JP2008128611A - Egrクーラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 多数の冷却水流路と排ガス流路とが交互に配置されたコアの外周にケーシングが設けられ、ケーシング内に冷却水が導かれるEGRクーラにおいて、冷却水の流入部の各部に均一に冷却水を流通させると共に、その入口部の構造を単純化して耐久性の高いものとすること。
【解決手段】 ケーシング5の長手方向一端部でヘッダープレート3に隣接し、幅方向に矩形の細長い入口6を設け、その入口6およびその近傍をディストリビュータ9によって被嵌する。そしてディストリビュータ9の供給パイプ10からディストリビュータ9内に流入する冷却水8がケーシング5の外面に衝突して入口6に導かれるように構成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、排気再循環装置(EGR)に用いられる排ガス冷却用のEGRクーラに関し、より詳しくはそのケーシングの外面から供給する冷却水をコア各部に均一に分配するものに関する。
本出願人には、既に下記特許文献に示すEGRクーラを提案している。このEGRクーラは、多数の偏平チューブを並列し、その両端をヘッダープレートに貫通してコアを形成し、そのコア外周にケーシングを被嵌すると共に、ケーシングの長手方向両端に一対の出入口パイプを連通したものである。
なお、各偏平チューブはその外面側に多数のディンプルが突設したものが用いられ、ケーシングはその長手方向両端部に僅かに膨出部を設け、その膨出部に出入口パイプが接続されたものである。そして各偏平チューブ内に排ガスが流通し、出入口パイプの一方から冷却水が流入し、各偏平チューブの外面を流通して他方の出入口パイプからそれが流出する。そして冷却水と排ガスとの間に熱交換が行われるものである。
特開2004−177060号公報 特開2006−207887号公報
従来のEGRクーラは、入口側のパイプからケーシング内に流入する冷却水は、そのパイプの軸線方向の中心に近いほど流速が速くなる速度分布を有する。従って、入口パイプからケーシング内に供給された冷却水は、パイプの開口の軸線上の位置とその周辺位置とでは流速が異なり、それに基づき各偏平チューブ間に供給される流量が不均一になりがちであった。そのため、熱交換を最大限に引き出すことができないおそれがあった。
さらには、排ガスのヘッダプレート近傍に冷却水の滞留域が生じ、偏平チューブの付根部分を劣化させるおそれがあった。
このような問題を取り除く方法の一つとして、ケーシング内に冷却水を均等に分配するプレートやリブ等を配置することも考えられる。しかしながら、その場合には特別な加工および部材が必要となり、加工および組立工数が増加すると共に構造が複雑となり、耐久性に欠けるおそれがある。
そこで本発明は、これらの問題点を取り除いた構造の簡単な耐久性の高いEGRクーラを提供することを課題とする。
請求項1に記載の本発明は、排ガス流路(1)と冷却水流路(2)とが交互に配置され、排ガス流路(1) の両端がヘッダープレート(3)に貫通したコア(4)と、
そのコア(4)の外周を被嵌するケーシング(5)と、ケーシング(5)の長手方向両端部に設けられた一対の冷却水の入口(6)および出口(7)とを具備するEGRクーラにおいて、
ケーシング(5)の横断面が方形に形成され、そのケーシング(5)の長手方向の一端部で前記ヘッダープレート(3)に隣接して、幅方向に平行な細長い矩形の前記入口(6)が設けられ、
底部(9a)および外周部(9b)を有する一端開放の箱状に形成されたディストリビュータ(9) を有し、そのディストリビュータ(9)の幅が前記入口(6)の幅と略同一で、長さがその入口(6)の短辺より充分長くされ、その前記開放側が前記入口(6)およびその近傍を被嵌するように接合され、
そのディストリビュータ(9)の前記底部(9a)で、前記入口(6)には対向しない位置に冷却水の供給口(10)が設けられ、
その供給口(10)からディストリビュータ(9)内に流入する冷却水(8)が、ケーシング(5)の外面に衝突して、その前記入口(6)に導かれるように構成されたことを特徴とするEGRクーラである。
請求項2に記載の本発明は、前記ディストリビュータ(9)はその底部(9a)の平面形状が、前記供給口(10)を頂点とする二等辺三角形の扇形部(11)と、その扇形部(11)に接続された矩形部(12)とからなり、その矩形部(12)が前記入口(6)に対向するように位置されたEGRクーラである。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
前記排ガス流路(1)が並列された複数の偏平チューブ(13)からなり、その断面の長軸が前記ディストリビュータ(9)の底部(9a)に直交するように配置され、各偏平チューブ(13)の外面に前記冷却水流路(2) が形成されたEGRクーラである。
本発明のEGRクーラは、そのケーシング5の一端に幅方向に平行な細長い矩形の入口6が設けられ、その入口6およびその近傍を被嵌するようにディストリビュータ9が接続され、そのディストリビュータ9の底部9aに供給パイプ10が設けられて、その供給パイプ10からディストリビュータ9内に流入する冷却水8がケーシング5の外面に衝突して、入口6に導かれるように構成したから、入口6の各部に均一に冷却水を分配し、コア4の各冷却水流路2に均一に冷却水を流通させ、熱交換を促進し得る効果がある。
しかも、ケーシング5自体には細長い入口6を開口すれば足り、それをディストリビュータ9が被嵌するように接合するものであるから、構造が簡単で且つ、接合部の液密性を保ち易く信頼性の高いEGRクーラとなり得る。
上記構成において、ディストリビュータ9の底部9aが供給パイプ10を頂点とする扇形部11とその扇形部11に接続された矩形部12とからなり、その矩形部12がケーシング5の入口6に対向するように位置した場合には、供給パイプ10から供給された冷却水をさらに均等に入口6の各部に分配することができる。
上記構成において、排ガス流路1が並列された複数の偏平チューブ13からなり、その断面の長軸を入口6の底部に直交するように配置した場合には、入口6各部に供給された冷却水をより均一且つ効果的に各偏平チューブ13の外周に供給することができる。
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の要部を示す一部破断一部分解斜視図である。また、図2は同要部の縦断面であって図3におけるII−II矢視断面略図、図3は図2のIII−III矢視断面略図である。さらに、図4は本発明のEGRクーラの全体を示す正面図であり、図5は同縦断面図、図6は同要部底面図、図7は図5のVII−VII矢視断面拡大図、図8は同EGRクーラの作用を示す要部断面斜視図である。
このEGRクーラは、図1に示す如く多数の偏平チューブ13を並列すると共に、その両端部をヘッダープレート3のチューブ挿通孔に挿通してコア4を形成する。
なお、偏平チューブ13の外面には図5,図7,図8に示す如く多数のディンプル18が突設され、それが隣接する偏平チューブ13のディンプル18に接触してスペーサを形成する。このようにしてなるコア4の外周には、筒状のケーシング5が被嵌される。ケーシング5は、一例として半割にした溝状の一対の部材をその両縁部が重なるようにして互いに嵌着するように形成できる。或いは、一枚のプレートを加工して筒状に折り曲げても良い。係るケーシング5は、その両端部が外側に僅かに膨出した端部膨出部15を有すると共に、それらの間に適宜間隔で複数の中間部膨出部16が設けられている。この端部膨出部15および中間部膨出部16はケーシング5の補強部を形成すると共に、端部膨出部15は冷却水のタンク部を形成する。
図4および図5において、ケーシング5の下面側の両端部には幅方向に細長い矩形の入口6と出口7が形成される。入口6は図2および図3に示す如くヘッダープレート3に近接し、端部膨出部15の略全幅に渡って細長く開口している。なお、端部膨出部15はこの例では下面側のみケーシング5の長手方向中心側に向かって山形に突出している。そして、この入口6およびその近傍を被嵌するディストリビュータ9は、図1に示す如く上端が開放された偏平な箱状に形成され、その平面は二等辺三角形の扇形部11とそれに一体の矩形部12とからなり、矩形部12の形状は前記ケーシング5の入口6よりも僅かに大に形成されている。そして扇形部11の頂部に供給パイプ10が設けられたものである。
このようなディストリビュータ9は、その矩形部12がケーシング5の入口6を被嵌する。そして図4,図5に示す如く、ケーシング5の長手方向両端には入口タンク19,出口タンク20が接続され、ケーシング5の他端の出口7には出口パイプ21が配置される。そして各部品間が一体にろう付けまたは溶接される。
ここで、本発明の特徴部分であるディストリビュータ9は、ケーシング5の一端部にろう付けまたは溶接により接合され、ディストリビュータ9の供給パイプ10の開口はケーシング5外面の冷却水衝突面17に図2の如く対向する。
このようにしてなるEGRクーラは、排ガス14が入口タンク19を介し各偏平チューブ13内の排ガス流路1に供給され、出口タンク20に導かれる。そして冷却水8がディストリビュータ9の供給パイプ10から供給され、それがケーシング5の冷却水衝突面17に一旦衝突して入口6に導かれる。このとき冷却水8は、供給パイプ10から図3の如く扇型に導かれ、流路断面が次第に拡大し冷却水8の流速を遅くして入口6に導かれる。そして入口6内に並列された各偏平チューブ13の外周に均等に供給され、図2、図5に示す如くその冷却水8を偏平チューブ13の長手方向に導き、ケーシング5の出口7から出口パイプ21を介して外部に導かれる。そして冷却水8により排ガス14を冷却するものである。
(変形例)
前記の例では、ケーシング5の端部下面に設けられた端部膨出部15はディストリビュータ9の外周に略整合するように平面山形に突出形成されているが、本発明はこれに限ることなく、一例として、図9および図10の如く、ケーシング5における下面の端部膨出部15の形状とディストリビュータ9の外周の形状とを異ならせ、ディストリビュータ9の上端開口をケーシング5の端部に整合するように形成してもよい。
また、前述の例では排ガス流路1として偏平チューブ13を用いたが、それに代えて長尺な金属板を葛折状に形成(特開2006−207887号公報記載の熱交換器)し、その両端にヘッダプレートとして櫛歯状のものを配置してもよい。
本発明のEGRクーラの要部を示す一部破断一部分解斜視図。 同要部の縦断略面であって、図3におけるII−II矢視断面略図。 図2のIII−III矢視断面略図。 本発明のEGRクーラの全体を示す正面図。 同縦断面図。
同要部底面図。 図5のVII−VII矢視断面図。 同要部斜視縦断面図。 本発明のEGRクーラの他の例を示す要部縦断面図。 同底面図。
符号の説明
1 排ガス流路
2 冷却水流路
3 ヘッダープレート
4 コア
5 ケーシング
6 入口
7 出口
8 冷却水
9 ディストリビュータ
9a 底部
9b 外周部
10 供給パイプ
11 扇形部
12 矩形部
13 偏平チューブ
14 排ガス
15 端部膨出部
16 中間部膨出部
17 冷却水衝突面
18 ディンプル
19 入口タンク
20 出口タンク
21 出口パイプ
22 斜面

Claims (3)

  1. 排ガス流路(1)と冷却水流路(2)とが交互に配置され、排ガス流路(1) の両端がヘッダープレート(3)に貫通したコア(4)と、
    そのコア(4)の外周を被嵌するケーシング(5)と、ケーシング(5)の長手方向両端部に設けられた一対の冷却水の入口(6)および出口(7)とを具備するEGRクーラにおいて、
    ケーシング(5)の横断面が方形に形成され、そのケーシング(5)の長手方向の一端部で前記ヘッダープレート(3)に隣接して、幅方向に平行な細長い矩形の前記入口(6)が設けられ、
    底部(9a)および外周部(9b)を有する一端開放の箱状に形成されたディストリビュータ(9) を有し、そのディストリビュータ(9)の幅が前記入口(6)の幅と略同一で、長さがその入口(6)の短辺より充分長くされ、その前記開放側が前記入口(6)およびその近傍を被嵌するように接合され、
    そのディストリビュータ(9)の前記底部(9a)で、前記入口(6)には対向しない位置に冷却水の供給口(10)が設けられ、
    その供給口(10)からディストリビュータ(9)内に流入する冷却水(8)が、ケーシング(5)の外面に衝突して、その前記入口(6)に導かれるように構成されたことを特徴とするEGRクーラ。
  2. 請求項1において、
    前記ディストリビュータ(9)はその底部(9a)の平面形状が、前記供給口(10)を頂点とする二等辺三角形の扇形部(11)と、その扇形部(11)に接続された矩形部(12)とからなり、その矩形部(12)が前記入口(6)に対向するように位置されたEGRクーラ。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記排ガス流路(1)が並列された複数の偏平チューブ(13)からなり、その断面の長軸が前記ディストリビュータ(9)の底部(9a)に直交するように配置され、各偏平チューブ(13)の外面に前記冷却水流路(2) が形成されたEGRクーラ。
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