JP2008131508A - 通話装置 - Google Patents

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修 赤坂
Kosaku Kitada
耕作 北田
恵一 ▲吉▼田
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Shinya Kimoto
進弥 木本
Yasushi Arikawa
泰史 有川
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Abstract

【課題】送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供する。
【解決手段】 A/D変換回路311〜31nは、A/D変換回路301がマイクロホンM1からの音声信号をA/D変換したタイミングから周波数f1〜fnの音波に対する遅延時間Td1〜Tdn経過したときにマイクロホンM2からの音声信号をA/D変換し、減衰回路341〜34nでマイクロホンM1,M2の各出力レベルを所定の周波数帯域毎に一致させ、演算回路38aは、マイクロホンM1,M2の音声信号の差を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、通話装置に関するものである。
従来、インターホンシステム等で屋内に設置される通話装置があり、他の場所に設置された通話装置からの音声を出力するスピーカや、他の通話装置へ伝達する音声を入力するマイクロホン等を備えている。
そして、スピーカから発生した音声がマイクロホンに回り込むとハウリングが生じることになるから、様々なハウリング防止対策が採られている。例えば、スピーカと一対のマイクロホンとを備えて、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当する音波の遅延時間だけスピーカに近いほうのマイクロホンの出力を遅延させる遅延回路と、両マイクロホンとスピーカとの距離の差に相当するレベル調整を行なってスピーカからの音声に対する両マイクロホンの出力レベルを一致させるレベル調整増幅回路と、遅延回路とレベル調整増幅回路とを通った両マイクロホンの出力を両入力とする差動増幅回路とを設け、差動増幅回路の出力を送話信号とする通話装置が提案された。
この通話装置では、両マイクロホンでスピーカからの音声を拾った後、遅延およびレベル調整を行なって両マイクロホンに入力されるスピーカからの音声成分を差動増幅回路で相殺することで、スピーカからの音声成分のみを除去して(キャンセル処理)、ハウリングを防止しようとしている。(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−41342号公報 特許第3226121号公報
しかしながら、スピーカから発せられた音声はマイクロホンに伝達されて音声信号に変換されるが、スピーカからマイクロホンへ伝わる音波の伝達関数は周波数特性を有しており、マイクロホンで集音される音声の位相、振幅は、周波数に依存している。したがって、上記特許文献1,2のような従来の構成では、特定の周波数近傍ではスピーカからの音声成分をキャンセルできるが、広い周波数帯域に亘ってスピーカからの音声成分をキャンセルすることはできなかった。また、コスト低減の要望もある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供することにある。
請求項1の発明は、伝達された音声情報を出力するスピーカと、音声を集音してアナログの音声信号を出力する第1のマイクロホンと、スピーカからの距離が第1のマイクロホンより遠い位置に配置され、音声を集音してアナログの音声信号を出力する第2のマイクロホンと、前記第1,第2のマイクロホンが出力する各音声信号を信号処理して伝達する信号処理部とを備えて、第1,第2のマイクロホンとスピーカとの各距離の差に相当する音波の伝達時間を遅延時間とし、前記信号処理部は、第1,第2のマイクロホンが出力するアナログの音声信号を各々デジタル信号に変換する第1,第2のA/D変換手段のいずれか一方を複数備えて、一方のA/D変換手段は互いに異なる所定の周波数帯域に各々対応して、他方のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間ずれたタイミングで各々A/D変換を行い、さらにスピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力レベルを所定の周波数帯域毎に一致させる処理をA/D変換手段が出力するデジタル信号に施すレベル調整手段と、レベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の差を出力する演算手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できる。また、低速でA/D変換を行った場合でも、スピーカが発する音声に対する第1、第2のマイクロホンの各音声信号間の遅延時間を精度よく補償することができ、A/D変換手段に高速処理が可能なものは必要ないので、低コスト化を図ることができる。すなわち、送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供することができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記信号処理部は、前記一方のA/D変換手段の出力毎に所定の周波数帯域を通過させる第1のフィルタ手段と、他方のA/D変換手段の出力を所定の周波数帯域毎に分離して通過させる第2のフィルタ手段とを備えて、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の所定の周波数帯域毎の差を加算することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できる。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を1つ備え、前記第2のA/D変換手段を複数備えて、複数の第2のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第1のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間後のタイミングで各々A/D変換を行い、さらに第1のA/D変換手段の出力を所定の周波数帯域毎に分離して通過させる第1のフィルタ手段と、第2のA/D変換手段の出力毎に所定の周波数帯域を通過させる第2のフィルタ手段とを備えて、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の所定の周波数帯域毎の差を加算することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できる。
請求項4の発明は、請求項1または2において、前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を複数備え、前記第2のA/D変換手段を1つ備えて、複数の第1のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第2のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間前のタイミングで各々A/D変換を行い、さらに第1のA/D変換手段の出力毎に所定の周波数帯域を通過させる第1のフィルタ手段と、第2のA/D変換手段の出力を所定の周波数帯域毎に分離して通過させる第2のフィルタ手段とを備えて、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の所定の周波数帯域毎の差を加算することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できる。
請求項5の発明は、請求項1において、前記演算手段は、レベル調整手段の後段で、一方のA/D変換手段の各出力と他方のA/D変換手段の出力との差を平均化して出力することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にフィルタ手段を設けることなくキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できるとともに、回路規模の縮小、コスト低減、小型化を図ることができる。
請求項6の発明は、請求項1または5において、前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を1つ備え、前記第2のA/D変換手段を複数備えて、複数の第2のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第1のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間後のタイミングで各々A/D変換を行い、前記演算手段は、レベル調整手段の後段で、第2のA/D変換手段の各出力と第1のA/D変換手段の出力との差を平均化して出力することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にフィルタ手段を設けることなくキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できるとともに、回路規模の縮小、コスト低減、小型化を図ることができる。
請求項7の発明は、請求項1または5において、前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を複数備え、前記第2のA/D変換手段を1つ備えて、複数の第1のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第2のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間前のタイミングで各々A/D変換を行い、前記演算手段は、レベル調整手段の後段で、第1のA/D変換手段の各出力と第2のA/D変換手段の出力との差を平均化して出力することを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力の位相差、振幅差は周波数依存性を有するが、スピーカが発する音声成分を送話信号から周波数帯域毎にフィルタ手段を設けることなくキャンセルするので、より確実にハウリングの発生を防止できるとともに、回路規模の縮小、コスト低減、小型化を図ることができる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかにおいて、前記第1のマイクロホンは、前記スピーカの振動板に対向して配置することを特徴とする。
この発明によれば、第1のマイクロホンの出力を、スピーカが発する音声に対しては感度を高くして振幅を大きくし、話者が発する音声に対しては感度を低く振幅を小さくすることができる。
請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかにおいて、前記第2のマイクロホンは、前記スピーカの振動板に対向しない位置に配置することを特徴とする。
この発明によれば、第2のマイクロホンの出力を、話者が発する音声に対しては感度を高くして振幅を大きくし、スピーカが発する音声に対しては感度を低く振幅を小さくすることができる。
請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかにおいて、前記第1のマイクロホンは、スピーカからの音声を集音するために設けられ、前記第2のマイクロホンは、本通話装置を介して通話を行う話者が発する音声を集音するために設けられたことを特徴とする。
この発明によれば、スピーカからの音と話者が発する音声とを分離して集音することができる。
請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかにおいて、前記レベル調整手段は、前記第1のマイクロホンの出力レベルを減衰させて、前記演算手段は、前記第1,第2のマイクロホンのうち、いずれか一方のマイクロホンの音声信号から他方のマイクロホンの音声信号を減算することを特徴とする。
この発明によれば、第1,第2のマイクロホンとスピーカとの距離の差や、第1,第2のマイクロホンの感度差に相当するレベル調整を行ない、スピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの出力レベルを一致させてから減算することができ、スピーカからの音声成分を効率よくキャンセルすることができる。
請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかにおいて、屋内の天井面、壁面、床面に設置されて電力及び情報信号を伝送する少なくとも1系統の配線に電気的に接続された第1の接続部に電気的に直接接続して電力供給を受け、第1の接続部との間で情報信号を授受するための第2の接続部を備え、前記スピーカは第2の接続部を介して伝達された音声情報を出力し、前記第1,第2のマイクロホンは前記信号処理部及び第2の接続部を介して音声情報を伝達し、第1の接続部の配置及び形状の形態の定型化に対応して第2の接続部の形態を定形としていることを特徴とする。
この発明によれば、通話装置は、第2の接続部を第1の接続部に電気的に接続すれば電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく、優れた施工性を得ることができる。
以上説明したように、本発明では、送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルして、ハウリングの発生を防止できる低コストの通話装置を提供することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
本実施形態の通話装置Aは図2〜図4に示され、後面に開口を形成したボディA10と、ボディA10の開口に覆設したカバーA11とでハウジングA1を構成し、ハウジングA1内に、スピーカSP、マイクロホン基板MB1、通話スイッチSW1、音声処理部10を備える。
音声処理部10は、図4に示すように、通信部10a、エコーキャンセル部10b,10c、増幅部10d、信号処理部10eを備えたICで構成され、ハウジングA1内に配置される。他の部屋等に設置されている通話装置Aから情報線Lsを介して送信された音声信号は、通信部10aで受信され、エコーキャンセル部10bを介して増幅部10dで増幅された後、スピーカSPから出力される。また、通話スイッチSW1を操作することで通話可能状態となり、マイクロホン基板MB1上のマイクロホンM1(第1のマイクロホン),マイクロホンM2(第2のマイクロホン)から入力された各音声信号は信号処理部10eで後述する信号処理を施された後、エコーキャンセル部10cを通過し、通信部10aから情報線Lsを介して他の部屋等に設置されている通話装置Aへ送信される。すなわち、部屋間で双方向の通話が可能なインターホンとして機能するものである。なお、通話装置Aの電源は、設置場所の近傍に設けたコンセントから供給されるか、あるいは情報線Lsを介して供給されてもよい。
スピーカSPは、図2に示すように、冷間圧延鋼板(SPCC,SPCEN)、電磁軟鉄(SUY)等の厚み0.8mm程度の鉄系材料で形成されて一端を開口した円筒状のヨーク20を具備し、ヨーク20の開口端から外側に向かって円形の支持体21が延設されている。
ヨーク20の筒内にはネオジウムで形成された円柱型永久磁石22(例えば、残留磁束密度1.39T〜1.43T)を配置し、ドーム型の振動板23の外周側の縁部が支持体21の縁端面に固定されている。
振動板23は、PET(PolyEthyleneTerephthalate)またはPEI(Polyetherimide)等の熱可塑性プラスチック(例えば、厚み12μm〜50μm)で形成される。振動板23の背面には筒状のボビン24が固定されており、このボビン24の後端にはクラフト紙の紙管にポリウレタン銅線(例えば、φ0.05mm)を巻回することによって形成されたボイスコイル25が設けられている。ボビン24およびボイスコイル25は、ボイスコイル25がヨーク20の開口端に位置するように設けられており、ヨーク20の開口端近傍を前後方向に自在に移動する。
ボイスコイル25のポリウレタン銅線に音声信号を入力すると、この音声信号の電流と永久磁石22の磁界とにより、ボイスコイル25に電磁力が発生するため、ボビン24が振動板23を伴なって前後方向に振動させられる。このとき、振動板23から音声信号に応じた音が発せられる。すなわち、動電型のスピーカSPが構成される。
そして、スピーカSPの振動板23が対向するハウジングA1の前面内側には、リブ11が形成されており、スピーカSPの円形の支持体21の外周端部から前面側に突出した凸部21aの端面がリブ11に当接し、振動板23がハウジングA1の前面に内側から対向する状態でスピーカSPが固定される。
ハウジングA1内にスピーカSPが固定されると、ハウジングA1の前面内側とスピーカSPの表面側(振動板23側)とで囲まれた空間である前気室Bf、ハウジングA1の後面内側および側面内側とスピーカSPの裏面側(ヨーク20側)とで囲まれた空間である後気室Brが形成される。前気室Bfは、ハウジングA1の前面に複数設けた音孔12を介して外部に連通している。後気室Brは、スピーカSPの支持体21の端部とハウジングA1の内面のリブ11とが密着することで、前気室Bfとは絶縁した(連通していない)空間となり、さらにカバーA11がボディA10の後面開口に密着することで、外部とも絶縁した密閉された空間となっている。
次に、マイクロホン基板MB1は、図5に示すように、マイクロホンのベアチップBC1とICKa1との対、マイクロホンのベアチップBC2とICKa2との対をモジュール基板2の一面2aに各々実装し、ベアチップBC1、ICKa1、モジュール基板2上の配線パターン(図示無し)の各間、およびベアチップBC2、ICKa2、モジュール基板2上の配線パターン(図示無し)の各間をワイヤWで各々接続(ワイヤボンティング)した後、ベアチップBC1とICKa1の対を覆うようにシールドケースSC1を実装し、ベアチップBC2とICKa2の対を覆うように、シールドケースSC2を実装することで、ベアチップBC1、ICKa1、シールドケースSC1で構成されるマイクロホンM1、ベアチップBC2、ICKa2、シールドケースSC2で構成されるマイクロホンM2を備えている。
ベアチップBC(ベアチップBC1またはBC2)は、図6に示すように、シリコン基板1bに穿設した孔1cを塞ぐようにシリコン基板1bの一面側にSi薄膜1dが形成され、このSi薄膜1dとの間にエアーギャップ1eを介して電極1fが形成され、さらに音声信号を出力するパッド1gが設けられており、コンデンサ型のシリコンマイクロホンを構成している。そして、外部からの音響信号がSi薄膜1dを振動させることで、Si薄膜1dと電極1fとの間の静電容量が変化して電荷量が変化し、この電荷量の変化に伴ってパッド1g,1gから音響信号に応じた電流が流れる。このベアチップBCは、シリコン基板1bをモジュール基板2上にダイボンディングし、特にベアチップBC2のSi薄膜1dは、モジュール基板2に穿設した音孔F2に対向している。
そして、マイクロホンM1は、音孔F1を穿設したシールドケースSC1の底面側を集音面とし、マイクロホンM2は、音孔F2を穿設したモジュール基板2への実装面側を集音面として、互いに逆方向となるモジュール基板2の両面方向に集音面を有するものになる。このように構成されたマイクロホン基板MB1は、モジュール基板2の一面2aにマイクロホンM1,M2の両方を実装しているので、マイクロホン基板MB1の厚さを薄くできる。
図7(a)は、マイクロホン基板MB1を、モジュール基板2の一面2a側から見た平面図であり、モジュール基板2は、マイクロホンM1を配置する矩形部2fと、マイクロホンM2を配置する矩形部2gと、矩形部2f,2g間を連結する連結部2hとで構成され、矩形部2gは矩形部2fより大きく形成される。そして、矩形部2gの縁部に沿って、負電源パッドP1,正電源パッドP2,出力1パッドP3,出力2パッドP4が設けられている。
そして、図7(b)に示すように、負電源パッドP1には外部から供給される電源電圧の負側、正電源パッドP2には電源電圧の正側が接続されて、モジュール基板2上の配線パターンを介してマイクロホンM1,M2に電源を供給している。また、出力1パッドP3からは、マイクロホンM1が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力され、出力2パッドP4からは、マイクロホンM2が集音した音声信号がモジュール基板2上の配線パターンを介して出力される。なお、出力パッドP3,P4から出力される音声信号のグランドは、負電源パッドP1で兼用される。
このように、マイクロホンM1,M2の電源を共通の負電源パッドP1、正電源パッドP2から供給し、さらにマイクロホンM1,M2の各出力のグランドを負電源パッドP1で兼用することで、パッドの数を減らすことができ、構成が簡単になる。
次に、マイクロホン基板MB1の動作について説明する。
まず、集音した音響信号に応じてベアチップBC1,BC2から流れる各電流は、ICKa1,Ka2によってインピーダンス変換されるとともに電圧信号に変換され、音声信号として出力1パッドP3、出力2パッドP4から各々出力される。
ICKa(ICKa1またはKa2)は、図8の回路構成を備えており、電源パッドP1,P2から供給される電源電圧+V(例えば5V)を定電圧Vr(例えば12V)に変換するチップICからなる定電圧回路Kbを備えており、抵抗R11とベアチップBCとの直列回路に定電圧Vrが印加され、抵抗R11とベアチップBCとの接続中点はコンデンサC11を介してジャンクション型のJ−FET素子S11のゲート端子に接続される。J−FET素子S11のドレイン端子は動作電源+Vに接続され、ソース端子は抵抗R12を介して電源電圧の負側に接続される。ここで、J−FET素子S11は電気インピーダンスの変換用であり、このJ−FET素子S11のソース端子の電圧が音声信号として出力される。なお、ICKaのインピーダンスの変換回路は、上記構成に限定されるものではなく、例えばオペアンプによるソースフォロワ回路の機能を有する回路であってもよく、または必要に応じてICKa内に音声信号の増幅回路を設けてもよい。
そして、マイクロホン基板MB1は、上記のようにモジュール基板2上の配線パターンを介して信号伝達、給電を行うことで、信号線、給電線を効率よく構成できるとともに、ハウジングA1の外面に取付可能となる。本実施形態では、モジュール基板2の一面2aをハウジングA1の前面外側に沿って配置し、マイクロホンM1はハウジングA1前面の開口13を挿通して集音面を前気室Bfに向けており、シールドケースSC1の底面に穿設したマイクロホンM1の音孔F1はスピーカSPの振動板23に対向し、音孔F1を介してスピーカSPが発する音声を確実に集音することができる。また、マイクロホンM2は、ハウジングA1の前面に設けた凹部14に嵌合し、モジュール基板2に穿設したマイクロホンM2の音孔F2はスピーカSPの出力方向に向かってハウジングA1の外部(前方)に面しているので、音孔F2を介して伝達される、通話装置Aの前方に位置する話者からの音声を確実に集音することができる。なお、スピーカSPの中心から各マイクロホンM1,M2の中心までの距離をそれぞれX1,X2とすると、X1<X2となる。
また、スピーカSPの裏面が面する後気室Brは、ハウジングA1内で密閉されるので、スピーカSPの裏面から放射される音声は後気室Brから漏れ難くなり、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合を低減させている。さらにスピーカSPの裏面(振動板23の裏面)から放射される音は、スピーカSPの表面(振動板23の表面)から放射される音と位相が反転しており、このスピーカSPの裏面から放射される音が前方に回り込むと、スピーカSPの表面から放射される音と互いに打ち消しあって、スピーカSPの放射音圧が低下し、前方にいる話者にはスピーカSPが発する音声が聞こえ難いものとなるが、上記のようにスピーカSPの裏面から放射される音はハウジングA1の外部に漏れ難いので、上記回り込みによるスピーカSPの放射音圧の低下を防いでいる。
また、マイクロホンM2を収納した凹部14は後気室Brと連通していない分離された空間であるので、マイクロホンM2はスピーカSPの発する音声をさらに集音し難くなり、スピーカSPとマイクロホンM2との音響結合をさらに低減させている。すなわち、上記構成によって、スピーカSPが発する音声と話者の発する音声とをマイクロホンM1,M2で分離して集音しているのである。
また、マイクロホン基板MB1をハウジングA1内に配置すると前気室Bfと後気室Brとの間の空間的な絶縁を維持することが困難であるが、本実施形態のようにマイクロホン基板MB1をハウジングA1の外面に取り付けることで、前気室Bfと後気室Brとの間の空間的な絶縁を維持することができる。
そして、本実施形態では、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングを防止するために、以下の構成を備えている。
まず、音声処理部10に収納されている信号処理部10eは、図1に示すように、1つのA/D変換回路301と、複数のA/D変換回路311〜31nと、バンドパスフィルタ321〜32nと、バンドパスフィルタ331〜33nと、減衰回路341〜34nと、演算回路35aと、タイミング制御部36とで構成される。A/D変換回路301、311〜31nの各動作は、タイミング制御部36によって制御されており、以下、各回路の動作について説明する。図9〜図12は、スピーカSPが発する音声をマイクロホンM1,M2が集音したときの信号処理部10eの各部における信号波形を示す。
まず、マイクロホンM1は、集音面がスピーカSPに向かって実装されており、通話装置Aの前方に位置する話者H(図1参照)が発する音声(送話音声)よりも、スピーカSPが発する音声を感度よく集音する。一方、マイクロホンM2は、集音面が前方に向かって配置されており、スピーカSPが発する音声よりも、通話装置Aの前方に位置する話者Hが発する音声を感度よく集音する。
すなわち、マイクロホンM1が出力する音声信号Y11は、スピーカSPが発する音声に対しては感度が高く振幅が大きくなるが、話者Hが発する音声に対しては感度が低く振幅が小さくなる。また、マイクロホンM2が出力する音声信号Y21は、話者Hが発する音声に対しては感度が高く振幅が大きくなるが、スピーカSPが発する音声に対しては感度が低く振幅が小さくなる。
さらに、送話時には、話者Hが発する音声とスピーカSPが発する音声との両方がマイクロホンM1,M2にて集音されるが、スピーカSPの中心から各マイクロホンM1,M2の中心までの距離X1,X2はX1<X2であるので、スピーカSPからの音声に対しては、マイクロホンM1の音声信号Y11とマイクロホンM2の音声信号Y21との間に位相差が生じ、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)に相当する音波の遅延時間[Td=(X2−X1)/Vs](Vsは音速)だけ、マイクロホンM1の音声信号Y11に比べてマイクロホンM2の音声信号Y21の位相が遅れている。この遅延時間Tdは、理想的な条件下(例えば、点音源、ハウジング密閉構造、回路構成のCRのバラツキがない等)では、スピーカSPが発する音声の周波数に依存せず周波数に対して一定であるが、実際には理想的な条件下ではないのでスピーカSPが発する音声の周波数に依存している。
また、スピーカSPからの音声に対する音声信号Y11,Y21の振幅も上記同様に、理想的な条件下では、スピーカSPが発する音声の周波数に依存せず周波数に対して一定であるが、実際には理想的な条件下ではないのでスピーカSPが発する音声の周波数に依存している。
一方、マイクロホンM1,M2と話者Hとの各距離は等しいとみなせるので、話者Hが発する音声に対しては、両マイクロホンM1,M2の各音声信号Y11,Y21は、略同一位相となる。
而して、本実施形態では、マイクロホンM1,M2からの音声信号を周波数帯域毎に分割して、マイクロホンM1の音声信号Y11とマイクロホンM2の音声信号Y21との間に生じる位相差および振幅差を周波数帯域毎に最適に調整している。なお、図9(a)〜(h)は、周波数帯域の分割数n=2とした場合の動作について示している。
まず、A/D変換回路301は、マイクロホンM1のアナログの音声信号Y11をデジタル信号に変換し、A/D変換回路311〜31nは、マイクロホンM2のアナログの音声信号Y21をデジタル信号に変換する。A/D変換回路301のA/D変換動作は、タイミング制御部36が出力する制御信号Si11の立ち上がりに同期して行われ、A/D変換回路311〜31nのA/D変換動作は、タイミング制御部36が出力する制御信号Si21〜Si2nの立ち上がりに同期して行われており、本実施形態の制御信号Si11、Si21〜Si2nの周波数は8〜16KHzに設定されて、各A/D変換回路における変換周期T1=62.5〜125μsecとしている(図9(c)〜(e))。
また、スピーカSPが発する音声の周波数帯域をG1〜Gnにn分割した場合に、スピーカSPが発する音声に対して、最も低い周波数帯域G1ではマイクロホンM2の音声信号Y21の位相がマイクロホンM1の音声信号Y11に比べて遅延時間Td11だけ遅れ、次に低い周波数帯域G2ではマイクロホンM2の音声信号Y21の位相がマイクロホンM1の音声信号Y11に比べて遅延時間Td12だけ遅れ、………、n番目に低い周波数帯域GnではマイクロホンM2の音声信号Y21の位相がマイクロホンM1の音声信号Y11に比べて遅延時間Td1nだけ遅れる。なお、Td11>Td12>………>Td1nとなる。
したがって、制御信号Si21は制御信号Si11に対して遅延時間Td11だけ遅く発生させ、制御信号Si22は制御信号Si11に対して遅延時間Td12だけ遅く発生させ、………、制御信号Si2nは制御信号Si11に対して遅延時間Td1nだけ遅く発生させるようにタイミング制御部36の動作を予め設定しておく(図9(a)(b)参照)。すなわち、A/D変換回路311は、A/D変換回路301がマイクロホンM1からの音声信号をA/D変換するタイミングから遅延時間Td11後のタイミングでマイクロホンM2からの音声信号をA/D変換し、A/D変換回路312は、A/D変換回路301がマイクロホンM1からの音声信号をA/D変換するタイミングから遅延時間Td12後のタイミングでマイクロホンM2からの音声信号をA/D変換し、………、A/D変換回路31nは、A/D変換回路301がマイクロホンM1からの音声信号をA/D変換回路するタイミングから遅延時間Td1n後のタイミングでマイクロホンM2からの音声信号をA/D変換することで、マイクロホンM1の音声信号とマイクロホンM2の音声信号の各位相を周波数帯域G1〜Gn毎に一致させている。
また、A/D変換回路301、A/D変換回路311〜31nは、ΣΔ方式でA/D変換を行っており、ΣΔ方式の特徴であるノイズのみの周波数伝達特性を変化させてノイズ成分を信号成分より高い周波数領域に分布させるノイズシェーピングによって高いS/N比でのA/D変換が可能となり、さらには殆どの処理がデジタルで行われることによってIC化が容易となる。なお、A/D変換の分解能は、16bit,14bit,12bitのいずれかを用いる。
そして、A/D変換回路301からは、マイクロホンM1が出力する音声信号をA/D変換したデジタル値a11,b11,c11,d11,e11,………で構成される音声信号Y12が出力される(図9(f)参照)。また、A/D変換回路311からは、マイクロホンM2が出力する音声信号をA/D変換したデジタル値a21,b21,c21,d21,e21,………で構成される音声信号Y221が出力され(図9(h)参照)、A/D変換回路312からは、マイクロホンM2が出力する音声信号をA/D変換したデジタル値a22,b22,c22,d22,e22,………で構成される音声信号Y222が出力され(図9(g)参照)、………、A/D変換回路31nからは、マイクロホンM2が出力する音声信号をA/D変換したデジタル値a2n,b2n,c2n,d2n,e2n,………で構成される音声信号Y22nが出力されており、マイクロホンM2の音声信号は、周波数帯域G1〜Gnに各々対応して位相調整されたn系統の音声信号Y221〜Y22nとなる。
このようにマイクロホンM1の音声信号とマイクロホンM2の音声信号の各位相が周波数帯域G1〜Gn毎に一致するタイミングでA/D変換することで、本実施形態のように音声信号を低速(8〜16KHz)でA/D変換した場合でも、スピーカSPが発する音声に対するマイクロホンM1,M2の各音声信号間の上記遅延時間Td1〜Tdnは精度よく補償され、高速のA/D変換機能(例えば1MHz)を備える必要がなく、低コスト化を図ることができる。なお、以降の処理は、マイクロホンM1,M2の各音声信号のデジタル値をメモリに格納してデジタル処理されるのであるが、説明のため図10〜図12の各波形はアナログ波形で示している。
次に、A/D変換回路301から出力される音声信号Y12は、バンドパスフィルタ321によって周波数帯域G1の成分が分離され、バンドパスフィルタ322によって周波数帯域G2の成分が分離され、………、バンドパスフィルタ32nによって周波数帯域Gnの成分が分離されて、n系統に振り分けられる。また、A/D変換回路311から出力される音声信号Y221は、バンドパスフィルタ331によって周波数帯域G1の成分が通過し、A/D変換回路312から出力される音声信号Y222は、バンドパスフィルタ332によって周波数帯域G2の成分が通過し、………、A/D変換回路31nから出力される音声信号Y22nは、バンドパスフィルタ33nによって周波数帯域Gnの成分が通過する。そして、バンドパスフィルタ321,331が出力する周波数帯域G1の音声信号Y131,Y231は、A/D変換回路301とA/D変換回路311とを互いに上記遅延時間Td11ずらして動作させることで同一位相となっており、バンドパスフィルタ322,332が出力する周波数帯域G2の音声信号Y132,Y232は、A/D変換回路301とA/D変換回路312とを互いに上記遅延時間Td12ずらして動作させることで同一位相となっており、………、バンドパスフィルタ32n,33nが出力する周波数帯域Gnの音声信号Y13n,Y23nは、A/D変換回路301とA/D変換回路31nとを互いに上記遅延時間Td1nずらして動作させることで同一位相となっている(図10参照)。
次に、減衰回路341は、バンドパスフィルタ321を通過したマイクロホンM1の音声信号Y131を減衰させて音声信号Y141を生成し、減衰回路342は、バンドパスフィルタ322を通過したマイクロホンM1の音声信号Y132を減衰させて音声信号Y142を生成し、………、減衰回路34nは、バンドパスフィルタ32nを通過したマイクロホンM1の音声信号Y13nを減衰させて音声信号Y14nを生成し(図11参照)、各周波数帯域G1〜Gn毎に、両マイクロホンM1,M2とスピーカSPとの距離の差(X2−X1)や、マイクロホンM1,M2の感度差に相当するレベル調整を行ない、スピーカSPが発する音声に対して各周波数帯域G1〜Gnにおける両マイクロホンM1,M2の出力レベルを一致させる。
次に、演算回路35aは、マイクロホンM2の音声信号Y231からマイクロホンM1の音声信号Y141を減算することで、周波数帯域G1においてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、マイクロホンM2の音声信号Y232からマイクロホンM1の音声信号Y142を減算することで、周波数帯域G2においてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、………、マイクロホンM2の音声信号Y23nからマイクロホンM1の音声信号Y14nを減算することで、周波数帯域GnにおいてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し(図12(a)参照)、さらに各周波数帯域G1〜Gnでの前記減算結果を全て加算しており、スピーカSPからの音声成分が各周波数帯域G1〜Gn毎に打ち消された音声信号Yaが生成される(図12(b)参照)。なお、本実施形態では、演算回路35aにおいてマイクロホンM2の音声信号からマイクロホンM1の音声信号を減算しているが、マイクロホンM1の音声信号からマイクロホンM2の音声信号を減算して、音声信号Yaを生成してもよい。
一方、マイクロホンM1,M2前方の話者Hが発する音声に対しては、集音面を話者Hに向かって配置したマイクロホンM2の音声信号Y21の振幅が、集音面をスピーカSPに向かって配置したマイクロホンM1の音声信号Y11の振幅よりも大きくなる。さらに、マイクロホンM1からの信号は減衰回路341〜34nで減衰するので、音声信号Y231〜23nに含まれる話者Hからの音声成分は、音声信号Y141〜14nに含まれる話者Hからの音声成分よりさらに大きくなる。すなわち、音声信号Y141〜14nに含まれる話者Hからの音声成分と、音声信号Y231〜Y23nに含まれる話者Hからの音声成分との振幅差は大きくなり、演算回路35aで上記減算処理を施しても、音声信号Yaには、話者Hが発する音声に応じた信号が十分な振幅を維持した状態で残る。
以上のようにして信号処理部10eが出力する音声信号YaではスピーカSPからの音声成分が周波数帯域G1〜Gn毎に低減され、一方、通話装置A前方の話者HからマイクロホンM1,M2に向って発した音声成分は残っており、音声信号Yaでは、残したい話者Hからの音声成分と、低減したいスピーカSPからの音声成分との相対的な差が広い周波数帯域に亘って大きくなり、スピーカSPの音声出力をマイクロホンM1,M2が拾うことで発生するハウリングの発生防止効果が向上している。
次に、本実施形態のようにマイクロホンの音声信号を周波数帯域毎に分割して、マイクロホンが拾うスピーカからの音声を低減させる処理について、数式を用いて説明する。
まず、集音面をスピーカSPに向かって配置したマイクロホンM1、集音面を話者Hに向かって配置したマイクロホンM2が、スピーカSPからの音声を各々集音した場合に、マイクロホンM1,M2の各音声信号間に発生する位相差、振幅差が周波数に依存しないとすると、マイクロホンM1の集音特性をQ1(ω)、マイクロホンM2の集音特性をQ2’(ω)は、
Figure 2008131508
Figure 2008131508
となる。ここで、α、α、βは定数であり、[数1][数2]の各第1項はスピーカSPからの音声(スピーカ音)による信号であり、各第2項は話者Hからの音声による信号である。
そして、位相差、振幅差の周波数依存性を考慮せずに、減衰率aをQ1(ω)に乗じた値からQ2’(ω)を減算してスピーカSPからの音声を低減させるキャンセル処理を行うと、キャンセル後の信号Ycan’は、
Figure 2008131508
となり、スピーカSPからの信号はキャンセルされ、話者Hからの信号だけが残る。
しかしながら、実際には、マイクロホンM1,M2の各音声信号間に発生する位相差、振幅差が周波数に依存しており、この周波数依存性を考慮したマイクロホンM2の集音特性Q2(ω)は、
Figure 2008131508
となる。
そして、位相差、振幅差の周波数依存性を考慮して、減衰率aをQ1(ω)に乗じた値からQ2(ω)を減算してスピーカSPからの音声を低減させるキャンセル処理を行うと、キャンセル後の信号Ycanは、
Figure 2008131508
となる。ここで、[数5]の第1項はスピーカSPからの音声の残信号であり、第1項内のθ(ω)は、スピーカSPからの音声をマイクロホンM1,M2で集音した場合の位相差(マイクロホンM2−マイクロホンM1)であり、以後スピーカ音の位相差θ(ω)と称する。また第2項は話者Hからの音声による信号である。
次に、スピーカSPから音声の残信号である[数5]の第1項内の{α(ω)exp(−jθ(ω))−α}を、周波数帯域毎に展開した{α(ω)exp(−jθ(ω))−α}に注目すると、問題となっているのはスピーカSPからの信号の振幅がαからどの程度減衰しているかであるから、ここでα(ω),αをαで割った結果が各々a(ω),aであるとすると、[数6]のようになる。
Figure 2008131508
ここで、a(ω)は、スピーカSPからの音声をマイクロホンM1,M2で集音した各音声信号の振幅比(マイクロホンM2/マイクロホンM1)であり、以後スピーカ音の振幅比a(ω)と称する。そして、[数6]内の|a(ω)exp{−j(θ(ω)―θ)}−a|をフェーザベクトルで図示すると、図13のベクトルVeのようになる。
次に、実際に測定したスピーカ音の振幅比a(ω)と、スピーカ音の位相差θ(ω)を、図14(a)(b)に示す。スピーカ音の振幅比a(ω)、スピーカ音の位相差θ(ω)ともに、周波数が高くなるにしたがって増加する傾向にある。そこで、スピーカ音の振幅比a(ω)が、周波数400Hzから4000Hzにおいて、−20dB(0.1)から−16dB(0.16)まで線形に推移し、スピーカ音の位相差θ(ω)が、周波数400Hzから4000Hzにおいて、−5°から25°まで線形に推移したとすると、[数7]、[数8]の近似式が導出される。
Figure 2008131508
Figure 2008131508
下記[数9]は、スピーカ音のキャンセル量Zmを導出する数式であり、
Figure 2008131508
この[数9]に上記[数7]、[数8]を代入した数式を用いて、本実施形態の周波数分割を行わずに、スピーカ音のキャンセル量が1つの周波数1KHzまたは3KHzで各々最適となるように調整した場合のスピーカ音のキャンセル量の各理論値Yt1,Yt2は図15(a)に示され、この場合のスピーカ音のキャンセル量の各実測値Ys1,Ys2は図15(b)に示され、周波数1KHzまたは3KHzでキャンセル量が各々ピークとなる特性で表されており、各特性においてスピーカ音のキャンセル効果が十分得られる周波数範囲は、周波数1KHzまたは3KHzを中心とした比較的狭い範囲に限られる。なお、スピーカ音のキャンセル量とは、話者Hからの音声を集音することを目的とするマイクロホンM2に回りこんだスピーカ音の低減量とする。
一方、上記[数9]に上記[数7]、[数8]を代入した数式を用いて、本実施形態の周波数分割を行い、スピーカ音のキャンセル量を周波数1KHzで最適化した2KHz以下の周波数帯域G1、スピーカ音のキャンセル量を周波数3KHzで最適化した2KHz以上の周波数帯域G2の2つに分割した場合のスピーカ音のキャンセル量の理論値Yt11は図16(a)に示され、本実施形態の信号処理部10eを用いて、上記2KHz以下の周波数帯域G1、および上記2KHz以上の周波数帯域G2で各々最適となるように調整した場合のスピーカ音のキャンセル量の実測値Ys11は図16(b)に示され、周波数1KHzと3KHzの両方でキャンセル量がピークとなる特性を有しており、広い周波数帯域に亘ってスピーカ音のキャンセル効果があることが分かる。
なお、図16(a)に示すスピーカ音のキャンセル量の理論値Yt11と、図16(b)に示すスピーカ音のキャンセル量の実測値Ys11とは、その曲線形状は略同様であり、キャンセル量の周波数特性が理論どおり改善されているが、キャンセル量の大きさが異なっている。これは、実測値の測定環境として、(1)実際に使用したマイクロホンM1,M2のS/N比が60dB程度であること、(2)暗騒音40dBA程度の場所でスピーカSPへ回り込む音の音圧が80dB程度であること、(3)実機上に種々のノイズがあること、(4)A/D変換の際の量子化ビットによる分解能の限界等があることが要因と考えられる。
そして、信号処理部10eが出力する音声信号Yaはエコーキャンセル部10cに出力され、エコーキャンセル部10b,10c(図4参照)では、以下の処理を行うことでさらなるハウリング防止を図っている。
まず、エコーキャンセル部10cは、エコーキャンセル部10bの出力を参照信号として取り込み、信号処理部10eの出力に対して演算を施すことにより、スピーカSPからマイクロホンM1,M2に回り込んだ音声信号をさらにキャンセリングする。一方、エコーキャンセル部10bも、エコーキャンセル部10cの出力を参照信号として取り込み、通信部10aの出力に対して演算を施すことにより、通話先の相手側でのスピーカからマイクロホンへの音声信号の回り込みをキャンセリングする。
具体的には、エコーキャンセル部10b,10cは、スピーカSP−マイクロホンM1,M2−信号処理部10e−エコーキャンセル部10c−通信部10a−エコーキャンセル部10b−増幅部10d−スピーカSPで構成されるループ回路内に設けた可変損失手段(図示無し)での損失量を調節することにより、ループゲインが1以下となるようにしてハウリングを防止するのである。ここで、送話信号と受話信号とのうち信号レベルが小さいほうは重要ではないとみなし、信号レベルが小さいほうの伝送路に挿入された可変損失回路の伝送損失を大きくするようにしている。
また、マイクロホンM1,M2の数は各々1つに限定されるものではなく、マイクロホンM1,M2として複数のマイクロホンを各々備えてもよい。
なお、本実施形態では、マイクロホンM1側に1つのA/D変換回路を設け、マイクロホンM2側に複数のA/D変換回路を設けて、マイクロホンM1側のA/D変換回路がA/D変換を行うタイミングから周波数帯域f1〜fn毎の遅延時間Td1〜Tdn後のタイミングで、マイクロホンM2側のA/D変換回路が各々A/D変換を行うことで、マイクロホンM1の音声信号とマイクロホンM2の音声信号の各位相を周波数帯域G1〜Gn毎に一致させている。しかし、この構成とは逆に、マイクロホンM1側に複数のA/D変換回路を設け、マイクロホンM2側に1つのA/D変換回路を設けて、マイクロホンM2側のA/D変換回路がA/D変換を行うタイミングから周波数帯域f1〜fn毎の遅延時間Td1〜Tdn前のタイミングで、マイクロホンM1側のA/D変換回路が各々A/D変換を行い、これらのデジタル信号に上記フィルタ処理、演算処理を施すことでも同様の効果を得ることができる。
(実施形態2)
実施形態1の信号処理部10eにおいては、演算回路35aの前段にバンドパスフィルタ321〜32n、331〜33nを設けて周波数分割を行っているが、本実施形態ではフィルタ手段を設けずに実施形態1の周波数分割と略同様の効果を得ることができる信号処理部10eについて説明する。なお、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
まず、本実施形態の信号処理部10eは図17に示すように演算回路35bを備え、演算回路35bは、A/D変換回路301からの音声信号Y12が減衰回路341〜34nを各々介して音声信号Y141〜14nとして入力され、A/D変換回路311〜31nからの音声信号Y221〜22nが直接入力されている。すなわち、スピーカSPが発する音声に対して、実施形態1と同様にA/D変換回路301、311〜31nの各A/D変換タイミングを周波数帯域G1〜Gn毎に設定することで、マイクロホンM1,M2の各音声信号を周波数帯域G1〜Gn毎に同一位相とし、さらに減衰回路341〜34nによってマイクロホンM1,M2の各音声信号を周波数帯域G1〜Gn毎に同一振幅とした各信号が、バンドパスフィルタ321〜32n、331〜33n(図1参照)を介さずに、演算回路35bに入力されている。
演算回路35bは、マイクロホンM2の音声信号Y221からマイクロホンM1の音声信号Y141を減算することで、周波数帯域G1〜Gnに亘ってスピーカSPからの音声成分が低減された音声信号を生成するが、スピーカSPが発する音声に対する音声信号Y141,Y221は周波数帯域G1において位相、振幅が一致しており、特に周波数帯域G1のスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号が生成される。同様に、マイクロホンM2の音声信号Y222から、マイクロホンM1の音声信号Y142を減算することで、周波数帯域G2においてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、………、マイクロホンM2の音声信号Y22nから、マイクロホンM1の音声信号Y14nを減算することで、周波数帯域GnにおいてスピーカSPからの音声成分が打ち消された音声信号を生成し、さらに各周波数帯域G1〜Gnでの減算結果を全て加算し、当該加算結果を周波数帯域の分割数nで割って平均化することで、スピーカSPからの音声成分が各周波数帯域毎G1〜Gn毎に打ち消された音声信号Yaが生成される。
上記平均化処理によって、バンドパスフィルタ321〜32n、331〜33nのフィルタ手段を設けずに実施形態1の周波数分割と略同様の効果を得ることができるのであるが、この平均化処理について、以下詳述する。
平均化処理とは、スピーカSPが発する音声に対して、周波数帯域G1〜Gn毎に位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の各音声信号の差分を、各周波数帯域G1〜Gnに分離するフィルタ手段を通さずに単純に加算し、周波数帯域の分割数nで割って平均化する処理であり、フィルタ手段が不要となって、回路規模の縮小、コスト低減、小型化を図ることができる。下記[数10]は、上記平均化処理によるスピーカ音のキャンセル量Zmaveを導出する数式であり、
Figure 2008131508
ここで、Zmkは、周波数帯域Gkで位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量であり、具体的には、Zm1は、周波数帯域G1で位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量であり、Zm2は、周波数帯域G2で位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量であり、………、Zmnは、周波数帯域Gnで位相、振幅を一致させたマイクロホンM1,M2の音声信号の上記減算処理によるスピーカ音のキャンセル量である。
例えば、図18に示すようにスピーカ音のキャンセル量が周波数1KHz、3KHzで各々最適となるように調整した場合のスピーカ音のキャンセル量の実測値Ys1,Ys2を加算し、当該加算結果を周波数帯域の分割数n=2で割ることで、本実施形態の平均化処理によるキャンセル量の理論値Yt21が求められる。
また、図19は、スピーカ音のキャンセル量を周波数1KHzで最適化した2KHz以下の周波数帯域G1、スピーカ音のキャンセル量を周波数3KHzで最適化した2KHz以上の周波数帯域G2の2つに分割して、上記平均化処理を行った場合のスピーカ音のキャンセル量の実測値Ys21、および実測値Ys21の近似曲線Ys22を示しており、極端にキャンセル量の高い周波数帯域はないが、広い周波数帯域でキャンセル量が平均化されており、広い周波数帯域に亘って十分なスピーカ音のキャンセル効果があることが分かる
なお、本実施形態では、マイクロホンM1側に1つのA/D変換回路を設け、マイクロホンM2側に複数のA/D変換回路を設けて、マイクロホンM1側のA/D変換回路がA/D変換を行うタイミングから周波数帯域f1〜fn毎の遅延時間Td1〜Tdn後のタイミングで、マイクロホンM2側のA/D変換回路が各々A/D変換を行うことで、マイクロホンM1の音声信号とマイクロホンM2の音声信号の各位相を周波数帯域G1〜Gn毎に一致させている。しかし、この構成とは逆に、マイクロホンM1側に複数のA/D変換回路を設け、マイクロホンM2側に1つのA/D変換回路を設けて、マイクロホンM2側のA/D変換回路がA/D変換を行うタイミングから周波数帯域f1〜fn毎の遅延時間Td1〜Tdn前のタイミングで、マイクロホンM1側のA/D変換回路が各々A/D変換を行い、これらのデジタル信号に上記演算処理を施すことでも同様の効果を得ることができる。
(実施形態3)
本発明の通話装置を用いた配線システム例について以下説明する。
まず、図20に示すように建物内の適所において埋め込み配設している1乃至複数のスイッチボックス82を設け、各スイッチボックス82間に壁面内に先行配線した電力線Lpと、情報線Lsとを送り配線するとともに、始端のスイッチボックス82に対しては、配線盤81内の主幹ブレーカMBと分岐ブレーカBBとを介して屋内に引き込まれた電力線Lpを導入し、また外部のインターネット網NTにゲートウェイGW(ルータ、ハブ内蔵)を介して接続されている情報線Lsを導入してある。ここでスイッチボックス82には室内の天井面のようなハイポジションHPに設けられるものと、壁スイッチ等で推奨される高さ位置のミドルポジションMPに設けられるものと、足元付近のローポジションLPに設けられるものとに区分される。
これらのスイッチボックス82は、例えばJISで規格化された大角形の1個モジュール寸法の埋め込み型の配線器具が3個取り付けることができる1連の取付枠84(図21参照)に対応して規格化されたスイッチボックスからなり、図22に示すように上部から配線盤81または他のスイッチボックス82から送り配線されてくる電力線Lp及び情報線Lsを導入するとともに、下部からは他のスイッチボックス82へ送り配線するための電力線Lp及び情報線Lsを導出している。そして各スイッチボックス82には基本機能モジュール90を接続するゲート装置83のボディを夫々取付枠84により取り付けてある。
この取付枠84は図21に示すように中央に器具取り付け用の窓孔84aを設けてあって、この窓孔84aに取り付け対象の器具本体の前部を背方から嵌め、左右両側の枠片に設けた係止手段に器具本体の両側に設けた被係止部を係止させて器具本体を固定するようになっている。そして上下枠片に設けた取付孔84bに挿通する取り付けねじ(図示せず)をスイッチボックス82のねじ孔(図示せず)に締結することで、器具本体ごとスイッチボックス82に取り付けられる。またスイッチボックス82を用いず、埋め込み孔を開口した壁パネルに取り付ける場合には所謂挟み金具で壁パネルを挟持させて取り付けたり、木ねじを用いて取り付けることもできるようになっている。
ゲート装置83は図22に示すようにボディ背面部に速結端子構造の接続端子部85a,85b及び送り配線用の接続端子部85a’、85b’を設け、夫々に対応する電力線Lp、情報線Lsを接続するようになっている。またボディ前面部には、送られてきた電力線Lpと電気的に接続されている接触部を備えた電力路接続口CN1Aと、送られてきた情報線Lsと電気的に接続されている情報路接続口CN1Bとを有しモジュール化した接続口CN1を図21に示すように備えている。
これら接続口CN1A,CN1Bは両者間の間隔及び内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化されており、このゲート装置83のボディ前面部を覆うようにスイッチボックス82の前面開口側に取り付ける図23に示す基本機能モジュール90の背面部に設けたコネクタCN2の被接続部CN2A、CN2Bが各接続口CN1A,CN1Bに着脱自在に結合されるようになっている。
基本機能モジュール90は、後述する拡張機能モジュール91とで機能装置を構成するもので、機能によって複数の種類の基本機能モジュール90が準備されており、図23,図24(a)に示す合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体90a内に各機能に応じた回路を内蔵し、背面部のコネクタCN2の被接続部CN2A,CN2Bをゲート装置83の接続口CN1A,CN1Bに結合させることで、スイッチボックス82の前面開口を覆うとともに、周部のフランジをスイッチボックス82の前面開口周辺の壁面に重ねた状態となり、その状態で上、下部の中央に穿孔している取付孔90bに取り付けねじ(図示せず)を前面部側から挿通させて取付枠84の上下枠に設けたねじ孔84cに螺入締結することでスイッチボックス82に取付枠84を介して取り付けられる。
またモジュール本体90aの前面部には、上、下の取付孔90bの開口位置より上または下側位置において、図24(a)に示すようにモジュール本体90aの幅方向に幅広溝93aと幅狭溝93bとからなる連結用溝部93を中央の仕切壁94で左右に二分されるように形成している。
この仕切壁94の左側または右側の連結用溝部93には図24(b)に示す合成樹脂製の連結体100の片側半分を仕切壁94に当たる位置まで嵌め込み、この連結体100の残り半分を図25に示すように拡張機能モジュール91側に同様に設けてある連結用溝部93に嵌め込むことで、基本機能モジュール90と拡張機能モジュール91とを機械的に結合できるようになっている。連結体100は背面に幅広溝93a,幅狭溝93bを仕切る仕切壁95が嵌る溝100aを設け、両溝93a、93bに跨るように挿入される。そして基本機能モジュール90では前面部側から化粧カバー90cを着脱自在に被着することで、また拡張機能モジュール91では蓋部91aを閉じることで、両者の連結用溝部93に跨るように嵌め込んである連結体100が脱落しないように保持して連結状態を維持するようになっている。而して連結体100と連結用溝部93とが基本機能モジュール90と拡張機能モジュール91との連結手段を構成する。
基本機能モジュール90のモジュール本体90aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタCN3A、情報用コネクタCN3Bを、他方側には雌型の電源用コネクタCN3A’、情報用コネクタCN3B’を設けている。そして、これら電源用コネクタCN3A,CN3A’の接触片に被接続部CN2Aの接触片を内部で接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール91が連結されても商用電源ACを供給することができるようにしている。さらに、情報用コネクタCN3B,CN3B’の接触片に内部回路の入出力を接続することで、左右何れの方向に拡張機能モジュール91が連結されても情報信号の授受を行えるようにしている。なお、上記電源用コネクタCN3A,CN3A’は、モジュール本体90aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタCN3B,CN3B’は、モジュール本体90aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。
これら電源用コネクタCN3A,CN3A’、情報用コネクタCN3B,CN3B’は、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、拡張機能モジュール91の後述する電源用コネクタCN4A,CN4A’、情報用コネクタCN4B,CN4B’が着脱自在に結合されるようになっている。
そして、基本機能モジュール90は、被接続部CN2Aを介して供給される商用電源ACを、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源に変換するとともに、電源用コネクタCN3A,CN3A’を介して商用電源ACを供給し、さらに被接続部CN2Bを介して接続される情報線Lsを通じて双方向に伝送される情報信号を送受信するとともに、情報用コネクタCN3B,CN3B’を介して情報信号を送受信可能に構成され、機能によって複数の種類の基本機能モジュール90が準備されている。
次に、本実施形態の配線システムでは、電力供給を受けて動作する機能によって複数の種類の拡張機能モジュール91が準備されており、拡張機能モジュール91は図26に示すように、電源用コネクタCN4A,CN4A’と、情報用コネクタCN4B,CN4B’とを備えて、電源用コネクタCN4A,CN4A’いずれか一方を介して供給される商用電源ACを、安定した直流電圧からなる内部回路の動作電源に変換するとともに、電源用コネクタCN4A,CN4A’いずれか他方を介して商用電源ACを供給し、さらに情報用コネクタCN4B,CN4B’を介して情報信号を送受信可能に構成される。
そして、拡張機能モジュール91は、基本的には図26(a)に示すようにモジュール本体91aの高さ寸法を基本機能モジュール90と同じ高さ寸法に規格化され、また横幅寸法も規格化された単位モジュール寸法の整数倍に規格化されている。
また、合成樹脂製(ABS等の非結晶性汎用プラスチック)で扁平なモジュール本体91aの両側側面の一方側は雄型の電源用コネクタCN4A、情報用コネクタCN4Bを、他方側には雌型の電源用コネクタCN4A’、情報用コネクタCN4B’を設けている。上記電源用コネクタCN4A,CN4A’は、モジュール本体91aの両側側面において一端側に偏倚して配置され、上記情報用コネクタCN4B,CN4B’は、モジュール本体91aの両側側面において他端側に偏倚して配置される。これら電源用コネクタCN4A,CN4A’、情報用コネクタCN4B,CN4B’は、基本機能モジュール90の電源用コネクタCN3A,CN3A’、情報用コネクタCN3B,CN3B’と同様に、内部の接触部の配列、開口部の形状等がシステムとして規格化され、さらには同一面に配置された電源用コネクタと情報用コネクタとの間隔もシステムとして規格化されており、基本機能モジュール90の電源用コネクタCN3A,CN3A’、情報用コネクタCN3B,CN3B’、あるいは他の拡張機能モジュール91の電源用コネクタCN4A,CN4A’、情報用コネクタCN4B,CN4B’が着脱自在に結合されるようになっている。
具体的には、雄型の電源用コネクタCN4A、情報用コネクタCN4Bは、基本機能モジュール90の雌型の電源用コネクタCN3A’、情報用コネクタCN3B’、あるいは他の拡張機能モジュール91の雌型の電源用コネクタCN4A’、情報用コネクタCN4B’に接続し、雌型の電源用コネクタCN4A’、情報用コネクタCN4B’は、基本機能モジュール90の雄型の電源用コネクタCN3A、情報用コネクタCN3B、あるいは他の拡張機能モジュール91の雄型の電源用コネクタCN4A、情報用コネクタCN4Bに接続する。
そして、モジュール本体91a内ではこれら電源用コネクタCN4A,CN4A’の接触片を互いに接続しており、片側の電源用コネクタが隣接する基本機能モジュール90または拡張機能モジュール91の電源用コネクタに嵌合して電力を受け取る側(受電口)となると、他方の電源用コネクタが電力供給側(給電口)となる。
さらに、情報用コネクタ(情報授受口)CN4B,CN4B’の接触片に内部回路の入出力を接続することで、左右何れの方向に基本機能モジュール90や、他の拡張機能モジュール91が連結されても情報信号の授受を行えるようにしており、両側に隣接する基本機能モジュール90または拡張機能モジュール91との間で情報信号を授受できるようになっている。
また、拡張機能モジュール91のモジュール本体91aの形状は、背面を図26(b)、(c)に示すように平坦な面に形成して壁面に沿わせることができるようにしている。そして上下位置には上述の連結体100を基本機能モジュール90と同様に挿入するための幅広溝93a、幅狭溝93bからなる連結用溝部93を設けるとともに、この連結用溝部93を開閉する蓋部96を設け、連結体100を装着する際や外す場合にはこの蓋部96を開き、連結体100の装着状態を保持する際には上述したように閉じるようになっている(図26(c)参照)。
そして、上記基本機能モジュール90、拡張機能モジュール91に実施形態1または2の通話装置と同様の構成を設ければ、上記配線システムにおいて、デジタル信号に変換した送話信号からスピーカが発する音声成分を広い周波数帯域に亘ってキャンセルしてハウリングの発生を防止でき、さらには低コスト化を図ることができる通話装置を構成できる。
図27は、実施形態1または2の通話装置と同様にスピーカSP、マイクロホン基板MB1、前気室Bf、後気室Br等をモジュール本体90aに備えた基本機能モジュール90A(以下、通話装置90Aと称す)であり、モジュール本体90aの前面には複数の音孔90dが穿設されるとともに、通話スイッチSW1,警報解除スイッチSW2を前面に露出させている。なお、エンドカバー101をモジュール本体90aの両側部に被着している。
モジュール本体90a内には実施形態1または2と同様に音声処理部10を備えて、スピーカSPの音声出力をマイクロホンが拾うことで発生するハウリングを防止している。また、当該通話装置90Aが配置された部屋内に設置されているセンサ機能を有する基本機能モジュール90あるいは拡張機能モジュール91、あるいは他の部屋から情報線Lsを介して警報信号が送信された場合、スピーカSPから警報音を発するが、警報解除スイッチSW2を操作することで警報音出力を解除することができる。
この通話装置90Aは、予め同一に配線されている電力線Lp、情報線Lsにゲート装置83を介して接続することで、電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく、施工性に優れている。また、他の基本機能モジュール90、拡張機能モジュール91と同一の情報線L2を用いることで、通話装置90Aと他の基本機能モジュール90、拡張機能モジュール91との間の連動制御を容易に行なうことができ、拡張性に優れたものとなる。
図28は、実施形態1または2の通話装置と同様にスピーカSP、マイクロホン基板MB1、前気室Bf、後気室Br等をモジュール本体91aに備えた拡張機能モジュール91A(以下、通話装置91Aと称す)であり、モジュール本体91aの前面には複数の音孔91dが穿設されるとともに、通話スイッチSW1,警報解除スイッチSW2を前面に露出させている。
そして、例えば、照明器具をオン/オフする壁スイッチN4を構成する基本機能モジュール90をゲート装置83に接続し、当該基本機能モジュール90の右側部には、時刻表示部N6を露出させて時計機能を有する拡張機能モジュール91を接続し、当該拡張機能モジュール91の右側部には上記通話装置91Aを接続することで、壁スイッチ機能、時計機能等の様々な機能装置にインターホン機能を追加することができる。また、通話装置91Aにも新たな拡張機能モジュール91を接続することができる。
この通話装置91Aは、予め同一に配線されている電力線Lp、情報線Lsにゲート装置83、基本機能モジュール90、他の拡張機能モジュール91を介して接続することで、電力路と情報路とを同時に確保でき、新たに配線工事を行う必要がなく、施工性に優れている。また、基本機能モジュール90、他の拡張機能モジュール91と同一の情報線Lsを用いることで、通話装置91Aと基本機能モジュール90、他の拡張機能モジュール91との間の連動制御を容易に行なうことができ、拡張性に優れたものとなる。
また、上記基本機能モジュール90、拡張機能モジュール91は、機能によって複数の種類が準備されており、例えば図20に示すように建物内の適所において埋め込み配設している1乃至複数のスイッチボックス82の内、ハイポジションHPに設けられたスイッチボックス82のゲート装置83には、引掛栓刃接続部N1を備えた基本機能モジュール90や、スピーカN3のみを備えてBGM用の機能等を有する基本機能モジュール90が接続され、さらに基本機能モジュール90には人感センサN2等が設けられた拡張機能モジュール91等が連結される。
ミドルポジションMPに設けられたスイッチボックス82のゲート装置83には照明器具をオン/オフする壁スイッチN4を構成する基本機能モジュール90や、モニタ装置N5を備えた基本機能モジュール90が接続され、さらに基本機能モジュール90には時計N6を有する拡張機能モジュール91や、インターホン機能を有する拡張機能モジュール91A(通話装置91A)が連結される。
さらにローポジションLPに設けられたスイッチボックス82のゲート装置83には電源コンセント部N7を備えた基本機能モジュール90や、スピーカN3を備えた基本機能モジュール90が接続され、さらに基本機能モジュール90には足元灯N8を構成する拡張機能モジュール91が連結される。
以上のようにして配設施工が終了し、システムが完成した後は、対応する基本機能モジュール90、拡張機能モジュール91間で情報信号の授受を行い、通話装置91Aであれば他の部屋の通話装置との間でインターホンシステムを構成し、両者間での通話を可能とするとともに、警報報知等を行う。
実施形態1の通話装置の信号処理部の回路構成図である。 同上の構成を示す側面断面図である。 同上の構成を示す斜視図である。 同上の音声処理部の構成を示す回路図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す側面断面図である。 同上のベアチップの構成を示す側面断面図である。 同上のマイクロホン基板の構成を示す(a)簡略化した平面図、(b)簡略化した回路図である。 同上のインピーダンス変換回路の回路図である。 (a)〜(h)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 (a)(b)同上の信号処理部の信号波形図である。 同上のスピーカからの残信号のフェーザベクトル図である。 (a)同上の実際に測定したスピーカ音の振幅比、(b)スピーカ音の位相差の各周波数特性を示す。 (a)同上の周波数分割を行わない場合のスピーカ音のキャンセル量の理論値、(b)その実測値の各周波数特性を示す。 (a)同上の周波数分割を行った場合のスピーカ音のキャンセル量の理論値、(b)その実測値の各周波数特性を示す。 実施形態2の通話装置の信号処理部の回路構成図である。 同上の平均化処理によるキャンセル量の理論値の周波数特性を示す。 同上の平均化処理によるキャンセル量の実測値の周波数特性を示す。 実施形態3の通話装置を用いた配線システムの構成図である。 同上のゲート装置を取付枠に取り付けた状態の正面図である。 同上のゲート装置への配線形態を示す斜視図である。 同上の基本機能モジュールをスイッチボックスから外した状態の斜視図である。 (a)は同上の基本機能モジュールの化粧カバーを外した状態の斜視図、(b)は連結体の斜視図である。 同上の基本機能モジュールと拡張モジュールとの連結構成の説明図である。 同上の拡張機能モジュールを示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は蓋部を開き、連結体を外した状態の側面図である。 同上の通話装置(基本機能モジュール)を用いた配線システムの配設状態を示す斜視図である。 同上の通話装置(拡張機能モジュール)を用いた配線システムの配設状態を示す斜視図である。
符号の説明
A 通話装置
SP スピーカ
M1,M2 マイクロホン
10e 信号処理部
301 A/D変換回路
311〜31n A/D変換回路
321〜32n バンドパスフィルタ
331〜33n バンドパスフィルタ
341〜34n 減衰回路
35a 演算回路
36 タイミング制御部

Claims (12)

  1. 伝達された音声情報を出力するスピーカと、音声を集音してアナログの音声信号を出力する第1のマイクロホンと、スピーカからの距離が第1のマイクロホンより遠い位置に配置され、音声を集音してアナログの音声信号を出力する第2のマイクロホンと、前記第1,第2のマイクロホンが出力する各音声信号を信号処理して伝達する信号処理部とを備えて、第1,第2のマイクロホンとスピーカとの各距離の差に相当する音波の伝達時間を遅延時間とし、
    前記信号処理部は、第1,第2のマイクロホンが出力するアナログの音声信号を各々デジタル信号に変換する第1,第2のA/D変換手段のいずれか一方を複数備えて、一方のA/D変換手段は互いに異なる所定の周波数帯域に各々対応して、他方のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間ずれたタイミングで各々A/D変換を行い、さらにスピーカからの音声に対する第1,第2のマイクロホンの各出力レベルを所定の周波数帯域毎に一致させる処理をA/D変換手段が出力するデジタル信号に施すレベル調整手段と、レベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の差を出力する演算手段とを備える
    ことを特徴とする通話装置。
  2. 前記信号処理部は、前記一方のA/D変換手段の出力毎に所定の周波数帯域を通過させる第1のフィルタ手段と、他方のA/D変換手段の出力を所定の周波数帯域毎に分離して通過させる第2のフィルタ手段とを備えて、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の所定の周波数帯域毎の差を加算することを特徴とする請求項1記載の通話装置。
  3. 前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を1つ備え、前記第2のA/D変換手段を複数備えて、複数の第2のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第1のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間後のタイミングで各々A/D変換を行い、さらに第1のA/D変換手段の出力を所定の周波数帯域毎に分離して通過させる第1のフィルタ手段と、第2のA/D変換手段の出力毎に所定の周波数帯域を通過させる第2のフィルタ手段とを備えて、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の所定の周波数帯域毎の差を加算することを特徴とする請求項1または2記載の通話装置。
  4. 前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を複数備え、前記第2のA/D変換手段を1つ備えて、複数の第1のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第2のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間前のタイミングで各々A/D変換を行い、さらに第1のA/D変換手段の出力毎に所定の周波数帯域を通過させる第1のフィルタ手段と、第2のA/D変換手段の出力を所定の周波数帯域毎に分離して通過させる第2のフィルタ手段とを備えて、前記演算手段は、第1,第2のフィルタ手段およびレベル調整手段を通過した第1,第2のマイクロホンの音声信号の所定の周波数帯域毎の差を加算することを特徴とする請求項1または2記載の通話装置。
  5. 前記演算手段は、レベル調整手段の後段で、一方のA/D変換手段の各出力と他方のA/D変換手段の出力との差を平均化して出力することを特徴とする請求項1記載の通話装置。
  6. 前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を1つ備え、前記第2のA/D変換手段を複数備えて、複数の第2のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第1のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間後のタイミングで各々A/D変換を行い、前記演算手段は、レベル調整手段の後段で、第2のA/D変換手段の各出力と第1のA/D変換手段の出力との差を平均化して出力することを特徴とする請求項1または5記載の通話装置。
  7. 前記信号処理部は、前記第1のA/D変換手段を複数備え、前記第2のA/D変換手段を1つ備えて、複数の第1のA/D変換手段は、所定の周波数帯域に各々対応して、第2のA/D変換手段がA/D変換を行うタイミングから所定の周波数帯域毎の遅延時間前のタイミングで各々A/D変換を行い、前記演算手段は、レベル調整手段の後段で、第1のA/D変換手段の各出力と第2のA/D変換手段の出力との差を平均化して出力することを特徴とする請求項1または5記載の通話装置。
  8. 前記第1のマイクロホンは、前記スピーカの振動板に対向して配置することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の通話装置。
  9. 前記第2のマイクロホンは、前記スピーカの振動板に対向しない位置に配置することを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の通話装置。
  10. 前記第1のマイクロホンは、スピーカからの音声を集音するために設けられ、前記第2のマイクロホンは、本通話装置を介して通話を行う話者が発する音声を集音するために設けられたことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の通話装置。
  11. 前記レベル調整手段は、前記第1のマイクロホンの出力レベルを減衰させて、前記演算手段は、前記第1,第2のマイクロホンのうち、いずれか一方のマイクロホンの音声信号から他方のマイクロホンの音声信号を減算することを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の通話装置。
  12. 屋内の天井面、壁面、床面に設置されて電力及び情報信号を伝送する少なくとも1系統の配線に電気的に接続された第1の接続部に電気的に直接接続して電力供給を受け、第1の接続部との間で情報信号を授受するための第2の接続部を備え、前記スピーカは第2の接続部を介して伝達された音声情報を出力し、前記第1,第2のマイクロホンは前記信号処理部及び第2の接続部を介して音声情報を伝達し、第1の接続部の配置及び形状の形態の定型化に対応して第2の接続部の形態を定形としていることを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載の通話装置。
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