JP2008125553A - 採血装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】供血者から採取される血液の流量が低下しても、オペレーターの手を煩わすことなく、効率良く、かつ確実に、所定の血液成分や血液を採取することができる採血装置を提供する。
【解決手段】血液成分採取装置は、中空針および血漿採取バッグ等を有する血液成分採取回路と、空気の注入により拡張する袋体を有し、ドナーの腕に巻き付けられて使用される腕帯7とを備えている。そして、血液成分採取装置は、制御手段55の制御により、採血中、すなわち、血漿採取工程において、ドナーから採取される血液の流量を検出し、その血液の流量が所定値以下に低下した場合に、腕帯7によるドナーの腕の締付力を変化させることで、ドナーに対し、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあることとを報知し、さらに、ドナー用タッチパネル50に、血液の流量を増大させて回復させるための対応方法を表示する。
【選択図】図2

Description

本発明は、採血装置に関するものである。
成分採血は、ドナー(供血者)から採取した血液(全血)を遠心分離や膜分離により血液成分に分離し、必要な血液成分を採取して残りの血液成分をドナーに返血する手技である。遠心分離方式、特に遠心ボウル方式での成分採血の場合、ドナーへの侵襲を減少させるために、採血針を1本にして採血工程と返血工程とを交互に繰り返す方式が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、例えば、採血中に、ドナーが居眠りをしたり、また、その他の種々の要因で、ドナーから採取される血液の流量(血流)が低下することがある。血流が低下して、十分な血流が得られなくなると、採血に要する時間が長くなるばかりでなく、例えば、目標通りの容量(または数量)の血液成分を採取できなくなってしまう等、種々の問題が生じる。
このため、血流が不十分になると、オペレーターコール(ナースコール)がなされ、オペレーターが、居眠りをしているドナーを起したり、また、ドナーに対し、血流を増大させるための対応方法を指示したり、その他、所定の処置を施すようになっている。
しかしながら、前記従来の採血装置では、血流が不十分になると、その原因が、ドナーの居眠り等、オペレーターがいなくても血流を回復させることができる場合でも、オペレーターコールがなされ、オペレーターの手を煩わすこととなる。また、オペレーターが忙しい場合は、間に合わず、目標通りの容量(または数量)の血液成分を採取できなくなってしまうことがある。
特開2001−17540号公報
本発明の目的は、供血者から採取される血液の流量が低下しても、オペレーターの手を煩わすことなく、効率良く、かつ確実に、所定の血液成分や血液を採取することができる採血装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を収納する採血バッグとを有する血液採取回路と、
空気の注入により拡張する袋体を有し、前記供血者の腕に巻き付けられて使用される腕帯と、
前記袋体の内部の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記圧力調整手段の作動を制御する圧力制御手段と、
前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
前記圧力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を少なくとも1回変化させるように構成されていることを特徴とする採血装置。
(2) 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグとを有する血液採取回路と、
空気の注入により拡張する袋体を有し、前記供血者の腕に巻き付けられて使用される腕帯と、
前記袋体の内部の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記圧力調整手段の作動を制御する圧力制御手段と、
前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
前記圧力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を少なくとも1回変化させるように構成されていることを特徴とする採血装置。
(3) 前記圧力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を変化させることで、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知する報知手段として機能する上記(1)または(2)に記載の採血装置。
(4) 前記腕帯による前記供血者の腕の締付力の変化は、採血時の締付力と、該採血時の締付力よりも所定値高い締付力とを交互に繰り返すものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の採血装置。
(5) 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段を有し、
前記圧力制御手段は、前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合に、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を変化させるように構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の採血装置。
(6) 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を収納する採血バッグとを有する血液採取回路と、
所定の刺激を前記供血者に与える刺激付与手段と、
前記刺激付与手段の作動を制御する刺激制御手段と、
前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
前記刺激制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記刺激付与手段の作動を制御し、該刺激付与手段により前記供血者に刺激を与えることで、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知する報知手段として機能することを特徴とする採血装置。
(7) 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグとを有する血液採取回路と、
所定の刺激を前記供血者に与える刺激付与手段と、
前記刺激付与手段の作動を制御する刺激制御手段と、
前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
前記刺激制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記刺激付与手段の作動を制御し、該刺激付与手段により前記供血者に刺激を与えることで、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知する報知手段として機能することを特徴とする採血装置。
(8) 前記供血者の腕に巻き付けて使用する腕帯を有し、
前記刺激付与手段は、前記腕帯に設置され、所定の刺激を前記供血者の腕に与えるものである上記(6)または(7)に記載の採血装置。
(9) 前記刺激付与手段は、前記供血者に振動を与える加振手段である上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の採血装置。
(10) 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段を有し、
前記刺激制御手段は、前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合に、前記刺激付与手段により前記供血者に刺激を与えるように構成されている上記(6)ないし(9)のいずれかに記載の採血装置。
(11) 前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合に、前記供血者に対して、前記血液の流量を増大させて回復させるための対応方法を報知する第2の報知手段を有する上記(5)または(10)に記載の採血装置。
(12) 前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別されたときから所定時間経過しても前記血液の流量が前記所定値を超える値まで回復しない場合に、オペレーターに対して、前記血液の流量が回復しない旨を報知する第3の報知手段を有する上記(11)に記載の採血装置。
(13) 前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別されたときから所定時間経過しても前記血液の流量が前記所定値を超える値まで回復しない場合に作動し、オペレーターを呼ぶコール手段を有する上記(11)に記載の採血装置。
(14) オペレーターを呼ぶコール手段と、
前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別されたときから所定時間経過しても前記血液の流量が前記所定値を超える値まで回復しない場合に、前記供血者に対して、オペレーターを呼ぶことを促すメッセージを報知する第4の報知手段とを有する上記(11)に記載の採血装置。
(15) 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を収納する採血バッグとを有する血液採取回路と、
空気の注入により拡張する袋体を有し、前記供血者の腕に巻き付けられて使用される腕帯と、
前記袋体の内部の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記圧力調整手段の作動を制御する圧力制御手段と、
前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段とを備え、
前記圧力制御手段は、前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合は、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を少なくとも1回変化させることで血流を促進させる血流促進操作を実行するように構成されていることを特徴とする採血装置。
(16) 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグとを有する血液採取回路と、
空気の注入により拡張する袋体を有し、前記供血者の腕に巻き付けられて使用される腕帯と、
前記袋体の内部の圧力を調整する圧力調整手段と、
前記圧力調整手段の作動を制御する圧力制御手段と、
前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段とを備え、
前記圧力制御手段は、前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合は、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を少なくとも1回変化させることで血流を促進させる血流促進操作を実行するように構成されていることを特徴とする採血装置。
(17) 前記圧力制御手段は、前記血流促進操作を実行した後、再度、前記検出手段により、前記供血者から採取される血液の流量を検出し、前記判別手段により、前記検出手段の検出結果に基づき、前記血液の流量が所定値以下であるか否かを判別し、前記血液の流量が所定値以下であると判別された場合は、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知するように構成されている上記(15)または(16)に記載の採血装置。
本発明によれば、採血の際、ドナー(供血者)から採取される血液の流量(血流)が低下しても、オペレーターの手を煩わすことなく、その血液の流量を増大(血流を促進)させて回復させることができる。これにより、効率良く、かつ確実に、所定の血液成分や血液を採取することができる。
以下、本発明の採血装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、本発明の採血装置には、採血手段により採取された血液(全血)を収納(採取)する採血バッグを備えた血液採取回路を有し、全血を採取する採血装置と、採血手段により採取された血液を分離する血液分離器およびこの血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグを備えた血液採取回路を有し、血液成分を採取する血液成分採取装置とが含まれるが、以下の実施形態では、代表的に、本発明の採血装置を、血漿を採取する血漿採取装置(血液成分採取装置)に適用した場合について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の採血装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第1実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)、図2は、図1に示す血液成分採取装置の制御回路を示すブロック図である。また、図3は、図1に示す血液成分採取装置の腕帯を示す図であって、図3(a)は、平面図、図3(b)は、斜視図である。
図1に示す血液成分採取装置(採血装置)1は、ドナー(供血者)の血管に穿刺される中空針(採血針)(ドナーから血液を採取する採血手段)291と、採取された血液を貯血空間146内にて遠心分離する遠心分離器(遠心ボウル)(血液分離器)20と、遠心分離器20により分離された血漿(血液成分)を採取する血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25とを備える血液成分採取回路(血液処理回路)2を有し、ドナーから採取した血液を遠心分離し、所定量の血漿を採取した後、残りの血漿とともに白血球、血小板および赤血球(残りの血液成分)をドナーに返還(返血)する装置である。
血液成分採取装置1は、中空針291と、採血ラインおよび返血ラインの双方として兼用される採血・返血ライン(血液処理ライン)21と、遠心分離器20と、遠心分離器20の流出口144に接続された採取バッグ側ライン22と、採血・返血ライン21の途中に接続された抗凝固剤注入ライン23と、採取バッグ側ライン22の途中に接続され、この採取バッグ側ライン22を介して遠心分離器20の流出口144に連通するエアーバッグ側ライン24と、採取バッグ側ライン22と接続された血漿採取バッグ(血液成分採取バッグ)25と、血漿採取バッグ25とチューブ(流路)32aにより接続されたサブバッグ32と、エアーバッグ側ライン24と接続されたエアーバッグ26とを備える血液成分採取回路(血液採取回路)2を有している。
また、図1および図2に示すように、血液成分採取装置1は、遠心分離器20のローター142を回転させるための遠心分離器駆動装置10と、採血・返血ライン21内の血液または血液成分(液体)を送液する血液ポンプ(送液ポンプ)(第1の送液手段)11と、抗凝固剤注入ライン23内の抗凝固剤(液体)を送液する抗凝固剤ポンプ(送液ポンプ)(第2の送液手段)12と、後述する空気の注入(導入)により拡張する袋体71を有し、ドナーの腕に巻き付けられて(装着されて)使用される腕帯7と、腕帯7の袋体71内に空気を注入(導入)するコンプレッサー(空気注入手段)56と、腕帯7の袋体71内の空気を排出するリーク弁(流路開閉手段)57と、血液成分採取回路2の流路の開閉を行うための流路開閉手段51および52と、タッチパネル(オペレーター用タッチパネル)19と、ドナー用タッチパネル50と、ブザー53と、ランプ(発光部)54と、濁度センサ14と、光学式センサ15と、重量センサ16と、圧力センサ(圧力検出手段)18と、圧力計(圧力検出手段)58と、第1の気泡センサ17と、第2の気泡センサ34と、第3の気泡センサ35と、第4の気泡センサ36と、第5の気泡センサ37と、前記遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、コンプレッサー56、流路開閉手段51、52と、ブザー53、ランプ54、タッチパネル19およびドナー用タッチパネル50等を制御するための制御手段55とを備えている。
なお、前記コンプレッサー56およびリーク弁57により、腕帯7の袋体71の内部の圧力(内圧)を調整する圧力調整手段(報知手段)が構成される。また、前記抗凝固剤ポンプ12により、採取された血液に抗凝固剤を添加する抗凝固剤供給手段が構成される。
以下、各部の構成について説明する。
中空針291は、採血・返血ライン21の一端に接続されており、中空針291の基端側には、翼292が設けられている。図1中では、中空針291には、キャップが被せられている。
採血・返血ライン21は、中空針291が一端に接続された中空針側ライン21aと、遠心分離器20の流入口143とを接続された遠心分離器側ライン21bと、これらの間に配置されたポンプチューブ21gとを有している。
中空針側ライン21aは、気泡およびマイクロアグリゲート除去のためのチャンバー21dを備える。
チャンバー21dには、チューブ(流路)21hを介して通気性かつ菌不透過性のフィルター21iが接続されている。このラインは、中空針側ライン21aの内圧(血液ポンプ11より中空針291側の採血・返血ライン21の内圧)、すなわちドナー圧を検出する圧力センサ18に接続される。
採取バッグ側ライン22は、一端が遠心分離器20の流出口144に接続され、他端が血漿採取バッグ25に接続されている。この採取バッグ側ライン22の途中には、3つ(3股)に分岐した(接続口は合計4つ)分岐コネクタ61が設けられており、採取バッグ側ライン22は、この分岐コネクタ61を介して接続されている。
分岐コネクタ61には、チューブ(流路)62を介して通気性かつ菌不透過性のフィルター63が接続されている。このラインは、例えば、遠心分離器20の内圧の検出等に用いることができる。
抗凝固剤注入ライン23は、その一端が採血・返血ライン21に設けられた分岐コネクタ21cに接続されている。すなわち、抗凝固剤注入ライン(流路)23は、分岐コネクタ(分岐部)21cから分岐、すなわち、分岐コネクタ21cを介して採血・返血ライン(流路)21から分岐している。また、分岐コネクタ21cは、中空針291の近傍に位置している(設けられている)。この抗凝固剤注入ライン23は、分岐コネクタ21c側より、ポンプチューブ23a、除菌フィルター(輸液フィルター)64、気泡除去用チャンバー23c、抗凝固剤容器接続用針23dを備えている。図1中では、抗凝固剤容器接続用針23dにキャップが被せられている。
この抗凝固剤注入ライン23の抗凝固剤容器接続用針23dは、抗凝固剤(抗凝固剤液)が収納(収容)された図示しない容器(バッグ)に接続され、これにより、容器内の抗凝固剤は、後述するように、抗凝固剤容器接続用針23dから分岐コネクタ21cに向かって抗凝固剤注入ライン23を流れ、中空針側ライン21aに供給(注入)される。これにより、例えば、抗凝固剤注入ライン23を介して、中空針291により採取された血液に抗凝固剤を添加(混合)することができる。
なお、抗凝固剤としては、特に限定されないが、例えば、ACD−A液等を用いることができる。
血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12は、それぞれ、ポンプチューブ21g、23aを複数のローラーにより押圧閉塞しつつ回転するローターを有するローラーポンプ(チューブポンプ)で構成されている。
採血・返血ライン21、採取バッグ側ライン22、抗凝固剤注入ライン23およびエアーバッグ側ライン24の形成に使用されるチューブ、各ポンプチューブ21g、23a、サブバッグ32に接続されているチューブ32a、チャンバー21dに接続されているチューブ21h、分岐コネクタ61に接続されているチューブ62の構成材料としては、ポリ塩化ビニルが好ましい。
各チューブがポリ塩化ビニル製であれば、十分な可撓性、柔軟性が得られるので取り扱いがし易く、また、クレンメ等による閉塞にも適するからである。
なお、各ポンプチューブ21g、23aとしては、ローラーポンプにより押圧されても損傷を受けない程度の強度を備えるものが使用されている。
また、上述した分岐コネクタ21c、61の構成材料についても、前記チューブの構成材料と同様のものを用いることができる。
血漿採取バッグ25は、血漿を採取するための容器であり、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより)、血漿採取バッグ25の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
サブバッグ32は、チューブ32aを介して血漿採取バッグ25に接続され、それらの内部同士が連通している。このサブバッグ32は、例えば、血漿保存バッグ等に用いることができる。
エアーバッグ26は、一時的に空気(エアー)を収納(貯留)するための容器であり、エアーバッグ側ライン24を介して、分岐コネクタ61に接続されている。すなわち、エアーバッグ26は、エアーバッグ側ライン24、分岐コネクタ61および採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20に接続され、これにより、エアーバッグ26の内部は、ローター142の貯血空間146に連通している。
これらの血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26は、それぞれ、樹脂製の可撓性を有するシート材を重ね、その周縁部を融着(熱融着、高周波融着等)または接着して袋状にしたものが使用される。
血漿採取バッグ25、サブバッグ32、エアーバッグ26に使用される材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニルが好適に使用される。
血液成分採取回路2に設けられている遠心分離器20は、通常、遠心ボウルと呼ばれており、ローター142と、ステーター145とを有し、遠心力により血液を血漿と血球(血小板、白血球および赤血球)とに分離する。
流路開閉手段51は、エアーバッグ側ライン24の流路の途中を開閉するために設けられている。
流路開閉手段52は、分岐コネクタ61より血漿採取バッグ25側において採取バッグ側ライン22の流路の途中を開閉するために設けられている。
流路開閉手段51および流路開閉手段52は、ラインもしくはチューブの挿入部を備え、挿入部には、例えば、ソレノイド、電動モーター、シリンダ(油圧または空気圧)等の駆動源で作動するクランプを有する。具体的には、ソレノイドで作動する電磁クランプが好適である。
遠心分離器駆動装置10は、駆動源であるモータと、遠心分離器20のローター142を保持する円盤状の固定台とで構成されており、モータを駆動すると、固定台およびそれに固定されたローター142が、あらかじめ設定された所定の遠心条件(例えば、回転数3000〜6000rpm)で回転する。この遠心条件により、ローター142内の血液の分離パターン(例えば、分離する血液成分数)を設定することができる。
なお、ローター142において、貯血空間146の容積は、例えば、100〜350mL程度とされる。
光学式センサ15は、貯血空間146に向って投光するとともにその反射光を受光するように構成されている。
この光学式センサ15は、投光部から光(例えばレーザー光)を照射(投光)し、ローター142の反射面で反射された反射光を受光部で受光する。そして、受光部においてその受光光量に応じた電気信号に変換される。
このとき、投光光および反射光は、それぞれ、貯血空間146内の血液成分を透過するが、血液成分の界面(本実施形態では、血漿層と血球層との界面)の位置に応じて、投光光および反射光が透過する位置における各血液成分の存在比が異なるため、それらの透過率が変化する。これにより、受光部での受光光量が変動(変化)し、この変動を受光部からの出力電圧の変化として検出することができる。
すなわち、光学式センサ15は、受光部での受光光量の変化に基づき、血液成分の界面の位置を検出することができる。
ここで、貯血空間146内の血漿層と血球層とは、それぞれ、血液成分により色が異なっており、血球層は、赤血球の色に伴い赤色を呈している。このため、光学式センサ15の精度向上の観点からは、投光光の波長に好適な範囲が存在し、この波長範囲としては、特に限定されないが、例えば、600〜900nm程度であるのが好ましく、750〜800nm程度であるのがより好ましい。
重量センサ16は、血漿採取バッグ25内に採取された血漿の採取量を検出する検出手段を構成する。
濁度センサ14は、採取バッグ側ライン22中を流れる流体の濁度を検知するためのものであり、濁度に応じた電圧値を出力する。具体的には、濁度が高い時には低電圧値、濁度が低い時には高電圧値を出力する。
この濁度センサ14により、例えば、採取バッグ側ライン22中を流れる血漿中への血球の混入等を検出することができる。
第1の気泡センサ17は、採血・返血ライン21内に空気が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第1の気泡センサ17により、採血・返血ライン21内の血液の有無が検出される。
第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、空気または気泡が通過したことを検知するためのものである。これらにより、ドナーに空気が注入されることを防止する。
第2の気泡センサ34は、抗凝固剤注入ライン23内が空になったことを検出するため、抗凝固剤注入ライン23の所定の位置における空気(抗凝固剤の有無)の検出に用いられる。
第3の気泡センサ35は、遠心分離器20の貯血空間146の流出口144と分岐コネクタ61との間の採取バッグ側ライン22内に空気や血液(血漿)が流れたことを検知するためのものである。すなわち、この第3の気泡センサ35により、採取バッグ側ライン22内の血液の有無が検出される。
より詳細には、前記第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36および第5の気泡センサ37は、それぞれ、チューブの外側から超音波を送受信し、液体と気泡(気体)とで超音波の伝導率が異なるのを利用して、チューブ内の気体および液体(気/液の別、気/液面等)を検出することができる検出手段である。なお、これら各気泡センサ(気体および液体検出手段)としては、上記超音波センサ(超音波式センサ)に限らず、例えば、光学式センサ、赤外線センサ等を用いてもよい。
また、前記濁度センサ14としては、例えば、超音波センサ、光学式センサ、赤外線センサ等が使用できる。
図3に示すように、腕帯(カフ)(駆血帯)7は、空気が収納(導入)される袋体71と、この袋体71を覆うカバー72とを有している。袋体71は、空気が注入(導入)されることにより拡張するようになっている。また、カバー72には、マジックテープ(「マジックテープ」は登録商標)が設けらており、そのマジックテープにより、ドナーの腕に腕帯7を巻き付けた状態で固定し得るようになっている。
また、袋体71には、チューブ73の一端側が接続されており、そのチューブ73の他端側には、リーク弁57を介してコンプレッサー56に対して着脱自在に接続される接続部(図示せず)が設けられている。これにより、コンプレッサー56の作動によって、腕帯7の袋体71内に空気を注入することができ、また、リーク弁57を開くことによって、袋体71内の空気を外部に排出することができる。
リーク弁57を閉じた状態で、コンプレッサー56を作動させて、腕帯7の袋体71内に空気を注入すると、袋体71が拡張してゆく。これにより、袋体71の内部の圧力(内圧)が増大し、腕帯7によるドナーの腕の締付力が増大する。
また、リーク弁57を閉じた状態で、コンプレッサー56を停止すると、袋体71の内部の圧力が一定値に保持され、腕帯7によるドナーの腕の締付力が一定値に保持される。
また、コンプレッサー56を停止した状態で、リーク弁57を開くと、袋体71内の空気が外部に排出され、袋体71が収縮してゆく。これにより、袋体71の内部の圧力が減少し、腕帯7によるドナーの腕の締付力が減少する。
また、袋体71内の圧力は、圧力計57により検出(測定)されるようになっている。
制御手段55は、例えば、マイクロコンピューター等で構成されており、遠心分離器駆動装置10、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12、コンプレッサー56、リーク弁57、流路開閉手段51、流路開閉手段52、濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37、圧力センサ18、圧力計58、タッチパネル(オペレーター用タッチパネル)19、ドナー用タッチパネル50、ブザー53およびランプ54等と、それぞれ、電気的に接続されている。なお、この制御手段55は、演算部とメモリー(いずれも図示せず)を内蔵している。
この制御手段55により、圧力制御手段と、ドナーから採取される血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段との主機能が、それぞれ達成(構成)される。
また、制御手段55および圧力センサ18により、ドナーから採取される血液の流量を検出する検出手段が構成される。
タッチパネル19は、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えており、オペレーターの指示の入力を受け付ける入力手段(操作手段)としての機能と、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)としての機能とを有するものである。なお、入力手段(例えば、操作ボタン、操作スイッチ、操作ダイヤル等)と、液晶表示パネル、EL表示パネル等の表示手段(報知手段)とを、別個に設けるようにしてもよい。
ドナー用タッチパネル50は、液晶表示パネル、EL表示パネル等を備えており、ドナーの指示の入力を受け付ける入力手段(操作手段)としての機能と、各種の情報を表示(報知)する表示手段(報知手段)としての機能とを有するものである。なお、入力手段(例えば、操作ボタン、操作スイッチ、操作ダイヤル等)と、液晶表示パネル、EL表示パネル等の表示手段(報知手段)とを、別個に設けるようにしてもよい。また、入力手段は、省略されていてもよい。
濁度センサ14、光学式センサ15、重量センサ16、第1の気泡センサ17、第2の気泡センサ34、第3の気泡センサ35、第4の気泡センサ36、第5の気泡センサ37、圧力センサ18および圧力計58からの検出信号は、それぞれ、制御手段55へ随時入力される。また、タッチパネル19からは、タッチパネル19に入力されたオペレーターの指示内容に応じた信号が制御手段55へ随時入力される。制御手段55は、これらからの各信号に基づき、予め設定されたプログラムに従って、血液成分採取装置1の作動、すなわち、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の回転、停止、あるいは、回転方向(正転/逆転)を制御するとともに、必要に応じ、各流路開閉手段51、52の開閉、遠心分離器駆動装置10、コンプレッサー56、リーク弁57、タッチパネル19、ドナー用タッチパネル50、ブザー53およびランプ54の作動を制御する。
このような制御手段55は、ドナーから採取された血液を遠心分離器20(貯血空間146)内に流入させ、遠心分離器20により分離された血漿を血漿採取バッグ25内に採取(移送)する血漿採取工程(血液成分採取工程)と、遠心分離器20内に残った主として血球(残りの血液成分)をドナーへ返還(返血)する返血工程(血球返還工程)(血液成分返還工程)とを有する血漿採取操作(血液成分採取操作)を行うように、血液成分採取装置1の作動を制御する。この血漿採取操作は、少なくとも1回(1サイクル)、通常は、複数回(複数サイクル)行われる。
以下、血液成分採取装置1の使用方法および作用について説明する。
まず、オペレーター(操作者)は、ドナーの腕に腕帯7を装着する(巻き付ける)。また、オペレーターは、タッチパネル19に表示された所定の操作ボタン(操作スイッチ)を押す等、所定の操作を行って、抗凝固剤注入ライン23と中空針組立体29とを抗凝固剤でプライミングし、その後、中空針291をドナーの血管に穿刺する。これにより、血漿の採取準備(採血の準備)を完了する。
次に、オペレーターは、タッチパネル19に表示された採取開始ボタン(採取開始スイッチ)を押す。これにより、制御手段55により所定のプログラムが実行され、第1サイクルの血漿採取操作(採血)が開始される。血漿採取操作では、血液成分採取装置1は、まず、血漿採取工程を行う。
血漿採取工程では、血液ポンプ11を図1中時計回り(正方向)に回転(正転)させて、採血を開始する。同時に、流路開閉手段51を開放し、流路開閉手段52を閉塞して、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、遠心分離器20の貯血空間146内等の血液成分採取回路2内の空気(滅菌空気)を、エアーバッグ26内に移送し、収納する。
また、前記採血と同時に、抗凝固剤ポンプ12を図1中反時計回り(正方向)に回転(正転)させて、抗凝固剤注入ライン23を介して、例えばACD−A液のような抗凝固剤を供給し、この抗凝固剤を採血血液中に添加させる。
これにより、血液(抗凝固剤添加血液)は、採血・返血ライン21を介して移送され、遠心分離器20の流入口143よりローター142の貯血空間146内に導入される。
このとき、遠心分離器20の貯血空間146内の空気は、採取バッグ側ライン22およびエアーバッグ側ライン24を介して、エアーバッグ26内に移送され、収納される。
また、前記採血と同時にまたはこれと前後して、遠心分離器駆動装置10を作動し、ローター142を所定の回転数で回転する。このローター142の回転により、貯血空間146内に導入された血液は、内側から血漿層(PPP層)と血球層の2層に分離される。
さらに、前記採血および前記抗凝固剤の供給を継続し、貯血空間146の容量を超える抗凝固剤添加血液が貯血空間146内に導入されると、貯血空間146内は完全に血液により満たされ、遠心分離器20の流出口144から血漿がオーバーフローし、その血漿は、採取バッグ側ライン22を流れる。
次いで、第3の気泡センサ35により、遠心分離器20の貯血空間146から流出する血漿が検出されると、貯血空間146内の空気のエアーバッグ26内への収納が完了する。
次いで、流路開閉手段51を閉塞し、流路開閉手段52を開放し、採取バッグ側ライン22を介して、遠心分離器20の貯血空間146内の血漿を、血漿採取バッグ25内に移送し、採取する。
なお、血漿採取バッグ25は、その重量が重量センサ16により計測されており、計測された重量信号は制御手段55に入力される。
血漿採取を終了する場合は、血液ポンプ11、抗凝固剤ポンプ12の作動を停止するとともに、流路開閉手段51を開放し、流路開閉手段52を閉塞し、遠心分離器駆動装置10の作動を停止して、遠心分離器20のローター142の回転を停止する。
以上で、血漿採取工程を終了し、血球返還工程(返血)に移行する。この血球返還工程では、血液成分採取回路2(主に、遠心分離器20の貯血空間146)内に残った血液成分をドナーへ返還する。具体的には、血液ポンプ11を図1中反時計回り(逆方向)に回転(逆転)させる。
これにより、遠心分離器20の貯血空間146内の残りの血液成分は、遠心分離器側ライン21b、中空針側ライン21aおよび中空針291を介して、ドナーへ返還される。
次いで、第1の気泡センサ17によって空気が検出されると、この返血を終了し、次のサイクルの血漿採取操作の血漿採取工程に移行する。
本サイクルが最終サイクルの場合には、第5の気泡センサ37によって空気が検出されると、返血を終了する。これにより、血液成分採取回路2内の残りの血液成分が、ほぼ全てドナーへ返還され、血漿採取操作を終了する。
ここで、前記血漿採取工程(ドナーから血液を採取しているとき)においては、腕帯7の袋体71の内部の圧力は、例えば、20〜100mmHg程度(大気圧+20〜大気圧+100mmHg)になり、腕帯7によりドナーの腕が締め付けられる。
一方、前記血球返還工程(ドナーから血液を採取していないとき)においては、腕帯7の袋体71の内部の圧力は、ほぼゼロ(ほぼ大気圧)になり、腕帯7によるドナーの腕の締め付けが解除される。
なお、腕帯7の袋体71の内部の圧力は、オペレーターがタッチパネル19で操作することによって、自在に調整することができるようになっている。
さて、この血液成分採取装置1は、制御手段55の制御により、採血中、すなわち、血漿採取工程において、ドナーから採取される血液の流量(血流)を検出し、この検出結果に基づいて、圧力調整手段であるコンプレッサー56およびリーク弁57の作動を制御し、腕帯7によるドナーの腕の締付力を少なくとも1回(好ましくは複数回)変化させるように構成されている。
この場合、制御手段55(圧力調整手段)は、前記ドナーから採取される血液の流量の検出結果に基づいて、コンプレッサー56およびリーク弁57の作動を制御し、腕帯7によるドナーの腕の締付力を変化させることで、ドナーに対し、血液の流量が低下した旨等(本実施形態では、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあること)を報知する報知手段(第1の報知手段)として機能する。具体的には、制御手段55は、前記ドナーから採取される血液の流量の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値(しきい値)以下に低下したか否かを判別(判断)し、その血液の流量が所定値以下に低下したと判断した場合(以下、「血液の流量が所定値以下に低下した場合」とも言う)に、腕帯7によるドナーの腕の締付力を変化させる。
前記所定値は、設定流量(設定速度)の1/3〜5/6程度、例えば、20〜50mL/分程度であるのが好ましい。また、血液の流量が前記所定値以下に低下した状態が所定時間(例えば、5〜60秒程度)継続した場合に、腕帯7によるドナーの腕の締付力を変化させるように構成されているのがより好ましい。
そして、血液成分採取装置1は、血液の流量が所定値以下に低下した場合(好ましくは、血液の流量が所定値以下に低下した状態が所定時間継続した場合)に、ドナー用タッチパネル50に、血液の流量を増大させて回復させるための対応方法を表示して、ドナーに対して、その対応方法を報知するようになっている。このように、ドナー用タッチパネル50は、第2の報知手段として機能する。
また、対応しても回復しない場合等にオペレーターコール(ナースコール)するための手段が設けられている。
ここで、この血液成分採取装置1では、前記血漿採取工程において、圧力センサ18により、中空針側ライン21aの流路内の圧力を検出している。そして、ドナーから採取される血液の流量が低下すると、中空針側ライン21aの流路内の圧力が低下するので、制御手段55の制御により、中空針側ライン21aの流路内の圧力が所定範囲内の値(略一定)となるように、血液ポンプ11の作動を制御し、その回転数(回転速度)を調整している。例えば、ドナーから採取される血液の流量が低下し、中空針側ライン21aの流路内の圧力が低下すると、血液ポンプ11の回転数(回転速度)を減少させ、これにより、中空針側ライン21aの流路内の圧力低下を抑制する。したがって、ドナーから採取され、中空針側ライン21aを流れる血液の流量は、血液ポンプ11の回転数(回転速度)と、血液ポンプ11の1回転当りの血液の送液量とに基づいて、求めることができる。
以下、図4に基づいて、採血中、すなわち、血漿採取工程において実行される血流管理処理(血流管理操作)について説明する。
図4は、図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャート(制御手段55の制御動作を示すフローチャート)である。
採血中、すなわち、血漿採取工程においては、図4に示す血流管理処理(血流管理操作)が実行される。
図4に示すように、まずは、ドナーから採取される血液の流量を検出する(ステップS101)。このステップS101では、血液ポンプ11の回転数(回転速度)と、血液ポンプ11の1回転当りの血液の送液量とに基づいて、中空針側ライン21aを流れる血液の流量を求める。
次いで、血液の流量が所定値(しきい値)以下であるか否かを判断する(ステップS102)。前記所定値は、前述したように、設定流量の1/3〜5/6程度、例えば、20〜50mL/分程度であるのが好ましい。
ステップS102において、血液の流量が所定値以下ではないと判断した場合(ステップS102で「NO」)には、血流は十分であり、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
一方、ステップS102において、血液の流量が所定値以下であると判断した場合(ステップS102で「YES」)には、血流が不十分であり、タイマー(図示せず)をスタートする。次いで、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS103)。このステップS103では、ステップS102でタイマーをスタートしてからそのタイマーによる計測時間が所定時間経過したか否かを判断する。
また、前記ステップS103の所定時間は、1〜3分程度であるのが好ましく、2分程度であるのがより好ましい。
ステップS103において、所定時間経過していない場合には、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS110)。このステップS110では、ステップS102でタイマーをスタートしてからそのタイマーによる計測時間が所定時間経過したか否かを判断する。
また、前記ステップS110の所定時間は、5〜60秒程度であるのが好ましく、20〜40秒程度であるのがより好ましい。
ステップS110において、所定時間経過していない場合、すなわち、血液の流量が所定値以下に低下した状態が所定時間継続していない場合には、一過性の(一時的な)血流低下の可能性があるので、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
一方、ステップS110において、所定時間経過した場合、すなわち、血液の流量が所定値以下に低下した状態が所定時間継続した場合には、ドナー用タッチパネル50に、血液の流量が低下したことと、血液の流量を増大させて回復させるための対応方法とを示すメッセージを表示する(ステップS111)。
このメッセージとの例しては、例えば、「血液の流量が低下したので、手のグリップ運動をして下さい。」、「血液の流量が低下したので、ゆっくりと、手を握ったり、離したりを繰り返して下さい。」等が挙げられる。
また、ドナー用タッチパネル50には、オペレーターコールボタン(オペレーターコールスイッチ)が表示されており、ドナーは、例えば、努力しても血流が回復しない場合、対処方法が解らない場合、痛みがある場合等には、そのオペレーターコールボタンを押す。
次いで、ドナー用タッチパネル50に表示されたオペレーターコールボタンが押されたか否かを判断し(ステップS112)、押された場合には、後述するステップS104に移行し、また、押されない場合には、腕帯7によるドナーの腕の締付力を少なくとも1回(好ましくは、複数回)変化させることで、ドナーに対して、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージ(表示画面)があることとを報知する。この場合、本実施形態では、採血時(現在)の締付力(弱締付力)での締め付けと、採血時の締付力よりも所定値高い締付力(強締付力)での締め付けとを交互に所定回繰り返す。なお、ドナーに対しては、予め、前記腕帯7による腕の締付力が変化した場合は、血液の流量が低下したことを示すことと、ドナー用タッチパネル50にメッセージが表示されるので、そのドナー用タッチパネル50の画面を見ることとを伝えておく(指示しておく)。
まずは、腕帯7の袋体71の内部の現在の圧力(圧力値)を「低圧力値」として、記憶する(ステップS113)。
次いで、腕帯7の袋体71の内部の圧力を低圧力値から所定値増大させ、高圧力値に変更する(ステップS114)。この高圧力値(強締付力)は、低圧力値(低締付力)+5〜低圧力値+20mmHg程度であるのが好ましい。
次いで、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS115)。前記所定時間は、0.1〜2秒程度であるのが好ましく、0.5〜1秒程度であるのがより好ましい。
ステップS115において、所定時間経過した場合には、腕帯7の袋体71の内部の圧力を高圧力値から低圧力値に戻す(ステップS116)。
次いで、所定時間経過したか否かを判断する(ステップS117)。前記所定時間は、0.1〜2秒程度であるのが好ましく、0.5〜1秒程度であるのがより好ましい。
ステップS117において、所定時間経過した場合には、前記腕帯7の袋体71の内部の圧力を高圧力値とし、所定時間待機し、低圧力値とし、所定時間待機する操作を、所定回繰り返したか否かを判断する(ステップS118)。前記所定回は、1〜10回程度であるのが好ましく、2〜3回程度であるのがより好ましい。
ステップS118において、所定回繰り返していない場合には、ステップS114に戻り、再度、ステップS114以降を実行する。
一方、ステップS118において、所定回繰り返した場合には、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。
ここで、ドナーは、腕帯7による腕の締め付け動作が、弱締付力での締め付けと、強締付力での締め付けとが交互に繰り返されることで、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあることとを知り、そのメッセージを読み、手のグリップ運動を行う。また、眠っていたドナーは、その刺激によって起こされる。これにより、通常は、血液の流量が増大し、前記所定値を超えるまで回復する。
また、前記ステップS103において、所定時間経過した場合、または、前記ドナー用タッチパネル50に表示されたオペレーターコールボタンが押された場合には、オペレーターコール(ナースコール)処理を行う(ステップS104)。なお、ドナーが、例えば、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージに気付かないか、または、気付いても前記血液の流量を増大させて回復させるための手のグリップ運動等を行わなかった場合や、また、行っても血液の流量が前記所定値を超えなかった場合は、前記ステップS103において所定時間経過し、このステップS104に移行する。
ステップS104のオペレーターコール処理では、ブザー53を鳴らし(作動させ)、ランプ54を点灯する(作動させる)ことで、オペレーターに対し、血液の流量が回復しないことを報知するとともに、オペレーターを呼ぶ。したがって、ブザー53により、第3の報知手段およびコール手段が構成され、同様に、ランプ54により、第3の報知手段およびコール手段が構成される。
また、前記オペレーターコール処理では、タッチパネル19にオペレーターコールリセットボタン(オペレーターコールリセットスイッチ)を表示する。
ここで、オペレーターは、タッチパネル19に表示されたオペレーターコールリセットボタンを押してから、例えば、血液の流量を増大させて回復させるための所定の処置を行なう。この処置としては、例えば、中空針291の穿刺角度を変更したり、また、中空針291を少し手前に引く等の行為が挙げられる。また、オペレーターは、例えば、ドナーが血液の流量を増大させて回復させるための手のグリップ運動等を行わなかった場合は、ドナーに対して、その手のグリップ運動等を行なうように指導する。
次いで、オペレーターコールリセットボタンが押されたか否かを判断し(ステップS105)、押された場合には、タッチパネル19に採血中止ボタン(採血中止スイッチ)および処置完了ボタン(処置完了スイッチ)を表示し、採血中止ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS106)、採血中止ボタンが押されない場合には、ステップS105でオペレーターコールリセットボタンが押されてから、所定時間(例えば、2分程度)経過したか否かを判断し(ステップS107)、所定時間経過した場合には、低流量状態で長時間経過したことをオペレーターに通知するため、ステップS104に戻り、再度、ステップS104以降を実行し、所定時間経過していない場合には、処置完了ボタンが押されたか否かを判断し(ステップS108)、処置完了ボタンが押されない場合には、ステップS106に戻り、再度、ステップS106以降を実行する。
ここで、オペレーターは、前記血液の流量を増大させて回復させるための所定の処置が完了したら、処置完了ボタンを押す。一方、前記所定の処置等を行っても採血を継続することが困難な場合には、採血中止ボタンを押す。
前記ステップS106において、採血中止ボタンが押された場合には、採血を中止するための所定の工程(処理)を実行して(ステップS109)、採血を中止し、このプログラムを終了する。
また、ステップS108において、処置完了ボタンが押された場合には、ステップS101に戻り、再度、ステップS101以降を実行する。なお、血漿採取工程が終了すると、このプログラムを終了する。
以上説明したように、この血液成分採取装置1によれば、採血の際、ドナーから採取される血液の流量(血流)が低下しても、オペレーターの手を煩わすことなく、その血液の流量を増大(血流を促進)させて回復させることができる。これにより、効率良く、かつ確実に、血漿(血液成分)を採取することができる。
すなわち、このこの血液成分採取装置1では、ドナーから採取される血液の流量が所定値以下に低下した場合に、ドナーに対し、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあることとが、腕帯7によるドナーの腕の締付力の変化によって報知され、また、ドナー用タッチパネル(第2の報知手段)50に、血液の流量を増大させて回復させるための対応方法が表示されるので、ドナーは、そのメッセージを見て、オペレーターの手を煩わすことなく、容易、迅速かつ確実に対応することができる。これにより、オペレーターの手間を軽減することができるだけでなく、例えば、オペレーターが忙しく、従来の血液成分採取装置ではその対応に間に合わず装置が停止してしまう場合でも、それを防止することができる。
なお、前記実施形態では、ドナーから採取される血液の流量が所定値以下に低下した場合、所定時間経過しても血液の流量が所定値を超える値まで回復しない場合に、血液成分採取装置1が、自動的に、ブザー53を鳴らし、ランプ54を点灯するようになっているが、本発明では、これに限らず、例えば、前記自動コール機構(自動コール手段)が省略され、ドナーが、手作業で操作することで、ブザー53が鳴り、ランプ54が点灯する(オペレーターコールがなされる)ように構成してもよい。この具体例としては、例えば、下記の構成が挙げられる。
すなわち、手動操作で作動し、オペレーターを呼ぶコール手段として、前記ブザー53およびランプ54を設け、例えば、ドナー用タッチパネル50に表示されるオペレーターコールボタン(オペレーターコールスイッチ)を押すと、ブザー53が鳴り(作動し)、ランプ54が点灯(作動)して報知する。このように、ブザー53、もしくはブザー53およびランプ54により、第3の報知手段が構成される。
そして、ドナーから採取される血液の流量が所定値以下に低下した場合、所定時間経過しても血液の流量が所定値を超える値まで回復しない場合に、ドナー用タッチパネル50に、オペレーターを呼ぶことを促すメッセージを表示し、ドナーに対して、そのメッセージを報知する。したがって、ドナー用タッチパネル50により、第2の報知手段および第4の報知手段が構成される。
なお、この構成(変形例)は、後述する第2実施形態および第3実施形態にもそれぞれ同様に適用することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の採血装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の採血装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第2実施形態における制御回路を示すブロック図、図6は、図5に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャート(制御手段55の制御動作を示すフローチャート)である。
以下、第2実施形態の血液成分採取装置(採血装置)1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
前述した第1実施形態では、腕帯7によるドナーの腕の締付力を変化させることでドナーに対して報知するのに対し、第2実施形態の血液成分採取装置1は、刺激付与手段によりドナーに刺激を与えることで、ドナーに対し、血液の流量が低下した旨等(本実施形態では、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあること)を報知するように構成されていることが異なっていること以外は、前述した第1実施形態と同様である。
図5に示すように、第2実施形態の血液成分採取装置1では、所定の刺激をドナーに与える刺激付与手段として、ドナーに振動を与えるバイブレータ(加振手段)59を有している。このバイブレータ59は、腕帯7の袋体71とカバー72との間に設置されており、その振動(刺激)をドナーの腕に与えるようになっている。
また、バイブレータ59は、制御手段55に電気的に接続されており、制御手段55は、そのバイブレータ59の作動を制御する。したがって、制御手段55により、刺激制御手段の主機能が達成(構成)される。
そして、制御手段55は、ドナーから採取される血液の流量の検出結果に基づいて、バイブレータ59の作動を制御し、バイブレータ59によりドナーの腕に振動を与えることで、ドナーに対し、血液の流量が低下した旨等(本実施形態では、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあること)を報知する報知手段(第1の報知手段)として機能する。
次に、図6に基づいて、採血中、すなわち、血漿採取工程において実行される血流管理処理(血流管理操作)について説明する。
図6に示すように、ステップS201〜S212は、それぞれ、第1実施形態におけるステップS101〜S112と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS212において、オペレーターコールボタンが押されない場合には、バイブレータ59の作動を開始して、そのバイブレータ59からドナーの腕に振動を与える(ステップS213)。
また、ドナー用タッチパネル50には、停止ボタン(停止スイッチ)が表示されており、次いで、その停止ボタンが押されたか否かを判断する(ステップS214)。
ステップS214において、停止ボタンが押された場合には、バイブレータ59を停止させ(ステップS215)、ステップS201に戻り、再度、ステップS201以降を実行する。
ここで、ドナーに対しては、予め、前記バイブレータ59から振動が与えられた場合は、血液の流量が低下したことを示すことと、ドナー用タッチパネル50にメッセージが表示されるので、そのドナー用タッチパネル50の画面を見ることを伝えておく。
これにより、ドナーは、前記バイブレータ59から振動が与えられるることで、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあることとを知り、そのメッセージを読み、手のグリップ運動を行う。これにより、通常は、血液の流量が増大し、前記所定値を超えるまで回復する。
この血液成分採取装置1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
<第3実施形態>
次に、本発明の採血装置の第3実施形態について説明する。
図7は、本発明の採血装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第3実施形態における作用を説明するためのフローチャート(制御手段55の制御動作を示すフローチャート)である。
以下、第3実施形態の血液成分採取装置(採血装置)1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の血液成分採取装置1は、腕帯7によるドナーの腕の締付力を少なくとも1回変化させることで血流を促進させる血流促進操作を実行し得るように構成されていることが異なっていること以外は、前述した第2実施形態と同様である。
すなわち、第2実施形態の血液成分採取装置1では、制御手段55の制御により、ドナーから採取される血液の流量が所定値以下に低下した場合に、腕の締付力を少なくとも1回(好ましくは、複数回)変化(加圧)させることで血流を促進させる血流促進操作を実行するように構成されている。
そして、制御手段55は、血流促進操作を実行した後、再度、ドナーから採取される血液の流量を検出し、この検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下であるか否かを判別(判断)し、前記血液の流量が所定値以下である場合は、バイブレータ59の作動を制御し、バイブレータ59によりドナーの腕に振動を与えることで、ドナーに対し、血液の流量が低下した旨等(本実施形態では、血液の流量が低下したことと、ドナー用タッチパネル50に表示されたメッセージがあること)を報知するように構成されている。
次に、図7に基づいて、採血中、すなわち、血漿採取工程において実行される血流管理処理(血流管理操作)について説明する。
図7に示すように、ステップS301〜S310、S315〜S319は、それぞれ、第2実施形態におけるステップS201〜S210、S211〜S215と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS310において、ステップS302でタイマーをスタートしてからそのタイマーによる計測時間が所定時間経過したか否かを判断する。
このステップS310において、所定時間経過していない場合、すなわち、血液の流量が所定値以下に低下した状態が所定時間継続していない場合には、一過性の(一時的な)血流低下の可能性があるので、ステップS301に戻り、再度、ステップS301以降を実行する。
一方、ステップS310において、所定時間経過した場合、血流促進操作を行ったか否かを判断する(ステップS311)。今回の採血において、既に血流促進操作を行っている場合には、その血流促進操作では血液の流量の回復は見込められないので、ステップS315に移行する。
ステップS311において、血流促進操作を行っていない場合には、血流促進操作を実行する(ステップS312)。
ステップS312の血流促進操作では、腕帯7により、ドナーの腕を締め付け、その際、比較的弱い締付力での締め付けと、比較的強い締付力での締め付けとを交互に所定回繰り返す。これにより、血液の流量が増大し、前記所定値を超えるまで回復することが期待される。
次いで、再度、ドナーから採取される血液の流量を検出し(ステップS313)、血液の流量が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS314)。
ステップS314において、血液の流量が所定値以下ではないと判断した場合(ステップS314で「NO」)には、血流は十分であり、ステップS301に戻り、再度、ステップS301以降を実行する。
一方、ステップS314において、血液の流量が所定値以下であると判断した場合(ステップS314で「YES」)には、血流が不十分であり、ステップS315に移行する。
この血液成分採取装置1によれば、前述した第2実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この血液成分採取装置1では、ドナーから採取される血液の流量が所定値以下に低下した場合に、まずは、血流促進操作が実行されるので、ドナーおよびオペレーターの手間がかからず、より容易かつ確実に、血漿(血液成分)を採取することができる。
なお、前記実施形態では、前記ドナーに対して血液の流量が低下した旨等を報知する方式(方法)は、バイブレータ59によりドナーに振動を与える方式であるが、本発明では、これに限らず、例えば、前述した第1実施形態のように、腕帯7によるドナーの腕の締付力を少なくとも1回(好ましくは複数回)変化させる方式等であってもよい。腕帯7によるドナーの腕の締付力を変化させる方式を採用する場合は、例えば、その腕帯7によるドナーの腕の締付パターンを、前記血流促進操作における腕帯7によるドナーの腕の締付パターンと、換えることで、ドナーが誤認識してしまうのを防止することができる。
以上、本発明の採血装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
なお、本発明では、刺激付与手段は、腕帯に限らず、他の部位に設けられていてもよい。また、刺激付与手段は、バイブレータ等の加振手段には限定されない。
また、タッチパネル(オペレーター用タッチパネル)19とドナー用タッチパネル50とを兼用可能な1つのタッチパネルを設けてもよい。
また、バイブレータは、腕帯に内蔵されているものに限らず、採血装置と独立して設けて、無線通信で連動させてもよい。ドナー用タッチパネルは、採血装置と一体化されていてもよく、また、独立して設けて無線通信で連動させてもよい。また、バイブレータとドナー用タッチパネルが一体化されており、採血装置から独立していてもよい。
また、本発明では、第2の報知手段および第4の報知手段は、タッチパネル等の表示手段に限らず、例えば、音声等で伝える手段であってもよい。
また、本発明では、第3の報知手段やコール手段は、ブザー、ランプ等に限らず、例えば、音声等で伝える手段であってもよい。
また、本発明は、血漿製剤(または血漿分画製剤の原料血漿)を得るのに適用する場合に限らず、例えば、血液中から、血小板製剤、赤血球製剤、白血球製剤等を得る場合に適用してもよい。すなわち、本発明では、血液成分採取バッグに採取される血液成分は、血漿に限らず、例えば、血小板(血漿を含む血小板)、赤血球(血漿を含む赤血球)、白血球(血漿を含む白血球)等であってもよい。
また、本発明は、血液成分採取バッグを複数有し、複数の血液成分を採取し得るように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、採血ラインおよび返血ラインが一体となったいわゆる間歇式(一針式または片腕式とも呼ばれる)の採血装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、この方式のものに限らず、例えば、採血ラインと返血ラインとが別個に設けられたいわゆる連続式(二針式または両腕式とも呼ばれる)の採血装置にも適用することができる。
また、本発明は、所定の血液成分を採取して、残りの血液成分をドナーに返還しない採血装置に適用することもできる。
また、本発明は、ドナーから採取された血液(全血)を採血バッグに採取する採血装置に適用することもできる。
また、本発明では、光学式センサは、図示のものに限定されず、例えば、ラインセンサ等であってもよい。
また、本発明では、血液分離器は、遠心型のものに限定されず、例えば、膜型等のものであってもよい。
本発明の採血装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第1実施形態を示す平面図(一部にブロック図を含む)である。 図1に示す血液成分採取装置の制御回路を示すブロック図である。 図1に示す血液成分採取装置の腕帯を示す平面図および斜視図である。 図1に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。 本発明の採血装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第2実施形態における制御回路を示すブロック図である。 図5に示す血液成分採取装置の作用を説明するためのフローチャートである。 本発明の採血装置を、主に血漿を採取する血液成分採取装置に適用した場合の第3実施形態における作用を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 血液成分採取装置
2 血液成分採取回路
10 遠心分離器駆動装置
11 血液ポンプ
12 抗凝固剤ポンプ
14 濁度センサ
15 光学式センサ
16 重量センサ
17 第1の気泡センサ
18 圧力センサ
19 タッチパネル
20 遠心分離器
21 採血・返血ライン
21a 中空針側ライン
21b 遠心分離器側ライン
21c 分岐コネクタ
21d チャンバー
21g ポンプチューブ
21h チューブ
21i フィルター
22 採取バッグ側ライン
23 抗凝固剤注入ライン
23a ポンプチューブ
23c 気泡除去用チャンバー
23d 抗凝固剤溶器接続用針
24 エアーバッグ側ライン
25 血漿採取バッグ
26 エアーバッグ
291 中空針
292 翼
32 サブバッグ
32a チューブ
34 第2の気泡センサ
35 第3の気泡センサ
36 第4の気泡センサ
37 第5の気泡センサ
50 ドナー用タッチパネル
51、52 流路開閉手段
53 ブザー
54 ランプ
55 制御手段
56 コンプレッサー
57 リーク弁
58 圧力計
59 バイブレータ
61 分岐コネクタ
62 チューブ
63 フィルター
64 除菌フィルター
7 腕帯
71 袋体
72 カバー
73 チューブ
142 ローター
143 流入口
144 流出口
145 ステーター
146 貯血空間
S101〜S118 ステップ
S201〜S215 ステップ
S301〜S319 ステップ

Claims (10)

  1. 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を収納する採血バッグとを有する血液採取回路と、
    空気の注入により拡張する袋体を有し、前記供血者の腕に巻き付けられて使用される腕帯と、
    前記袋体の内部の圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記圧力調整手段の作動を制御する圧力制御手段と、
    前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
    前記圧力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を少なくとも1回変化させるように構成されていることを特徴とする採血装置。
  2. 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグとを有する血液採取回路と、
    空気の注入により拡張する袋体を有し、前記供血者の腕に巻き付けられて使用される腕帯と、
    前記袋体の内部の圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記圧力調整手段の作動を制御する圧力制御手段と、
    前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
    前記圧力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を少なくとも1回変化させるように構成されていることを特徴とする採血装置。
  3. 前記圧力制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記圧力調整手段の作動を制御し、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を変化させることで、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知する報知手段として機能する請求項1または2に記載の採血装置。
  4. 前記腕帯による前記供血者の腕の締付力の変化は、採血時の締付力と、該採血時の締付力よりも所定値高い締付力とを交互に繰り返すものである請求項1ないし3のいずれかに記載の採血装置。
  5. 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段を有し、
    前記圧力制御手段は、前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合に、前記腕帯による前記供血者の腕の締付力を変化させるように構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の採血装置。
  6. 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を収納する採血バッグとを有する血液採取回路と、
    所定の刺激を前記供血者に与える刺激付与手段と、
    前記刺激付与手段の作動を制御する刺激制御手段と、
    前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
    前記刺激制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記刺激付与手段の作動を制御し、該刺激付与手段により前記供血者に刺激を与えることで、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知する報知手段として機能することを特徴とする採血装置。
  7. 供血者から血液を採取する採血針を備えた採血手段と、前記採血手段により採取された血液を分離する血液分離器と、前記血液分離器により分離された所定の血液成分を採取する血液成分採取バッグとを有する血液採取回路と、
    所定の刺激を前記供血者に与える刺激付与手段と、
    前記刺激付与手段の作動を制御する刺激制御手段と、
    前記供血者から採取される血液の流量を検出する検出手段とを備え、
    前記刺激制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記刺激付与手段の作動を制御し、該刺激付与手段により前記供血者に刺激を与えることで、前記供血者に対し、血液の流量が低下した旨を報知する報知手段として機能することを特徴とする採血装置。
  8. 前記供血者の腕に巻き付けて使用する腕帯を有し、
    前記刺激付与手段は、前記腕帯に設置され、所定の刺激を前記供血者の腕に与えるものである請求項6または7に記載の採血装置。
  9. 前記刺激付与手段は、前記供血者に振動を与える加振手段である請求項6ないし8のいずれかに記載の採血装置。
  10. 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記血液の流量が所定値以下に低下したか否かを判別する判別手段を有し、
    前記刺激制御手段は、前記判別手段により前記血液の流量が所定値以下に低下したと判別された場合に、前記刺激付与手段により前記供血者に刺激を与えるように構成されている請求項6ないし9のいずれかに記載の採血装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62204727A (ja) * 1986-03-03 1987-09-09 株式会社クラレ 手足からの採血を容易に行うための装置

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