JP2008145297A - 海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定方法、測定システム、測定プログラム及びその記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】海水中の栄養塩と呼ばれる硝酸、亜硝酸、アンモニア、リン酸の塩は、淡水中や海水中に存在することで、プランクトンの餌となり、赤潮などの水質汚濁の原因となる。海水中の栄養塩を測定する方法については、特に硝酸イオン、亜硝酸イオンとその他成分とに区分して紫外吸光光度計を用いて正確に計測しようとするものである。
【解決手段】吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、塩素、臭素などによる影響が少ない波長として215〜240nmにおける波長領域の紫外光を海水試料に透過させることにより、硝酸イオン、亜硝酸イオン、その他物質の吸収スペクトルを計測し、これを2次微分してガウス関数モデルを利用した最小2乗法の演算手段により、硝酸イオン、亜硝酸イオンの総和濃度を測定する方法及びシステムを提供する。
【選択図】図5
【解決手段】吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、塩素、臭素などによる影響が少ない波長として215〜240nmにおける波長領域の紫外光を海水試料に透過させることにより、硝酸イオン、亜硝酸イオン、その他物質の吸収スペクトルを計測し、これを2次微分してガウス関数モデルを利用した最小2乗法の演算手段により、硝酸イオン、亜硝酸イオンの総和濃度を測定する方法及びシステムを提供する。
【選択図】図5
Description
本発明は、海水中における栄養塩と呼ばれる硝酸、亜硝酸、アンモニア、リン酸などの塩、特に硝酸、亜硝酸イオンの測定方法、測定システム、測定プログラム及びその記録媒体に関するものである。
近年、我が国においては、大気や地下水汚染、工場排水などには、水中の窒素化合物、リン化合物及びTOCの分析方法は、JISのK0102に規格化されている。
汚濁物質を含む水中の窒素化合物は硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニウムイオン又は有機態窒素として存在している。これらの水中窒素を全て測定するTN(全窒素)分析方法では、全ての窒素化合物を酸化分解して硝酸イオンに変えて、硝酸イオンによる波長220nm近傍での紫外線吸光度を測定する方法がある(特許文献1)。また、化学的分解槽を必要とせず、光触媒と紫外線を用いて酸化させることによって硝酸イオンにして紫外線吸光度測定による分析を利用する方法がある(特許文献2)。
更に、水及び水溶液中の極めて微量の硝酸イオンなどを測定する方法については、紫外分光測定装置を用いて、濃度計算式によるイオン濃度を測定する方法がある(特許文献3)。
また、光吸収分析において、吸収ピークが僅かな波長差で重なっている場合に吸収の確認、シャープなピークに隠れた弱い吸収ピークの確認などに用いる方法として、微分スペクトル法による定量分析が報告されている(非特許文献1)。赤外分光に用いる方法として2次微分スペクトルデータを求める演算を行うデータ処理装置が示されている(特許文献4)。
海水中の栄養塩とは、一般に海域では、植物プランクトンが基礎生産者として重要な役割を果たしているが、その生産量を決める制限因子となるのは、主として、溶存態である硝酸イオン、亜硝酸イオン、アンモニアイオン、及びリン酸イオンであり、場合によってはケイ酸イオンや鉄イオンが制限因子となる。
海水中の栄養塩と呼ばれる硝酸、亜硝酸、アンモニア、リン酸の塩は、淡水中や海水中に存在することで、プランクトンの餌となり、赤潮などの水質汚濁の原因となる。これらを測定、特に海水中の栄養塩を測定する方法については、水または水溶液測定と同じような測定方法が用いられるが、海水中における栄養塩を硝酸イオン、亜硝酸イオンとその他成分とに区分して正確に計測することは、困難であった。即ち、海水は淡水と違って、測定の妨害イオンとなる塩素イオン、臭素イオン、よう素イオンなどの存在があって、正確な測定が困難であった。本発明では、硝酸イオン及び亜硝酸イオンを栄養塩として、捉えるものである。従って、本発明では、紫外吸光光度計を用いて波長の似かよったイオンについても硝酸イオン及び亜硝酸イオンの総和濃度として正確に測定しようとするものである。
本発明の第1の解決手段は、吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、塩素、臭素などによる影響が少ない波長として215〜240nmにおける波長領域の紫外光を海水試料に透過させることにより、硝酸イオン、亜硝酸イオン、その他物質の吸収スペクトルを計測し、これを2次微分して、式(1)に示す、ガウス関数モデルを利用した海水の紫外吸光スペクトルモデルを用いて最小2乗法の演算手段により、硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度を測定することを特徴とする海水中栄養塩の硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度測定方法を提供する。
これにより、他のイオンとは区分して正確な硝酸イオン、亜硝酸イオンが測定できる。塩素、臭素以外にフミン酸、フルボ酸も栄養塩に含まれることが考えられるが、これらの影響は波長選択により除去される。
更に、前項において、次の式(2)を用いてパラメータを演算する機能を有せしめ、海水中栄養塩の硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度測定方法を行う。
更に、前項において、次の式(2)を用いてパラメータを演算する機能を有せしめ、海水中栄養塩の硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度測定方法を行う。
で示され、f(λ0)も同様である]
これにより、硝酸イオン、亜硝酸イオン以外の紫外吸光特性を有するイオンの吸光度を定量化でき、正確に硝酸イオンと亜硝酸イオンの濃度が演算機能から計算できる。
本発明の第2の解決手段は、吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、塩素、臭素などによる影響が少ない波長として215〜240nmにおける波長領域の紫外光を海水試料に透過させて紫外吸光度を計測する工程、前記吸光度を入力して2次微分して上記式(1)に示すガウス関数モデルを用いた海水の紫外吸光スペクトルモデルを利用して最小2乗法を演算する工程、前記工程から吸光度ピークを利用して硝酸イオンと亜硝酸イオンを特定し、その総和を定量する工程、からなるシステムを備えた海水中栄養塩の硝酸イオンと亜硝酸イオンの総和濃度測定システムを提供する。
前項において、次の上記式(2)により初期値を与えることで安定的に演算する機能を有せしめ、海水中栄養塩の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの総和濃度測定システムを提供する。
前記塩素、臭素などによる影響が少ない波長としての215〜240nmに亘って、異なった波長で複数回海水の紫外吸光スペクトルを計測する工程として海水中栄養塩の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの総和濃度を測定する。更に、前記塩素、臭素などによる影響が少ない波長としての215〜240nmに亘って、1nm毎に海水の紫外吸光スペクトルを計測することも含める。また、これらの工程をプログラムにして且つ記録媒体としても用いることができる。
以上のように、本発明によれば、大掛かりな装置を必要とせず、海水中の栄養塩を的確に把握することができるので、また、船上でも採取から定量までリアルタイムに定量できるので、極めて簡便である。
吸光光度法(分光分析)は,計測対象物質の吸光度のピーク波長で計測するのが一般的であるため,海水中の栄養塩である硝酸・亜硝酸を計測するなら210nm付近で計測するのが通常である。しかし、図1に各種イオンの吸光度と波長との関係を示すと、海水には210nm付近に吸光度を有する臭素(1)、塩素(2)が多量に含まれているため、210nm付近における海水の吸光度の中から硝酸・亜硝酸(3)にのみ起因する吸光度を分離することは難しい {S/Nが低い。但し、S:硝酸・亜硝酸吸光度、N:硝酸・亜硝酸以外の物質(臭素等)による吸光度として表示する}。また、この領域には海水中の有機物質であるフミン酸やフルボ酸も吸光特性を有するが臭素、塩素に比べると極めて軽微である。
一方,215nmより長波長域では塩素及び臭素、フミン酸、フルボ酸の吸光度が急激に減少しS/Nが高くなるため,本発明では215nm〜240nmにおける波長領域において硝酸・亜硝酸濃度を分離・定量することで塩素、臭素、フミン酸、フルボ酸の影響を抑えた。
海水中に含まれる紫外吸光物質には無機物質として硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、ヨウ素イオン、重炭酸イオン等があり、有機物質としてはアニリンやグルタミン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が存在する。これらの物質は、215nm〜240nmの波長域には吸光特性を有しているため、その影響を考慮する必要がある。よって本発明ではそれらの物質の個数とピーク波長を解析的に推定し、それらの吸光度をガウス関数でモデル・定量化することでその影響を除去した。
図2は、海水吸光度の概念図(実際にはもっと小さくなるので見やすいように示す)を示し、200〜240nm波長で測定した結果の吸光度を曲線にしたもので、1は、塩素イオン、2は臭素イオン、3は亜硝酸イオン、4は硝酸イオン、5、6、7は未知物質、8は海水、のそれぞれの吸光度曲線であるが、ここに示すような明白な傾向にはなっていない。215nm以上では、塩素イオン、臭素イオンの影響は少なく、未知物質についても少ないが、海水の吸光度曲線を2次微分することにより、未知物質と思われるピーク吸光度の波長を知ることができる。
図3は、図2の海水吸光度曲線で且つ215nm波長以上240nmまでの2次微分した結果、物質の特定ができなくても、未知なる物質として示し、そのピーク波長を以って、吸光度を示し、ガウス計算により、全体から引くことにより、硝酸、亜硝酸イオンの総和を求めることができる。このように、図2及び図3は2次微分するところを模型的に示した。
図4は、本発明の1実施例にかかる紫外分光測定のフロー図である。
(1)は、海水の採取をする工程、(2)は採取した海水をろ過膜を通過させる工程、ここで、浮遊物、塵などの固形物を取り除き、分析用に供給する試料とする。(3)は、工程(2)を経過した海水から分析装置の測定用セル容器に注水する工程、(4)は分析装置の紫外線の波長を指定して前記セル容器に透過させてその光度透過率を測定し、(5)パーソナルコンピュータに信号を入力する。コンピュータ内での演算部を備え、2次微分して初期値を与え、硝酸・亜硝酸イオンの濃度を計算する。そしてイオン濃度表示部にて図として表示する。
(1)は、海水の採取をする工程、(2)は採取した海水をろ過膜を通過させる工程、ここで、浮遊物、塵などの固形物を取り除き、分析用に供給する試料とする。(3)は、工程(2)を経過した海水から分析装置の測定用セル容器に注水する工程、(4)は分析装置の紫外線の波長を指定して前記セル容器に透過させてその光度透過率を測定し、(5)パーソナルコンピュータに信号を入力する。コンピュータ内での演算部を備え、2次微分して初期値を与え、硝酸・亜硝酸イオンの濃度を計算する。そしてイオン濃度表示部にて図として表示する。
海水の紫外吸光スペクトルの演算部での作動について、以下に説明する。
海水の紫外吸光光度は塩素,臭素,硝酸,亜硝酸およびその他の未知成分による吸光度の線形足し合わせから構成されている。また、1種類の化学物質の吸光特性はガウス関数で表現できるため、未知成分の吸光度もこれらの線形足し合わせから構成されている。よって残差成分の吸光度をガウス関数による足し合わせにより表現することで、海水の紫外吸光度を下記式(1)のようにモデル化することが出来る。
海水の紫外吸光光度は塩素,臭素,硝酸,亜硝酸およびその他の未知成分による吸光度の線形足し合わせから構成されている。また、1種類の化学物質の吸光特性はガウス関数で表現できるため、未知成分の吸光度もこれらの線形足し合わせから構成されている。よって残差成分の吸光度をガウス関数による足し合わせにより表現することで、海水の紫外吸光度を下記式(1)のようにモデル化することが出来る。
海水中の硝酸・亜硝酸濃度を上式から求めるには未知成分を波形分離処理し以下の4つの波形パラメータを推定する。
(1)ピークの個数(吸光物質の種類数);n
(2)ピーク波長の位置;λ0
(3)半値幅(分散);σ
(4)ピーク高さ(吸光物質の濃度);C
以下にその演算方法を示す。なお、本手法はフィールドにおける計測を目的としているため、採水分析によるキャリブレーションを理論的には必要としない手法である。全体の計測フローを図5に示す。
(1)ピークの個数(吸光物質の種類数);n
(2)ピーク波長の位置;λ0
(3)半値幅(分散);σ
(4)ピーク高さ(吸光物質の濃度);C
以下にその演算方法を示す。なお、本手法はフィールドにおける計測を目的としているため、採水分析によるキャリブレーションを理論的には必要としない手法である。全体の計測フローを図5に示す。
図5は、コンピュータに内蔵する演算部のシステムプログラムであり、また、記録媒体としても用いることができる。
(1)工程では、分析装置で計測した各種での紫外吸光光度と波長λを入力し、(2)工程で計測値5点により波形を平滑化する。(3)工程では、臭素、塩素、硝酸、亜硝酸による吸光度を指数関数により最小2乗フィッティングして、ベースラインB(λ)とし、海水の吸光度から差し引く[A(λ)sea―B(λ)]ことにする。(4)工程では、以下に示す計算式により2次微分を実施して未知物質のピークの個数(n)、波長(λ0)を抽出する。(5)工程において、A(λ0)sea、A“ (λ0)を用いて、C、σの初期値を算出する。(6)最小2乗法により硝酸、亜硝酸イオン濃度を算出する。A“ (λ0)とは、Aの2次微分値、A“ (d 2A/dλ2)を示す。即ち、次式
|A(λ)sea―Amodel(λ)|で計測する。
Amodel(λ)は、上記式(1)の計算値である。
(1)工程では、分析装置で計測した各種での紫外吸光光度と波長λを入力し、(2)工程で計測値5点により波形を平滑化する。(3)工程では、臭素、塩素、硝酸、亜硝酸による吸光度を指数関数により最小2乗フィッティングして、ベースラインB(λ)とし、海水の吸光度から差し引く[A(λ)sea―B(λ)]ことにする。(4)工程では、以下に示す計算式により2次微分を実施して未知物質のピークの個数(n)、波長(λ0)を抽出する。(5)工程において、A(λ0)sea、A“ (λ0)を用いて、C、σの初期値を算出する。(6)最小2乗法により硝酸、亜硝酸イオン濃度を算出する。A“ (λ0)とは、Aの2次微分値、A“ (d 2A/dλ2)を示す。即ち、次式
|A(λ)sea―Amodel(λ)|で計測する。
Amodel(λ)は、上記式(1)の計算値である。
海水中の硝酸・亜硝酸濃度を計測するにあたり、215〜240nmに亘って吸光特性を持つ複数の物質の吸光度を推定・分離する必要がある。この実験では、波長を1nm毎に変えて紫外吸光度を計測し、各物質の吸光特性はガウス関数により表現でき、未知成分の吸光度はその線形足し合わせから成り立っているため、海水の吸光スペクトルを2次微分することでピークの個数およびピークの位置を推定する。すなわち、2次微分値が負の極小値(<・ 0.001 )となり、1次微分値が0となる個数がピークの個数であり、その波長がピーク波長となる。臭素、塩素、硝酸・亜硝酸の吸光度および計測機器特性(べースライン成分)を以下の式(4)で示すような指数関数で表現することで海水における未知物質のピーク波長、個数を推定した結果を図6に示す。硝酸イオン、亜硝酸イオンの総和濃度を計測することでよいので、硝酸イオン、亜硝酸イオン以外の未知のものについては特定しなくても、未知のままでも計算処理できる。
なお,ノイズ成分の影響を除くため、観測波形に対して計測値5点による平滑化を行った。この海水には4種の代表的な未知物質が含まれており、図6は以下の計測例からの一例を示したもので、ピーク波長を有していることが解かる。
ここでの計測例では、波長を1nm毎に変えて紫外吸光度を計測したが、波長の幅間隔を広げて複数回計測してもよい。
初期値設定については、ガウス関数および2次微分の一般式は式(5)のように示され、ピーク波長λ0におけるf(λ0)は式(6)のようになる。よって濃度Cおよび半値幅σは、単一物質による吸光特性から式9によって解析的に求めることができる。
ここでの計測例では、波長を1nm毎に変えて紫外吸光度を計測したが、波長の幅間隔を広げて複数回計測してもよい。
初期値設定については、ガウス関数および2次微分の一般式は式(5)のように示され、ピーク波長λ0におけるf(λ0)は式(6)のようになる。よって濃度Cおよび半値幅σは、単一物質による吸光特性から式9によって解析的に求めることができる。
しかし実際の未知物質は吸光度が複数重なり合っているため解析的に求めることは難しい。したがって、上記式(1)、(2)から求められた濃度Cおよび半値幅σを初期値として、最小2乗法により各物質濃度および未知物質のパラメ−タを求める。
(測定例)
上記の計測結果として、瀬戸内海における海洋上の各地で海水を採取し、本発明方法モデルは船上で硝酸イオン、亜硝酸イオンの総和濃度を計測し、JISモデルとの対比を示した。JIS法K0102については、海水を持ち帰り、実験室において、通常の紫外吸光度法で測定した。
その結果は、計測地点、本発明計測方法の値とJIS計測値との対比及び偏差として表1に示す。
上記の計測結果として、瀬戸内海における海洋上の各地で海水を採取し、本発明方法モデルは船上で硝酸イオン、亜硝酸イオンの総和濃度を計測し、JISモデルとの対比を示した。JIS法K0102については、海水を持ち帰り、実験室において、通常の紫外吸光度法で測定した。
その結果は、計測地点、本発明計測方法の値とJIS計測値との対比及び偏差として表1に示す。
海水の吸光特性モデルと計測値を最小2乗法により最適化することで、12 検体の海水に含まれる硝酸・亜硝酸物質濃度を定量し、通常のJISによる紫外吸光光度の分析結果と比較した。この結果を図7に示す。
(1)はJISによる海水の分析結果を示し、(2)は本発明による結果を示し、その結果は同じ傾向と略同じ数値を示していることがわかる。
表2は、各種パラメ−タの計測値及び計算値を示すものである。
(1)はJISによる海水の分析結果を示し、(2)は本発明による結果を示し、その結果は同じ傾向と略同じ数値を示していることがわかる。
表2は、各種パラメ−タの計測値及び計算値を示すものである。
本発明は、上に述べるように、大掛かりな装置を必要とせず、海水中の栄養塩を的確に把握することができるので、また、船上でも採取から定量までリアルタイムに定量できるので、極めて簡便である。
1 臭素
2 塩素
3 硝酸・亜硝酸
2 塩素
3 硝酸・亜硝酸
Claims (12)
- 吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、波長として215〜240nmにおける海水の紫外吸光スペクトルを計測し、式(1):
に示すガウス関数モデルを用いた海水の紫外吸光スペクトルモデルを利用した最小2乗法の演算手段により、硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度の総和を測定することを特徴とする海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定方法。 - 請求項1において、海水の吸収スペクトル全域に亘り、2次微分して、吸光度ピークのものから波長を判定し、硝酸イオン、亜硝酸イオンを特定することを特徴とする請求項1に記載の海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定方法。
- 波長215〜240nmに亘って、異なった波長で複数回海水の紫外吸光スペクトルを計測することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定方法。
- 波長215〜240nmに亘って、1nm毎に海水の紫外吸光スペクトルを計測することを特徴とする請求項4記載の海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定方法。
- 吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、波長215〜240nmにおける波長領域の紫外光を海水試料に透過させて紫外吸光度を計測する工程と、
前記吸光度を入力して2次微分して上記の式(1)に示すガウス関数モデルを用いた海水の紫外吸光スペクトルモデルを利用して最小2乗法を演算する工程と、
前記工程から吸光度ピークを利用して硝酸イオンと亜硝酸イオンを特定し、その総和を定量する工程と、
からなるシステムを備えた海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定システム。 - 請求項6において、上記式(2)により初期値を与えることで安定的に演算する機能を有せしめる請求項6に記載の海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定システム。
- 波長215〜240nmに亘って、異なった波長で複数回海水の紫外吸光スペクトルを計測する工程とすることを特徴とする請求項6または7に記載の海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定システム。
- 波長215〜240nmに亘って、1nm毎に海水の紫外吸光スペクトルを計測することを特徴とする請求項8に記載の海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定システム。
- 吸光光度法による海水中栄養塩の濃度測定において、波長215〜240nmにおける海水の紫外吸光スペクトルを計測し、これを2次微分し、上記式(1)に示すガウス関数モデルを用いた海水の紫外吸光スペクトルモデルを利用した最小2乗法の演算手段と、硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度の総和を測定する手段とをコンピュータに実行させる、海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定プログラム。
- 請求項10において、上記式(2)により初期値を与えることで安定的に演算する機能手段をコンピュータに実行させる、海水中の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度測定プログラム。
- 請求項11に記載のプログラムをコンピュータ読取可能にした記録媒体。
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