった。
一般的には、攪拌機を有した反応槽に水を入れ、攪拌しながら炭酸カルシウム等を投入して石灰スラリーを調整した後、さらに攪拌しながら硝酸を添加して中和反応を行う方法が採られる。反応終了後、適当な方法で不溶解分を除去することにより目的の硝酸カルシウム水溶液が得られる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、炭酸カルシウムを主成分とする石灰スラリーと硝酸を反応させる場合、生成する硝酸カルシウム水溶液の粘度が高いため、中和反応の進行とともに発生する炭酸ガスによる泡立ちにより、反応槽内で溶液の吹き上がり現象が起こる。このため、原料の投入量を抑えて溶液の吹き上がりを調節することによる生産効率の低下や、原料投入量に対して反応槽の容積率を大きくしたり、泡切り用の付帯設備を設置したりと設備の大容量化の必要性が生じる。また、石灰スラリーの原料として工業用の粉末状の炭酸カルシウムを使用すると高価になるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コンパクトな設備で効率良く、かつ、安価に製造することのできる硝酸カルシウム水溶液の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コンパクトな設備で効率良く、かつ、安価に製造することのできる硝酸カルシウム水溶液の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、例えば図1、図2に示すように、炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリーと、硝酸とをスタティックミキサー3によって連続的に中和反応させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリーと硝酸とをスタティックミキサーによって連続的に中和反応させるので、中和反応によって発生する炭酸ガスによる泡立ちをスタティックミキサーによって抑制でき、その結果、従来のような溶液の吹き上がりによる生産効率の低下を防止でき、また、泡切り用の設備等も必要なく、装置の小型化を図ることができる。さらには、石灰スラリーを使用することによって、粉末状の炭酸カルシウムを使用する場合に比して安価に製造することができる。
請求項2の発明は、例えば図1、図2に示すように、石灰石の水洗工程で発生する排液を濃縮し、炭酸カルシウムを主成分とする石灰泥スラリーと、硝酸とをスタティックミキサー3によって連続的に中和反応させることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、石灰泥スラリーと硝酸とをスタティックミキサーによって連続的に中和反応させるので、中和反応によって発生する炭酸ガスによる泡立ちをスタティックミキサーによって抑制でき、その結果、従来のような溶液の吹き上がりによる生産効率の低下を防止でき、また、泡切り用の設備等も必要なく、装置の小型化を図ることができる。さらには、石灰泥スラリーを使用することによって粉末状の炭酸カルシウムを使用する場合に比して安価に製造することができる。
また、石灰泥スラリーは、石灰石の水洗工程で発生する排液を濃縮し、炭酸カルシウムを主成分とするものであるので、排液を再利用でき、環境面に優れ、この点においても安価に製造することができる。
また、石灰泥スラリーを有効利用することにより、硝酸カルシウム水溶液を安価に製造することができ、粉末状の炭酸カルシウムを水に懸濁させる一工程が不要になることに加えて、粉塵の発生も回避することができる。
また、石灰泥スラリーは、石灰石の水洗工程で発生する排液を濃縮し、炭酸カルシウムを主成分とするものであるので、排液を再利用でき、環境面に優れ、この点においても安価に製造することができる。
また、石灰泥スラリーを有効利用することにより、硝酸カルシウム水溶液を安価に製造することができ、粉末状の炭酸カルシウムを水に懸濁させる一工程が不要になることに加えて、粉塵の発生も回避することができる。
請求項3の発明は、例えば図1、図2に示すように、請求項1又は2に記載の硝酸カルシウム水溶液の製造方法において、
前記中和反応させた後、フィルタープレス5で濾過することを特徴とする。
前記中和反応させた後、フィルタープレス5で濾過することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、中和反応後、フィルタープレスで濾過するので、不溶解分を除去することができ、純粋な硝酸カルシウム水溶液を得ることができる。
本発明によれば、中和反応によって発生する炭酸ガスによる泡立ちを抑制できることから、コンパクトな設備で効率良く、かつ、安価に硝酸カルシウム水溶液を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、製造装置100の概略図、図2は、スタティックミキサー3及び反応槽4を示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
まず、硝酸カルシウム水溶液を製造するための製造装置100について説明する。製造装置100は、炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリー又は石灰泥スラリーが貯留されたタンク1と、硝酸が貯留されたタンク2と、タンク1及びタンク2にそれぞれ接続された接続管6,7を介して連結されたスタティックミキサー3と、スタティックミキサー3に接続管8を介して連結されてスタティックミキサー3で攪拌・混合された混合溶液が流入される反応槽4と、反応槽4に接続管9を介して連結されて反応槽4で反応した反応溶液を濾過するフィルタープレス5とを備えている。
図1は、製造装置100の概略図、図2は、スタティックミキサー3及び反応槽4を示した図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
まず、硝酸カルシウム水溶液を製造するための製造装置100について説明する。製造装置100は、炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリー又は石灰泥スラリーが貯留されたタンク1と、硝酸が貯留されたタンク2と、タンク1及びタンク2にそれぞれ接続された接続管6,7を介して連結されたスタティックミキサー3と、スタティックミキサー3に接続管8を介して連結されてスタティックミキサー3で攪拌・混合された混合溶液が流入される反応槽4と、反応槽4に接続管9を介して連結されて反応槽4で反応した反応溶液を濾過するフィルタープレス5とを備えている。
硝酸は、通常、市販されている工業用硝酸を使用することができるが、これに限定されるものではない。例えば、NOx発生設備等から回収した硝酸を使用することが安価な点で好ましい。使用量は石灰スラリー又は石灰泥スラリーを所望するpHまで中和するために必要な量を使用する。
石灰泥スラリーは、石灰石の水洗工程で発生する排液を濃縮したもので炭酸カルシウムを主成分とするスラリーである。
石灰泥スラリーは、石灰石の水洗工程で発生する排液を濃縮したもので炭酸カルシウムを主成分とするスラリーである。
タンク1及びタンク2には、スタティックミキサー3の入口に接続される接続管6,7が弁61,71及びチューブポンプ62,72を介してそれぞれ取り付けられている。
スタティックミキサー3は、駆動部を持たない周知の管型の混合器であり、円筒状の管31と、この管31内に設置された多数のエレメント32とを備えて構成されたものである。エレメント32は、例えば、長方形の板を左右逆方向に180度ひねったもので、このエレメント32は左右交互にそれぞれ直交するように管31内に取り付けられている。 したがって、円筒状の管31内に高速で流された硝酸と石灰スラリー又は石灰泥スラリーがエレメント32によって強制的に攪拌・混合される。また、このとき硝酸と石灰スラリー又は石灰泥スラリーとの中和反応の進行とともに発生する炭酸ガスによる泡立ちがエレメント32によって泡切りされる。
さらに、スタティックミキサー3の出口には接続管8が接続されており、接続管8は反応槽4内まで導入されている。
スタティックミキサー3は、駆動部を持たない周知の管型の混合器であり、円筒状の管31と、この管31内に設置された多数のエレメント32とを備えて構成されたものである。エレメント32は、例えば、長方形の板を左右逆方向に180度ひねったもので、このエレメント32は左右交互にそれぞれ直交するように管31内に取り付けられている。 したがって、円筒状の管31内に高速で流された硝酸と石灰スラリー又は石灰泥スラリーがエレメント32によって強制的に攪拌・混合される。また、このとき硝酸と石灰スラリー又は石灰泥スラリーとの中和反応の進行とともに発生する炭酸ガスによる泡立ちがエレメント32によって泡切りされる。
さらに、スタティックミキサー3の出口には接続管8が接続されており、接続管8は反応槽4内まで導入されている。
接続管8は、図2に示すように、スタティックミキサー3の出口から直線状に延出するとともに、下方に略垂直に折れ曲がり、その先端部が反応槽4の内壁面4aにほぼ沿うようにして湾曲するとともに、内壁面4aの接線方向を向いている。そのため、接続管8の先端部から流れ出る混合溶液は、反応槽4の内壁面4aに沿って噴射され、後述の上部開口部4bから混合溶液が飛散しないようになっている。さらに、接続管8の先端部が湾曲し内壁面4aの接線方向を向いていることから、接続管8から流れ出る混合溶液が内壁面4aに噴射されることによっても泡切りが促進される。
反応槽4は、上部が開口した開口部4bを有する円筒状の槽であって、底部及び中央部に反応槽4内に流れ込んだ混合溶液を攪拌するための、攪拌羽根41,42がそれぞれ二段上下に設けられている。攪拌羽根41,42は、円筒状の槽の中心に鉛直方向に設けられた回転軸43に取り付けられて、回転軸43中心に回転自在とされている。
反応槽4の底部には、攪拌して反応した反応溶液が排出される排出口4cが形成されており、排出口4cにフィルタープレス5に通じる接続管9が弁91及びチューブポンプ92を介して接続されている。
反応槽4の底部には、攪拌して反応した反応溶液が排出される排出口4cが形成されており、排出口4cにフィルタープレス5に通じる接続管9が弁91及びチューブポンプ92を介して接続されている。
フィルタープレス5は、複数の濾板51,51,…と、濾板51の表面に張設された濾布(図示しない)と、互いに隣接する濾板51,51間に形成された濾過室(図示しない)とからなる濾板ユニットを備えた周知のもので、濾板ユニットの下方には、スラリーを濾過した後の濾液をフィルタープレス5の下流側に配置された排液槽(図示しない)に排出するための濾液受け(図示しない)が設けられている。また、フィルタープレス5は、濾過時に濾板ユニットを一端側に押し付ける油圧駆動源(図示しない)等を備えている。
油圧駆動源としては、例えば油圧シリンダと油圧ポンプ等が使用されるが、濾板ユニットを開閉自在に加圧固定できればジャッキを使用しても良い。
濾板51の中央部には濾板51を貫通してスラリーを導入する導入孔が形成されており、導入孔から導入されたスラリーが、濾過室内に拡散された後、スラリーが打ち込まれる際の圧力によってスラリーが濾布の表面に押圧されて、水分である硝酸カルシウム水溶液が濾過され、不溶解成分は濾過室内に残る。濾布を濾過した硝酸カルシウム水溶液は、排液受けに排出されるようになっている。
油圧駆動源としては、例えば油圧シリンダと油圧ポンプ等が使用されるが、濾板ユニットを開閉自在に加圧固定できればジャッキを使用しても良い。
濾板51の中央部には濾板51を貫通してスラリーを導入する導入孔が形成されており、導入孔から導入されたスラリーが、濾過室内に拡散された後、スラリーが打ち込まれる際の圧力によってスラリーが濾布の表面に押圧されて、水分である硝酸カルシウム水溶液が濾過され、不溶解成分は濾過室内に残る。濾布を濾過した硝酸カルシウム水溶液は、排液受けに排出されるようになっている。
次に、上述の製造装置100を使用して硝酸カルシウム水溶液を製造する製造方法について説明する。
まず、タンク1内に貯留された炭酸カルシウムを主成分とする石灰スラリー又は石灰泥スラリーと、タンク2内に貯留された硝酸とを、それぞれチューブポンプ62,72を用いてスタティックミキサー3に導入する。このとき、スタティックミキサー3では、導入された硝酸と石灰スラリー又は石灰泥スラリーとが多数のエレメント32によって攪拌・混合される。これによって中和反応が起こり、発生する炭酸ガスによる泡立ちはエレメント32によって泡切りされるので吹き上がり現象が防止される。その後、接続管8の先端部から反応槽4の内壁面4aに向けて噴射され、反応槽4内で攪拌羽根41,42によって混合溶液がさらに攪拌されて反応する。そして、反応後の反応溶液がフィルタープレス5で濾過されることにより、不溶解分が除去されて硝酸カルシウム水溶液が得られる。
まず、タンク1内に貯留された炭酸カルシウムを主成分とする石灰スラリー又は石灰泥スラリーと、タンク2内に貯留された硝酸とを、それぞれチューブポンプ62,72を用いてスタティックミキサー3に導入する。このとき、スタティックミキサー3では、導入された硝酸と石灰スラリー又は石灰泥スラリーとが多数のエレメント32によって攪拌・混合される。これによって中和反応が起こり、発生する炭酸ガスによる泡立ちはエレメント32によって泡切りされるので吹き上がり現象が防止される。その後、接続管8の先端部から反応槽4の内壁面4aに向けて噴射され、反応槽4内で攪拌羽根41,42によって混合溶液がさらに攪拌されて反応する。そして、反応後の反応溶液がフィルタープレス5で濾過されることにより、不溶解分が除去されて硝酸カルシウム水溶液が得られる。
以上、本発明の実施の形態によれば、炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリー又は石灰泥スラリーと、硝酸とをスタティックミキサー3によって連続的に中和反応させるので、中和反応によって発生する炭酸ガスによる泡立ちがスタティックミキサー3のエレメント32によって泡切れされて抑制される。その結果、混合溶液が反応槽4から吹き上がって生産効率が低下するという問題も生じない。また、原料投入量に対して反応槽4の容積率を大きくする必要もなく、さらに、泡切り用の設備も設ける必要もないため、装置の小型化を図ることができる。しかも、従来の粉末状の炭酸カルシウムを使用する場合に比して安価に製造することができる。
また、特に石灰泥スラリーを原料として使用した場合には、石灰石の水洗工程で発生する排液を再利用できるため、環境面に優れ、この点においても安価に製造することができる。さらに、粉末状の炭酸カルシウムを水に懸濁させる一工程が不要になることに加えて、粉塵の発生も回避することができる。
そして、石灰スラリー又は石灰泥スラリーと硝酸とを中和反応させた後、フィルタープレス5で濾過するので、不溶解分が混合していない純粋な硝酸カルシウムを得ることができる。
また、特に石灰泥スラリーを原料として使用した場合には、石灰石の水洗工程で発生する排液を再利用できるため、環境面に優れ、この点においても安価に製造することができる。さらに、粉末状の炭酸カルシウムを水に懸濁させる一工程が不要になることに加えて、粉塵の発生も回避することができる。
そして、石灰スラリー又は石灰泥スラリーと硝酸とを中和反応させた後、フィルタープレス5で濾過するので、不溶解分が混合していない純粋な硝酸カルシウムを得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、反応効率を改善するための手段としてスタティックミキサー3及び反応槽4を二段に直列に接続しても構わない。
例えば、反応効率を改善するための手段としてスタティックミキサー3及び反応槽4を二段に直列に接続しても構わない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定されるものではない。なお、実施例中の%は特記しない限り全て重量百分率を示す。
(本発明例1)
炭酸カルシウムを主成分として水分34%の石灰泥スラリー240kgを約5kg/分の速度で、60%硝酸280kgを約6kg/分の速度で口径25A、全長275mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド製、型式1−N60−331−1)に導入し、中和反応させながら内容積500Lの反応槽に46分間噴出させた。この反応溶液を連続的に濾過能力約1000kg/時のフィルタープレスに移送して不溶解分を除去することにより、pHが約4の透明な50%硝酸カルシウム水溶液440kgを得た。
(本発明例1)
炭酸カルシウムを主成分として水分34%の石灰泥スラリー240kgを約5kg/分の速度で、60%硝酸280kgを約6kg/分の速度で口径25A、全長275mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド製、型式1−N60−331−1)に導入し、中和反応させながら内容積500Lの反応槽に46分間噴出させた。この反応溶液を連続的に濾過能力約1000kg/時のフィルタープレスに移送して不溶解分を除去することにより、pHが約4の透明な50%硝酸カルシウム水溶液440kgを得た。
(本発明例2)
炭酸カルシウムを主成分として水分34%の石灰泥スラリー330kgを約12kg/分の速度で、60%硝酸400kgを約14kg/分の速度で口径40A、全長400mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド製、型式11/2−N60−331−1)に導入し、中和反応させながら内容積500Lの反応槽に28分間噴出させた。この反応溶液を連続的に濾過能力約1000kg/時のフィルタープレスに移送して不溶解分を除去することにより、pHが約4の透明な52%硝酸カルシウム水溶液610kgを得た。この例の場合、反応液の生成速度よりもフィルタープレスの能力が低かったため、反応開始から槽内の反応溶液を全量濾過するまでに要した時間は約38分であった。
炭酸カルシウムを主成分として水分34%の石灰泥スラリー330kgを約12kg/分の速度で、60%硝酸400kgを約14kg/分の速度で口径40A、全長400mmのスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニーリミテド製、型式11/2−N60−331−1)に導入し、中和反応させながら内容積500Lの反応槽に28分間噴出させた。この反応溶液を連続的に濾過能力約1000kg/時のフィルタープレスに移送して不溶解分を除去することにより、pHが約4の透明な52%硝酸カルシウム水溶液610kgを得た。この例の場合、反応液の生成速度よりもフィルタープレスの能力が低かったため、反応開始から槽内の反応溶液を全量濾過するまでに要した時間は約38分であった。
(比較例)
通常の攪拌羽根と泡切り用攪拌羽根とを備えた内容積500Lの反応槽に60%硝酸100kgを入れ、攪拌しながら炭酸カルシウムを主成分として水分35%の石灰泥スラリー80gを連続で投入して、pHが約4になるまで中和反応を行った。原料投入から反応終了まで15分を要した。泡切り用攪拌羽根を備えていない場合、炭酸ガスによる泡立ちのため石灰泥スラリーを連続投入できず、反応終了まで約25分を要した。反応終了後、この反応溶液を濾過能力約1000kg/時のフィルタープレスに移送して不溶解分を除去することにより、pH約4の透明な50%硝酸カルシウム水溶液150kgを得た。原料投入から濾過終了までに要した時間は約25分であった。
通常の攪拌羽根と泡切り用攪拌羽根とを備えた内容積500Lの反応槽に60%硝酸100kgを入れ、攪拌しながら炭酸カルシウムを主成分として水分35%の石灰泥スラリー80gを連続で投入して、pHが約4になるまで中和反応を行った。原料投入から反応終了まで15分を要した。泡切り用攪拌羽根を備えていない場合、炭酸ガスによる泡立ちのため石灰泥スラリーを連続投入できず、反応終了まで約25分を要した。反応終了後、この反応溶液を濾過能力約1000kg/時のフィルタープレスに移送して不溶解分を除去することにより、pH約4の透明な50%硝酸カルシウム水溶液150kgを得た。原料投入から濾過終了までに要した時間は約25分であった。
上述の結果より、本発明例1及び2は、比較例に比して、硝酸カルシウム水溶液の生産能力が格段に向上した。したがって、石灰泥スラリーと硝酸をスタティックミキサーで連続的に中和反応させることによる効果が明らかに認められる。
3 スタティックミキサー
5 フィルタープレス
5 フィルタープレス
Claims (3)
- 炭酸カルシウムを水に懸濁させた石灰スラリーと、硝酸とをスタティックミキサーによって連続的に中和反応させることを特徴とする硝酸カルシウム水溶液の製造方法。
- 石灰石の水洗工程で発生する排液を濃縮し、炭酸カルシウムを主成分とする石灰泥スラリーと、硝酸とをスタティックミキサーによって連続的に中和反応させることを特徴とする硝酸カルシウム水溶液の製造方法。
- 前記中和反応させた後、フィルタープレスで濾過することを特徴とする請求項1又は2に記載の硝酸カルシウム水溶液の製造方法。
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