JP2008134105A - 溶液成分センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】微量液体の分析、反応、ならびに分離操作に利用する液体マイクロシステムとして最適な、構造が簡単でシステム全体を小型化することができ、半導体製造技術を利用して製造することができ量産性に優れ、繰り返し使用することが可能で省資源性に優れ、検体液中に含まれる1ppm程度の極微量の特定成分を極短時間で精度よく選択的に検知可能な信頼性、作業性に優れる溶液成分センサの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の溶液成分センサ1は、基板2と、基板2上に所定間隔をおいて配置された電極対3と、電極対3の表面及び電極対3間の基板2の表面を被覆し感応物質を分散保持した絶縁膜5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、検体液中のイオン、糖、脂質、抗体、抗原等の特定成分の有無や濃度を検知することのできる溶液成分センサに関する。
従来、マイクロマシン技術の一種として、微量液体の分析、反応、ならびに分離操作に利用する液体マイクロシステム(fluid MEMS:micro electro mechanical system)が知られている。
液体マイクロシステムはマイクロポンプ、ミキサ、バルブ、リアクタ、セパレータ、センサなどの各要素を基板(チップを含む)上に実装し、パッケージ化したものであり、ポストゲノム研究およびプロテオーム研究の発展に欠かせないツールとして期待されている。
このような液体マイクロシステムにおける検体液の化学変化、あるいは物理変化を計測する手段として、例えば(特許文献1)には、「光が所定パターンで照射される基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置され血液や口腔液、DNA含有液などの検体液と接触する電極対と、を備えていることを特徴とする検体液特性検知センサ」が開示されている。
また、本発明者は、構造が簡単でシステム全体を小型化することができ、半導体製造技術を利用して製造することができ量産性に優れ、繰り返し使用することが可能で省資源性に優れ、検体液中に含まれる1ppm程度の極微量の一酸化窒素などの特定の成分を極短時間で精度よく検知可能な信頼性、作業性に優れる溶液成分センサの提供を目的として発明を完成させ、「基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置された電極対と、前記電極対の表面及び前記電極対間の前記基板の表面を被覆し血液、リンパ液、細胞質基質などの体液を含む検体液と接触する絶縁膜と、を備えていることを特徴とする溶液成分センサ」を特許出願した(特許文献2)。
特開2005−90961号公報 特願2006−93756
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)の検体液特性検知センサは、本願出願人らが出願したものであり、電極対に検体液を接触させると、検体液の濃度あるいは照射される光強度に応じて、抵抗あるいは電圧変化が電極対に接続したデジタルマルチメータなどの検出部にて検出でき、電解質溶液、あるいは血液、酵素、タンパク質、細胞・細菌などを含んだ非電解質液体の検体液を定量・定性分析でき、検体液中の物質濃度等を極微量の検体液を用い極短時間で検知可能なものであるが、検出できる物質濃度の限界が100ppm程度であり、さらなる検出感度の向上が強く望まれていた。
(2)また、Cu等の安価な金属を基板上に積層させ、これをパターニングすることでセンサ電極を作製しており、センサ表面(電極)が検体液に直接接することで電圧変化を検出するものであるため、測定毎に電極表面が劣化してしまい、繰り返し使用が困難という課題もあった。
(3)(特許文献2)の特定の成分センサは、検体液中に含まれる1ppm程度の極微量の一酸化窒素などの特定の成分を極短時間で精度よく検知できるが、選択性がやや乏しいため、特定成分の有無や濃度の検知ができ難いという課題があった。そのため、特定成分の有無や濃度の検知ができる選択性の付与が強く要望されていた。
本発明は上記要望に応えるもので、構造が簡単でシステム全体を小型化することができ、半導体製造技術を利用して製造することができ量産性に優れ、繰り返し使用することが可能で省資源性に優れ、検体液中に含まれる1ppm程度の極微量の特定成分を極短時間で精度よく選択的に検知可能な信頼性、作業性に優れる溶液成分センサの提供を目的とする。
上記課題を解決するために本発明の溶液成分センサは、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の溶液成分センサは、基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置された電極対と、前記電極対の表面及び前記電極対間の前記基板の表面を被覆し感応物質を分散保持した絶縁膜と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)電極の表面及び電極間の基板の表面が感応物質を分散保持した絶縁膜で被覆されていることにより、絶縁膜上に滴下した微量の検体液中に含まれる特定の成分が、絶縁膜の表面の感応物質と相互作用する場合、特定の成分の有無や量に応じて電極間の電位に変化が生ずるため、これを検出することで、複数成分が混合した検体液中の特定成分の有無等を短時間で精度よく検知することができる。
(2)電極表面が絶縁膜で被覆されていることにより、電極表面を化学的に安定させると共に、機械的強度を高めることができ、耐久性に優れ化学センサとして再現性よく繰り返し使用が可能で省資源性に優れる。
(3)構造が簡単な電極対を半導体作製技術によって基板上に高密度に集積させることができ、小型化が容易で量産性に優れ、電気回路や半導体集積回路などに容易に組み込むことができ、検出した化学的な情報を電気信号として短時間で処理することができ、高度で複雑な分析が可能な検知システムを構築することもできる。
(4)電極表面が絶縁膜で被覆されていることにより、絶縁膜上に検体液を滴下或いは塗布するだけで、絶縁膜と検体液の界面に電荷の分離を生じ、その静電誘導効果によって絶縁膜を構成している分子に分極が生じる。分極による電荷の量は、感応物質と相互作用する検体液の特定の成分の濃度に大きく依存し電気的に検知できるので、1〜10μLの極微量な検体液で測定を行うことができ、測定前に特別な前処理等を行う必要もないので、検体液の採取や取り扱いが容易で作業性に優れる。
ここで、絶縁膜の表面に検体液を滴下或いは塗布する等して接触させると、絶縁膜と検体液の界面に電荷の分離が生じ、電気二重層を形成し、溶液側と絶縁膜側は等しい数の極性の異なる電荷で帯電状態になる。その結果、絶縁膜が誘電分極し、電極間と接している絶縁膜内側にも電荷が生じる。この電荷の量は感応物質と相互作用する検体液の特定の成分の濃度に依存するので、電極間に電圧を負荷するか電流を流すと、電極間の電流値や電圧値に変化が生じる。これを検知することで特定の物質の有無や濃度を検知することができる。
基板の材質としては分析する検体液によって侵されず、基板上に電極対及び絶縁膜を形成することができ、電極対を電気的に絶縁できるものであればよく、例えば、各種の合成樹脂、ガラス、セラミックスなどが好適に用いられる。特にガラス等の透明な材質を用いた場合は、顕微鏡などによる検体液の観察も行うことができ汎用性に優れる。また、基板の形状は、矩形状、多角形状、円盤状などの種々な形状に形成することができる。
電極の素材としては、例えばPt、Au、Ag、Fe、Ni、Co、Cr、Cu、Al、Ti、Mn、Zn等の金属、ステンレス等の合金などを採用することができる。電極は、基板上に化学蒸着して形成してもよいし、あらかじめ基板上に作成した金属薄膜をドライエッチングやウエットエッチングでパターニングして形成してもよい。また、電極対の各々の電極は同種の金属を用いてもよいし、異種金属を組み合わせてもよい。尚、ガラス基板にCrを蒸着した上からAu電極を形成することにより、Crがバインダとなって密着性を向上させることができる。
尚、1枚の基板上には1乃至複数の電極対を形成することがき、その配置は任意に選択することができる。また、電極対の各々の電極の形状は限定されるものではないが、三角形状、矩形状、半円形状等に形成することができる。また、電極対は非対称であっても、大きさが異なっていてもよく、辺部同士が対向するように配置される。
対向する2つの電極の辺部間の間隔は、検体液や電極の種類などにもよるが、5μm〜10mm、好ましくは10μm〜5mmの範囲とすることが好ましい。辺部間の間隔が10μmより狭くなるにつれ、検体液中の成分の濃度に対する電流値等の電気特性の相関が小さくなり、応答感度が低下する傾向が見られ、間隔が5mmより広くなるにつれ、検出感度が低下し易くなり、データの再現性に欠ける傾向が見られるためである。特に電極の辺部間の間隔が5μmより狭くなるか10mmより広くなるにつれ、信号ノイズが大きくなり、電流値や電圧値の変化を正確に検出することが困難になる傾向があり、いずれも好ましくない。
絶縁膜は電極の機械強度を保持するため、基板全面を被覆することが好ましいが、少なくとも電極の表面を被覆していればよい。
絶縁膜は、有機溶剤にポリ塩化ビニル,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等を主成分とするマトリックス材料を溶解して調製した有機剤に、感応物質を溶解又は分散させた原料溶液を、電極対が形成された基板の上にスピンコート等によって塗布・乾燥して製造することができる。また、シリカゲル,チタニア,アルミナ,硫化カドミウム,酸化鉛等の無機多孔質担体あるいは微粒子担体、ゼオライト,モンモリロナイト等の合成あるいは天然鉱物粒子、カーボンブラック,活性炭,炭素繊維,カーボンナノチューブ,フラーレン等の炭素材料を主成分とした多孔質担体あるいは微粒子担体、金,銀,銅,白金,パラジウム,鉄,コバルト,ニッケル等の金属微粒子あるいはコロイド分散液、ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,木材,紙,布等の有機高分子材料からなる多孔質担体あるいは微粒子担体等の多孔体に感応物質を担持させ、該有機剤に多孔体を分散させた原料溶液を、電極対が形成された基板の上にスピンコート等によって塗布・乾燥して製造することができる。さらに前記多孔質担体のみを予め分散させた原料用液を、電極対が形成された基板の上にスピンコート等によって塗布・乾燥させ、その膜表面に感応物質を溶解させた溶液を滴下させることで、感応物質をセンサ上に吸着担持させることができる。
絶縁膜の膜厚は材質によって異なるが、検体液と電極対の間を確実に絶縁でき、センサとしての応答性を保つことができる範囲で選択する必要がある。絶縁膜の膜厚が薄くなるにつれ、絶縁膜の効果が不十分となりセンサの感度が低下する傾向があり、厚くなるにつれ、検体液中の成分の濃度が変化しても電圧値や電流値に変化が見られなくなりセンサの応答性が消失する傾向があり、いずれも好ましくない。例えば、絶縁膜がフルオロオレフィンビニルエーテル重合体(分子量分布100〜1000)やノボラック系フェノール樹脂(分子量分布1000〜10000)であれば、0.2μm〜0.8μmが好ましい。
感応物質としては、検体液の特定成分と相互作用を生じるものであれば特に制限なく用いることができ、錯体形成化合物、ホスト化合物、酵素、抗体、抗原、カロチン、ポリフェノール等の活性酸素スカベンジャー類、タンパク質、DNA、RNA、糖鎖、糖脂質等を用いることができる。
錯体形成化合物としては、例えば、金属イオンと錯体を形成するポルフィリン類,EDTA(エチレンジアミン三酢酸)ならびにその誘導体,NTA(ニトリロ三酢酸)ならびにその誘導体等に代表される金属キレーター類、Bis(benzo-15-crown-5),Bis(12-crown-4), Dibenzyl-bis(12-crown-4)等カリウム,ナトリウム,カルシウム,リチウム等の金属イオンと錯体を形成するクラウンエーテル誘導体、酸化ストレス物質と関連し体内で発生する一酸化窒素と錯体を形成するDTCS Na(N-(Dithocarboxy)sarcosine, disodiumsalt, dihydrate)の鉄錯体やMGD(N-(Dithocarbamoyl)-N-metyl-D-glucamine, disodium salt)の鉄錯体等が用いられる。
ホスト化合物としては、例えば、バリノマイシン,モネンシン,ラサロシド,サリノマイシン等のイオノフォア抗生物質、シクロデキストリン、カリックスアレーン等のゲストと包接化合物を形成する各種ホスト化合物、ビオチン分子と選択的に結合するアビジン等の抗体蛋白質、DNAやRNAの塩基配列に補完的に水素結合するDNA断片、RNA断片ならびに糖鎖が用いられる。さらに構造中にマクロポアあるいはミクロポアを持つゼオライト類,アルミナ,チタニア,シリカ等の合成段階の前駆体溶液に、界面活性剤ミセルや有機微粒子を混入させ、過熱・固体化段階でこれを分解させ、その混入粒子のサイズによって微細孔を形成させる等の分子鋳型手法で調整した無機材料、活性炭類,カーボンナノチューブ類を用い、その分子篩効果を利用して細孔サイズ以下の分子のみを選択的に吸着させるホスト機能を有する材料でもよい。
酵素としては、アルコールオキシダーゼ,LDH,G−6−PDH,GOD,ウリカーゼ,カタラーゼ,ペルオキシダーゼ等の酸化還元酵素、GOT,GPT,CPK等の転移酵素、リパーゼ,アミラーゼ,キモトリプシン,トロンビン,ウレアーゼ,アルギナーゼ,コレステロールエステラーゼ等の加水分解酵素、アルドラーゼ等の分解酵素、ホスホヘキソースイソメラーゼ等の異性化酵素、アセチル−CoA−シンセターゼ等の合成酵素等を用いることができる。
抗体や抗原としては、例えば、梅毒センサ用のトレポネーマや擬似脂質抗原、血液型センサ用の血液型決定物質、抗免疫グロブリンG,A,M,E抗体、癌センサ用のAFP抗体等、ビオチン分子と選択的に結合するアビジン等の抗体蛋白質を用いることができる。
絶縁膜中に分散保持する感応物質は、感応物質が絶縁膜の有機溶剤に溶解しない物質(微粒子状態で絶縁膜中に分散)の場合は、絶縁膜の原料溶液中1〜50wt%の範囲が望ましい。感応物質が1wt%未満では、検体液の特定成分との相互作用の検出が困難になる不都合が生じ、50wt%を超えると絶縁膜の機械的強度が低下するため、いずれも好ましくない。
また、感応物質が絶縁膜の有機溶剤に溶解する物質(均一に絶縁膜中に分散)の場合は、絶縁膜の原料溶液中0.1〜25wt%の範囲が望ましい。感応物質が0.1wt%未満では、検体液の特定成分との相互作用の検出が困難になる不都合が生じ、25wt%を超えるとセンサの応答感度が低下し検体液中の特定成分の有無や濃度の検出が困難になる不都合が生じるため、いずれも好ましくない。
本発明の溶液成分センサは、検体液の特定成分の有無や濃度の検知、例えば、化学センサやバイオセンサ等として利用される。測定対象としては、例えば、Na,K,Ca,Mg,Al,Fe,Cl,NO2−,NO3−,SO4−,NH4+,PO4−等のイオン、グルコース等の糖、コレステロール,中性脂質等の脂質、フェニルアラニン,ロイシン等のアミノ酸、アルブミン等のタンパク質、インスリン,TSH等のホルモン、免疫グロブリン等の抗体、抗原、ビタミン、体内の代謝経路で生産される一酸化窒素(RNOS)、ヒドロキシラジカル,スーパーオキシド,過酸化脂質等に代表される活性酸素(ROS)類等の酸化ストレス物質等を挙げることができる。血液,リンパ液,尿,汗,唾液等の体液に含有されるこれらの成分の検知も行うことができる。
本発明の溶液成分センサは、電極対に接続され電極間の電圧変化又は電流変化を検出する検出部を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)電極対に接続された検出部を備えているので、電極間の電圧変化又は電流変化を簡便に検出することができ、その測定値に基づいて直ちに検体液中の特定の成分濃度を求めることができる。
ここで、検出部としては、電極間に生じる微小電流値あるいは電圧値を測定可能な種々の測定装置を用いることができ、例えば、電位差計、電流計、電圧計などの機能を有したテスターあるいはデジタルマルチメータ等の測定装置、ホイーストンブリッジ回路が組み込まれた測定装置、前記機能を有するデータロガー装置等を用いることができる。また、A/Dコンバータ等に直接組み込んで、電流あるいは電圧変化をアナログ信号からデジタル信号に変換して測定してもよい。電極対から得られる信号は測定装置にて直接測定できるが、増幅回路等で増幅してから測定したりノイズフィルターを通して信号処理したりすることができ、データの信頼性を高めることができる。
また、本発明の溶液成分センサは、検出部が検出した検出データに基づいて検体液に含まれる特定の成分の量を検知して生理状態を判定する判定部を備えた構成を有していると、以下のような作用が得られるため望ましい。
(1)検出部が検出した検出データに基づいて検体液に含まれる特定の成分の量を検知して生理状態を判定する判定部を有するので、短時間で即座に検体液を提出した被験者の生理状態を知ることができ、取扱い性に優れる。
ここで、判定部に予め特定の成分の濃度と電圧値若しくは電流値との関係を記憶させておき、その標準データと検出データ(測定データ)を比較することにより、確実かつ迅速な判定を行うことができる。
また、記憶部を設けて検出データを継続的或いは定期的に記憶させておくことにより、被験者の生理状態の変化や進行を管理することができ汎用性に優れる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の溶液成分センサであって、前記絶縁膜が、有機薄膜層で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)絶縁膜が、有機薄膜層で形成されていることにより、検体液を滴下或は塗布する等して接触させると界面に電荷の分離が生じ、溶液側と絶縁膜側は極性の異なる電荷で等しい電荷数で帯電状態になる。その結果、絶縁膜が誘電分極し、電極間と接している絶縁膜内側にも電荷が生じる。この電荷の量は感応物質と相互作用する検体液の特定の成分の濃度に依存するので、電極間に電圧を負荷するか電流を流すと、電極間の電流値や電圧値に変化が生じるが、有機薄膜表面には高分子末端あるいは分岐末端の化学構造に由来する各種官能基(カルボキシル基、ケトン基、水酸基、アミノ基、エーテル基等)ならびに極性基(フッ素、塩素、臭素等)が存在するため、この分極現象が大きく、検出感度を向上させることができる。
ここで、絶縁膜としては前述のフルオロオレフィンビニルエーテル重合体やノボラック系フェノール樹脂等が好適に用いられる。
尚、検体液中の化学種によっては、有機薄膜表面の各種官能基と特異的な分極を生じる。そのため応答感度の高い溶液成分センサの作製が可能となる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の溶液成分センサであって、前記感応物質が、錯体形成化合物、ホスト化合物、酵素、抗体、抗原の内のいずれか1種以上である構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)感応物質が、錯体形成化合物、ホスト化合物、酵素、抗体、抗原の内のいずれか1種以上のため、検体液中の検知対象に応じて選択することにより、種々の特定成分を検知することができ自在性に優れる。
錯体形成化合物、ホスト化合物、酵素、抗体、抗原としては、前述しているので、ここでは説明を省略する。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の溶液成分センサであって、前記感応物質が、多孔体に担持され前記絶縁膜に分散保持された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)感応物質が多孔体に担持され絶縁膜に分散保持されているので、感応物質を多孔体に担持させることができればどのような感応物質でも絶縁膜に分散保持させることができ自在性に優れ、さらに検体液の成分を繰り返し測定しても絶縁膜内の感応物質が溶出し難いため、絶縁膜の感度を持続させ耐久性を高めることができるとともに検出再現性に優れる。感応物質を多孔体に担持させない場合は、絶縁膜の原料となる有機剤に感応物質を混合して分散させるのだが、感応物質が水溶性の場合などは、感応物質が有機剤中で凝集したり沈殿が生じたりするような場合があり、絶縁膜に均一に分散保持させることができないという問題が生じるからである。また、感応物質を絶縁膜中に分散保持させることができたとしても、感応物質が水溶性の場合は、測定時に感応物質が検体液に溶出してしまう不都合が生じ、繰り返し測定を行うと絶縁膜の感度が経時的に著しく低下するという問題が生じるからである。
ここで、多孔体としては、シリカゲル,チタニア,アルミナ,硫化カドミウム,酸化鉛等の無機多孔質担体あるいは微粒子担体、ゼオライト,モンモリロナイト等の合成あるいは天然鉱物粒子、カーボンブラック,活性炭,炭素繊維,カーボンナノチューブ,フラーレン等の炭素材料を主成分とした多孔質担体あるいは微粒子担体、金,銀,銅,白金,パラジウム,鉄,コバルト,ニッケル等の金属微粒子あるいはコロイド分散液、ポリスチレン,ポリプロピレン,ポリエチレン,木材,紙,布等の有機高分子材料からなる多孔質担体あるいは微粒子担体等の吸着媒が用いられる。
多孔体は、平均粒径が1〜30μmのものが好適に用いられる。多孔体の平均粒径が1μmより小さくなると凝集し易く取扱性に欠け、30μmより大きくなると膜厚の薄い絶縁膜に保持するのが困難になり脱落し易くなるからである。
多孔体の添加量は、絶縁膜の原料溶液に対して1〜50wt%の範囲が望ましい。1wt%未満では検体液の特定成分との相互作用の検出が困難になる不都合が生じ、50wt%を超えると絶縁膜の機械的強度が低下するため、いずれも好ましくない。
感応物質を多孔体に担持させるには、感応物質を水やエタノール等の適当な溶媒に溶解させ、これに多孔体を混合し含浸させればよい。多孔体の表面に感応物質を物理吸着させることができるし化学吸着させてもよい。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の溶液成分センサであって、前記多孔体の細孔の表面が化学修飾された構成を有している。
この構成により、請求項4の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)細孔の表面が化学修飾された多孔体に感応物質を共有結合等によって担持させることにより多孔体の担持能を高め、絶縁膜を検体液等に接触させたときに多孔体から感応物質を溶出し難くすることができる。このため、検体液の成分を繰り返し測定しても絶縁膜内の感応物質が減少し難いため、絶縁膜の感度を持続させ耐久性を高めることができる。
(2)多孔体に担持された感応物質に加え、表面が化学修飾された細孔によって、検体液中の成分との相互作用(例えば水素結合相互作用や静電相互作用)を利用し絶縁膜の分極現象を大きくすることができ、検出感度をさらに向上させることができる。
ここで、多孔体の細孔の表面はアミノ基,カルボキシル基,水酸基,ケトン基,アセチル基,炭化水素鎖等の官能基や、アミド化,スルホン化,ニトリル化,エステル化,トリメチルシリル化,オクチル化,オクタデシル化,アミノプロピル化,シアノプロピル化等により化学修飾することができるが、これらに限定されるものではない。検体液中の対象成分や多孔体の種類に応じて適宜選択することができる。
化学修飾する方法としては、多孔体をテトラクロロエタン中で硫酸と反応させることによりスルホン化する方法、ブチルアミンやプロピルアミン等を用いて脱水トルエン中でアミド化する方法、塩化バレロイル等を用い脱水トルエン中でエステル化する方法、酸処理或いはアルカリ処理する方法、多孔体表面に金,白金,ニッケル等の金属を析出,鍍金,化学蒸着あるいはスパッタリング等の方法でコーティングさせ、これにチオールあるいはニトリロ三酢酸(NTA)等の誘導体を溶解させた溶液に含浸させて金属表面に化学吸着あるいは錯体を形成する性質を利用して分子を配向させる自己組織化膜法等を用いることができる。
細孔の表面が化学修飾された多孔体に感応物質を担持させるには、感応物質を水やエタノール等の適当な溶媒に溶解させ、これに多孔体を混合し含浸させればよい。
以上のような本発明の溶液成分センサによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)電極の表面及び電極間の基板の表面が感応物質を分散保持した絶縁膜で被覆されていることにより、絶縁膜上に滴下した微量の検体液中に含まれる特定の成分が、絶縁膜の表面の感応物質と相互作用する場合、特定の成分の有無や量に応じて電極間の電位に変化が生ずるため、これを検出することで、複数成分が混合した検体液中の特定成分の有無等を短時間で精度よく検知することができる選択性に優れた溶液成分センサを提供できる。
(2)絶縁膜に形成される電気二重層の電荷の量が感応物質と相互作用する検体液の特定の成分の濃度に大きく依存し電気的に検知できるので、1〜10μLの極微量な検体液で測定を行うことができ、測定前に特別な前処理等を行う必要もないので、検体液の採取や取り扱いが容易で作業性に優れた溶液成分センサを提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)有機薄膜層で形成された絶縁膜を有することにより、絶縁膜と検体液の界面で生じる分極現象が大きくなり帯電量が増加するため、電極間の電流値や電圧値の変化を精度よく検出することが可能となり、また検体液中の化学種によっては、有機薄膜表面の各種官能基と特異的な分極を生じるため、応答感度の高い信頼性に優れた溶液成分センサを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)感応物質が、錯体形成化合物、ホスト化合物、酵素、抗体、抗原の内のいずれか1種以上のため、検体液中の検知対象に応じて選択することにより、種々の特定成分を検知することができ自在性に優れた溶液成分センサを提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)感応物質が多孔体に担持され絶縁膜に分散保持されているので、感応物質を多孔体に担持させることができればどのような感応物質でも絶縁膜に分散保持させることができ自在性に優れ、さらに検体液の成分を繰り返し測定しても絶縁膜内の感応物質が溶出し難いため、絶縁膜の感度を持続させ耐久性に優れるとともに検出再現性に優れた溶液成分センサを提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)細孔の表面が化学修飾された多孔体に感応物質を担持させることにより多孔体の担持能を高め、絶縁膜を検体液等に接触させたときに多孔体から感応物質を溶出し難くすることができる。このため、検体液の成分を繰り返し測定しても絶縁膜内の感応物質が減少し難いため、絶縁膜の感度を持続させ耐久性に優れた溶液成分センサを提供できる。
(2)多孔体に担持された感応物質に加え、表面が化学修飾された細孔によって、検体液中の成分との相互作用を利用し絶縁膜の分極現象を大きくすることができ、検出感度をさらに向上させることができる溶液成分センサを提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は実施の形態1における溶液成分センサを示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視断面模式図である。
図1中、1は本発明の実施の形態1における溶液成分センサ、2は各種の合成樹脂、ガラス、セラミックスなどで形成した溶液成分センサ1の基板、3は基板2の上面に略半円形状の2つの電極4が辺部4a同士で対向するように離間して配置された溶液成分センサ1の電極対、4bは各々の電極4の円弧状の側部に延設された電極対3の端子部、5は電極対3を含んで基板2の全面を被覆したフルオロオレフィンビニルエーテル重合体やノボラック系樹脂などの絶縁膜、5aは絶縁膜5に分散保持された錯体形成化合物,ホスト化合物,酵素,抗体,抗原等の感応物質、6は端子部4bで電極対3に電気的に接続され、電極4間の電圧値や電流値等を検出するデジタルマルチメータなどの検出部、7は検出部6に接続され検出部6が検出した検出データに基づいて検体液に含まれる特定の成分の量を検知して特定の成分の有無や濃度を判定する判定部である。
図1において、基板2の材質は、本実施の形態に限定されるものではなく、分析する検体液によって侵されず、基板2上に電極対3及び絶縁膜5を形成することができ、電極対3を電気的に絶縁できるものであればよい。特にガラス等の透明な材質を用いた場合は、顕微鏡などによる検体液の観察も行うことができ汎用性に優れる。また、基板2の形状は、矩形状以外に多角形状、円盤状などの種々な形状に形成することができる。
本実施の形態では、基板2にCrを蒸着した上からAuの電極4を形成することにより、Crをバインダとして電極4と基板2の密着性を向上させている。
対向する2つの電極4の辺部4a間の間隔は、検体液や電極4の種類などにもよるが、1μm〜10mmの範囲に形成した。辺部4a間の間隔が1μmより狭くなるにつれ、検体液中の特定の成分の濃度に対する電流値等の電気特性の相関が小さくなり、応答感度が低下し易くなる傾向があり、間隔が10mmより長くなるにつれ、検出感度が低下し易くなり、データの再現性に欠ける傾向があることがわかったためである。
尚、説明の都合上、一対の電極対3のみを図示したが、基板2上には1乃至複数の電極対3を形成することがき、その配置は任意に選択することができる。また、電極対の各々の電極の形状は限定されるものではないが、三角形状、矩形状、半円形状等に形成することができる。尚、電極対は非対称であっても、大きさが異なっていてもよく、辺部同士が対向するように配置される。また、本実施の形態では各々の電極4の側部から延設された2本の端子部4bを略L字型に形成し、基板2の一端部から取り出したが、これに限定されるものではなく、端子部4bの取り出し位置や取り出し方向は任意に選択することができる。また、基板2の表面に複数の電極対3を形成し、被覆する絶縁膜5に保持させた感応物質の種類を電極対3毎に異ならせておくこともできる。これにより、1枚の基板2で複数種の溶液成分を検知することができるため好ましい。
本実施の形態では、基板2の全面を絶縁膜5で被覆したが、絶縁膜5は少なくとも電極4の表面を被覆していればよい。
絶縁膜5の膜厚は材質によって異なるが、検体液と電極対3の間を確実に絶縁でき、センサとしての応答性を保つことができる範囲で選択する必要がある。絶縁膜5の膜厚が薄くなるにつれ、絶縁膜5の効果が不十分となりセンサの感度が低下する傾向があり、厚くなるにつれ、検体液中の特定の成分濃度が変化しても電圧値や電流値に変化が見られなくなりセンサの応答性が低下する傾向があることがわかったためである。例えば、フルオロオレフィンビニルエーテル重合体(分子量分布100〜1000) やノボラック系フェノール樹脂(分子量分布1000〜10000)であれば、0.2μm〜0.8μmが好ましい。
以下、実施の形態1における溶液成分センサの製造方法の一例を説明する。
有機溶剤にエポキシ樹脂,フェノール樹脂等を主成分とするマトリックス材料を溶解して調製した有機剤に、錯体形成化合物,ホスト化合物,酵素,抗体,抗原等の感応物質5aを溶解又は分散させた原料溶液を調製する。この原料溶液を、電極対3が形成された基板2の上にスピンコート等によって薄く塗布し、乾燥することによって溶液成分センサ1を製造できる。
次に、溶液成分センサの動作原理について説明する。
図2は実施の形態1における溶液成分センサの使用状態を示す断面模式図である。
図2中、10は電極対3上の絶縁膜5に滴下した血液,リンパ液,細胞質基質等の検体液である。
絶縁膜5の表面に検体液10を滴下或いは塗布する等して接触させると、絶縁膜5と検体液10の界面に電荷の分離が生じ、電気二重層を形成し、検体液10側と絶縁膜5側は等しい数の極性の異なる電荷で帯電状態になる。その結果、絶縁膜5が誘電分極し、電極4と接している絶縁膜5内側にも電荷が生じる。この電荷の量は絶縁膜5の表面に露出した感応物質5aと相互作用する検体液10の特定の成分の濃度に依存するので、電極4間に電圧を負荷するか電流を流すと、電極4間の電流値や電圧値に変化が生じる。これを検出部6で検出する。
判定部7に予め特定の成分の濃度と電圧値若しくは電流値との関係を記憶させておき、その標準データと検出データ(測定データ)を比較することにより、検体液10の特定の成分の有無や濃度を短時間で特定することができる。また、判定部7に記憶部を設けて検出データを継続的或いは定期的に記憶させておくことにより、検体液10として血液,リンパ液等の体液を含む場合は、検体液提供者の生理状態の変化や疾病の進行等を管理することができ汎用性に優れる。
実施の形態1の溶液成分センサは以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(1)電極4の表面及び電極4間の基板2の表面が感応物質5aを分散保持した絶縁膜5で被覆されていることにより、絶縁膜5上に滴下した微量の検体液10中に含まれる特定の成分が、絶縁膜5の表面の感応物質5aと相互作用する場合、特定の成分の有無や量に応じて電極4間の電位に変化が生じるため、これを検出することで、複数成分が混合した検体液10中の特定成分の有無等を短時間で精度よく検知することができる。
(2)電極4の表面が絶縁膜5で被覆されていることにより、電極4の表面を化学的に安定させると共に、機械的強度を高めることができ、耐久性に優れ化学センサとして再現性よく繰り返し使用が可能で省資源性に優れる。
(3)構造が簡単な電極対3を半導体作製技術によって基板2上に高密度に集積させることができ、小型化が容易で量産性に優れ、電気回路や半導体集積回路などに容易に組み込むことができ、検出した化学的な情報を電気信号として短時間で処理することができ、高度で複雑な分析が可能な検知システムを構築することもできる。
(4)電極4の表面が絶縁膜5で被覆されていることにより、絶縁膜5上に検体液10を滴下或いは塗布するだけで、絶縁膜5と検体液10の界面に電荷の分離を生じ電気二重層が形成される。電気二重層の電荷の量は、感応物質5aと相互作用する検体液10の特定の成分の濃度に大きく依存し電気的に検知できるので、1〜10μLの極微量な検体液10で測定を行うことができ、測定前に特別な前処理等を行う必要もないので、検体液10の採取や取り扱いが容易で作業性に優れる。
(5)絶縁膜5上に検体液10を滴下或は塗布する等して接触させると、絶縁膜5と検体液10の界面に電荷の分離が生じるが、絶縁膜5を形成する有機薄膜層の表面には高分子末端あるいは分岐末端の化学構造に由来する各種官能基(カルボキシル基、ケトン基、水酸基、アミノ基、エーテル基等)ならびに極性基(フッ素、塩素、臭素等)が存在するため、この分極現象が大きく、溶液成分センサ1の応答性を向上させることができる。また検体液10中の化学種によっては、有機薄膜表面の各種官能基と特異的な分極を生じるため、応答感度の高い溶液成分センサ1の作製が可能となる。
(6)電極対3に接続された検出部6を備えているので、電極4間の電圧変化又は電流変化を簡便に検出することができ、その測定値に基づいて直ちに検体液10中の特定の成分濃度を求めることができる。
(7)検出部6が検出した検出データに基づいて検体液10に含まれる特定の成分の量を検知して成分の有無や濃度を判定する判定部7を有するので、短時間で即座に検体液10を提出した検体液提供者の生理状態を知ることもでき取扱性に優れる。
(実施の形態2)
図3は実施の形態2における溶液成分センサの断面模式図である。なお、実施の形態1における溶液成分センサと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1aは実施の形態2における溶液成分センサ、5bは絶縁膜5に分散保持され錯体形成化合物,ホスト化合物,酵素,抗体,抗原等の感応物質を担持したシリカゲル,活性炭,ゼオライト等の多孔体である。
なお、本実施の形態においては、平均粒径1〜30μmの多孔体を用いている。
以下、実施の形態2における溶液成分センサの製造方法の一例を説明する。
まず、錯体形成化合物,ホスト化合物,酵素,抗体,抗原等の感応物質を水やエタノール等の適当な溶媒に溶解させ、これに多孔体を混合し含浸させる。これを乾燥して感応物質を担持させた多孔体5bを製造する。
次に、有機溶剤にエポキシ樹脂,フェノール樹脂等を主成分とするマトリックス材料を溶解して調製した有機剤に、感応物質を担持させた多孔体5bを分散させて原料溶液を調製する。この原料溶液を、電極対3が形成された基板2の上にスピンコート等によって約0.5μmの厚さに塗布し乾燥することによって、絶縁膜5の表面に多孔体5bの一部が露出した実施の形態2における溶液成分センサ1aを製造できる。
実施の形態2における溶液成分センサの動作原理は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
以上のように構成された実施の形態2における溶液分析センサによれば、実施の形態1の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)感応物質が多孔体5bに担持され絶縁膜5に分散保持されているので、感応物質を多孔体5bに担持させることができればどのような感応物質でも絶縁膜5に分散保持させることができ自在性に優れる。
(2)細孔の表面を化学修飾した多孔体に感応物質を担持させ、該多孔体を絶縁膜5に分散保持させると、多孔体の担持能を高められるため絶縁膜を検体液等に接触させたときに多孔体から感応物質を溶出し難くすることができる。このため、検体液の成分を繰り返し測定しても絶縁膜内の感応物質が減少し難いため、絶縁膜の感度を持続させ耐久性を高めることができる。
(3)また、表面が化学修飾された細孔によって、多孔体に担持された感応物質に加え、検体液中の成分との相互作用(例えば水素結合相互作用や静電相互作用)を利用し絶縁膜の分極現象を大きくすることができ、検出感度をさらに向上させることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、実施の形態1で説明した溶液成分センサ1について、特定の成分の検出能力について実験を行った。
(実施例1)
溶液成分センサの基板は1mm厚のガラス基板とし、半円形状の電極を10μm離間させて対向配置した略円形状の電極対の幅は150μmとした。電極はスパッタリング法にてCr層0.1μm、Au層1μmを積層させ、フォトリソグラフィー法にてパターニングした。
次に、ノボラック系フェノール樹脂溶液(フジポジティブフォトレジスト:富士薬品工業)2mLに、10mg鉄−フタロシアニン錯体(Fe(II)フタロシアニン:和光純薬試薬)のアセトン分散液2mLを混合撹拌し原料溶液を調製した。この原料溶液を電極対の上に滴下しスピンコーティングした後、加熱乾燥し、厚さ0.5μmの絶縁膜で基板の全面を被覆した実施例1の溶液成分センサを製造した。鉄−フタロシアニン錯体は一酸化窒素と相互作用を有する感応物質である。
(比較例1)
実施例1と同じノボラック系フェノール樹脂溶液4mLを電極対の上に滴下しスピンコーティングして絶縁膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の溶液成分センサを製造した。
(検知機能の評価)
実施例1及び比較例1の溶液成分センサの絶縁膜(電極対の上)に検体液10μLを滴下し電極間の増幅電圧(検出電圧)を、全アナログ計測変換器(アズワン)を用いて測定した。なお、検体液は、10−5〜10−3mol/L亜硝酸ナトリウム(NaNO2)水溶液と同濃度(各々10−5〜10−3mol/L)の緩衝液(モル比でNa:K:Ca2+:Mg2+=150:5:2.5:1。血漿と同じ組成。)とを1:1の容積比で混合した混合溶液とした。比較のために、10−5〜10−3mol/Lの該緩衝液を滴下したときの増幅電圧も測定した。本来、検知機能の評価には一酸化窒素の溶解した水溶液を用いるのが理想的であるが、一酸化窒素は水中での溶解度が低いこと、さらに溶解した一酸化窒素は水中に溶解している酸素によって酸化され、水溶液中で亜硝酸イオン(NO )あるいは硝酸イオン(NO )の状態で存在することが知られている。そのため検知機能評価には濃度調製を確実に行うことができる硝酸塩類を用いて実施した。
図4は実施例1の溶液成分センサにおける検体液のNO イオンの濃度と検出電圧の関係を示す図であり、図5は比較例1の溶液成分センサにおける検体液のNO イオンの濃度と検出電圧の関係を示す図である。
これらの図から、比較例1の溶液分析センサは、濃度が10−5mol/LのときにNO イオン水溶液と緩衝液の検出電圧がほぼ同じため、NO イオンの有無を検知できないのに対し、実施例1の溶液分析センサは、濃度が10−5mol/LのときでもNO イオン水溶液と緩衝液の検出電圧が0.3Vも異なるため、NO イオンの有無を検知できることが明らかになった。
本実施例の溶液分析センサによれば、感応物質を分散保持した絶縁膜を有しているため、低濃度の対象成分でも検知することができることが明らかになった。また、血漿と同じ組成の緩衝液に溶解した低濃度のNO イオンを検知できるため、体液中の微量成分も検知できることが明らかになった。
(実施例2)
実施例2では、感応物質を多孔体に担持した溶液成分センサを製造した。
まず、硫酸第一鉄5mgを蒸留水0.1mLに溶解し硫酸第一鉄水溶液を作製した。これとは別に、DTCS Na(N-(Dithocarboxy)sarcosine, disodium salt, dihydrate)(同仁化学製)28mgを蒸留水0.5mLに溶解しDTCS Na水溶液を作製した。この硫酸第一鉄水溶液とDTCS Na水溶液とを混合し鉄−(DTCS)錯体溶液を得た。
次に、鉄−(DTCS)錯体溶液にシリカゲル(商品名HS、GLサイエンス社、平均粒径10μm)50mgを添加し90分間放置した後、沈殿物を遠心分離した。沈殿物に実施例1と同様のノボラック系フェノール樹脂溶液4mLを混合して原料溶液を得た。該原料溶液を実施例1と同様の基板に滴下して、スピンコーティングした後、加熱乾燥して厚さ0.5μmの絶縁膜で基板の全面を被覆した実施例2の溶液成分センサを製造した。
(比較例2)
シリカゲル(商品名HS、GLサイエンス社、平均粒径10μm)50mgを、実施例1と同様のノボラック系フェノール樹脂溶液4mLに混合して原料溶液を得た。該原料溶液を実施例1と同様の基板に滴下して、スピンコーティングした後、加熱乾燥して厚さ0.5μmの絶縁膜で基板の全面を被覆した比較例2の溶液成分センサを製造した。
(検知機能の評価)
実施例2及び比較例2の溶液成分センサの絶縁膜(電極対の上)に検体液10μLを滴下し電極間の増幅電圧(検出電圧)を測定した。なお、検体液は、10−5〜10−3mol/L亜硝酸ナトリウム(NaNO2)水溶液とした。
図6は実施例2及び比較例2の溶液成分センサにおけるNO イオンの濃度と検出電圧の関係を示す図である。
図6から、比較例2の溶液分析センサは濃度変化に対する検出電圧の差が小さいが、実施例2の溶液分析センサは濃度変化に対する検出電圧の差が大きく、高感度であることが明らかになった。
本実施例によれば、感応物質を担持させた多孔体を用いるので、適用できる感応物質の種類が多く自在性に優れるとともに高感度の溶液分析センサが得られることが明らかになった。
(実施例3)
実施例3では、感応物質としてクラウンエーテル誘導体を用いて溶液成分センサを製造した。
まず、Bis(12-crown-4)6mgをアセトン2mLに溶解し、これに実施例1と同様のノボラック系フェノール樹脂溶液2mLを混合して原料溶液を得た。該原料溶液4mLを実施例1と同様の基板に滴下して、スピンコーティングした後、加熱乾燥して厚さ0.5μmの絶縁膜で基板の全面を被覆した実施例3の溶液成分センサを製造した。Bis(12-crown-4)はNaイオノフォアである。
検体液として、10−4mol/LのKイオンが10−7〜10−2mol/LのNaイオンとともに共存する種々の水溶液、10−2mol/LのCaイオンが10−7〜10−2mol/LのNaイオンとともに共存する種々の水溶液、10−2mol/LのMgイオンが10−7〜10−2mol/LのNaイオンとともに共存する種々の水溶液を用いて、Naイオンの選択性について評価した。検出電圧の測定方法は、実施例1で説明したものと同じである。
図7はKイオンが共存する検体液のNaイオン濃度と検出電圧との関係を示す図であり、図8はCaイオンが共存する検体液のNaイオン濃度と検出電圧との関係を示す図であり、図9はMgイオンが共存する検体液のNaイオン濃度と検出電圧との関係を示す図である。
これらの図から、選択係数及び選択比を求めた。選択係数は文献(G. Eisenman:”Glass Electrodes for Hydrogenand Other Cations” Mercel Decker,New York(1967).)に示された以下の式にあてはめて求めた。
選択係数Kij=C/(C Zi/Zj)、選択比=1/Kij
ここで、Cは測定対象イオン濃度、Cは共存イオン濃度、Zは測定対象イオンのイオン価数、Zは共存イオンのイオン価数である。
なお、この式において測定対象イオン濃度Cは、グラフの低濃度側の変極点のイオン濃度をいう。
この結果、Kイオンが共存する検体液における選択比は2.70×10であり、Caイオンが共存する検体液における選択比は1.43×10であり、Mgイオンが共存する検体液における選択比は1.22×10であった。これらの値は、文献値とほぼ一致しており、Bis(12-crown-4)のNaイオン選択性を非常によく反映していることが確認された。
本実施例によれば、分散保持された感応物質の性質を反映した選択性に優れた溶液成分センサが得られることが明らかになった。
(実施例4)
実施例4では、細孔の表面を化学修飾(アミノプロピル化)した多孔体に感応物質を担持させた溶液成分センサを製造した。
硫酸第一鉄5mgを蒸留水0.1mLに溶解し硫酸第一鉄水溶液を作製した。これとは別に、DTCS Na(N-(Dithocarboxy)sarcosine, disodium salt, dihydrate)(同仁化学製)28mgを蒸留水0.5mLに溶解しDTCS Na水溶液を作製した。この硫酸第一鉄水溶液とDTCS Na水溶液とを混合し鉄−(DTCS)錯体溶液を得た。
次に、細孔表面がアミノプロピル化処理されたシリカゲル担体(商品名HyperSil、GLサイエンス社、平均粒径10μm)50mgを鉄−(DTCS)錯体溶液に該シリカゲル担体を添加し90分間放置した後、沈殿物を遠心分離した。沈殿物に実施例1と同様のノボラック系フェノール樹脂溶液4mLを混合して原料溶液を得た。該原料溶液を実施例1と同様の基板に滴下して、スピンコーティングした後、加熱乾燥して厚さ0.5μmの絶縁膜で基板の全面を被覆した実施例4の溶液成分センサを製造した。
(検知機能の評価)
実施例2、実施例4及び比較例2の溶液成分センサの絶縁膜(電極対の上)に検体液
10μLを滴下し電極間の増幅電圧(検出電圧)を測定した。なお、検体液は、(1)1×10−6〜5×10−4mol/L亜硝酸ナトリウム(NaNO)水溶液、(2)1×10−6〜5×10−4mol/L亜硝酸ナトリウム水溶液と同濃度(各々1×10−6〜5×10−4mol/L)の緩衝液(モル比でNa:K:Ca2+:Mg2+=150:5:2.5:1。血漿と同じ組成。)とを1:1の容積比で混合した混合溶液とした。1×10−6〜5×10−4mol/Lの該緩衝液を滴下したときの増幅電圧も比較のために測定した。
図10は実施例2の溶液成分センサにおける検体液の濃度と検出電圧の関係を示す図であり、図11は実施例4の溶液成分センサにおける検体液の濃度と検出電圧の関係を示す図であり、図12は比較例2の溶液成分センサにおける検体液の濃度と検出電圧の関係を示す図である。
図12から、比較例2の溶液分析センサでは、緩衝液(NO イオンを含まない)の検出電圧が混合溶液(NO イオンを含む)の検出電圧を上回っておりNO イオン以外の物質(NaやKaイオン)と優先的に応答している。そのため、混合溶液中ではNO イオンの濃度を識別できないことが確認された。この傾向はNO イオン濃度が低くなると顕著であった。
これに対し、図10に示す実施例2の溶液分析センサでは、混合溶液(NO イオンを含む)の検出電圧が緩衝液(NO イオンを含まない)の検出電圧を上回っており、NO イオンを優先的に識別できることが確認された。
また、図11に示す実施例4の溶液分析センサも、混合溶液(NO イオンを含む)の検出電圧が緩衝液(NO イオン含まない)の検出電圧を上回っており、NO イオンを優先的に識別している。さらにNO イオンの濃度との間で一定の強い正の相関がみられているため、混合溶液中でもNO イオンの濃度を顕著に識別できることが確認された。
また、同一の溶液分析センサに検体液を滴下し直し、何度も繰り返し検出電圧を測定すると、絶縁膜に分散保持された感応物質が溶出し検出電圧が小さくなる傾向がみられるが、実施例4の溶液分析センサは、実施例2の溶液分析センサと比較してこの傾向が現れ難いことがわかった。これは、細孔の表面を化学修飾した多孔体に感応物質を担持させ該多孔体を絶縁膜に分散保持させると、多孔体の担持能を高め、絶縁膜を検体液等に接触させたときに多孔体から感応物質を溶出し難くすることができるためであると推察される。これにより、溶液分析センサの耐久性並びに検出再現性を高めることができる。
なお、細孔の表面をトリメチルシリル化、オクチル化、オクタデシル化、シアノプロピル化した多孔体(シリカゲル)を作製し感応物質を担持させ製造した溶液分析センサについても同様の実験を行ったところ、同様の結果が得られた。
また、同様の方法で酵素や抗体,抗原を担持させた多孔体(シリカゲル)を作製し、これを用いた溶液分析センサを製造し、糖やタンパク質,抗原等を含有した検体液を使って同様の実験を行ったところ、これらについても検体液中の濃度と検出電圧との間に相関がみられた。これにより、イオンだけでなく、糖,脂質,抗体,抗原等の特定成分の有無や濃度も検知できることが明らかである。
本発明は、検体液中のイオン、糖、脂質、抗体、抗原等の特定成分の有無や濃度を検知することのできる溶液成分センサに関し、構造が簡単でシステム全体を小型化することができ、半導体製造技術を利用して製造することができ量産性に優れ、繰り返し使用することが可能で省資源性に優れ、検体液中に含まれる1ppm程度の極微量の特定成分を極短時間で精度よく検知可能な信頼性、作業性に優れる溶液成分センサを提供できる。これにより、
(a)実施の形態1における溶液成分センサを示す平面図 (b)図1(a)のA−A線矢視断面模式図 実施の形態1における溶液成分センサの使用状態を示す断面模式図 実施の形態2における溶液成分センサの断面模式図 実施例1の溶液成分センサにおける検体液の亜硝酸イオン(NO )水溶液の濃度と検出電圧の関係を示す図 比較例1の溶液成分センサにおける検体液のNO イオン濃度と検出電圧の関係を示す図 実施例2及び比較例2の溶液成分センサにおけるNO イオン濃度と検出電圧の関係を示す図 Kイオンが共存する検体液のNaイオン濃度と検出電圧との関係を示す図 Caイオンが共存する検体液のNaイオン濃度と検出電圧との関係を示す図 Mgイオンが共存する検体液のNaイオン濃度と検出電圧との関係を示す図 実施例2の溶液成分センサにおける検体液の濃度と検出電圧の関係を示す図 実施例4の溶液成分センサにおける検体液の濃度と検出電圧の関係を示す図 比較例2の溶液成分センサにおける検体液の濃度と検出電圧の関係を示す図
符号の説明
1,1a 溶液成分センサ
2 基板
3 電極対
4 電極
4a 辺部
4b 端子部
5 絶縁膜
5a 感応物質
5b 多孔体
6 検出部
7 判定部
10 検体液

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置された電極対と、前記電極対の表面及び前記電極対間の前記基板の表面を被覆し感応物質を分散保持した絶縁膜と、を備えていることを特徴とする液体成分センサ。
  2. 前記絶縁膜が、有機薄膜層で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体成分センサ。
  3. 前記感応物質が、錯体形成化合物、ホスト化合物、酵素、抗体、抗原の内のいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体成分センサ。
  4. 前記感応物質が、多孔体に担持され前記絶縁膜に分散保持されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の液体成分センサ。
  5. 前記多孔体の細孔の表面が化学修飾されていることを特徴とする請求項4に記載の液体成分センサ。
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