JP2008147067A - 燃料電池スタックの電圧検出装置及び燃料電池システム - Google Patents

燃料電池スタックの電圧検出装置及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池スタックの各セル電圧を検出する電圧検出装置を小型化して、燃料電池スタックへの組み付け性を改善する。
【解決手段】直列接続された複数の燃料電池セル2からなる燃料電池スタック1のセル電圧を検出するA/D変換器12が搭載された電圧検出基板10と、A/D変換器の出力に基づいてセル電圧を監視するCPU22が搭載されたCPU基板20とを備え、電圧検出基板は、基板面を燃料電池セルの積層面と同一方向に延在させて燃料電池スタックの側面に配置され、CPU基板は、基板面を電圧検出基板に交差させて燃料電池スタックの同一側面に配置されてなるものとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の固体高分子型の燃料電池セルを直列接続してなる燃料電池スタックの電圧検出装置及び燃料電池システムに関する。
近年、環境負荷の少ないエネルギー源として燃料電池が注目されている。燃料電池は、水素を主成分とする燃料ガスと酸化剤ガスを電気化学的に反応させて起電力を得る装置である。しかし、燃料電池セル(以下、単にセルと略称する。)の個別の起電力はせいぜい0.7V程度に過ぎないため、一般に、数十から数百のセルを積層して一つの燃料電池スタックを構成して使用される。このようにスタック化された各セルの電圧は、スタック内部での燃料ガス密度、湿度、温度の分布によってばらつくとともに、セル毎に電圧劣化傾向が異なる。各セル電圧の低下はスタックの寿命や安全性に影響を及ぼすおそれがあるため、各セル電圧の状態を監視する必要がある。
この燃料電池スタックの各セル電圧を検出する電圧検出装置としては、例えば特許文献1に開示されている。これによれば、燃料電池スタックの各セルのセパレータに設けられた電極端子に、コネクタを介してセル電圧の監視等の処理をする処理回路を搭載した回路基板を接続して電圧検出装置を構成している。
特開2004−127776号公報(段落0011〜段落0021及び図1)
ところで、セル電圧の監視等の処理をする処理回路をマイクロプロセッサにより構成しようとすると、セル電圧をディジタル信号に変換するA/D変換器が必要になる。しかし、A/D変換器は、一般に、入力耐電圧が制限されることから、一つのA/D変換器で検出可能な直列セル数が制限される。したがって、燃料電池スタックのセル数に応じて複数のA/D変換器が必要になると同時に、A/D変換器にはそれぞれ絶縁された基準電位が必要になる。この基準電位は、A/D変換器が搭載される回路基板にベタアース等の導体パターンとして、複数のA/D変換器ごとに形成される。
しかし、同一の回路基板上に複数のA/D変換器を搭載し、かつそれに対応させて複数の基準電位の導体パターンを形成する必要があるため、回路基板の面積が大きくなり、燃料電池スタックにコンパクトに組み付けることが困難になるという問題が生ずる。
例えば、ベタアースは、回路基板の周囲に発生する各種の電磁ノイズに対する耐性を高めるために、面積をできるだけ拡大して設けられる。しかも、複数の基準電位として複数のベタアースを互いに絶縁して設けなければならないから、回路基板の面積が大きくなることには変わりがない。
本発明は、燃料電池スタックの各セル電圧を検出する電圧検出装置を小型化して、燃料電池スタックへの組み付け性を改善することを課題とする。
本発明の燃料電池スタックの電圧検出装置は、上記課題を解決するため、それぞれ導電性のセパレータを介して直列接続された複数の燃料電池セルからなる燃料電池スタックのセル電圧を検出するA/D変換器が搭載された第1の回路基板と、前記A/D変換器の出力に基づいて前記セル電圧を監視するマイクロプロセッサが搭載された第2の回路基板とを備え、前記第1の回路基板は、前記セパレータに接続される複数の入力端子と、該複数の入力端子を前記A/D変換器に択一的に接続する切り替え回路と、前記A/D変換器に接続された基準電位となる導体パターンと、前記A/D変換器の出力と前記基準電位とに接続された一対の出力端子とを備えてなり、前記第2の回路基板は、前記第1の回路基板の前記一対の出力端子が接続される基板間コネクタと、該基板間コネクタに接続されたマイクロプロセッサとを備えてなり、前記第1の回路基板は、基板面を前記燃料電池セルの積層面と同一方向に延在させて燃料電池スタックの側面に配置され、前記第2の回路基板は、基板面を前記第1の回路基板に交差させて、又はほぼ直交させて前記燃料電池スタックの同一側面に配置されてなることを特徴とする。
すなわち、電圧検出装置を構成する回路基板をA/D変換器が搭載された回路基板と、マイクロプロセッサが搭載された回路基板の2つに分けたことから、それぞれの回路基板を小型化することができる。特に、マイクロプロセッサが搭載された回路基板は、燃料電池スタックのセル数の多少にかかわらず1枚で構成できる。一方、入力耐電圧が制限されるA/D変換器の個数はセル数に応じて多くなるが、1つのA/D変換器を搭載した回路基板を複数設けることで対応できる。例えば、A/D変換器の入力耐電圧がDC7Vに制限され、セル電圧が0.7〜1.0Vの場合は、セル8個分程度の直列電圧を検出できる。このようなA/D変換器が搭載された回路基板を、燃料電池スタックの側面にかつ基板面を燃料電池セルの積層面方向に延在させて配置することにより、セル数が多くなっても燃料電池スタックの積層高さ内に十分に収めることができる。
このように、本発明によれば、マイクロプロセッサが搭載された回路基板と、A/D変換器が搭載された一又は複数の回路基板に分けたことから、回路基板の配置の自由度を増すことができ、燃料電池スタックへの組み付け性を改善することができる。
また、第1の回路基板と第2の回路基板との信号のやり取りを絶縁回路を介して行うように構成すれば、第2の回路基板のベタアースの導体パターンを自由に形成できるから、CPUなどのマイクロプロセッサの耐ノイズ性を向上できる。
本発明において、A/D変換器が搭載された第1の回路基板は、フレキシブル基板を用いて形成することが好ましい。つまり、1つのA/D変換器により複数セル分の電圧を検出するには、第1の回路基板を硬い材料で形成すると、入力端子と各セパレータの位置がずれるから、ボンディング等の配線により接続する工程が必要になる。この点、第1の回路基板をフレキシブル材で形成すれば、基板を変形させて入力端子の位置を複数のセパレータの位置に合わせることができるから、例えば、リベットやクリップ等により簡単に接続することができる。
しかし、これに限られるものではなく、第1の回路基板を硬い材料で形成する場合は、第1の回路基板の入力端子に接続されるセパレータの電極端子を、弾性材を用いて曲げ加工して形成し、第1の回路基板の入力端子を電極端子に押し付けて組み付けることにより、電極端子の弾性力により入力端子に圧接することができる。これによれば、硬い基板を用いても、ボンディング等の配線により接続する工程を不要にできる。
また、マイクロプロセッサが搭載された第2の回路基板の基板間コネクタは、複数の第1の回路基板の位置に合わせて燃料電池スタックの積層方向に1列又は2列に複数配列して基板面に設けることができる。また、第2の回路基板の基板間コネクタは、第1の回路基板の出力端子が挿入される溝を有し、その溝の両側面にマイクロプロセッサに接続される信号伝送路の端子を設けてなる雌型に形成され、第1の回路基板の出力端子は、基板間コネクタの溝の両側面の端子に接続可能に基板の両面に形成されてなるものとすることができる。
本発明によれば、燃料電池スタックの各セル電圧を検出する電圧検出装置を小型化して、燃料電池スタックへの組み付け性を改善することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1に、本発明の一実施形態の電圧検出装置を燃料電池スタックに組み付けた状態の外観図を示す。図2に、本実施形態の電圧検出基板の構成図を示す。図3に、本実施形態の電圧検出装置の回路構成図を示す。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタック1は、複数の固体高分子型の燃料電池セル2を積み重ねた構造になっている。燃料電池セル2は、起電力を生じる電解質膜と、導電性のセパレータとを交互に積み重ねて形成されている。そして、燃料電池スタック1の積層の両端に一対の端板3、4が設けられ、一対の端板3、4が互いに近づくよう両端から加圧されている。燃料電池セル2は、各電解質膜で発生した0.7〜1.0V程度の発電電圧が積層によって電気的に直列接続され、積層両端のセパレータにそれぞれ接続された電極5、6の間には、積層枚数に応じた数Vから数百Vの発電電圧を得ることができる。さらに、燃料電池スタック1内のそれぞれのセパレータには、電極端子7―0〜n(但しnは、整数であり、図示例ではn=5)が燃料電池スタック1の積層側面から突き出して設けられている。
電圧検出装置は、A/D変換器が搭載された複数の電圧検出基板10と、マイクロプロセッサであるCPUが搭載されたCPU基板20とを備えて構成されている。複数の電圧検出基板10は、同一の機能及び構造を有して構成されている。複数の電圧検出基板10は、基板面を燃料電池セル2の積層面と同一方向に延在させて燃料電池スタック1の側面に配置されている。一方、CPU基板20は、基板面を電圧検出基板10にほぼ直交させて、燃料電池スタック2の同一側面に配置されている。
電圧検出基板10は、図2に示すように、樹脂等のフレキシブル材料で形成されている。各電圧検出基板10には、セパレータの電極端子7−0〜nに対応した複数の入力端子11−0〜nが、長手方向の一方の側縁に形成されている。これらの入力端子11は、セパレータに設けられた電極端子7に対応させた位置に設けられている。また、それぞれの入力端子11は、配線パターンによりA/D変換器12の入力に接続されている。最も電位の低い入力端子11−0は基準電位Vsとして、A/D変換器12及び電源回路17に入力されている。最も電位の高い入力端子11−5は電源回路17に入力されている。アナログ/ディジタル変換を行うA/D変換器12により変換された検出電圧のディジタル信号は、配線パターンにより絶縁回路13を介して検出出力端子14に接続されている。また、電圧検出基板10には、A/D変換器12の電源回路17及び基準電位Vsとなる図示していない導体パターンが形成され、基準電位Vsは配線パターンにより絶縁回路13を介して基準電位端子16に接続されている。また、A/D変換器12は配線パターンにより絶縁回路13を介して制御信号端子15に接続されている。
一方、CPU基板20の基板面には、図1に示すように、電圧検出基板10の検出出力端子14、制御信号端子15及び基準電位端子16が接続される基板間コネクタ21がそれぞれ設けられている。また、CPU基板20の基板面には、基板間コネクタ21を介して入力される検出電圧のディジタル信号に基づいて各セルの電圧の監視に必要な演算を実行するCPU22が設けられている。さらに、外部と通信を行うための通信コネクタ23が設けられている。
図3を参照して、本実施形態の電圧検出装置の回路構成を説明する。図示のように、複数の燃料電池セル2を複数n個(図示例では、n=5)ごとの群に分け、各群に対して1つの電圧検出基板10を設けている。なお、1つの電圧検出基板10に対する燃料電池セル2の数nは、A/D変換器12の入力耐電圧に応じて適宜変えることができる。最も電位の低い入力端子11−0はA/D変換器12の基準電位端子Vsに接続され、それ以外の入力端子11―1〜nはA/D変換器12のアナログ入力端子Aiに接続されている。電源回路17は、最低電位の入力端子11−0と最高電位の入力端子11−5間に発生する直流電圧を昇圧又は降圧して、A/D変換器12の電源Vcc及び基準電圧Vrefを生成して供給するようになっている。A/D変換器12は、図示していないが、入力部にマルチプレクサなどの切り替え回路を備えており、最低電位以外の入力端子11−1〜nを択一的にA/D変換器12のアナログ入力端子Aiに接続するようになっている。
A/D変換器12により変換されたディジタル信号は、出力端子Doから絶縁回路13を介して検出出力端子14に出力される。また、基準電位Vsは絶縁回路13を介して基準電位端子16に出力される。A/D変換器12の制御信号端子Diは、絶縁回路13を介して電圧検出基板10の制御信号端子15に接続されている。絶縁回路13は、CPU基板20との間で送受するディジタル信号を絶縁する回路であり、フォトカプラ等の光学による方式、あるいは磁気結合による方式を用いた絶縁素子で構成することができる。
CPU基板20の基板間コネクタ21の接続ピンはそれぞれ信号伝送路24を介してCPU22に接続されている。また、信号伝送路24は、他の電圧検出基板10の検出出力端子14、制御信号端子15及び基準電圧端子16に、それぞれ基板間コネクタ21を介して接続されるようになっている。CPU22は、制御信号端子15を介して電圧検出基板10を選択し、各A/D変換器12により変換された検出電圧のディジタル信号を順次取り込むようになっている。また、CPU22は、制御信号端子15を介して選択したA/D変換器12の制御信号端子Diに、燃料電池セル2の選択指令を出力し、切り替え回路により入力端子11−1〜nを選択して所望のセル電圧を検出するようになっている。
このように構成されることから、CPU22はA/D変換器12に制御信号端子15を介して選択指令を出力することにより、任意の群のn個の燃料電池セル2の合計セル電圧及び各セル電圧を検出させて、燃料電池スタック1の全ての燃料電池セル2のセル電圧を検出することができる。また、CPU22は、検出された各セル電圧に基づいて燃料電池スタック1の状態を監視することができる。
本実施形態によれば、電圧検出装置を構成する回路基板をA/D変換器12が搭載された電圧検出基板10と、CPU22が搭載されたCPU基板20の2つに分けたことから、それぞれの回路基板を小型化することができる。特に、CPU基板20は、燃料電池スタック1のセル数の多少にかかわらず1枚で構成できる。
一方、入力耐電圧が制限されるA/D変換器の個数はセル数に応じて多くなるが、1つのA/D変換器12を搭載した電圧検出基板10を複数設けることで対応する。例えば、A/D変換器12の入力耐電圧がDC7Vに制限され、セル電圧が0.7〜1.0Vの場合は、セル8個分程度の直列電圧を検出できる。このようなA/D変換器12が搭載された電圧検出基板10を、燃料電池スタック1の側面にかつ基板面を燃料電池セル2の積層面と同一方向に延在させて配置しているから、セル数が多くなっても燃料電池スタック1の積層高さ内に十分に収めることができる。また、燃料電池スタック1の積層セル数が変わった場合、積層セル数に応じて電圧検出基板10の枚数を変化させるだけで対応できる。そのため、電圧検出基板10とCPU基板20を同一の基板上に構成する従来例に比べて、汎用性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、CPU基板20と、A/D変換器12が搭載された一又は複数の電圧検出基板10に分けたことから、回路基板の配置の自由度を増すことができ、燃料電池スタックへの組み付け性を改善することができる。
しかも、電圧検出基板10上に絶縁回路13を設けて電圧検出基板10とCPU基板20とを分離していることから、CPU基板20上に複数のA/D変換器12用の異なる多数の基準電位が混在することが無くなる。そのため、CPU基板20のベタアースの導体パターンを必要に応じて強化できることから、CPU基板20の耐ノイズ性を確保できるという効果がある。
一方、電圧検出基板10に関しても、基板上の基準電位は絶縁回路13の1次側と2次側の2電位だけの導体パターンで構成することが可能であり、導体パターン強化による基板の大型化を最低限に抑えることが可能となる。
また、燃料電池セル2の電圧は通常0.7Vから1.0Vの範囲で変動し、5V級動作のA/D変換器12のアナログ入力耐圧は通常7V程度である。したがって、燃料電池スタック1を構成する全セルの電圧を検出する場合、アナログ入力の分圧回路を用いないとすれば、1枚の電圧検出基板10で検出する燃料電池セル2の数は、1〜8個の直列分相当が望ましい。
また、この場合、マルチプレクサなどの切り替え回路により切り替える最大8チャンネルのマルチ入力を持つA/D変換器12を用いることで、1チャンネル単位のA/D変換器12を用いるよりも電圧検出基板10の部品数を低減できる。
また、電圧検出装置によるセル電圧の検出を精度良く高速で行うために、配線のインピーダンスを抑えて、電圧検出基板10を燃料電池スタック1の電極端子7に最短で接続する必要がある。本実施形態によれば、電圧検出基板10は燃料電池スタック1の積層部の側面に設置していることから、最短の配線を実現して配線のインピーダンスを最小化できる。
なお、図1において、燃料電池スタック1の外形を直方体で近似して、積層方向の長さA、各燃料電池セル2の縦横の幅をそれぞれB、Cとすると、A<B、A<Cの関係をもった形状となる場合がある。特に、燃料電池スタック1は内部抵抗を抑える目的で、断面積B×Cを広げ、厚さAを削減する傾向があり、燃料電池スタック1の積層面はA×B又はA×Cの細長い長方形形状となることがある。例えば、1kW級の燃料電池スタック1をB×C=400cm、厚さを5cm程度とすると、その細長の形状に電圧検出装置を収めるためには、図1に示すように、CPU基板20は燃料電池スタック1の積層部の側面に近づけて概ね平行に配置し、電圧検出基板10は燃料電池スタック1の積層部の側面に近づけて概ね垂直になるように配置することが好ましい。
さらに、電圧検出基板10は燃料電池スタック1の積層部の側面に対し平行の方向に長手をもつ概ね長方形の形状を持たせ、電圧検出基板10に燃料電池スタック1の電極端子7を接触させるように構成することが望ましい。この配置構成によれば、最短の経路で電圧検出が可能となるとともに、燃料電池スタック1の寸法に合わせた電圧検出装置の配置が可能となり、装置の全体寸法を小型化できる。
(実施形態2)
図4に、電圧検出基板10と燃料電池スタック1の電極端子7との接続例を示す。同図は、電圧検出基板10が配置された燃料電池スタック1の積層部の側面側から見た図である。電圧検出基板10はフレキシブル基板等の柔軟性のある平面を持つ基板より構成することで、複数の電極端子7の配置にばらつきが生じた場合にも正確に接触することが可能である。ここで、電極端子7と電圧検出基板10との接触点における電気的な接続方法としては、半田溶接による接続のほか、図示のようにクリップやリベット等の圧着具19を用いた圧接、あるいは粘着性のある金属テープによる接続を行うことができる。
(実施形態3)
図5に、電圧検出基板10とCPU基板20との配置構成の他の実施形態を示す。本実施形態は、電圧検出基板10のA/D変換器12等の実装部品18の実装高さが、電圧検出基板10の電圧検出の対象とする燃料電池セル2の群の積層厚より大きくなる場合の配置構成である。本実施形態の場合は、基板間コネクタ21をCPU基板20上で2列にずらして配置することにより、実装部品18の高い部分を避けて電圧検出基板10を重ねることができ、小型化を実現できる。また、CPU基板20上における複数の基板間コネクタ21の位置は、燃料電池スタック1の積層方向Aに概ね平行になるように配置する。
(実施形態4)
図6に、電圧検出基板10と燃料電池スタック1の接続構成に関する他の実施形態を示す。本実施形態の電圧検出基板10は、フレキシブル基板よりも柔軟性の低い基板、例えば紙フェノール基板、紙ポリエステル基板、紙エポキシ基板、ガラスエポキシ系基板等の基板で構成している。そして、電圧検出基板10の入力端子11を燃料電池スタック1の電極端子7に接触させて組み付ける。
つまり、燃料電池スタック1の電極端子7を燃料電池スタック1の積層側面に対して、数度から十数度の角度の曲げ加工を付与しておき、その電極端子7を電圧検出基板10の入力端子11に押し付けて組み付けることにより、双方の反発力を利用した圧接によって接続を行うことができる。
また、図7に、図6の実施形態に変えて、電圧検出基板10を燃料電池スタック1の積層方向の中央部に配置した例を示す。この場合は、燃料電池スタック1の複数の電極端子7の曲げ角度を左右対称に対向させ、電圧検出基板10の入力端子11を左右の複数の電極端子7の間に設置して、押圧挟持する構成となっている。
(実施形態5)
図8に、電圧検出基板10とCPU基板20とを接続する基板間コネクタ部の他の実施形態を示す。同図(a)は図1の燃料電池スタック1の正面から見た図であり、同図(b)は下面から見た図である。図示のように、電圧検出基板10には、検出出力端子14、16及び制御信号端子15に接続してコネクタ30が設けられている。並列して設けられる複数の電圧検出基板10のコネクタ30は重ね合わせて互いに連結可能な構造になっている。つまり、コネクタ30は、電圧検出基板10の片方の面に雌型、もう一方の面に雄型、というように互いに吻合可能な雌雄の形状を両面に備えて形成されている。したがって、コネクタ30のピンは、電圧検出基板10の枚数に応じた数が設けられている。一方、CPU基板20側の基板間コネクタ21は、一枚の電圧検出基板10のコネクタ30と吻合可能に形成されている。このような構成によれば、1個の基板間コネクタ21に対し2枚以上の電圧検出基板10を接続することが可能になり、基板間コネクタ21を1つにできるため装置の小型化が実現可能である。
(実施形態6)
図9に、図1の電圧検出装置の実施形態を適用してなる燃料電池発電システムの一実施形態の構成を示す。図示のように、燃料電池スタック1には燃料である水素を供給及び排出する水素配管41、酸素を供給及び排出する酸素配管42が接続される。燃料電池スタック1の電極5、6は、発電制御用のDC/DCコンバータ43の入力端子44に接続される。DC/DCコンバータ43は半導体スイッチのスイッチング動作による燃料電池スタック1の電流制御機能、コンバータ出力端子45に出力する直流電圧の制御機能を有している。また、DC/DCコンバータ43とCPU基板20との間には、情報を伝達可能なコネクタ46が接続されている。CPU基板20の通信コネクタ23にはシステム外部に設けられるパソコン等の外部制御器47が接続され、発電システムの駆動、監視等を外部制御器47が行うようになっている。
本発明の電圧検出装置を適用した本実施形態の燃料電池発電システムによれば、発電システム全体の小型化が可能である。
本発明の一実施形態の電圧検出装置を燃料電池スタックに組み付けた状態の外観図である。 図1実施形態の電圧検出基板の構成図である。 図1実施形態の電圧検出装置の回路構成図である。 電圧検出基板と燃料電池スタックの電極端子との接続例を示す図である。 電圧検出基板とCPU基板との配置構成の他の実施形態を示す図である。 電圧検出基板と燃料電池スタックの接続構成に関する他の実施形態を示す図である。 電圧検出基板を燃料電池スタックの積層方向の中央部に配置した他の実施形態を示す図である。 電圧検出基板とCPU基板とを接続する基板間コネクタ部の他の実施形態を示す図である。 本発明の電圧検出装置の実施形態を適用してなる燃料電池発電システムの一実施形態の構成を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 燃料電池セル
5、6 電極
7 電極端子
10 電圧検出基板
11 入力端子
12 A/D変換器
13 絶縁回路
14 検出出力端子
15 制御信号端子
16 基準電位端子
17 電源回路
20 CPU基板
21 基板間コネクタ
22 CPU

Claims (8)

  1. それぞれ導電性のセパレータを介して直列接続された複数の燃料電池セルからなる燃料電池スタックのセル電圧を検出するA/D変換器が搭載された第1の回路基板と、前記A/D変換器の出力に基づいて前記セル電圧を監視するマイクロプロセッサが搭載された第2の回路基板とを備え、
    前記第1の回路基板は、前記セパレータに接続される複数の入力端子と、該複数の入力端子を前記A/D変換器に択一的に接続する切り替え回路と、前記A/D変換器に接続された基準電位となる導体パターンと、前記A/D変換器の出力と前記基準電位とに接続された一対の出力端子とを備えてなり、
    前記第2の回路基板は、前記第1の回路基板の前記一対の出力端子が接続される基板間コネクタと、該基板間コネクタに接続されたマイクロプロセッサとを備えてなり、
    前記第1の回路基板は、基板面を前記燃料電池セルの積層面と同一方向に延在させて燃料電池スタックの側面に配置され、前記第2の回路基板は、基板面を前記第1の回路基板に交差させて前記燃料電池スタックの同一側面に配置されてなる燃料電池スタックの電圧検出装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の回路基板は、前記複数の燃料電池セルを複数の群に分けて、該群ごとに対応して複数設けられてなることを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1の回路基板は、フレキシブル基板を用いて形成されてなることを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
  4. 請求項1において、
    前記基板間コネクタは、前記複数の第1の回路基板の位置に合わせて前記燃料電池スタックの積層方向に1列又は2列に複数配列して前記第2の回路基板の基板面に設けられてなることを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
  5. 請求項2において、
    前記A/D変換器は、前記群の燃料電池セルの直列電圧を検出可能な入力耐電圧を有することを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記基板間コネクタは、前記第1の回路基板の前記出力端子が挿入される溝穴を有し、該溝穴の両側面に前記マイクロプロセッサに接続される信号伝送路の端子が設けられてなる雌型に形成され、
    前記第1の回路基板の前記出力端子は、前記基板間コネクタの溝穴の両側面の端子に接続可能に基板の両面に形成されてなることを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
  7. 請求項1又は2において、
    前記第1の回路基板は、硬い基板材を用いて形成され、
    前記セパレータは、前記第1の回路基板の前記入力端子に接続される電極端子を有し、該電極端子は、弾性材を用いて曲げ加工して形成され、
    前記第1の回路基板の前記入力端子を前記電極端子に押し付けて組み付けることにより、前記電極端子の弾性力により前記電極端子と前記入力端子とが圧接されていることを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
  8. 請求項1又は2において、
    前記第2の回路基板は、基板面を前記第1の回路基板にほぼ直交させて前記燃料電池スタックの同一側面に配置されてなることを特徴とする燃料電池スタックの電圧検出装置。
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