JP2008139388A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電体多層膜からなる光学フィルタを備えるプロジェクタにおいて、光学フィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】照明光束を射出する光源装置110、光源装置110からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズ122を有する第1レンズアレイ120、第2小レンズ132を有する第2レンズアレイ130及び第2レンズアレイ130からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズ150を有する照明装置100と、照明装置100からの光を画像情報に応じて変調する液晶装置400R,400G,400Bと、液晶装置400R,400G,400Bにより変調された光を投写する投写光学系600とを備えるプロジェクタ1000。第2レンズアレイ130と重畳レンズ150との間には、誘電体多層膜からなるUVカットフィルタ160が配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクタに関する。
従来、液晶装置の光入射側に誘電体多層膜からなるUVカットフィルタが配置されたプロジェクタが知られている(例えば、特許文献1参照。)。従来のプロジェクタによれば、紫外線を遮断するUVカットフィルタを備えているため、液晶装置に入射する光について不要な紫外線を除去することができ、紫外線によって有機材料からなる光学素子(液晶や偏光板等)が劣化するのを抑制することが可能となる。
特開2004−85876号公報
ところで、誘電体多層膜からなるUVカットフィルタは角度依存性を有するが、従来のプロジェクタにおいては、照明装置から射出されて液晶装置に入射する光の入射角は比較的大きなものであるため、本来はUVカットフィルタで除去すべき光を除去できなかったり、本来はUVカットフィルタで除去しなくてもよい光を除去してしまったりする場合がある。本来はUVカットフィルタで除去すべき光(紫外線)を除去できなかった場合には、UVカットフィルタを通過した紫外線によって有機材料からなる光学素子(液晶や偏光板等)が劣化してしまう。また、本来はUVカットフィルタで除去しなくてもよい光(可視光)を除去してしまった場合には、光利用効率が低下してしまう。
すなわち、従来のプロジェクタにおいては、(1)誘電体多層膜からなるUVカットフィルタが角度依存性を有すること及び(2)光の入射角が比較的大きな位置に当該UVカットフィルタが配置されていることに起因して、UVカットフィルタのフィルタ特性が低下するという問題がある。
なお、上記した問題は、角度依存性を有する光学フィルタに共通して起こりうる問題であることから、誘電体多層膜からなるUVカットフィルタにのみ生じる問題ではなく、誘電体多層膜からなる他の光学フィルタにおいても生じる問題である。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、誘電体多層膜からなる光学フィルタを備えるプロジェクタにおいて、光学フィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明の発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねたところ、第2レンズアレイから重畳レンズに向けて射出される光の入射角は比較的小さなものであるという知見を得た。本発明の発明者は、以上の知見に基づいて、第2レンズアレイと重畳レンズとの間に誘電体多層膜からなる光学フィルタを配置すれば、光学フィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となることに想到し、本発明を完成させるに至った。
本発明のプロジェクタは、照明光束を射出する光源装置、前記光源装置からの前記照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズを有する第1レンズアレイ、前記第1レンズアレイの各第1小レンズに対応する第2小レンズを有する第2レンズアレイ及び前記第2レンズアレイからのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズを有する照明装置と、前記照明装置からの光を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、前記電気光学変調装置により変調された光を投写する投写光学系とを備え、前記第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間には、誘電体多層膜からなる光学フィルタが配置されていることを特徴とする。
このため、本発明のプロジェクタによれば、第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間の所定位置、すなわち、光の入射角が比較的小さくなる位置に誘電体多層膜からなる光学フィルタが配置されているため、光学フィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記照明装置は、前記第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間に配置され、前記第2レンズアレイからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子をさらに有し、前記光学フィルタは、前記第2レンズアレイと前記偏光変換素子との間に配置されていることが好ましい。
このように構成することにより、偏光変換素子の機能によって、照明装置から射出される照明光束を略1種類の直線偏光成分を有する光に揃えることが可能となる。
また、光学フィルタがUVカットフィルタである場合には、上記のように構成することにより、偏光変換素子に入射する光について不要な紫外線を除去することができ、紫外線による偏光変換素子の劣化を抑制することが可能となる。また、光学フィルタがIRカットフィルタである場合には、上記のように構成することにより、偏光変換素子に入射する光について不要な赤外線を除去することができ、赤外線による偏光変換素子の温度上昇を抑制することが可能となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記第2レンズアレイの光射出面は平面からなり、前記光学フィルタは、前記第2レンズアレイの光射出面に形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、第2レンズアレイと光学フィルタとの間における望ましくない多重反射が抑制され、光利用効率が低下したり迷光レベルが上昇したりすることがなくなる。また、第2レンズアレイと光学フィルタとを容易に一体化することができる。また、第2レンズアレイと光学フィルタとの間において、装置組み立て後における位置ずれの発生を未然に防止することができる。
本発明のプロジェクタおいては、前記光学フィルタは、前記偏光変換素子の光入射面に形成されていることが好ましい。
このように構成することにより、光学フィルタと偏光変換素子との間における望ましくない多重反射が抑制され、光利用効率が低下したり迷光レベルが上昇したりすることがなくなる。また、光学フィルタと偏光変換素子とを容易に一体化することができる。また、光学フィルタと偏光変換素子との間において、装置組み立て後における位置ずれの発生を未然に防止することができる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記照明装置は、光を透過する基板をさらに有し、前記光学フィルタは、前記基板の表面に形成されていることが好ましい。
偏光変換素子や第2レンズアレイの表面に光学フィルタを形成する場合には、誘電体多層膜を積層する際に仮に失敗すると、比較的高価な部品である偏光変換素子や第2レンズアレイの不良とされるため、プロジェクタの製造コストの低廉化を図ることが容易ではなくなる。
これに対し、本発明のプロジェクタによれば、基板の表面に光学フィルタを形成するため、誘電体多層膜を積層する際に仮に失敗したとしても、比較的安価な部品である基板の不良とされるだけであり、結果として、プロジェクタの製造コストの低廉化を図ることが容易となる。
本発明のプロジェクタにおいては、前記光学フィルタは、UVカットフィルタ、IRカットフィルタ、NDフィルタ又は色補正フィルタであることが好ましい。
UVカットフィルタを備えるプロジェクタにおいては、上記のように構成することにより、UVカットフィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となるため、フィルタ特性の低下に起因した光学素子の劣化及び光利用効率の低下を抑制することが可能となる。
IRカットフィルタを備えるプロジェクタにおいては、上記のように構成することにより、IRカットフィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となるため、フィルタ特性の低下に起因した光学素子の温度上昇及び光利用効率の低下を抑制することが可能となる。
NDフィルタを備えるプロジェクタにおいては、上記のように構成することにより、NDフィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となるため、フィルタ特性の低下に起因して精度良く光量調整ができなくなってしまうのを抑制することが可能となる。
色補正フィルタを備えるプロジェクタにおいては、上記のように構成することにより、色補正フィルタのフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となるため、フィルタ特性の低下に起因した色再現性の低下を抑制することが可能となる。
以下、本発明のプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るプロジェクタ1000の光学系を示す図である。
なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz軸方向(図1における照明光軸100ax方向)、x軸方向(図1における紙面に平行かつz軸に直交する方向)及びy軸方向(図1における紙面に垂直かつz軸に直交する方向)とする。
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、図1に示すように、照明装置100と、照明装置100からの照明光束を赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離導光光学系200と、色分離導光光学系200で分離された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する3つの液晶装置400R,400G,400Bと、3つの液晶装置400R,400G,400Bによって変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、クロスダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系600とを備えたプロジェクタである。
照明装置100は、被照明領域側に照明光束を射出する光源装置110と、光源装置110から射出される照明光束を複数の部分光束に分割するための複数の第1小レンズ122を有する第1レンズアレイ120と、第1レンズアレイ120の複数の第1小レンズ122に対応する複数の第2小レンズ132を有する第2レンズアレイ130と、第2レンズアレイ130からの各部分光束を偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光に変換して射出する偏光変換素子140と、偏光変換素子140から射出される各部分光束を被照明領域で重畳させるための重畳レンズ150とを有する。
光源装置110は、楕円面リフレクタ114と、楕円面リフレクタ114の第1焦点近傍に発光中心を有する発光管112と、発光管112から被照明領域側に向けて射出される光を発光管112に向けて反射する副鏡116と、楕円面リフレクタ114からの集束光を略平行光として射出する凹レンズ118とを有する。光源装置110は、照明光軸100axを中心軸とする光束を射出する。
発光管112は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有する。管球部は、球状に形成された石英ガラス製であって、この管球部内に配置された一対の電極と、管球部内に封入された水銀、希ガス及び少量のハロゲンとを有する。発光管112としては、種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
楕円面リフレクタ114は、発光管112の一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、発光管112から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有する。
副鏡116は、発光管112の管球部の略半分を覆い、楕円面リフレクタ114の反射凹面と対向して配置される反射手段である。副鏡116は、発光管112の他方の封止部に挿通・固着されている。副鏡116は、発光管112から放射された光のうち楕円面リフレクタ114に向かわない光を発光管112に戻し楕円面リフレクタ114に入射させる。
凹レンズ118は、楕円面リフレクタ114の被照明領域側に配置されている。そして、楕円面リフレクタ114からの光を第1レンズアレイ120に向けて射出するように構成されている。
第1レンズアレイ120は、凹レンズ118からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、複数の第1小レンズ122が照明光軸100axと直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。図示による説明は省略するが、第1小レンズ122の外形形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の外形形状に関して相似形である。
第2レンズアレイ130は、重畳レンズ150とともに、第1レンズアレイ120の各第1小レンズ122の像を液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。第2レンズアレイ130は、第1レンズアレイ120と略同様な構成を有し、複数の第2小レンズ132が照明光軸100axに直交する面内に複数行・複数列のマトリクス状に配列された構成を有する。第2レンズアレイ130の光射出面は平面からなる。
偏光変換素子140は、第1レンズアレイ120により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子140は、光源装置110からの照明光束のうち一方の偏光成分(例えばP偏光成分)を有する光を透過し他方の偏光成分(例えばS偏光成分)を有する光を照明光軸100axに垂直な方向に反射する偏光分離層と、偏光分離層で反射された他方の偏光成分を有する光を照明光軸100axに平行な方向に反射する反射層と、偏光分離層を透過した一方の偏光成分を有する光を他方の偏光成分を有する光に変換する位相差板とを有する。
偏光変換素子140の光入射面には、誘電体多層膜からなる光学フィルタとしてのUVカットフィルタ160が形成されている。
偏光変換素子140の表面に誘電体多層膜からなるUVカットフィルタ160を形成するための手段としては、例えば、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法などの公知の手段を用いることができる。
重畳レンズ150は、第1レンズアレイ120、第2レンズアレイ130及び偏光変換素子140を経た複数の部分光束を集光して液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ150の光軸と照明装置100の照明光軸100axとが略一致するように、重畳レンズ150が配置されている。なお、重畳レンズ150は、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
色分離導光光学系200は、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230,240,250と、入射側レンズ260と、リレーレンズ270とを有する。色分離導光光学系200は、重畳レンズ150から射出される照明光束を、赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる3つの液晶装置400R,400G,400Bに導く機能を有する。
液晶装置400R,400G,400Bは、画像情報に応じて照明光束を変調するものであり、照明装置100の照明対象となる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に従って、後述する入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
液晶装置400R,400G,400Bの光路前段には、集光レンズ300R,300G,300Bが配置されている。
また、ここでは図示を省略したが、集光レンズ300R,300G,300Bと各液晶装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が介在配置され、各液晶装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が介在配置されている。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって入射する各色光の光変調が行われる。
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
以上のように構成された実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、第2レンズアレイ130と重畳レンズ150との間の所定位置、すなわち、光の入射角が比較的小さくなる位置に誘電体多層膜からなるUVカットフィルタ160が配置されているため、UVカットフィルタ160のフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、照明装置100は、上記した偏光変換素子を有するため、偏光変換素子140の機能によって、照明装置100(重畳レンズ150)から射出される照明光束を略1種類の直線偏光成分を有する光に揃えることが可能となる。また、UVカットフィルタ160は、第2レンズアレイ130と偏光変換素子140との間に配置されているため、偏光変換素子140に入射する光について不要な紫外線を除去することができ、紫外線による偏光変換素子140の劣化を抑制することが可能となる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、UVカットフィルタ160は、偏光変換素子140の光入射面に形成されているため、UVカットフィルタ160と偏光変換素子140との間における望ましくない多重反射が抑制され、光利用効率が低下したり迷光レベルが上昇したりすることがなくなる。また、UVカットフィルタ160と偏光変換素子140とを容易に一体化することができる。また、UVカットフィルタ160と偏光変換素子140との間において、装置組み立て後における位置ずれの発生を未然に防止することができる。
実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、光学フィルタとして、UVカットフィルタ160を備えているため、フィルタ特性の低下に起因した光学素子(液晶装置400R,400G,400Bにおける液晶や入射側偏光板及び射出側偏光板などの有機材料からなる光学素子。)の劣化及び光利用効率の低下を抑制することが可能となる。
[実施形態2]
図2は、実施形態2に係るプロジェクタ1002の要部を示す図である。なお、図2において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有するが、UVカットフィルタの位置が、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは異なる。
すなわち、実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、図2に示すように、UVカットフィルタ162は、第2レンズアレイ130の光射出面に形成されている。
このように、実施形態2に係るプロジェクタ1002は、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、UVカットフィルタの位置が異なるが、実施形態1に係るプロジェクタ1000の場合と同様に、第2レンズアレイ130と重畳レンズ150との間の所定位置、すなわち、光の入射角が比較的小さくなる位置に誘電体多層膜からなるUVカットフィルタ162が配置されているため、UVカットフィルタ162のフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となる。
実施形態2に係るプロジェクタ1002においては、第2レンズアレイ130の光射出面は平面からなり、UVカットフィルタ162は、第2レンズアレイ130の光射出面に形成されているため、第2レンズアレイ130とUVカットフィルタ162との間における望ましくない多重反射が抑制され、光利用効率が低下したり迷光レベルが上昇したりすることがなくなる。また、第2レンズアレイ130とUVカットフィルタ162とを容易に一体化することができる。また、第2レンズアレイ130とUVカットフィルタ162との間において、装置組み立て後における位置ずれの発生を未然に防止することができる。
実施形態2に係るプロジェクタ1002は、UVカットフィルタの位置が異なる点以外の点では、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロジェクタ1000が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
[実施形態3]
図3は、実施形態3に係るプロジェクタ1004の要部を示す図である。なお、図3において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
実施形態3に係るプロジェクタ1004は、基本的には実施形態1に係るプロジェクタ1000とよく似た構成を有するが、UVカットフィルタの位置が、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは異なる。
すなわち、実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、図3に示すように、UVカットフィルタ164は、第2レンズアレイ130と偏光変換素子140との間に配置された基板170の光入射面に形成されている。基板170は、光を透過する材料からなり、例えば石英ガラスを好適に用いることができる。
このように、実施形態3に係るプロジェクタ1004は、実施形態1に係るプロジェクタ1000とは、UVカットフィルタの位置が異なるが、実施形態1に係るプロジェクタ1000の場合と同様に、第2レンズアレイ130と重畳レンズ150との間の所定位置、すなわち、光の入射角が比較的小さくなる位置に誘電体多層膜からなるUVカットフィルタ164が配置されているため、UVカットフィルタ164のフィルタ特性が低下するのを抑制することが可能となる。
また、上述した実施形態1に係るプロジェクタ1000のように偏光変換素子140の表面(光入射面)にUVカットフィルタ160を形成する場合や、上述した実施形態2に係るプロジェクタ1002のように第2レンズアレイ130の表面(光射出面)にUVカットフィルタ162を形成する場合には、誘電体多層膜を積層する際に仮に失敗すると、比較的高価な部品である偏光変換素子140や第2レンズアレイ130の不良とされるため、プロジェクタ1000,1002の製造コストの低廉化を図ることが容易ではなくなる。
これに対し、実施形態3に係るプロジェクタ1004によれば、基板170の表面(光入射面)にUVカットフィルタ164を形成するため、誘電体多層膜を積層する際に仮に失敗したとしても、比較的安価な部品である基板170の不良とされるだけであり、結果として、プロジェクタ1004の製造コストの低廉化を図ることが容易となる。
実施形態3に係るプロジェクタ1004は、UVカットフィルタの位置が異なる点以外の点では、実施形態1に係るプロジェクタ1000と同様の構成を有するため、実施形態1に係るプロジェクタ1000が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本発明のプロジェクタを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、誘電体多層膜からなる光学フィルタとして、UVカットフィルタ160〜164を備える場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、IRカットフィルタ、NDフィルタ、色補正フィルタなどの誘電体多層膜からなる光学フィルタを備えるプロジェクタに本発明を適用することも可能である。
(2)上記実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、基板170の光入射面にUVカットフィルタ164が形成されている場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基板170の光射出面にUVカットフィルタが形成されていてもよいし、基板170の光入射面及び光射出面にUVカットフィルタが形成されていてもよい。
(3)上記実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、第2レンズアレイ130と偏光変換素子140との間に、表面にUVカットフィルタ164が形成された基板170が配置されている場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、偏光変換素子140と重畳レンズ150との間に当該基板170が配置されていてもよい。また、上記実施形態3に係るプロジェクタ1004においては、当該基板170が、第2レンズアレイ130及び偏光変換素子140からそれぞれ離隔して配置されている場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2レンズアレイ130の光射出面に当該基板170が接着されていてもよいし、偏光変換素子140の光入射面又は光射出面に当該基板170が接着されていてもよいし、重畳レンズ150の光入射面に当該基板170が接着されていてもよい。
(4)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、発光管に配設される反射手段として副鏡を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射手段として反射膜を用いることも好ましい。また、上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、発光管に反射手段としての副鏡が配設されたプロジェクタを例示して説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、副鏡が配設されていないプロジェクタに本発明を適用することも可能である。
(5)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、光源装置として、楕円面リフレクタ及び凹レンズからなる光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、放物面リフレクタからなる光源装置を用いることも好ましい。
(6)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004は透過型のプロジェクタであるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は反射型のプロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクタと同様の効果を得ることができる。
(7)上記各実施形態に係るプロジェクタ1000〜1004においては、3つの液晶装置400R,400G,400Bを用いたプロジェクタを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
(8)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクタに適用する場合にも可能である。
実施形態1に係るプロジェクタ1000の光学系を示す図。 実施形態2に係るプロジェクタ1002の要部を示す図。 実施形態3に係るプロジェクタ1004の要部を示す図。
符号の説明
100,102,104…照明装置、100ax,102ax,104ax…照明光軸、110…光源装置、112…発光管、114…楕円面リフレクタ、116…副鏡、118…凹レンズ、120…第1レンズアレイ、122…第1小レンズ、130…第2レンズアレイ、132…第2小レンズ、140…偏光変換素子、150…重畳レンズ、160,162,164…UVカットフィルタ、170…基板、200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、230,240,250…反射ミラー、260…入射側レンズ、270…リレーレンズ、300R,300G,300B…集光レンズ、400R,400G,400B…液晶装置、500…クロスダイクロイックプリズム、600…投写光学系、1000,1002,1004…プロジェクタ、SCR…スクリーン

Claims (6)

  1. 照明光束を射出する光源装置、前記光源装置からの前記照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズを有する第1レンズアレイ、前記第1レンズアレイの各第1小レンズに対応する第2小レンズを有する第2レンズアレイ及び前記第2レンズアレイからのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズを有する照明装置と、
    前記照明装置からの光を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、
    前記電気光学変調装置により変調された光を投写する投写光学系とを備え、
    前記第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間には、誘電体多層膜からなる光学フィルタが配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記照明装置は、前記第2レンズアレイと前記重畳レンズとの間に配置され、前記第2レンズアレイからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光に変換する偏光変換素子をさらに有し、
    前記光学フィルタは、前記第2レンズアレイと前記偏光変換素子との間に配置されていることを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1又は2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記第2レンズアレイの光射出面は平面からなり、
    前記光学フィルタは、前記第2レンズアレイの光射出面に形成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項2に記載のプロジェクタおいて、
    前記光学フィルタは、前記偏光変換素子の光入射面に形成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項1又は2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記照明装置は、光を透過する基板をさらに有し、
    前記光学フィルタは、前記基板の表面に形成されていることを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光学フィルタは、UVカットフィルタ、IRカットフィルタ、NDフィルタ又は色補正フィルタであることを特徴とするプロジェクタ。
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