JP2008124509A - 研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリア層となる導体として用いられるタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物等を低砥粒濃度において高い研磨速度で研磨でき、かつ銅又は銅合金配線のディッシングとシニング及び研磨キズ発生を抑制でき、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成することができる研磨方法を提供する。
【解決手段】二酸化シリコンの基板上に形成された、バリア層となる導体を含む面の研磨に使用される研磨液であって、上記導体は、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金又はその他のタンタル化合物であり、上記研磨液は、砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有する研磨液であり、上記砥粒が、一次粒子が平均2〜3粒子凝集した平均粒径が60nm以下の2次粒子からなる粒子であり、研磨液pHが3以下であり、かつ導体の酸化剤の濃度が0.01〜3重量%である研磨液を用いて、バリア層を研磨する研磨方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に半導体デバイスの配線形成工程の研磨に使用される導体用研磨液及びこれを用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下LSIと記す)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下CMPと記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば特許文献1に開示されている。
また、最近はLSIを高性能化するために、配線材料として銅及び銅合金の利用が試みられている。しかし、銅及び銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜上に銅又は銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅又は銅合金薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば特許文献2に開示されている。
銅及び銅合金等の金属CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を金属用研磨液で浸し、基板の金属膜を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(以下研磨圧力と記す)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除去するものである。
CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び砥粒からなっており必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤が添加される。まず酸化剤によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れず、砥粒による削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基板表面は平坦化される。この詳細については非特許文献1に開示されている。
CMPによる研磨速度を高める方法として酸化金属溶解剤を添加することが有効とされている。砥粒によって削り取られた金属酸化物の粒を研磨液に溶解(以下エッチングと記す)させてしまうと砥粒による削り取りの効果が増すためであるためと解釈できる。酸化金属溶解剤の添加によりCMPによる研磨速度は向上するが、一方、凹部の金属膜表面の酸化層もエッチング(溶解)されて金属膜表面が露出すると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸化され、これが繰り返されると凹部の金属膜のエッチングが進行してしまう。このため研磨後に埋め込まれた金属配線の表面中央部分が皿のように窪む現象(以下、ディッシングと記す。)が発生し、平坦化効果が損なわれる。
これを防ぐためにさらに保護膜形成剤が添加される。保護膜形成剤は金属膜表面の酸化層上に保護膜を形成し、酸化層の研磨液中への溶解を防止するものである。この保護膜は砥粒により容易に削り取ることが可能で、CMPによる研磨速度を低下させないことが望まれる。
銅及び銅合金のディッシングや研磨中の腐食を抑制し、信頼性の高いLSI配線を形成するために、グリシン等のアミノ酢酸又はアミド硫酸からなる酸化金属溶解剤及び保護膜形成剤としてベンゾトリアゾール(BTA)を含有する金属用研磨液を用いる方法が提唱されている。この技術は、例えば特許文献3に記載されている。
銅及び銅合金のダマシン配線形成やタングステン等のプラグ配線形成等の金属埋め込み形成においては、埋め込み部分以外に形成される層間絶縁膜である二酸化シリコン膜の研磨速度も大きい場合には、層間絶縁膜ごと配線の厚みが薄くなるシニングが発生する。その結果、配線抵抗の増加やパターン密度等により抵抗のばらつきが生じるために、研磨される金属膜に対して二酸化シリコン膜の研磨速度が十分小さい特性が要求される。そこで、酸の解離により生ずる陰イオンにより二酸化シリコンの研磨速度を抑制することにより、研磨液のpHをpKa−0.5よりも大きくする方法が提唱されている。この技術は、例えば特許文献4に記載されている。
一方、配線の銅又は銅合金等の下層には、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためにバリア層として、タンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物等が形成される。したがって、銅又は銅合金を埋め込む配線部分以外では、露出したバリア層をCMPにより取り除く必要がある。しかし、これらのバリア層は、銅又は銅合金に比べ硬度が高いために、銅又は銅合金用の研磨材料の組み合わせでは十分な研磨速度が得られない場合が多い。そこで、銅又は銅合金を研磨する第1工程と、バリア層となる導体を研磨する第2工程からなる2段研磨方法が検討されている。
第2工程であるバリア層となる導体のCMPでは、銅及び銅合金埋め込み配線部のディッシングを防止する必要があり、銅又は銅合金の研磨速度及びエッチング速度を抑制するために、研磨液のpHを小さくすることはマイナス効果であると考えられていた。
バリア層として用いられるタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物は、化学的に安定でエッチングが難しく、硬度が高いために機械的な研磨も銅及び銅合金ほど容易ではない。そこで、砥粒の硬度を上げた場合には、銅又は銅合金に研磨キズが発生して電気特性不良の原因になったり、砥粒の粒子濃度を高くした場合には、二酸化シリコン膜の研磨速度が大きくなってしまいシニングが発生するという問題があった。
米国特許第4944836号明細書 特開平2−278822号公報 特開平8−83780号公報 特許第2819196号公報 「ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ」、第138巻11号(1991年発行)、p.3460−3464
本発明は、バリア層となる導体として用いられるタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物等を低砥粒濃度において高い研磨速度で研磨でき、かつ銅又は銅合金配線のディッシングとシニング及び研磨キズ発生を抑制でき、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成することができる導体用研磨液及びこれを用いた研磨方法を提供するものである。
本発明者らは、バリア層となる導体として用いられるタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物の研磨において、砥粒粒径が大きすぎると、バリア層の研磨速度が低下してしまい、二酸化シリコンの研磨速度が増加してしまうことを見出した。更に、砥粒の平均粒径が小さくても、凝集していない一次粒子からなる砥粒であると二酸化シリコンの研磨速度が増加してしまうことを見出した。この現象は、低pH領域かつ低酸化剤濃度領域でタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物を研磨する際に顕著である。本発明はこれらの知見に基づいてなされたものである。
本発明は、砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有する研磨液であり、砥粒が一次粒子が平均2〜10粒子凝集した平均粒径が70nm以下の2次粒子からなる粒子であることを特徴とする導体用研磨液に関する。
砥粒の平均粒径は好ましくは50nm以下であり、より好ましくは30〜20nmである。また、一次粒子が平均2〜5粒子凝集した2次粒子からなる粒子からなることが好ましい。
砥粒は、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア及びゲルマニアより選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、コロイダルシリカ又はコロイダルアルミナであることがより好ましい。コロイダルシリカは、シリコンアルコキシドの加水分解により製造したものが好ましいが、珪酸ナトリウムを原料として製造したものも使用できる。砥粒濃度は、0.05〜3重量%であることが好ましい。
導体用研磨液のpHは3以下、かつ導体の酸化剤濃度が0.01〜3重量%であることが好ましい。
導体用研磨液にはさらに水溶性高分子を含むことができ、その場合の導体の酸化剤濃度は、0.01〜1.5重量%であることが好ましい。
導体用研磨剤をバリア層となる導体用に使用する場合は、導体の酸化剤の濃度は、0.01〜1.5重量%であることが好ましい。
水溶性高分子は、ポリアクリル酸もしくはその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸もしくはその塩、ポリアミド酸もしくはその塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
酸は、有機酸であることが好ましく、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸及びクエン酸から選ばれた少なくとも1種であることがより好ましい。
導体の酸化剤は、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
導体は、銅又は銅合金のバリア層となる導体であることが好ましく、銅又は銅合金のバリア層となる導体が、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化合物であることが好ましい。
金属表面に対する保護膜形成剤は、銅又は銅合金等の金属導体の表面を腐食から保護するもので、従来から広く用いられてきたベンゾトリアゾール(BTA)及びその誘導体から選ばれた少なくとも一種(BTA類)が好ましく用いられる。
本発明は、また、上記の導体用研磨液を用いて、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金又はその他のタンタル化合物からなるバリア層を研磨する研磨方法に関する。
本発明は、また、上記の導体用研磨液を用いて、銅又は銅合金とそのバリア層を含む面を研磨する研磨方法に関する。
本発明では、平均粒径が70nm以下、かつ一次粒子が平均2〜10粒子凝集した二次粒子からなる砥粒を含有し、研磨液を好ましくは低pH領域かつ低酸化剤濃度領域にすることにより、銅又は銅合金配線のディッシングとシニング及び研磨キズ発生を抑制し、低砥粒濃度においてバリア層の高い研磨速度を実現することができる。
バリア層を研磨する方法として、砥粒の硬度を上げた場合には、銅合金に研磨キズが発生して電気特性不良の原因になったり、砥粒の粒子濃度を高くした場合には、二酸化シリコン膜の研磨速度が大きくなりシニングが発生してしまうという問題があったが、本発明の研磨液を用いると、バリア層として用いられるタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物の研磨が低pH領域かつ低酸化剤濃度領域で容易に進行する。また、これらの研磨速度が最大になる砥粒濃度が低濃度領域に存在し、酸化剤濃度が低い場合に、一般に低pH領域で問題になる銅又は銅合金のエッチング速度の増加による配線のディッシングも問題とならず、砥粒濃度が低いためにシニングも少ない。
本発明の導体用研磨液は、バリア層として用いられるタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物の研磨を可能にし、かつ銅合金配線のディッシングとシニング及び研磨キズ発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパターン形成することができる。
例えば、表面に二酸化シリコンの凹部を有する基板上にバリア層及び銅又は銅合金を含む導体膜を形成・充填したものを、まず、銅又は銅合金/バリア層の研磨速度比が十分大きい銅又は銅合金用の研磨液を用いてCMPすると、基板の凸部のバリア層が表面に露出し、凹部に銅又は銅合金膜が残された所望の導体パターンが得られる。本発明の導体用研磨液は、砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有する研磨液であり、砥粒は平均粒径が70nm以下かつ一次粒子が平均2〜10粒子凝集した二次粒子からなるものである。平均粒径が70nmより大きいとバリア層の研磨速度が小さく、二酸化シリコン膜の研磨速度が大きい。また、平均粒径が70nm以下であっても、一次粒子が平均2粒子以上凝集していない粒子であると二酸化シリコン膜の研磨速度が大きくなる。また、一次粒子が平均10粒子を超えて凝集して、平均粒径が70nm以下になる粒子は製造が困難である。
本発明の砥粒の平均粒径は、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の COULTER N4SD)を用いて、測定温度20℃でintensity(散乱強度、濁度に相当)が5E+04〜4E+05の範囲になるように調整して(強度が強すぎる場合には純水で希釈して)5回測定し、Unimodal値の平均値を求めた。なお、溶媒屈折率:1.333(水)、粒子屈折率:unknown(という設定)、溶媒粘度:1.005cp(水)、Run Time:200sec、レーザー入射角:90°で行った。
また、粒子の凝集度は、透過型電子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製のH-7100FA)を用いて、研磨液をミクロメッシュ上で凝集が発生しないように乾燥させて10〜50万倍で測定した。凝集度は2次粒子の200個の凝集粒子数を観察して平均値を求めた。
導体用研磨液のpHは、3より大きいとタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物の研磨速度が小さくなる傾向がある。pHは酸の添加量により調整することができる。またアンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドライド等のアルカリ成分の添加によっても調整可能である。
一方、本発明における導体用研磨液は、導体の酸化剤の濃度が0.15重量%付近でタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物の研磨速度が極大になる。導体の酸化剤によりタンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物等の導体膜表面に、機械的に研磨されやすい一次酸化層が形成され、高い研磨速度が得られる。一般にpHが3以下の場合には、銅又は銅合金膜のエッチング速度が大きく、金属表面に対する保護膜形成剤でのエッチング抑制は困難である。しかし、本発明では、導体の酸化剤の濃度を十分低くすると、金属表面に対する保護膜形成剤によるエッチング抑制が可能である。導体の酸化剤の濃度が3重量%より大きいと、銅又は銅合金のエッチング速度が大きくなりディッシング等が発生し易くなるだけでなく、タンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物等の導体膜表面に、一次酸化層よりも研磨されにくい二次酸化層が形成されるために研磨速度が低下する傾向がある。酸化剤の濃度が0.01重量%よりも小さいと、酸化層が充分形成されないために研磨速度が小さくなり、タンタル膜等の剥離等が発生することもある。
本発明における導体用研磨液の導体の酸化剤は、水溶性高分子を含有する場合には、濃度が0.01〜1.5重量%であることが好ましい。水溶性高分子は、タンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物、又はその酸化膜表面に吸着するために、高い研磨速度が得られる酸化剤濃度範囲が小さくなる。また、水溶性高分子は、特に窒化タンタル膜や窒化チタン等の窒化化合物膜の表面に吸着し易いために、窒化タンタル膜や窒化チタン等の窒化化合物膜の研磨速度が小さくなる。一方、水溶性高分子は、金属の表面保護膜形成効果を持ち、ディッシングやシニング等の平坦化特性を向上させる。
本発明における導体の酸化剤としては、過酸化水素(H22)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。基板が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物などによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の時間変化が激しいので過酸化水素が最も適している。但し、適用対象の基板が半導体素子を含まないガラス基板などである場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
本発明における酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等、及びこれらの有機酸のアンモニウム塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、クロム酸等又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中では、実用的なCMP研磨速度が得られるという点で有機酸、特に、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸及びクエン酸が好ましい。
本発明における金属表面に対する保護膜形成剤は、BTA(ベンゾトリアゾール)及びその誘導体、例えばBTAのベンゼン環の一つの水素原子をメチル基で置換したもの(トリルトリアゾール)もしくはカルボキシル基等で置換したもの(ベンゾトリアゾール−4−カルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル及びオクチルエステル)、又はナフトトリアゾール、ナフトトリアゾール誘導体及びこれらを含む混合物の中から選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。
本発明における水溶性高分子としては、以下の群から選ばれた少なくとも1種が好適に用いられる。すなわち、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド等のカルボキシル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマー及びその塩、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン等のビニル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマーからなる群が挙げられる。但し、適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基板がガラス基板等である場合はその限りではない。これらの水溶性高分子を添加することにより、前記保護膜形成剤によるエッチング抑止効果によりディッシング特性を向上させることができる。
本発明の導体用研磨液の砥粒としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア、炭化珪素等の無機物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリ塩化ビニル等の有機物砥粒のいずれでもよいが、研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない、平均粒径が70nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましく、平均粒径が50nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナがより好ましい。平均粒径は、バリア層の研磨速度がより大きくなり、二酸化シリコンの研磨速度がより小さくなる30nm以下が更に好ましい。コロイダルシリカはシリコンアルコキシドの加水分解又は珪酸ナトリウムのイオン交換による製造方法が知られており、コロイダルアルミナは硝酸アルミニウムの加水分解による製造方法が知られている。
本発明を適用する導体としては、基板に導体として埋め込まれ、研磨されて平坦化されて電導性を有する配線材料となるものであれば、特に限定されないが、銅又は銅合金のバリア層となる導体であることが好ましく、タンタルやタンタル合金及び窒化タンタルやその他のタンタル化合物が好ましい。
本発明における酸の配合量は、導体の酸化剤、酸、金属表面に対する保護膜形成剤、必要により配合される水溶性高分子及び水の総量100gに対して、0.0001〜0.05molとすることが好ましく、0.001mol〜0.01molとすることがより好ましい。この配合量が0.05molを超えると、銅合金のエッチングが増加する傾向がある。
本発明における金属表面に対する保護膜形成剤の配合量は、導体の酸化剤、酸、金属表面に対する保護膜形成剤、必要により配合される水溶性高分子及び水の総量100gに対して、0.0001mol〜0.01molとすることが好ましく、0.0005mol〜0.005molとすることがより好ましい。この配合量が0.0001mol未満では、銅合金のエッチングが増加する傾向があり、0.01molを超えても効果に変わりがない。
本発明における水溶性高分子の配合量は、導体の酸化剤、酸、金属表面に対する保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量100gに対して、0.001〜0.5重量%とすることが好ましく、0.01重量%〜0.2重量%とすることがより好ましい。この配合量が0.001重量%未満では、エッチング抑制において保護膜形成剤との併用効果が現れない傾向があり、0.5重量%を超えると、CMPによる研磨速度が低下する傾向がある。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜3
《研磨液の作製方法》
リンゴ酸0.4重量%、砥粒1.0重量%及び保護膜形成剤としてのBTA0.2重量%に水97.9重量%を加えて溶解し、過酸化水素水(試薬特級、30%水溶液)を0.5重量%加えて得られたものを導体用研磨液とした。
砥粒としては、テトラエトキシシランのアンモニア溶液中での加水分解により作製し、テトラエトキシシラン濃度、アンモニア濃度、反応温度を調整することにより砥粒粒径、凝集数を調整して得られた表1に示す砥粒粒径25〜100nmの範囲のコロイダルシリカを用いた。使用したリンゴ酸のpKaは、3.4である。
実施例1〜3、比較例1〜3では表1に示す砥粒を含む上記導体用研磨液を用いてCMPした。
《研磨条件》
基板:
厚さ200nmのタンタル膜を形成した配線形成のない二酸化シリコン膜層付きシリコン基板
厚さ100nmの窒化タンタル膜を形成した配線形成のない二酸化シリコン膜層付きシリコン基板
厚さ1μmの二酸化シリコン膜を形成したシリコン基板
厚さ1μmの銅膜を形成した配線形成のない二酸化シリコン膜層付きシリコン基板
銅配線パターン付きシリコン基板
研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂
研磨圧力:25KPa
基板と研磨定盤との相対速度:18m/min
《研磨品評価項目》
CMPによる研磨速度:タンタル膜、窒化タンタル膜、銅膜については、例えばナプソン(株)製Model RT−7を用いてシート抵抗値を測定し、抵抗率から膜厚を計算し、CMP前後での膜厚差を求めた。このとき、銅膜の抵抗率は1.83μΩcm、タンタル膜の抵抗率は184μΩcm、窒化タンタル膜の抵抗率は263μΩcmを用いた。二酸化シリコン膜の膜厚は光干渉式膜厚計(例えばナノメトリクス(株)製、Nanospec Model 5100)で測定し、CMP前後の膜厚差を求めた。このとき二酸化シリコン膜の屈折率は1.45を用いた。
ディッシング量:二酸化シリコン中に深さ0.5μmの溝を形成して、公知のスパッタ法によってバリア層として厚さ50nmの窒化タンタル膜を形成し、同様にスパッタ法により銅膜を形成して公知の熱処理によって埋め込んだシリコン基板を基板として用いて銅膜の研磨とバリア層の研磨とからなる2段研磨を行い、触針式段差計(例えば、Veeco/Sloan社製Dektat3030)で配線金属部(銅)幅100μm、絶縁膜(二酸化シリコン)部幅100μmが交互に並んだストライプ状パターン部の表面形状から、絶縁膜部に対する配線金属部の膜減り量を測定し、表2に示した。
銅膜用の1段目研磨液としては、窒化タンタルに対する銅の研磨速度比が十分大きい銅及び銅合金用の研磨液(日立砥粒フリーC430Kスラリー)を使用して研磨した。1段研磨後に、絶縁膜部上にバリア層が露出した状態で測定したディッシング量が、50nmになるように基板サンプルを作製しておき、次に、バリア層用の2段目研磨液として、実施例及び比較例の研磨液を用いて絶縁膜部でバリア層がなくなるまで2段研磨し、配線金属部の膜減り量を測定した。
シニング量:上記ディッシング量評価用基板に形成された配線金属部幅4.5μm、絶縁膜部幅0.5μmが交互に並んだ総幅2.5mmのストライプ状パターン部を上記と同じ研磨液を用いて、銅膜の研磨とバリア層の研磨とからなる2段研磨を行い、表面形状を触針式段差計により測定し、ストライプ状パターン周辺の絶縁膜フィールド部に対するパターン中央付近の絶縁膜部の膜減り量を測定し、表2に示した。1段研磨は、1段研磨後に、絶縁膜部上にバリア層が露出した状態で測定したシニング量が20nmになるように行って基板サンプルを作製しておき、次に絶縁膜部でバリア層がなくなるまで2段研磨を行い、このときの膜減り量を測定した。
実施例1〜3、比較例1〜3における、CMPによる研磨速度は表1に示すようであり、ディッシング量及びシニング量は表2に示すようであった。
Figure 2008124509
Figure 2008124509
実施例1〜3では、バリア層導体であるタンタル及び窒化タンタル膜の研磨速度が大きく、二酸化シリコン膜の研磨速度が比較的小さいので、良好なディッシング及びシニング特性が得られる。それに対し、比較例1及び3では、バリア層膜(タンタル膜)の研磨速度が減少し、二酸化シリコン膜の研磨速度がかなり大きくなるためにディッシング及びシニング特性が悪化した。比較例2では、バリア層膜(タンタル膜)の研磨速度は大きいが、二酸化シリコン膜の研磨速度がかなり大きくなるためにディッシング及びシニング特性が悪化した。

Claims (3)

  1. 二酸化シリコンの基板上に形成された、銅または銅合金のバリア層となる導体を含む面の研磨に使用される研磨液であって、
    上記導体は、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金又はその他のタンタル化合物であり、
    上記研磨液は、砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有する研磨液であり、
    上記砥粒が、一次粒子が平均2〜3粒子凝集した平均粒径が60nm以下の2次粒子からなる粒子であり、
    研磨液pHが3以下であり、
    かつ導体の酸化剤の濃度が0.01〜3重量%である研磨液を用いて、バリア層を研磨する研磨方法。
  2. 請求項1記載の研磨液を用いて、タンタル又は窒化タンタルからなる導体のバリア層を研磨する研磨方法。
  3. 請求項1記載の研磨液を用いて、銅又は銅合金とそのバリア層であるタンタル、窒化タンタル、タンタル合金又はその他のタンタル化合物からなる導体を含む面を研磨する研磨方法。
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