JP2008142020A - 核酸マイクロアレイの品質管理方法および品質管理試薬 - Google Patents

核酸マイクロアレイの品質管理方法および品質管理試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】出荷前に全数検査を行わずとも核酸マイクロアレイ上の正しい位置に、正しいプローブ核酸が結合していることを保証することができる品質管理方法および品質管理試薬を提供すること。
【解決手段】複数種の核酸塩基との塩基対を形成可能な塩基を配列に含むプローブ核酸、または、あらゆる配列に個別に相補的な配列からなるプローブ核酸セット、を合成して品質管理用試薬として用意し、プローブ固定単体を検体の検査に用いる前、または検体の検査と同時に、これらの品質管理用試薬とハイブリダーゼーションさせる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸の品質管理方法、及びその方法に使用する品質管理試薬に関する。
ヒトゲノム計画に代表されるように、種々の生物について、そのゲノム遺伝子、ミトコンドリア遺伝子などの塩基配列に関して、全般的な解析がなされてきている。更には、解明された遺伝子と、生命活動のメカニズム、各種疾病、疾患、遺伝的な体質等との関連性に関する研究も進み、次々と研究成果が報告されている。これらの研究結果から、特定の遺伝子の有無、その塩基配列の変異、あるいは、その発現産物の存在量(発現量)を知ることで、例えば、各種疾病、疾患等の要因に関して、より詳細な特徴付けやタイピングを行う上で有用な情報が得られることが判明してきている。また、各種疾病、疾患等の要因に関して、より詳細な特徴付けやタイピングがなされると、効果的な治療方法の選択がより容易となり、疾患の診断のみでなく、その治療にも効果的に利用可能であることも検証されてきている。
検体中における、特定の遺伝子の有無、並びに、その発現量を検出する方法として、従来から多数の方法が提案され、また、実際に利用もされている。検出対象の遺伝子あるいは核酸分子の塩基配列が判明している場合、最も広範に利用されている手法として、プローブ・ハイブリダイゼーション法がある。この手法では、検出対象の遺伝子あるいは核酸分子の塩基配列中から特徴的な部分塩基配列を選択し、それに相補的な塩基配列を有するプローブ核酸が利用される。このプローブ核酸によって、かかる特徴的な部分塩基配列を含む核酸鎖の有無、あるいは、含有量を検出する。具体的には、相補的な塩基配列を有するプローブ核酸用DNA鎖を予め調製し、検体中に含まれる遺伝子あるいは核酸分子を一本鎖核酸とした上で、このプローブ核酸とハイブリダイゼーション反応を行わせる。この反応に基づくハイブリッド体形成の有無、あるいは、その形成量を何らかの方法を利用して検出する。
このプローブ・ハイブリダイゼーション法による、特定の核酸分子の検出方法は、形成されるハイブリッド体を分離可能であれば、ハイブリダイゼーション反応自体は、液相中、あるいは、固相担体上のいずれで行ってもよい。例えば、固相担体上でハイブリダイゼーション反応を行う場合には、予め、プローブ核酸を固相担体上に結合、または、吸着によって、固定化しておき、形成されるハイブリッド体を固相上に固定、分離する。その際、検体中に含まれる核酸試料に対して、何らかの検出可能な標識物質によって標識化を施しておき、プローブ核酸とハイブリッド体を形成して、固相上に固定、分離された標識化核酸鎖の有無またはその量を、該標識物質に起因する信号を利用して、測定する。また、プローブ核酸の固定用固相(基材)としては、ガラスや金属などの平面基板表面を用いるチップ、あるいは、微小粒子表面を用いるビーズ等が体表的な形態である。
プローブ・ハイブリダイゼーション法において、固相上に固定化されたプローブ核酸を利用するハイブリダイゼーション反応が好まれる理由の第一は、B/F分離が容易であることである。加えて、固相上の所定位置に固定化されているプローブ核酸を利用するため、検出領域を物理的に微小化でき、また、検出領域が特定されている結果、高感度の測定が可能となる。その際、複数種のプローブ核酸の固定位置を物理的に隔離することにより、同時に、多項目の検出が可能である。さらには、予め、所定量のプローブ核酸が固相上に固定化されている核酸マイクロアレイ(またはDNAチップ)の形態を選択すると、その取扱いや応用が一層容易になる利点もある。
例えば、特許文献1には、平面基板上において合成されたオリゴDNAに対し、蛍光色素で標識された核酸を作用させ、その結果形成されるハイブリッド体を、蛍光標識に由来する蛍光により検出する手法が開示されている。この基板上において合成されたオリゴDNAで構成されるDNAアレイと、蛍光色素標識による蛍光検出法を利用することで、検体中に含まれる特定の核酸の有無や量の検出を可能としている。
また、特許文献2には、基板表面に予め導入されたアミノ基を利用して、別途作製した複数種のプローブ核酸を固定化する手法を応用してDNAアレイを作製することについて開示されている。特許文献2では、このDNAアレイを用いて、標識された22merの一本鎖DNAを検出している。
米国特許第6410229号明細書 特開2001−128683号公報
一般に、核酸マイクロアレイは、ピン法やインクジェット法等に代表される、液滴を精密に配置できる装置を用いて、プローブ核酸溶液を固相担体上にスポッティングして作成されている。従って、核酸マイクロアレイの品質管理としては、核酸マイクロアレイ上の正しい位置に、正しいプローブ核酸が配置され、かつ結合していることを判定することが重要である。正しい位置に、正しいプローブ核酸が配置されているということの判定は、顕微鏡等を利用することによって、製造した核酸マイクロアレイのすべてについて行うことが可能である。さらに、抜き取り検査を行い、実際にハイブリダイゼーションを行うことによって、プローブ核酸が正しく配置されているということだけでなく、プローブ核酸が結合していることの判定を行うことができる場合もある。しかし、これは製造した一部の核酸マイクロアレイについてのみ実施可能でしかない。核酸マイクロアレイの製造において、特にアミノ化基やチオール基で修飾されたオリゴDNAをガラス等の固相担体上に共有結合で固定化する反応を行う場合は、プローブ核酸DNAの結合の程度はガラスの表面処理状態や結合反応の条件に大きく依存する。そのため、プローブ核酸DNAが正しく配置されていることを判定するだけでは十分でなく、さらに結合していることを判定することが重要な品質管理項目となる。しかし、製造した核酸マイクロアレイすべてに対して抜き取り検査を行うことは困難である。また、仮に抜き取り検査を行うとしても、核酸マイクロアレイ上のスポットのすべてを同時に検査することのできるプローブ検査用の標的核酸を調整することは困難であるという課題があった。
従って、本発明の目的は、出荷前に全数検査を行わずとも核酸マイクロアレイ上の正しい位置に、正しいプローブ核酸が結合していることを判定できる品質管理方法を提供することである。また本発明の他の目的は、出荷前に全数検査を行わずとも核酸マイクロアレイ上の正しい位置に、正しいプローブ核酸が結合していることを判定できる品質管理試薬を提供することである。
本発明者等は鋭意検討した結果、上記問題点を解決する方法として、以下の方法を見いだすに至った。
すなわち、本発明の第一の態様は、ハイブリダイゼーションによる核酸マイクロアレイの品質管理方法であって、
(i)品質管理用オリゴ核酸を核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とハイブリダイゼーションさせる工程と、
(ii)前記品質管理用オリゴ核酸と前記プローブ核酸とのハイブリッド体の形成を示すシグナルを検出する工程と、を有し、
前記品質管理用オリゴ核酸が、複数種の塩基と塩基対を形成することができる特殊塩基を少なくとも1塩基以上含む配列からなることを特徴とする、核酸マイクロアレイの品質管理方法である。
本発明の第二の態様は、ハイブリダイゼーションによる核酸マイクロアレイの品質管理方法であって、
(a)品質管理用オリゴ核酸セットを核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とハイブリダイゼーションさせる工程と、
(b)前記品質管理用オリゴ核酸セットと前記プローブ核酸とのハイブリッド体の形成を示すシグナルを検出する工程と、を有し、
前記品質管理用オリゴ核酸セットが、配列上の少なくとも1塩基以上にミックス塩基を用いて合成して得られる複数のオリゴ核酸からなることを特徴とする核酸マイクロアレイの品質管理方法である。
本発明の第三の態様は、複数種の塩基と塩基対を形成することができる特殊塩基を少なくとも1塩基以上含む配列からなる品質管理用オリゴ核酸、または配列上の少なくとも一塩基以上にミックス塩基を用いて合成して得られる複数のオリゴ核酸からなる品質管理用オリゴ核酸セットを含む、核酸マイクロアレイの品質管理試薬である。
本発明にかかる核酸マイクロアレイの品質管理方法を用いることにより、出荷前に全数検査を行わずとも核酸マイクロアレイ上の正しい位置に、正しいプローブ核酸が結合していることを判定することができる。
以下により具体的な構成例について記載するが、本発明は下記方法に限定されるものではない。
本発明におけるプローブ核酸としては、プローブ・ハイブリダイゼーション法で通常用いられる核酸をいずれも好ましく用いることができる。具体的にはデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドおよびその誘導体を少なくとも一つ以上含んで構成されるポリヌクレオチドを挙げることができる。PCRなどで調製されたもの、化学的に合成されたもの、天然に由来する核酸を、そのまままたは加工して使用したものなどいずれも使用することができるが、調製の容易さから化学的に合成されたものを使用するのが好ましい。さらに合成の容易さから、オリゴデオキシリボヌクレオチド、オリゴリボヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等を使用するのが好ましい。
プローブ核酸を固相担体上に固定化させる方法としては、インクジェット法等により製造することができ、例えば、特開平11−187900号公報に記載された方法などを用いて好適に製造することができる。
本発明に係る標的核酸とは、DNAマイクロアレイ上に固定されたプローブ核酸と相補性を有し、ハイブリダイゼーションによって当該プローブ核酸とのハイブリッド体を形成することができる核酸をいう。本発明において標的核酸という場合、品質検査時に用いる品質管理用標的核酸と、検体検査において検体中に含まれる標的核酸(検体由来標的核酸)とを区別して用いる。
本発明において検体とは、DNAマイクロアレイに供して標的核酸の有無、又は量を検査するために、検査対象となる細胞、生体等の試料から調製して得られるものである。そのようなものとして、例えば細胞、組織等から抽出されたmRNAを逆転写して得られる一本鎖または二本鎖cDNAなどが挙げられる。
(核酸の標識)
検体由来標的核酸もしく品質管理用標的核酸と核酸プローブとのハイブリッド体のシグナルの発信を可能とするために、これらの標的核酸、または、これらと核酸プローブとのハイブリッド体を標識する必要がある。標識法には標的核酸分子を予め標識する直接法と、ハイブリダイゼーション中または後に標識を付与する間接法があり、いずれも使用することができるが、良好な検出結果を得るためには直接法を用いることがより好ましい。標的核酸に、標識物質を取り込ませる方法としては、例えば、PCR増幅を行う際に、標識付きデオキシヌクレオチド(例えば、Cy3−dUTPなど)を付加する方法がある。また、PCR増幅を行う際、基質となる4種のデオキシヌクレオチド(dATP、dCTP、dGTP、dTTP:総称してdNTP)と標識付きデオキシヌクレオチド(例えば、Cy3−dUTP)をそれぞれ調製して、各dNTPの終濃度を揃える。そうすることで、作製される増幅産物中に標識付きデオキシヌクレオチドを取り込ませる方法もある。
また、予め標識されたプライマーを用いて、PCR反応を行い、核酸を標識する方法が知られている。この予め標識されたプライマーを利用する場合、作製される標的核酸一分子当り、付与される標識物質の量比が制御できるという利点があり、高い定量性が要求される際には、この手法が好適である。
標識物質としては蛍光物質またはビオチンのいずれか一つ以上を含んでいることが、検出感度および標識の簡便さの点から好ましい。蛍光物質としては、従来公知の蛍光色素等をいずれも使用することが出来る。量子収率、耐光性、耐ガス性、化学的安定性、DNAポリメラーゼの基質としての特性の点においてFITC、FAM、Cy3、Cy5、Cy5.5、Cy7、TAMRA、Dabcyl、ROX、TET、Rhodamine、Texas Red、HEX、Cyber Green等を好ましく用いることが出来る。ビオチンおよびジゴキシゲニンの場合は、各種ビオチン結合型の標識酵素タンパク質を反応させ、かかる標識酵素タンパク質の酵素活性を指標として、検出を可能とする。
蛍光標識として利用される各種蛍光物質は、かかる蛍光物質に由来する蛍光強度を観測する光学的検出手段を利用することで、高感度の検出を可能とする。また、前記標識酵素タンパク質の酵素活性を指標とする検出法も、酵素活性は、各種発色反応を利用するものとすることで、光学的検出手段の利用が可能であり、高感度の検出を可能とする。
ハイブリダイゼーション中に標識する方法としては、インターカレーターを用いる方法がある。インターカレーターはハイブリダイゼーション溶液中に混入させて使用することができる。インターカレーターは、その特性からハイブリッド体を形成しているプローブを検出することができるため、本発明の方法に用いることでプローブが配置されているかどうか判定することができる。また、本発明の品質管理方法は、検体核酸と同時にハイブリダイゼーションさせる場合でも、検体由来の標的核酸を色素などで標識しておけば、本発明のオリゴ核酸によるハイブリッド体と区別して検出することができる。それ自身が蛍光を示す物質であってもよいが、共有結合等で蛍光物質等が結合されているものであってもよい。インターカレーターとしては、Ethidium bromideやcyber green(アプライドバイオシステム社)などの、一般的に二本鎖DNAを染色できるものを好ましく用いることができる。
(品質管理用オリゴ核酸)
DNAマイクロアレイの品質管理方法として、抜き取り検査を行う場合は、通常は品質管理用として調製した、品質管理用標的核酸を実際に抜き取ったDNAマイクロアレイにハイブリダイゼーションさせる。そうして形成される各プローブ核酸・標的核酸のハイブリッド体からのシグナルを検出することでプローブ核酸がDNAマイクロアレイ上に良好に結合していたかどうかを判定する。従って、品質管理用標的核酸には、DNAマイクロアレイ上に固定化されているプローブ核酸のすべてにハイブリダイズする性能が求められる。この品質管理用標的核酸は多くの場合、複数の標的核酸の混合物である。ヒトやマウスの発現解析等の特定のアプリケーションに対しては、コントロールとなるmRNAを調製して、すべてのプローブ核酸に個別的に対応する種類の標的核酸を用意し、シグナルを検出することもある。この標的核酸の調製方法は、非常に高価であるし、同方法ではアプリケーション毎にコントロールとなる標的核酸を調製する必要があり、汎用性に欠けている。
本発明では上記のように調製する品質管理用標的核酸の代わりに、すべてのプローブ核酸にハイブリダイズすることのできる品質管理用標的核酸として、次の品質管理用オリゴ核酸または品質管理用オリゴ核酸セットを用いる。すなわち、複数種の塩基と塩基対を形成することができる特殊塩基を塩基配列の少なくとも1箇所以上に用いて合成されたオリゴ核酸を用いることができる。また、A、T、G及びCからなるミックス塩基を塩基配列の一箇所以上に用いて合成されたオリゴ核酸セットを用いることができる。複数種の塩基と塩基対を形成可能である特殊塩基とは、いわゆるA−T(A−U)、G−Cというワトソン・クリック塩基対において、一対一で塩基対を形成する生体由来の塩基ではなく、一つの塩基で2種以上の塩基と塩基対を形成することのできる塩基のことである。より具体的には、ATGCのすべてと塩基対を形成するものとして例えば、イノシン、5−NitroIndoleあるいは3−Nitropyrroleを挙げることができる。また、ピリミジン塩基(C, T/U)と塩基対を形成するものとしてdP−(pyrimidine hybrid)、プリン塩基(A, G)と塩基対を形成するものとしてdK (purine analogue)などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。これらの特殊塩基は、Glen Research社やeurogentec社からアミダイトモノマーが市販されており、通常のホスホロアミダイト法に適用することができる。これらの特殊塩基を合成の際に塩基配列の一箇所以上に使用することによって、合成されるオリゴ核酸は、複数の配列とハイブリッドを形成することができる。
また、合成の際にミックス塩基(例えばA、T、G及びCのアミダイトモノマーからなる塩基混合物)を用いることによって、最終的に合成されるオリゴ核酸は、塩基配列上の特定の部位の塩基についてATGCが混在している混合物として得ることができる。よって、この得られる混合物は、塩基配列上の1塩基以上の特定部位に関して、A、T、G及びCから選ばれる重複順列を構成し得る複数のオリゴ核酸からなるオリゴ核酸セットである。特定部位が2塩基以上である場合は、当該塩基は連続して位置しても不連続に位置してもどちらでも可能である。例えば、塩基配列上の不連続な2箇所の塩基について、ミックス塩基を用いて核酸合成を行う場合、特定部位に関して(A、A)、(A、T)、(A、G)、(A、C)、(T、A)、(T、T)、(T、G)、(T、C)、(G、A)(G、T)(G、G)(G、C)(C、A)(C、T)、(C、G)、(C、C)のバリエーションからなる、16種類のオリゴ核酸が合成されうる。特定部位以外の配列は同一である。オリゴ核酸ミックス塩基は用途に応じてA、T、G、Cの含量が調整されているアミダイトモノマーが市販されており、これも通常のホスホロアミダイト法に適用することができる。ミックス塩基を用いた合成で得られるオリゴ核酸セットには、すべてのプローブ核酸をハイブリダイゼーションにより検出できる種類のオリゴ核酸が含まれる。よって全てのプローブ核酸に個々に完全に相補的な配列からなるオリゴ核酸が含まれることが望ましいが、ミスマッチによるハイブリダイゼーションも含んですべてのプローブ核酸を検出することができる種類のオリゴ核酸が含まれていればよい。例えば、4種(A、T、G、C)のミックス塩基を用いて25merのオリゴ核酸を合成する場合、すべての種類は4の25乗と膨大になり、各種類についてハイブリダイゼーションによる検出に必要な量が含まれるように調製するとコストが高くなる。しかし、25merの末端近くにミスマッチがあってもハイブリダイゼーションは生じるため、ミスマッチも含めてすべてのプローブ核酸を検出できる程度のオリゴ核酸を含むように合成量を調製することができる。
特殊塩基またはミックス塩基を用いて合成されるオリゴ核酸の長さとしては5mer以上100mer以下の範囲にあるものを好ましく用いることができる。オリゴ核酸中に含まれる特殊塩基およびミックス塩基の数は特には限定されないが、これらの塩基が5個以上含まれていることが好ましい。更には、これらの塩基が5個以上連続して含まれることが更に好ましい。本発明は、上記の特殊塩基を配列に含むオリゴ核酸またはミックス塩基を用いて合成されたオリゴ核酸セットを含む核酸マイクロアレイの品質管理のために提供する品質管理用試薬も包含する。
(ハイブリダイゼーション反応、及びハイブリッド体の検出)
品質管理のハイブリダイゼーションは、製造後の抜き取り検査(使用前)、実際の検体検査での使用と同時(使用中)、実際の検体検査での使用の後(使用後)のいずれにも使用することができるが、特には使用中に行うことが好ましい。この場合、検体核酸は、ハイブリダイゼーションに供せられる前に標識処理さていることが好ましい。
当該オリゴ核酸とプローブ核酸のハイブリッド体の形成を示すシグナルの検出は、検体中の標的核酸の検出と同様に行うことができるが、実際の使用と同時(使用中)に品質検査を行う場合は、検体由来標的核酸の標識とは異なる標識物質を用いることが好ましい。この場合、品質管理用の当該オリゴ核酸に合成段階で直接標識を行うのが好ましい。さらに蛍光色素を標識に用いる場合、当該オリゴ核酸の標識は、検体由来標的核酸の標識に用いた蛍光色素とは検出波長の異なる蛍光色素を用いることが好ましい。
ハイブリダイゼーションの温度は、実際の使用と同時(使用中)に品質検査を行う場合は、実際に使用するプローブ核酸と標的核酸が良好にハイブリッド体を形成できる温度範囲で行うことができる。また品質検査を製造後の抜き取り検査(使用前)に行う場合は、クロスハイブリダイゼーションが起こるがプローブ核酸と標的核酸をより確実にハイブリッド体を形成させる温度で行うこともできる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、以下に述べる実施例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に示す態様に限定されるものではない。
(実施例1)
<プローブ核酸の作製>
検出および品質管理の例として、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Serratia marcescens、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Enterobacter cloacae、Enterococcus faecalisの10種の菌からのStaphylococcus aureus菌分離検出の例を示す。
Staphylococcus aureus菌由来の核酸分子の選択的検出用プローブ核酸として、表1に示す塩基配列を有するプローブ核酸を設計した。
具体的には、Staphylococcus aureus菌の16s rRNAをコーディングしているゲノム領域の塩基配列に基づき、表1に示す6種のプローブ核酸の塩基配列を選択した。これらのプローブ核酸の塩基配列は、当該菌に対して非常に特異性が高く、十分なハイブリダイゼーション感度が期待できるように選択されている。同時に、それぞれのプローブ核酸の塩基配列相互において、ハイブリダイゼーション感度を比較した際、感度のバラツキのないことが期待できるように設計されている。
Figure 2008142020
表1中に示す各プローブ核酸に対して、DNA鎖の合成後、DNAマイクロアレイに固定するための官能基として、核酸の5’末端にチオール基を定法に従って導入した。官能基の導入後、精製し、凍結乾燥した。凍結乾燥した内部標準用プローブ核酸は、−30℃の冷凍庫内に保存した。
同様な設計手法により、Staphylococcus epidermidis、Escherichia coli、Klebsiella pneumoniae、Pseudomonas aeruginosa、Serratia marcescens、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Enterobacter cloacae、Enterococcus faecalis菌由来の核酸分子の選択的検出用プローブ核酸として、表2に示す塩基配列を有するプローブ核酸を設計した。
Figure 2008142020
Figure 2008142020
<検体中の核酸鎖増幅用PCRプライマーの作成>
具体的には、Staphylococcus aureus菌の16s rRNA遺伝子(標的遺伝子)増幅用PCR Primerとして、表3に示す核酸配列を有するDNAプライマーを作成した。
Figure 2008142020
<Staphylococcus aureusDNAの抽出>
[微生物の培養とゲノムDNA抽出の前処理]
始めにStaphylococcus aureus標準株(ATCC 12600)を定法に従って培養した。
この微生物培養液180μlに溶菌処理用酵素溶液をLysozyme20μl(酵素濃度:20mg/ml in Enzyme Buffer)を加えて、37℃のインキュベーター内で30分間静置し、該微生物の細胞膜の溶解処理を行った。その後、核酸抽出・精製キット(MagExtractor−Genome−:TOYOBO社製)を用いて抽出を行った。
<ゲノムDNA抽出物中の検体DNAのPCR増幅>
Staphylococcus aureusのゲノムDNA抽出物中から、検体DNAとなる、16s rRNAの遺伝子のPCR増幅を、下記の手順・条件で行う。
先ず、上記Forward Primer 3種を含むForward Primer混合物および上記Reverse Primer 3種を含むReverse Primer混合物を用いて、ゲノムDNAを鋳型としてPCR増幅反応を行う。該PCR増幅反応は、市販のPCRキット(TAKARA ExTaq)を利用して行い、その反応溶液組成を表4に示す。
Figure 2008142020
一方、PCR反応の温度条件は、下記表5に示すプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーを利用して増幅反応を行った。
Figure 2008142020
このPCR増幅反応の終了後、市販のPCR産物精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いてPrimerを除去し、PCR増幅産物を回収した。その際得られたPCR増幅産物の定量を行った。
<PCR増幅産物を鋳型とした、検体核酸の調製>
蛍光標識としてReverse PrimerにCy3を5’末端に結合した標識付きオリゴヌクレオチドを利用して、標識化DNA鎖の調製を下記の手順・条件で行った。
ヌクレオチド鎖の合成後、常法に従って、蛍光標識化合物Cy3を該ヌクレオチド鎖の5’末端に共有的に結合させた。その後HPLCを用いて標識付きオリゴヌクレオチドの精製を行った。合成された標識付きオリゴヌクレオチドの塩基配列を以下に示す(表6)。
Figure 2008142020
上記PCR増幅反応で得られるPCR増幅産物を鋳型とし、Reverse Primerとして上記塩基配列を有する標識付きオリゴヌクレオチドの混合物を利用して、相補的なDNA鎖の伸長反応を下記の手順・条件で行った。
該DNA鎖の伸長反応は、市販のPCRキット(TAKARA ExTaq)を利用して片鎖PCR反応の形態で実施した。その反応溶液組成を以下に示す(表7)。
Figure 2008142020
一方、この伸長反応の温度条件は、下記プロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーを利用して、増幅反応を行った(表8)。
Figure 2008142020
この標識反応の終了後、市販のPCR産物精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いてPrimerを除去し、50μLの純水で溶出し、標識された検体核酸を作成した。
<DNAマイクロアレイの作製>
[1]ガラス基板の洗浄
合成石英製ガラス基板(サイズ:25mm(幅)×75mm(長さ)×1mm(厚さ)、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリ性のラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中に浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて、基板を取り出し、軽く純水で濯いだ(リンス洗浄)後、超純水中で20分超音波洗浄を行った。次に、80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。その後、基板を取り出し、純水によるリンス洗浄と、超純水中で超音波洗浄を施した。以上の洗浄操作により、洗浄済みのDNAチップ用石英ガラス基板を用意した。
[2]表面処理
シランカップリング剤KBM−603(信越シリコーン社製)を、1%の濃度となるように純水中に加え、室温で2時間攪拌し、均一に溶解した。続いて、前記洗浄済み石英ガラス基板をシランカップリング剤水溶液中に浸し、室温で20分間放置した。石英ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面をリンス洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥させた。次に、乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、前記アミノシランカップリング剤の基板表面への結合処理を完結させた。基板表面には、該アミノシランカップリング剤由来のアミノ基が導入された。
同仁化学研究所社製のN−マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N−(6−Maleimidocaproyloxy)succinimido;以下、EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を調製した。前記ベーク処理の終了後、石英ガラス基板を室温まで放冷した。次いで、表面にアミノ基が導入された石英ガラス基板を、EMCS溶液中に室温で2時間浸した。この浸漬処理の間に、アミノシランカップリング剤処理によって基板表面に導入されたアミノ基と、EMCSのスクシイミド基とが反応し、石英ガラス基板表面にEMCS由来のマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げた石英ガラス基板を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合溶媒を用いて洗浄し、未反応のEMCSを除去した。さらに、エタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で前記表面処理済み石英ガラス基板を乾燥した。
[3]プローブ核酸
上記の方法で作製された検出用プローブ核酸を純水に溶解し、それぞれ最終濃度(インク溶解時)が10μMとなるように、マイクロ・バイアルに分注した後、凍結乾燥を行った。水分を除いたプローブ核酸をそれぞれ収納するマイクロ・バイアルは、下記の手順でバブルジェット方式によるスポッティング用のDNA溶液の調製に利用した。
[4]BJプリンターによるDNA溶液の吐出、および基板表面への固定化
グリセリン7.0wt%、エチレングリコール5.0wt%、ヘキサントリオール5.0wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を調製した。続いて、先に用意した60種類のプローブ核酸(配列番号1から60)をそれぞれ収納するマイクロ・バイアル中に、DNA濃度が、最終濃度(インク溶解時)10μMとなるように、前記混合溶媒を所定量加えて、DNA溶液(インク)を調製した。得られたDNA溶液をバブルジェットプリンター(商品名:BJF−850、キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
なお、基板面上へのDNA溶液のスポッティングに使用するために、前記バブルジェットプリンターは平板への印字が可能なように改造が施されている。また、このバブルジェットプリンターの印字ヘッドは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約5ピコリットルのDNA溶液液滴を約120マイクロメートルピッチでスポッティングすることが可能となっている。
続いて、上記バブルジェットプリンターを用いて、表面にマレイミド基が導入された石英ガラス基板に対して、所定の印字パターンに従って各DNA溶液のスポッティング操作を行い、アレイを作製した。アレイ状のスポッティング操作が確実に行われていることを確認した後、30分間加湿チャンバー内に静置し、石英ガラス基板表面のマレイミド基とプローブ核酸5’末端のチオール基とを反応させ、プローブ核酸の固定を行った。
[5]洗浄
30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により、基板表面に残ったDNA溶液を洗い流した。石英ガラス基板表面に目的とする複数種の一本鎖DNAがアレイ状に固定されている遺伝子チップが得られた。
<品質管理試薬の作成>
蛍光標識として5’末端にCy5を結合した標識付きオリゴDNAを品質管理用オリゴ核酸セットとして利用する。
ヌクレオチド鎖はA、T、G、Cの4種のモノマーを混合したものを用いてホスホロアミダイト法にて合成後、常法に従って、蛍光標識化合物Cy5を該ヌクレオチド鎖の5’末端に共有的に結合させた。その後HPLCを用いて標識付きオリゴDNAの精製を行った。合成された標識付きオリゴヌクレオチドの塩基配列を以下に示す(表9参照)。ミックス塩基を用いて合成することにより、表9に示す塩基配列として取り得る配列を含んだオリゴ核酸セットが得られる。
Figure 2008142020
これを、1nmol/10μLになるようにTEバッファー(50mM Tris−HCl:pH 8.0、25mM EDTA)に溶解して品質管理試薬を作成した。
<ハイブリダイゼーション法による標的核酸の検出および、品質管理>
前記方法で作製したDNAマイクロアレイと、標識化標的核酸と、品質管理試薬を用いて、ハイブリダイゼーション反応を行い、蛍光標識を利用して、形成されるハイブリッドを検出し、標的核酸の検出と品質管理を同時に行った。
(遺伝子チップのブロッキング)
100mM NaCl/ 10mM Phosphate Buffer中に、BSA(牛血清アルブミンFraction V:Sigma社製)を濃度1wt%となるように添加し、BSA溶液を調製する。このBSA溶液中に、<DNAマイクロアレイの作製>で作製した遺伝子チップを室温で2時間浸し、遺伝子チップの石英ガラス基板表面に対して、BSAによるブロッキング処理を施した。ブロッキング処理の終了後、0.1wt%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む2×SSC溶液(NaCl 300mM、Sodium Citrate (trisodium citrate dihydrate, Na3657・2H2O) 30mM、pH 7.0)で、遺伝子チップの石英ガラス基板表面に残余するBSA溶液を洗浄した。次いで、純水でリンス洗浄した後、スピンドライ装置で遺伝子チップ表面の水切りを行った。
(ハイブリダイゼーション反応)
前記ブロッキング処理を施した遺伝子チップをハイブリダイゼーション装置(Genomic Solutions Inc. Hybridization Station)にセットし、標識化検体DNAとプローブ核酸とのハイブリダイゼーション反応を下記の手順・条件で行った。
使用したハイブリダイゼーション溶液の組成、条件を以下に示す。
[ハイブリダイゼーション溶液]
前記方法で作製した、精製済み標識化検体DNA50μLと、品質管理試薬10μLを、10%HCONH2を添加した6×SSPE緩衝液中に溶解した溶液を使用した。
6×SSPE/ 10% Form amide / Target (2nd PCR Products 全量)
(6×SSPE: NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O 60mM、EDTA 6mM、pH 7.4)
[ハイブリダイゼーション条件]
ハイブリダイゼーション反応および反応後の洗浄・乾燥の操作の条件を以下に示す(表10)。
Figure 2008142020
<ハイブリット体の検出(蛍光測定)>
ハイブリダイゼーション反応終了後、遺伝子チップ用蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いて、スピンドライ乾燥済み遺伝子チップ上の各プローブ核酸のスポットについて、蛍光標識Cy3およびCy5由来の蛍光強度の測定を行った。(532 nm Laser Power: 100% PMT Gain:400 )
以下に各プローブ核酸のスポット点で観測された蛍光強度を示す(表11参照)。
Figure 2008142020
Figure 2008142020
表11のハイブリダイゼーションの結果より、Cy3の蛍光輝度が4000以上を示しているのは、001_S_aur_01〜001_S_aur_06のみであるためCy3標識された標的核酸Staphylococcus aureusであることが検出できる。また、Cy5の蛍光輝度はすべてのスポットで500以上を示しており、すべてのプローブ核酸が良好に結合していることが分かる。
(実施例2)
品質管理試薬として、表12に示す配列をもつ標識付きオリゴDNAを品質管理用オリゴ核酸セットとして利用すること以外は、実施例1と同様にしてハイブリダイゼーション法による標的核酸の検出および、品質管理を行った。
ヌクレオチド鎖はイノシンのアミダイトモノマーを用いてホスホロアミダイト法にて合成後、常法に従って、蛍光標識化合物Cy5を該ヌクレオチド鎖の5’末端に共有的に結合させた。その後HPLCを用いて標識付きオリゴDNAの精製を行った。合成された標識付きオリゴヌクレオチドの塩基配列を以下に示す(表12参照)。
Figure 2008142020
<ハイブリット体の検出(蛍光測定)>
ハイブリダイゼーション反応終了後、遺伝子チップ用蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いて、スピンドライ乾燥済み遺伝子チップ上の各プローブ核酸のスポットについて、蛍光標識Cy3およびCy5由来の蛍光強度の測定を行った。(532 nm Laser Power: 100% PMT Gain:400 )
以下に各プローブ核酸のスポット点で観測された蛍光強度を示す(表13参照)。
Figure 2008142020
Figure 2008142020
表13のハイブリダイゼーションの結果より、Cy3の蛍光輝度が4000以上を示しているのは、001_S_aur_01〜001_S_aur_06のみであるためCy3標識された標的核酸Staphylococcus aureusであることが検出できる。また、Cy5の蛍光輝度はすべてのスポットで500以上を示しており、すべてのプローブ核酸が良好に結合していることが分かる。

Claims (12)

  1. ハイブリダイゼーションによる核酸マイクロアレイの品質管理方法であって、
    (i)品質管理用オリゴ核酸を核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とハイブリダイゼーションさせる工程と、
    (ii)前記品質管理用オリゴ核酸と前記プローブ核酸とのハイブリッド体の形成を示すシグナルを検出する工程と、を有し、
    前記品質管理用オリゴ核酸が、複数種の塩基と塩基対を形成することができる特殊塩基を少なくとも1塩基以上含む配列からなることを特徴とする、核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  2. 前記工程(i)において、標識された検体核酸と同時にハイブリダイゼーションさせることを特徴とする請求項1に記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  3. 前記品質管理用オリゴ核酸が、前記検体核酸の標識とは異なる標識がなされている請求項2に記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  4. 前記品質管理用オリゴ核酸が蛍光色素によって標識されている請求項1乃至3のいずれかに記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  5. 蛍光インターカレーターを使用してプローブ核酸を検出する請求項1または2に記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  6. 前記特殊塩基として、イノシン、5−Nitroindole,3−Nitropyrrole、dPまたはdKのいずれか1種以上を使用する請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  7. ハイブリダイゼーションによる核酸マイクロアレイの品質管理方法であって、
    (a)品質管理用オリゴ核酸セットを核酸マイクロアレイ上のプローブ核酸とハイブリダイゼーションさせる工程と、
    (b)前記品質管理用オリゴ核酸セットと前記プローブ核酸とのハイブリッド体の形成を示すシグナルを検出する工程と、を有し、
    前記品質管理用オリゴ核酸セットが、配列上の少なくとも1塩基以上にミックス塩基を用いて合成して得られる複数のオリゴ核酸からなることを特徴とする核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  8. 前記工程(a)において、標識された検体核酸と同時にハイブリダイゼーションさせることを特徴とする請求項7に記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  9. 前記品質管理用オリゴ核酸セットが前記検体核酸の標識とは異なる標識がなされている請求項8に記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  10. 前記品質管理用オリゴ核酸セットが蛍光色素によって標識されている請求項7乃至9のいずれかに記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  11. 蛍光インターカレーターを使用してプローブ核酸を検出する請求項7または8に記載の核酸マイクロアレイの品質管理方法。
  12. 複数種の塩基と塩基対を形成することができる特殊塩基を少なくとも1塩基以上含む配列からなる品質管理用オリゴ核酸、または配列上の少なくとも一塩基以上にミックス塩基を用いて合成して得られる複数のオリゴ核酸からなる品質管理用オリゴ核酸セットを含む、核酸マイクロアレイの品質管理試薬。
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