JP2008135943A - 連続時間δς変調器 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続時間ΔΣ変調器において、チップ面積を増大させることなく連続時間フィルタの時定数をキャリブレーションする。
【解決手段】連続アナログ信号とフィードバックアナログ信号との誤差を積分する時定数可変の連続時間フィルタ11と、連続時間フィルタ11からの出力信号を量子化する量子化器12、及び量子化器12からの出力信号をデジタル−アナログ変換してフィードバックアナログ信号を出力するDAC13を有する連続時間ΔΣ変調器のキャリブレーションモードにおいて、雑音検出部15により量子化器12からの出力信号中の所望の信号帯域に含まれる量子化雑音の値を検出し、時定数制御部16によって量子化雑音の値が最小となるように連続時間フィルタ11の時定数を制御する。
【選択図】 図1

Description

この発明は連続時間ΔΣ変調器に係り、特に連続時間フィルタの時定数のキャリブレーション技術に関する。
連続時間ΔΣ変調器において、ループ内部で使用される連続時間フィルタの時定数はフィルタに使用する素子の値で決定される。例えば、アクティブRC構成のフィルタでは抵抗値と容量値の積で時定数が決定される。gm−C構成のフィルタでは、容量値とトランスコンダクタのトランスコンダクタンス値との比で時定数が決定される。集積回路上に形成される抵抗やキャパシタ等の素子値は、異なるウエハ間で通常±10〜30%程度変動する。従って、上記の積または比で決まる時定数は、±30〜50%程度変動する可能性がある。
このような連続ΔΣ変調器のループ中に設けられる連続時間フィルタの時定数のばらつきは、量子化器で発生する量子化雑音からΔΣ変調器の出力までの伝達関数である雑音・トランスファ・ファンクション(NTF)の変動になって現れる。NTFが変動すると、所望の信号帯域内の量子化雑音が増加して信号対雑音比(SNR)が低下する場合がある。また、時定数のばらつきの発生方向によっては、ループが不安定になる可能性もある。
非特許文献1には、連続時間ΔΣ変調器に用いる連続時間フィルタの時定数ばらつきをキャリブレーションする一つの方法が開示されている。非特許文献1では、連続時間フィルタに使用しているのと同じ抵抗及びキャパシタを用いた時定数検出部において、連続時間フィルタが所望の時定数となるような抵抗とキャパシタの組み合わせを決定する。決定した抵抗とキャパシタの組み合わせを表す信号を連続時間フィルタの時定数制御端子に印加することにより、連続時間フィルタの時定数を所望の値に設定する。これにより、ΔΣ変調器のNTFを所望の特性に調整することが可能となる。
Bo Xia, Shouli Yan, and Edgar Sanchez-Sinencio, "An RC Time Constant Auto-Tuning Structure for High Linearity Continuous-Time DS Modulators and Active Filters," IEEE Transactions on Circuits and Systems-I: vol. 51, no. 11, November 2004.
非特許文献1に記載されたキャリブレーション手法では、ΔΣ変調器とは別に時定数検出部を設ける必要があるため、ΔΣ変調器を集積回路化したときチップ面積が増大するという問題がある。特に、集積回路上に設けられる抵抗やキャパシタのような受動素子は、能動素子に比べて面積が大きいため、時定数検出部の追加によるチップ面積の増大は大きなものとなる。
この発明は、チップ面積を増大させることなく連続時間フィルタの時定数をキャリブレーションすることができる連続時間ΔΣ変調器を提供することを目的とする。
本発明の一態様によると、通常動作モードとキャリブレーションモードを有する連続時間ΔΣ変調器において、第1入力端子と第2入力端子を有し、第1入力端子に入力される連続アナログ信号と前記第2入力端子に入力されるフィードバックアナログ信号との誤差を積分した積分信号を出力する時定数可変の連続時間フィルタと、前記積分信号を量子化した量子化信号を出力する量子化器と、前記量子化器からの前記量子化信号をデジタル−アナログ変換した前記フィードバックアナログ信号を出力するデジタル−アナログ変換器と、前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化信号中の所望の信号帯域に含まれる量子化雑音の値を検出する雑音検出部と、前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化雑音の値が最小となるように決定する前記連続時間フィルタの時定数で、前記通常動作モードにおいて前記連続時間フィルタを動作せしめる制御部とを具備することを特徴とする。
本発明によると、連続時間ΔΣ変調器においてチップ面積を増大させることなく連続時間フィルタの時定数をキャリブレーションすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器は、信号入力端子10、二つの入力端子をそなえた連続時間フィルタ11、量子化器12、デジタル−アナログ変換器(DAC)13、信号出力端子14、雑音検出部15及び時定数制御部16を有する。
信号入力端子10には、連続時間アナログ信号が入力される。連続時間アナログ信号は、連続時間フィルタ11の第1入力端子に入力される。連続フィルタ11の出力信号は量子化器12により量子化され、信号出力端子14からΔΣ変調信号として取り出される。量子化器12の出力信号はデジタル信号であり、DAC13によりアナログ信号に変換され、連続時間フィルタ11の第2入力端子にフィードバックアナログ信号として与えられる。連続時間フィルタ11は、信号入力端子10からの連続時間アナログ信号とDAC13から出力されるフィードバックアナログ信号との誤差を積分する積分器である。
連続時間ΔΣ変調器は、通常動作モードとキャリブレーションモードを有する。キャリブレーションモードにおいては、信号出力端子14における所望の信号帯域内の量子化雑音が雑音検出部15により検出され、雑音検出部15から量子化雑音の量を示す値(以下、雑音値という)が出力される。時定数制御部16は、雑音値に基づいて生成される時定数制御信号を連続時間フィルタ11に供給することによって、雑音値が最小となるように連続時間フィルタ16の時定数を制御する。
図1に示した連続時間ΔΣ変調器においてキャリブレーションのために付加される構成要素は、雑音検出部15と時定数制御部16のみである。雑音検出部15や時定数制御部16は、デジタル回路やプロセッサにより実現できる。従って、抵抗やキャパシタを含んで実現される時定数検出部を必要とする非特許文献1に開示されたキャリブレーション方法に比べ、チップ面積を小さくすることができる。
次に、連続時間フィルタ11について具体例を説明する。図2は、ローパス型連続時間ΔΣ変調器に用いる連続時間フィルタの例として、アクティブRC型積分器の回路図を示している。連続時間フィルタの第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2に抵抗R1及びR2の一端がそれぞれ接続され、抵抗R1及びR2の他端は演算増幅器OAの反転入力端子に接続される。演算増幅器OAの非反転入力端子は接地される。演算増幅器OAの出力端子OUTは、連続時間フィルタの出力端子となる。演算増幅器OAの反転入力端子と出力端子との間には、複数の積分用キャパシタC1,C2,・・・,CnがスイッチSW1,SW2,・・・,SWnをそれぞれ介して並列に接続される。
図2に示した連続時間フィルタの時定数は、オン状態のスイッチに接続されているキャパシタの容量値(Cとする)と、抵抗R1及びR2の抵抗値(Rとする)との積で決定される。複数のスイッチがオン状態にある場合は、それらのスイッチと接続されたキャパシタの容量値の合計をCとして、CとRとの積で時定数が決定される。
従って、時定数制御信号によりスイッチSW1〜SWnのうちのどれをオンするかを切り替えることによって、連続時間フィルタ11の時定数を変えることができる。図2では容量値Cを切り替えることにより時定数を変化させたが、容量を固定にして抵抗値Rを切り替えても同様の結果を得ることが可能である。また、連続時間フィルタにアクティブRC型積分器に代えて例えばgm−C型積分器など他の形式の積分器を用いてもよい。gm−C型積分器の場合、gm(トランスコンダクタンス)またはC(容量値)を切り替えることで時定数を変化させることができる。さらに、アクティブRC型積分器及びgm−C型積分器のいずれを用いても、共振器を構成することが可能であるから、バンドパス型連続時間ΔΣ変調器における時定数の制御についても同様に行うことができる。
次に、図3を用いて図1に示した基本構成の連続時間ΔΣ変調器をより具体化した実施形態について説明する。図3に示す連続時間ΔΣ変調器では、モード切替スイッチ17によって連続時間フィルタ11の第1入力端子に信号入力端子10とグラウンド電位点のいずれかが接続される。モード切替スイッチ17は連続時間ΔΣ変調器の動作モードを切り替えるために用意される。連続時間ΔΣ変調器の通常動作モードにおいては、モード切り替えスイッチ17は信号入力端子10側に接続される。一方、キャリブレーションモードにおいては、モード切替スイッチ17はグラウンド電位点側に切り替えられ、ΔΣ変調器の入力信号はグラウンド電位、すなわちゼロとされる。このとき信号出力端子14に取り出されるΔΣ変調器の出力信号は、量子化器12で発生する量子化雑音のみとなる。
雑音検出部15は、デジタルフィルタ21、電力検出部22及び雑音記憶部23により構成される。デジタルフィルタ21によってΔΣ変調器の出力信号のうち所望の信号帯域の信号成分のみが抽出され、電力検出部22に入力される。所望の信号帯域とは、通常動作モードにおいてΔΣ変調器に入力される信号の帯域、つまりΔΣ変調が施されるべき連続アナログ信号の帯域をいう。電力検出部22は、デジタルフィルタ21から入力された信号を2乗し、さらに所定回数積分を行うことで、所望の信号帯域内に含まれる量子化雑音の電力を計算して雑音値を検出する。雑音記憶部23では、電力検出部22で検出された雑音値を記憶する。
キャリブレーションモードでは、時定数制御部16によって連続時間フィルタ11の時定数を順次切り替えると共に、電力検出部22により検出される量子化雑音の雑音値を雑音記憶部23に記憶する。時定数制御部16は、雑音記憶部23に記憶された雑音値が最小となったときの時定数制御信号を以後固定的に連続時間フィルタ11に与え、キャリブレーションを完了する。従って、連続時間フィルタ11に含まれるキャパシタや抵抗等の素子値にばらつきが生じ、時定数が所望の値からずれた場合でも、連続時間フィルタ11の最適な時定数に設定することができる。
雑音検出部15内のデジタルフィルタ21は、ローパス型ΔΣ変調器ではローパスフィルタが用いられ、バンドパス型ΔΣ変調器においてはバンドパスフィルタが用いられる。デジタルフィルタ21は、連続時間フィルタ11の時定数のキャリブレーションを行わない通常動作モードにおいてはデシメーションフィルタとして使用される。このため、キャリブレーションのための専用のデジタルフィルタを用意する必要はない。
また、一般に通信装置においては、受信信号強度(RSSI)を検出する機能を備えていることが多い。その場合、RSSI検出部で検出した電力をそのまま量子化雑音の検出に用いることができるので、キャリブレーションのための専用の電力検出部22を用意する必要はない。
次に、雑音検出部15と時定数制御部16による連続時間フィルタ11に対する時定数制御の具体的な手順について説明する。
連続時間フィルタ11に対する時定数制御の第1の手順によると、キャリブレーションモードにおいて全ての時定数に対応して電力検出部22で求められた量子化雑音の雑音値を雑音記憶部23に記憶し、最も雑音値が小さくなる時定数を探索する。以下、図4を用いて時定数制御の第1の手順について詳細に説明する。この場合、雑音検出部15では所望の信号帯域内の量子化雑音のみを検出するため、図3に示したように電力検出部22によりデジタルフィルタ21の出力信号をサンプリングして電力を検出する。
時定数制御部16は、電力検出部22がデジタルフィルタ21の出力信号をサンプルした回数nを計数するカウンタを有する。時定数制御部16内の当該カウンタや電力検出部22は、例えば通信装置のシステムクロックに合わせて動作する。なお、デジタルフィルタ21で帯域制限された信号は、デシメーションフィルタのようにサンプリング周波数を下げて出力されることが多いため、デジタルフィルタ21の入力側と出力側とでクロック周波数が異なる場合がある。一方、連続時間フィルタ11の時定数τはτ(k)のように、kの値によって切り替えられるものとする。kは時定数の切り替え回数であり、k=1,2,・・・,Kである。
図4に示される第1の手順によると、キャリブレーションの開始時にk=1,n=1のように初期設定を行う(ステップS101)。この後、電力検出部22によってデジタルフィルタ21の出力信号を2乗し、さらに2乗値をN回積分することによって、量子化器12で発生する量子化雑音の雑音値を出力する(ステップS102)。すなわち、ステップS103でnが所定の積分回数Nにするまで、nを1ずつインクリメントし(ステップS104)、ステップS102の処理を繰り返す。
電力検出部22での積分がN回行われると(ステップS103でn=N)、電力検出部22によって量子化雑音の雑音値が求まるため、この雑音値を雑音記憶部23に記憶する(ステップS105)。以下、ステップS106で連続時間フィルタ11の時定数τの切り替え回数kがKに達するまで、ステップS107でkを1ずつインクリメントしてステップS102〜S105の処理を繰り返す。
kがKに達すると、K個の全ての時定数に対応するK個の雑音値が雑音記憶部23に記憶される。そこで、次に時定数制御部16が雑音記憶部23に記憶されたK個の雑音値のうちの最小値を認識し、その最小値に対応するkの値を選択して、そのkの値を固定する(ステップS108)。このようにして、雑音値が最小値となるような時定数が連続時間フィルタ11に対して設定される。
次に、図5を用いて連続時間フィルタ11に対する時定数制御の第2の手順について説明する。
図6に示す第2の手順において、ステップS201〜S204の処理は図4中のステップS101〜S104の処理と同じである。ステップS201〜S204の処理により電力検出部22での積分がN回行われると(ステップS203でn=N)、次にステップS205によりP(k−2)>P(k−1)<P(k)かどうかの判断を行う。ここで、P( )はキャリブレーション過程における量子化雑音の雑音値であり、P(k)は現在の時定数における雑音値、P(k−1)は一つ前の時定数における雑音値、P(k−2)はさらに一つ前の時定数における雑音値である。
ここで、ステップS205においてP(k−2)>P(k−1)<P(k)でなければ、P(k−1)は極小値でないため、ステップS206でP(k)を雑音記憶部23に記憶した後、kを1インクリメントし(ステップS207)、ステップS202〜205の処理を繰り返す。
一方、ステップS205においてP(k−2)>P(k−1)<P(k)であれば、P(k−1)は極小値、すなわち一つ前の時定数におけるSNRが極大値ということになるため、k−1をkとしてそのkの値を固定する(ステップS208)。このようにして雑音値が極小値、つまりSNRが極大値になった時点で時定数が固定され、連続時間フィルタ11に対して時定数が設定される。
次に、連続時間フィルタ11に対する時定数制御の第3の手順について説明する。図6には、3次2ビットのローパス型ΔΣ変調器における時定数ばらつきの影響をシミュレーションした結果を示している。時定数の値は、所望の値を1として正規化している。図6より時定数が±40%程度ばらつくと、SNRは10dB程度劣化することが読み取れる。さらに、時定数が所望の値の0.55倍程度に低下するとループが不安定になり、図6に示されるようにSNRは急激に低下することが分かる。
ところで、図6のシミュレーション結果によると、SNR対時定数の特性は上に凸のグラフで表される。このような場合には、時定数が最も大きい側または小さい側からキャリブレーションを開始して雑音値を順次検出してゆき、一つ前の時定数における雑音値よりも新たに検出された雑音値が大きくなった時点(すなわち一つ前の時定数におけるSNRよりも新たに検出されたSNRが小さくなった時点)でキャリブレーションを終了することにより、SNRが極大値となるような時定数を設定することができる。この場合、雑音記憶部23で記憶する雑音値は、一つ前の時定数における雑音値のみでよいから、雑音記憶部23は小容量のメモリであればよい。
図7は、時定数制御の第3の手順を示し、ステップS301〜S304の処理は図4中のステップS101〜S104及び図5中のステップS201〜S204の処理と同じである。ステップS301〜S304の処理により電力検出部22での積分がN回行われると(ステップS303でn=N)、次にステップS305によりP(k−1)<P(k)かどうかの判断を行う。ここで、P( )はキャリブレーション過程における雑音値であり、P(k)は現在の時定数における雑音値、P(k−1)は一つ前の時定数における雑音値である。
ここで、ステップS305においてP(k−1)<P(k)でなければ、P(k−1)は極小値でないため、ステップS306でP(k)を雑音記憶部23に記憶した後、kを1インクリメントし(ステップS307)、ステップS302〜S305の処理を繰り返す。
一方、ステップS305においてP(k−1)<P(k)となれば、P(k−1)は極小値、すなわち現在より一つ前の時定数におけるSNRが極大値ということになるため、kの値をそのkの値より一つ前の値(すなわちk−1)に固定し(ステップS308)、処理を終了する。このようにして第3の手順によっても雑音値が極小値、つまりSNRが極大値になった時点で時定数が固定され、連続時間フィルタ11に対して時定数が設定される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。R. Schreier, et al., “Understanding Delta-Sigma Data Converters,” IEEE Press(参考文献1)に開示されているように、ΔΣ変調器において入力をゼロまたはDCに固定すると、量子化器で発生する量子化雑音が白色雑音と見なせなくなり、量子化雑音の発生量が実際の動作時と異なる可能性がある。この傾向は量子化器のビット数が少ないほど、またΔΣ変調器の次数が低いほど顕著である。従って、量子化器のビット数が少ない場合、またはΔΣ変調器の次数が低い場合、キャリブレーションモードにおいて入力をゼロにすると正確な量子化雑音を検出できない可能性がある。
図8は、この点を考慮した第2の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器のキャリブレーションモードでの状態を示す図であり、図3中に示したモード切替スイッチ17は図では省略されている。図9(a)(b)(c)(d)は、図8の各部の周波数特性を示している。図8では、キャリブレーションモードにおいてΔΣ変調器入力(a点)、すなわち連続時間フィルタ11の第1入力端子に既知信号、例えば図9(a)に示すような信号帯域内かつ既知の周波数の正弦波信号31を入力することにより、実際の動作状態に近い条件で量子化雑音の検出を可能としている。ΔΣ変調器出力(b点)からは、図9(b)に示すように入力の正弦波信号31に量子化雑音が加算された信号が出力される。このようなΔ変調器の出力信号から信号帯域内の量子化雑音を取り出すために、ΔΣ変調器の出力信号を図9(c)に示すような正弦波信号31の周波数にノッチを持ち、かつ信号帯域外の周波数成分を除去できる周波数特性を持つデジタルフィルタ21を通す。
デジタルフィルタ21の出力においては、図9(d)に示されるように正弦波信号31の周波数周辺の量子化雑音が抑圧されるものの、ほぼ信号帯域内の量子化雑音がそのまま現れる。従って、デジタルフィルタ21の出力における電力を検出し、それに基づいて連続時間フィルタ11の時定数を制御することで量子化雑音が最小となるようにキャリブレーションを施すことができる。
ここでは、キャリブレーションモードにおいてΔΣ変調器に入力する信号として正弦波信号31を用いたが、他の既知信号、特に周波数成分が既知の信号であれば、正弦波以外の信号でも使用することが可能である。例えば、クロック信号を分周した信号をキャリブレーションモードにおいてΔΣ変調器の入力信号として使用してもよい。クロック信号の周波数及び分周比は既知であるから、容易に周波数成分が既知の信号を作り出すことができる。
(第3の実施形態)
図10は、キャリブレーションモードにおいてΔΣ変調器に正弦波信号を入力する別の例である第3の実施形態であり、図11(a)(b)(c)(d)は図10の各部の周波数特性を示している。図7では、キャリブレーションモードにおいてΔΣ変調器に入力される正弦波信号31の周波数は信号帯域内であるのに対して、図10では図11(a)に示すような信号帯域外の正弦波信号32を用いる。このときΔΣ変調器出力においても、正弦波信号32は図11(b)に示されるように信号帯域外にあるため、デジタルフィルタ22は図11(c)に示すような信号帯域内の成分を取り出すためのフィルタでよく、キャリブレーションモードにおいて入力信号周波数にノッチを持つ必要はない。従って、キャリブレーションモードにおいて使用するデジタルフィルタ22として、通常動作モードにおいて使用されるデシメーションフィルタをそのまま使用することができる。
デジタルフィルタ21の出力には、図11(d)に示されるように所望の信号帯域内の量子化雑音がそのまま現れるので、デジタルフィルタ21の出力における電力を検出し、それに基づいて連続時間フィルタ11の時定数を制御することで、量子化雑音が最小となるようにキャリブレーションを施すことができる。
(第4の実施形態)
図12は、本発明の第4の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器であり、図13(a)(b)(c)(d)は、図11の各部の周波数特性を示している。本実施形態では、キャリブレーションモードにおいて第2、第3の実施形態のように正弦波信号をΔΣ変調器に入力する代わりに、量子化器12の入力信号に図13(a)に示すアナログのディザ信号33を加算器34により加算する。図13(b)はΔΣ変調器の出力、図13(c)はデジタルフィルタ21の周波数特性、図13(d)はデジタルフィルタ21の出力を示す。このようにディザ信号33を用いても、量子化器12で発生する量子化雑音をランダム化することが可能である。
(第5の実施形態)
図14は、本発明の第5の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器であり、図15(a)(b)(c)(d)は、図13の各部の周波数特性を示している。本実施形態では、量子化器12として多ビット化量子化器を用い、キャリブレーションモードにおいて正弦波信号を入力する代わりに、量子化器12の出力信号に図15(a)のような帯域を持つデジタルのディザ信号35を加算器36により加算する。図15(b)はΔΣ変調器の出力、図15(c)はデジタルフィルタ21の周波数特性、図15(d)はデジタルフィルタ21の出力を示す。
このようにデジタルのディザ信号35を用いても、量子化器12で発生する量子化雑音をランダム化することが可能である。また、このように多ビットの量子化器12を用いて、量子化器12の出力信号にディザ信号35を加算する場合、ディザ信号35はデジタル信号でよいから、図12の実施形態で用いるアナログのディザ信号31に比べて発生が容易である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器を示すブロック図 連続時間フィルタの具体例であるアクティブRC型連続時間積分器を示す回路図 図1の連続時間ΔΣ変調器をより具体的に示すブロック図 連続時間フィルタに対する時定数制御の第1の手順を示すフローチャート 連続時間フィルタに対する時定数制御の第2の手順を示すフローチャート 連続時間フィルタの時定数ばらつきの影響によるSNRの変化についてシミュレーションした結果を示す図 連続時間フィルタに対する時定数制御の第3の手順を示すフローチャート 本発明の第2の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器のキャリブレーションモードでの動作を示すブロック図 図8の各部の周波数特性を示す図 本発明の第3の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器のキャリブレーションモードでの動作を示すブロック図 図10の各部の周波数特性を示す図 本発明の第4の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器のキャリブレーションモードでの動作を示すブロック図 図12の各部の周波数特性を示す図 本発明の第5の実施形態に係る連続時間ΔΣ変調器のキャリブレーションモードでの動作を示すブロック図 図14の各部の周波数特性を示す図
符号の説明
10・・・入力端子
11・・・連続時間フィルタ
12・・・量子化器
13・・・デジタル−アナログ変換器
14・・・出力端子
15・・・雑音検出部
16・・・時定数制御部
17・・・モード切替スイッチ
18・・・ΔΣ変調器
21・・・デジタルフィルタ
22・・・電力検出部
23・・・雑音記憶部

Claims (12)

  1. 通常動作モードとキャリブレーションモードを有する連続時間ΔΣ変調器において、
    第1入力端子と第2入力端子を有し、第1入力端子に入力される連続アナログ信号と前記第2入力端子に入力されるフィードバックアナログ信号との誤差を積分した積分信号を出力する時定数可変の連続時間フィルタと;
    前記積分信号を量子化した量子化信号を出力する量子化器と;
    前記量子化器からの前記量子化信号をデジタル−アナログ変換した前記フィードバックアナログ信号を出力するデジタル−アナログ変換器と;
    前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化信号中の所望の信号帯域に含まれる量子化雑音の値を検出する雑音検出部と;
    前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化雑音の値が最小となるように決定する前記連続時間フィルタの時定数で、前記通常動作モードにおいて前記連続時間フィルタを動作せしめる制御部と;を具備する連続時間ΔΣ変調器。
  2. 前記雑音検出部は、前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化信号から前記所望の信号帯域の信号成分を抽出するデジタルフィルタと、前記量子化雑音の値を求めるために前記信号成分の電力を検出する電力検出部とを有する請求項1記載の連続時間ΔΣ変調器。
  3. 前記雑音検出部は、前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化信号から前記所望の信号帯域の信号成分を抽出するデジタルフィルタと、前記量子化雑音の値を求めるために前記信号成分の電力を検出する電力検出部と、前記量子化雑音の値を記憶する記憶部とを有し、
    前記制御部は、前記キャリブレーションモードにおいて前記時定数を複数段階に切り替え、前記記憶部に記憶された前記量子化雑音の値のうち最小値に対応する時定数を選択して固定する請求項1記載の連続時間ΔΣ変調器。
  4. 前記制御部は、前記複数段階に切り替える全ての時定数に対応して前記量子化雑音の値が前記記憶部に記憶された後、記憶された前記量子化雑音の値の最小値を認識し、該最小値に対応する時定数を選択して固定する請求項3記載の連続時間ΔΣ変調器。
  5. 前記制御部は、前記時定数を切り替える毎に前記記憶部に記憶されている前回の時定数に対応する前記量子化雑音の値と、現在の時定数における前記量子化雑音の値との比較を行うことにより前記量子化雑音の値の極小値を認識し、該極小値に対応する時定数を選択して固定する請求項3記載の連続時間ΔΣ変調器。
  6. 前記制御部は、前記時定数を切り替える毎に前記記憶部に記憶された過去少なくとも2回の時定数に対応する前記量子化雑音の値及び現在の時定数における前記量子化雑音の値の比較を行うことにより前記量子化雑音の値の極小値を認識し、該極小値に対応する時定数を選択して固定する請求項3記載の連続時間ΔΣ変調器。
  7. 前記キャリブレーションモードにおいて前記第1入力端子に既知信号を入力する手段をさらに具備する請求項1記載の連続時間ΔΣ変調器。
  8. 前記既知信号は、正弦波信号である請求項7記載の連続時間ΔΣ変調器。
  9. 前記既知信号は、クロック信号を分周して得られる信号である請求項7記載の連続時間ΔΣ変調器。
  10. 前記既知信号は、前記連続アナログ信号の信号帯域外の周波数成分のみの信号である請求項7記載の連続時間ΔΣ変調器。
  11. 前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化器に入力される前記積分信号にアナログのディザ信号を加算する手段をさらに具備する請求項1記載の連続時間ΔΣ変調器。
  12. 前記キャリブレーションモードにおいて前記量子化信号にデジタルのディザ信号を加算する手段をさらに具備する請求項1記載の連続時間ΔΣ変調器。
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