JP2008141779A - 送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】マルチパス環境における良好な通信を実現する。
【解決手段】時分割多重によって形成されるクイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数のブロックで1通信チャネルを形成することによりクイムスロット内に複数の通信チャネルを形成するようにしたことにより、周波数的に分離されたマルチキャリア通信で1タイムスロット内を多重化することができ、かくして簡易な構成でマルチパスが存在する環境下でも良好に通信することができる。
【選択図】図6
【解決手段】時分割多重によって形成されるクイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数のブロックで1通信チャネルを形成することによりクイムスロット内に複数の通信チャネルを形成するようにしたことにより、周波数的に分離されたマルチキャリア通信で1タイムスロット内を多重化することができ、かくして簡易な構成でマルチパスが存在する環境下でも良好に通信することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置に関し、例えばセルラー無線通信システムに適用して好適なものである。
近年、移動体通信の分野では、携帯電話システムに代表されるようなセルラー無線通信システムが実用化され、運用されている。このセルラー無線通信システムは、通信サービスを提供するェリアを所望の大きさのセルに分割して当該セル内にそれぞれ固定局としての基地局を設置し、移動局としての通信端末装置は通信状態が最も良好であると思われる基地局と無線通信するようになされている。
基地局と通信端末装置との間の通信方式としては種々の方式が提案されているが、代表的なものとして時分割多元接続方式(TDMA方式)と符号分割多元接続方式(CDMA方式)とを組み合わせた時間・符号分割多元接続方式が提案されている。
この時間・符号分割多元接続方式は、図1に示すように、1.2〔MHz〕の帯域を時間軸方向に4.615〔ms〕の時間周期(以下、これをフレームと呼ぶ)によってそれぞれ分割し、さらに各フレームをそれぞれ577〔μs〕の時間間隔で分割することによって各フレームを8つのタイムスロットTS0〜TS7に分割し、その分割されたそれぞれのタイムスロットTS0〜TS7を時間方向における通信チャネルとして使用することにより、時分割多元接続を行うようになされている。
またこの時間・符号分割多元接続方式では、図2に示すように、各タイムスロットにおいては送信対象の送信シンボルに拡散符号を乗算して送信し、その際の拡散符号を1タイムスロット当たり8通り用意することによって1タイムスロットにつき符号分割による8つの通信チャネルを確保するようになされている。
かくしてこの時間・符号分割多元接続方式では、1タイムスロットにつき符号分割による8つの通信チャネルを確保すると共に、時間方向については4.615〔ms〕の1フレームにつき8つのタイムスロットを形成することにより、1.2〔MHz〕×4.615〔ms〕の中で64個の通信チャネルを確保するようになされている。
ここで実際にこの方式による送信を行う場合には、まずシンボルレートが135〔ksymbol/s〕の送信シンボルをその8倍の速度の拡散符号を用いてチップレートが1080〔kchip/s〕となるように8倍にスペクトラム拡散し、その拡散された送信信号を自局に割り当てられたタイムスロットのタイミングで送信する。これによりこの時間・符号分割多元接続方式に基づいた通信を実現することができる。
なお、各タイムスロットにおいては、図3に示すように、全体として577〔μs〕ある区間のうち前半の部分で送信シンボルを28シンボル(拡散された後の信号で言えば224チップ)送信し、その後、伝送路の特性推定のためにトレーニングシーケンスとして所定のデータを198チップ送信し、その後、再び送信シンボルを28シンボル送信するようになされている。因みに、最後に送信する送信シンボルの後には、ガード区間と呼ばれる送信休止区間が設けられており、このガード区間によって信号到達時間のずれによる信号衝突を防止するようになされている。
ここでこのような時間・符号分割多元接続方式を用いて通信するセルラー無線通信システムについて、図4を用いて説明する。図4において、1は基地局に設けられる送信装置を示し、2は通信端末装置に設けられる受信装置を示す。基地局の送信装置1においては、例えば8チャネル分の無線通信が存在すると仮定すると、その8チャネル分の送信シンボルSl〜S8をそれぞれCDMA変調部lAに入力する。CDMA変調部1Aは互いに直交する8通りの拡散符号を有しており、その8通りの拡散符号のうち第1の拡散符号を送信シンボルSlに乗算することにより当該送信シンボルSlにスペクトラム拡散変調を施す。同様に、CDMA変調都1Aは、入力される送信シンボルS2〜S8に対してそれぞれ第2〜第8の拡散符号を対応させて乗算することにより当該送信シンボルS2〜S8にスペクトラム拡散変調を施す。かくしてCDMA変調部1Aは、このようにしてスペクトラム拡散変調された各チャネルの送信シンボルを合成し、これを送信信号S9として時分割送信部lBに出力する。
時分割送信部lBは、入力される送信信号S9をこの通信システムに割り当てられた周波数帯域に周波数変換し、その送信信号Sl0を上述したタイムスロットのうち例えばタイムスロットTS0を使用してアンテナ1Cを介してバースト的に送信する。
一方、受信装置2においては、アンテナ2Aによって受信した受信信号Sllを時分割受信部2Bに入力する。時分割受信部2Bは、この受信信号SllからタイムスロットTS0の信号成分を取り出して、これに周波数変換処理を施すことにより送信装置1の送信信号S9に対応するベースバンドの受信信号S12を得、これをマッチドフィルタ2Cに出力する。
マッチドフィルタ2Cはシフトレジスタ、乗算器及び加算器からなり、例えばこの受信装置2において受信するシンボルが送信シンボルS1であるとすると、送信シンボルS1を拡散したときに使用した第1の拡散符号と同じ符号列を乗算器の係数として使用し、受信信号S12が入力されたシフトレジスタの各タップから出力されるチップに対して乗算器でそれぞれの符号系列を乗算し、その乗算結果を加算器によって加算することにより送信シンボルSlを復元する。
かくしてこのような送信装置1及び受信装置2をそれぞれ基地局及び通信端末装置に設けることにより、時間・符号分割多元接続方式による通信を実現することができる。
ところでこのような時間・符号分割多元接続方式で多重化された送信信号Sl0を受信してその中から1つのチャネルの送信シンボルを復元するとき、伝搬路にマルチパス等が存在すると、各チャネルにおいて使用した拡散符号の直交関係が完全に保たれなくなるため、図4に示したマッチドフィルタ2Cのような単純な整合フィルタでは他の7チャネル分の信号成分が干渉して正確にそのチャネルの送信シンボルを復元し得なくなるといった問題がある。
これを回避する方法として、マルチ・ユーザ・デテクシヨンと呼ばれる復号回路を用いた方法が提案されている。この方法は、図5に示すように、マルチ・ユーザ・デテクシヨン2Dによって受信信号S12から8チャネル全ての送信シンボルSl〜S8を互いの干渉量を考慮しながら復元するものであり、各チャネルにおいて受ける干渉量を推測しながら送信シンボルを復元するので、マッチドフィルタを用いた方法に比べて干渉波による影響を低減して一段と正確に送信シンボルを復元することができる。
しかしながらこのマルチ・ユーザ・デテクシヨンを用いた方法では、本来復号しなければならないチャネルのみならず、多重化されている全チャネルを復号しなければならず、復号に係わる処理が複雑になると共に、処理量が膨大に増えるといった問題がある。具体的には、マッチドフィルタを用いた方法に比べて、約82倍だけ処理量が増えると言われている。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で、マルチパスが存在する環境下でも良好に通信し得る送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、時分割多重によって形成されるタイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数のブロックで1通信チャネルを形成することによりタイムスロット内に複数の通信チャネルを形成し、通信時には、複数の通信チャネルのうち所望の通信チャネルを使用して複数のサブキャリアで送信対象の情報を送信するようにする。
このようにして時分割多重によって形成されるタイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、異なる所定数のブロックで1通信チャネルを形成することによりタイムスロット内に複数の通信チャネルを形成するようにしたことにより、周波数的に分離されたマルチキャリア通信で1タイムスロット内を多重化することができ、かくして簡易な構成でマルチパスが存在する環境下でも良好に通信することができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
まず始めに本発明による通信方式の原理について説明する。図6に示すように、本発明による通信方式においても、1.2〔MHz〕の帯域を時間軸方向に4.615〔ms〕幅のフレームによってそれぞれ分割し、さらに各フレームをそれぞれ577〔μs〕毎に分割することによって各フレームを8つのタイムスロットTS0〜TS7に分割し、その分割されたそれぞれのタイムスロットTS0〜TS7を時間方向における通信チャネルとして使用することにより、時分割多元接続を行うようになされている。
また本発明による通信方式においては、各タイムスロットTS0〜TS7で後述するような周波数方向に分離されたマルチキャリア通信を行うことにより、1タイムスロット当たり8つの通信チャネルを確保するようになされている。これにより本発明による通信方式においては、1.2〔MHz〕×4.615〔ms〕の中で64個の通信チャネルを確保するようになされている。
ここで本発明による通信方式においては、図7に示すように、1タイムスロットを時間方向に288.5〔μs〕間隔に分けることによって2つのブロックに分割すると共に、1.2〔MHz〕の帯域を周波数方向に50〔KHz〕間隔で分割することによって帯域を24個のブロックに分割する。従って1タイムスロットにおいては、時間方向に2ブロックに分割されると共に、周波数方向に24ブロックに分割されることから、全部で48ブロックに分割される。
また各ブロック内においては、4.17〔KHz〕間隔で12本のサブキャリアを形成する。従って1.2〔MHz〕帯域内には、全部で288本のサブキャリアが形成される。本発明による通信方式では、この1.2〔MHz〕の帯域に形成された288本のサブキャリアを使用してOFDM(Orthogonal
Frequency Division Multiplex:直交周波数多元接続)方式によるマルチキャリア通信を行うようになされている。
Frequency Division Multiplex:直交周波数多元接続)方式によるマルチキャリア通信を行うようになされている。
OFDM方式では、時間軸上に並ぶ送信シンボルを周波数軸上に直交関係で並ぶ複数のサブキャリアにそれぞれ1つずつ重畳して送信する。その際、送信シンボルが重畳されたサブキャリアをサブキャリア間隔の逆数で求まる時間だけ送信すれば、各サブキャリアの直交関係が保たれる。この場合、サブキャリアの周波数間隔は4.17〔KHz〕であることから、実際に必要となる変調時間tは240〔μs〕(=1/4.17〔KHz〕)となる。
従って図8に示すように、1タイムスロットを2分割した288.5〔μs〕のうち実質的にサブキャリアの送信に係わる変調時間tは240〔μs〕となる。この場合、288.5〔μs〕のうち残りの時間を全く使用しないわけではなく、実際には、バースト的に送信されるサブキャリアの立ち上がり及び立ち下がり時間を補償するための10〔μs〕のランプタイムを1変調時間tの前後に設けると共に、マルチパスによる波形歪みを防止するためのプリガードタイム及びポストガードタイムが1変調時間tの前後にそれぞれ所定時間設けられている。かくして本発明による通信方式では、これらのランプタイム及びガードタイムを1変調時間tに加えることによって288.5〔μs〕の全域を使用してサブキャリアを送信するようになされている。なお、ランプタイムにおいては、サブキャリアを所定関数に基づいて徐々に立ち上げる又は徐々に立ち下げるパルスシェービングを行うようになされており、これにより帯域外への不要幅射を抑えるようになされている。
ところで上述したように、1タイムスロットを時間軸方向に2ブロックに分け、周波数方向に24ブロックに分けると、1タイムスロットは全体として48ブロックに分割されることになる。この48ブロックの1つを1通信チャネルとして使用すれば、1タイムスロット当たり最大で48個の通信チャネルを確保することができる。しかしながら1ブロックを1通信チャネルとすると、従来の時間・符号分割多元接続方式に比べて単位時間当たりの伝送レートが下がってしまうので、本発明による通信方式では、1タイムスロットの前半部(すなわち前半の288.5〔μs〕の区間)の3ブロック及び1タイムスロットの後半部(すなわち後半の288.5〔μs〕の区間)の3ブロックからなる6ブロックで1通信チャネルを構成し、1タイムスロットにつき8つの通信チャネルを形成するようにする。このようにして1通信チャネル当たり6ブロックを使用すれば、従来の時間・符号分割多元接続方式とはぼ同等の伝送レートを確保することができる。
ここで各ブロックに対する通信チャネルの割り当て例を図9に示す。この図9に示すように、タイムスロットTS0において確保する8つの通信チャネルをA〜Hとすれば、通信チャネルAに対しては最初のタイムスロットTS0の前半部で第1、第7及び第13のブロックを割り当て、最初のクイムスロットTS0の後半部で第5、第12及び第17のブロックを割り当てる。同様に、通信チャネルBに対しては最初のタイムスロットTS0の前半部で第2、第15及び第18のブロックを割り当て、最初のタイムスロットTS0の後半部で第1、第18及び第19のブロックを割り当てる。以下同様に、各通信チャネルC〜Hに対しても、最初のタイムスロットTS0の前半部及び後半部で重複しないようにそれぞれ異なる3つのブロックを割り当てる。
ところでこの図9から分かるように、各通信チャネルA〜Hに対してはタイムスロット内の前半部及び後半部でそれぞれ異なるようにブロックを割り当てると共に、同じタイムスロットTS0であっても毎回異なるようにブロックを割り当てている。このようにして本発明による通信方式では、各通信チャネルA〜Hにランダムにブロックを割り当てるようにしたことにより、1つの通信チャネルで同じブロックを継続して使用することがなくなるので、そのブロックを介して常に同じ干渉波を受けることを防止し得る。
例えば通信チャネルAが第1、第2及び第3のブロックを常に使用した場合、その第1、第2及び第3のブロックに大きな干渉波が存在すると、常に大きな干渉波を受けて最悪の場合に通信し得なくなる。しかしながら本発明による通信方式では、通信チャネルに対してランダムにブロックを割り当てることによって随時使用するブロックを変更するようにしたことにより、このように常に大きな干渉波を受けることを未然に防止することができる。
このようなブロック割当によって形成される通信チャネルを使用して実際に送信シンボルを送信する場合について説明する。但し、ここでは上述したようにタイムスロットTS0に形成される通信チャネルAを使用して通信するものとする。まず送信側においては、送信対象の送信シンボルに逆フーリエ変換を施すことによって当該送信シンボルを通信チャネルAに割り当てられたブロック内の各サブキャリアに順に重畳して送信信号を生成し、この送信信号をその通信チャネルAのタイムスロットTS0を使用してバースト的に送信する。
一方、このような通信方式により送信された送信信号を受信する場合には、まず受信信号の中かちタイムスロットTS0の信号成分を抽出する。次にそのタイムスロットTS0の信号成分に対して窓かけ処理を行ってタイムスロットTS0の前半部分と後半部分に分け、その前半部分及び後半部分のそれぞれの信号成分に対してフーリエ変換処理を施すことにより、各サブキャリアに割り当てられたシンボルを取り出す。そして予め把握している通信チャネルAのブロック割当に基づいて、その取り出したシンボルのうち通信チャネルAに割り当てられたブロックから取り出されたシンボルを抽出する。これにより自分の通信相手から送信された送信シンボルを取り出すことができる。
次に本発明による通信方式におけるチャネル干渉について、本発明の通信方式をセルラー無線通信システムに適用したものとして説明する。まず基地局においては、上述したように時間方向を4.6〔ms〕幅のフレームによって分割すると共に、各フレームを8つのタイムスロットTS0〜TS7に分割することによってTDMAのスロットを形成する。また各タイムスロットTS0〜TS7に関しては、時間方向をさらに2分割すると共に、周波数方向を24分割して48個のブロックを形成し、さらに各ブロック内には12本のサブキャリアを配置する。そしてこのように分けられたブロックのうち1タイムスロットの前半部分から3つのブロックを使用し、後半部分から3つのブロックを使用して1つの通信チャネルを形成し、1タイムスロットにつき8つの通信チャネルを形成する。かくして基地局においては、このように各タイムスロットTS0〜TS7毎に8つずつ形成された通信チャネルのうち所望の通信チャネルを介して通信端末装置と通信する。
この場合、同じタイムスロット内の各通信チャネルは異なるブロックを使用していることから、周波数的には分離されている。従って同一基地局が送信する他の通信チャネルの送信信号が着目している通信チャネルに対して干渉波として影響を与えることはない。例えば所定の基地局が上述した通信チャネルAを使用して任意の通信端末装置aと通信しており、その基地局が別の通信チャネルBを使用して他の通信端末装置bと通信しているとする。この場合、通信チャネルA及びBが使用するブロックはそれぞれ異なっているので通信チャネルAと通信チャネルBは周波数的に分離されており、通信チャネルA及びBで送信された送信信号が互いに干渉波として影響し合うことはない。
因みに、従来のように時間・符号分割多元接続方式の場合には、拡散符号によってチャネル分離を行っていることから使用帯域に同じタイムスロット内の全チャネルの信号成分が重畳されるため、同一基地局内における通信であったとしても互いの通信チャネルの送信信号が干渉波として影響し合うおそれがあった。特にマルチパスが存在するような環境下では、拡散符号の直交関係が維持し得なくなるので、互いの通信チャネルの送信信号が干渉波として影響を及ぼしていた。しかしながら本発明による通信方式では、同じタイムスロット内においては各通信チャネルA〜Hが使用するブロックが周波数的に異なっていることから、少なくとも同一基地局内でチャネル干渉が生じることはない。
またマルチパスが存在する環境下では一般に周波数選択性フェージングが生じることが危惧されるが、本発明による通信方式では、複数のサブキャリアに送信シンボルを分散させていることから、仮に周波数選択性フェージングが生じたとしても、その周波数選択性フェージングが生じた帯域のサブキャリアが劣化するだけであり、全体的に周波数選択性フェージングの影響を受けることはない。また複数のサブキャリアに送信シンボルを分散させていることから、1シンボル当たりの送信時間が長くなり、その結果、マルチパスによる遅延信号が生じたとしても本質的にその影響は小さい。
次に異なる基地局問でのチャネル干渉について、図10及び図11を用いて説明する。まず図10において、基地局BS−Aと基地局BS−Bはそれぞれ同一周波数帯域を使用して通信端末装置MSl〜MS8及びMSll〜MS18と通信しているものとし、また通信チャネルとしては上述した通信方式で形成される通信チャネルA〜Hをそれぞれ使用しているものとする。但し、基地局BS−A及びBS−Bでは、ブロック割当のランダム性により、通信チャネルA〜Hに対してはそれぞれ異なるブロックを割り当てているものとする。また一般的なセルラー無線通信システムでは送信電力制御がおこなわれていることを考慮して、この例で示すセルラー無線通信システムにおいても、各通信の送信電力は所定の品質を満足する範囲で必要最小限の値となるように制御されているものとする。
ここでこのような送信電力制御の結果、あるタイミングにおける基地局BS−Aの各通信チャネルA〜Hの送信電力が図11(A)に示すようになっていたとし、それと同じタイミングにおける基地局BS−Bの各通信チャネルA〜Hの送信電力が図11(B)に示すようになっていたとする。
図10に示すように、一般に基地局BS−Bが送信する各通信チャネルA〜Hの送信信号は基地局BS−Aにおいては各通信チャネルA〜Hにとって干渉波SIとして作用する。但し、この干渉波SIとして作用する基地局BS−Bからの送信信号は、基地局BS−Bが基地局BS−Aから離れていることにより、基地局BS−Aのセル内においては一般に基地局BS−Aにおける各通信チャネルA〜Hの送信信号に比べて電力的に低くなっている。
このような状況において、ある特定の通信チャネルに着目してチャネル干渉を考察して見る。例えば基地局BS−Aと通信端末装置MS8とが通信チャネルEを使用して通信していたとすると、図11(A)及び(B)の関係から、この通信チャネルEにとっては同じブロックを使用して送信する基地局BS−Bの通信チャネルD、E及びBの送信信号が干渉波として影響を及ぼすことになる。この場合、基地局BS−A及びBS−Bでは通信チャネルA〜Hに対してそれぞれランダムにブロックを割り当てていることから、基地局BS−Aの通信チャネルEに対して干渉する基地局BS−Bの通信チャネルは必ず同じではなく、この図11(B)に示すようにランダムになる。
基地局BS−Bにおける各通信チャネルD、E及びBの送信電力は通信端末装置との距離等、通信環境に依るので、各通信チャネルD、E及びBの送信電力はそれぞれ異なることになる。このため基地局BS−Aの通信チャネルEが受ける干渉波の電力は各ブロック毎に異なることになる。また時間的に見ても、基地局BS−Aの通信チャネルEに干渉を及ぼす基地局BS−Bの通信チャネルはランダムに変化して行くので、通信チャネルEが受ける干渉波の電力は時間的にランダムに変化して行くことになる。
従ってこれらの考察を基に、通信チャネルEを介した通信全体で考えれば、基地局BS−Bから受ける干渉波電力は平均的な値となり、かくして本発明による通信方式では他セルからの干渉波に対して干渉ダイバーシチ効果を得ることができる。すなわち本発明による通信方式では、本質的に通信チャネルに対するブロック割当をランダムにするようにしたことにより、常に他セルから強い干渉波電力を受けることを未然に防止することができる。
ここでこのような本発明による通信方式を実際に適用した送信装置と受信装置の構成を図12に示す。図12において、10は全体として基地局に設けられる送信装置を示し、11は通信端末装置に設けられる受信装置を示す。送信装置10においては、例えば8チャネル分の無線通信が存在すると仮定すると、その8チャネル分の送信シンボルS1〜S8をそれぞれマルチプレクサ12に入力する。但し、ここでは説明の都合上、送信対象の8チャネルは上述した図9に示す1タイムスロット内に形成される8つの通信チャネルA〜Hとする。
マルチプレクサ12には各通信チャネルA〜Hに対してランダムに割り当てる
ブロックのパターン情報S10が入力されており、マルチプレクサ12は、このバクーン情報S10に基づいて、各通信チャネルA〜Hのブロック割当に対応するように送信シンボルS1〜S8を並び換えて1つのシンボルストリームS20を生成する。例えば送信シンボルS1〜S8がそれぞれ通信チャネルA〜Hで送られるシンボルであるとし、各通信チャネルA〜Hに対するブロック割当が図13に示すようになっていたとすると、マルチプレクサ12はまず入力される送信シンボルS1〜S8をそれぞれ12シンボルずつに分け、その分けたシンボル群をブロック割当に合わせて並び換える。例えば送信シンボルS1は通信チャネルAを使用して送信するので、並び順が第1、第7及び第13番目になるようにそのシンボル群を並べる。かくしてマルチプクレサ12においては、各通信チャネルA〜Hに対するブロック割当に応じて送信シンボS1〜S8を並び換えることにより、1つのシンボルストリームS20を生成する。
ブロックのパターン情報S10が入力されており、マルチプレクサ12は、このバクーン情報S10に基づいて、各通信チャネルA〜Hのブロック割当に対応するように送信シンボルS1〜S8を並び換えて1つのシンボルストリームS20を生成する。例えば送信シンボルS1〜S8がそれぞれ通信チャネルA〜Hで送られるシンボルであるとし、各通信チャネルA〜Hに対するブロック割当が図13に示すようになっていたとすると、マルチプレクサ12はまず入力される送信シンボルS1〜S8をそれぞれ12シンボルずつに分け、その分けたシンボル群をブロック割当に合わせて並び換える。例えば送信シンボルS1は通信チャネルAを使用して送信するので、並び順が第1、第7及び第13番目になるようにそのシンボル群を並べる。かくしてマルチプクレサ12においては、各通信チャネルA〜Hに対するブロック割当に応じて送信シンボS1〜S8を並び換えることにより、1つのシンボルストリームS20を生成する。
高速逆フーリエ変換回路13はOFDMの変調回路であり、入力されるシンボルストリームS20に対して逆フーリエ変換処理を施すことによりシンボルストリームS20の各シンボルをサブキャリアの間隔で周波数軸上に並べたような送信信号S21を生成し、これを時分割送信部14に送出する。時分割送信部14は、送信信号S21を実際のサブキャリアの周波数帯域に周波数変換することにより各シンボルを上述したサブキャリアにそれぞれ重畳したような送信信号S22を生成し、これを2分割されたタイムスロットのタイミングでアンテナ15を介してバースト的に送信する。
一方、受信装置2においては、アンテナ16によって受信した受信信号S23を時分割受信部17に入力する。時分割受信部17は、時間的な窓かけ処理を行うことにより受信信号S23から送信信号S22に相当する信号成分を抽出し、これに周波数変換を施すことにより送信信号S21に対応するベースバンドの受信信号S24を得、これを高速フーリエ変換回路18に出力する。
高速フーリエ変換回路18はOFDMの復調回路であり、受信信号S24に対して高速フーリエ変換処理を施すことにより周波数軸上に並んでいるシンボルを
時間軸上に並べて取り出し、これを受信シンボルS25としてデマルチプレクサ19に出力する。なお、高速フーリエ変換回路18は24ブロックの帯域全体に対して高速フーリエ変換処理を施すので、通信チャネルA〜H全体のシンボルが取り出されることになる。
時間軸上に並べて取り出し、これを受信シンボルS25としてデマルチプレクサ19に出力する。なお、高速フーリエ変換回路18は24ブロックの帯域全体に対して高速フーリエ変換処理を施すので、通信チャネルA〜H全体のシンボルが取り出されることになる。
デマルチプレクサ19はブロック割当のパターン情報に基づいて全通信チャネルA〜Hのシンボルの中から自局の通信チャネルのシンボルを取り出す回路である。例えばこの受信装置11が通信チャネルAを受信するものであれば、デマルチプレクサ19は、通信チャネルAに関するブロック割当のパターン情報S27に基づいて、受信シンボルS25の中から通信チャネルAに関するシンボルを取り出し、これを受信シンボルS26として出力する。かくして受信装置11においては、このような処理により、自局の通信チャネルAを介して送られてくるシンボル情報を復元することができる。
以上の構成において、本発明による通信方式では、1.2〔MHz〕の帯域を時間軸方向に4.615〔ms〕幅のフレームによってそれぞれ分割し、さらに各フレームをそれぞれ577〔μs〕毎に分割することによってTDMAのタイムスロットTS0〜TS7を形成する。そして各タイムスロットにおいては、当該タイムスロットを時間方向に2分割すると共に、周波数方向に24分割して48個のブロックを形成し、各ブロック内に12本のサブキャリアを形成する。そしてこれらのブロックのうち前半部分から3ブロック及び後半部分から3ブロックを選んで6ブロックで1つの通信チャネルを形成することにより1タイムスロット当たり8つの通信チャネルを形成する。
このようにして形成される通信チャネルを使用して実際に通信する際には、送信シンボルを通信チャネルのブロック内のサブキャリアにそれぞれ割り当てて送信することによりOFDM方式によって送信する。このようにしてこの発明による通信方式では、従来のように符号分割で1タイムスロット内を多重化するのではなく、周波数的に分離されたブロックを使用したOFDMによって1タイムスロット内を多重化するので、マルチパスの影響を受け難い通信を実現することができる。
また本発明による通信方式では、送信側で送信シンボルに逆フーリエ変換を施し、受信側で受信信号にフーリエ変換を施すだけの構成で通信を行うことができるので、従来の時間・符号分割多元接続方式のように全チャネルの干渉量を考慮しながら復号を行うマルチ・ユーザ・デテクシヨンを使用した場合に比べて、装置の処理量を低減し得ると共に装置構成を簡易化することができる。
さらに本発明による通信方式では、通信チャネルに対してランダムにブロックを割り当てるようにしたことにより、常に大きな干渉波を受けることを未然に防止し得、チャネル干渉に関して干渉ダイバーシチ効果を得ることができる。
以上の構成によれば、時分割多重によって形成したタイムスロットを複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内にそれぞれ複数のサブキャリアを形成して、所定数のブロックで通信チャネルを形成することにより1タイムスロット内を多重化するようにしたことにより、周波数的に分離されたマルチキャリア通信で多重化を行うことができることから、簡易な構成で、マルチパスが存在する環境下でも良好に通信することができる。
なお上述の実施の形態においては、1フレームを4.615〔ms〕とし、そのフレームを577〔μs〕毎に分割することにより時分割多重のタイムスロットを形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、時分割多重のタイムスロットを形成する上での各諸元はその他の値であっても良い。
また上述の実施の形態においては、1タイムスロットを48ブロックに分割した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、分割するブロック数としてはその他の数であっても良い。
また上述の実施の形態においては、帯域幅を1.2〔MHz〕とし、サブキャリアの間隔を4.17〔KHz〕とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、周波数的な各諸元としてはその他の値であっても良い。
また上述の実施の形態においては、1タイムスロット内を時間方向及び周波数方向に分割した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、1タイムスロツ
ト内を周波数方向にのみ分割するようにしても良い。
ト内を周波数方向にのみ分割するようにしても良い。
要は、時分割多重のクイムスロット内を少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、そのブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数のブロックで通信チャネルを形成して1タイムスロット内を多重化し、その通信チャネルを介してマルチキャリアで送信対象の情報を送信するようにすれば、上述の場合と同様の効果を得ることができる。
セルラー無線通信システムにおいて、基地局と通信端末装置との間で通信する際に利用することができる。
1、10……送信装置、1A……CDMA変調部、lB、14……時分割送信部、1C、2A、15、16……アンテナ、2、11……受信装置、2B、17……時分割受信部、2C……マッチドフィルタ、2D……マルチ・ユーザ・デテクシヨン、12……マルチプレクサ、13……高速逆フーリエ変換回路、18……高速フーリエ変換回路、19……デマルチプレクサ。
Claims (10)
- 時分割多重によって形成されるタイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数の上記ブロックで1通信チャネルを形成することにより上記タイムスロット内に複数の通信チャネルを形成し、通信時には、上記複数の通信チャネルのうち所望の通信チャネルを使用して上記複数のサブキャリアで送信対象の情報を送信する
ことを特徴とする送信方法。 - 上記ブロックを通信チャネルに割り当てるとき、当該通信チャネルに対してランダムに上記ブロックを割り当てる
ことを特徴とする請求項1に記載の送信方法。 - 上記送信対象の情報にフーリエ変換を施すことにより、使用する上記通信チャネルの上記サブキャリアに当該送信対象の情報を重畳する
ことを特徴とする請求項1に記載の送信方法。 - 時分割多重によって形成されるタイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数の上記ブロックで1通信チャネルを形成することにより上記タイムスロット内に複数の通信チャネルを形成し、上記複数の通信チャネルのうち所望の通信チャネルを使用して上記複数のサブキャリアで送信された情報を受信するときに、上記情報の送信に使用された上記通信チャネルが含まれる上記タイムスロットを受信することにより受信信号を得、当該受信信号に対してフーリエ変換を施すことにより当該タイムスロット内の全情報を取り出した後、当該全情報の中から自局との通信に使用された上記通信チャネルの上記情報を取り出す
ことを特徴とする受信方法。 - 上記通信チャネルは、上記ブロックをランダムに割り当てることにより形成されたチャネルである
ことを特徴とする請求項4に記載の受信方法。 - 時分割多重によって形成されるタイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数の上記ブロックで1通信チャネルを形成することにより上記タイムスロット内に複数の通信チャネルを形成し、通信時には、上記複数の通信チャネルのうち所望の通信チャネルを使用して上記複数のサブキャリアで送信対象の情報を送信する送信手段
を臭えることを特徴とする送信装置。 - 上記送信手段は、
上記ブロックを通信チャネルに割り当てるとき、当該通信チャネルに対してランダムに上記ブロックを割り当てる
ことを特徴とする請求項6に記載の送信装置。 - 上記送信手段は、
上記送信対象の情報にフーリエ変換を施すことにより、使用する上記通信チャネルの上記サブキャリアに当該送信対象の情報を重畳する
ことを特徴とする請求項6に記載の送信装置。 - 時分割多重によって形成されるタイムスロットを少なくとも周波数方向に複数のブロックに分割すると共に、当該ブロック内に複数のサブキャリアを形成し、所定数の上記ブロックで1通信チャネルを形成することにより上記タイムスロット内に複数の通信チャネルを形成し、上記複数の通信チャネルのうち所望の通信チャネルを使用して上記複数のサブキャリアで送信される情報を受信するときに、上記情報の送信に使用された上記通信チャネルが含まれる上記タイムスロットを受信することにより受信信号を得、当該受信信号に対してフーリエ変換を施すことにより当該タイムスロット内の全情報を取り出した後、当該全情報の中から自局との通信に使用された上記通信チャネルの上記情報を取り出す受信手段
を具えることを特徴とする受信装置。 - 上記通信チャネルは、上記ブロックをランダムに割り当てることにより形
成されたチャネルである
ことを特徴とする請求項9に記載の受信装置。
Priority Applications (1)
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JP2008002645A JP2008141779A (ja) | 2008-01-09 | 2008-01-09 | 送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008002645A JP2008141779A (ja) | 2008-01-09 | 2008-01-09 | 送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008002645A Abandoned JP2008141779A (ja) | 2008-01-09 | 2008-01-09 | 送信方法、受信方法、送信装置及び受信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008141779A (ja) |
-
2008
- 2008-01-09 JP JP2008002645A patent/JP2008141779A/ja not_active Abandoned
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