JP2008141561A - 共振器フィルタ - Google Patents

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Ryoichi Ohara
亮一 尾原
Naoko Yanase
直子 梁瀬
Yasuaki Yasumoto
恭章 安本
Minoru Kawase
稔 川瀬
Shingo Masuko
真吾 増子
Tetsuya Ono
哲也 大野
Kenya Sano
賢也 佐野
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Abstract

【課題】フィルタ特性の優れた共振器フィルタを提供する。
【解決手段】互いに直列に接続された複数の共振器からなる直列接続部を備え、前記複数の共振器のそれぞれは、上部電極と、下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に設けられた圧電膜と、を有し、前記複数の共振器の全てにおいて、前記上部電極は、それぞれの共振器から一方向のみに延出していることを特徴とする共振器フィルタが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、共振器フィルタに関する。
近年の移動体無線端末の高性能化および高機能化に伴い、移動体無線端末に用いる部品の点数が大幅に増加しており、部品の小型化およびモジュール化などが重要となってきている。ここで、無線回路の中でも、特にフィルタは大きなスペースを占めており、無線回路を小型化し部品点数を削除するためには、フィルタの小型化およびモジュール化が必要となってきている。
従来から用いられてきたフィルタとしては、例えば、誘電体フィルタ、表面弾性波(Surface Acoustic Wave:SAW)フィルタ、LCフィルタなどが挙げられるが、近年では、複数の薄膜バルク弾性波共振器(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)素子を備えた共振器フィルタが、フィルタの小型化およびモジュール化に最も有望であると考えられている。
薄膜バルク弾性波共振器(Film Bulk Acoustic Resonator:FBAR)素子(以下、FBAR素子という)は、上部電極、下部電極、上部電極と下部電極に挟まれた圧電体膜、下部電極の下方に設けられたキャビティを備えている。このFBAR素子を複数用いて共振器フィルタを構成させるためには、基板上に設けられたFBAR素子同士を電気的に接続する必要がある。その際、フィルタの小型化およびモジュール化を図るために、FBAR素子の上部電極あるいは下部電極を共通化して、FBAR素子間の電気的接続を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
しかし、特許文献1に開示されているような技術では、キャビティ領域以外の基板上において、上部電極と下部電極とが対向することにより生ずる寄生容量に対する考慮がされておらず、フィルタ特性の劣化を招いていた。
特開2005−286945号公報
本発明は、フィルタ特性の優れた共振器フィルタを提供する。
本発明の一態様によれば、互いに直列に接続された複数の共振器からなる直列接続部を備え、前記複数の共振器のそれぞれは、上部電極と、下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に設けられた圧電膜と、を有し、前記複数の共振器の全てにおいて、前記上部電極は、それぞれの共振器から一方向のみに延出していることを特徴とする共振器フィルタが提供される。
本発明によれば、フィルタ特性の優れた共振器フィルタが提供される。
まず、本発明の第1の実施形態について説明をする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る共振器フィルタの第1の具体例を例示するための模式図であり、図1(a)は模式平面図、図1(b)は図1(a)のX1−X1方向から見た模式断面図である。
図2は、比較例の共振器フィルタを例示するための模式図であり、図2(a)は模式平面図、図2(b)は図2(a)のY1−Y1方向から見た模式断面図である。
図3は、図1および図2に例示した共振器フィルタの回路図である。
まず、図2に示す比較例から説明する。
図2(a)、図3に示すように、本比較例の共振器フィルタ6は、FBAR素子S1〜S3からなる直列接続部を有する。すなわち、FBAR素子S1と、FBAR素子S2と、FBAR素子S3とが電気的に直列に接続されている。またさらに、FBAR素子S1とFBAR素子S2、FBAR素子S2とFBAR素子S3とには、それぞれFBAR素子P1、FBAR素子P2が電気的に並列に接続されている。
そして、FBAR素子S1の上部電極16は、入力端子22に接続され、FBAR素子S3下部電極12は、出力端子24接続されている。このような共振器フィルタの回路構成は、「2.5段ラダー型」などと呼ばれる。
図2(b)に示すように、基板10の上面には、図示しない熱酸化膜、図示しないパッシベーション膜、図示しない非晶質下地膜、下部電極12、圧電膜14、上部電極16が、この順に下層から形成されている。
基板10には基板10を貫通するキャビティ18が設けられ、キャビティ18の基板上面側開口部を覆うように下部電極12が設けられている。下部電極12に対向するように上部電極16が設けられ、下部電極12と上部電極16との間には圧電膜14が設けられている。
ここで、各部の材料を例示するものとすれば、例えば、基板10をシリコン(Si)、図示しない熱酸化膜を酸化シリコン(SiO)、図示しないパッシベーション膜を窒化珪素(SiN)、図示しない非晶質下地膜をタンタルアルミニウム(TaAl)、下部電極12をアルミニウム(Al)、圧電膜14を窒化アルミニウム(AlN)、上部電極16をモリブデン(Mo)とすることができる。
次に、共振器フィルタ6の作用について説明をする。
説明の便宜上、まず、FBAR素子の作用の説明をすることにする。
FBAR素子は、圧電膜14の圧電効果を利用して入力信号をフィルタリングする機能を有する。
入力端子22に入力された信号は、入力端子22に接続されている上部電極16から圧電膜14を介して下部電極12へと出力される。この時、逆圧電効果により圧電膜14がその厚み方向に振動するが、上部電極16、圧電膜14、下部電極12からなる積層体は、圧電膜14に発生する振動に対して一定の共振周波数と反共振周波数を有する。そのため、直列共振器の共振周波数、および並列共振器の反共振周波数においては、入力された信号が通過することになる。
このようなフィルタリング機能を有するFBAR素子を、少なくとも1つ以上用いることで共振器フィルタを構成させることができる。例えば、共振器フィルタ6は、5つのFBAR素子を用いて共振器フィルタを構成させた場合である。共振器フィルタを構成させる場合には、隣接するFBAR素子同士の上部電極16または下部電極12を共通化させて、全てのFBAR素子を電気的に接続するようにすることができる。
ここで、キャビティ領域以外の場所で上部電極16と下部電極12とが対向すると、その部分に寄生容量が発生し、また、振動エネルギーが下部基板12を介して基板10に漏れてしまう。例えば、図2(b)に示したキャビティ18の近傍の領域Aで寄生容量が発生し、また、振動エネルギーの漏れが発生する。
このような寄生容量や振動エネルギーの漏れが発生すると、実効的に圧電性が低下してしまいフィルタ帯域幅の低下、挿入損失の増大などフィルタ特性に影響を与える。特に、1つのFBAR素子において、2方向に延出する上部電極16があるとキャビティ領域以外の場所で、上部電極16と下部電極12とが対向する場所が2箇所でき、フィルタ特性への悪影響が無視できなくなる。例えば、図2(a)の場合においては、各FBAR素子近傍の領域Aの部分の場所で寄生容量や振動エネルギーの漏れが発生するが、特に、FBAR素子S3の領域Bにおいては、寄生容量や振動エネルギーの漏れが発生する場所が2箇所できてしまい、この部分の寄生容量や振動エネルギーの漏れが原因となるフィルタ特性への悪影響が無視できなくなる。
次に、図1に示す第1の具体例について説明する。
図1(a)に示す共振器フィルタ5の回路構成も、図3に示す2.5段ラダー型である。すなわち、フィルタの基本回路構成としては図2で説明をした比較例と同様である。そのため、同一の部分には同じ符号を付すこととし、説明は省略する。
本具体例においては、上部電極16と下部電極12とをコンタクトビア20を用いて上下の電極を電気的に逆転させて、上部電極16が延出する方向を1方向としている。
そして、FBAR素子S1〜S3からなる直列接続部についてみると、その外部への配線は、いずれも上部電極16から引き出されている。また、これらFBAR素子S1〜S3の全てにおいて、上部電極16は、それぞれのFBAR素子S1〜S3から一方向のみに延出している。つまり、例えばFBAR素子S1の下部電極18は、FBAR素子S1から2方向には延出しているが、FBAR素子S1の上部電極16は、FBAR素子S1から一方向のみに延出している。同様に、FBAR素子S2、S3についても、上部電極16は、それぞれの素子S2、S3から一方向のみに延出している。
このようにすると、1つのFBAR素子に対して寄生容量が発生する場所を1箇所のみとすることができる。その結果として、寄生容量を低減できる。すなわち、このような構成を有する本実施形態に係る共振器フィルタ5の共振周波数特性を、例えば、ネットワークアナライザを用いて評価したところ、比較例の共振器フィルタ6よりも、帯域幅が広く、かつ、挿入損失も小さくできることが確認された。
次に、第2の具体例に係る共振器フィルタについて説明をする。
図4は、第2の具体例に係る共振器フィルタを例示するための模式平図である。
図5は、比較例の共振器フィルタを例示する模式平面図である。
図6は、図4および図5に示す共振器フィルタの回路図である。
まず、図5に示す比較例から説明する。
図5、図6に示すように、本比較例の共振器フィルタ60は、FBAR素子S1と、FBAR素子S2と、FBAR素子S3とが電気的に直列に接続され、FBAR素子S1とFBAR素子S2、FBAR素子S2とFBAR素子S3、FBAR素子S3とには、それぞれFBAR素子P1、FBAR素子P2、第6FBAR素子P3とが電気的に並列に接続されている。
そして、FBAR素子S1の上部電極16は、入力端子22に接続され、FBAR素子S3下部電極12は、出力端子24接続されている。このような共振器フィルタの回路構成を3段ラダー型という。
共振器フィルタ60の断面構成、各部の材質、FBAR素子の作用などは、図2で説明した共振器フィルタ6のものと同様のため、説明は省略する。
共振器フィルタ60においても、キャビティ領域以外の場所で上部電極16と下部電極12とが対向する領域Aができる。そのため、図2で説明したように、共振器フィルタ60においても領域Aで寄生容量が発生する。特に、FBAR素子S3の領域Bにおいては、寄生容量が発生する場所が2箇所できているため、フィルタ特性に与える悪影響が無視できなくなる。
次に、図4に示す第2の具体例に係る共振器フィルタについて説明する。
図4に示す共振器フィルタ50の構成も、図6に示す3段ラダー型である。すなわち、フィルタの回路構成としては図5で説明をした比較例と同様である。そのため、同一の部分には同じ符号を付すこととし、説明は省略する。
本具体例においても、上部電極16と下部電極12とをコンタクトビア20を用いて電気的に連結し、上下の電極を電気的に逆転させて上部電極16が延出する方向を1方向としている。そのため、本具体例においても1つのFBAR素子に対して寄生容量が発生する場所を1箇所のみとすることができる。
このような構成を有する本実施形態に係る共振器フィルタ50の共振周波数特性を、例えば、ネットワークアナライザを用いて評価したところ、比較例の共振器フィルタ60よりも、帯域幅が広く、かつ、挿入損失も小さくできることが確認された。
以上説明したように、本実施の形態にかかる共振器フィルタにおいては、寄生容量の発生を抑制することができるので、フィルタ特性に優れ、信頼性にも優れた共振器フィルタを提供することができる。
次に、本実施形態に係る共振器フィルタの製造方法を説明する。
図7乃至図9は、本発明の第1の実施の形態に係る共振器フィルタ5の製造方法を例示するための模式工程図である。
尚、各図の上段の図は、上部電極または下部電極の形状を例示するための模式平面図である。 また、各図の下段の図は、模式断面図である。
まず、図7に示すように、基板10の主面上に図示しない熱酸化膜を形成させる。その後、図示しないパッシベーション膜を、例えば、LPCVD(Low pressure chemical vapor deposition)法を用いて形成する。この際、パッシベーション膜の膜厚は200ナノメートル以下とすることができる。また、共振特性を考慮してパッシベーション膜の膜厚を100ナノメートル以下とすることもできる。そして、パッシベーション膜の上に、図示しない非晶質下地膜、下部電極12の膜を、例えば、マグネトロンスパッタ法を用いて順次形成する。続いて、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて下部電極12の膜をパターニングした後、反応性イオンエッチング法を用いて所定形状の下部電極12を形成する。
次に、図8に示すように、例えば、反応性マグネトロンスパッタリング法を用いて、圧電膜14を膜厚1.5〜2.0マイクロメータ程度に形成する。そして、例えば、反応性イオンエッチング法を用いて圧電膜14の上面を、下部電極12の形状に合わせるようにして所定の形状にエッチング加工するとともに、コンタクトホール21を形成する。この時、下部電極12の上面にコンタクトホール21の底部が開口するようにする。尚、下部電極12に外部の配線を接続するために、必要に応じて圧電膜14の一部を除去することもできる。
次に、図9に示すように、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて膜厚が150〜400ナノメートル程度の上部電極16の膜を形成する。この際、コンタクトホール21にも埋め込みが行われ、コンタクトビア20が形成される。そして、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて上部電極16の膜をパターニングした後、ケミカルドライエッチング(Chemical Dry Etching:CDE)法を用いて所定形状の上部電極16を形成する。この際、上部電極16が1方向のみに延出する所定の形状が形成されるようにする。
その後、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて基板10の裏面をパターニングした後、反応性イオンエッチング法を用いて基板10の裏面側から所定の形状のキャビティ18を形成する。最後に、キャビティ18の底面(下部電極12の下面)に残留する酸化膜をウェットエッチング法により除去する。
尚、直列接続されたFBAR素子S1、FBAR素子S2、FBAR素子S3の共振周波数と、並列接続されたFBAR素子P1、FBAR素子P2の反共振周波数とが略同一となるように、FBAR素子P1、FBAR素子P2の下部電極12と図示しないパッシベーション膜との間に、質量負荷層を設けるようにすることもできる。また、共振器フィルタ5の全体を、例えば、SiNからなるパッシベーション膜で覆い、共振器フィルタ5の保護を図ってもよい。また、圧電膜14の膜厚あるいはキャビティ18の寸法を調整することにより、共振器フィルタ5の通過帯域をチューニングすることもできる。
ここで、図9に示すように、上部電極16の幅寸法Wをキャビティ18の1辺の長さL1より小さくすると、寄生容量をさらに抑制することができる。上部電極12の幅寸法Wがキャビティ18の1辺よりも長くなると、キャビティ18の外側部分で余分な寄生容量が発生するからである。例えば、キャビティ18の断面形状が略正方形であるとすると、幅寸法Wをキャビティ18の周長Lで除した値が0.25より小さくなるようにすることができる(W/L<0.25)。
次に、本発明の第2の実施形態に係る共振器フィルタについて説明をする。
前述したように、キャビティ領域以外の場所で上部電極16と下部電極12とが対向すると、その部分に寄生容量が発生する。そのため、上部電極16に対向する下部電極12の端面位置をキャビティ18の領域内、すなわち下部電極12の端面位置をキャビティ18の壁面位置とするか、キャビティ18の壁面より内側になるようにすれば、寄生容量の発生をなくすことができる。
図10は、共振器フィルタの下部電極12の端面の位置がキャビティ18の壁面より内側になるようにする場合を例示するための模式図であり、図10(a)は模式平面図、図10(b)は図10(a)のY2−Y2方向から見た模式断面図である。
尚、図2で説明をした共振器フィルタ6のものと同様の部分については、同じ符号を付し説明は省略する。また、説明の便宜上、下部電極12の端面の位置をキャビティ18の壁面より内側になるようにする場合を説明するが、下部電極12の端面位置をキャビティ18の壁面位置とする場合も同様である。
図10に示す共振器フィルタ70は、図5に示す共振器フィルタ60の上部電極16が延出する方向の側にある下部電極12の端面位置をキャビティ18の壁面より内側になるようにしたものである。そのため、キャビティ領域以外の場所で上部電極16と下部電極12とが対向することがなく寄生容量の発生がない。また、下部電極12と基板10とが接触している部分からは、圧電膜14の振動エネルギーが基板10側に伝播されやすいが、下部電極12の端面位置がキャビティ18の壁面より内側にあると振動エネルギーの伝播がされ難く、Q値を高く維持できるという効果をも生じる。
また、下部電極12の端面とキャビティ18の壁面までの距離L2を3マイクロメートル以上とすれば、振動エネルギーの伝播を効果的に抑制することができる。
ここで、下部電極12の端面位置をキャビティ18の領域内にすると、この部分にクラックが発生しやすくなる。そのため、機械的な構造強度を保つために圧電膜14の応力コントロールが必要となる。
特に、1つのFBAR素子において、2方向に延出する上部電極16があると、キャビティ領域内に下部電極12の端面が2面存在することになる。このような場合は、機械的強度の劣化の影響が無視できなくなり歩留まりも大幅に低下してしまうことになる。例えば、図10(a)の場合においては、各FBAR素子近傍の領域Cの部分で機械的強度の劣化が起こる。特に、FBAR素子S3の領域Dにおいては、機械的強度が劣化する場所が2箇所できているため、機械的強度の劣化の影響が無視できなくなる。
本発明者は、検討の結果、1つのFBAR素子において上部電極16が1方向のみに延出するような各FBAR素子の配置とすれば、機械的強度の劣化を最小限に抑制できるとの知見を得た。
図11は、1つのFBAR素子において上部電極16が1方向のみに延出するような各FBAR素子の配置を例示するための模式図である。図12は、図11に例示した共振器フィルタの回路図である。
尚、図2で説明をした共振器フィルタ6のものと同様の部分については、同じ符号を付し説明は省略する。
図11に示すように、共振器フィルタ80においては、1つのFBAR素子において上部電極16が1方向のみに延出するような各FBAR素子の配置としている。また、上部電極16が延出する方向の側にある下部電極12の端面位置をキャビティ18の壁面より内側になるようにしている。そのため、キャビティ18の領域内に下部電極12の端面が2面存在することがなく、機械的強度の劣化を最小限に抑制できる。
この効果を製品の歩留まりで評価したところ、図11に示す共振器フィルタ80の場合は、良品率が100%であるのに対し、図10に示す共振器フィルタ70の場合は、良品率が65%であった。そして、不良品となった35%のほぼ全てはクラックが発生したことに起因する抵抗値の上昇、挿入損失の増加がその理由であった。
以上説明したように、本実施の形態にかかる共振器フィルタにおいては、寄生容量の発生をなくすことができる。また、1つのFBAR素子において上部電極16が1方向のみに延出するような各FBAR素子の配置とすることで機械的強度の劣化を最小限に抑制できる。そのため、フィルタ特性に優れ、信頼性や生産性にも優れた共振器フィルタを提供することができる。
次に、本実施形態に係る共振器フィルタの製造方法を説明する。
尚、説明の便宜上、図11で説明をした共振器フィルタ80の製造方法を例にとって説明をする。
図13乃至図15は、本発明の第2の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。
各図の上段の図は、上部電極または下部電極の形状を例示するための模式平面図である。 また、各図の下段の図は、模式断面図である。
まず、図13に示すように、基板10の主面上に図示しない熱酸化膜を形成させる。その後、図示しないパッシベーション膜を、例えば、LPCVD(Low pressure chemical vapor deposition)法を用いて形成する。この際、パッシベーション膜の膜厚は200ナノメートル以下とすることができる。また、共振特性を考慮してパッシベーション膜の膜厚を100ナノメートル以下とすることもできる。そして、パッシベーション膜の上に、図示しない非晶質下地膜、下部電極12の膜を、例えば、マグネトロンスパッタ法を用いて順次形成する。続いて、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて下部電極12の膜をパターニングした後、反応性イオンエッチング法を用いて所定形状の下部電極12を形成する。
この際、下部電極12の端面のテーパ角度θを45度以下とすることができる。端面部分の寸法変化を緩やかにすることで、圧電膜14の形成時に発生する応力を緩和して破壊やクラックの発生を抑制するためである。
次に、図14に示すように、例えば、反応性マグネトロンスパッタリング法を用いて、圧電膜14を膜厚1.5〜2.0マイクロメータ程度に形成する。そして、例えば、反応性イオンエッチング法を用いて圧電膜14の上面を、下部電極12の形状に合わせるようにして所定の形状にエッチング加工する。尚、下部電極12に外部の配線を接続するために、必要に応じて圧電膜14の一部を除去することもできる。
次に、図15に示すように、例えば、DCマグネトロンスパッタリング法を用いて膜厚が150〜400ナノメートル程度の上部電極16の膜を形成する。そして、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて上部電極16の膜をパターニングした後、ケミカルドライエッチング(Chemical Dry Etching:CDE)法を用いて所定形状の上部電極16を形成する。この際、上部電極16が1方向のみに延出する所定の形状が形成されるようにする。
その後、例えば、フォトリソグラフィ法を用いて基板10の裏面をパターニングした後、反応性イオンエッチング法を用いて基板10の裏面側から所定の形状のキャビティ18を形成する。最後に、キャビティ18の底面(下部電極12の下面)に残留する酸化膜をウェットエッチング法により除去する。
尚、直列接続されたFBAR素子S1、FBAR素子S2a、FBAR素子S2b、FBAR素子S3の共振周波数と、並列接続されたFBAR素子P1、FBAR素子P2の反共振周波数とが略同一となるように、FBAR素子P1、FBAR素子P2の下部電極12と図示しないパッシベーション膜との間に、質量負荷層を設けるようにすることもできる。また、共振器フィルタ80の全体を、例えば、SiNからなるパッシベーション膜で覆い、共振器フィルタ80の保護を図ってもよい。また、圧電膜14の膜厚あるいはキャビティ18の寸法を調整することにより、共振器フィルタ80の通過帯域をチューニングすることもできる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
前述の具体例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、具体例として例示した共振器フィルタを構成するFBAR素子は、基板10を貫通するキャビティ18を備えているが、これに限定される訳ではない。図16に示すように、中空部からなるキャビティ180を備えるようにしてもよい。
また、FBAR素子の連結数も具体例として例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、前述した各具体例が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これら組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
また、具体例として例示した、上部電極、下部電極、圧電膜、基板、キャビティ、コンタクトビアなどの形状、寸法、材質、配置などは例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することもできる
また、基板上に形成する各種の膜の形成法やエッチング法なども具体例として例示したものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
本発明の第1の実施形態に係る共振器フィルタの第1の具体例を例示するための模式図である。 比較例の共振器フィルタを例示するための模式図である。 図1および図2に例示した共振器フィルタの回路図である。 第2の具体例に係る共振器フィルタを例示するための模式平図である。 比較例の共振器フィルタを例示する模式平面図である。 図4および図5に示す共振器フィルタの回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。 本発明の第1の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。 本発明の第1の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。 共振器フィルタの下部電極の端面の位置がキャビティの壁面より内側になるようにする場合を例示するための模式図である。 1つのFBAR素子において上部電極が1方向のみに延出するような各FBAR素子の配置を例示するための模式図である。 図11に例示した共振器フィルタの回路図である。 本発明の第2の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。 本発明の第2の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。 本発明の第2の実施の形態に係る共振器フィルタの製造方法を例示するための模式工程図である。 中空部からなるキャビティを備えるFBAR素子を例示するための模式断面図である。
符号の説明
5、6、50、60、70、80 共振器フィルタ、10 基板、12 下部電極、14 圧電膜、16 上部電極、18 キャビティ、20 コンタクトビア、22 入力端子、24 出力端子、S1 FBAR素子、S2 FBAR素子、S3 FBAR素子、P1 FBAR素子、P2 FBAR素子、S2a FBAR素子、S2b FBAR素子

Claims (5)

  1. 互いに直列に接続された複数の共振器からなる直列接続部を備え、
    前記複数の共振器のそれぞれは、上部電極と、下部電極と、前記上部電極と前記下部電極との間に設けられた圧電膜と、を有し、
    前記複数の共振器の全てにおいて、前記上部電極は、それぞれの共振器から一方向のみに延出していることを特徴とする共振器フィルタ。
  2. 前記下部電極の前記圧電体膜を設けた側とは逆の側にキャビティを有し、
    前記上部電極が延出する方向の側にある前記下部電極の端面位置が、前記キャビティの壁面より内側にあること、を特徴とする請求項1記載の共振器フィルタ。
  3. 前記複数の共振器のうちの第1の共振器の前記下部電極と、前記第1の共振器に隣接する第2の共振器の前記上部電極と、がコンタクトビアを介して接続されてなることを特徴とする請求項1記載の共振器フィルタ。
  4. 前記コンタクトビアは前記上部電極の延出している部分に設けられていることを特徴とする請求項3記載の共振器フィルタ。
  5. 前記直列接続部の前記共振器に対して並列に接続された並列共振器をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の共振器フィルタ。
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JP2022542478A (ja) * 2019-08-21 2022-10-03 株式会社村田製作所 厚みモード共振器

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