JP2008148934A - 液体投与装置及び液体投与装置を備えた内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の医用噴霧装置は、霧化される薬液量を計量しておらず、例えば術者はどのくらいの量の薬液が霧化されたか把握することができない。また術者が霧化された薬液量を把握できても部位に投与された投与量を把握しにくい。
【解決手段】液体投与装置1は、主要部として、薬液保持部2と、薬液霧化部3と、薬液搬送機構部4と、薬液11を計量する計量部5から構成され、薬液11の消費量と、霧化された薬液微粒子27の吐出量と、部位6に投与された投与量が一致するために計量部5にて薬液11の消費量を計量することで投与量を容易に確認することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】液体投与装置1は、主要部として、薬液保持部2と、薬液霧化部3と、薬液搬送機構部4と、薬液11を計量する計量部5から構成され、薬液11の消費量と、霧化された薬液微粒子27の吐出量と、部位6に投与された投与量が一致するために計量部5にて薬液11の消費量を計量することで投与量を容易に確認することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、霧化され、被検体の所定の部位に投与された液体(例えば薬液)の量を把握できる液体投与装置に関する。
新薬として開発が進められる例えば抗体医薬や核酸医薬といった薬剤などでは、薬剤が静脈注射によって体内に注入されると、静脈注射によって発生する体内代謝によって効能劣化が生じてしまう虞がある。そのため薬剤を極力患部に直接、且つ局所的に投与することが望まれている。また、必要な部位に必要な量の薬剤が確実に投与されること、さらに薬剤の投与量を少なくし患者に対して副作用を低減させること、が望まれている。
そのため、被検体である例えば患者の所定の部位に薬剤(薬液を含む液体)を効率よく投与するために、薬液は、この部位(患部)に極力近い場所から投与されている。
薬剤を患部に近い場所から投与する方法としては、選択的投与方法が用いられる。この選択的投与方法は、患者の体腔内に発生する癌などの腫瘍を識別する際に、観察診断時のマーキング手段として使用される試薬マーカーを患部に投与し、この試薬マーカーを目印として患部に極力近づいてから薬剤を投与する。
また、選択的投与方法とは異なる薬剤投与方法の一例として、例えば噴霧(吐出)による投与形態を用いる医用噴霧装置がある。
医用噴霧装置は、被検体である患者の体腔内、もしくは体外から薬液を霧化して体内臓器や皮膚表面に噴霧する。この医用噴霧装置とは、主に肺内に薬液を噴霧する例えばネブライザやインヘーラと呼ばれる噴霧器である。噴霧器は、気管支喘息等の治療に用いられ、主に経口噴霧する。またネブライザは、例えば人工呼吸器に接続され、人工呼吸管理が必要な重症患者に用いられる。
このように医用噴霧装置は、薬液を霧化して噴霧する。噴霧された薬液は、肺の細胞に達し、肺細胞の毛細血管に速やかに吸収され、薬液の効果が速やかに現れる。よって医用噴霧装置は、治療薬液の供給経路として有効である。
また医用噴霧装置には、噴霧カテーテルを用いたものがある。噴霧カテーテルは、体腔内に挿入可能もしくは体外に装着可能な可撓管に、供給手段から供給される薬液を霧化し、噴霧する噴霧手段を設けて構成されている。
このような医用噴霧装置は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の医用噴霧装置には、体腔内に挿入される内視鏡の挿入部先端部に噴霧手段が設けられている。この内視鏡は、噴霧手段として、挿入部先端部に設けた圧電素子へ向けて形成された送気送水管路の開口部から薬液を滴下する。滴下した薬液は、圧電素子によって発生する超音波振動により霧化される。内視鏡は、霧化したこの薬液を例えば肺といった体腔に噴霧する構成である。
特開平02−142530号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている医用噴霧装置は、霧化される薬液量を計量しておらず、また圧電素子周辺部において、液垂れが生じた場合、薬液全てが霧化されない虞が生じるので、例えば術者はどのくらいの量の薬液が霧化されたか把握することが容易ではない。また霧化された薬液は、噴霧される方向が定まらない虞が生じる。そのため、術者が霧化された薬液量を把握できても部位に投与された投与量を把握することが容易ではない。術者は、薬液の部位への到達量を把握できないために定量的な投与が困難である。
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、霧化され、所定の部位に投与された薬液量を容易に把握できる液体投与装置を提供することを目的とする。
本発明は目的を達成するために、体内に挿入され、体内の所定部位に液体を投与する液体投与装置において、液体を保持する保持部と、保持部によって保持されている液体を霧化する霧化部と、霧化部によって霧化された液体を所定部位へ搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送された液体を計量する計量部と、を具備することを特徴とする液体投与装置を提供する。
本発明によれば、霧化され、所定部位に投与された薬液量を容易に把握できる液体投与装置を提供することができる。
本発明に係る第1の実施形態について図1乃至図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。図2は、霧化された薬液が搬送される方向から見た際の静電霧化針の概略図である。図3は、本実施形態において薬液が霧化される際の静電霧化針周辺の概略図である。
図1は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。図2は、霧化された薬液が搬送される方向から見た際の静電霧化針の概略図である。図3は、本実施形態において薬液が霧化される際の静電霧化針周辺の概略図である。
液体投与装置1は、主要部として、液体(例えば薬液11)を保持する薬液保持部2と、薬液保持部2に保持されている薬液11を霧化状にする薬液霧化部3と、薬液霧化部3によって霧化された薬液11を搬送する薬液搬送機構部4と、薬液保持部2に保持されている薬液11を計量する計量部5から構成されている。
薬液保持部2には、薬液11が充填され、薬液11を保持する薬液カートリッジ10と、薬液カートリッジ10を保持する保持部本体であるホルダー部材16が設けられている。
薬液カートリッジ10は、透明の例えば樹脂製の容器である。そのため例えば目視により充填されている薬液11の充填量が容易に確認される。なお薬液11は、例えば被検体である患者の体内や体外の所定の部位6(例えば患部)に投与される。また薬液カートリッジ10には、薬液11を計量する計量部5であるメモリ9が設けられており、薬液11の投与(消費、供給)量に比例して薬液面が移動(低下)する。このように計量部5は、薬液カートリッジ10に保持されている薬液11の残量を計量する残量計量部である。なおメモリ9の代わりに例えば薬液カートリッジ10に保持されている薬液11の液面高さを検出する液面検出センサを使用して薬液11の投与量を計量しても良い。
薬液カートリッジ10の下部には、栓12が設けられている。栓12は、薬液11が漏れないように薬液カートリッジ10を略密閉し、中央に凹部13を有している。この凹部13において栓12は、薄肉構造である。この凹部13には、後述する薬液供給針21が貫通する。なお栓12の材料は、薬液成分に影響を与えない材質とし、例えばゴム製である。
また薬液カートリッジ10の上部には、大気に連通している微細な開口部14を有する例えばゴム製の連通部材15が設けられている。連通部材15は、薬液カートリッジ10に充填されている薬液11の分量に関係なく、開口部14によって薬液カートリッジ10の内圧と外圧を一定に維持する圧力維持機構である。これにより薬液カートリッジ10は、薬液11が減少した際に、内部圧力が負圧になることを防止している。また開口部14は微細であるために、薬液11が開口部14から漏れ出すことない。なお連通部材15は、多孔質材料を用いても良く、薬液カートリッジ10内部と大気を連通する機能を有するものであればよい。
ホルダー部材16は、電気的に絶縁された樹脂製であり、薬液カートリッジ10を上部にて保持している。詳細には、このホルダー部材16には、取り付け開口部17が設けられており、薬液カートリッジ10は、栓12をホルダー部材16側に向けて取り付け開口部17に挿入される。挿入された薬液カートリッジ10は、栓12を介してホルダー部材16の底面部18に載置される。これにより薬液カートリッジ10は、ホルダー部材16の上部にて保持される。
またホルダー部材16は、底面部18において薬液供給針21に貫通されている。詳細には、薬液供給針21は、底面部18を貫通し、底面部18から突出している。この状態において、薬液カートリッジ10が上述したように底面部18に載置される際に、手動により押圧されることで、薬液供給針21が凹部13を貫通する。これにより薬液供給針21は、薬液カートリッジ10に容易に刺しこまれる。
薬液11は、薬液カートリッジ10から、薬液カートリッジ10に刺しこまれた薬液供給針21を経由して薬液霧化部3に毛細管現象によって供給される。つまり薬液カートリッジ10から減った分量の薬液11が、後述するリザーバ室20に供給される。
なお薬液カートリッジ10は、刺しこまれている薬液供給針21から抜去でき、ホルダー部材16から取り外すことが可能である。これにより例えば薬液11が減少した際に、薬液カートリッジ10は、薬液供給針21、ホルダー部材16から取り外し、栓12を外して新たに薬液11を充填することが可能である。また上述したように薬液カートリッジ10が空になった際に、所望する量の薬液11が充填している薬液カートリッジ10と交換可能である。このように薬液保持部2である薬液カートリッジ10は、薬液霧化部3の薬液供給針21から着脱可能である。
薬液11が供給される薬液霧化部3には、電源19a、導電性部材電源19b、薬液供給針21、静電霧化針22、リザーバ室20、リザーバ室20を保持する霧化室30が設けられている。
霧化室30は、ホルダー部材16と接続して設けられている。霧化室30の内面は、導電性膜又は導電性の金属部材等の導電性部材31により覆われている。また導電性部材31には、導電性部材電源19bにより後述する薬液微粒子27と同電位となる電圧が印加される。
リザーバ室20は、導電性の部材、例えばステンレス製の円柱形状である。リザーバ室20の一方の端面(前面)28aには、複数の静電霧化針22が接合され(設けられ)ており、霧化室30に延在している。リザーバ室20は、電源19aと接続している。リザーバ室20には、電源19aによりプラスの直流高電圧が印加される。これによりリザーバ室20に接合している静電霧化針22にもプラスの直流高電圧が印加される。リザーバ室20の他方の端面(後面)28bには、上述した薬液供給針21が設けられている。このように薬液供給針21は、薬液カートリッジ10とリザーバ室20を接続している。薬液供給針21は、薬液11を薬液カートリッジ10から薬液霧化部3に供給する供給部であり、ステンレス製、中空構造である。
静電霧化針22は、薬液供給針21と同様にステンレス製、中空構造である。また静電霧化針22は、霧化方向(部位6に向けて薬液11を吐出する方向、霧化室30に延在する方向)にテーパ形状となっている。静電霧化針22の霧化面(薬液11を吐出する面)には、直径が約100μmの霧化開口部23が形成されている。静電霧化針22は、霧化開口部23から薬液11を霧化室30に吐出(噴霧)する。
詳細には上述したように薬液11は、薬液供給針21を介して薬液カートリッジ10から毛細管現象によってリザーバ室20に供給される。さらに薬液11は、霧化開口部23にまで供給され、霧化開口部23から霧化室30に吐出される。その際、静電霧化針22とリザーバ室20には、電源19aにより、プラスの直流高電圧が印加される。これにより薬液カートリッジ10から供給された量の薬液11が、帯電され且つ霧化状の微粒子(薬液微粒子27)として吐出される(薬液カートリッジ10における薬液11の消費量が吐出量に一致する)。
なお図2に示すように薬液霧化部3において、リザーバ室20の端面28bには、端面28bと略同形状の端面28cが接着している。この端面28cは、霧化室30の内面30aとは接着しておらず、端面28cの周縁部を介して支持部材24の一端と接着している。また、支持部材24の他端は、霧化室30の内面30aに接着している。このようにリザーバ室20は、端面28b、端面28c、支持部材24を介して霧化室30に保持されている。支持部材24は、90度間隔に霧化室30に設けられており、各支持部材24の間には、円弧状の空間25が設けられている。またリザーバ室20の側面である端面28dと霧化室30の内面30aは接着しておらず、同様に空間25が設けられている。そのため霧化室30と後述する送風室40は、この空間25を介して連通している。なお本実施形態は、霧化室30と後述する送風室40が連通していればこのような形状に限定する必要は無い。なお、図2において支持部材24は4本示されているが、この数は限定されない。また図1において、簡略化のために各支持部材24は、省略している。
薬液搬送機構部4には、薬液霧化部3の霧化方向後方に位置する送風部4aと、薬液霧化部3の霧化方向前方に位置する薬液ガイド部4bが設けられている。
この送風部(送風機構)4aには、霧化方向において霧化室30の後方(端面28cよりも後方)に位置する送風室40と、送風室40に設けられている小型の送風部であるファン41と、ファン41の霧化方向後方に位置する面42に設けられている着脱交換可能なフィルター部材43が設けられている。送風室40には、凹部13とリザーバ室20の端面28b,28cを介して薬液カートリッジ10とリザーバ室20を接続している薬液供給針21が位置している。ファン41は、制御部19cにより、回転数と動作開始、動作停止を制御されている。ファン41は、ホルダー部材16外部からフィルター部材43によってゴミ等を除去されたクリーンな空気を送風室40に吸引する。なお吸引された空気は、送風室40から空間25を介して霧化室30に流入される。このように送風部4aは、送風室40から霧化室30を介して部位6に向けて送風することで、霧化された薬液11(薬液微粒子27)を部位6に搬送する。
この送風部(送風機構)4aには、霧化方向において霧化室30の後方(端面28cよりも後方)に位置する送風室40と、送風室40に設けられている小型の送風部であるファン41と、ファン41の霧化方向後方に位置する面42に設けられている着脱交換可能なフィルター部材43が設けられている。送風室40には、凹部13とリザーバ室20の端面28b,28cを介して薬液カートリッジ10とリザーバ室20を接続している薬液供給針21が位置している。ファン41は、制御部19cにより、回転数と動作開始、動作停止を制御されている。ファン41は、ホルダー部材16外部からフィルター部材43によってゴミ等を除去されたクリーンな空気を送風室40に吸引する。なお吸引された空気は、送風室40から空間25を介して霧化室30に流入される。このように送風部4aは、送風室40から霧化室30を介して部位6に向けて送風することで、霧化された薬液11(薬液微粒子27)を部位6に搬送する。
薬液ガイド部4bには、霧化された薬液11(薬液微粒子27)が部位に搬送される際の通路となる液体搬送管である可撓性の霧化チューブ32が設けられている。薬液ガイド部4bである霧化チューブ32は、接続端子33aを介して薬液霧化部3の霧化室30と着脱可能に接続されている。霧化チューブ32は、例えば体内にの部位6に薬液11を投与する場合には、体内に挿入される。なお図1に示すように薬液ガイド部4bは、螺合により霧化室30に取付けられている。接続部33からチューブ本体部34まではテーパ形状をなし、接続部33の内面とチューブ本体部34の内面は、導電性膜又は導電性の金属部材等の導電性部材35により覆われている。導電性部材35は、チューブ本体部34に形成された薬液霧化放出口部37から所定量だけチューブ本体部34内部に入り込んだ位置まで形成されており、先端部36の内面には形成されていない。霧化チューブ32が霧化室30に取付けられた際に、導電性部材35は接続端子33aを介して導電性部材31と接続する。そのため、上述したように導電性部材31に導電性部材電源19bにより薬液微粒子27と同電位となる電圧が印加されると、導電性部材35にも、導電性部材電源19bにより薬液微粒子27と同電位となる電圧が印加される。これにより霧化チューブ32内面は、霧化室30内面と同様に薬液微粒子27と同電位となる。
チューブ本体部34は、任意の長さを有する。上述した霧化室30における薬液11は、チューブ本体部34を通って薬液霧化放出口部37から部位6に放出される。薬液霧化放出口部37は、薬液11が放出される時には薬液11を投与したい部位6に近接対向して配置される。
部位6には、直流高電圧のグランド側が図示しないリストバンド等により接続されている。
次に本実施形態における動作方法について説明する。
薬液カートリッジ10に所望する量の薬液11が充填される。薬液11が充填された薬液カートリッジ10は、栓12によって略密閉状態となる。次に栓12が底面部18に当接するように、薬液カートリッジ10は手動にて押圧されてホルダー部材16によって保持される。その際、薬液供給針21が、凹部13を貫通し、薬液カートリッジ10に刺しこまれる。
薬液カートリッジ10に所望する量の薬液11が充填される。薬液11が充填された薬液カートリッジ10は、栓12によって略密閉状態となる。次に栓12が底面部18に当接するように、薬液カートリッジ10は手動にて押圧されてホルダー部材16によって保持される。その際、薬液供給針21が、凹部13を貫通し、薬液カートリッジ10に刺しこまれる。
薬液11は、毛細管現象によって薬液カートリッジ10から薬液供給針21を経由してリザーバ室20に供給され、また霧化開口部23にまで供給される。
上述したようにリザーバ室20、静電霧化針22には、電源19aにより、プラスの直流高電圧が印加される。そのため薬液11は、帯電する。また霧化室30内、霧化チューブ32内において、導電性部材電源19bにより、導電部材31,35には、薬液微粒子27と同電位となる電圧が印加される。また部位6には、直流高電圧のグランドが接続される。
薬液霧化放出口部37が部位6に対向配置された際に、上述したように直流高電圧(例えば、約1kV〜約10kV程度)が薬液11に作用されると、薬液11の表面エネルギーがキャンセルされる。これにより薬液面(界面)が電位勾配に応じて自由に変形し、直流高電圧が微小な領域に集中して印加される。よって図3に示すように霧化開口部23において、薬液11の表面の一部に鋭い尖端部26が生じる。この尖端部26が、霧化方向に伸縮(振動)することで、薬液11は約数十μm以下の粒径の帯電した霧化状の薬液微粒子27として吐出される。この薬液微粒子27は、霧化室30内に霧化方向(尖端部26の伸縮方向)に吐出される。なお霧化開口部23の直径は約100μmと微細であるため、薬液11は、約数十μm以下の粒径を有する微細な薬液微粒子27として吐出される。また薬液微粒子27の吐出量は、薬液カートリッジ10における薬液11の消費量と一致する。
このとき、制御部19cによってファン41が作動している。ファン41は、外部からフィルター部材43を経由して空気をホルダー部材16内に取り込み、送風室40から空間25を経由して霧化室30に流入させる。上述したように帯電されている薬液微粒子27は、流入した空気によって霧化方向に流れ、霧化室30からさらに霧化チューブ32に流入される。
帯電されている薬液微粒子27は、導電性部材31によって薬液微粒子27と同電位に帯電している霧化室30と、導電性部材35によって同じく同電位に帯電している霧化チューブ32に反発する。そのため薬液微粒子27は、霧化開口部23から素早く薬液霧化放出口部37に送達される。また薬液微粒子27は、上述したように霧化室30と、霧化チューブ32によって反発するため、霧化室30、霧化チューブ32に滞留することはない。そのため薬液微粒子27は、霧化チューブ32によってガイドされて薬液霧化放出口部37から外部に無駄なく放出される。
放出された薬液微粒子27は、薬液霧化放出口部37に最も近いグランドの部位6に速やかに無駄なく送達され、直接的に吸着する。なお微細な薬液微粒子27は、部位6が例えば肺の深部に位置していても無駄なく直接的に吸着する。本実施形態は、薬液11が上述したように滞留することを防止している。そのため薬液カートリッジ10に充填されている薬液11において、薬液11の消費量が、薬液微粒子27の放出量とほぼ正確に一致する。そのため術者は、メモリ9を目視して、消費量を把握することで、薬液11の投与量を把握することができる。
なお一般的に、液体を電極として液体に直流電圧が印加されると、液体における表面張力のエネルギーが消滅し、表面エネルギーがキャンセルされる。よって界面が電位勾配に応じて自由に変形し、高電界が微小領域に集中する。これにより液体自体が空気中に微小粒子として放出される。本実施形態はこのような効果を利用したものである。
一般に液体の噴霧状態は、液体の比抵抗(導電率)の関係で変化する。
例えば液体の比抵抗が非常に小さい場合、液体内部にはイオンが多くなる。そのため液体の微粒子の形状は、正電極、または負電極を選択した際の液体内部のイオンの多さと微粒子全体の電荷とのバランスに非常に影響する。
例えば液体の比抵抗が非常に大きい場合、液体の微粒子は、対向する電極側に向かって延びて曳糸状態になる。例えば本実施形態においては、図3に示す尖端部26が霧化方向にさらに伸びた状態となる。
例えば液体の比抵抗がこの中間である場合、液体の微粒子は、自然な振動状態となり、液体は対向する電極側に分散して霧化される。例えば本実施形態においては、図3に示すように尖端部26が霧化方向に伸縮(振動)することで、霧化状の薬液微粒子27が吐出される。
本実施形態において、投与する薬液11の種類によって比抵抗が変化する。そのため薬液11に応じて、比抵抗の任意の中間値を設定すればよい。これにより薬液11は、図1、図3に示すように霧化状の薬液微粒子27となって放出され、上述したように部位6に吸着する。
例えば液体の比抵抗が非常に小さい場合、液体内部にはイオンが多くなる。そのため液体の微粒子の形状は、正電極、または負電極を選択した際の液体内部のイオンの多さと微粒子全体の電荷とのバランスに非常に影響する。
例えば液体の比抵抗が非常に大きい場合、液体の微粒子は、対向する電極側に向かって延びて曳糸状態になる。例えば本実施形態においては、図3に示す尖端部26が霧化方向にさらに伸びた状態となる。
例えば液体の比抵抗がこの中間である場合、液体の微粒子は、自然な振動状態となり、液体は対向する電極側に分散して霧化される。例えば本実施形態においては、図3に示すように尖端部26が霧化方向に伸縮(振動)することで、霧化状の薬液微粒子27が吐出される。
本実施形態において、投与する薬液11の種類によって比抵抗が変化する。そのため薬液11に応じて、比抵抗の任意の中間値を設定すればよい。これにより薬液11は、図1、図3に示すように霧化状の薬液微粒子27となって放出され、上述したように部位6に吸着する。
このように本実施形態は、薬液カートリッジにおいて消費された分量の薬液11を霧化状の薬液微粒子27として吐出する。本実施形態は、吐出された薬液微粒子27と霧化室30の内面と、霧化チューブ32の内面を同電位にして、薬液微粒子27を霧化室30の内面と霧化チューブ32内面に反発させる。よって本実施形態は、薬液微粒子27が霧化室30の内面、霧化チューブ32の内面にて滞留することを防止している。さらに、本実施形態は、薬液微粒子27をファン41によって生じる空気の流れによって薬液霧化放出口部37まで送達させ、霧化室30に供給された量と同量の薬液11を部位6に投与する。これにより、薬液カートリッジ10に充填されている薬液11において、薬液11の消費量が、薬液微粒子27の放出量とほぼ正確に一致する。そのため術者は、メモリ9を目視して、消費量を把握することで、薬液11の投与量を容易に把握することができる。
また薬液カートリッジ10が例えば使い捨てタイプである場合、薬液カートリッジ10には、部位6に投与される量のみの薬液11が充填され、薬液カートリッジ10が計量部5を兼ねることができる。薬液カートリッジ10における薬液11の消費量と部位6への薬液11の投与量は一致するために、薬液カートリッジ10が空になると、薬液11が全て部位6に投与されたことになる。よって術者は、例えばメモリ9やセンサが設けられていなくても目視により薬液カートリッジ10内の薬液が空になったことを把握することで、部位6に対する薬液11の投与量を容易に把握することができる。
また本実施形態は、薬液霧化放出口部37から放出される帯電した微細かつ霧化状の薬液微粒子27を最も近い距離にあるグランドの部位6に電気的に吸着させることができる。よって本実施形態は、薬液微粒子27を薬液霧化放出口部37から放出された後、高速に空間を移動させて目的とする部位6に送達させることができる。
また霧化された薬液11は、帯電しており、一般的にグランドの部位6に対して、電気的に強固に吸着することができる。このため本実施形態は、薬液霧化放出口部37から放出される薬液微粒子27が、部位6に到達する前に舞い上がる(拡散する)事が少なく、局所的(選択的)に薬液11を投与する事ができる。
また本実施形態は、霧化チューブ32の太さに影響されること無く粒径の小さい薬液微粒子27を放出することができる。本実施形態において、液体投与装置1が内視鏡に用いられた際に、例えば内視鏡に細い霧化チューブ32を挿通させることで、内視鏡が太くなることを防止することができる。よって本実施形態は、例えば曲がりくねった管腔に容易に霧化チューブ32を挿入することができる。また本実施形態は、例えば生体内の肺深等の深部に位置する部位6にも薬液11を投与することができる。
本実施形態は、静電霧化針22を複数設けているが、静電霧化針22の数は限定されない。また、静電霧化針22を増やすことで、薬液微粒子27の放出量を増加させることができる。
本実施形態は、霧化開口部23の直径を約100μmとしているために、薬液微粒子27の粒径を微細にする事ができる。
本実施形態は、静電霧化針22に印加されるプラスの直流高電圧に、さらにAC成分の電圧を重畳する事により、薬液11の表面の一部の鋭い尖端部26が脈動することになり、霧化を促進できる。
本実施形態は、ファン41により外部からフィルター部材43を介して空気を取り込む際に、フィルター部材43にクリーンな空気により薬液微粒子27を送達する事ができ、部位6に対しても安全である。また本実施形態は、フィルター部材43に例えば滅菌フィルター等を適用する事により、より高い清浄度を有するクリーンな空気により薬液微粒子27を搬送する事ができる。
本実施形態は、霧化室30に対して霧化チューブ32を着脱可能である。そのため薬液11を投与する部位6が例えば生体内である場合、生体内に挿入される霧化チューブ32のみを廃棄し、静電霧化を行う霧化室30は、洗浄後再利用することができる。もちろん本実施形態は、霧化チューブ32を洗浄して再利用しても良い。
また本実施形態は、霧化チューブ32の長さは任意に設定できるため、接続部33とホルダー部材16は部位6の外部に配置する事ができる。
導電性部材35は、先端部36には形成されていないために、導電性部材35は部位6とは直接接触せず、生体に対して安全である。
本実施形態は、薬液カートリッジ10に異なる薬液11を充填し、底面部18に複数の薬液供給針21を設けて切り換え式にする事により、様々な薬液11を部位6に投与する事ができる。
本実施形態は、静電霧化針22にはリザーバ室20から薬液11を毛細管現象により霧化開口部23まで供給するため、薬液カートリッジ10内や薬液供給針21内やリザーバ室20内の全ての薬液11を完全に霧化することができる。
なお本実施形態は、薬液11を用いて説明したがこれに限定する必要はなく、他の液体であっても良い。
次に図4Aを参照して本発明に係る第2の実施形態について説明する。
図4Aは、本実施形態における液体投与装置の概略図である。前述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。
図4Aは、本実施形態における液体投与装置の概略図である。前述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。
本実施形態における液体投与装置1は、例えば生体の経肺といった体内に位置する患部である部位6に対して薬剤を投与する。そのため霧化チューブ32は、経肺内に挿入される。
本実施形態における霧化チューブ32は、可撓性を有している。霧化チューブ32は、例えば、経肺用の内視鏡60の鉗子チャンネル61に挿通して用いられる。霧化チューブ32の外径は、約2mm以下であり、内径は、約1mm以上のテフロン(登録商標)製である。なお本実施形態における部位6内に位置する霧化チューブ32の内面には、前述した第1の実施形態と同様に薬液霧化放出口部37から所定量、チューブ本体部34内部に入り込んだ位置にまで可撓性を有する導電性部材35が形成されている。なお霧化チューブ32は、ステンレス製の微細管の外表面を樹脂にてコートし、電気的絶縁を施して使用しても良い。また、霧化チューブ32が経肺内に挿入された際に、経肺内に位置する霧化チューブ32の薬液霧化放出口部37近傍には、MEMS技術等による小型の圧力センサ62が設けられている。この圧力センサ62は、生体が呼吸した際の経肺内の圧力変動を検出し、制御部19cによって制御される。また制御部19cは、検出結果に基づいて生体が呼吸したか否かを判別する。
またホルダー部材16の取り付け開口部17には、検出部である液面水位センサ63が設けられている。液面水位センサ63は、薬液11の正確な投与量を管理するために薬液11の水位(液面高さ)を検出する。液面水位センサ63は、制御部19cにより制御される。これにより薬液11の部位6に対する投与量が管理される。
次に本実施形態における動作方法について説明する。
薬液カートリッジ10がホルダー部材16に保持され、薬液11が毛細管現象によって静電霧化針22に供給され、薬液微粒子27として霧化開口部23から薬液霧化放出口部37を介して部位6に放出されるまでの動作は第1の実施形態と同様であるために省略する。
薬液カートリッジ10がホルダー部材16に保持され、薬液11が毛細管現象によって静電霧化針22に供給され、薬液微粒子27として霧化開口部23から薬液霧化放出口部37を介して部位6に放出されるまでの動作は第1の実施形態と同様であるために省略する。
本実施形態のように部位6が例えば生体の経肺である場合、霧化チューブ32は、生体内に挿入される。本実施形態のように生体の経肺といった部位6に薬液11が投与される場合、薬液11の部位6への投与は、生体の呼吸運動に呼応する。本実施形態では、生体が、息を吸い込んだ際に、圧力センサ62によって経肺内の圧力変動が検出される。これにより制御部19cは、生体が、息を吸い込んだことを判別する。この検出結果に応じて、静電霧化針22に直流高電圧が印加され、またファン41が動作される。これにより生体が息を吸い込んだ際に、薬液微粒子27が可撓性の霧化チューブ32の薬液霧化放出口部37から部位6に向けて放出され、吸着する。なお薬液微粒子27は、生体の呼吸運動に呼応する間欠動作によって放出される。また薬液微粒子27の放出量(薬液11の部位6への投与量)は、液面水位センサ63によって管理されている。
なお本実施形態は、第1の実施形態の構成と略同一である。そのため前述した第1の実施形態と同様に薬液カートリッジにおいて消費された分量の薬液11が、霧化状の薬液微粒子27として吐出され、薬液微粒子27は、霧化室30内、霧化チューブ32内に滞留しない。よって前述した第1の実施形態と同様に、薬液11の消費量が部位6への投与量と一致する。よって本実施形態は、計量部5にて投与量を容易に把握することができる。また部位6が生体内に位置しても、上述したように適切な量を投与することができ、液面水位センサ63によって薬液11の消費量をより正確に管理(把握)することができる。よって本実施形態は、生体内に部位6が位置していても部位6への薬液11の投与量を容易に把握することができる。
さらに本実施形態は、生体が息を吸い込んだことを圧力センサ62によって検出し、息を吸い込んだ場合にのみ、薬液微粒子27を部位6に向けて放出させ、吸着させる。そのため、呼吸の吐き出しによる無駄な薬液11の消費を防止することができる。
なお本実施形態は、図示しない人工呼吸器等を併設運用して薬液11を部位6に投与する場合には、人工呼吸器から出力されるタイミングを電気的に取得し、そのタイミングに合わせて、薬液微粒子27を放出すればよい。
また本実施形態のように薬液11が経肺といった部位6に投与される場合、間欠動作が必要である。そのため薬液投与量の管理が比較的難しくなる。しかしながら本実施形態は、薬液カートリッジ10の薬液液面を液面水位センサ63等により検出して投与量を管理する。これにより本実施形態は、薬液11が予め指定した水位(又は投与量)に達した際に、自動的に薬液微粒子27の放出(薬液11の投与)を停止することも可能となる。
さらに本実施形態は、霧化チューブ32を内視鏡60の鉗子チャンネル61に挿通でき、内視鏡60と同様に霧化チューブ32が可撓性を有する事から、投与部位のイメージング観察を行いながら、薬液投与が可能となる。つまり本実施形態は、目的部位に到達した様子を確認することができ、確認後に確実に薬液11を投与することができる。
内視鏡60の鉗子チャンネル61には、霧化チューブ32のチューブ部が挿通され、液体投与装置1のその他の部分は内視鏡60の鉗子チャンネル61外に設置される。なお霧化チューブ32は、内視鏡の操作ハンドル部に併設しても良いし、全く外部に固定されていても良い。
なお本実施形態は、液体投与装置1を内視鏡60の一部に組み込むことも可能である。例えば、図4Bに示すように鉗子チャンネル61が霧化された薬液11を搬送する薬液搬送機構部4における霧化チューブ32を兼ねることも可能である。また液体投与装置1が、例えば図4Bに示すように配置されていても毛細管現象によってリザーバ室20に薬液11を供給することができる。この場合、液体投与装置1は、用途に合わせて配置位置を移動させることができる。このように液体投与装置1がどのような位置に配置されていても、薬液供給針21が薬液カートリッジ10に充填されている薬液11に接していれば、本実施形態は、毛細管現象によってリザーバ室20に薬液11を供給することができる。
次に図5、図6、図7を参照して本発明に係る第3の実施形態について説明する。
図5は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。図6は、圧電素子の斜視図である。図7は、本実施形態において薬液が霧化される際の静電霧化針の周辺の概略図である。前述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、第1の実施形態における静電霧化に超音波振動を組合せ、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を放出する。また本実施形態における薬液保持部2と、薬液搬送機構部4は、前述した第1の実施形態における液体投与装置1と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
図5は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。図6は、圧電素子の斜視図である。図7は、本実施形態において薬液が霧化される際の静電霧化針の周辺の概略図である。前述した第1の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、第1の実施形態における静電霧化に超音波振動を組合せ、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を放出する。また本実施形態における薬液保持部2と、薬液搬送機構部4は、前述した第1の実施形態における液体投与装置1と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
前述した第1の実施形態の薬液霧化部3において、端面28bと端面28cの間には、ドーナツ形状の図示しない薄板の電気絶縁板、超音波発生部である図6に示すようなドーナツ形状の圧電素子64がさらに設けられている。電気絶縁板が端面28bに接着し、圧電素子64が端面28cに接着する。霧化室30は、支持部材24、端面28c、圧電素子64、電気絶縁板、端面28bを介してリザーバ室20を保持する。なお圧電素子64の中央の開口部65には、薬液供給針21が間隔を有して挿通される。
なお圧電素子64とリザーバ室20は、図示しない電気絶縁板により電気的に絶縁されている。よって静電霧化を行うために電源19aによってリザーバ室20に印加される直流高電圧と、超音波振動を行うために圧電素子駆動電源19dによって圧電素子64に印加される交流電圧は、完全に分離されている。
図5に示されるように、圧電素子64は厚み方向(霧化方向)に分極されており、両端面には銀、又はニッケル電極が形成されている。圧電素子64は、圧電素子駆動電源19dと接続している。圧電素子64には、圧電素子駆動電源19dにより交流電圧が印加される。これにより圧電素子64は、霧化方向に超音波振動する。圧電素子64の材質には、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が使用できる。圧電素子64は、リザーバ室20やホルダー部材16と接合した後、空気に露出している圧電素子64の表面には、パリレンコートやシリコンコート等の防湿膜が形成される。
また圧電素子64の側面72と霧化室30の内面30aとの間には、前述した第1の実施形態と同様に空間25が設けられている。この空間25は、第1の実施形態と同様にリザーバ室20の端面28dと霧化室30の内面30aとの間にも設けられている。第1の実施形態と同様に霧化室30と送風室40は、これら空間25を介して連通している。
次に本実施形態における動作方法について説明する。
薬液カートリッジ10がホルダー部材16に保持され、薬液11が毛細管現象により静電霧化針22に供給されるまでの動作は第1の実施形態と同様であるために省略する。
薬液カートリッジ10がホルダー部材16に保持され、薬液11が毛細管現象により静電霧化針22に供給されるまでの動作は第1の実施形態と同様であるために省略する。
上述した第1の実施形態と同様に静電霧化針22、リザーバ室20には、直流高電圧(例えば、約1kV〜約10kV程度)が電源19aによって印加される。これにより薬液11は、帯電する。また第1の実施形態と同様に、また図7に示すように霧化開口部23において、薬液11の表面の一部に鋭い尖端部26が生じる。尖端部26は、さらに霧化方向に伸びる。
この後、圧電素子64には、圧電素子駆動電源19dにより交流電圧が印加される。圧電素子64は、リザーバ室20を超音波振動し、また、リザーバ室20を介して静電霧化針22を超音波振動する。この超音波振動は、リザーバ室20と静電霧化針22内の薬液11、尖端部26に伝播する。これにより薬液11は、霧化室30内の空気中に約数μmの粒径を有する帯電した霧化状の薬液微粒子27として霧化開口部23から霧化方向に吐出される。
なおこの後、霧化開口部23から吐出された薬液微粒子27が部位6に吸着するまでの動作は前述した第1の実施形態と同様であるために省略する。
このように本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様に薬液カートリッジにおいて消費された分量の薬液11が、霧化状の薬液微粒子27として吐出され、薬液微粒子27は、霧化室30内、霧化チューブ32内に滞留しない。よって本実施形態において前述した第1の実施形態と同様に薬液11の消費量が、部位6への投与量と一致する。よって本実施形態は、計量部5にて投与量を容易に把握することができる。
また前述した第1の実施形態における薬液微粒子27の粒径は、約数十μm以下であったが、本実施形態では、静電霧化に超音波振動を組み合わせて、薬液11に超音波振動を付与する事により数μmの粒径を有する薬液微粒子27を吐出させることができる。これにより本実施形態は、より微細な薬液微粒子27を例えば生体深部に位置する部位6に投与させることができる。例えば経肺といった生体内に位置する部位6に薬液11が投与される場合、一般に、薬液微粒子27が末端の肺胞に到達するためには、薬液微粒子27の粒径は、約1μm〜約5μmである必要がある。本実施形態では、数μmの粒径を有する薬液微粒子27を吐出させることができるので、末端の肺胞といった部位6にも薬液11を投与することができる。さらに本実施形態は、このような部位6に約数μmの粒径を有する薬液微粒子27を放出する場合でも、薬液11の投与量を容易に把握することができる。
なお本実施形態は、圧電素子64に印加される交流電圧をより高い周波数とすることにより微細な粒径を有する薬液微粒子27を吐出することができる。また圧電素子64に印加される交流電圧の周波数を、リザーバ室20と静電霧化針22を含めた構造を共振する際の周波数と一致させることで、より効率良く(入力電力に対して大きな振動変位を得られる)超音波振動を発生でき、薬液11の微粒子化を促進させることができる。
次に図8、図9、図10を参照して本発明に係る第4の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。図9は、微細開口部形成板の概略図である。図10は、本実施形態において薬液が霧化される際の微細開口部形成板の周辺の概略図である。前述した第1、第3の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、超音波振動によって、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を容易に放出する。また本実施形態における薬液保持部2と、薬液搬送機構部4と、計量部5は、前述した第1の実施形態と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
図8は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。図9は、微細開口部形成板の概略図である。図10は、本実施形態において薬液が霧化される際の微細開口部形成板の周辺の概略図である。前述した第1、第3の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、超音波振動によって、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を容易に放出する。また本実施形態における薬液保持部2と、薬液搬送機構部4と、計量部5は、前述した第1の実施形態と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
本実施形態における液体投与装置1は、前述した第3の実施形態における液体投与装置の薬液霧化部3において、端面28aと、端面28aに設けている静電霧化針22の代わりにステンレス製の薄板である微細開口部形成板68を接合している。この微細開口部形成板68の厚さは、約100μmである。微細開口部形成板68には、微細開口部形成板68の板厚方向に、例えばレーザ加工や微細放電加工によって複数の開口部69が設けられている。図10に示されるように開口部69は、リザーバ室20側から霧化室30側に向けてテーパ形状である。そのため開口部69の縁71は、鋭角である。開口部69は、例えば円形状であり霧化室30に露出する開口部69の直径は、数μmと微細である。この開口部69から第3の実施形態と同様に約数μmの粒径を有する薬液微粒子27が超音波振動によって吐出される。霧化室30に露出する微細開口部形成板68の霧化室30側の面70には、撥水性の膜が形成されている。微細開口部形成板68は、リザーバ室20の薬液11に直接接するように例えばレーザ溶接によりリザーバ室20に接合されることが好適である。これにより超音波振動による疲労破壊が防止される。なおリザーバ室20に、電源19aによりプラスの直流高電圧が印加された際に、微細開口部形成板68には、静電霧化針22と同様に、プラスの直流高電圧が印加される。
次に本実施形態における動作方法について説明する。
薬液カートリッジ10がホルダー部材16に保持され、薬液11が毛細管現象によりリザーバ室20に供給されるまでの動作は第1の実施形態と同様であるために省略する。
薬液カートリッジ10がホルダー部材16に保持され、薬液11が毛細管現象によりリザーバ室20に供給されるまでの動作は第1の実施形態と同様であるために省略する。
リザーバ室20及びリザーバ室20に電気的に導通している微細開口部形成板68には、直流高電圧(例えば、約1kV〜約10kV程度)が電源19aによって印加される。よって薬液11は、帯電する。
この後、圧電素子64には、圧電素子駆動電源19dにより交流電圧が印加され、圧電素子64がリザーバ室20を超音波振動する。この超音波振動は、リザーバ室20内の薬液11に伝播する。また圧電素子64は、リザーバ室20を介して微細開口部形成板68を超音波振動する。また圧電素子64は、微細開口部形成板68を介して開口部69の薬液11に形成される空気と薬液界面(メニスカス)を超音波振動する。メニスカスが超音波振動されると、図10に示すようにキャピラリー波が縁71周辺からメニスカス表面に伝播し、波頭により、微細な薬液11を霧化することができる。これにより約数μmの粒径を有する薬液微粒子27が開口部69(縁71)から吐出される。なお開口部69の縁71周辺ではキャピラリー波が大きいため、薬液微粒子27は、縁71周辺からリング状に吐出される。また吐出される薬液微粒子27の形状は、開口部69の形状によって変化する。微細開口部形成板68には、リザーバ室20を介して電源19aによってプラスの直流高電圧が印加されている。よって吐出される薬液微粒子27は帯電している。
この後、薬液微粒子27が部位6に吸着するまでの動作は前述した第1の実施形態と同様であるために省略する。
なお微細開口部形成板68には、撥水性膜が形成されているため、薬液11は確実に開口部69内にメニスカスを形成する。よって薬液11が開口部69から漏れて面70に付着する事は防止される。
このように本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様に薬液カートリッジにおいて消費された分量の薬液11が、霧化状の薬液微粒子27として吐出され、薬液微粒子27は、霧化室30内、霧化チューブ32内に滞留しない。よって本実施形態において前述した第1の実施形態と同様に薬液11の消費量が、部位6への投与量と一致する。よって本実施形態は、計量部5にて投与量を容易に把握することができる。
また本実施形態は、超音波振動によって前述した第1の実施形態における薬液微粒子27に比べて微細な粒径を有する薬液微粒子27を部位6に放出させることができる。これにより本実施形態は、第3の実施形態と同様により微細な薬液微粒子27を例えば深部に位置する部位6に吸着させることができる。このように本実施形態は、超音波振動によって部位6に約数μmの粒径を有する薬液微粒子27を放出する場合でも、薬液11の投与量を容易に把握することができる。
また本実施形態は、キャピラリー波により、前述した第1の実施形態(静電霧化)に比べて粒径が小さい薬液微粒子27を、容易に発生させる事ができる。リザーバ室20に電気的に導通している微細開口部形成板68には、電源19aから直流高電圧が印加される。よって本実施形態は、薬液微粒子27を帯電させる事ができ、生体にのみ、局所的に薬液を投与する事ができる。
なお本実施形態は、開口部69の数を増減させることにより、霧化量を調節する事ができる。
本実施形態は、圧電素子64に印加される交流電圧をより高い周波数とすることでより微細な薬液微粒子27を吐出することができる。また圧電素子64に印加される交流電圧の周波数は、リザーバ室20と微細開口部形成板68を含めた構造を共振する際の周波数と一致させることで、本実施形態は、より効率良く(入力電力に対して大きな振動変位を得られる)超音波振動を発生でき、薬液11の微粒子化を促進させることができる。
次に図11、図12を参照して本発明に係る第5の実施形態について説明する。
図11は、本実施形態における微細開口部形成板の概略図である。図12は、本実施形態において薬液が霧化される際の微細開口部形成板の先端部付近の概略図である。前述した第4の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、第4の実施形態と同様に超音波振動によって、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を第4の実施形態に比べて安定的に且つ多量に放出する。また本実施形態における薬液保持部2と、薬液搬送機構部4と、計量部5は、前述した第4の実施形態と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
図11は、本実施形態における微細開口部形成板の概略図である。図12は、本実施形態において薬液が霧化される際の微細開口部形成板の先端部付近の概略図である。前述した第4の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、第4の実施形態と同様に超音波振動によって、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を第4の実施形態に比べて安定的に且つ多量に放出する。また本実施形態における薬液保持部2と、薬液搬送機構部4と、計量部5は、前述した第4の実施形態と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
本実施形態における液体投与装置1は、前述した第4の実施形態における液体投与装置の薬液霧化部3において、微細開口部形成板68の代わりにステンレス製の薄板である異形開口部形成板74を接合している。異形開口部形成板74の霧化室30に露出する面には、撥水性の膜が形成される。図11、図12に示されるように異形開口部形成板74には、中心部に対して鋭角である複数の先鋭部75を有する異形開口部76が形成されている。先鋭部75は、異形開口部76において、気液界面の周縁から内側に向かって延びている。先鋭部75には、圧電素子64によって超音波振動された薬液11が接触する。その際、先鋭部75、異形開口部76は、薬液11の気液界面の形状を規定する。異形開口部76は、例えばレーザ加工やエッチング加工によって異形開口部形成板74の中心部に形成されている。この異形開口部76から第4の実施形態と同様に約数μmの粒径を有する薬液微粒子27が超音波振動によって吐出される。この異形開口部76の中心部を異形開口中心部77とする。
次に本実施形態における動作方法について説明する。
本実施形態では、薬液微粒子27が異形開口部形成板74から吐出される際の動作のみが前述した第4の実施形態と異なるために、この箇所のみ説明する。
本実施形態では、薬液微粒子27が異形開口部形成板74から吐出される際の動作のみが前述した第4の実施形態と異なるために、この箇所のみ説明する。
第4の実施形態と同様に圧電素子64が、リザーバ室20を超音波振動する。この超音波振動は、リザーバ室20内の薬液11に伝播する。また圧電素子64は、リザーバ室20を介して異形開口部形成板74を超音波振動する。また圧電素子64は、異形開口部形成板74を介して異形開口部76の薬液11に形成される空気と薬液界面(メニスカス)を超音波振動する。メニスカスが超音波振動されると、キャピラリー波がメニスカス表面に伝播する。薬液11は、波頭により、図12に示されるように先鋭部75によって薬液微粒子27として霧化される。先鋭部75は、前述した第4の実施形態に比べて薬液11に伝播する超音波振動の波長よりも十分に小さな鋭角を有することができる。これにより約数μmの粒径を有する薬液微粒子27が異形開口部76から安定的に吐出される。
なおキャピラリー波を効率よく伝播する部位は、先鋭部75に集中する。そのため先鋭部75は、第4の実施形態と同様に約数μmの粒径を有する薬液微粒子27を勢い良く吐出する。なお先鋭部75は、例えば前述した第4の実施形態における薬液11に伝播する超音波振動の波長よりも十分に小さな鋭角を有することにより、第4の実施形態に比べて薬液11の霧化をより安定化させる。よって約数μmの粒径を有する薬液微粒子27は、超音波振動によって異形開口部形成板74の中心部に形成される異形開口部76から安定的に吐出される。なお第4の実施形態と同様に吐出される薬液微粒子27は帯電している。
この後、薬液微粒子27が部位6に吸着するまでの動作は前述した第1の実施形態と同様であるために省略する。
このように本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様に薬液カートリッジにおいて消費された分量の薬液11が、霧化状の薬液微粒子27として吐出され、薬液微粒子27は、霧化室30内、霧化チューブ32内に滞留しない。よって本実施形態において前述した第1の実施形態と同様に薬液11の消費量が、部位6への投与量と一致する。よって本実施形態は、計量部5にて投与量を容易に把握することができる。
また本実施形態は、先鋭部75によって薬液11の霧化を安定化させることができ、約数μmの粒径を有する微細な薬液微粒子27を前述した第4の実施形態に比べて安定的に放出することができる。また、薬液11の投与量を容易に把握することができる。
また第4の実施形態では、開口部69の目詰まりを防止するために開口部69を大きく形成すると霧化量が減少してしまうことが考えられるが、本実施形態では、異形開口中心部77を開口部69よりも大きく形成したとしても、十分な霧化量を確保することができる。
なお本実施形態の変形例として、先鋭部75の数を増減させることにより、薬液微粒子27の吐出量を調節する事ができる。
図13は、本実施形態における微細開口部形成板の変形例を示す概略図である。例えば図13に示すように異形開口部形成板74には、複数の小さい異形開口部76が形成されている。このように本変形例の異形開口部76の大きさが、図11に示す異形開口部76の大きさに比べて小さくなっても、本変形例は、複数の先鋭部75を有することで、安定した約数μmの粒径を有する薬液微粒子27を超音波振動によって吐出させることができる。また本変形例は、複数の異形開口部76を異形開口部形成板74の全面に設ける事により、例えば第5の実施形態に比べて広い面積から大量の薬液微粒子27を吐出できる。これにより薬液微粒子27の吐出量は、例えば第4の実施形態に比べて増加する。本変形例は、薬液11を短時間に部位6に投与したい場合や、局所に集中して多量に投与したい場合などに有効である。
次に図14を参照して本発明に係る第6の実施形態について説明する。
図14は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。前述した第4の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、前述した第4の実施形態と同様に超音波振動によって、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を第5の実施形態に比べてより増加させて放出する。また本実施形態における液体投与装置1の薬液保持部2と、薬液搬送機構部4と、計量部5は、前述した第4の実施形態における液体投与装置1と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
図14は、本実施形態における液体投与装置の概略図である。前述した第4の実施形態と同様の部分には同じ符合を付し、その詳細な説明については省略する。本実施形態における液体投与装置1は、前述した第4の実施形態と同様に超音波振動によって、第1の実施形態に比べてより微細な薬液微粒子27を第5の実施形態に比べてより増加させて放出する。また本実施形態における液体投与装置1の薬液保持部2と、薬液搬送機構部4と、計量部5は、前述した第4の実施形態における液体投与装置1と略同様の構成であるために詳細な説明については省略する。
本実施形態における液体投与装置1には、前述した第4の実施形態における液体投与装置1の薬液霧化部3において、圧電素子64の代わりに超音波を発生させるランジュバン型超音波振動子78が設けられている。このランジュバン型超音波振動子78は、図示しない電気絶縁部材を介して端面28bに接合され、またファン41の送風方向前方に位置している。
薬液供給針21は、リザーバ室20の端面28dに設けられており、リザーバ室20は、薬液供給針21を介して霧化方向中心軸に沿って霧化室30に保持されている。
ランジュバン型超音波振動子78には、共振器80aと、共振器80bと、圧電素子81とが設けられている。共振器80aの一面は、一端がリザーバ室20の内部に露出し、薬液11に直接接触している。この共振器80aには、振動変位を拡大するステップ段差部82が設けられている。ステップ段差部82の端面83には、後述する圧電素子81が霧化方向に超音波振動を行った際に、リザーバ室20内の薬液11に超音波を照射する超音波放出面84が設けられている。共振器80aは、共振器80aの他面(リザーバ室20の内部に露出しない面)において後述する圧電素子81の一面と固定している。この圧電素子81は、圧電素子81の他面(共振器80aと接しない面)において共振器80bと固定している。共振器80bは、ファン41の前方に位置する。共振器80bは、後述する圧電素子81と同様にドーナツ形状であり、材質には超音波振動による疲労破壊に強いステンレス製、又はチタン合金製が好適である。共振器80a,80bは、それぞれ共振器駆動電源19eと接続している。共振器80a,80bには、共振器駆動電源19eにより交流電圧が印加される。交流電圧が印加された共振器80a,80bは、後述するように圧電素子81が霧化方向に超音波振動した際に、ステップ段差部82によって圧電素子81の振動変位を拡大する。この拡大率は、例えばステップ段差部82の段差比率やステップ段差部82の軸方向長さといったステップ段差部82の形状によって決定される。圧電素子81は、上述したように両端面において、共振器80a,80bによって挟みこまれている。共振器80a,80b、圧電素子81は、例えば接着剤により固定され、内部を貫通するボルトにより螺合されている。圧電素子81は、前述した第3の実施形態における圧電素子64と同様である。圧電素子81は、霧化方向に分極されているドーナツ形状であり、圧電素子64と同形状である。圧電素子81の両端面には、銀、又はニッケル電極が形成されている。圧電素子駆動電源19dにより交流電圧が圧電素子81に印加されると、圧電素子81は、霧化方向に超音波振動を行う。この超音波は、上述したように超音波放出面84からリザーバ室20内の薬液11に伝播される。圧電素子81の材質には、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が使用できる。なお、圧電素子81は2枚構成で使用される場合があり、このときは圧電素子81の分極方向を対向して配置される。そして、圧電素子81の向き合う電極にプラス、両端面の位置する共振器80a,80bに接触する電極をマイナスとして使用する場合が多い。
なおランジュバン型超音波振動子78が、図示しない電気絶縁部材を介して端面28bに接合された後、空気に露出している圧電素子81表面には、パリレンコートやシリコンコート等の防湿膜が形成される。
次に本実施形態における動作方法について説明する。
本実施形態では、薬液微粒子27が開口部69から吐出される際の動作のみが前述した第4の実施形態と異なるために、この箇所のみ説明する。
本実施形態では、薬液微粒子27が開口部69から吐出される際の動作のみが前述した第4の実施形態と異なるために、この箇所のみ説明する。
本実施形態における超音波振動の拡大率は、上述したようにステップ段差部82のステップ段差比率やステップ段差部82の軸方向長さ等の形状寸法により設定される。よってランジュバン型超音波振動子78は、リザーバ室20内の薬液11に対して圧電素子81によって前述した第4の実施形態より大きな振動変位を有する超音波振動を行う。これにより開口部69のメニスカスに前述した第4の実施形態より強力なキャピラリー波が発生するため、前述した第4の実施形態より薬液微粒子27の吐出量が増加する。
このように本実施形態は、前述した第1の実施形態と同様に薬液カートリッジにおいて消費された分量の薬液11が、霧化状の薬液微粒子27として吐出され、薬液微粒子27は、霧化室30内、霧化チューブ32内に滞留しない。よって本実施形態において前述した第1の実施形態と同様に薬液11の消費量が、部位6への投与量と一致する。よって本実施形態は、計量部5にて投与量を容易に把握することができる。
また本実施形態は、超音波振動の拡大率をステップ段差部82の形状によって設定できるため、前述した第4の実施形態より大きな振動変位を有する超音波振動を行うことができる。これにより本実施形態は、薬液微粒子27の吐出量を前述した第4の実施形態より増加できるために、部位6に対して短時間に多量の薬液11を投与することができる。また本実施形態は、前述した第4の実施形態と同様に前述した第1の実施形態に比べて粒径が小さい薬液微粒子27を容易に発生させる事ができるため生体にのみ、局所的に薬液を投与する事ができる。このような場合でも本実施形態は、計量部5にて投与量を容易に把握することができる。
なお第3乃至第6の実施形態において、圧電素子駆動電源19dが圧電素子64,81に交流電圧を印加したが、これに限定する必要はなく、例えばパルス電圧を印加してもよい。これにより、薬液11は、霧化状の微細な薬液微粒子27として吐出されるのではなく、液滴として吐出される。液滴の大きさは、パルス電圧の大きさや、パルス幅によって任意に設定できる。これにより例えば部位6が体腔内の粘膜によって覆われている場合、薬液11を液滴として部位6に放出することで液滴は、粘膜を貫き、確実に部位6に投与することができる。
1…液体投与装置、2…薬液保持部、3…薬液霧化部、4…薬液搬送機構部、4a…送風部、4b…薬液ガイド部、5…計量部、6…部位、9…メモリ、10…薬液カートリッジ、11…薬液、12…栓、13…凹部、14…開口部、15…連通部材、16…ホルダー部材、17…開口部、18…底面部、19a…電源、19b…導電性部材電源、19c…制御部、19d…圧電素子駆動電源、19e…共振器駆動電源、20…リザーバ室、21…薬液供給針、22…静電霧化針、23…霧化開口部、24…支持部材、25…空間、26…尖端部、27…薬液微粒子、28a…端面、28b…端面、28c…端面、28d…端面、30…霧化室、30a…内面、31…導電性部材、32…霧化チューブ、33a…接続端子、33…接続部、34…チューブ本体部、35…導電性部材、36…先端部、37…薬液霧化放出口部、40…送風室、41…ファン、42…面、43…フィルター部材、60…内視鏡、61…鉗子チャンネル、62…圧力センサ、63…液面水位センサ、64…圧電素子、65…開口部、68…微細開口部形成板、69…開口部、70…面、71…縁、72…側面、74…異形開口部形成板、75…先鋭部、76…異形開口部、77…異形開口中心部、78…ランジュバン型超音波振動子、80a…共振器、80b…共振器、81…圧電素子、82…ステップ段差部、83…端面、84…超音波放出面。
Claims (10)
- 体内に挿入され、前記体内の所定部位に液体を投与する液体投与装置において、
前記液体を保持する保持部と、
前記保持部によって保持されている前記液体を霧化する霧化部と、
前記霧化部によって霧化された前記液体を前記所定部位へ搬送する搬送機構と、
前記搬送機構によって搬送された前記液体を計量する計量部と、
を具備することを特徴とする液体投与装置。 - 前記搬送機構は、
前記霧化部と接続し、前記霧化部によって霧化された前記液体が前記所定部位に搬送される際の通路となる液体搬送管と、
前記霧化部から前記所定部位に向けて送風することで、前記液体搬送管を通じて前記霧化部によって霧化された前記液体を搬送する送風機構と、
を有することを特徴する請求項1に記載の液体投与装置。 - 前記液体搬送管は、前記体内に挿入されることを特徴する請求項2に記載の液体投与装置。
- 前記液体搬送管は、前記霧化部から着脱自在であることを特徴する請求項2に記載の液体投与装置。
- 前記計量部は、前記保持部に保持されている前記液体の残量を計量する残量計量部であることを特徴とする請求項1に記載の液体投与装置。
- 前記残量計量部は、前記保持部に設けられているメモリ、前記保持部に保持されている前記液体の液面を検出する液面検出センサの少なくともいずれか1つを有することを特徴とする請求項5に記載の液体投与装置。
- 前記保持部は、前記所定部位へ投与するために必要な液体を保持した際に、前記計量部を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の液体投与装置。
- 前記保持部は、前記霧化部から着脱自在であることを特徴する請求項1に記載の液体投与装置。
- 前記霧化部は、静電霧化、または超音波振動の少なくともいずれか1つを用いることで前記液体を霧化させることを特徴する請求項1に記載の液体投与装置。
- 請求項1乃至請求項9に記載の液体投与装置を有することを特徴とする内視鏡。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006340214A JP2008148934A (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 液体投与装置及び液体投与装置を備えた内視鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006340214A Withdrawn JP2008148934A (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 液体投与装置及び液体投与装置を備えた内視鏡 |
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-
2006
- 2006-12-18 JP JP2006340214A patent/JP2008148934A/ja not_active Withdrawn
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