JP2008126540A - シリンダ並びにこのシリンダを備えた薬液注入用具及びシリンダの成形金型並びにこの成形金型を用いたシリンダの製造方法 - Google Patents

シリンダ並びにこのシリンダを備えた薬液注入用具及びシリンダの成形金型並びにこの成形金型を用いたシリンダの製造方法 Download PDF

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【課題】射出成形時の離型性を良好にしながら成形後のシリンダの内径寸法に大小関係が生じるのを抑制すること。
【解決手段】第一間隙寸法t1が第二間隙寸法t3よりも小さく設定され、これら第一間隙寸法t1と第二間隙寸法t3との関係は、合成樹脂材料の種類ごとに規定される厚み寸法当たりの成形収縮率Pに基づいて、成形後の収縮が生じる前の段階における第一設計直径寸法φXaと第二設計直径寸法φYaとを繋ぐ面が抜きテーパ面を構成し、かつ、成形後の収縮によってシリンダ胴部の内側面がその軸線を中心とする略円柱面となる関係に設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱可塑性樹脂からなる有底のシリンダに関する技術である。
従来から、前記有底のシリンダが使用される物として、例えば医療施設で使用される使い捨てのシリンジが知られている。このシリンジは、シリンダと、このシリンダ内を移動可能なガスケットが装着されたプランジャとを備え、このプランジャの押し込み操作によって薬液をシリンダから吐出することが可能とされている。
具体的に、前記シリンダは、円筒状のシリンダ胴部と、このシリンダ胴部の一端を閉鎖する底部とを一体に有する有底の形状とされ、この底部に薬液吐出用の開口が形成されている。
この種のシリンダを熱可塑性樹脂で形成する場合には射出成形が行われる。射出成形では、主に前記シリンダの外側面を形作る雌型と、主にシリンダの内側面を形作る雄型との間に樹脂を流し込み、冷却後にこれら両型を離間させた上で雄型から製品(シリンダ)を抜き取る作業が行なわれる。
このような射出成形を行うに際し、シリンダの内側面を前記底部から離間するに従い広がるテーパ(以下、抜きテーパと称す)に設計することにより、前記雄型を先窄まりの形状として当該雄型からの製品の抜き取り易さ(以下、離型性と称す)を良好にする技術が知られている(例えば、特許文献1)。そして、この特許文献1の技術では、シリンダの内側面を構成する側壁の肉厚が一定に設計されている(0020段落参照)。
特開平7−323085号公報
しかしながら、特許文献1のようにシリンダの内側面に抜きテーパを設計した場合には離型性を良好にすることができる反面、シリンダの側壁の肉厚を一定に設計しているため、成形後の冷却により、シリンダは成形材料の成形収縮率に応じて相似形を維持したまま全体として収縮することになり、当該収縮後のシリンダには前記抜きテーパに応じた内径寸法の大小関係が生じてしまう。
したがって、このように成形されたシリンダに嵌め合わされる相手の部品(例えば、前記ガスケット)との関係においては、シリンダの開口端側の嵌め合わせが緩く、底部側の嵌め合わせがきつくなることを避けることができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、射出成形時の離型性を良好にしながら成形後の内径寸法に大小関係が生じるのを抑制することができるシリンダ並びにこのシリンダを備えた薬液注入用具及びシリンダの成形金型並びにこの成形金型を用いたシリンダの製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本件出願人は、熱可塑性の合成樹脂の成形収縮率が成形時の肉厚寸法に応じて変化することに着目して、成形時には抜きテーパを形成しながら成形後の収縮によって抜きテーパをストレートにする技術に想到した。
つまり、本発明は、円筒状のシリンダ胴部とこのシリンダ胴部の一方の端末に設けられた底部とを一体に有し、熱可塑性の合成樹脂材料により形成されたシリンダであって、前記シリンダ胴部の軸線方向で底部側から開口端側に向けて広がる抜きテーパを前記シリンダ胴部の内側に形成する範囲として前記軸線方向の特定の範囲に予め設定されたテーパ形成範囲において、前記軸線と直交する平面による輪切り断面での前記シリンダ胴部の厚み寸法がその周方向で略均一にされているとともに、前記軸線方向の第一位置における輪切り断面での第一厚み寸法が、前記第一位置よりも開口端側の第二位置における輪切り断面での第二厚み寸法よりも小さく形成され、これら第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係は、前記合成樹脂材料の種類ごとに規定される厚み寸法当たりの成形収縮率に基づいて、成形後の収縮が生じる前の段階における前記第一位置の輪切り断面の第一内側面と第二位置の輪切り断面の第二内側面とを繋ぐ面が前記抜きテーパの少なくとも一部を構成し、かつ、成形後の収縮によって前記テーパ形成範囲におけるシリンダ胴部の内側面が前記軸線を中心とする略円柱面となる関係に設定されていることを特徴とするシリンダを提供する。
本発明によれば、テーパ形成範囲におけるシリンダ胴部の肉厚を、収縮前に形成される抜きテーパの内側面の直径寸法が大きい部分ほど厚くする構成を採用している。ここで、成形収縮率は合成樹脂材料の肉厚が大きくなるほど高くなる性質を有しているため、前記テーパ形成範囲において、シリンダ胴部は、抜きテーパの直径寸法が大きい部分ほど大きく収縮することになる。
そして、本発明では、成形後の収縮が生じる前の段階における第一位置における第一内側面と第二位置における第二内側面とを繋ぐ面が前記抜きテーパの少なくとも一部を構成し、成形後の収縮によってテーパ形成範囲におけるシリンダ胴部の内側面が略円柱面(ストレート)となるように、第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係が設定されているため、収縮前の段階で抜きテーパを形成しながら、その後の収縮によって、この抜きテーパが略円柱面に変化したシリンダを得ることができる。
したがって、本発明によれば、射出成形時の離型性を良好にしながら成形後の内径寸法に大小関係が生じるのを抑制することができる。
具体的に、前記成形収縮率に基づいて第一厚み寸法を得ることができる厚み寸法として算出された収縮前の第一位置の輪切り断面における厚み寸法である第一設計厚み寸法と、前記第一設計厚み寸法と成形収縮率とに基づいて前記略円柱面の直径寸法を得ることができる直径寸法として算出された前記第一内側面の直径寸法である第一設計直径寸法と、第一位置と第二位置との軸線方向の距離と、前記抜きテーパに規定された勾配と、第一設計直径寸法に基づき算出された前記第二内側面の直径寸法である第二設計直径寸法と、前記成形収縮率に基づいて前記第二設計直径寸法を前記略円柱面の直径寸法に収縮させることができる前記第二位置の輪切り断面における厚み寸法として算出された第二設計厚み寸法とが収縮前の設計寸法として設定され、前記第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係は、第一設計厚み寸法及び第二設計厚み寸法が前記成形収縮率に基づいて収縮したときの関係にある構成とすることができる。
このようにすれば、収縮前の寸法である第一設計直径寸法及び第二設計直径寸法がそれぞれ収縮後に前記略円柱面の直径寸法となるように設定された収縮前の第一設計厚み寸法及び第二設計厚み寸法に起因して、前記第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係が設定されることになる。
また、本発明は、前記シリンダと、このシリンダの開口端に対し当該シリンダと同軸に連結された円筒状の気体側シリンダと、これらシリンダ内をその軸線方向で二つの室に仕切る隔壁と、前記シリンダ内を前記軸線方向に液密状態で摺動可能な液体側ピストンと、前記気体側シリンダ内を前記軸線方向に気密状態で摺動可能な気体側ピストンと、これら両ピストンを連結するとともに前記隔壁を気密状態で摺動可能に挿通する連結部材と、前記シリンダの底部に設けられ当該底部と前記液体側ピストンとの間に薬液を導入可能な導入部と、前記導入部により導入された薬液を排出可能な排出部とを備え、前記導入部から薬液が導入されることに応じて前記液体側ピストンが前記隔壁側へ移動することにより、この液体側ピストンと前記連結部材を介して連結された気体側ピストンが隔壁から離間して当該隔壁との間に減圧室を形成し、この減圧室内の圧力と大気圧との差圧に応じて前記シリンダ内を摺動する液体側ピストンによって前記排出部を通して薬液が排出されることを特徴とする薬液注入用具を提供する。
本発明によれば、連結部材を介して連動する液体側ピストン及び気体側ピストンを減圧室内の圧力と大気圧との差圧によって移動させることにより前記シリンダ内を移動する液体側ピストンによって薬液を排出することができるので、前記差圧に応じた高精度の薬液注入を実現することができる。
特に、本発明では上述したようにシリンダの内径寸法のばらつきが抑制されているので、このシリンダと液体側ピストンとの間の摺動抵抗を、当該シリンダの軸線方向について略均一にすることができるため、より高精度の薬液注入が可能となる。
さらに、本発明は、円筒状のシリンダ胴部とシリンダ胴部の一方の端末に設けられた底部とを一体に有するシリンダを、熱可塑性の合成樹脂材料により成形するための金型であって、前記底部の外側面を形作るための底面と、前記シリンダ胴部の外側面を形作るための内側面とを有する雌型と、前記底部の内側面を形作るための先端面と、前記シリンダ胴部の内側面を形作るための外側面とを有する雄型とを備え、前記雄型の外側面は、当該外側面の軸線方向の特定の範囲が当該軸線方向で先端面から離間する方向に向けて広がるとともに前記軸線を中心とする円形断面を有する外側テーパ面とされている一方、前記雌型の内側面は、前記特定の範囲に対応する範囲が前記軸線方向で底面から離間する方向に向けて広がるとともに前記軸線を中心とする円形断面を有する内側テーパ面とされており、前記軸線方向の第一位置における外側テーパ面と内側テーパ面との間の第一間隙寸法が、前記第一位置よりも前記底面から離間した第二位置における外側テーパ面と内側テーパ面との間の第二間隙寸法よりも小さく設定され、これら第一間隙寸法と第二間隙寸法との関係は、前記合成樹脂材料の種類ごとに規定される厚み寸法当たりの成形収縮率に基づいて、前記外側テーパ面により形作られた前記シリンダ胴部の内側面が、当該シリンダの収縮によって前記シリンダ胴部の軸線を中心とする略円柱面となる関係に設定されていることを特徴とする成形金型を提供する。
本発明によれば、第一位置における雄型の外側テーパ面と雌型の内側テーパ面との間の第一間隙寸法が、第二位置における第二間隙寸法よりも小さく設定されている、つまり、これら両型により形作られるシリンダ胴部の肉厚を、抜きテーパの内側面の直径寸法が大きい部分ほど厚くするようにしている。したがって、雄型と雌型との間で形作られたシリンダ胴部は、成形後に抜きテーパの直径寸法が大きい部分ほど大きく収縮することになる。
そして、本発明では、外側テーパ面により形作られたシリンダ胴部の内側面が、前記シリンダの収縮によってシリンダ胴部の軸線を中心とする略円柱面となるように、第一間隙寸法と第二間隙寸法との関係が設定されているため、収縮前の段階で抜きテーパを形成しながら、その後の収縮によって、この抜きテーパが略円柱面に変化したシリンダを得ることができる。
したがって、本発明によれば、射出成形時の離型性を良好にしながら成形後の内径寸法に大小関係が生じるのを抑制することができる。
具体的に、前記第一間隙寸法は、前記第一位置に対応する位置におけるシリンダ胴部の肉厚として予め設定された第一厚み寸法を前記シリンダの収縮後に得るための間隙寸法として前記成形収縮率に基づいて算出され、前記第二間隙寸法は、前記第一間隙寸法と成形収縮率とに基づいて前記略円柱面の直径寸法を得ることができる前記第一位置における前記雄型の外側面の直径寸法である第一設計直径寸法と、前記第一位置と第二位置との軸線方向の距離と、前記外側テーパ面に規定された勾配とに基づいて算出された前記第二位置における前記雄型の外側面の直径寸法である第二設計直径寸法を、前記略円柱面の直径寸法に収縮させることができる合成樹脂材料の厚み寸法を前記第二位置で得るための間隙寸法として前記成形収縮率に基づいて算出されたものとすることができる。
このようにすれば、収縮前のシリンダ胴部の寸法となる第一設計直径寸法及び第二設計直径寸法がそれぞれ収縮後に前記略円柱面の直径寸法となるように設定された前記第一間隙寸法及び第二間隙寸法を採用することができる。
さらに、本発明は、前記成形金型を用いたシリンダの製造方法であって、前記雄型と雌型とを近接させてこれら両型の間に合成樹脂材料を注入する工程と、前記雌型と雄型とを離間させてこれら両型からシリンダを取り外す工程と、取り外されたシリンダを冷却する工程とを含むことを特徴とするシリンダの製造方法を提供する。
本発明によれば、上述のように収縮後のシリンダ胴部の内側面が略円柱面となるシリンダを成形することができる。
本発明によれば、テーパ形成範囲におけるシリンダ胴部の肉厚を、収縮前に形成される抜きテーパの内側面の直径寸法が大きい部分ほど厚くする構成を採用している。ここで、成形収縮率は合成樹脂材料の肉厚が大きくなるほど高くなる性質を有しているため、前記テーパ形成範囲において、シリンダ胴部は、抜きテーパの直径寸法が大きい部分ほど大きく収縮することになる。
そして、本発明では、成形後の収縮が生じる前の段階における第一位置における第一内側面と第二位置における第二内側面とを繋ぐ面が前記抜きテーパの少なくとも一部を構成し、成形後の収縮によってテーパ形成範囲におけるシリンダ胴部の内側面が略円柱面(ストレート)となるように、第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係が設定されているため、収縮前の段階で抜きテーパを形成しながら、その後の収縮によって、この抜きテーパが略円柱面に変化したシリンダを得ることができる。
したがって、本発明によれば、射出成形時の離型性を良好にしながら成形後の内径寸法に大小関係が生じるのを抑制することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る薬液注入用具の全体構成を示す側面断面図である。
図1を参照して、薬液注入用具1は、充填された薬液をチューブBを通して患者へ注入するためのものである。
具体的に、薬液注入用具1は、薬液を収容するための液体側シリンダ2と、この液体側シリンダ2に同軸に連結された気体側シリンダ3と、前記液体側シリンダ2内をその軸線方向に摺動可能な液体側ピストン4と、前記気体側シリンダ3内をその軸線方向に摺動可能な気体側ピストン5を有するプランジャ6とを備えている。
液体側シリンダ2は、ポリプロピレン樹脂からなる成形品である。この液体側シリンダ2は、円筒状のシリンダ胴部7と、このシリンダ胴部7の一端に設けられた底部8とを一体に有する有底筒状に形成されている。なお、液体側シリンダ2の底部8が設けられている側を前方として以下説明する。
詳しくは後述するが、シリンダ胴部7は、前後方向と直交する平面による輪切り断面での厚み寸法がその周方向で略均一にされているとともに、その内径寸法が前後方向で略均一とされている。
底部8には、シリンダ胴部7内に薬液を導入するための導入部9と、前記チューブBを接続するための排出部10とが形成されている。導入部9は、図示を省略するが、注射筒等の先端部と適合可能なポートと、シリンダ胴部7への薬液の流れを許容する一方、導入された薬液がシリンダ胴部7から流出するのを防止する逆止弁とを備えている。前記チュブBは、薬液をシリンダ胴部7から所定の流量調整部11を介して患者へ導くようになっている。
気体側シリンダ3は、略円筒状に形成されたシリンダ本体12と、このシリンダ本体12の前部に設けられた隔壁14とを一体に有し、この隔壁14により前記液体側シリンダ2と気体側シリンダ3の内部空間が前後方向の二つの室に区画されている。
液体側ピストン4は、ピストン本体15と、このピストン本体15の周囲を取り囲むパッキン16とを一体に有する二色成形品である。このパッキン16は、液体側ピストン4が前記液体側シリンダ2内を液密状態で摺動可能となる弾性を得られるように断面V字型の形状とされている。
プランジャ6は、前記気体側ピストン5と、この気体側ピストン5から前方へ延びるロッド(連結部材)17とを一体に有している。気体側ピストン5の外周面には、前後一対のOリング18が装着されており、これらOリング18によって気体側ピストン5が気体側シリンダ3内を気密状態で摺動可能とされている。ロッド17の前端部は、前記液体側ピストン4のピストン本体15に連結されている。また、ロッド17の途中部は、当該ロッド17と前記隔壁14との間に設けられたOリング19によって、当該隔壁14に対し気密状態で摺動可能に挿通している。
したがって、前記導入部9から導入された薬液は液体側ピストン4と液体側シリンダ2の底部8との間に収容され、この薬液の導入圧によって液体側ピストン4が液体側シリンダ2の底部8から後方へ押し動かされることになる(図1のように底部8から液体側ピストン4が離間していく)。
液体側ピストン4にはロッド17を介して気体側ピストン5が連結されているので、前記液体側ピストン4の移動に応じて気体側ピストン5も後方へ移動することになる。この結果、気体側ピストン5と前記隔壁14との間には減圧室S1が形成される。この状態において、気体側シリンダ3の後部は大気に開放されているため、気体側ピストン5には、前記減圧室S1内の圧力と大気圧との差圧に応じた前方への力が作用することになる。そして、この力がロッド17を介して液体側ピストン4に伝達して当該液体側ピストン4が前方へ移動することにより、薬液がチューブBを通して患者へ注入される。
このように、前記薬液注入用具1は、大気圧を駆動源として利用しているので、比較的均一の流量での薬液注入が可能となる。特に、本実施形態では、液体側シリンダ2の内側面が概ねストレートに形成されているので、当該液体側シリンダ2の内側面と前記液体側ピストン4(パッキン16)との摺動抵抗を略均一としてさらに精緻な流量での薬液注入を実現することができる。以下、液体側シリンダ2を成形するための成形金型について説明する。
まず、液体側シリンダ2の成形材料となるポリプロピレンの成形収縮率について図2を参照して説明する。同図に示すように、ポリプロピレンの成形収縮率Pは、収縮前の肉厚寸法と比例する関係にある。つまり、成形収縮率Pは、肉厚寸法が大きくなるほどその値が大きくなる特性を有している。具体的に、肉厚が1.0mmのときの成形収縮率Pは約0.012であり、肉厚が2.0mmのときの成形収縮率Pは約0.018であり、肉厚が3.0mmのときの成形収縮率Pは約0.024である。
P=0.006×t+0.006・・・(1)
したがって、成形収縮率Pと肉厚寸法tとの間には前記関係式(1)が成立する。
図3は、図1の液体側シリンダの成形金型及び収縮後の液体側シリンダを概略的に示す側面断面図である。
図3を参照して、成形金型20は、主に液体側シリンダ2の内側面を形作るための雄型21と、主に液体側シリンダ2の外側面を形作るための雌型22とを備え、これら雄型21及び雌型22は、図外のプレス装置によって互いに近接して材料を注入可能な注入位置(図3の状態)と、相離間した開放位置(図示せず)との間で接離可能とされている。なお、図3では、前記導入部9や排出部10を省略した液体側シリンダ2の形状を示している。
雄型21は、前記底部8の内側面を形作る先端面23と、前記シリンダ胴部7の内側面を形作る外側面24とを有する円錐台形状を含んでいる。つまり、外側面24は、前記先端面23と直交する方向に向けて先広がりとなるテーパ面とされているとともに、この外側面24と先端面23との関係は、その断面形状が等脚台形となるように形成されている。前記雄型21の円錐台形状の軸線方向の先端面23側を前方として以下説明する。
雌型22は、前記底部8の外側面を形作る底面25と、前記シリンダ胴部7の外側面を形作る内側面26とを有している。詳しくは後述するが、内側面26は、前記注入位置において前記外側面24との間の間隙が後方へ向かうに従い広くなるテーパ面とされている。
以下、前記雄型21及び雌型22の設計方法について説明する。
[1]第一間隙寸法t1の算出
t1×(1−P)=t2・・・(2)
まず、シリンダ胴部7の前端位置(第一位置)における目標肉厚寸法(第一厚み寸法)t2を得るための外側面24と内側面26との第一間隙寸法(第一設計厚み寸法)t1を前記式(2)を用いて算出する。ここで、成形収縮率Pは第一間隙寸法t1のときの成形収縮率であるので、前記関係式(1)を用いて、前記式(2)は下記式(3)のようにすることができる。
0.006t1−0.994t1+t2=0・・・(3)
例えば、前記目標肉厚寸法t2を2.0mmとすると、前記第一間隙寸法t1は2.04mmと算出することができる。
[2]雄型21の第一設計直径寸法φXaの算出
φXa×(1−P)=φYb・・・(4)
前後方向においてシリンダ胴部7の前端部に対応する位置(以下、第一位置と称す)における前記雄型21の外径寸法である第一設計直径寸法φXaを前記式(4)を用いて算出する。ここで、φYbは液体側シリンダ2の収縮後における目標となる内径寸法(略円柱面の直径寸法)である。また、この式(4)における成形収縮率Pは、φXaを取り囲む成形材料の肉厚、つまり、肉厚t1のときの値である。
例えば、肉厚t1が2.04mmのとき、前記式(1)に基づいて成形収縮率Pは0.0182であり、目標内径寸法φYbを52mmとすると、前記φXaは、52.96mmとなる。
[3]雌型22の第一設計外側寸法φXbの算出
φXb×(1−P)=φYb+2×t2・・・(5)
前記雌型22の前記第一位置における内径寸法である第一設計外側寸法φXbを前記式(5)を用いて算出する。ここで、成形収縮率Pは肉厚t1のときの値である。
例えば、肉厚t1が2.04mmのとき、成形収縮率Pは0.182であり、目標内径寸法φYbを52mmとすると、前記φXbは57.04mmとなる。
[4]雄型21の第二設計直径寸法φYaの算出
φYa=φXa+2×L×tanθ1・・・(6)
前後方向において前記シリンダ胴部7の開口端に対応する位置(以下、第二位置と称す)における雄型21の外形寸法である第二設計直径寸法φYaを前記式(6)を用いて算出する。ここで、Lは、シリンダ胴部7の底部8から開口端までの前後深さ寸法に対応する雄型21の長さ寸法(第一位置から第二位置までの前後方向の距離)である。また、θ1は、抜きテーパの勾配として予め設定された角度である。
例えば、前記第一設計直径寸法φXaを52.96mm、長さ寸法Lを84mm、θ1を0.1°とすると、前記φYaは53.24mmとなる。
[5]第二設計直径寸法φYaを目標内径寸法φYbとするための収縮率P1の算出
φYa×(1−P1)=φYb・・・(7)
前記第二設計直径寸法φYaが成形収縮率P1に応じて収縮したときに目標内径寸法φYbとなるため前記式(7)が成立する。
例えば、第二設計直径寸法φYaを53.24mm、目標内径寸法φYbを52mmとすると、P1は0.0233となる。
[6]収縮率P1を得ることができる第二間隙寸法(第二設計厚み寸法)t3の算出
P1=0.006×t3+0.006・・・(8)
前記式(1)を利用して、収縮率P1と第二間隙寸法t3との間には前記式(8)が成立する。
例えば、前記収縮率P1を0.0233とすると、t3は2.883mmとなる。
そして、このように設計された雄型21及び雌型22を用いて液体側シリンダ2を成形する場合には、まず、雄型21を互いに前記注入位置(図3の位置)まで近接させて、この状態で両型21、22の間に溶融したポリプロピレン樹脂を注入する。次いで、両型21、22内で所定時間の冷却処理を行った後、雄型21と雌型22とを開放位置まで離間させた上で、雄型21側に残る液体側シリンダ2を当該雄型21から抜き取ることになる。このとき、前記雄型21の外側面24はテーパ面とされているので、当該雄型21から容易に液体側シリンダ2を抜き取ることが可能となる。そして、このように抜き取られた液体側シリンダ2が室温まで冷却されることにより、当該液体側シリンダ2の前記雄型21のテーパ面により形作られた部分がストレートの面へ収縮することになる。つまり、第一間隙寸法t1が第二間隙寸法t3よりも小さく設計されているので、シリンダ胴部7の厚み寸法も底部8から開口端に向かうに従い大きくされ、この厚み寸法に応じて大きくなる成形収縮率の特性によって、シリンダ胴部7の開口端側ほど直径方向に大きく収縮することになる結果、前記テーパ面がストレート面に収縮することになる。
具体的に、例えば、成形時の抜きテーパの勾配θ1として0.1°が必要である条件の下に、目標肉厚寸法(第一厚み寸法)t2が2mm、目標内径寸法φYbを52mm、雄型21の長さ寸法Lを84mmとしたときには、第一間隙寸法t1を2.04mm、第二間隙寸法t3を2.883mm、第一設計直径寸法φXaを52.96mm、第二設計直径寸法φYaを53.24mmとすることにより、収縮後のシリンダ胴部7の内側面をストレートに収縮させることが可能となる。
換言すると、収縮後の製品としての液体側シリンダ2を見たときには、シリンダ胴部7の内側面の直径寸法が52mm(目標内径寸法φYb)、シリンダ胴部7の前端部(第一位置)における肉厚が2mm、シリンダ胴部7の開口端側(第二位置)の肉厚t4が2.816mm[2.883×(1−P1)]となっており、これら寸法の関係は上述した[1]〜[6]で算出した各数値の関係を満たすことになる。
なお、前記実施形態では、ポリプロピレン樹脂により液体側シリンダ2を成形する際について説明しているが、他の熱可塑性合成樹脂についても肉厚寸法との比例関係が成立するため、上記[1]〜[6]の方法で、収縮前のテーパ面を収縮後にストレートに収縮させることができる設計を行うことができる。具体的に、図2の一点鎖線P2に示すように、ポリカーボネート樹脂では(P2=0.003×t+0.003)の関係が成立し、二点鎖線P3で示すように、アクリル樹脂では(P3=0.002×t+0.002)の関係が成立することになるため、これらの関係式を利用して前記[1]〜[6]のプロセスを利用すれば、収縮前のテーパ面を収縮後にストレートに収縮させることができる設計を行うことができる。
以上説明したように、前記実施形態によれば、シリンダ胴部7の肉厚を、収縮前に形成される抜きテーパの内側面(雄型21の外側面24)の直径寸法が大きい部分ほど厚くする構成を採用している。ここで、成形収縮率Pは合成樹脂材料の肉厚が大きくなるほど高くなる性質を有しているため、シリンダ胴部7の抜きテーパの直径寸法が大きい部分ほど大きく収縮することになる。
そして、前記実施形態では、成形後の収縮が生じる前の段階における第一位置におけるシリンダ胴部7の内側面と第二位置におけるシリンダ胴部7の内側面とを繋ぐ面が前記抜きテーパを構成し、成形後の収縮によってシリンダ胴部7の内側面が略円柱面(ストレート)となるように、収縮後のシリンダ胴部7の第一位置の厚み寸法t2と収縮後のシリンダ胴部7の第二位置の厚み寸法t4との関係が設定されているため、収縮前の段階で抜きテーパを形成しながら、その後の収縮によって、この抜きテーパが略円柱面に変化したシリンダを得ることができる。
したがって、前記実施形態によれば、射出成形時の離型性を良好にしながら成形後の内径寸法に大小関係が生じるのを抑制することができる。
具体的に、前記実施形態のように、成形収縮率Pに基づいて第一厚み寸法t2を得ることができる厚み寸法として算出された第一間隙寸法(第一設計厚み寸法)t1と、第一間隙寸法t1と成形収縮率Pとに基づいて目標内径寸法φYbを得ることができる直径寸法として算出された第一設計直径寸法φXaと、長さ寸法Lと、勾配θ1と、第一設計直径寸法φXaに基づいて算出された第二設計直径寸法φYaと、成形収縮率Pに基づいて第二設計直径寸法φYaを目標内径寸法φYbに収縮させるためのものとして算出された第二間隙寸法(第二設計厚み寸法)t3とが収縮前の設計寸法として設定され、前記第一位置の厚み寸法t2と第二位置の厚み寸法t4との関係は、第一間隙寸法(第一設計厚み寸法)t1及び第二間隙寸法(第二設計厚み寸法)t3が成形収縮率Pに基づいて収縮したときの関係にある構成とすることができる。
そして、前記薬液注入用具1によれば、液体側シリンダ2の内径寸法のばらつきが抑制されているので、この液体側シリンダ2と液体側ピストン4との間の摺動抵抗を、当該液体側シリンダ2の軸線方向について略均一にすることができるため、より高精度の薬液注入が可能となる。
具体的には図4に示すように、収縮後にも抜きテーパが形成されている従来の液体側シリンダを採用した薬液注入用具の流量を示す二点鎖線で示すグラフでは、液体側ピストン4が液体側シリンダの底部に近接するに従い摺動抵抗が大きくなるため、流量が時間の経過とともに徐々に低下しているのに対し、前記[1]〜[6]のプロセスで設計された液体側シリンダ2を採用した薬液注入用具の流量を示す実線で示すグラフでは、シリンダ胴部7の全長にわたり内径寸法が略一定とされているので、時間の経過にかかわらず略一定の吐出流量を実現することが可能となる。
さらに、前記実施形態に係る成形金型によれば、第一間隙寸法t1が第二間隙寸法t3よりも小さく設定されている。つまり、雄型21及び雌型22により形作られるシリンダ胴部7の肉厚を、抜きテーパの内側面の直径寸法が大きい部分ほど厚くするようにしている。したがって、雄型21と雌型22との間で形作られたシリンダ胴部7は、成形後に抜きテーパの直径寸法が大きい部分ほど大きく収縮することになる。
そして、前記成形金型では、雄型21のテーパ面により形作られたシリンダ胴部7の内側面が、液体側シリンダ2の収縮によってシリンダ胴部7の軸線を中心とする略円柱面となるように、第一間隙寸法t1と第二間隙寸法t3との関係が設定されているため、収縮前の段階で抜きテーパを形成しながら、その後の収縮によって、この抜きテーパが略円柱面に変化した液体側シリンダ2を得ることができる。
したがって、前記成形金型によれば、射出成形時の離型性を良好にしながら成形後の内径寸法に大小関係が生じるのを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る薬液注入用具の全体構成を示す側面断面図である。 肉厚と成形収縮率との関係を示すグラフである。 図1の液体側シリンダの成形金型及び収縮後の液体側シリンダを概略的に示す側面断面図である。 図1の薬液注入用具により吐出された薬液の流量を示すグラフである。
符号の説明
P 成形収縮率
t 肉厚寸法
t1 第一間隙寸法
t2 目標肉厚寸法(第一厚み寸法)
t3 第二間隙寸法
t4 肉厚(第二厚み寸法)
θ1 勾配
1 薬液注入用具
2 液体側シリンダ
3 気体側シリンダ
4 液体側ピストン
5 気体側ピストン
6 プランジャ
7 シリンダ胴部
8 底部
14 隔壁
17 ロッド
20 成形金型
21 雄型
22 雌型
23 先端面
24 外側面
25 底面
26 内側面

Claims (6)

  1. 円筒状のシリンダ胴部とこのシリンダ胴部の一方の端末に設けられた底部とを一体に有し、熱可塑性の合成樹脂材料により形成されたシリンダであって、
    前記シリンダ胴部の軸線方向で底部側から開口端側に向けて広がる抜きテーパを前記シリンダ胴部の内側に形成する範囲として前記軸線方向の特定の範囲に予め設定されたテーパ形成範囲において、前記軸線と直交する平面による輪切り断面での前記シリンダ胴部の厚み寸法がその周方向で略均一にされているとともに、前記軸線方向の第一位置における輪切り断面での第一厚み寸法が、前記第一位置よりも開口端側の第二位置における輪切り断面での第二厚み寸法よりも小さく形成され、これら第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係は、前記合成樹脂材料の種類ごとに規定される厚み寸法当たりの成形収縮率に基づいて、成形後の収縮が生じる前の段階における前記第一位置の輪切り断面の第一内側面と第二位置の輪切り断面の第二内側面とを繋ぐ面が前記抜きテーパの少なくとも一部を構成し、かつ、成形後の収縮によって前記テーパ形成範囲におけるシリンダ胴部の内側面が前記軸線を中心とする略円柱面となる関係に設定されていることを特徴とするシリンダ。
  2. 前記成形収縮率に基づいて第一厚み寸法を得ることができる厚み寸法として算出された収縮前の第一位置の輪切り断面における厚み寸法である第一設計厚み寸法と、
    前記第一設計厚み寸法と成形収縮率とに基づいて前記略円柱面の直径寸法を得ることができる直径寸法として算出された前記第一内側面の直径寸法である第一設計直径寸法と、
    第一位置と第二位置との軸線方向の距離と、前記抜きテーパに規定された勾配と、第一設計直径寸法に基づき算出された前記第二内側面の直径寸法である第二設計直径寸法と、
    前記成形収縮率に基づいて前記第二設計直径寸法を前記略円柱面の直径寸法に収縮させることができる前記第二位置の輪切り断面における厚み寸法として算出された第二設計厚み寸法とが収縮前の設計寸法として設定され、
    前記第一厚み寸法と第二厚み寸法との関係は、第一設計厚み寸法及び第二設計厚み寸法が前記成形収縮率に基づいて収縮したときの関係にあることを特徴とする請求項1に記載のシリンダ。
  3. 請求項1又は2に記載のシリンダと、このシリンダの開口端に対し当該シリンダと同軸に連結された円筒状の気体側シリンダと、これらシリンダ内をその軸線方向で二つの室に仕切る隔壁と、前記シリンダ内を前記軸線方向に液密状態で摺動可能な液体側ピストンと、前記気体側シリンダ内を前記軸線方向に気密状態で摺動可能な気体側ピストンと、これら両ピストンを連結するとともに前記隔壁を気密状態で摺動可能に挿通する連結部材と、前記シリンダの底部に設けられ当該底部と前記液体側ピストンとの間に薬液を導入可能な導入部と、前記導入部により導入された薬液を排出可能な排出部とを備え、前記導入部から薬液が導入されることに応じて前記液体側ピストンが前記隔壁側へ移動することにより、この液体側ピストンと前記連結部材を介して連結された気体側ピストンが隔壁から離間して当該隔壁との間に減圧室を形成し、この減圧室内の圧力と大気圧との差圧に応じて前記シリンダ内を摺動する液体側ピストンによって前記排出部を通して薬液が排出されることを特徴とする薬液注入用具。
  4. 円筒状のシリンダ胴部とシリンダ胴部の一方の端末に設けられた底部とを一体に有するシリンダを、熱可塑性の合成樹脂材料により成形するための金型であって、
    前記底部の外側面を形作るための底面と、前記シリンダ胴部の外側面を形作るための内側面とを有する雌型と、
    前記底部の内側面を形作るための先端面と、前記シリンダ胴部の内側面を形作るための外側面とを有する雄型とを備え、
    前記雄型の外側面は、当該外側面の軸線方向の特定の範囲が当該軸線方向で先端面から離間する方向に向けて広がるとともに前記軸線を中心とする円形断面を有する外側テーパ面とされている一方、前記雌型の内側面は、前記特定の範囲に対応する範囲が前記軸線方向で底面から離間する方向に向けて広がるとともに前記軸線を中心とする円形断面を有する内側テーパ面とされており、前記軸線方向の第一位置における外側テーパ面と内側テーパ面との間の第一間隙寸法が、前記第一位置よりも前記底面から離間した第二位置における外側テーパ面と内側テーパ面との間の第二間隙寸法よりも小さく設定され、これら第一間隙寸法と第二間隙寸法との関係は、前記合成樹脂材料の種類ごとに規定される厚み寸法当たりの成形収縮率に基づいて、前記外側テーパ面により形作られた前記シリンダ胴部の内側面が、当該シリンダの収縮によって前記シリンダ胴部の軸線を中心とする略円柱面となる関係に設定されていることを特徴とする成形金型。
  5. 前記第一間隙寸法は、前記第一位置に対応する位置におけるシリンダ胴部の肉厚として予め設定された第一厚み寸法を前記シリンダの収縮後に得るための間隙寸法として前記成形収縮率に基づいて算出され、前記第二間隙寸法は、前記第一間隙寸法と成形収縮率とに基づいて前記略円柱面の直径寸法を得ることができる前記第一位置における前記雄型の外側面の直径寸法である第一設計直径寸法と、前記第一位置と第二位置との軸線方向の距離と、前記外側テーパ面に規定された勾配とに基づいて算出された前記第二位置における前記雄型の外側面の直径寸法である第二設計直径寸法を、前記略円柱面の直径寸法に収縮させることができる合成樹脂材料の厚み寸法を前記第二位置で得るための間隙寸法として前記成形収縮率に基づいて算出されたものであることを特徴とする請求項4に記載の成形金型。
  6. 請求項4又は5に記載の成形金型を用いたシリンダの製造方法であって、前記雄型と雌型とを近接させてこれら両型の間に合成樹脂材料を注入する工程と、前記雌型と雄型とを離間させてこれら両型からシリンダを取り外す工程と、取り外されたシリンダを冷却する工程とを含むことを特徴とするシリンダの製造方法。
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