JP2008127550A - アイオノマー樹脂用接着剤組成物および複合体の製造方法 - Google Patents

アイオノマー樹脂用接着剤組成物および複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プライマーレスのアイオノマー樹脂との接着性に優れるアイオノマー樹脂用接着剤組成物の提供。
【解決手段】ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られる数平均分子量2,000以上のウレタンプレポリマーと、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらのビュレット体からなる群から選ばれる少なくとも1種の接着性付与剤とを含有するアイオノマー樹脂用接着剤組成物、並びにこれを用いる複合体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アイオノマー樹脂用接着剤組成物および複合体の製造方法に関する。
近年、自動車のガラス周りには、環境性に問題を有する塩化ビニルに代わってアイオノマー樹脂のモールが使用されるようになっている。
アイオノマー樹脂のモールはプラズマ処理の際にプライマー処理も施される。
しかし、プライマー処理は溶剤を多量に含むため環境に悪影響を及ぼすという問題がある。
また、本願発明者は、プライマー処理されたアイオノマー樹脂はプライマー処理後の経過時間が長くなると接着性に劣ること、従来自動車窓ガラスとモールとを接着させるために使用されていた1成分系ウレタン弾性シール材はアイオノマー樹脂との接着性が低いことを見出した。
したがって、本発明は、プライマーレスのアイオノマー樹脂との接着性に優れる接着剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定のウレタンプレポリマーと特定の接着性付与剤とを含有する組成物が、プライマーレスのアイオノマー樹脂との接着性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(4)を提供する。
(1) ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られる数平均分子量2,000以上のウレタンプレポリマーと、
水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらのビュレット体からなる群から選ばれる少なくとも1種の接着性付与剤とを含有するアイオノマー樹脂用接着剤組成物。
(2) 前記接着性付与剤を、1質量%以上10質量%未満含有する上記(1)に記載のアイオノマー樹脂用接着剤組成物。
(3) 上記(1)または(2)に記載のアイオノマー樹脂用接着剤組成物をアイオノマー樹脂に塗布する塗布工程と、
前記アイオノマー樹脂と被着体とを前記アイオノマー樹脂用接着剤組成物を介して接着させ複合体とする接着工程とを具備する複合体の製造方法。
(4) 前記被着体が、ガラスである上記(3)に記載の複合体の製造方法。
本発明のアイオノマー樹脂用接着剤組成物は、プライマーレスのアイオノマー樹脂との接着性に優れる。
また、本発明の複合体の製造方法は、アイオノマー樹脂にプライマーを施す必要がなく、アイオノマー樹脂と被着体との接着性に優れる複合体を得ることができる。
本発明について以下詳細に説明する。
まず、本発明の組成物は、
ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られる数平均分子量2,000以上のウレタンプレポリマーと、
水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらのビュレット体からなる群から選ばれる少なくとも1種の接着性付与剤とを含有するアイオノマー樹脂用接着剤組成物である。
以下、これを「本発明の組成物」ということがある。
ウレタンプレポリマーについて以下に説明する。
本発明の組成物に含有されるウレタンプレポリマーは、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られる数平均分子量2,000以上のものであれば特に制限されない。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」ということがある。)は、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4′−MDI)または2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)である。なお、MDIは2種類を併用して使用することができる。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用されるポリオール化合物は、ヒドロキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されない。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、その他のポリオール、およびこれらの混合ポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールおよびペンタエリスリトールからなる群から選ばれる少なくとも1種の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドおよびポリオキシテトラメチレンオキサイドからなる群から選ばれる少なくとも1種を付加させて得られるポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンおよび1,1,1−トリメチロールプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種の低分子ポリオールと、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ダイマー酸、低分子脂肪族カルボン酸やおよびオリゴマー酸からなる群から選ばれる少なくとも1種との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトンなどの開環重合体が挙げられる。
その他のポリオールとしては、例えば、ポリマーポリオール、ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
ポリオール化合物は、ポリプロピレングリコール(PPG)であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
ポリオール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタンプレポリマーを製造する際使用されるMDIとポリオール化合物との量は、NCO基/OH基(当量比)が、1.2〜2.5となるのが好ましく、1.5〜2.2となるのがより好ましい。当量比がこのような範囲である場合、得られるウレタンプレポリマーの粘度が適当となり、組成物が発泡しにくくなる。
ウレタンプレポリマーは、その製造について特に制限されない。例えば、ポリオール化合物とMDIとを、50〜100℃で加熱かくはんすることによって行うことができる。また、必要に応じて、例えば、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることができる。
ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、2,000以上である。このような範囲の場合、アイオノマー樹脂との接着性に優れる。
また、ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、アイオノマー樹脂との接着性のより優れるという観点から、4,000〜8,000であるのが好ましく、5,000〜7,000であるのがより好ましい。
なお、本発明において、ウレタンプレポリマーの数平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)によって測定されたものである。
ウレタンプレポリマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着性付与剤について以下に説明する。
本発明の組成物に含有される接着性組成物は、
水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびこれらのビュレット体からなる群から選ばれる少なくとも1種であれば特に制限されない。
水添キシリレンジイソシアネートは、キシリレンジイソシアネートのベンゼン環が部分水添されたもの、または完全に水添されたものが挙げられる。
トリフェニルメタントリイソシアネートは、下記式(A)で表される化合物である。
Figure 2008127550
接着性付与剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着性付与剤の量は、アイオノマー樹脂用接着剤組成物中、1質量%以上10質量%未満であるのが好ましい。
接着性付与剤の量がアイオノマー樹脂用接着剤組成物中1質量%以上である場合、複合体の接着強度を試験した際の破壊状況において、アイオノマー樹脂用接着剤組成物が凝集破壊し被着体との界面はく離が少なくなり、アイオノマー樹脂との接着性により優れる。
また、接着性付与剤の量がアイオノマー樹脂用接着剤組成物中10質量%未満である場合、アイオノマー樹脂用接着剤組成物が発泡しにくいという観点から好ましい。
接着性付与剤の量は、アイオノマー樹脂との接着性により優れ、より発泡しにくいという観点から、アイオノマー樹脂用接着剤組成物中、1〜5質量%であるのが好ましく、1〜4質量%であるのがより好ましい。
本発明の組成物は、ウレタンプレポリマーおよび接着性付与剤のほかに、本発明の目的を損わない範囲で、添加剤を含有することができる。
本発明の組成物が含有することができる添加剤としては、例えば、硬化触媒、充填剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、無機顔料、有機顔料、難燃剤、脱水剤、溶剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、充填剤が挙げられる。
添加剤の使用量は、ウレタンプレポリマー組成物に使用されうる量であれば特に制限されない。
硬化触媒は、ウレタンプレポリマーに対して使用できるものであれば特に制限されない。例えば、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸のようなカルボン酸類;ポリリン酸、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェートのようなリン酸類;ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレートのような有機金属類;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(例えば、DMP−30)のような第三級アミンが挙げられる。
硬化触媒の使用量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して、0.1〜5質量部であるのが好ましい。
充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;けいそう土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;またはこれらを例えば、脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル、ウレタン化合物により処理した処理物が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジイソノニルアジペート、ジオクチルフタレート(DINP)、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステルが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、亜リン酸トリフェニル等が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の化合物が挙げられる。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
接着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、臭素原子および/またはリン原子含有化合物、アンモニウムポリホスフェート、ジエチルビスヒドロキシエチルアミノエチルホスフェート、ネオペンチルブロマイドーポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
脱水剤としては、例えば、アシロキシシリル基含有ポリシロキサンが挙げられる。
本発明の組成物は、その製造について特に制限されない。例えば、ウレタンプレポリマーと接着性付与剤と、必要に応じて使用することができる添加剤とをあらかじめ減圧下または窒素ガス存在下において、混合ミキサー等のかくはん装置を用いて十分に混練して調製することができる。
本発明の組成物の硬化は特に制限されず、本発明の組成物を5〜40℃、湿度20〜80%RHの環境下で湿気硬化させることができる。
本発明の組成物は、アイオノマー樹脂と被着体とを接着させるために使用することができる。
本発明の組成物を使用できる被着体は、特に制限されず、例えば、ガラス、塗板、金属、プラスチック、アイオノマー樹脂が挙げられる。
また、本発明の組成物をアイオノマー樹脂用接着剤の他に、例えば、建築用の接着剤、シーリング材、コーティング材として使用することができる。
次に本発明の複合体の製造方法について以下に説明する。
本発明の製造方法は、
本発明のアイオノマー樹脂用接着剤組成物をアイオノマー樹脂に塗布する塗布工程と、
前記アイオノマー樹脂と被着体とを前記アイオノマー樹脂用接着剤組成物を介して接着させ複合体とする接着工程とを具備する複合体の製造方法である。
塗布工程について以下に説明する。
塗布工程は、本発明のアイオノマー樹脂用接着剤組成物をアイオノマー樹脂に塗布する工程である。
本発明の複合体の製造方法において使用されるアイオノマー樹脂用接着剤組成物は、本発明のアイオノマー樹脂用接着剤組成物であれば特に制限されない。
アイオノマー樹脂について以下に説明する。
本発明の複合体の製造方法において使用されるアイオノマー樹脂は、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体が分子間で金属イオンによって結合している構造を有するものであれば特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
共重合体中におけるエチレン単位の含有量は、好ましくは75〜99.5モル%、より好ましくは88〜98モル%である。
共重合体中におけるα,β−不飽和カルボン酸単位の含有量は、好ましくは0.5〜15モル%、より好ましくは1〜6モル%である。
α,β−不飽和カルボン酸単位の含有量が15モル%以下の場合、アイオノマー樹脂の耐熱性、機械特性、成形加工性に優れる。
α,β−不飽和カルボン酸単位の含有量が0.5モル%以上の場合、アイオノマー樹脂との熱融着性改良効果に優れる。
共重合体は、α,β−不飽和カルボン酸エステル単位を含有することができる。
共重合体がα,β−不飽和カルボン酸エステル単位を含有する場合、α,β−不飽和カルボン酸エステル単位の含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは6モル%以下である。
共重合体を構成するα,β―不飽和カルボン酸としては、好ましくは炭素数3〜8個のものが挙げられ、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸が挙げられる。
また、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、好ましくは炭素数4〜8個のものが挙げられ、より好ましくはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸ブチル、フタル酸ジメチルが挙げられる。
製造の際、α,β−不飽和カルボン酸としてアクリル酸、メタクリル酸が使用され、α,β−不飽和カルボン酸エステルとしてアクリル酸イソブチルが使用されることによって得られるアイオノマー樹脂が好ましい態様の1つとして挙げられる。
共重合体中のカルボキシ基のうち、金属イオンと結合するカルボキシ基の割合は、好ましくは80モル%以下、より好ましくは75モル%以下である。金属イオンと結合するカルボキシ基の割合が80%モル以下の場合、得られるアイオノマー樹脂の押出成形性に優れる。
金属イオンとしては、例えば、1〜3価の原子価を有する金属イオンが挙げられる。
1〜3価の原子価を有する金属イオンは、元素周期律表におけるI、II、III、IV及びVII族の1〜3価の原子価を有する金属イオンであれば特に制限されない。
例えば、Na+、K+、Li+、Cs+、Ag+、Hg+、Cu+、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cu2+、Cd2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+、Al3+、Sc3+、Fe3+、Y3+等が挙げられる。
なかでも、Zn2+、Na+が好ましい。
金属イオンは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、金属イオンとアンモニウムイオンとを併用することができる。
アイオノマー樹脂が分子間で金属イオンによって結合している構造の一例を下記式(1)に示す。
Figure 2008127550
式(1)において、M+は金属イオンを示し、m、nおよびpは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。
式(1)において、M+は2つの共重合体を架橋している。
本発明において、アイオノマー樹脂は式(1)に示すようにM+が2つの共重合体を架橋する構造のほか、M+が共重合体のカルボキシ基1個を中和する構造を有することができる。
アイオノマー樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、充填剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、ステアリン酸、シリコーンオイル等の離型剤、ポリエチレンワックス等の滑剤、着色剤、顔料、発泡剤(有機系、無機系)、難燃剤(水和金属化合物、赤燐、ポリりん酸アンモニウム、アンチモン、シリコーン)、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤などの添加物を含有することができる。
アイオノマー樹脂は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
アイオノマー樹脂は成型加工性に優れ、その成型の方法としては、例えば、押出成形、射出成形(特に押出成形)が挙げられる。各種の成形は、例えば、従来公知の方法に従って行うことができる。
アイオノマー樹脂から得られる成型体としては、例えば、自動車部材、建築部材、弱電製品が挙げられる。自動車部材が好ましい態様の1つとして挙げられる。
自動車部材としては、例えば、自動車用モールディングが挙げられる。
具体的には例えば、自動車に装着されるウィンドモールディング、ルーフモールディング、プロテクターモールディング、ウェザーモールディング、ストリップモールディングが挙げられる。
アイオノマー樹脂用接着剤組成物をアイオノマー樹脂に塗布する方法は特に制限されない。例えば、塗布(例えば、スプレー塗布。)、浸漬が挙げられる。塗布量は厚さが1〜5mmとなる量であればよい。
次に、接着工程において、アイオノマー樹脂と被着体とをアイオノマー樹脂用接着剤組成物を介して接着させ複合体とする。
本発明の複合体の製造方法において使用される被着体としては、例えば、ガラス、塗板、金属、プラスチック、アイオノマー樹脂が挙げられる。ガラスが好ましい態様の1つとして挙げられる。
被着体として使用されるガラスは、特に制限されない。例えば、自動車用窓ガラス(例えば、フロント、リア、サイドに装着される窓ガラス。)が挙げられる。
ガラスとしては、例えば、合わせガラスが挙げられる。また、ガラスは、接着剤層の紫外線劣化を防止し、意匠性を高めるためにセラミックコーティング層が形成されていてもよい。
なお、被着体に予めアイオノマー樹脂用接着剤組成物を塗布しておくことができる。被着体にアイオノマー樹脂用接着剤組成物を塗布する方法は特に制限されない。例えば、塗布(例えば、スプレー塗布。)、浸漬が挙げられる。塗布量は厚さが1〜5mmとなる量であればよい。
アイオノマー樹脂と被着体とをアイオノマー樹脂用接着剤組成物を介して接着させ、複合体とする。
アイオノマー樹脂用接着剤組成物を湿気硬化させる際の条件は上記と同様である。
具体的には、例えば、20℃、60%RHの条件下に3日間置いて湿気硬化させることができる。
本発明の複合体について、引張試験機(オートグラフ、島津製作所社製)を用いて20℃、60%RHの条件下において測定された、初期における(接着直後の)複合体の接着強度は、接着の破壊が接着剤の凝集破壊又は被着体破壊であるのが好ましい。
また、本発明の複合体を40℃の温水中に7日間置いて引き上げた後、引張試験機を用いて20℃、60%RHの条件下において測定された、複合体の接着強度は、接着の破壊が接着剤の凝集破壊又は被着体破壊であるのが好ましい。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.ウレタンプレポリマーの調製
(1)ウレタンプレポリマー1
ポリプロピレンジオール(数平均分子量2,000)500g、ポリプロピレントリオール(数平均分子量5,000)750gおよび可塑剤としてのフタル酸ジオクチル1460gを混合し、得られた混合物を減圧下、110℃で16時間脱水した。その後、この混合物に対して、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートをNCO/OHモル比が1.80となるように214g添加し、窒素気流中、80℃で24時間反応させることによってイソシアネート基を1.34質量%含有するウレタンプレポリマー(数平均分子量6,000)を得た。得られたウレタンプレポリマーをウレタンプレポリマー1とする。
(2)ウレタンプレポリマー2
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート124gを2,4−トリレンジイソシアネート149.9gに代える他はウレタンプレポリマー1と同様にしてウレタンプレポリマーを調製した。得られたウレタンプレポリマーをウレタンプレポリマー2とする。
(3)ウレタンプレポリマー3
ポリプロピレンジオール(数平均分子量1,000)250g、ポリプロピレントリオール(数平均分子量1,000)150gおよび可塑剤としてのアジピン酸ジイソノニル(DINA)614gを混合し、得られた混合物を減圧下、110℃で16時間脱水した。その後、この混合物に対して、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートをNCO/OHモル比が1.80となるように214g添加し、窒素気流中、80℃で24時間反応させることによってイソシアネート基を1.34質量%含有するウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーをウレタンプレポリマー3とする。
2.アイオノマー樹脂用接着剤組成物の調製
(1)ベース接着剤の調製
(i)ベース接着剤1
得られたウレタンプレポリマー1を40質量部と、炭酸カルシウム(スーパーS、丸尾カルシウム社製)20質量部と、カーボンブラック(旭サーマル、旭カーボン社製)30質量部と、アジピン酸ジイソノニル(DINA、三菱ガス化学社製)10質量部とを均一に混合して混合物を得た。得られた混合物をベース接着剤1とする。
(ii)ベース接着剤2
ウレタンプレポリマー1をウレタンプレポリマー2に代える以外はベース接着剤1の調製と同様にして調製を行い混合物を得た。得られた混合物をベース接着剤2とする。
(iii)ベース接着剤3
ウレタンプレポリマー1をウレタンプレポリマー3に代える以外はベース接着剤1の調製と同様にして調製を行い混合物を得た。得られた混合物をベース接着剤3とする。
(2)アイオノマー樹脂用接着剤組成物の調製
下記第1表に示す各成分を第1表に示す量比で用いこれらを均一に混合して、アイオノマー樹脂用接着剤組成物を得た。
3.評価
(1)試験片の作製
アイオノマー樹脂板上の表面をイソプロピルアルコールで洗浄し、その上に、圧着後の接着層の厚さが3mmとなるようにプライマーを用いずに各接着剤組成物を塗布し、圧着して試験片を作製した。
(2)初期接着性試験
作製した試験片を20℃、60%RHの条件下で7日間放置して養生した後、JASO(自動車規格)M338−89に規定する、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊の状態を目視で確認した。
具体的には、樹脂板と接着層との界面にナイフを20〜30mm入れて、接着層の一部(手で引っ張る部分)を樹脂板からはく離させた後、試験片を固定し、はく離した部分の接着層を90度以上の方向に手で引っ張ることによって行った。
なお、手による引っ張りは、5〜10mmの間隔で接着層に鋭利なナイフで約60度のナイフカットを入れながら行った。
結果を第1表に示す。
(3)耐温水接着性試験
得られた試験片を40℃の温水に7日間沈めた後温水から引き上げ、初期接着性試験と同様にはく離試験を行った。結果を第1表に示す。
(4)接着性の評価基準
接着性の評価基準は、アイオノマー樹脂用接着剤組成物が凝集破壊した場合をCF、アイオノマー樹脂用接着剤組成物が被着体界面ではく離した場合をAFとした。
(5)発泡性
樹脂板上に塗布した接着剤組成物を目視し、発泡状態の有無を調べた。
Figure 2008127550
Figure 2008127550
第1表に示す成分の詳細は以下のとおりである。
・ウレタンプレポリマー1〜3:上記のとおり調製したもの
・接着性付与剤1:トリフェニルメタントリイソシアネート[HC(C64NCO)3](商品名:ディスモジュールRE、トリフェニルメタントリイソシアネート25質量%含有品、住友バイエルウレタン社製)なお、第1表中接着性付与剤1の量はトリフェニルメタントリイソシアネートの量である。
・接着性付与剤2:H6XDI[C610(CH2NCO)2、住友バイエルウレタン社製]
・接着性付与剤3:TMXDI[C44(−C(CH32−NCO)2、住友バイエルウレタン社製]
・接着性付与剤4:HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)のアダクト体(商品名D−165N、住友バイエルウレタン社製)
・接着性付与剤5:HDIのビュレット体(武田薬品工業社製)
・接着性付与剤a:イソシアネートフェノールチオホスフェート[SP(OC64NCO)3](商品名:ディスモジュールFRE、イソシアネートフェノールチオホスフェート25質量%含有品、住友バイエルウレタン社製)なお、第1表中接着性付与剤aの量はイソシアネートフェノールチオホスフェートの量である。
・接着性付与剤b:ポリメリックMDI(商品名:スミジュール44V10、住友バイエルウレタン社製)
第1表に示す結果から明らかなように、比較例1〜5はアイオノマー樹脂との接着性が低かった。
これに対して、実施例1〜5は、アイオノマー樹脂にプライマーを施すことなく、アイオノマー樹脂と被着体との接着性に優れる複合体を得ることができた。
本発明の組成物は、接着性付与剤がウレタンプレポリマーよりもアイオノマー樹脂と反応しやすいという、接着性付与剤とウレタンプレポリマーとの反応性の違いによって、アイオノマー樹脂との接着性に優れると本願発明者は推察する。
なお、仮にメカニズムが別であっても本願発明の範囲内である。

Claims (4)

  1. ジフェニルメタンジイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られる数平均分子量2,000以上のウレタンプレポリマーと、
    水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらのビュレット体からなる群から選ばれる少なくとも1種の接着性付与剤とを含有するアイオノマー樹脂用接着剤組成物。
  2. 前記接着性付与剤を、1質量%以上10質量%未満含有する請求項1に記載のアイオノマー樹脂用接着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載のアイオノマー樹脂用接着剤組成物をアイオノマー樹脂に塗布する塗布工程と、
    前記アイオノマー樹脂と被着体とを前記アイオノマー樹脂用接着剤組成物を介して接着させ複合体とする接着工程とを具備する複合体の製造方法。
  4. 前記被着体が、ガラスである請求項3に記載の複合体の製造方法。
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