JP2008133981A - 溶融スラグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備の簡素化と処理費用の低廉化をはかりながら、溶融スラグのSiO濃度を増加させること。
【解決手段】本発明は、廃棄物を熱分解して生じる熱分解ガスと熱分解残渣の燃焼成分とを燃焼溶融炉に導いて燃焼させるとともに溶融した不燃成分を冷却固化させる溶融スラグの製造方法であって、燃焼溶融炉に粉砕ガラスを添加して、熱分解ガスと燃焼成分とを1200℃〜1350℃の温度範囲で燃焼させることを特徴としている。これにより、粉砕ガラスは、燃焼溶融炉において不燃成分が溶融する通常の加熱温度の範囲で容易に溶融されるため、既設の燃焼溶融炉に粉砕ガラスを添加するだけで、溶融スラグのSiO濃度を増加させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、溶融スラグの製造方法に関し、特に、溶融スラグの品質を改善する技術に関する。
近年、廃棄物の処理については、ダイオキシン類の低減や廃棄物の減容化などを目指した溶融処理が普及している。例えば、廃棄物を熱分解して熱分解残渣と熱分解ガスを生じさせ、熱分解残渣のうち燃焼成分(以下、チャーともいう。)を熱分解ガスとともにガス化溶融炉に導いて燃焼させ、溶融した不燃成分(灰分)を冷却固化させて溶融スラグを得る方法が知られている。この処理によって得られる溶融スラグは建材資材や舗装用資材などの骨材として有効利用され、これにより最終埋立て処分場の延命化が可能となる。
このような溶融スラグの安全性を担保して有効利用を促進するため、環境省告示第46号(環告46号)の試験方法による重金属類の溶出量基準がJISにより制定されている。
一方、さらなる安全性を確保するため、土壌汚染対策法において環境省告示第19号(環告19号)の試験方法による重金属類の含有量基準がJISにより制定されている。この含有量基準は、スラグに含まれる全含有量を示すものではなく、スラグが人の口から直接摂取され、重金属類が胃酸により溶け出し、体内に吸収されることを想定した試験方法により定められている。
具体的に、含有量とは、塩酸などで抽出可能な量を示すもので、その試験方法は、溶媒に対して溶融スラグの重量比が3%になるように1N(規定)の塩酸を加え、毎分約200回で2時間振とうし、ろ過した検液中の濃度を測定することにより求められる(この方法による含有量を「環告19号法による含有量」ともいう。)。
廃棄物の溶融スラグにおいては、特に、環告19号法による鉛の含有量(含有量基準:150mg/kg以下)が問題となる。例えば、シャフト炉型のガス化溶融炉の場合、約1600℃で灰分が溶融されるため、この灰分に含まれる鉛成分はガス側に揮散し、結果として溶融スラグ中には殆ど残らないのに対し、燃焼溶融炉(例えば、熱分解ドラムと組み合わせたキルン型のガス化溶融炉、流動床炉で熱分解させる流動床型のガス化溶融炉)の場合、約1300℃で灰分が溶融されるため、鉛成分がスラグ中に残る割合が多くなる。
これに対し、燃焼溶融炉から排出された溶融状態のスラグに、珪砂などを添加してさらに高温(例えば、1400℃以上)で加熱し、冷却後の溶融スラグの二酸化珪素(SiO)濃度を上昇させることにより、スラグの耐酸性を向上させる技術が開示されている(特許文献1参照。)。このように、溶融スラグのSiO濃度を高くすることにより、SiOの結晶構造が緻密化されるため、鉛成分の溶出を抑える効果がある。
特開2006−132898号公報
しかしながら、特許文献1のように、珪砂などのSiO結晶物を溶融させるには、燃焼溶融炉における燃焼温度(例えば、1200℃〜1350℃)よりも高温(例えば、1400℃以上)で加熱する必要があるのに対し、燃焼溶融炉は、炉内壁の耐熱性を高くすることが困難であるから、最高1350℃程度に抑えなければならない。このため、特許文献1によれば、高温の加熱設備が必要となり、設備の複雑化と、電力等の処理費用の増加を招くという問題がある。
本発明は、設備の簡素化と処理費用の低廉化をはかりながら、溶融スラグのSiO濃度を増加させることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、廃棄物を熱分解して生じる熱分解ガスと熱分解残渣の燃焼成分とを燃焼溶融炉に導いて燃焼させるとともに溶融した不燃成分を冷却固化させる溶融スラグの製造方法であって、燃焼溶融炉に粉砕ガラスを添加して、熱分解ガスと燃焼成分とを1200℃〜1350℃の温度範囲で燃焼させることを特徴とする。
すなわち、本発明では、溶融スラグのSiO濃度を高めるものとして、粉砕ガラスを用いるようにしている。この粉砕ガラスは、例えばソーダ石灰ガラスなどからなり、約70%の二酸化珪素(SiO)に加えて、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化鉄(Fe)、酸化カリウム(KO)などが所定の比率で含まれている点で、例えば、珪砂(約90%以上がSiO)と異なる。
このように、粉砕ガラスは、珪砂などのSiO結晶物と異なり、燃焼溶融炉において不燃成分が溶融する温度、つまり1200℃〜1350℃の通常の加熱温度の範囲で容易に溶融される。したがって、既設の燃焼溶融炉に粉砕ガラスを添加するだけで、溶融スラグのSiO濃度を増加できるため、設備の簡素化と処理費用の低廉化をはかることができる。
この場合において、粉砕ガラスとしては、例えば、ごみ焼却場のリサイクル工場などから回収される瓶、廃棄物として処理される破損瓶、板ガラスなどの廃ガラス、その他ガラス材を粉状、粒状に粉砕したものを意味し、例えば、平均粒径が10μm乃至1mmのガラスとして用いることが好ましい。このように細かく粉砕した粉砕ガラスを燃焼溶融炉に添加すれば、ガラスが溶融スラグ全体に分散しやすくなり、スラグ中のSiO濃度が均一になりやすい。なお、粉砕ガラスには、鉛成分を含むクリスタルガラスなどが混入しないように、予め分別しておくことが好ましい。
また、上記の方法に代えて、燃焼成分に廃ガラスを添加して粉砕し、この粉砕された燃焼成分と廃ガラスとを燃焼溶融炉に導いて1200℃〜1350℃の温度範囲で燃焼させるようにしてもよい。このように、燃焼成分と廃ガラスを同時に粉砕することにより、不燃成分とSiOの混合が促進されるため、溶融スラグにおけるSiOの結晶が均一化され、スラグ品質を向上させることができる。
また、溶融スラグのSiO濃度は、好ましくは45重量%以上、より好ましくは50重量%以上とすることにより、スラグ中のSiOの結晶格子が十分に緻密化されるため、Si−O−Siの結晶構造の骨格が強化され、鉛の溶出を十分に抑えることができる。
本発明によれば、設備の簡素化と処理費用の低廉化をはかりながら、溶融スラグのSiO濃度を増加させることができる。
以下、本発明の第1の実施形態の溶融スラグの製造方法について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の溶融スラグの製造方法に用いる燃焼溶融炉の一例を拡大して示す図である。図2は、本発明の溶融スラグの製造方法の手順を示すフロー図である。
本実施形態の溶融スラグの製造方法は、粉砕した廃ガラスを燃焼溶融炉に添加して、熱分解残渣とともに溶融させることにより、溶融スラグのSiO濃度を増加させることを特徴としている。ここで、廃ガラスとは、ごみ焼却場のリサイクル工場などから回収される瓶、廃棄物として処理される破損瓶や板ガラス、その他ガラス材などをいう。この廃ガラスは、例えば、平均粒径が10μm〜1mmとなるように粉状、粒状に粉砕された粉砕ガラスとして、炉内に添加するようにしている。
本発明の溶融スラグを製造する方法としては、図2に示すように、例えば回転ドラム式や流動層式などの周知の方法で廃棄物を低酸素雰囲気で加熱して熱分解し、熱分解残渣と熱分解ガスを生じさせる熱分解工程21と、熱分解残渣から鉄類を分別して回収する鉄回収工程23と、鉄類が除去された熱分解残渣からアルミなどを分別して回収するアルミ回収工程25と、アルミなどが除去された熱分解残渣(燃焼成分、例えばチャー)に廃ガラスを添加して粉砕する粉砕工程27と、この粉砕された粉砕物を貯留槽に貯留する貯留工程29とから構成される。
貯留槽に貯留された粉砕物、つまり燃焼成分と粉砕された廃ガラスの混合物は、適宜、燃焼溶融炉1に切り出されるようになっている。また、燃焼溶融炉1には、熱分解工程21で生成された熱分解ガスが供給されるようになっている。
図1において、燃焼溶融炉1は縦型円筒状に形成され、図示していないキルン型熱分解反応器(熱分解ドラムともいう。)から熱分解ガス及び熱分解残渣中の燃焼成分が、頂部に設けられたバーナ3に供給されるようになっている。また、バーナ3には、燃焼用空気が供給されるようになっている。燃焼溶融炉1の底部には、燃焼排ガスを抜き出す煙道5が炉底部に連通されており、この煙道5は、鉛直方向に立ち上げて設けられ、図示しない排気工程に連結されている。煙道5内には、図示しない熱回収ボイラなどを配置することができる。
一方、煙道5と燃焼溶融炉1の連通部の炉底部7には、溶融スラグを排出するスラグ排出口9が設けられている。燃焼溶融炉1、煙道5、炉底部7およびスラグ排出口9の内壁は、耐熱材で被覆されている。スラグ排出口9は、図示されていない水槽に連結されており、水槽の底部には、例えばベルトコンベアなどの周知のスラグ排出装置が設けられている。
バーナ3には、図示しない廃ガラス供給設備が、導入口11を介して接続されており、この導入口11を通じて、粉砕ガラスは燃焼成分及び熱分解ガスとともに、燃焼溶融炉1に供給されるようになっている。
本実施形態では、粉砕ガラスと燃焼成分と熱分解ガスとが共通の導入口11を通じて燃焼溶融炉1内に供給されるようになっているが、これに限られるものではなく、それぞれが単独で供給されるように別々の導入口が設けられていてもよい。また、図に示すように、バーナ3の下方に、燃焼成分と粉砕ガラスを導入する導入口、粉砕ガラスを単独で導入する導入口がそれぞれ設けられていてもよい。
廃ガラス供給設備は、例えば、廃ガラスを貯留する容器と、この容器から廃ガラスを払い出す払出機などを備えて構成される。この廃ガラス供給設備は、例えば、廃ガラスを予め所定の大きさに粉砕して容器に蓄えておき、この廃ガラスを粉砕工程27に適宜供給するようにしてもよい。また、一般に市販されるガラスカレットを容器に蓄えておき、このガラスカレットを粉砕工程27に供給するようにしてもよい。ここで、廃ガラスには、鉛成分を多く含むクリスタルガラスなどが混入しないように、予め分別しておくことが望ましい。
次に、このように構成される本実施形態の動作について説明する。熱分解工程21において生成された熱分解残渣は、鉄回収工程23、アルミ回収工程25において、鉄やアルミなどの金属類及びガレキなどのその他の不燃成分が順次分別されて、燃焼成分として回収され、続いて、廃ガラス供給設備から廃ガラスが添加される。粉砕工程27において、この燃焼成分は、廃ガラスとともに粉砕機(例えば、ボールミル)に供給されて粉砕された後、貯留工程29において貯留槽に貯留される。ここで、廃ガラスは、例えば、平均粒径が10μm〜1mmに粉砕されたガラスになり、燃焼成分と混合された状態で貯留される。
一方、燃焼溶融炉1には、熱分解工程21において発生した熱分解ガスが供給される。この熱分解ガスが燃焼溶融炉1において燃焼されると、燃焼溶融炉1内に旋回流が形成され、燃焼排ガスが炉底から煙道5を通じて図示していない廃熱回収ボイラなどに導かれる。図示していないが、燃焼溶融炉1の側壁には適宜2次、3次空気が供給されるようになっている。このようにして、燃焼溶融炉1内に高温(例えば、1300℃)の燃焼溶融域が形成されると、熱分解ガスに同伴して炉内に供給されたチャーのうち不燃成分と粉砕ガラスとは、溶融状態となって混合され、炉壁を伝って流下し、スラグ排出口9から炉外に排出された後、水中に落下して冷却固化され、溶融スラグとなる。
ここで、粉砕ガラスの原料となる廃ガラスとして代表的なガラス瓶の組成について表1に示す。表1から明らかなように、廃ガラスは、例えば、SiOが70〜73%を占め、その他、Al、Na、Ca、K、Mg、Feなどの酸化物を含むため、例えば、珪砂(90%以上がSiO)などのSiO結晶物と異なり、燃焼溶融炉1において不燃成分が溶融する1200℃〜1350℃の通常の加熱温度の範囲で容易に溶融される。
Figure 2008133981
すなわち、燃焼溶融炉1の燃焼温度を例えば1300℃に維持し、その温度で溶融可能な粉砕ガラスをチャーとともに炉内に吹き込むことにより、熱分解残渣中の不燃成分と粉砕ガラスは、互いに溶融した状態で混合されるため、冷却固化後の溶融スラグ中のSiOの含有量が高くなる。これにより、溶融スラグのSiOの結晶格子が緻密になり、Si−O−Siの結晶構造の骨格が強化されるため、鉛成分の溶出を抑制することができ、環告19号法による含有量基準を十分に満足することができる。また、この方法によれば、燃焼溶融炉1で溶融し、炉外に排出されたスラグを、例えば1400℃以上の高温で再加熱する必要がないため、燃焼溶融炉1の炉内壁の耐熱性を抑えることができ、設備の簡素化と処理費用の低廉化をはかることができ、経済的である。
また、本実施形態では、廃ガラスを平均粒径が10μm〜1mmの粉状、粒状に細かく粉砕し、粉砕ガラスとして炉内に添加するようにしているから、粉砕ガラスが溶融スラグ全体に分散しやすくなり、スラグ中のSiO濃度が均一になりやすい。ここで、粉砕ガラスの平均粒径は、取扱い性や溶融時間などを考慮して、適宜定めることができる。なお、本実施形態では、粉砕ガラスの原料として廃ガラスを用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、上述した粉砕ガラスと同等の組成を有するものであれば、廃ガラス以外のガラス材を用いるようにしてもよい。
次に、本実施形態の効果について、表1と図5に示した試験データを参照して説明する。
表2は、廃棄物の溶融スラグとして作製された3種類の供試スラグ(A、B、C)に、ガラスカレット(GC)を添加したときの添加率ごとのデータを表している。表において、再溶融スラグとは、ガラスカレットを添加しないスラグを表し、GC添加スラグとは、ガラスカレットを添加したスラグを表している。
図5は、表2の結果を受けて、縦軸に溶融スラグの鉛溶出率(%)を、横軸にSiO濃度(wt%)を表し、供試スラグ(A、B、C)ごとにプロットしたグラフである。縦軸の鉛溶出率は、溶融スラグの全鉛含有量(mg/kg)に対する環告19号の試験による鉛含有量(mg/kg)の割合を示している。ここで、環告19号の試験方法は、溶媒に対する溶融スラグの重量比が3%になるように1N(規定)の塩酸を加えて、毎分約200回で2時間振とうし、ろ過した検液中の濃度を測定するものである。
Figure 2008133981

まず、供試スラグ(A、B、C)にガラスカレット(クリスタルクレイ株式会社製、SiO:71.5wt%)を所定量添加して混合し、マッフル炉にて1300℃(30分間保持)で再加熱する。そして、再加熱により溶融された供試スラグ及びガラスカレットを冷却固化させた後、乾燥させ、鉛の全含有量と環告19号による鉛含有量を計測する。
これによれば、ガラスカレットが添加されない再溶融スラグには、SiO濃度は、40wt%前後含まれているのに対し、例えば、スラグのSiO濃度を約50wt%まで増加させると、鉛溶出率は10%以下となり、環告19号による鉛含有量は、規定値の150mg/kgを十分に満足する結果となった。このように、本実施形態の製造方法により製造される溶融スラグは、例えば、SiO濃度が50wt%以上となるように、ガラスカレットを既設の燃焼溶融炉1に所定量添加するだけで、溶融スラグの鉛の溶出を十分に抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態の溶融スラグの製造方法について説明する。図3は、本実施形態における溶融スラグの製造方法の手順を示すフロー図である。この製造方法は、廃ガラスの供給経路を熱分解残渣の供給経路とは別に配置し、粉砕工程31において廃ガラスを専用の粉砕機で粉砕して粉砕ガラスとし、この粉砕ガラスを貯留工程33においてガラス貯留槽に貯留し、ここで貯留された粉砕ガラスを燃焼溶融炉1に直接切り出すように構成したものであり、他の構成は、第1の実施形態と同じである。このように構成しても、粉砕機とガラス貯留槽が新たに必要になるだけで、第1の実施形態と同様の効果を発揮し得るものであるが、粉砕ガラスの供給経路を独立させて設けたことにより、廃ガラスなどの粉砕設備の設置場所などを自在に設定することができ、設計自由度を向上できる。
次に、本発明の第3の実施形態の溶融スラグの製造方法について説明する。図4は、本実施形態における溶融スラグの製造方法の手順を示すフロー図である。この製造方法は、燃焼溶融炉43として流動床式ガス化溶融炉を用いるため、熱分解ガス化炉41にて生成された熱分解ガス及び熱分解残渣を、いずれも燃焼溶融炉43に直接供給するように構成したものであり、他の構成は、第2の実施形態と同じである。すなわち、流動床式ガス化溶融炉は、例えば、キルン型ガス化溶融炉と同様に、燃焼温度が約1300℃であるから、このように構成しても、第1の実施形態と同様の効果を発揮し得るものである。
本発明の一実施形態の溶融スラグの製造方法に用いる燃焼溶融炉の一例を拡大して示す図である。 本発明の一実施形態の溶融スラグの製造方法の手順を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態における溶融スラグの製造方法の手順を示すフロー図である。 本発明の第3の実施形態における溶融スラグの製造方法の手順を示すフロー図である。 縦軸に溶融スラグの鉛溶出率(%)を、横軸にSiO濃度(wt%)を表し、供試スラグ(A、B、C)ごとにプロットしたグラフである。
符号の説明
1 燃焼溶融炉
3 バーナ
5 煙道
7 炉底部
9 スラグ排出口
11 導入口
21 熱分解工程
23 鉄回収工程
25 アルミ回収工程
27 粉砕工程
29 貯留工程

Claims (4)

  1. 廃棄物を熱分解して生じる熱分解ガスと熱分解残渣の燃焼成分とを燃焼溶融炉に導いて燃焼させるとともに溶融した不燃成分を冷却固化させる溶融スラグの製造方法であって、
    前記燃焼溶融炉に粉砕ガラスを添加して、前記熱分解ガスと前記燃焼成分とを1200℃〜1350℃の温度範囲で燃焼させることを特徴とする溶融スラグの製造方法。
  2. 前記粉砕ガラスは、廃ガラスを平均粒径が10μm乃至1mmに粉砕したガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の溶融スラグの製造方法。
  3. 廃棄物を熱分解して生じる熱分解ガスと熱分解残渣から分離した燃焼成分とを燃焼溶融炉に導いて燃焼させるとともに溶融した不燃成分を冷却固化させる溶融スラグの製造方法であって、
    前記燃焼成分に廃ガラスを添加して粉砕し、該粉砕された燃焼成分と廃ガラスとを前記燃焼溶融炉に導いて1200℃〜1350℃の温度範囲で燃焼させることを特徴とする溶融スラグの製造方法。
  4. 前記溶融スラグは、SiO濃度が45重量%以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の溶融スラグの製造方法。
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