JP2008137029A - レーザ加工方法及び装置、脆性材料素材の製造方法並びにダイヤモンド素材の製造方法 - Google Patents

レーザ加工方法及び装置、脆性材料素材の製造方法並びにダイヤモンド素材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加工速度を上げるとともに、テーパや面ダレ等の発生のない高品質の加工を行うことができるレーザ加工方法を提供する。
【解決手段】レーザ光を材料に照射して当該材料の加工を行う方法。前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値がM<2であるとともに、前記レーザ光の波長λが100nm<λ<20000nmである。前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称である。
【選択図】 図1

Description

本発明はレーザ加工方法及び装置、脆性材料素材の製造方法並びにダイヤモンド素材の製造方法に関する。さらに詳しくは、単結晶ダイヤモンド等の脆性材料をレーザを用いて切断したり、当該脆性材料表面にレーザを用いて溝を形成したりする加工方法及び加工装置、並びに前記脆性材料からなる各種素材を製造する方法に関する。
単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド焼結体、立方晶窒化硼素焼結体、超硬合金等の脆性材料は、強固な共有結合性物質を含み、高融点、高硬質であるため機械加工が困難であることから、レーザ光を照射して切断加工をしたり、溝加工をしたりすることが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば、脆性材料を切断する場合、レーザ発振器からのレーザ光を集光レンズで集光し、この集光されたレーザ光を前記集光レンズの焦点位置に配設された脆性材料に照射して当該脆性材料を切断加工している。
特許第3449986号公報 特開2003−62683号公報 特許第3616872号公報
ところで、球面レンズからなる従来の集光レンズは、光強度分布が理想ガウシアン形状であるレーザ光が入射した場合、図6に示されるように、縮小したガウシアン形状に変換するような特性を有している。
そして、このような特性を有する集光レンズを通過したレーザ光を用いて脆性材料を切断すると、当該レーザ光が、集光点を境に光軸方向で対称なビーム径変化又は光パワー密度変化を示す(図7参照)ことに起因するものと考えられるが、切断面において、レーザ抜け側のチッピング、テーパ(期待される加工面に対し傾いてしまうこと)又は面ダレといった不具合が発生することがある。また、脆性材料をレーザ加工して切削工具を得る場合、単に切断できればよいというものではなく、切削工具としては、「エッジ」の仕上精度がその生命線であるところ、そのエッジ部分に欠陥があると修復するのに多くの手間とコストがかかってしまう。
このため、従来の集光レンズを用いた切断加工においては、前記チッピング等の発生を抑制するために、レーザの走査回数を増やすか、切断の幅を拡げるか、又はその両方を実施して、レーザ光が十分に脆性材料内部に届くようにしている。
しかしながら、レーザの走査回数を増やすと、加工速度が遅くなるという問題があり、また、切断の幅を拡げると、材料の損失が増加するという問題がある。さらには、従来の方法では、前記テーパや面ダレ等の発生をある程度抑制することはできても、これを完全に防ぐことは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、加工速度を上げるとともに、テーパや面ダレ等の発生のない高品質の加工を行うことができる、脆性材料の加工方法及び脆性材料製素材の製造方法を提供することを目的としている。
本発明のレーザ加工方法は、レーザ光を材料に照射して当該材料の加工を行うレーザ加工方法であって、
前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値がM<2であるとともに、前記レーザ光の波長λが100nm<λ<20000nmであり、かつ
前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称であることを特徴としている(請求項1)。
本発明のレーザ加工方法では、ピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称であるレーザ光を用いて材料の加工を行っている。すなわち、理想ガウシアン形状の光強度分布を有するレーザ光を入射すると光軸方向でのビーム径変化又はパワー密度変化がレンズの焦点位置を境に非対称であり、その伝搬途中においてレーザ光の断面強度分布がガウシアン形状でない部分が生じるレーザ光を用いて材料の加工を行っている。
そして、例えば、レンズの焦点位置の後方側(レンズから遠い側)にピークパワー密度が高い状態を多く生成するようにすると、焦点位置よりも材料内部方向にピークパワー密度が高い状態が維持されることから、レーザ光のエネルギーを材料に効率的に吸収させることができる。その結果、例えば切断加工を行う場合においては、従来の集光レンズを用いるよりも高速な切断加工を実現することができる。また、ピークパワー密度の非対称性を調整することで材料内部へのエネルギーの進入長を調整することができるので、材料内部への不要なエネルギーの進入を抑制することができ、これにより、レーザ抜け側のチッピング、テーパ又は面ダレといった不具合を確実に防止して、材料表面に対して高精度の加工を施すことができる。
また、逆に材料に対してレンズ側にピークパワー密度が高い状態を生成するようにすると、急峻なパワー密度上昇を得ることができるため、例えば、透明材料内部の穴あけやマイクロクラック生成等、材料の表面及び内部に局所的にエネルギーを吸収させるような加工を好適に行うことができる。
さらに、ピークパワー密度変化の非対称性を調整することにより、材料の表面改質処理や、半導体アニール等にも好適に適用することができる。半導体アニールの場合、ピークパワー密度変化の非対称性を調整することによって、ドーパントのデプスプロファイルを調整することができる。
前記レーザ光のピークパワー密度を、前記焦点位置を中心軸としてピークの値の半値まで小さくなるときの、当該焦点位置からの距離のうち大きいほうをX1、小さい方をX2とすると、X1/X2が1よりも大きく、10以下であるように変化させることができる(請求項2)。この場合、ピークパワー密度を材料が加工できる大きさに保ちつつ、当該ピークパワー密度を焦点位置を中心として非対称にすることで、前述した高速加工や高品質の加工を実現することができる。
そのピークパワー密度を、前記X2がレンズ側に、前記X1がレンズから遠い側に来るように焦点位置の前後で非対称に変化させたレーザ光で材料の切断を行うことができる(請求項3)。この場合、焦点位置よりも材料内部方向にピークパワー密度が高い状態が維持されることから、レーザ光のエネルギーを材料に効率的に吸収させることができる。その結果、従来の集光レンズを用いるよりも高速な切断加工を実現することができる。また、ピークパワー密度の非対称性を調整することで材料内部へのエネルギーの進入長を調整することができるので、材料内部への不要なエネルギーの進入を抑制することができ、これにより、レーザ抜け側のチッピング、テーパ又は面ダレといった不具合を確実に防止して、材料表面に対して高精度の加工を施すことができる。
また、本発明のレーザ加工装置は、レーザ光を材料に照射して当該材料の加工を行うレーザ加工装置であって、
前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値がM<2であるとともに、前記レーザ光の波長λが100nm<λ<20000nmであり、かつ
前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称であることを特徴としている(請求項4)。
本発明のレーザ加工装置は、前述したレーザ加工方法と同様に、例えば切断加工を行う場合においては、従来の集光レンズを用いるよりも高速な切断加工を実現することができる。また、ピークパワー密度の非対称性を調整することで材料内部へのエネルギーの進入長を調整することができるので、材料内部への不要なエネルギーの進入を抑制することができ、これにより、レーザ抜け側のチッピング、テーパ又は面ダレといった不具合を確実に防止して、材料表面に対して高精度の加工を施すことができる。
本発明の脆性材料素材の製造方法は、脆性材料にレーザ光を照射して当該脆性材料を加工する脆性材料素材の製造方法であって、
前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値をM<2とするとともに、前記レーザ光の波長λを100nm<λ<20000nmとし、かつ
前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称となるようにしたことを特徴としている(請求項5)。
本発明の脆性材料素材の製造方法は、前述したレーザ加工方法と同様に、例えば切断加工を行う場合においては、従来の集光レンズを用いるよりも高速な切断加工を実現することができる。また、ピークパワー密度の非対称性を調整することで脆性材料内部へのエネルギーの進入長を調整することができるので、脆性材料内部への不要なエネルギーの進入を抑制することができ、これにより、レーザ抜け側のチッピング、テーパ又は面ダレといった不具合を確実に防止して、材料表面に対して高精度の加工を施すことができる。
本発明のダイヤモンド素材の製造方法は、超高圧、高温下で原料炭素を溶融した溶媒金属に溶かし込み、当該溶媒金属中の種結晶上に単結晶ダイヤモンドを成長させる工程、及び
得られた単結晶ダイヤモンドを、請求項1に記載の加工方法を用いて加工する工程
を含むことを特徴としている(請求項6)。
本発明のダイヤモンド素材の製造方法では、ピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称であるレーザ光を用いて脆性材料の加工を行っているので、前述したような高速加工や高品質の加工を実現することができ、その結果、ダイヤモンド素材の製造速度を上げるとともに、その品質を向上させることができる。
本発明のレーザ加工方法及び装置、脆性材料素材の製造方法並びにダイヤモンド素材の製造方法によれば、加工速度を上げるとともに、テーパや面ダレ等の発生のない高品質の加工を行うことができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のレーザ加工方法(以下、単に加工方法ともいう)及び装置、脆性材料素材の製造方法並びにダイヤモンド素材の製造方法(以下、両製造方法について、単に製造方法ともいう)の実施の形態を説明する。
本発明の加工方法又は製造方法では、レーザを用いて脆性材料の加工又は当該脆性材料製の素材を製造している。対象となり得る脆性材料の例としては、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンド焼結体、立方晶窒化硼素焼結体、タングステンカーバイド合金等の超硬合金、炭窒化チタン合金等のサーメット、窒化シリコン等のセラミックスを挙げることができる。また、レーザは、集光性を表す指標であるM値がM<2であるとともに、波長λが100nm<λ<20000nmであるレーザが用いられ、種類としては、YAG基本波及びその高調波レーザ、エキシマレーザ、COレーザ、半導体レーザ、フェムト秒レーザやピコ秒レーザ等の短パルスレーザ等の各種レーザを用いることができる。
本発明の特徴は、レーザ発振器から発せられたレーザ光を集光するに際し、理想ガウシアン形状の光強度分布を有するレーザ光を入射すると光軸方向でのビーム径変化又はピークパワー密度変化がレンズの焦点位置を境に非対称であり、その伝搬途中においてレーザ光の断面強度分布がガウシアン形状でない部分が生じるように構成された伝送光学部品を用いることである。かかる伝送光学部品としては、ピークパワーの伝搬特性の非対称性が得られる限りどのような伝送光学部品でも用いることができるが、例えば非球面形状を有する非球面レンズ、回折型レンズ、屈折率分布型レンズ、放物面鏡等を用いることができる。そして、非球面レンズの場合、当該レンズの各種仕様のうち、曲率半径を変えることで、前記ピークパワーの伝搬特性の非対称性を調整することができる。また、回折レンズの場合は、位相分布を変えることで、前記ピークパワーの伝搬特性の非対称性を調整することができる。
図1は、非球面レンズがレーザ光に与えるピークパワー密度変化の一例を示す図であり、図2は、図1に示されるピークパワー密度変化を有するレーザ光の断面強度分布を示す図である。図1において、横軸はレンズからの伝搬距離を表し、縦軸はピークパワー密度を表している。図1の例では、レンズの焦点距離は50.18mmであり、この位置(焦点位置)においてピークパワー密度は最大値27.2MW/cmとなる。また、図2の(a)は50.13mm伝搬後、(b)は50.18mm伝搬後、(c)50.23mm伝搬後の光強度分布を示している。
図1に示されるように、非球面レンズ通過後のレーザ光のピークパワー密度変化は焦点位置の前後で非対称である。具体的には、前記焦点位置を中心軸として、レンズ側(図1において左側)では、ピークパワー密度の変化が急峻であり、焦点位置からレンズ側に近づくと急激にピークパワー密度が小さくなる。一方、前記焦点位置を中心軸として、レンズから遠い側(図1において右側)では、ピークパワー密度の変化がレンズ側よりはなだらかであり、レンズから離れてもピークパワー密度が高い状態が維持されている。
前記ピークパワー密度の非対称性は、レンズの焦点位置を中心軸としてピークの値の半値まで小さくなるときの、当該焦点位置からの距離のうち大きいほうをX1、小さい方をX2とすると、X1とX2の比であるX1/X2を指標として表すことができる。図1に示される例では、ピークパワー密度の最大値27.2MW/cmの半値である13.6MW/cmを示す直線とピークパワー密度の変化を示す曲線との交点のX座標が50.14及び50.25であることから、前記X1は0.07であり、X2は0.04である。したがって、両者の比X1/X2は1.75である。
なお、ピークの値の半値になるときの焦点位置からの距離に代えて、ピーク値の1/e(≒0.135)になるときの焦点位置からの距離を用いて前記非対称性の指標を求めるようにしてもよい。図1に示される例では、ピークパワー密度の最大値27.2MW/cmの0.135倍である3.7MW/cmを示す直線とピークパワー密度の変化を示す曲線との交点のX座標が50.12及び50.34であることから、前記X1は0.16であり、X2は0.06である。したがって、両者の比X1/X2は2.67である。
前記比(X1/X2)は、1よりも大きく、10以下であるのが好ましい。この範囲であると、脆性材料が加工できる大きさにピークパワー密度を保ちつつ、当該ピークパワー密度を焦点位置を中心として非対称にすることで、当該脆性材料の高速加工や高品質の加工を実現することができる。
前記ピークパワーの伝搬特性の非対称性について、例えば、図1の例のようにレンズの焦点位置の後方側(レンズから遠い側)にピークパワー密度が高い状態が多く存在するような非対称にすると、焦点位置よりも脆性材料内部方向にピークパワー密度が高い状態が維持されることから、レーザ光のエネルギーを脆性材料に効率的に吸収させることができる。その結果、例えば切断加工を行う場合においては、従来の集光レンズを用いるよりも高速な切断加工を実現することができる。また、ピークパワー密度の非対称性を調整することで脆性材料内部へのエネルギーの進入長を調整することができるので、材料内部への不要なエネルギーの進入を抑制することができ、これにより、レーザ抜け側のチッピング、テーパ又は面ダレといった不具合を確実に防止して、材料表面に対して高精度の加工を施すことができる。その結果、レーザ加工するだけで、例えば所定形状の工具を製造することが可能になる。また、仮に後工程での加工が必要になっても、その量を相当量減らすことが可能であり、生産性が大幅に向上する。
また、逆に脆性材料に対してレンズ側にピークパワー密度が高い状態が多く存在するような非対称にすると、急峻なパワー密度上昇を得ることができるため、例えば、透明材料内部の穴あけやマイクロクラック生成等、脆性材料の表面及び内部に局所的にエネルギーを吸収させるような加工を好適に行うことができる。
さらに、ピークパワー密度変化の非対称性を調整することにより、脆性材料の表面改質処理や、半導体アニール、割断等にも好適に適用することができる。半導体アニールの場合、ピークパワー密度変化の非対称性を調整することによって、ドーパントのデプスプロファイルを調整することができる。
設計上、対称なピークパワー密度となるように設計された場合でも、製造誤差、材料の不均一性等の影響により、結果として厳密な意味での対称性を有さないという意味での非対称となることはある。しかし、このような場合と、本発明とが明らかに相違することはいうまでもない。
前述した切断工程、及び必要に応じて研磨工程等を経ることで、前記脆性材料を材料とする各種素材を製造することができる。例えば、単結晶ダイヤモンド場合、これに切断加工を施して所定形状、所定寸法にすることで、ヒートシンク用素材、ダイス用素材、ドレッサ素材、バイト用素材等を製造することができる。
[実施例]
図3に示される光学系を用いて単結晶ダイヤモンドの切断加工を行った。この単結晶ダイヤモンド1は、厚さ0.8mmであり、5GPa・1300℃以上の超高圧、高温下で、原料炭素を溶融した溶媒金属中に溶かし込み、温度差法を用いて当該溶媒金属中の種結晶上に成長させた合成単結晶ダイヤモンドである。この単結晶ダイヤモンド1を厚さ3mmのガラス基板2上に載置した。
レーザ発振器として、7Wの出力のYAGレーザ発振器3を用いた。このYAGレーザ発振器3が発生するレーザ光7aは、繰り返し周期が3kHzであるパルスレーザであり、その基本波の波長は1064nmであった。発生するレーザ光7aの口径をビームエキスパンダー4で5倍に拡大して、口径10mmのレーザ光7bとした。このレーザ光7bを折り返しミラー5で90°方向転換し、非球面レンズ6で集光した後に前記単結晶ダイヤモンド1の所定箇所に照射して切断加工(図3において紙面垂直方向にレーザ光を走査して切断した)を行った。
前記非球面レンズ6は屈折率が1.44963099@1064nmの合成石英で作製されており、焦点距離は50.18mmであり、レンズ表面には厚さ1064nmのAR(Anti Reflection)コーティングが施されていた。この非球面レンズ6の他の仕様を表1に示す。なお、表1において、Dはレンズ直径(mm)、CAはレンズ有効径(mm)、CTはレンズ中心厚(mm)、ETはレンズエッジ厚(mm)、A〜A20は非球面係数を表している。
Figure 2008137029
非球面レンズの曲面は、次の式(1)で表すことができる。
Figure 2008137029
式(1)において、rはレンズの径方向の距離(レンズ半径)である。また、レンズは中心対称性があるので、rの奇数次の係数は0である、従って、偶数次の非球面係数だけを求めればよい。
[比較例]
非球面レンズ6に代えて、焦点距離が50.18mmの平凸レンズ(レンズ表面には厚さ1064nmのARコーティングが施されている)を用いた以外は、実施例と同様にして単結晶ダイヤモンド1の切断加工を行った。
実施例及び比較例で切断加工した単結晶ダイヤモンドの断面を、それぞれ図4及び図5に示す。図4〜5において、(a)は切断面を正面、すなわち図3において矢印Xで示す方向から見た説明図であり、(b)は切断面を横、すなわち図3において紙面手前側から見た説明図である。また、図4〜5において、矢印Yで示す方向からレーザ光が照射された。
図4の(a)と図5の(a)との対比より明らかなように、非球面レンズ6を用いてレーザ光を集光した実施例では、レーザ抜け側の断面1aに乱れがほとんど見られないのに対し、従来の平凸レンズを用いてレーザ光を集光した比較例では、レーザ抜け側においてかなりのチッピング8が発生している。また、図4の(b)と図5の(b)との対比より明らかなように、実施例では、切断面1bに面ダレやテーパが発生していないが、比較例では、面ダレ9(レーザ入り側及び抜け側)及びテーパ10(レーザ入り側)が発生している。
また、加工速度に関し、実施例では、120秒で単結晶ダイヤモンド1の切断加工が完了したが、比較例では、150秒かかっており、実施例は、比較例の約1.4倍の加工速度で切断加工を行うことができた。
非球面レンズがレーザ光に与えるピークパワー密度変化の一例を示す図である。 図1に示されるピークパワー密度変化を有するレーザ光の断面強度分布を示す図である。 実施例において用いた光学系の概略説明図である。 実施例で切断加工した単結晶ダイヤモンドの断面の説明図であり、(a)は切断面を正面から見た説明図であり、(b)は切断面を横から見た説明図である。 比較例で切断加工した単結晶ダイヤモンドの断面の説明図であり、(a)は切断面を正面から見た説明図であり、(b)は切断面を横から見た説明図である。 理想ガウス分布を示す図である。 従来の集光レンズを通過したレーザ光のピークパワー密度変化を示す図である。
符号の説明
1 単結晶ダイヤモンド
2 ガラス基板
3 レーザ発振器
4 ビームエキスパンダー
5 折り返しミラー
6 非球面レンズ

Claims (6)

  1. レーザ光を材料に照射して当該材料の加工を行うレーザ加工方法であって、
    前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値がM<2であるとともに、前記レーザ光の波長λが100nm<λ<20000nmであり、かつ
    前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称であることを特徴とするレーザ加工方法。
  2. 前記レーザ光のピークパワー密度が、前記焦点位置を中心軸としてピークの値の半値まで小さくなるときの、当該焦点位置からの距離のうち大きいほうをX1、小さい方をX2とすると、X1/X2が1よりも大きく、10以下であるように変化する請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. そのピークパワー密度を、前記X2がレンズ側に、前記X1がレンズから遠い側に来るように焦点位置の前後で非対称に変化させたレーザ光で材料の切断を行う請求項2に記載のレーザ加工方法。
  4. レーザ光を材料に照射して当該材料の加工を行うレーザ加工装置であって、
    前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値がM<2であるとともに、前記レーザ光の波長λが100nm<λ<20000nmであり、かつ
    前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称であることを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 脆性材料にレーザ光を照射して当該脆性材料を加工する脆性材料素材の製造方法であって、
    前記レーザ光の集光性を表す指標であるM値をM<2とするとともに、前記レーザ光の波長λを100nm<λ<20000nmとし、かつ
    前記レーザ光のピークパワー密度の光軸方向における変化がレンズの焦点位置の前後で非対称となるようにしたことを特徴とする脆性材料素材の製造方法。
  6. 超高圧、高温下で原料炭素を溶融した溶媒金属に溶かし込み、当該溶媒金属中の種結晶上に単結晶ダイヤモンドを成長させる工程、及び
    得られた単結晶ダイヤモンドを、請求項1に記載の加工方法を用いて加工する工程
    を含むことを特徴とするダイヤモンド素材の製造方法。
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