JP2008135591A - 量子もつれ光子対発生器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2次元フォトニック結晶11に形成された微小共振器15中に単一量子ドット14が埋め込まれた構造を有し、前記単一量子ドットから発生する光子対が量子力学的にもつれあっている、量子もつれ光子対発生器であって、微小共振器15により励起子発光寿命が短くなる(パーセル効果)ことにより忠実度の高い量子もつれ光子対が生成される。
【選択図】図1
Description
量子暗号は、暗号化された情報を解読するための暗号鍵の安全性が、量子力学の原理によって保証された絶対的に安全な暗号通信技術である。
量子暗号における重要な要素として量子テレポーテーションがあげられる。量子テレポーテーションとは、光子の量子的な情報だけを瞬間的に別の場所に移す技術である。この量子テレポーテーションは、量子状態の絡み合い(量子もつれ)を利用して、光子同士が情報をやり取りすることにより実現される。この量子もつれの状態にある光子対は、量子もつれ光子対、あるいはエンタングル光子対とも呼ばれる。
量子もつれ光子対は、一方の光子の量子的状態が決まると、他方の光子の量子状態も決まるという性質がある。量子暗号においては、この物理的性質に基づいて量子鍵配布のプロトコル、あるいは長距離の伝送を可能とする量子中継器の構成が考案されている。従って、量子もつれ光子対の発生手段が量子暗号通信において非常に重要である。
偏光状態の量子もつれ光子対の発生方法としては、2次の光学非線形性を有する結晶中でのパラメトリック下方変換がよく知られている(非特許文献1)。以下、偏光状態の量子もつれを、簡単に量子もつれと表現する。
また、第一塩化銅などの半導体物質に2個の親光子を照射して、2光子共鳴励起によって角運動量が0の状態の励起子分子を生成し、生成した励起子分子を2個の光子に同時に分裂させて、量子もつれ光子対を発生させる手法(ハイパーパラメトリック散乱法)も開示されている(特許文献1)。
さらには、単一半導体量子ドットにおいて、励起子分子、励起子の段階的な発光過程(カスケード過程)により量子もつれ光子対の発生法も提案されている(非特許文献2―4)。
P.G.Kwiat, E.Waks, A.G.White, I.Appelbaum, and P.H.Eberhard," Physical Review A"vol. 60, no. 2, R773-R776
量子暗号において絶対的な安全性を保証するためには、発生する量子もつれ光子対は、1パルスにつき1対のみであることが要求される。つまり、1パルスにつき2対以上の量子もつれ光子対の発生確率を極力下げなければならない。ところが、パラメトリック下方変換やハイパーパラメトリック散乱法で発生する光子対の数はポアソン分布に従うため、量子もつれ光子対が同時に2対以上発生する確率をゼロにすることは原理的に出来ない。
この問題を回避する現実的な方法として、1パルス当たりの平均光子対を0.1程度に調整する工夫も考えられている。しかし、これでは10パルスのうち9パルス以上が「光子数0」の状態であり、暗号鍵の伝送速度を1/10以下に低下させる要因となる。
一方、単一半導体量子ドットの励起子分子、励起子の段階的な発光過程を利用する場合、異なる電子は同じ量子状態を占有することができないというパウリの排他律により、励起子分子発光、励起子発光からは、光子が必ず一つずつ発生するため、量子もつれ光子対は1対のみが原理的に発生する(非特許文献2)。
図9(a)に、単一半導体量子ドット中での電子・正孔に対するエネルギーダイアグラムを示す。例えば、GaAs中に埋め込まれたInAs量子ドットを想定すると、GaAsが障壁領域、InAsがドット領域となる。量子ドットは通常数十nm程度の大きさで、その量子力学的な閉じ込め効果によってエネルギー準位は離散化している。図9(a)において、黒丸は電子、白丸は正孔を表し、矢印はそれらのスピンの向きを示している。
逆向きのスピンを有する電子と正孔の対は、クーロン相互作用によって安定な「励起子」状態を形成する。図9(a)に記載されているのはこのような励起子が2組ある状態であり、励起子同士のクーロン相互作用によって、「励起子分子」状態を形成する。
緩和過程には2つの経路がある。左側の経路では、励起子分子から励起子状態への緩和過程で右回り円偏光(σ+)の光子を放出し、その後、励起子状態から基底状態への緩和過程で左回り円偏光(σ−)の光子を放出する。一方右側の経路では、励起子分子から励起子状態への緩和過程でσ−の光子を放出し、その後、励起子状態から基底状態への緩和過程でσ+の光子を放出する。
これら2つの経路を量子力学的に区別することが不可能であれば、偏光状態に対して量子もつれ状態を有し、この量子力学的な状態を表現する関数|ψ>は次の(1)式のように表現される。
|ψ>=(|R>1|L>2+|L>1|R>2)/√2 (1)
ここで、R(L)は右(左)回り円偏光を、下添え字の1(2)は励起子分子(励起子)発光の光子を表す。この状態では、観測をする前には1と2のうちどちらか一方がRで他方がLとしか分からないが、例えば光子1がR(L)の状態であることを観測した瞬間に、光子2がL(R)の状態に確定する。これが量子テレポーテーションである。
なお、円偏光と、水平(H)、垂直(V)直線偏光との関係は
|R>=(|H>+i|V>)/√2 (2)
|L>=(|H>−i|V>)/√2 (3)
と表されることを考えると(ここで、iは虚数単位)、(1)式は、(1)式に(2)、(3)式を代入して、次の(4)式のように書くことも可能である。
|ψ>=(|H>1|H>2+|V>1|V>2)/√2 (4)
従って、円偏光で見られた量子力学的な相関関係は、直線偏光としても観測される。なお、水平軸はどの方向にとっても同等である。
このとき、左側の経路からは水平偏光(H)の光子が2個、右側の経路からは垂直偏光(V)の光子が2個発生するが、中間状態の励起子状態が識別出来てしまうため、量子もつれを全くしていない、もしくは量子もつれの度合いをあらわす忠実度(fidelity)の非常に低い光子対が発生する(非特許文献3)。
また、量子ドットの作製条件を厳密に制御し、非対称構造を極力低減することにより、量子もつれ光子対が発生した場合であっても、ある特定の大きさの量子ドットからのみ発生をする(すなわち、波長が約900nm程度のものしか得られない)、さらに場合によっては2テスラという強磁場が必要である(非特許文献4)。
従って、従来のカスケード過程を用いた量子もつれ光子対の発生法が、一般的な1.3から1.5μmの光通信波長帯における暗号技術にそのまま適用されるわけではない。また非特許文献4にて測定された量子もつれの忠実度が前述のパラメトリック下方変換ほど高くはない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、2次元フォトニック結晶中に埋め込まれた単一量子ドットを用いた、忠実度の高い量子もつれ光子対発生器を提供することにある。
また、好ましくは、前記2次元フォトニック結晶の微小共振器は、前記微小共振器の中心からの最近接の格子点に対応して配置されるべき開口の寸法、形状または位置のいずれかまたはその組み合わせが本来の格子点のものから変えられている。微小共振器の形状設計により、量子もつれの忠実度を向上させることができる。なお、その際に、前記最近接の開口の寸法、形状若しくは位置が、共振器モードの波長が2次元平面内で偏光無依存となるように調整されていることが望ましい。
より具体的には、前記開口を充填する媒体は空気であり、周期的に配列されている開口の形状は円孔であって、共振器中心最近接の円孔の直径が所定の寸法から変えられているか、または/および、中心の位置が所定の格子点の位置から変えられている。
励起子分子状態の生成手段に関して、前記単一量子ドットの第N(Nは2以上の整数)励起状態と、前記微小共振器の第2の共振器モードとが共鳴しており、前記単一量子ドットの第N励起状態と前記微小共振器の第2の共振器モードの両方に共鳴する波長の光を照射することが望ましい。
忠実度の高い量子もつれ光子対を得るために、前記励起子発光寿命τは、励起子状態の分裂エネルギー幅Δに対して1/τ>Δの関係式にあることが望ましい。
図1に、本発明による量子もつれ光子対発生器の第1の実施の形態を示している。フォトニック結晶11は、膜厚dの半導体基材16中に円孔17が三角格子状に配列された構造となっており、円孔が一つだけ欠けた部分が微小共振器15となる。この共振器部分にはInAsからなる単一の量子ドット14が埋め込まれている。欠けた円孔から最近接の(微小共振器15の中心から最近接の)円孔は、その径が他の円孔のそれより小さくなされており、かつその中心が微小共振器15の中心から離れる方向に移動されている。単一量子ドットは、共振器モードの電場強度が一番強い部分もしくはそのごく近傍にあることが望ましい。量子ドット14から発生する量子もつれ光子対はレンズ18によって集光される。半導体基材16の材料は特に限定されないが、化合物半導体であることが望ましく、本実施の形態ではGaAsが用いられている。フォトニック結晶11は、通常空気中に設置されるが真空を含む他の媒体中であってもよい。
初期状態として、励起子分子状態を生成する必要があるが、これは、量子ドットを取り囲んでいる媒質の吸収領域の波長、あるいは濡れ層とよばれる量子ドットの作製時に出来るドット材料の超薄膜層の共鳴波長、または高次の励起子準位に共鳴する波長を有する励起光を適切な強度で量子ドットに照射することによって生成することができる。あるいは、p−i−n構造を導入することで、適切な大きさの外部電場印加により、電子・正孔を量子ドット領域に注入することによっても生成することができる。
いま、フォトニック結晶微小共振器がなかった場合の寿命をτ0=1.0nsとした時、不確定性原理によりスペクトル上での広がり(自然幅)の半値全幅δは約0.7μeVであることが導かれる。
Δの値は数〜数十μeV程度であることは、種々の実験により確かめられている。したがって、微小共振器なしの場合にはΔ>>δとなり、中間状態である2つの励起子状態は十分に区別可能である。
不確定原理によれば、励起子の発光寿命が短くなれば、それに反比例してスペクトル広がりδが大きくなる。よって、この原理を利用することにより、自然幅と比較して前述エネルギー差が小さくなる、すなわちΔ<δの状況を作り出してやれば、識別不可能となるはずである。この役割を担うのがフォトニック結晶微小共振器である。
電磁場の励起子のような孤立準位の発光が、フォトニック結晶微小共振器におかれた場合、その発光寿命τは、共振器のない場合のτ0と比較して、(5)式で表されるパーセル因子F倍だけ短くなる。
一方、自然幅は
δ=1/τ=F/τ0 (6)
と表されるため、大きなFを得ることが出来ると、それに比例して自然幅を大きくすることが可能となる。例えばF=50が得られたとすれば、自然幅δ=0.7×50=35μeVとなり、典型的な値Δ=10μeVの分裂幅が十分に隠れ、2つの経路の区別がつかなくなる状況(δ>Δ)が作り出されて、忠実度の高い量子もつれ光子対の発生が可能となる。
励起子発光寿命τが小さくなることは、別の観点からも望ましい。有限温度の固体中ではフォノンの影響によって、励起子状態のスピン緩和が起こり、量子もつれの度合いを低減する別の要因となる。τが小さくなることで、スピン緩和の影響を低減できるからである。
次に、発生する量子もつれ光子対の忠実度について定量的に議論する。スピン緩和を無視できる状況での理想的な忠実度は自然幅δと励起子分裂幅Δを用いて、次の(7)式で表される。
しかしながら、Q値が大きくなることは良いことばかりではない。Q値が大きくなると、励起子分子発光波長λxxが共振スペクトルの幅Δλcから外れてしまい、共振器外部への発光効率が低下する、すなわち量子もつれ光子対の発生効率が低下する。このシミュレーション結果を図4の点線に示す。なお、発生効率100%は、励起子と励起子分子がともに共振器に共鳴している状況を仮定している。
図4から、量子もつれ光子対の忠実度とその発生効率はトレードオフの関係にあることが分かる。従って、現実的にはもつれ対の忠実度と発生効率の両方をある値以上にするための最適Q値がある。本計算例では、Q〜1200程度にすれば、忠実度0.95、(理想的な状況に対する)発生効率11%という値を得ることが出来る。
ところで、前述の最適Q値はτ0=1.0ns、Δ=10μeVを想定した値であって、量子ドットの特性によって変わる値である。従って、共振器Q値は量子ドットの特性に合わせて自在に設計できることが望ましい。
円孔半径をr→r’と小さくしかつ外側への中心変位sをs=r−r’という条件の下で変化させた場合のQ値変化をシミュレートした結果を図5(c)に示す。中心変位s=0.09a=32nmにおいて最大Q値33,000が得られる。
図6において、黒丸は量子ドットが共振器を介して発光したスペクトルの測定結果を示している。このスペクトルを、ローレンツ関数を用いてフィッティングをした結果も実線で示されている。図中の矢印は、このローレンツ関数で最大値の半分となる幅、すなわち半値全幅(FWHM)を表しており、その値は0.077nmと見積もられた。なお、Q値は共振器波長、ここでは1327.6nmをFWHMで割ることによって求めることができ、その結果がQ=17,000となる。一方、中心変位s=0の場合も同様の実験を行うことで、Q=300という測定結果を得た。よって、Q値は300〜17,000という2桁の範囲内で実際に制御可能であることが分かった。
以上から、量子ドットの特性に応じて最適Q値を選択し、共振器構造を設計することが可能であることが示された。
なお、ここでは具体例として三角格子型のフォトニック結晶を挙げているが、正方格子など他の結晶構造であっても同様の効果がある。また、開口の形状も円孔に限られず楕円孔、半円孔、多角形孔であっても同様の効果が得られる。また、上記実施の形態では最近接円孔の最遠点が固定されている例を示したが、必ずしもそのようにする必要はなく、6回対称性が維持されているのであれば(三角格子型の場合)、任意の変更が可能である。即ち、半径を変化させて中心位置を固定する、半径を変えずに中心位置を移動する、新たに他の円孔を追加する等が可能である。
本発明による量子もつれ光子対発生器の第3の実施の形態は、量子ドット励起子の高次の励起状態の波長(エネルギー)と、共振器の高次モードの波長が共鳴しており、さらにこれに共鳴する励起光を照射する手段とを備えていることを特徴としている。この動作原理を説明したのが図8である。
共振器は、例えば図5に示すH1共振器の場合には30〜100nm間隔で共振器モードが存在する。従って適切な共振器設計によって、基底状態の励起子と第1の共振器モードが共鳴し、かつ第2励起状態の励起子と第2の共振器モードとが共鳴する図8の状況を作り出すことが可能である。
この時、第2励起状態の励起子と第2の共振器モードの両方に共鳴する励起光を照射すると、第2励起状態が量子ドット内に生成される。その後、10ps程度の時間でエネルギーの低い状態へと緩和し、最低次の励起子分子状態を生成する。その後の光子放出過程はこれまで述べた通りである。
このような高次励起状態に共鳴した励起法では、特定の量子ドットのみを選択的に励起することが可能となり、例えば共振器内に複数の量子ドットがあった場合に非常に有効である。なぜなら、共鳴励起ではない従来の励起法では同時に複数の量子ドットを励起状態にしてしまい、量子もつれ光子対を発生させたい量子ドット以外からも光子を放出させ、ノイズ増大につながるからである。
なお、励起光自体も光子1個レベルを扱う量子もつれ光子対光源では、ノイズ増大の原因の1つになりうるため、励起光は低パワーの方が望ましい。本発明では、励起子の高次励起状態に共鳴している高次の共振器モードが、電場の増強効果により、より低い励起光パワーで励起子分子状態を生成することを可能としている。
以上の作用によってノイズ低減がなされ、結果として、もつれ忠実度の向上に資する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
12 犠牲層
13、21 半導体基板
14 量子ドット
15 微小共振器
16 半導体基材
17 円孔
18 集光レンズ
22 分布ブラッグ反射鏡
23 スペーサ
Claims (11)
- 基材の微小共振器の中心部の格子点を除く格子点に開口が設けられ、開口内が前記基材とは屈折率が異なる媒質によって充填されている2次元フォトニック結晶からなる微小共振器中に、単一量子ドットが埋め込まれた構造を有し、
前記単一量子ドットにおける最低次の励起子分子状態を生成する手段を備えており、
前記励起子分子状態が緩和していく過程において励起子分子発光に対応する第1の光子と、励起子発光に対応する第2の光子との対を発生し、前記第1の光子と前記第2の光子との対の状態が量子力学的にもつれあっている、量子もつれ光子対発生器であって、
前記第1の光子と前記第2の光子との対のもつれ状態を調整するために前記微小共振器の中心に近接した格子点の開口は本来の状態に変更が加えられていることを特徴とする、量子もつれ光子対発生器。 - 基材の微小共振器の中心部の格子点を除く格子点に開口が設けられ、開口内が前記基材とは屈折率が異なる媒質によって充填されている2次元フォトニック結晶からなる微小共振器中に、単一量子ドットが埋め込まれた構造を有し、
前記単一量子ドットにおける最低次の励起子分子状態を生成する手段を備えており、
前記励起子分子状態が緩和していく過程において励起子分子発光に対応する第1の光子と、励起子発光に対応する第2の光子との対を発生し、前記第1の光子と前記第2の光子との対の状態が量子力学的にもつれあっている、量子もつれ光子対発生器であって、
前記微小共振器の第1の共振モードと前記第2の光子とが結合することによって生じるパーセル効果により、励起子発光寿命τが、前記微小共振器がなかった場合の寿命と比較して短くなることで、忠実度の高い量子もつれ度合いが実現されることを特徴とする、量子もつれ光子対発生器。 - 基材の微小共振器の中心部の格子点を除く格子点に開口が設けられ、開口内が前記基材とは屈折率が異なる媒質によって充填されている2次元フォトニック結晶からなる微小共振器中に、単一量子ドットが埋め込まれた構造を有し、
前記単一量子ドットにおける最低次の励起子分子状態を生成する手段を備えており、
前記単一量子ドットから発生する励起子分子発光に対応する第1の光子と、励起子発光に対応する第2の光子との対が量子力学的にもつれあっている、量子もつれ光子対発生器であって、
前記2次元フォトニック結晶に対して平行に分布ブラッグ反射鏡が配置されていることを特徴とする、量子もつれ光子対発生器。 - 前記第1および第2の光子の前記2次元フォトニック結晶の一方の側への放出を強化する光学手段が備えられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記光学手段は、前記2次元フォトニック結晶に平行に配置された分布ブラッグ反射鏡であることを特徴とする、請求項4に記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記2次元フォトニック結晶の微小共振器は、前記微小共振器の中心からの最近接の格子点に対応して配置されるべき開口の寸法、形状または位置のいずれかまたはその組み合わせが本来の格子点のものから変えられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記2次元フォトニック結晶の微小共振器は、前記微小共振器の中心からの最近接の格子点に対応して配置されるべき開口の寸法、形状または位置のいずれかまたはその組み合わせが、共振器モードの波長が2次元平面内で偏光無依存となるように調整されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記微小共振器において、前記微小共振器モードのQ値が前記微小共振器の中心からの最近接の格子点に対応して配置されるべき開口の寸法、形状または前記中心からの距離のいずれかまたはその組み合わせに依存して調整されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記基材とは屈折率が異なる媒質は空気であることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記単一量子ドットの第N(Nは2以上の整数)励起状態と前記微小共振器の第2の共振器モードとが共鳴しており、前記単一量子ドットにおける最低次の励起子分子状態を生成する手段が、前記単一量子ドットの第N励起状態と前記微小共振器の第2の共振器モードの両方に共鳴する光を照射する手段であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生器。
- 前記励起子発光寿命τは、励起子状態の分裂エネルギー幅Δに対して1/τ>Δの関係式にあることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の量子もつれ光子対発生器。
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