JP2008140707A - リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現できるリチウムイオン二次電池用負極材料、およびこの負極材料の製造方法の提供。
【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極材料は、炭素質物質および第一黒鉛粒子が複合化した平均粒子径が10μm未満の複合黒鉛粒子と、この複合黒鉛粒子よりも大きな平均粒子径の第二黒鉛粒子とが接着することなく混合している混合物である。リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法は、第一黒鉛粒子および炭素質物質前駆体の混合物を焼成することにより炭素質物質および第一黒鉛粒子の複合黒鉛を製造する工程と、粉砕により複合黒鉛の粒子径を調整する工程と、複合黒鉛粒子およびこの粒子よりも大きな平均粒子径の第二黒鉛粒子を混合する工程とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法に関する。
体積エネルギー密度と重量エネルギー密度が大きいリチウムイオン二次電池は、電池の小型化、高電圧を供給できるという利点から携帯電話やノートパソコン等のバッテリーとして汎用されている。リチウムイオン二次電池は、起電反応にリチウムが関与する二次電池の総称であり、正極にリチウムコバルト複合酸化物などを使用したリチウムイオン二次電池や、負極にリチウム合金を使用する金属リチウムイオン二次電池などに分類される。現在、銅箔等の集電板表面上に粒状黒鉛とバインダーとの混合物を層形成した負極を備えるリチウムイオン二次電池が実用化されている。
リチウムイオン二次電池は、充放電の繰り返しによってその容量が低下する。この容量低下の程度がリチウムイオン二次電池の寿命を定める。リチウムイオン二次電池のサイクル特性が電池寿命の評価方法として一般的であり、電池のサイクル特性の改善が進められている。
サイクル特性を改善する技術として、特許文献1には、固体電解質リチウム二次電池の負極材料である特定の黒鉛系炭素に、導電材としての機能を発揮する特定の非黒鉛系炭素を混合することが開示されている。しかし、非黒鉛系炭素の混合量増加に伴って電池の初期効率が低下する問題がある。
また、特許文献2は、(002)面の平均面間隔を示すd002が0.3350nm以上、0.3380nm未満の範囲にあり、c軸方向の結晶子の大きさを示すLcが10nm以上の高結晶性構造を有する黒鉛材料の表面を非黒鉛質炭素で被覆することにより得られる平均粒子径が10〜30μm以下、比表面積が5m2/g以下の被覆炭素材料と、d002が0.3350nm以上、0.3380nm未満の範囲にあり、Lcが10nm以上、平均粒子径が10〜30μm、比表面積が7m2/g以下である黒鉛材料との混合物を負極に使用した非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)が、サイクル特性に優れることを開示する。但し、特許文献2には、前記被覆炭素材料の平均粒子径が10μm以下であると、電池の充放電効率が低下すると記載されている。
特許文献3は、表面が非晶質炭素で被覆された被覆黒鉛粒子と、表面が非晶質炭素で被覆されていない非被覆黒鉛粒子とを負極に使用した非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)を開示し、前記被覆黒鉛粒子と非被覆黒鉛粒子の平均粒子径が共に20μmのリチウムイオン二次電池を開示している。このリチウムイオン二次電池では、被覆黒鉛粒子が負極の負極材料層の内部への電解液浸透を促進し、リチウムイオン二次電池のサイクル特性が向上すると特許文献3に記載されている。
その他特許文献4には、リチウムイオン二次電池の負極材料として、核となる炭素質物の表面に炭素質物層を有する多層構造の炭素質粒子と、単層構造の炭素質粒子との混合物を使用することが開示されている。
上記の各特許文献はサイクル特性を向上させる技術を開示しているが、サイクル特性については、更なる改善が求められている。
ところで、特許文献1に開示されている技術において問題となる電池の初期効率、並びに、特許文献2において低下防止を目的としている充放電効率および電池容量も、絶えず改善されることが求められる電池特性である。つまり、サイクル特性以外の特性にも優れた電池が求められているのである。
特開2000−123871号公報 特開2001−185147号公報 特開2005−294011号公報 特開平5−307977号公報
本発明は、上記事情に鑑み、少なくともサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現できるリチウムイオン二次電池用負極材料、および該負極材料の製造方法の提供を目的とする。
本発明者は、所定の複合粒子と該複合粒子よりも平均粒子径が大きな黒鉛粒子との混合物を負極材料として使用すれば、優れたサイクル特性のリチウムイオン二次電池を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、炭素質物質および第一黒鉛粒子が複合化した平均粒子径が10μm未満の複合黒鉛粒子と、該複合黒鉛粒子よりも大きな平均粒子径の第二黒鉛粒子とを有し、前記複合黒鉛粒子と第二黒鉛粒子とが接着することなく混合されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料である。
ここで本発明における「平均粒子径」とは、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製「SALD−2000」)を用いて求められる粒度分布における積算値50%の粒度である。
前記炭素質物質は、非晶質炭素および第三黒鉛のいずれであっても良い。より優れた負極材料の吸水性、並びにより優れたリチウムイオン二次電池の負荷特性および充放電特性を実現するには、前記炭素質物質は、非晶質炭素であることが好ましい。
本発明は、前記リチウムイオン二次電池用負極材料に使用する原料であって、平均粒子径が10μm未満、かつ、炭素質物質と第一黒鉛粒子が複合化した複合黒鉛粒子である。
本発明は、前記リチウムイオン二次電池用負極材料を備える負極、および該負極を備えるリチウムイオン二次電池である。
また本発明は、前記リチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第一黒鉛粒子および炭素質物質前駆体の混合物を焼成することにより炭素質物質および前記第一黒鉛粒子が複合化した複合黒鉛を製造する工程と、前記複合黒鉛を粉砕して前記複合黒鉛の粒子径を調整する工程と、前記粒子径を調整した複合黒鉛の粒子および該粒子よりも大きな平均粒子径の第二黒鉛粒子を混合する工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法である。
平均粒子径が10μm以下である上記所定の複合黒鉛粒子を構成部材に有する本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材料によれば、優れたサイクル特性のリチウムイオン二次電池を実現することができる。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法によれば、簡易に本発明に係る負極材料を製造することができる。
実施形態に基づき、本発明を以下に説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池用負極材料(以下、「リチウムイオン二次電池用負極材料」を単に「負極材料」と称する)は、複合黒鉛粒子(当該粒子中の「黒鉛」を「第一黒鉛」という)と非複合黒鉛粒子(当該粒子における黒鉛を「第二黒鉛」という)とを必須の構成部材に有し、各粒子は、非接着の状態で混合されている。
複合黒鉛粒子について説明する。
複合黒鉛粒子は、第一黒鉛粒子と炭素質物質とが複合化した粒子であり、この複合化により、第一黒鉛粒子よりも高硬度となっている。なお、複合黒鉛粒子が第一黒鉛粒子よりも高硬度であることは、次の方法により確認することができる。シリンダーに試料(複合黒鉛粒子または第一黒鉛粒子)を定量充填し、測定試料が定常密度となる圧力を加える。このとき、第一黒鉛粒子よりも高硬度の複合黒鉛粒子の方が高い圧力が必要となる。
なお、複合黒鉛粒子のみを負極材料とした場合、初期効率が悪い、リチウムイオン二次電池の容量が低い等の問題があるので、本実施形態では、複合黒鉛粒子と第二黒鉛粒子との混合物を負極材料としている。
第一黒鉛粒子は、天然黒鉛および人造黒鉛のいずれであっても良い。天然黒鉛としては、例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛が挙げられ、一般に入手することができる85〜99質量%の純度の黒鉛を使用することが好ましく、必要に応じて、公知の方法で黒鉛純度を99質量%以上に高めたものを使用することが好適である。一方、人造黒鉛としては、例えば、コールタールピッチ、石油系ピッチ、アスファルト分解ピッチ、合成ピッチ等のピッチ;ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの縮合多環芳香族を加熱加圧して得られるタール;石油系油及び石炭系油等の重質油;塩化ビニール、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、芳香族ポリアミド、フルフリルアルコール樹脂、イミド樹脂等の樹脂;等を黒鉛化するまで高温熱処理して製造したものを挙げることができる。
本実施形態における炭素質物質は、非晶質炭素および黒鉛(以下、当該「黒鉛」を「第三黒鉛」という)の何れであっても良い。より優れた負極材料の吸液性、並びにより優れたリチウムイオン二次電池の負荷特性および充電特性を実現するには、非晶質炭素が好ましい。
本実施形態の非晶質炭素は、非晶質炭素前駆体の焼成物であって、第二黒鉛粒子との接着性がないものである。ここで、非晶質炭素前駆体としては、例えば、ピッチ(コールタールピッチ、石油系ピッチ、合成ピッチなど);石油系油(石油系重質油の接触分解油、熱分解油、常圧残油、減圧残油など)及び石炭系油等の重質油;ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレンなどの縮合多環芳香族を加熱加圧して得られるタール;塩化ビニール、塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、芳香族ポリアミド、フルフリルアルコール樹脂、イミド樹脂等の樹脂;等の一種または二種以上の混合物が挙げられ、ピッチが好適である。なお、非晶質炭素前駆体は、通常バインダーとしての性質を有しているので、非晶質炭素前駆体自身が第二黒鉛粒子と接着する性質を有するが、焼成されることでその接着性を失う。
複合黒鉛粒子の平均粒子径は、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現するためには、8μm以下であると良く、10μm未満まで許容される。なお、平均粒子径が10μm未満であると、リチウムイオン二次電池の充電特性にも優れる。一方、平均粒子径の下限値は、1μmであると良い。
次に、第二黒鉛粒子について説明する。
第二黒鉛粒子は、第一黒鉛粒子とは平均粒子径が異なる黒鉛粒子である。第二黒鉛粒子は、第一黒鉛粒子と同様、黒鉛である限り、鱗片状黒鉛など特に限定されない。
第二黒鉛粒子の平均粒子径は、複合黒鉛粒子よりも大きくなければならない。これにより、第二黒鉛粒子間に複合黒鉛粒子が介在し易くなり、その結果、リチウムイオン二次電池のサイクル特性のみならず、負荷特性、充電特性が良化する。その平均粒子径の上限は、負極における負極材料層の厚みが通常60μm程度であることに対応するため、50μmであると良く、10〜40μmであることが好適であり、15〜30μmであると更に好適である。
第二黒鉛粒子の形状は、電池での負極において負極材料層への通液性に優れる略球状ないし球状が好適であるが、負極材料層において平行に配列して良好な通液性を確保し難いと一般的に考えられている鱗片状であっても良い。第二黒鉛粒子が鱗片状であっても、各第二黒鉛粒子の間に当該第二黒鉛粒子よりも高硬度の複合黒鉛粒子が介在して、通液路が確保されるからである。
複合黒鉛粒子と第二黒鉛粒子の混合比率は、第二黒鉛粒子1質量部に対して、複合黒鉛粒子が1〜40質量部であると良く、2〜30質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることが更に好ましい。
次に上記本実施形態の負極材料の製造方法について説明する。
本実施形態の負極材料の製造方法は、複合黒鉛製造工程と、該工程で製造した複合黒鉛の粒子径を粉砕調整する粒子径調整工程と、複合黒鉛粒子および第二黒鉛粒子を混合する混合工程とを有する方法である。以下、工程毎に説明する。
複合黒鉛製造工程では、窒素、アルゴン、若しくはヘリウム等の不活性ガス雰囲気中または減圧雰囲気中において第一黒鉛粒子と炭素質物質前駆体とを混合して焼成する。この焼成により、炭素質物質前駆体が炭素質物質に変化する。
炭素質物質前駆体は、これが焼成されることにより、上記非晶質炭素または第三黒鉛になるものである。非晶質炭素原料としての炭素質物質前駆体としては、上記非晶質炭素前駆体が挙げられる。また、非晶質炭素を得るための焼成温度よりも高温の焼成により、非晶質炭素前駆体が第三黒鉛に変化するので、上記非晶質炭素前駆体を第三黒鉛原料に使用すると良い。
第一黒鉛粒子と炭素質物質前駆体の混合比率は、第一黒鉛粒子1質量部に対して、炭素質物質前駆体が2〜50質量部であると良く、5〜40質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることが更に好ましい。前記炭素質物質前駆体の下限値を2質量部とするのは、焼成により固まった塊状複合黒鉛を製造するためであり、上限値を50質量部とするのは、キャパシタの容量および初期効率の低下を抑えるためである。
炭素質物質前駆体を焼成する温度は、次の通りである。先ず、前駆体を非晶質炭素に変化させるため、500℃以上であると良く、好ましくは600℃以上、更に好ましくは、700℃以上である。その一方で、前駆体を非晶質炭素に変えるための焼成温度上限は、1600℃以下であると良い。次に、前駆体を第三黒鉛に変化させる場合の焼成温度は、前駆体が黒鉛化する温度に適宜設定されるべきであるが、通常、2000℃以上であると良い。
粒子径調整工程では、複合黒鉛製造工程において製造した塊状の複合黒鉛をジェットミル等の粉砕機で所望の平均粒子径になるまで粉砕して、複合黒鉛粒子とする。
混合工程では、複合黒鉛粒子と該粒子よりも平均粒子径が大きな第二黒鉛とを混合する。この混合により、負極材料が得られる。
次に、リチウムイオン二次電池用負極について説明する。本実施形態の負極は、本実施形態の負極材料が使用される。負極は、公知の方法により製造できる。例えば、集電板の表面に、本実施形態の負極材料とバインダーを分散させたスラリーを塗布し、次に乾燥することにより製造できる。集電板としては、一般的に銅箔が使用される。また、バインダーは、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系高分子化合物や、カルボキシメチルセルロース、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が使用される。このバインダーは、通常、溶剤に溶解して使用される。
次に、リチウムイオン二次電池について説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極の他、正極、電解液およびセパレータを主要構成としており、負極に上記本実施形態の負極を使用している。正極材料を例示すれば、LiCoO2やLiNiO2、LiNi1-yCo2、LiMnO2、LiMn24、LiFeO2などが挙げられる。また、正極のバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリ四フッ化エチレン(PTFE)などを採用できる。また、導電材として、カーボンブラックなどを混合しても良い。電解液としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)などの有機溶媒や、該有機溶媒とジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシメタン、エトキシメトキシエタンなどの低沸点溶媒との混合溶媒に、LiPF6やLiBF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiAsF6などの電解液溶質(電解質塩)を溶解した溶液が用いられる。セパレータとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム等が用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例および比較例の負極材料を作製し、この負極材料を使用してリチウムイオン二次電池を製造した。製造方法の詳細は、以下の通りである。
(実施例1)
1.複合黒鉛粒子の調製
第一黒鉛粒子である平均粒子径が6μmの鱗片状天然黒鉛210質量部、炭素質物質前駆体であるコールタールピッチ90質量部、およびN−メチルピロリドン200質量部を混合し、次に、この混合物を2時間、窒素気流中800℃で焼成し、更に2時間、窒素気流中1100℃で焼成して塊状の複合黒鉛を得た。この塊状複合黒鉛をジェットミルで粉砕して、平均粒子径が6μmの複合黒鉛粒子を得た。
2.第二黒鉛粒子の調製
平均粒子径30μmの鱗片状天然黒鉛200gを、ホソカワミクロン株式会社製「カウンタージェットAFG100」を使用し(ノズル吐出空気圧:0.20MPa、操作時間:20分)、平均粒子径が25μmであって球状の第二黒鉛粒子を得た。
3.負極材料
上記調製で得た複合黒鉛粒子10質量部および第二黒鉛粒子90質量部を混合し、実施例1の負極材料を調製した。
(実施例2)
実施例1の複合黒鉛粒子調製におけるコールタールピッチおよびN−メチルピロリドンをコールタール234質量部に替えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の負極材料を調製した。
(実施例3)
実施例1の複合黒鉛粒子調製において、コールタールピッチおよびN−メチルピロリドンをコールタール234質量部に変更し、1100℃の焼成温度を2800℃の焼成温度に変更した。これら以外は実施例1と同様にして、実施例3の負極材料を調製した。
(比較例1)
実施例1の第二黒鉛粒子調製法と同様の方法で調製した第二黒鉛粒子を比較例1の負極材料とした。
(比較例2)
実施例1における第一黒鉛粒子(平均粒子径が6μmの鱗片状天然黒鉛)5質量部と、実施例1の第二黒鉛粒子調製法と同様の方法で調製した第二黒鉛粒子95質量部とを混合して、比較例2の負極材料を調製した。
(比較例3)
実施例1の複合黒鉛粒子調製において、第一黒鉛粒子の平均粒子径を15μmに変更し、複合黒鉛粒子の平均粒子径を12μmに変更した。これら以外は、実施例1と同様にして、比較例3の負極材料を調製した。
上記実施例および比較例の負極材料を使用して、リチウムイオン二次電池を作製した。この電池の初期効率、負荷特性、充電特性、およびサイクル特性の評価を行った。また、負極材料の吸液性の評価を行った。リチウムイオン二次電池の作製方法および各評価方法は、以下の通りである。
(リチウムイオン二次電池の作製)
1.負極の作製
100質量部の実施例ないしは比較例の負極材料、50質量部のバインダー水溶液(2.0質量%カルボキシメチルセルロース水溶液)、および20質量部の5.0質量%スチレンブタジエンゴム水溶液を混合し、これに30質量部の水を加えてスラリー状にした。得られたスラリーを厚さ18μmの銅箔上に塗布し、乾燥機(100℃)で10分間乾燥した。乾燥後、直径1.6cmの円形に打ち抜いたのち、銅箔を除く塗布量を測定すると18mgであった。この膜をローラープレス機で、銅箔上に塗布した塗布物の密度が1.60g/ccとなるようにプレスし、リチウムイオン二次電池用の負極を作製した。
2.リチウムイオン二次電池の作製
リチウムイオン二次電池用の正極としては、低温充電特性および負荷特性を算出するためのリチウムイオン二次電池用にはリチウム箔を用い、サイクル特性を算出するためのリチウムイオン二次電池用にはLiCoO2を活物質とする電極を用いた。LiCoO2を活物質とする電極は、次のようにして作製した。LiCoO290質量部に対して、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)5質量部、導電材としてカーボンブラック5質量部を夫々混合し、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)200質量部を加えてスラリーを作製した。得られたスラリーを厚さ30μmのアルミ箔上に塗布し、乾燥機(100℃)で20分間乾燥した。乾燥後の膜を直径1.6cmの円形に打ち抜いた後、アルミ箔を除く塗布量を測定すると45mgであった。この膜をローラープレス機で、アルミ箔上に塗布した塗布物の密度が2.8g/ccとなるようにプレスしてリチウムイオン二次電池用の正極を作製した。
3.リチウムイオン二次電池の組み立て
上記正極と負極とを、セパレータを介して対向させて、ステンレス製セルに組み込み、リチウムイオン二次電池(コイン型)を作製した。電池の組み立てはアルゴンガス雰囲気下で行ない、電解液としては、1MのLiPF6/(EC+DMC)0.05mLを、セパレータとしてはCelgard社製の「セルガード#3501(商品名)」を用いた。電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)を容積比1:1で混合した溶媒に、LiPFを1Mの濃度になるように溶解したものである(三菱化学社製、商品名「ソルライト」)。
(初期効率の評価)
電池の充電を、電極面積に対する電流密度0.37mA/cm(0.1C)の定電流値で0Vまで行い、続けて、0Vの定電位で電流値が0.06mA/cmになるまで行った。次に、放電を電流値0.37mA/cmで1Vになるまで行った。電池の初期効率を次式(1)により算出した。
Figure 2008140707
(負荷特性の評価)
電池の充電を、電極面積に対する電流密度が0.37mA/cm(0.1C)の定電流値で、正極と負極の電位差が0Vになるまでを行い、続けて、0Vの定電位で電流値が0.06mAcmに下がるまで行った。充電後、0.37mA/cm(0.1C)で1Vまで放電した放電容量と、9.2mA/cm(2.5C)で1Vまで放電した放電容量とから、次式(2)により算出した。
Figure 2008140707
(充電特性の評価)
電池の充電を、室温にて、3.7mA/cm(1C)の定電流で0Vまで行った。このときの負極における単位質量あたりの充電容量(mAh/g)で評価した。
(サイクル特性の評価)
電池の充電を、電流値6.4mAで4.2Vまで行った後、続けて、4.2Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行なった。次に、放電を、電流値6.4mAで3.0Vになるまで行なった。この充電と放電とを室温にて所定回数繰り返し、次式(3)によりサイクル特性を算出した。
Figure 2008140707
(吸液性の評価)
リチウムイオン二次電池の作製に使用した負極に3μLのプロピレンカーボネートを滴下し、滴下したプロピレンカーボネート全量が負極に吸収される時間を測定した。なお、プロピレンカーボネートが吸収されたか否かは、目視で確認した。
表1に各評価結果を示す。
Figure 2008140707
表1の実施例と比較例の結果を対比すると、比較例の負極材料を使用した場合よりも実施例の負極材料を使用した場合の方がサイクル特性に優れていたことを確認することができる。また、実施例1〜3の結果内で対比すると、複合黒鉛粒子における炭素質物質が黒鉛である実施例3の負極材料よりも、炭素質物質が非晶質炭素である実施例1および2の方が負荷特性、充電特性、および吸液性に優れていたことを確認することができる。

Claims (7)

  1. 炭素質物質および第一黒鉛粒子が複合化した平均粒子径が10μm未満の複合黒鉛粒子と、該複合黒鉛粒子よりも大きな平均粒子径の第二黒鉛粒子とを有し、前記複合黒鉛粒子と第二黒鉛粒子とが接着することなく混合されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料。
  2. 前記複合黒鉛粒子における炭素質物質が非晶質炭素である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  3. 前記複合黒鉛粒子における炭素質物質が第三黒鉛である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料に使用する原料であって、平均粒子径が10μm未満、かつ、炭素質物質と第一黒鉛粒子が複合化した複合黒鉛粒子。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料を備える負極。
  6. 請求項5に記載の負極を備えるリチウムイオン二次電池。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法であって、第一黒鉛粒子および炭素質物質前駆体の混合物を焼成することにより炭素質物質および前記第一黒鉛粒子が複合化した複合黒鉛を製造する工程と、前記複合黒鉛を粉砕して前記複合黒鉛の粒子径を調整する工程と、前記粒子径を調整した複合黒鉛の粒子および該粒子よりも大きな平均粒子径の第二黒鉛粒子を混合する工程とを有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材料の製造方法。
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