従来より、作像手段である現像装置、帯電装置、クリーニング装置等の少なくとも1つと感光体とを一体に形成し、画像形成装置から着脱自在とした所謂プロセスカートリッジが特許文献1に提案されている。
このようなプロセスカートリッジは、専門家であるサービスマンに頼らなくてもユーザが簡単に交換/メンテナンス可能であるという長所を有している。すなわち、プロセスカートリッジは作像手段が感光体の周囲に位置するように、感光体と該感光体を回転自在に支持するクリーニング装置の容器と現像装置が一体的に構成され、そのクリーニング容器に感光体を一様に帯電させる帯電ローラ、トナー像を用紙や中間転写体に転写後もなお感光体上に残留するトナーを掻き落とすクリーニングブレード等が取り付けられている。このようなプロセスカートリッジは画像形成装置に対して着脱自在であり、感光体の寿命や廃トナー満杯時にユーザ自身によって交換できるようになっている。
しかし、感光体と作像装置とを一体に形成する構成では、感光体あるいは作像装置の一部のみの交換が必要となった場合でもプロセスカートリッジ全体を交換しなければならないという不具合が従来より指摘されていた。
一方、特許文献2には2ステーション記録システムが提案されている。この2ステーション記録システムでは、感光体(又は感光体ユニット)と現像装置を別体とし、現像装置と書込み装置と駆動手段は共通組付け部材を介して装置本体に支持され、それら互いの位置を高精度に保つようにしている。このような構成により現像装置が装置本体に対して位置決めされているので、この現像装置が作像プロセス要素全体における位置基準(組付け基準)となっている。感光体(又は感光体ユニット)は装置本体ではなく、現像装置に対して組み込まれている。つまり、感光体(又は感光体ユニット)は現像装置に対して、現像装置が主、感光体(又は感光体ユニット)が従という関係で位置決めされる。そして、感光体(又は感光体ユニット)は現像装置に対して着脱自在としているので、感光体(又は感光体ユニット)は単体で交換可能となっている。また、現像装置も画像形成装置に対して着脱自在としている。なお、実施例では感光体ドラムと帯電手段とクリーニング手段とが一体化された構成となっている。
ところで、近年、プリンタや複写機などの画像形成装置に対する市場の要求は高度化しており、それに伴い、画像形成における作像装置の負荷は上昇している。このような市場の要求は、作像手段のうちでも特に感光体に対する負荷を増加させる方向性を有することが分かってきた。このことを3つの要因から以下に説明する。
1.画像形成装置の小型化に伴う感光体の小径化
近年、OA機器の小型化が市場から要求され、それに伴い作像装置の小型化が要求されている。しかし、感光体を小型化、すなわち小径化すると、同一条件で画像を形成する場合に1枚あたりの感光体の消耗が上昇する。例えば感光体径を120mmから40mmに小径化した場合、同じサイズの画像を形成するためには感光体は3倍回転する必要が生じ、画像形成の際に感光体が受ける種々の消耗、例えば帯電部での放電等による電気的消耗や、クリーニング部でのブレードによる機械的消耗が3倍になる。
従来から現像装置等についてはある程度の小型化が進んでいたが、感光体については上記のような消耗を避けるために、小径化は他の作像装置ほど進められてはいなかった。しかし、画像形成装置の小型化要求の高まりにつれて感光体の小型化は避けられないものとなっている。このように、小型化の要求は感光体の負荷を増加させ、その寿命を短縮させている。
2.高画質化に伴う感光体の薄膜化
近年、ユーザが出力する文書には写真画像やグラフィック文書が増加し、それに伴い銀塩写真を目標に掲げる高画質化が進められている。その代表的な手法が高解像度化である。しかし、電子写真方式で高解像度化を実現する際には感光体の薄膜化が要求されることになる。例えば負帯電感光体の場合、露光によってCGL(Charge Carrier Generation Layer:電荷発生層)で形成されたキャリアがCTL(Charge Carrier Transport Layer:電荷輸送層)を通り感光体表面に到達することで感光体上に潜像が形成されるが、この時CTLが厚いとキャリアが移動する距離が長くなり、この結果移動の際にキャリア同士に働く電気的反発力によりキャリアは互いに離れていくことになる。
このような事態が生じれば、書き込み信号通りの潜像は形成されず、その結果、ドット位置が微妙にずれた画像が形成されることになる。このような課題は、電子写真を600dpiから1200dpiへと高解像度化させていく場合に限らず、近年の高画質化の要求に応えるべく解像度を例えば600dpiに保ったままでドット位置精度を高めようとする場合にも同様に生じる。
このような事態を防止するためには感光体を薄膜化し、キャリアの移動距離を短くすることが必要となる。このため近年の感光体は薄膜化の方向に進んでいるが、感光体は画像形成のたびにクリーニングブレードによる削り等の消耗を受けているため、薄膜化が進むとより少ない画像形成回数で感光体の寿命は尽きることになり、感光体の寿命の短縮につながる。
3.カラー化に伴う感光体の負担の増加
近年、情報の理解のしやすさ等の理由で市場におけるカラー画像の出力が増加している。ところで、カラー画像は、文字画像の多い白黒画像とは異なり、用紙上の広い領域を占有する写真画像やグラフィック画像が出力の対象となることが多く、また背景部分にベタ部が存在することも多い。このため、1回の画像形成における作像面積は増加し、それに伴い感光体を含む作像装置の消耗は増加していく。
一方、1つの感光体に対して複数の現像器が対応し色毎に感光体が回転するリボルバータイプの画像形成装置が従来より知られている。このような画像形成装置は、部品点数が少なく比較的安価にカラー画像を形成できるが、1枚のカラー画像を形成する際に感光体は複数の現像器によって潜像を現像されるため、感光体の消耗は現像器の消耗に比べて数倍になる。このため、このような画像形成装置においてはカラー化に伴う感光体の消耗は特に激しくなる。このように、カラー化も感光体の寿命を短くする要因の一つとなる。
特開2000−075733号公報
特開平11−295952号公報
特開2002−108171号公報
本発明は、感光体と、現像装置へトナーを補給するためにトナーを格納しておくトナー格納部とをユニット化し、感光体トナーユニットとして交換できるようにしたものである。他の作像装置に比べて交換頻度の多い消耗品である感光体とトナー格納部を一体ユニット化して、同時に交換できるようにすれば、ユーザの経済的負担やメーカの回収労力の浪費などを低減し、環境への悪影響も生じさせることなく、ユーザの交換利便性に対する不便さや面倒さを解消することもできる。更に、本発明は、感光体とトナー格納部とをユニット化した感光体トナーユニットからトナー格納部が単体で交換、つまり感光体トナーユニットに対してトナー格納部が着脱可能できるようにした。これにより上述した感光体の寿命とトナー容量を合わせることが難しい、つまり感光体とトナーの交換時期を略同時期とすることが難しい超小型の画像形成装置などにおいて感光体トナーユニットを採用しても、ムダを生じさせないようにすることができ、寿命まで感光体を使い切り、かつトナーを使い切るとともに、感光体に比べ交換回数の多いトナーの方を簡単に交換できるようにして交換作業性を良くした。また、トナー交換はできるが作業工程が多く、かつ面倒であり、支持部材も一緒に交換するようになっていたので、交換回数の多い方のトナー交換をし易くし、交換時に一緒に交換されてしまう余計な付帯部材の交換をなくした。従来のプロセスカートリッジは感光体に現像装置や帯電装置、クリーニング手段などをユニット化し、それら消耗品の交換を一度に行うものであるが、プロセスカートリッジを採用している機種も、装置内のスペース的な問題とユーザの交換作業容易性(サービスマンフリー)から小型画像形成装置の場合が多い。従って、プロセスカートリッジにおいても本発明の考え方を採用すれば、つまりプロセスカートリッジからトナー格納部を着脱可能とすれば、プロセスカートリッジも従来の問題点や不具合を改善することができる。
図1は本発明の画像形成装置に構成を示す概略断面図である。なお、同図に示す本発明の画像形成装置はモノクロの電子写真式画像形成装置である。同図において、本発明の画像形成装置100は下筺体101と上筺体102を有している。下筺体101には、主に、トナー画像を形成/担持する像担持体である感光体103、トナーを格納するトナー格納部104を一体化した感光体トナーユニット105、感光体103上に静電潜像を形成する書込ユニット106、この書込ユニット106により形成された感光体103上の静電潜像にトナーを付着させて顕像化する現像装置108を含む現像ユニット107、転写用紙S上に転写されたトナー画像を定着する定着装置109、転写後の感光体103上の残トナーをクリーニングするクリーニングユニット110等の作像手段が配置されている。また、上筺体102には、現像装置108で顕像化されたトナー画像を転写位置で転写用紙Sに転写する転写ローラ111などが配置されている。ここで、本発明の画像形成装置100では、現像ユニット107に感光体トナーユニット105とクリーニングユニット110、そして後述する帯電ローラ125が取り付けられており、現像ユニット107に対してそれぞれが別々に着脱可能である。現像ユニット107は下筺体101に対して着脱可能としている。現像ユニット107を中心とした感光体トナーユニット105、クリーニングユニット110の3つのユニットの集合体、及び帯電ローラ125を含めた画像ステーション200としている。
このように、本発明の画像形成装置100は、装置本体の下方から順に、転写用紙Sを収納する給紙カセット112、給紙コロ113、書込ユニット106、現像ユニット107と感光体トナーユニット105、そしてクリーニングユニット110を含んで構成されている画像ステーション200、転写ローラ111、定着装置109などが積み重なるように構成されている。また、画像形成装置100の上部には左側に手差し用の送りローラ対114、右側に転写後の転写用紙Sの排紙部117、転写位置の直前にあるレジストローラ対115などにより構成される略垂直と水平な用紙搬送路が形成されている。転写用紙Sは給紙カセット112から給紙コロ113でピックアップされて上方向に向かい、ターンローラ116で横方向にターンしてレジストローラ対115、転写ローラ111、定着装置109を経て最後に排紙部117に排出される。書込ユニット106は、LEDなどの光学系でも構成できるが、本発明の画像形成装置100ではLDを光源とする書込ユニットであり、感光体トナーユニット105の感光体103に対して出力画像情報に応じた露光で静電潜像の形成を行う。
図2は図1の画像ステーションの構成を示す概略側面図である。なお、同図は後述する図3のA−A’線断面における紙面から見た側面図である。同図において、感光体トナーユニット105は、説明を分かりやすくするために感光体103とトナー格納部104との一体化ユニットとしているが、実際の感光体トナーユニット105は、感光体103と、感光体103を保護し回転自在に支持するホルダー部118とトナー格納部104とを含んで構成されている一体成型の支持部材であるハウジング119で構成されている。つまり、感光体トナーユニット105は、トナー格納部104とホルダー部118を有するハウジング119に感光体103が支持されたユニットである。従来のプロセスカートリッジのように感光体と現像装置や帯電手段など他の作像手段を一体化させた構成とはなっていない。なお、図2の例ではハウジング119を一体成型の単一部品としているが、本発明はそれに限定されることなく複数部品の組合せから成る構成でハウジング119を形成しても構わない。ただし、感光体以外の作像手段は含めない。
また、ハウジング119のホルダー部201に対して着脱可能に取り付けられたトナー格納部104には、内部に現像装置108へ供給するための未使用のトナーが格納されており、トナーを撹拌/搬送する撹拌スクリュー120と、現像装置108へトナーを供給/搬送する排出スクリュー121を有している。撹拌スクリュー120により塊となっているトナーが撹拌され微粉体状態として排出スクリュー121側に送り出される。排出スクリュー121による搬送を、撹拌スクリュー120とは逆方向としているため、トナーはトナー格納部104の内部を巡回する。その過程で排出口122より現像装置108へトナーが供給される。トナー供給のタイミングは、プロセスコントロールからのトナー供給指示によるもので、撹拌スクリュー120と排出スクリュー121に連結された図示しない駆動源のON/OFFでトナー供給が行われる。従って、トナー供給が行われていない時は、トナー格納部104のトナーは巡回していない。また、排出スクリュー121が回転していない時は、排出スクリュー121が排出口122の蓋の役目をするので現像装置108へトナーが落ちることを防止している。また、本発明のように現像装置108の上方にトナー格納部104を設置することで、トナー格納部104から現像装置108へのトナー供給は、トナーの自重落下を利用するので余計な手段や部品を必要とせずにスムースな供給が行われる。
なお、感光体103は、感光体103と同軸上のギヤなど駆動伝達系(図示せず)を介して画像形成装置本体に設けた駆動用のモータと連結されていて時計回りに回転するようになっている。また、感光体103と撹拌スクリュー120の駆動モータを分けた理由は、感光体103は高精度で駆動する必要があり、かつ負荷変動の影響を避けるためトナー撹拌など負荷変動要因と切り離す必要があるからである。それに対し、撹拌スクリュー120及び排出スクリュー121を駆動するモータは高精度である必要がなく、ある程度のトルクを有するモータで良い。ただし、撹拌スクリュー120は専用のモータで駆動しなくとも、現像ローラを駆動するモータと連結し、そのモータからの駆動伝達を電磁クラッチなどでON/OFFをするようにしても構わない。
また、現像ユニット107は、現像装置108、クリーニングユニット110を着脱可能に取り付けるユニットケース123、及び現像装置108を保護支持しかつユニットケース123を回転自在に支持する現像装置108の側板でもある側板124で構成されている。なお、ユニットケース123には帯電ローラ125が回転自在に支持されている。
次に、現像ユニット107の現像装置108について説明すると、感光体トナーユニット105と現像装置108は側板124により高精度に位置決めされている。現像装置108と側板124は一体である。その状態において、現像装置108の上方に感光体トナーユニット105のハウジング119の一部であるトナー格納部104が位置しており、トナー格納部104においては、上述したように、そのトナー格納部104の下部に設けた排出口122が、現像ユニット107の現像装置108の上部に設けた補給口126に入り込み、飛散や漏れることなくトナー供給が行われる。なお、図2ではシール材など飛散や漏れの防止手段は省略している。現像装置108は、現像ローラ127と、トナーを撹拌/搬送する搬送スクリュー128と、現像ローラ127へトナーを供給/搬送するパドルローラ129を有しており、補給口126よりトナーが搬送スクリュー128の一端部に供給される。搬送スクリュー128により現像装置108の内部に送り出されたトナーは、パドルローラ129により搬送スクリュー128による搬送方向とは逆向きに送られ巡回される。その過程で現像ローラ127に供給される。なお、現像ローラ127、パドルローラ129、搬送スクリュー128はそれぞれ同軸上のギヤやアイドラギヤなど駆動伝達系(図示せず)を介して連結されており、現像ローラ127が画像形成装置100に設けた駆動用のモータと連結されて、パドルローラ129、搬送スクリュー128に駆動が伝達されるようになっている。
このように、画像ステーション200において、現像ユニット107の現像装置108と感光体トナーユニット105の感光体103、そしてクリーニングユニット110のクリーニング手段130も含め、それぞれの相対位置関係が高精度となるように側板124により位置決めされている。感光体103と現像ローラ127との相対位置を高精度化するため、感光体トナーユニット105は現像ローラ127を具備する現像装置108と一体的な側板124に対して位置決めされる構成となっている。感光体103と後述するクリーニング手段130及び帯電ローラ125との相対位置を高精度化するため、側板124に高精度に位置決めされる感光体トナーユニット105に対して、帯電ローラ125を軸支したユニットケース123にクリーニング手段130を支持しているクリーニングユニット110が位置決めされる構成となっている。感光体トナーユニット105に対して側板124によってクリーニングユニット110側が動作する接離の関係にもなっており、支点133を中心に回動する。
また、感光体トナーユニット105の構成、並びに感光体トナーユニット105に対する現像装置108、帯電ローラ125、クリーニングユニット110の関係を、側板124を介して以上のような構成にすることで、感光体トナーユニット105の交換、つまり感光体103とトナーの同時交換が可能となる。つまり、感光体103の寿命と、トナー格納部104のトナーが空となる時期とをできるだけ同時期、または多少感光体103の方の寿命を長くすることで、トナー格納部104のトナーが空となる時期で感光体トナーユニット105の交換時期を決定し、交換時期になったときに感光体トナーユニット105単体での交換をすることができる。この点は、従来のプロセスカートリッジとの大きな違いであり、従来のようなムダを出さないようにするため、交換すべき物だけを交換し、使える物は交換しないとした。
更に、側板124が下筺体101に対して着脱可能である。すなわち現像ユニット107が交換できるようになっているので、現像装置108の不測の故障交換などにも対応することができ、しかもそのとき側板124から感光体トナーユニット105やクリーニングユニット110を取り外すことができるので、現像装置108の単独交換となりムダを無くすことができる。クリーニングユニット110に故障が発生した場合もユニットケース123からクリーニングユニット110を取外し交換すればよいので、感光体トナーユニット105や現像装置108をムダにすることがない。
また、本発明の画像形成装置における画像ステーション200では、感光体トナーユニット105を、現像装置108やクリーニングユニット110よりも先に画像形成装置100から取り外すことができるようにしたので、交換頻度の多い感光体トナーユニット105の交換作業性を向上させることができる。交換頻度の最も多い消耗品は感光体103とトナー、すなわち感光体トナーユニット105であり、その頻繁に行われる感光体トナーユニット105の交換時に、交換する必要のない現像装置108やクリーニングユニット110を側板124と共に画像形成装置100から同時に取り外すというは、面倒であり利便性が低く、手や周囲を汚すなどの余計な問題も発生する。そこで、そのような不具合を解決するため、本発明によれば、交換すべき物だけを取り外し、必要のない物は外さない、更に交換頻度の多い物が優先的に取り外せるようにした。
なお、本発明では、画像形成装置100の装置本体及び画像ステーション200を構成する他のカセットや装置/部品に対しても上記の考え方に基づいて構成している。なお、本発明では感光体103をドラム状として説明しているが、ベルト状に構成することも可能である。
ここで、感光体トナーユニット105の交換時期を決定する感光体103の寿命とトナー格納部104の容量について少し述べると、近年の感光体材料の技術進歩は著しく、感光体寿命が400〜500K枚程度にまで延びてきているが、上述したようにトナー格納部104の容量に感光体103の寿命を合わせるのならば、使用する感光体103はそこまで長寿命の材料を使う必要がない。数10K〜100K枚程度の従来の材料でよい。そのためコスト的にも大変有利となる。例えば20K枚程度の従来の材料を使うとして、装置の小型化/軽量化などによる感光体の小径化により感光体103の直径が1/2になったとすると、寿命も1/2となり10K枚程度になるので、それに合わせてトナー格納部104に格納するトナー容量を8K枚程度(安全性を見込んで10K枚としない)とする。感光体トナーユニット105は8K枚で交換となる。以上のような考え方で感光体トナーユニット105を構成する。
感光体の寿命だけに言及すると、感光体は、酷使され疲労劣化を早めさせる使い方をする一方であり、この傾向は益々強くなっている。つまり感光体材料の寿命や耐久性を幾ら向上させても、酷使されれば交換頻度は低減されないのは当然であり、将来的にも低減は余り期待できないと推測できる。従来と同じように感光体の交換頻度は、他の作像手段も長寿命化が進んでいるため、他の作像手段に比べて最も多いことに変わりはない。
図3は画像ステーションから取外した感光体トナーユニットの外観を示す概略斜視図である。同図において、分かりやすくするために感光体やトナー格納部の駆動伝達系、その他付帯部品は省略している。同図に示すように、感光体103の必要最低限の範囲だけ露出するように、その他の範囲はホルダー部118やホルダー部201の形成面/形状によって覆い、感光体103を保護している。また、ホルダー部201はトナー格納部104がガタなくすっぽりと収まるような箱状の形状をしている。ホルダー部201に収められたトナー格納部104は、ホルダー部201の側板上部の4箇所(長手方向に2箇所づつ)に回転可能に軸支202で軸支された固定片203が上側から押圧(樹脂の弾性力を利用)することで固定されるようになっている。トナー格納部104を取外す時は固定片203を図の状態から90度以上回転させ、固定片203をトナー格納部104の上面から退避せるようにする。
また、感光体トナーユニット105の形状を図3のようにした理由が他にもある。それは上述したように、トナー格納部104の容量が感光体トナーユニット105の交換時期を決めてしまうため、できるだけトナーが多量に入るよう大容量化する必要がある。そこで、トナー格納部104の形状を、奥行き方向は図3のように感光体103の回転軸とほぼ平行に延在し、少なくとも感光体103の長手方向の長さを有する形状とし、高さ方向は図1に示すように用紙搬送路や現像装置108などの作像手段で挟まれているので、それらの形状や配置位置などから許容空間スペースを割り出して最大限に広く、かつ大きくとれるようにした。幅方向は少なくとも現像装置108の幅を有し、それ以上は画像形成装置の空きスペース次第である。トナー格納部104の形状をそのようにすることで、感光体トナーユニット105を単体で床面等に置いたときの安定性も良くなる。なお、図3のトナー格納部104の長手方向中央付近の一部凹んだ部分は、感光体トナーユニット105を取外すときにユーザが感光体トナーユニット105を掴む掴み部137である。
また、感光体トナーユニット105を含めて画像ステーション200を図2のような形状にした理由がある。それは、現像装置108やクリーニングユニット110との形状や大きさなどのバランスを考慮して感光体トナーユニット105を図2のような形状とし、画像ステーション200の全体形状を凹凸の少ない略直方体形状とするためである。画像ステーション200を略直方体形状とすれば、画像ステーション200を入れ込んだ時の画像形成装置100内の空間のムダをなくすことができたり、画像ステーション200の取り扱いがし易くなり持ち運び性や工場などでの積載性を良くすることができる。
図2において、現像ユニット107は、現像装置108、クリーニングユニット110を着脱可能に取り付けるユニットケース123、および現像装置108を保護支持しかつユニットケース123を回転自在に支持する現像装置108の側板でもある側板124で構成されている。なお、ユニットケース123には帯電ローラ125が回転自在に支持されている。
ここで、現像ユニット107の現像装置108について説明する。感光体トナーユニット105と現像装置108は側板124により高精度に位置決めされている。現像装置108と側板124は一体となっている。その状態において、現像装置108の上方に感光体トナーユニット105のトナー格納部104が位置しており、このトナー供給部104においては上述したように、そのトナー格納部104の下部に設けた排出口122が、ホルダー部118の穴から突出し、現像ユニット107の現像装置108の上部に設けた補給口126に入り込み、飛散や漏れることなくトナー供給が行われる。現像装置108は、現像ローラ127と、トナーを撹拌/搬送する搬送スクリュー128と、現像ローラ127へトナーを供給/搬送するパドルローラ129を有しており、補給口126よりトナーが搬送スクリュー128の一端部に供給される。搬送スクリュー128により現像装置108の内部に送り出されたトナーは、パドルローラ129により搬送スクリュー128による搬送方向とは逆向きに送られ巡回される。その過程で現像ローラ127に供給される。なお、現像ローラ127、搬送スクリュー128、パドルローラ129はそれぞれ同軸上のギヤやアイドラギヤなど駆動伝達系(図示せず)を介して連結されており、現像ローラ127が画像形成装置100に設けた駆動用のモータと連結されて、搬送スクリュー128、パドルローラ129に駆動が伝達されるようになっている。なお、現像ローラ127においてはトナー格納部104の撹拌スクリュー120とギヤ連結し、電磁クラッチを介して撹拌スクリュー120も駆動してもよい。
上述したが、画像ステーション200において、現像ユニット107の現像装置108と感光体トナーユニット105の感光体103、そしてクリーニングユニット110の後述するクリーニング手段130も含め、それぞれの相対位置関係が高精度となるように側板124により位置決めされている。感光体103と現像ローラ127との相対位置を高精度化するため、感光体トナーユニット105は現像ローラ127を具備する現像装置108と一体的な側板124に対して位置決めされる構成となっている。感光体103と後述するクリーニング手段130及び帯電ローラ125との相対位置を高精度化するため、側板124に高精度に位置決めされる感光体トナーユニット105に対して、帯電ローラ125を軸支したユニットケース123にクリーニング手段130を支持しているクリーニングユニット110が位置決めされる構成となっている。感光体トナーユニット105に対して側板124によってクリーニングユニット110側が動作する接離の関係、つまり支点133を中心に回動する構成となっている。
感光体トナーユニット105の構成、並びに感光体トナーユニット105に対する現像装置108、帯電ローラ125、クリーニングユニット110の関係を側板124を介して以上のような構成にすることで、感光体トナーユニット105の交換、即ち感光体103とトナーの同時交換が可能となる。つまり、感光体103の寿命と、トナー格納部104のトナーが空となる時期とをできるだけ同時期、または多少感光体103の方の寿命を長くすることで、トナー格納部104のトナーが空となる時期で感光体トナーユニット105の交換時期を決定し、交換時期になったときに感光体トナーユニット105を単体での交換をすることができる。この考え方が感光体トナーユニットの基本コンセプトであり、従来のプロセスカートリッジとの大きな違いである。従来のようなムダを出さないようにするため、交換すべき物だけを交換し、使える物は交換しないとしたことである。
しかし、ユーザ、メーカ、環境への負担軽減をさらに進めるには、感光体寿命とトナー容量を合わせることの難しい、つまり感光体とトナーの交換時期を略同時期とすることが難しい。小型の画像形成装置などにおいて感光体トナーユニットを採用しても、ムダが生じることがなく、寿命まで感光体を使い切る、トナーを使い切るようにする必要がある。その解決手段として感光体単独交換を行ったが、はるかに交換回数の多いトナー交換の方に作業性の悪さが発生していた。そこで、本発明では、感光体トナーユニットの基本的な考え方を踏襲しつつ、ムダを無くし、かつ交換作業性を良くするために、トナー格納部のみが感光体トナーユニットから簡単に単独交換できるようにした。感光体トナーユニットからのトナー格納部の単独交換ができるということは、言い換えれば、感光体103の寿命がくればハウジング119ごと感光体103の交換を行えばよいということになり、感光体とトナーのそれぞれの交換時期ごとに交換すべきものを交換し、まだ使えるものは使い続けることができるということになる。
ここで、感光体103の寿命とトナー格納部104の容量について説明すると、近年の感光体材料の技術進歩は著しく、感光体寿命が400〜500K枚程度にまで延びてきているが、トナー格納部104の容量に感光体103の寿命を合わせるのならば、使用する感光体103はそこまでの長寿命の材料を使う必要がない。数10K〜100K枚程度の一昔前の材料でよい。そのためコスト的にも大変有利となる。例えば20K枚程度の従来の材料を使うとして、装置の小型化/軽量化などによる感光体の小径化により感光体103の直径が1/2になったとすると、寿命も1/2となり10K枚程度になる。それに合わせてトナー格納部104に格納するトナー容量は8K枚程度(安全性を見込んで10K枚としない)となり、感光体トナーユニット105が8K枚での交換となる。しかし、最近の超小型画像形成装置においては、小型化を極限まで追求しており、トナーの容量を増やすためのスペース的な余裕が無いのが現状である。現状の商品でもせいぜい1.5〜2K枚程度のトナーしか収納できていない。そのような場合でも、本発明では感光体103及びトナーのムダをなくすことができるようにトナー格納部104のみの交換をできるようにした。すると交換作業が以下ように簡単になる。トナーが空となったが感光体103が交換時期でない場合は、トナー格納部104のみを感光体トナーユニット(ハウジング119)105から取外し、トナー格納部104を新しいものと交換し、ハウジング119に取付ける。そうすることで、感光体103を寿命まで使い続けるようにする。感光体103が交換時期だがトナーがまだ残っている場合、トナーが残っているトナー格納部104を感光体トナーユニット(ハウジング119)105から一旦取外し、未使用の感光体103が装着された新しいハウジング119に取外したトナー格納部104を再度取付ける。そうすることで、トナーが空になるまで使い続けるようにする。最後に、感光体103とトナーをそれぞれの交換時期で個別に交換していると偶然に交換時期が重なるときがあるので、その場合は感光体トナーユニットごと新しいものと交換する。
次に、具体的なトナー格納部の交換の様子を説明する。図2に示すように、感光体トナーユニット105は現像装置108と一体的な側板124に高精度に位置決め固定されており、かつ着脱可能となっている。そして、図2の状態から感光体トナーユニット105の図示しないロック手段を解除し、図3のB−B’線断面図である図4のようにトナー格納部104の長手方向中央の上部に形成した掴み部137と、ホルダー部118の右端部を掴み、後述する図6のように側板124上部のU字溝部138に沿って上方に持ち上げるようにして現像装置108(側板124)から感光体トナーユニット105を取外す。感光体トナーユニット105を手で掴んでいるとき、ユーザの手の平が感光体103の上部のむき出し部分を覆う役割をしている。図5に示すように、感光体トナーユニット105を現像装置108(側板124)から取外したら平面な作業机に置き、感光体トナーユニット105(ハウジング119)のホルダー部201からトナー格納部104を外す作業を行う。トナー格納部104の取外しは図3で説明したようにホルダー部201の上部4箇所の固定片203を退避状態となるように回転させ、トナー格納部104の上部に設けた図示しない取っ手を掴んで図5のように上方に持ち上げ取出す。そして、交換作業性を良くし、トナー飛散やこぼれをできるだけ抑えるようにするため、図2に示すように現像装置108(側板124)に取付けられた状態と略同じ姿勢で、図4に示すように感光体トナーユニット105を外すことができ、そして図5に示すように略同じ姿勢で作業机に置くことができ、さらに略同じ姿勢でトナー格納部104の交換作業が行えるような構成にしている。
上記のように本発明では、現像装置108(側板124)に対する感光体トナーユニット105の着脱方向と、感光体トナーユニット105(ハウジング119)に対するトナー格納部104の着脱方向を共に同一の上方としている。着脱方向は装置形態ごとに変わるので特に限定しないが、それぞれの着脱を同方向とすることで、作業方向が同方向となり、ユーザにとって分かりやすい作業動作(着脱に必要な主な手の動きが例えば上下動作に限定)と効率の良い着脱作業方法を提供することができる。
また、感光体103がトナー格納部104と隣接しているので、トナー格納部104を着脱するときに感光体103が着脱作業の邪魔とならないように、そして作業中に感光体103にキズを付けないようにする必要がある。そこで、図5に示すように、ハウジング119のホルダー部118とホルダー部201の間に隔壁204を設けて感光体103を保護するようにし、トナー格納部104の着脱作業領域から感光体103を分離した。
以上説明したトナー格納部104の交換作業は、一旦感光体トナーユニット105を現像装置108(側板124)から外してから行うものであったが、その作業工程を省き、現像装置108(側板124)に感光体トナーユニット105を取り付けたままの状態で直接、トナー格納部104の交換ができれば交換作業をさらに向上させることができる。
図6は本発明に係る像担持体ユニットの構成を示す概略断面図である。なお、説明や図を理解し易くするため図は主要部分を強調し、駆動系や説明に必要のない部分は省略している。同図において、上述したように、感光体ユニット105におけるトナー格納部104のハウジング119の長手方向中央付近の一部凹んだ掴み部137が設けられ、この掴み部137は感光体トナーユニット105を取外すときにユーザが感光体トナーユニット105を掴む掴み部であり、また後述する感光体トナーユニット105のロック機構の受け部でもある。ロック機構を解除し、外さないとロック機構が邪魔をして掴み部137をユーザが掴めないようにもなっており、ユーザの操作手順ミスを防止している。また、現像ユニット104の側板124の上部右側には、上側が切り欠かれたU字溝部138が設けられ、感光体トナーユニット105の位置決め固定部を形成している。そのU字溝部138の左側に軸139が図中の手前方向に突出、固設されており、感光体トナーユニット105とクリーニングユニット110を位置決め固定する2段モーションのレバー140が回転自在に軸支されている。このレバー140は、レバー部140−1と、レバー部140−2と、レバー部140−1、140−2の互いを回転自在に連結する軸140−3から成っている。そして、レバー140は軸139に回転自在に軸支され、2段モーションのリンク機構を構成している。また、U字溝部138を挟んでレバー140と対向する位置に支点133を中心とする曲率半径の切り欠き溝(図示せず)が形成されている。更に、側板124の左側には、軸141が図中手前方向に突出、固設されており、感光体トナーユニット105を位置決め固定するレバー142が回転自在に軸支されている。なお、レバー140,142にはバネなどの付勢部材(図示せず)が取り付けられている。
また、ユニットケース123は、クリーニングユニット110上方から着脱できるように上面が開口したケースであり、現像装置108と対向するように支点133を中心に回転自在としている。更に、ユニットケース123の側面上部(側面の図は省略)には軸143が図中手前方向に突出、固設されており、この軸143は切り欠き溝144と曲率半径方向が嵌合関係にあり、支点133を中心とするユニットケース123の左回動ストッパーの働きをしている。なお、左回動のストップ位置、即ち軸143が切り欠き溝144の左先端部に突当った位置が、画像形成動作時におけるカセットケース、つまりはクリーニングユニット110と帯電ローラ125、及びクエンチングランプ136の設定位置である。
更に、本発明の像担持体ユニットにおいて、感光体トナーユニット105の軸受け145の外径は、現像ユニット108の側板124に形成したU字溝部138と嵌合関係になるように設定されており、U字溝部138の両側面をガイドとしてU字溝部138の突当りまで軸受け145が嵌入することで、現像ユニット107における感光体トナーユニット105の基準位置が決まる。なお、感光体トナーユニット105のホルダー部146の側面には、現像ユニット107の側板124に形成した切り欠き溝144と同形状で同曲率を有する切り欠き溝147が形成されており、感光体トナーユニット105を現像ユニット107に取付けたとき、切り欠き溝144と切り欠き溝147が重なり合い、ユニットケース123の回動に伴い軸143が両切り欠き溝を出入りする。現像ユニット107に対する感光体トナーユニット105やクリーニングユニット110などの位置決めの構成は紙面手前側だけでなく奥側にも設けられている。また、感光体トナーユニット105のトナー格納部104の位置を決めるために感光体トナーユニット105を現像ユニット107に取付けた時、トナー格納部104の底面148と現像装置108の上面149が当接するようにもなっている。
以上のようなユニットケース123に対するクリーニングユニット110、及びクエンチングランプ136の位置決め固定作業が完了してから、感光体トナーユニット105の取付けに入る。現像ユニット107への感光体トナーユニット105の取付けは、図6のように現像ユニット107の上方から行うが、取付け直前までの現像ユニット107に対するアプローチ方向や方法は画像形成装置の形態毎に違うので、横方向や斜め方向、紙面手前方向など限定されるものではない。
次に、現像ユニットへの感光体トナーユニットの取付け手順について説明する。なお、感光体トナーユニットの取外しは取付け手順の逆の作業を行うものとする。図6に示すように、クリーニングユニット110をユニットケース123に入れ込んだ後、クエンチングランプ136を取付けたホルダー150を支点133を中心に回動し、クリーニングユニット110をユニットケース123に位置決めし固定し、感光体トナーユニット105を上方から取付ける。つまり、ホルダー150がユニットケース123に対するクリーニングユニット110の位置決め・固定、かつ着脱可能とするロック手段であり、クリーニングユニット110を固定したときの位置がユニットケース123におけるクエンチングランプ136の設定位置となる。なお、クエンチングランプ136は不測の故障や清掃のためホルダー150に対して着脱できるようになっている。そして、上方から感光体トナーユニット105を現像ユニット107に取付けて位置決めし、その後ユニットケース123を、支点133を中心に左回動してクリーニングユニット110と帯電ローラ125及びクエンチングランプ136を感光体103に対向させる。そして、前述したように感光体トナーユニット105における軸受け145の外径と、現像ユニット107におけるU字溝部138の半円部径とは一致し嵌合関係にあるので、現像ユニット107に対する感光体トナーユニット105の横方向(図の左右方向)及び高さ方向(図の上下方向)の位置が決まる。即ち、感光体103の中心点が画像ステーション200の位置基準(組付け基準)である現像ユニット107のU字溝部138の中心点が一致し、現像ユニット107に対する感光体103の位置が決められる。感光体103の長手方向(図の奥行方向)の位置は、感光体トナーユニット105が現像ユニット107の内側に入り込み、感光体トナーユニット105のホルダー部146の外側面と現像ユニット107の側板124の内側面とが密接して摺動するような寸法関係とすることにより位置を決めている。以上の位置決め構成は図中手前側だけでなく奥側にも設けられているので、現像ユニット107に対する感光体トナーユニット105の位置決めは、上記の構成においては感光体103の長手方向端部の2ヶ所となる。しかし、感光体トナーユニット105は感光体103だけを位置を決めし固定しても、トナー格納部104側がその自重により感光体103を中心に下方に回転したり、駆動系の振動でガタついたりする恐れがある。感光体トナーユニット105として位置決め精度に悪影響を及ぼし、安定さにも欠ける。そのため回転止めやガタつき防止の意味でトナー格納部104の位置を決める必要があり、トナー格納部104の底面148と現像装置108の上面149が当接するようにして固定するようにした。よって、感光体トナーユニット105の位置決めは合計3ヶ所となり、ガタのない安定した位置を決めることができる。特に、本発明のような感光体103側に2ヶ所、トナー格納部104側に1ヶ所以上の位置決め固定部を設ければ、高精度で安定した感光体トナーユニット105の位置決め、つまり感光体103の高精度決めとトナー格納部104のガタのない安定した位置決めをすることができる。なお、感光体トナーユニットや現像装置の形態ごとに位置決め固定部の箇所及び箇所数は異なるが、3ヶ所以上であれば同程度の効果は見込める。
また、感光体トナーユニット105を位置決めする時の現像ユニット107への取付け作業の仕方は、先ず感光体トナーユニット105の軸受け145をU字溝部138に少し入れて横方向(図の左右方向)の位置を決め、次にU字溝部138をガイドにゆっくりと感光体トナーユニット105を図6に示すような姿勢を保ったまま現像装置108のU字溝部138及び上面149に突き当たるまで下方に動かす。ただし、U字溝部138の突き当たりまで軸受け145を先に入れ込み、感光体トナーユニット105を現像ユニット107に対して傾斜させた状態、つまり感光体トナーユニット105のトナー格納部104側が持ち上がっている状態としてから、U字溝部138の中心点を中心に感光体トナーユニット105のトナー格納部104側を突き当てるまで下方に回転させる、というやり方でも良い。このとき、クリーニングユニット110、帯電ローラ125、クエンチングランプ136は感光体トナーユニット105に対して必ず離間状態にある。そのため作業中に感光体103を傷つけることはない。
そして、感光体トナーユニット105の現像ユニット107への位置決めが完了したら、クリーニングユニット110と帯電ローラ125及びクエンチングランプ136を感光体103に対向させるために、ユニットケース123を、支点133を中心に、ユニットケース123の軸151が現像ユニット107の切り欠き溝144と感光体トナーユニット105の切り欠き溝147の両先端部に突当るまで右回動し位置を決める。以上で、画像形成が行われる時の現像ユニット107に対する感光体トナーユニット105、クリーニングユニット110、帯電ローラ125及びクエンチングランプ136の設定位置が決まる。
次に、図6に示すように、レバー部140−2の一端部である摘み部140−4を摘み、レバー140を軸139を中心に右回動すると、レバー部140−1の面141−5が感光体トナーユニット105の軸受け145の外径部に当接したところでレバー部140−1の右回動がストップする。そして、摘み部140−4を更に右回動すると、軸140−3を中心にレバー部140−2のみが回動する。すると、後述する図7に示すように、レバー部140−2の他端部である係合部140−6がユニットケース123の軸143と係合する。この係合により、感光体トナーユニット105はレバー部140−1により現像ユニット107に押付け固定され、またユニットケース123はレバー部140−2により現像ユニット107に保持固定される。
次に、感光体トナーユニット105のトナー格納部104側の固定を行う。前述したように、レバー142が現像ユニット107の側板124に固設した軸141に回転自在に軸支されている。図6に示す状態からレバー142の一端部である摘み部142−1を摘み、軸141を中心に右回動すると、レバー142の他端部である押圧凸部142−2が感光体トナーユニット105のトナー格納部104の凹んだ部分である掴み部137の底面に当接し、図示しないバネなどの付勢部材により付勢される。この付勢により、感光体トナーユニット105のトナー格納部104側はレバー142により現像ユニット107に押付け固定される。
以上で、現像ユニット107に対する感光体トナーユニット105、クリーニングユニット110、帯電ローラ125及びクエンチングランプ136の組付け固定が完了し、画像ステーション200として完成する。取外し作業は上記作業手順を逆に行う。なお、本実施の形態例では感光体103をドラム状として説明しているが、ベルト状に構成することも可能である。
図7は画像ステーションに搭載されたままの感光体トナーユニットからトナー格納部のみを取り外した構成を示す概略断面図である。同図に示すように、感光体トナーユニット105のロック手段であるレバー140とレバー142のうち、レバー142のロックだけを解除し、レバー140はロック状態のままとする。レバー140がロック状態であれば、感光体トナーユニット105はある程度しっかりと現像装置108(側板124)に固定され、姿勢を維持していることができる。解除されたレバー142がトナー格納部104の着脱領域(上方)から離れた状態になれば、固定片203を回転退避させれば、トナー格納部104の着脱を行うことができる。従って、現像装置108(側板124)に感光体トナーユニット105を取り付けた状態でのトナー格納部104の交換が可能となる。また、このような構成であれば、例えば図8に示すようにトナー格納部104の取外しを行った後に、何らかの理由で感光体103の交換が必要になった場合でも、レバー140のロックを解除するだけで現像装置108(側板124)からトナー格納部104のない感光体トナーユニット105、つまり感光体103を容易に取外すことができる。なお、言うまでもないが図1の画像形成装置100に現像ユニット107が固定された状態であれば、画像形成装置100からの感光体トナーユニット105及びトナー格納部104や感光体103(ハウジング119)の着脱及び交換は可能である。画像ステーション200が画像形成装置100に対して着脱可能であるならば、画像ステーション200を一旦取外してからそれらの交換を行っても良い。
また、感光体トナーユニット105及びトナー格納部104や感光体103(ハウジング119)の着脱及び交換が現像ユニット107の上空間を使って行われるので、十分な作業空間を作るために、利便性、作業性を考えて画像形成装置100は装置本体の左端の支点を中心に上筺体102が回動しワニ口状に開放される。
ここで、感光体103の周辺のクリーニングユニット110、帯電ローラ125、及び画像形成装置の画像形成動作を説明しておくと、図2に示すように、クリーニングユニット110は、感光体103の表面上の残トナーやゴミなどを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード131及びクリーニング時のトナー飛散を防止するシールローラ132から成るクリーニング手段130と、除去した残トナーやゴミなどを廃トナーカセット(図示せず)に搬送するスクリュー134をクリーニング容器135で一体化している。シールローラ132とスクリュー134はクリーニング容器135に回転自在に支持され、ギヤ列によって感光体103と連結されている。そして、クリーニングユニット110は、側板124と一体的で回転可能なユニットケース123に収容固定されることで、感光体トナーユニット105及び感光体103に対する相対位置が高精度になるように位置決めされる。単独交換ができるようにクリーニングユニット110はユニットケース123から着脱自在でもある。つまり、クリーニングユニット110は、感光体トナーユニット105と同様に側板124上で位置決め固定され、かつ単独に着脱自在であり、また感光体トナーユニット105とは接離可能である。帯電ローラ125は、感光体103の表面を一様に帯電する帯電手段であり、ユニットケース123に軸支され、ギヤ列によって感光体103と連結されている。そして、クリーニングユニット110と同様に、感光体トナーユニット105及び感光体103に対する相対位置が高精度になるように位置決めされ、単独に交換ができるように帯電ローラ125はユニットケース123から着脱自在でもある。つまり、帯電ローラ125も、感光体トナーユニット105やクリーニングユニット110と同様に側板124上で位置決めされ、かつ寿命/交換時期の問題も考慮して単独に着脱できるようにし、感光体トナーユニット105とも接離可能である。
次に、本発明の画像形成装置の画像形成動作について図1及び図2を用いて説明する。
先ず、画像形成時に右回転する感光体103に対して、帯電ローラ125がその表面を一様に帯電する。帯電された感光体103表面は書込ユニット106により走査され静電潜像を形成する。形成された静電潜像は感光体103の回転により現像装置108に至り、現像ローラ127で可視像化されトナー像が感光体103上に形成される。ここで2成分現像の場合、現像装置108内では、搬送スクリュー128とパドルローラ129によりキャリアは正(+)に、トナーは負(−)に帯電させられ、現像ローラ127の磁石により現像ローラ127上に汲み上げられたキャリアとトナーは感光体103との対向部において磁気ブラシを形成し、磁気ブラシ上のトナーが現像バイアスによって感光体103上に形成されている静電潜像部にのみ付着しトナー像を形成する。そして、感光体103上のトナー像が転写位置に到達するのにタイミングを合わせて、給紙カセット112又は手差し用の送りローラ対114から転写用紙Sが搬送され、転写ローラ111により感光体103上のトナー像が転写される。トナー像が転写された転写用紙Sは定着装置109に送られ加圧と熱により定着した後、排紙部117に排出される。他方、転写後の感光体103は除電装置であるクエンチングランプ136により除電され、感光体103上に残った残留トナーはクリーニングユニット110のクリーニング手段130のクリーニングブレード131により掻き落され、スクリュー134により廃トナーカセット(図示せず)に搬送される。クリーニングブレード131により感光体103をクリーニングしている時、感光体103との当接部で発生しているトナー飛散をシールローラ132で防止している。
以上、本発明の感光体トナーユニット105及び画像ステーション200をモノクロの画像形成装置に搭載した場合を例に挙げて説明したが、カラー画像形成装置の一例である図9に示すように、同じ構成の感光体トナーユニット105及び画像ステーション200を複数設置し、異なる色のトナーをトナー格納部に格納すればカラー画像形成装置300が成立することは言うまでもない。この場合、経時的にみれば各色で感光体やトナーの消耗度に違いが出てくることや、クリーニング手段の寿命にも違いが出てくること、また現像装置に不測の故障のなどの発生があるため、ランニングコスト低減の観点からすれば、各色それぞれ独立にそれらが取外し交換できることが好ましい。
なお、図9に示すカラー画像形成装置300の場合、中間転写ベルトユニットと並列配置されている感光体トナーユニット105を境界として、中間転写ベルトユニットを含む上側を上筺体、複数の感光体トナーユニット105を含む下側を下筺体とし、画像形成装置本体の左端の支点301を中心に上筺体が回動しワニ口状に開放するように構成すれば、上述したモノクロの画像形成装置の実施例の場合と同様に、利便性、作業性の良いカラー画像形成装置となる。
また、本発明は上記実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。