JP2008123117A - 歯車対の設計装置、その設計プログラム、及びこれを用いた歯車対の設計方法 - Google Patents

歯車対の設計装置、その設計プログラム、及びこれを用いた歯車対の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実用に耐え得る良好な歯車対を歩留まり良く加工するための設計歯面修正量を、オペレータの経験に依存することなく容易に設定できる歯車対の設計装置を提供する。
【解決手段】 演算部6は、各歯面修正量T,R,C,L,Bl,Brをそれぞれ変化させた値の組合せからなる歯面修正量群Gを複数パターン設定し、基本諸元に各歯面修正量を付与した諸元を用いて歯面加工を行った際に加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を歯面修正量群G毎にシミュレーションして各歯車対における各歯面の歯面誤差分布情報をそれぞれ演算する。歯面修正量群G毎に設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての歯車対に対して、予め設定された複数の噛合条件での各伝達誤差量得Eを、対応する各歯面誤差分布情報に基づいて演算それぞれ演算し、各伝達誤差量Eのうちの設定割合以上が閾値内となる歯面修正量群Gの中から最終的な歯面修正量群Gを抽出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、スパーギヤやヘリカルギヤ等からなる歯車対の基準歯面に対して歯面修正量を設定する歯車対の設計装置、その設計プログラム、及びこれを用いた歯車対の設計方法に関する。
一般に、歯車対の歯当り分布の良否やギヤノイズのレベル等の性能は、歯面形状のミクロン単位の違いによっても大きく左右される。従って、歯車対の設計においては、所望の歯車対の基本形状等を規定するための基本諸元が設定された後、この基本諸元に基づいて一義的に定まる各歯車の基準歯面を3次元的に修正するための各種歯面修正量がミクロン単位で設定される。そして、基準歯面に対して各種歯面修正量等が付与されることにより、歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量が設定される。
この種の歯車対を評価するための技術として、例えば、特許文献1には、基本諸元で規定される基準歯面に所定の歯面修正量を与えて加工した駆動側及び被動側の各歯車の歯面に対して触針を走査させ、触針の走査によって計測された各歯面の基準歯面に対する歯面誤差データを用いて、両歯面の噛合時の相対的な歯面誤差である相対歯面誤差の分布情報を生成する技術が開示されている。この技術によれば、相対歯面誤差分布情報に基づいて歯面間の伝達誤差量等を演算することで、オペレータは、経験等に頼ることなく歯車対の性能を定量的に評価することが可能となっている。そして、オペレータは、この評価結果に基づいて、各種歯面修正量の調整(再設定)、歯車対の再加工及び評価を繰り返すことにより好適な設計歯面修正量を導出することが可能となっている。
特開2005−195360号公報
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術のように歯車対の評価を定量的に行う場合にも、その評価対象となる歯車対に付与する歯面修正量等の設定は、依然、オペレータの経験に大きく依存しており、経験豊富なオペレータであっても、好適な評価結果が得られる歯車対の設計歯面修正量を設定するまでには多大な時間と労力を必要としていた。すなわち、歯車対の設計に際し、各歯車の歯面は基準歯面に対してそれぞれ3次元的に修正されるため、各歯車に歯面修正量として設定される項目は多岐に亘る。従って、好適な評価が得られる歯車対を設計するまでには、各種歯面修正量の組み合わせに基づく歯面の加工と評価を繰り返し行う必要があり、経験豊富なオペレータであっても、多大な時間と労力を必要としていた。
また、歯車対の性能はミクロン単位の歯面形状の相違に大きく影響されるため、量産時の加工誤差等を考慮すると、設定した設計歯面修正量を用いて好適な歯車対を歩留まり良く加工できるとは限らず、再度の設計変更等を迫られる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、実用に耐え得る良好な歯車対を歩留まり良く加工するための設計歯面修正量を、オペレータの経験に依存することなく容易に設定することができる歯車対の設計装置、その設計プログラム、及びこれを用いた歯車対の設計方法を提供することを目的とする。
本発明の歯車対の設計装置は、互いに噛み合う駆動歯車及び被動歯車の基本諸元により規定される各基準歯面に対して複数項目の歯面修正量を付与することで歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する歯車対の設計装置であって、上記各歯面修正量をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群を複数パターン設定する歯面修正量群設定手段と、上記基準歯面に上記各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に設定加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を上記歯面修正量群毎にシミュレーションし、当該各歯車対における駆動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報と被動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報とをそれぞれ演算する歯面誤差情報演算手段と、上記歯面修正量群毎に上記設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての上記歯車対に対し、上記駆動歯車と上記被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量を、対応する上記各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する伝達誤差量演算手段と、演算した上記各伝達誤差量のうちの設定割合以上が設定閾値内となる上記歯面修正量群の中から最終的な歯面修正量群を抽出する歯面修正量群抽出手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の歯車対の設計プログラムは、互いに噛み合う駆動歯車及び被動歯車の基本諸元により規定される各基準歯面に対して複数項目の歯面修正量を付与することで歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する歯車対の設計プログラムであって、上記各歯面修正量をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群を複数パターン設定する歯面修正量群設定ステップと、上記基準歯面に上記各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に設定加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を上記歯面修正量群毎にシミュレーションし、当該各歯車対における駆動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報と被動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報とをそれぞれ演算する歯面誤差情報演算ステップと、上記歯面修正量群毎に上記設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての上記歯車対に対し、上記駆動歯車と上記被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量を、対応する上記各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する伝達誤差量演算ステップと、演算した上記各伝達誤差量のうちの設定割合以上が設定閾値内となる上記歯面修正量群の中から最終的な歯面修正量群を抽出する歯面修正量群抽出ステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明の歯車対の設計方法は、互いに噛み合う駆動歯車及び被動歯車の基本諸元により規定される各基準歯面に対して複数項目の歯面修正量を付与することで歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する歯車対の設計方法であって、上記各歯面修正量をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群を複数パターン設定する歯面修正量群設定工程と、上記基準歯面に上記各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に設定加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を上記歯面修正量群毎にシミュレーションし、当該各歯車対における駆動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報と被動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報とをそれぞれ演算する歯面誤差情報演算工程と、上記歯面修正量群毎に上記設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての上記歯車対に対し、上記駆動歯車と上記被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量を、対応する上記各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する伝達誤差量演算工程と、演算した上記各伝達誤差量のうちの設定割合以上が設定閾値内となる上記歯面修正量群の中から最終的な歯面修正量群を抽出する歯面修正量群抽出工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、実用に耐え得る良好な歯車対を歩留まり良く加工するための設計歯面修正量を、オペレータの経験に依存することなく容易に設定することができる。
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一形態に係わり、図1は歯車対の設計装置の概略構成図、図2は歯車対の設計装置を実現するためのコンピュータの一例を示す概略図、図3は歯車対の設計歯面修正量設定ルーチンを示すフローチャート、図4は歯面誤差演算サブルーチンを示すフローチャート、図5は伝達誤差量演算サブルーチンを示すフローチャート、図6は歯面上に設定された修正量入力点を示す説明図、図7は歯先修正量及び歯面修正量の説明図、図8(a)はクラウニング修正量の説明図,図8(b)は歯筋タオレ修正量の説明図、図9はバイアス修正量の説明図、図10は駆動歯車の歯幅が被動歯車の歯幅よりも大きい場合の歯面誤差データの抽出領域を示す説明図、図11は駆動歯車の歯幅が被動歯車の歯幅よりも小さい場合の歯面誤差データの抽出領域を示す説明図、図12は等高線表示された相対歯面誤差分布の一例を示す説明図、図13は相対歯面誤差分布から導き出される無負荷状態での伝達誤差量の説明図、図14は伝達誤差量の目標値の一例を示すマップ、図15は図14のI−I線に沿って伝達誤差量の目標値及び閾値を示すマップ、図16は図14のII−II線に沿って伝達誤差量の目標値及び閾値を示すマップ、図17は歯車対の概略構成図である。
図1に示す歯車対の設計装置1は、例えば、互いに噛み合う駆動歯車101と被動歯車102がそれぞれはすば歯車(ヘリカルギヤ)で構成される歯車対100(図17参照)の設計を行う。具体的には、設計装置1は、駆動歯車101及び被動歯車102の基本諸元により規定される各基準歯面に対して複数項目の歯面修正量をシミュレーション上で付与することにより歯車対100の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する。
ここで、基本諸元は、例えば、駆動歯車101及び被動歯車102の歯数z、歯直角モジュールmn、歯丈係数Ks、頂隙係数Ck、圧力角αn、歯幅b、及び、ねじれ角β0等を有する。そして、例えば、歯車対100がはすば歯車対である場合には、基本諸元に基づいて、駆動歯車101及び被動歯車102の各歯面のマクロ形状を示す基準歯面であるインボリュート歯面がそれぞれ一義的に定められる。
また、駆動歯車101及び被動歯車102のドライブ側及びコースト側の各歯面(各基準歯面)には、設計歯面修正量として、例えば、歯先修正量T、歯元修正量R、クラウニング修正量C、歯筋タオレ修正量L、及び、左右バイアス修正量Bl,Br等(図7乃至図9参照)をそれぞれ加味した値が個別に設定される。そして、歯面加工時に、各設計歯面修正量に基づく歯面修正が行われることにより、各歯面は基準歯面に対して三次元的に加工される。
なお、以下の説明では、必要に応じて、駆動歯車101のドライブ側歯面に設定される歯面修正量等に添字”Dv1”を付し、コースト側歯面に設定される歯面修正量等に添字”Dv2”を付す。また、被動歯車102のドライブ側歯面に設定される歯面修正量等に添字”Dn1”を付し、コースト側歯面に設定される歯面修正量等に添字”Dn2”を付す。
設計装置1は、基本諸元を含む各種情報を入力するための入力部5と、入力部5からの入力情報に基づいて歯車対の設計歯面修正量を演算する演算部6と、演算部6で実行される設計歯面修正量設定ルーチン等のプログラムを格納するとともに入力部5からの入力情報や演算部6での演算結果等を適宜記憶する記憶部7と、演算部6での演算結果等を出力する出力部8とを有して構成されている。
なお、設計装置1は、例えば図2に示すコンピュータシステム10で実現される。このコンピュータシステム10は、例えば、コンピュータ本体11に、キーボード12と、ディスプレイ装置13と、プリンタ14とが接続ケーブル15を介して接続されて要部が構成されている。そして、このコンピュータシステム10において、例えば、コンピュータ本体11に配設された各種ドライブ装置やCPU,ROM,RAM等が演算部6として機能する。また、コンピュータ本体11に内蔵されたハードディスク等が記憶部7として機能するとともに、ディスプレイ装置13やプリンタ14等が出力部8として機能する。
ここで、設計装置1には、歯車対の用途や歯車対に要求される性能等に応じてオペレータが設定した各種情報が入力部5を通じて入力される。本実施形態において、具体的には、例えば、歯車対の設計歯面修正量の他、各基準歯面に対して付与する各歯面修正量T,R,C,L,Bl,Brの許容範囲(許容歯面修正量)T(r),R(r),C(r),L(r),Bl(r),Br(r)が入力される。また、歯面加工時に各項目の歯面修正量T,R,C,L,Bl,Brを用いて歯面修正を行う際にそれぞれ想定される加工誤差量Te,Re,Ce,Le,Ble,Bre各範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)、実機に歯車対100を組み付ける際に想定される組付誤差D(噛合条件)の範囲D(r)が入力される。また、実機で歯車対100を使用する際の入力トルクTq(噛合条件)の実用範囲(実用トルク範囲)Tq(r)、デフレクションδ、後述する伝達誤差量Eに対する評価マップ等が入力される。そして、これら各種入力情報は、記憶部7に格納される。伝達誤差量Eに対する評価マップとしては、例えば、図14乃至図16に示すように、組付(食違)誤差D(Deviation Error)及び入力トルクTq(Input Torque)と、伝達誤差量E(Transmission Error)の良否を判定するための閾値及び目標値との関係を示す3次元マップが入力される。なお、図14乃至図16の評価マップは、ドライブ側の噛合を評価するためのものであり、設計装置1には、コースト側の噛合を評価するための評価マップ(図示せず)についても入力される。
そして、演算部6は、例えば、記憶部7に格納された設計歯面修正量設定ルーチンのプログラムを実行し、上記各入力情報に基づく各種演算を行うことにより、歯面修正量群設定手段、歯面誤差情報演算手段、伝達誤差量演算手段、及び、歯面修正量群抽出手段としての各機能を実現する。
すなわち、演算部6は、例えば、各歯面修正量T,R,C,L,Bl,Brを各許容修正量T(r),R(r),C(r),L(r),Bl(r),Br(r)の範囲内においてそれぞれ個別に変化させたとき値の組み合わせからなる複数パターンの歯面修正量群G(G,G、・・・、G)を設定する。そして、演算部6は、基本諸元に各歯面修正量T,R,C,L,Bl,Brを付与して歯面加工を行った際に各加工誤差範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)内で製造され得る複数パターンの歯車対を歯面修正量群G毎にシミュレーションし、各歯車対における駆動歯車の基準歯面に対する歯面誤差の分布情報と被動歯車の基準歯面に対する歯面誤差の分布情報とをそれぞれ演算する。さらに、演算部6は、各加工誤差範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)の範囲内でそれぞれ歯面修正量群G毎にシミュレーションされた全ての歯車対に対し、駆動歯車と被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件(組付誤差D,トルクTq)でそれぞれ噛合させたときの歯面間の各伝達誤差量Eを、対応する各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する。そして、演算部6は、伝達誤差量Eに対する評価マップを参照して、演算した各伝達誤差量Eのうちの設定割合以上が設定閾値内となる歯面修正量群Gの中から最終的な歯面修正量群Gを抽出する。その際、演算部6は、歯面修正量群Gに対応して演算される各伝達誤差量Eのうちの設定要件を満たす伝達誤差量E(例えば、全ての加工誤差量がゼロのときの各伝達誤差量E)を、予め設定された目標値に基づいて評価することで抽出対象とする歯面誤差修正量群Gを絞り込み、絞り込んだ歯面誤差修正量群Gの中から最終的な歯面修正量群Gを抽出する。
次に、演算部6で実行される歯車対の設計処理について、図3に示す設計歯面修正量設定ルーチンのフローチャートに従って詳細に説明する。
ここで、以下の説明においては、車両の自動変速機に用いられるはすば歯車対の設計を例に説明する。このはすば歯車対の設計に際し、入力部5を通じたオペレータによる入力によって、記憶部7には、例えば、各歯先修正量Tに対して許容される修正量範囲T(r)として2〜10μmが、各歯元修正量Rに対して許容される修正量範囲R(r)として2〜10μmが、各クラウニング修正量Cに対して許容される修正量範囲C(r)として4〜14μmが、各歯筋タオレ修正量Lに対して許容される修正量範囲L(r)として2〜12μmが、各バイアス修正量Bl,Brに対して許容される修正量範囲Bl(r),Br(r)として0〜15μmが、それぞれ設定されている。また、例えば、歯先修正に対して想定される加工誤差範囲Te(r)として±3μmが、歯元修正に対して想定される加工誤差範囲Re(r)として±3μmが、クラウニング修正に対して想定される加工誤差範囲Ce(r)として±5μmが、歯筋タオレ修正に対して想定される加工誤差範囲Le(r)として±6μmが、バイアス修正に対して想定される加工誤差範囲Ble(r),Bre(r)として±7μmが、それぞれ設定されている。また、組付誤差Dの範囲、及び入力トルクTqの実用範囲として、D(r)=−0.03〜0.17(deg)、Tq(r)=44〜163(Nm)がそれぞれ設定されている。
このルーチンがスタートすると、演算部6は、先ず、ステップS101において、オペレータによって設定された各種入力情報を読み込む。すなわち、演算部6は、歯車対の基本諸元、許容修正量範囲T(r),R(r),C(r),L(r),Bl(r),Br(r)、加工誤差範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)、組付誤差範囲D(r)、実用トルク範囲Tq(r)、デフレクションδ、伝達誤差評価マップ等の各種情報を記憶部7から読み込む。
続くステップS102において、演算部6は、各許容修正量T(r),R(r),C(r),L(r),Bl(r),Br(r)に基づいて複数パターンの歯面修正量群Gを設定する。具体的には、演算部6は、歯面修正量群Gとして、例えば、各許容修正量T(r),R(r),C(r),L(r),Bl(r),Br(r)の範囲内で各歯面に対する各項目の歯面修正量TDv1,RDv1,CDv1,LDv1,BlDv1,BrDv1,TDv2,RDv2,CDv2,LDv2,BlDv2,BrDv2,TDn1,RDn1,CDn1,LDn1,BlDn1,BrDn1,TDn2,RDn2,CDn2,LDn2,BlDn2,BrDn2をそれぞれ個別に1μmずつ変化させたときの値の全ての組み合わせを設定する。
すなわち、演算部6は、歯面修正量群として、例えば、
=(TDv1=2,RDv1=2,CDv1=4,LDv1=2,BlDv1=0,BrDv1=0,TDv2=2,RDv2=2,CDv2=4,LDv2=2,BlDv2=0,BrDv2=0,TDn1=2,RDn1=2,CDn1=4,LDn1=2,BlDn1=0,BrDn1=0,TDn2=2,RDn2=2,CDn2=4,LDn2=2,BlDn2=0,BrDn2=0)、
=(TDv1=3,RDv1=2,CDv1=4,LDv1=2,BlDv1=0,BrDv1=0,TDv2=2,RDv2=2,CDv2=4,LDv2=2,BlDv2=0,BrDv2=0,TDn1=2,RDn1=2,CDn1=4,LDn1=2,BlDn1=0,BrDn1=0,TDn2=2,RDn2=2,CDn2=4,LDn2=2,BlDn2=0,BrDn2=0)、
=(TDv1=4,RDv1=2,CDv1=4,LDv1=2,BlDv1=0,BrDv1=0,TDv2=2,RDv2=2,CDv2=4,LDv2=2,BlDv2=0,BrDv2=0,TDn1=2,RDn1=2,CDn1=4,LDn1=2,BlDn1=0,BrDn1=0,TDn2=2,RDn2=2,CDn2=4,LDn2=2,BlDn2=0,BrDn2=0)、・・・、
n−1=(TDv1=10,RDv1=10,CDv1=14,LDv1=12,BlDv1=15,BrDv1=15,TDv2=10,RDv2=10,CDv2=14,LDv2=12,BlDv2=15,BrDv2=15,TDn1=10,RDn1=10,CDn1=14,LDn1=12,BlDn1=15,BrDn1=15,TDn2=10,RDn2=10,CDn2=14,LDn2=12,BlDn2=15,BrDn2=14)、
=(TDv1=10,RDv1=10,CDv1=14,LDv1=12,BlDv1=15,BrDv1=15,TDv2=10,RDv2=10,CDv2=14,LDv2=12,BlDv2=15,BrDv2=15,TDn1=10,RDn1=10,CDn1=14,LDn1=12,BlDn1=15,BrDn1=15,TDn2=10,RDn2=10,CDn2=14,LDn2=12,BlDn2=15,BrDn2=15)
を設定する。
続くステップS103において、演算部6は、ステップS102で設定した歯面修正量群G〜Gの中から何れか1つの歯面修正量群Gを選択する。
そして、ステップS104に進むと、演算部6は、例えば、図4に示す歯面誤差演算サブルーチンのプログラムを実行し、選択した歯面修正量群Gに基づいて各加工誤差範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)内で加工され得る各歯車対について、駆動歯車及び被動歯車のドライブ側及びコースト側それぞれの歯面誤差分布情報を演算する。
すなわち、このサブルーチンがスタートすると、ステップS201において、演算部6は、各加工誤差範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)に基づいて複数パターンの加工誤差量群Geを設定する。具体的には、演算部6は、加工誤差量群Geとして、例えば、各加工誤差範囲Te(r),Re(r),Ce(r),Le(r),Ble(r),Bre(r)内で各歯面に対する各項目の加工誤差量TeDv1,ReDv1,CeDv1,LeDv1,BleDv1,BreDv1,TeDv2,ReDv2,CeDv2,LeDv2,BleDv2,BreDv2,TeDn1,ReDn1,CeDn1,LeDn1,BleDn1,BreDn1,TeDn2,ReDn2,CeDn2,LeDn2,BleDn2,BreDn2をそれぞれ個別に1μmずつ変化させたときの値の全ての組み合わせを設定する。
すなわち、演算部6は、歯面修正量群として、例えば、
Ge=(TeDv1=−3,ReDv1=−3,CeDv1=−5,LeDv1=−6,BleDv1=−7,BreDv1=−7,TeDv2=−3,ReDv2=−3,CeDv2=−5,LeDv2=−6,BleDv2=−7,BreDv2=−7,TeDn1=−3,ReDn1=−3,CeDn1=−5,LeDn1=−6,BleDn1=−7,BreDn1=−7,TeDn2=−3,ReDn2=−3,CeDn2=−5,LeDn2=−6,BleDn2=−7,BreDn2=−7)、
Ge=(TeDv1=−2,ReDv1=−3,CeDv1=−5,LeDv1=−6,BleDv1=−7,BreDv1=−7,TeDv2=−3,ReDv2=−3,CeDv2=−5,LeDv2=−6,BleDv2=−7,BreDv2=−7,TeDn1=−3,ReDn1=−3,CeDn1=−5,LeDn1=−6,BleDn1=−7,BreDn1=−7,TeDn2=−3,ReDn2=−3,CeDn2=−5,LeDn2=−6,BleDn2=−7,BreDn2=−7)、
Ge=(TeDv1=−1,ReDv1=−3,CeDv1=−5,LeDv1=−6,BleDv1=−7,BreDv1=−7,TeDv2=−3,ReDv2=−3,CeDv2=−5,LeDv2=−6,BleDv2=−7,BreDv2=−7,TeDn1=−3,ReDn1=−3,CeDn1=−5,LeDn1=−6,BleDn1=−7,BreDn1=−7,TeDn2=−3,ReDn2=−3,CeDn2=−5,LeDn2=−6,BleDn2=−7,BreDn2=−7)、・・・、
Gem−1=(TeDv1=3,ReDv1=3,CeDv1=5,LeDv1=6,BleDv1=7,BreDv1=7,TeDv2=3,ReDv2=3,CeDv2=5,LeDv2=6,BleDv2=7,BreDv2=7,TeDn1=3,ReDn1=3,CeDn1=5,LeDn1=6,BleDn1=7,BreDn1=7,TeDn2=3,ReDn2=3,CeDn2=5,LeDn2=6,BleDn2=7,BreDn2=6)
Ge=(TeDv1=3,ReDv1=3,CeDv1=5,LeDv1=6,BleDv1=7,BreDv1=7,TeDv2=3,ReDv2=3,CeDv2=5,LeDv2=6,BleDv2=7,BreDv2=7,TeDn1=3,ReDn1=3,CeDn1=5,LeDn1=6,BleDn1=7,BreDn1=7,TeDn2=3,ReDn2=3,CeDn2=5,LeDn2=6,BleDn2=7,BreDn2=7)
を設定する。
続くステップS202において、演算部6は、ステップS201で設定した加工誤差量群Ge〜Geの中から何れか1つの加工誤差量群Geを選択する。
そして、ステップS203において、演算部6は、現在選択されている歯面修正量群Gと加工誤差量群Geとに基づいて製造される(シミュレーションされる)歯車対の各歯面(駆動歯車及び被動歯車のドライブ側及びコースト側の各歯面)の歯面誤差分布情報として、それぞれ3行×3列の歯面誤差分布情報を算出する。すなわち、図6に示すように、演算部6は、各基準歯面上における有効歯面の中心(P(1,1))と、有効歯面の四隅(P(0,0)、P(0,2)、P(2,0)、P(2,2))と、有効歯面を囲む各辺の中心(P(0,1)、P(1,0)、P(1,2)、P(2,1))に対し、それぞれ該当する各歯面修正量及び各加工誤差量を付与することで、各基準歯面に対する3行×3列の歯面誤差分布情報を算出する。
具体的には、駆動歯車が右ネジレの場合、歯筋タオレ量は強ネジレ方向を正、バイアス修正量はバイアスインを正とすると、駆動歯車のドライブ側歯面における各点の歯面修正量は、
Dv1(0,0)=TDv1+CDv1+LDv1/2−BlDv1/2+TeDv1+CeDv1+LeDv1/2−BleDv1/2
Dv1(0,1)=TDv1+TeDv1
Dv1(0,2)=TDv1+CDv1−LDv1/2+BrDv1/2+TeDv1+CeDv1−LeDv1/2+BreDv1/2
Dv1(1,0)=CDv1+LDv1/2+CeDv1+LeDv1/2
Dv1(1,1)=0
Dv1(1,2)=CDv1−LDv1/2+CeDv1−LeDv1/2
Dv1(2,0)=RDv1+CDv1+LDv1/2+BlDv1/2+ReDv1+CeDv1+LeDv1/2+BleDv1/2
Dv1(2,1)=RDv1+ReDv1
Dv1(2,2)=RDv1+CDv1−LDv1/2−BreDv1/2+ReDv1+CeDv1−LeDv1/2−BreDv1/2
となる。
また、駆動歯車のコースト側歯面における各点の歯面修正量は、
Dv2(0,0)=TDv2+CDv2+LDv2/2−BlDv2/2+TeDv2+CeDv2+LeDv2/2−BleDv2/2
Dv2(0,1)=TDv2+TeDv2
Dv2(0,2)=TDv2+CDv2−LDv2/2+BrDv2/2+TeDv2+CeDv2−LeDv2/2+BreDv2/2
Dv2(1,0)=CDv2+LDv2/2+CeDv2+LeDv2/2
Dv2(1,1)=0
Dv2(1,2)=CDv2−LDv2/2+CeDv2−LeDv2/2
Dv2(2,0)=RDv2+CDv2+LDv2/2+BlDv2/2+ReDv2+CeDv2+LeDv2/2+BleDv2/2
Dv2(2,1)=RDv2+ReDv2
Dv2(2,2)=RDv2+CDv2−LDv2/2−BreDv2/2+ReDv2+CeDv2−LeDv2/2−BreDv2/2
となる。
また、被動歯車のドライブ側歯面における各点の歯面修正量は、
Dn1(0,0)=TDn1+CDn1−LDn1/2+BlDn1/2+TeDn1+CeDn1−LeDn1/2+BleDn1/2
Dn1(0,1)=TDn1+TeDn1
Dn1(0,2)=TDn1+CDn1+LDn1/2−BrDn1/2+TeDn1+CeDn1+LeDn1/2−BreDn1/2
Dn1(1,0)=CDn1−LDn1/2+CeDn1−LeDn1/2
Dn1(1,1)=0
Dn1(1,2)=CDn1+LDn1/2+CeDn1+LeDn1/2
Dn1(2,0)=RDn1+CDn1−LDn1/2−BlDn1/2+ReDn1+CeDn1−LeDn1/2−BleDn1/2
Dn1(2,1)=RDn1+ReDn1
Dn1(2,2)=RDn1+CDn1+LDn1/2+BrDn1/2+ReDn1+CeDn1+LeDn1/2+BreDn1/2
となる。
また、被動歯車のコースト側歯面における各点の歯面修正量は、
Dn2(0,0)=TDn2+CDn2−LDn2/2+BlDn2/2+TeDn2+CeDn2−LeDn2/2+BleDn2/2
Dn2(0,1)=TDn2+TeDn2
Dn2(0,2)=TDn2+CDn2+LDn2/2−BrDn2/2+TeDn2+CeDn2+LeDn2/2−BreDn2/2
Dn2(1,0)=CDn2−LDn2/2+CeDn2−LeDn2/2
Dn2(1,1)=0
Dn2(1,2)=CDn2+LDn2/2+CeDn2+LeDn2/2
Dn2(2,0)=RDn2+CDn2−LDn2/2−BlDn2/2+ReDn2+CeDn2−LeDn2/2−BleDn2/2
Dn2(2,1)=RDn2+ReDn2
Dn2(2,2)=RDn2+CDn2+LDn2/2+BrDn2/2+ReDn2+CeDn2+LeDn2/2+BreDn2/2
となる。
なお、駆動歯車が左ネジレの場合、上述の各点において、歯筋タオレ修正量、及び、バイアス修正量に係る加減算は逆となる。
続くステップS204において、演算部6は、例えば多点スプライン補間法を用いてステップS203で算出された各歯面における歯面誤差分布情報の補間計算を行い、各歯筋方向のサンプル間隔が例えば0.1mmとなる3行×oDv1列、3行×oDv2列、3行×oDn1列、3行×oDn2列の各歯面誤差分布情報を演算する。
すなわち、演算部6は、例えば、(1)式に示すように、歯面誤差の各データ列を用いて、歯筋方向をx軸とするスプライン近似式を列毎にそれぞれ求め、この近似式から補間データを算出することで所望サンプル間隔のデータ群を取得する。
Figure 2008123117
ここで、(1)式において、前段の関数は近似式全体の傾向を表す項であり、同項のAk-1〜A0は、データ列の中から所定に抽出したk個の歯面誤差データに基づいてそれぞれ設定される係数である。また、(1)式において、後段の関数は隣り合うデータ間を滑らかに連結するための項であり、同項のCiは、互いに隣り合うデータ対に基づいてそれぞれ設定される係数である。
ステップS204からステップS205に進むと、全ての加工誤差量群Geに対応する歯車対の各歯面誤差分布情報を演算したか否かを調べる。その結果、演算部6は、全ての加工誤差量群Geに対応する歯車対の各歯面誤差分布情報が演算されていないと判定した場合には、ステップS202に戻る。一方、全ての加工誤差量群Geに対応する歯車対の各歯面誤差分布情報が演算されたと判定した場合には、サブルーチンを抜ける。
メインルーチンにおいて、ステップS104からステップS105に進むと、演算部6は、例えば、図5に示す伝達誤差量演算サブルーチンのプログラムを実行し、選択した歯面修正量群Gに基づいて加工され得る各歯車対を複数パターンの噛合条件で噛合させたときの各伝達誤差量Eをそれぞれ演算する。
すなわち、このサブルーチンがスタートすると、演算部6は、ステップS301において、組付誤差範囲D(r)と実用トルク範囲Tq(r)に基づいて複数パターンの噛合条件群Gcを設定する。具体的には、演算部6は、噛合条件群Gcとして、例えば、組付誤差Dを組付誤差範囲D(r)内で0.02degずつ変化させた値と、入力トルクTqを実用トルク範囲Tq(r)内で12Nmずつ変化させた値との全ての組み合わせを設定する。
すなわち、演算部6は、噛合条件群として、例えば、
Gc=(D=−0.03,Tq=44)、
Gc=(D=−0.01,Tq=44)、
Gc=(D=0.01,Tq=44)、・・・、
Gcl−1=(D=0.17,Tq=151)、
Gc=(D=0.17,Tq=163)
を設定する。
ステップS301からステップS302に進むと、演算部6は、ステップS104で演算した各歯車対(現在の歯面修正量群Gに基づいて設定加工誤差範囲内で製造され得る各歯車対)の中から何れか1つの歯車対を選択し、続くステップS303に進おいて、ステップS301で設定した噛合条件群の中から何れか1つの噛合条件群Gcを選択する。
そして、ステップS304に進むと、演算部6は、ステップS302で選択した歯車対をステップS303で選択した噛合条件群Gcを用いて噛合させたときの歯面間の相対歯面誤差分布情報を算出する。
この相対歯面誤差分布情報の演算において、演算部6は、先ず、駆動歯車と被動歯車の各ドライブ側歯面の有効噛合領域を算出し、駆動歯面の歯面誤差分布情報(3行×oDv1列の分布情報)及び被動歯車の歯面誤差分布情報(3行×oDn1列の分布情報)の中から、有効噛合領域内に存在する歯面誤差分布情報(3行×p列の分布情報)をそれぞれ抽出する。
ここで、駆動歯面及び被動歯面の有効噛合領域は、具体的には、歯車諸元である各歯面の歯幅及び両歯面間の歯幅ズレ量(駆動歯面の中心と被動歯面の中心との歯幅方向のズレ量)ΔBに基づいて算出される。この場合、図10(a)及び(b)から明らかなように、駆動歯面Dvの歯幅が被動歯面Dnの歯幅よりも大きい場合であって、且つ、駆動歯面Dvと被動歯面Dnとが完全に重なる場合には、抽出される各歯面の歯幅方向のデータ数は、p=oDn1となる。また、図10(c)及び(d)から明らかなように、駆動歯面Dvの歯幅が被動歯面Dnの歯幅よりも大きい場合であって、且つ、駆動歯面Dvと被動歯面Dnとが完全に重ならない場合には、抽出される各歯面の歯幅方向のデータ数は、p<oDn1となる。また、図11(a)及び(b)から明らかなように、駆動歯面Dvの歯幅が被動歯面Dnの歯幅よりも小さい場合であって、且つ、駆動歯面Dvと被動歯面Dnとが完全に重なる場合には、抽出される各歯面の歯幅方向のデータ数は、p=oDv1となる。また、図11(c)及び図6(d)から明らかなように、駆動歯面Dvの歯幅が被動歯面Dnの歯幅よりも小さい場合であって、且つ、駆動歯面Dvと被動歯面Dnとが完全に重ならない場合には、抽出される各歯面の歯幅方向のデータ数は、p<oDv1となる。なお、図10及び図11は、噛合時に重畳される駆動歯面Dvと被動歯面Dnとを上下に並べて表示したものである。
次に、演算部6は、抽出された各歯面誤差分布情報(3行×p列の分布情報)に基づいて、駆動歯面と被動歯面との噛合時の相対的な歯面誤差である相対歯面誤差の分布情報を生成する。ここで、相対歯面誤差分布情報は、例えば、駆動歯面を基準として算出される。
具体的に説明すると、3行×p列の各歯面誤差分布情報において、駆動歯面側のi行j列目の歯面誤差データをDriveData(i,j)、被動歯面側のi行j列目の歯面誤差データをDrivenData(i,j)とすると、各相対歯面誤差データ(HukaSoutaiData(i,j))は、例えば(2)式に示す計算式を用いて算出される。
HukaSoutaiData(i,j)=DriveData(i,j)+DrivenData(7-1-i,j)
+Taoredata(i,j)+GosaData(i,j) …(2)
ここで、(2)式において、TaoreData(i,j)は、歯車対に所定負荷を付与した際の歯車軸の倒れ量の影響を歯面上に反映させた補正値であり、入力トルクTqとデフレクションδとに基づいて求まる。また、GosaData(i,j)は、歯車対の組付誤差Dを歯面上に反映させた補正値である。なお、組付誤差がなく無負荷状態での各相対歯面誤差データ(MuhukaSoutaiData(i,j))は、上述の(2)式からTaoreData(i,j)の項、及び、GosaData(i,j)の項を除くことにより求められる。
例えば、抽出された各歯面誤差分布情報が3行×161列である場合、上述の(2)式に基づいて、
HukaSoutaiData(0,0)=DriveData(0,0)+DrivenData(3,0)
+TaoreData(0,0)+GosaData(0,0),
HukaSoutaiData(0,1)=DriveData(0,1)+DrivenData(3,1)
+TaoreData(0,1)+GosaData(0,1),・・・,
HukaSoutaiData(3,159)=DriveData(3,159)+DrivenData(0,159)
+TaoreData(3,159)+GosaData(3,159),
HukaSoutaiData(3,160)=DriveData(3,160)+DrivenData(0,160)
+TaoreData(3,160)+GosaData(3,160)
の各データからなる、7行×161列の負荷状態での相対歯面誤差のデータ群(相対歯面誤差分布情報)が算出される。
なお、ステップS304では、コースト側歯面についても、駆動歯車の歯面誤差分布情報(3行×oDv2列の分布情報)及び被動歯車の歯面誤差分布情報(3行×oDn2列の分布情報)を用いて同様の処理が行われる。
そして、ステップS304からステップS305に進むと、演算部6は、各相対歯面誤差分布情報に対し、上述の多点スプライン補間法を用いて行補間及び列補間を行い、より詳細な相対歯面誤差分布情報(例えば、241行×241列の分布情報)を生成する。
ここで、演算部6は、例えば、図12に示すように、生成した相対歯面誤差の分布情報を、出力部8(例えば、モニタ13)を通じて等高線状に可視化表示することも可能である。なお、図12中において、破線は、駆動歯面と被動歯面との接触経路を示す。また、図12中において、一点鎖線は、ある瞬間での駆動歯面と被動歯面との接触線を示し、この接触線は、歯面間の噛合の進行に伴って接触経路上を平行移動する。
ステップS305からステップS306に進むと、演算部6は、ステップS305で生成した相対歯面誤差分布情報に基づいて、歯車対の伝達誤差量Eを演算する。
この伝達誤差量Eの演算として、演算部6は、例えば、ステップS305で生成した相対歯面誤差分布情報に基づいて、歯車対の噛合タイミング(回転角)と各歯の等価歯形誤差との関係を求める(図13参照)。ここで、無負荷状態の場合、等価歯形誤差としては、相対歯面誤差分布情報において、各噛合タイミングで各接触線上に分布する相対歯面誤差の最大値が用いられる。そして、演算部6は、例えば、被動歯車の回転角の1ピッチNにおける、複数本の同時接触線についての等価歯形誤差の最大値と最小値の差dを伝達誤差量Eとして求める。なお、相対歯面誤差分布情報に基づく伝達誤差量Eの演算については、上述のものに限定されないことは勿論である。
ステップS306からステップS307に進むと、演算部6は、現在選択されている歯車対に対し、ステップS301で設定された全噛合条件群Gcについての各伝達誤差量Eが演算されたか否かを調べる。その結果、演算部6は、全ての噛合条件群Gcについての伝達誤差量Eが演算されていないと判定した場合には、ステップS303に戻る。
一方、ステップS307において、全ての噛合条件群Gcについての伝達誤差量Eが演算されていると判定した場合、演算部6は、ステップS308に進み、全ての歯車対についての各伝達誤差量Eが演算されたか否かを調べる。その結果、演算部6は、全ての歯車対についての伝達誤差量Eが演算されていないと判定した場合には、ステップS302に戻る。一方、全ての歯車対についての伝達誤差量Eが演算されていると判定した場合、演算部6は、サブルーチンを抜ける。
メインルーチンにおいて、ステップS105からステップS106に進むと、演算部6は、ステップS102で設定した全ての歯面修正量群Gに対して、各加工誤差及び各噛合条件に基づく各伝達誤差量Eの演算を行ったか否かを調べる。その結果、演算部6は、全ての歯面修正量群Gに対して各伝達誤差量Eの演算を行っていないと判定すると、ステップS103に戻る。
なお、ステップS106からステップS103に戻り、新たに選択した歯面修正量群Gに基づいて上述のステップS104及びステップS105の処理を行う際に、歯面誤差分布情報等が以前のものと重複する場合には、当該歯面誤差分布情報に基づく各演算を適宜省略することが可能である。すなわち、歯面誤差分布情報は、各種歯面修正量と各種加工誤差とに基づいて演算されるため、歯面修正量群Gが異なる場合でも、同一の歯面誤差分布情報等が得られる場合がある。特に、本実施形態では、各種歯面修正量及び各種加工誤差を同じ値ずつ変化させているため、多くの歯面誤差分布情報等が重複する。そこで、このような場合に重複する演算を省略することにより、各種演算を大幅に簡略化することができる。
一方、ステップS106において、全ての歯面修正量群Gに対して各伝達誤差量Eの演算を行ったと判定すると、演算部6は、ステップS107に進む。そして、演算部6は、伝達誤差量Eの目標値マップ(図14乃至図16参照)を参照し、例えば、加工誤差を考慮しないときの各伝達誤差量Eの全てが目標値内に分布する歯面修正量群Gが存在するか否かを調べる。すなわち、演算部6は、ステップS107において、歯面修正量群G毎に演算された各伝達誤差量Eの中から、各加工誤差がゼロ(すなわち、TeDv1=ReDv1=CeDv1=LeDv1=BleDv1=BreDv1=TeDv2=ReDv2=CeDv2=LeDv2=BleDv2=BreDv2=TeDn1=ReDn1=CeDn1=LeDn1=BleDn1=BreDn1=TeDn2=ReDn2=CeDn2=LeDn2=BleDn2=BreDn2=0)である歯車対を各噛合条件で噛合させたときの各伝達誤差量を抽出する(以下、抽出された各伝達誤差量を特にEと表記する)。そして、抽出した伝達誤差量Eの全てが目標値内に分布する歯面修正量群Gが存在するか否かを調べる。
その結果、ステップS107において、伝達誤差量Eの全てが目標値内に分布する歯面修正量群Gが存在しないと判定した場合、演算部6は、そのままルーチンを抜ける。一方、ステップS107において、伝達誤差量Eの全てが目標値内に分布する歯面修正量群Gが存在すると判定すると、演算部6は、ステップS108に進む。
ステップS107からステップS108に進むと、演算部6は、伝達誤差量Eの全てが目標値内に分布する歯面修正量群Gの中から、最良の歯面修正量群Gを抽出する。なお、最良の歯面修正量群Gの抽出は、例えば、各歯面修正量群Gに対応する各伝達誤差量Eの最悪値(最大値)同士を比較することによって行うことが可能である。その他、例えば、各歯面修正量群Gに対応する各伝達誤差量Eの平均値同士を比較することによって、最良の歯面誤差修正量Gを抽出してもよい。
そして、ステップS109に進むと、演算部6は、伝達誤差量Eの閾値マップ(図15,図16参照)を参照し、ステップS108で抽出した歯面修正量群Gに対応する全ての伝達誤差量Eのうちの設定割合以上(例えば、99.7%以上)が閾値内に分布しているか否かを調べる。
その結果、ステップS108で抽出した歯面修正量群Gに対応する全ての伝達誤差量Eのうちの設定割合以上が閾値内に分布していないと判定すると、演算部6は、ステップS107に戻り、現在抽出されている歯面修正量群Gを除く各歯面修正量群に基づいて同様の処理を繰り返す。
一方、ステップS108で抽出した歯面修正量群Gに対応する全ての伝達誤差量Eのうちの設定割合以上が閾値内に分布していると判定すると、演算部6は、ステップS110に進み、現在抽出中の歯面修正量群Gに基づいて歯車対の設計歯面修正量を設定した後、ルーチンを抜ける。
このような実施形態によれば、各歯面修正量TDv1,RDv1,CDv1,LDv1,BlDv1,BrDv1,TDv2,RDv2,CDv2,LDv2,BlDv2,BrDv2,TDn1,RDn1,CDn1,LDn1,BlDn1,BrDn1,TDn2,RDn2,CDn2,LDn2,BlDn2,BrDn2をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群Gを複数パターン設定し、基準歯面に各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を歯面修正量群G毎にシミュレーションして各歯車対における各歯面の歯面誤差分布情報をそれぞれ演算し、歯面修正量群G毎に設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての歯車対に対して駆動歯車と被動歯車とを予め設定された複数の噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量Eを対応する各歯面誤差分布情報に基づいて演算それぞれ演算し、各伝達誤差量Eのうちの設定割合以上が閾値内となる歯面修正量群Gの中から最終的な歯面修正量群Gを抽出することにより、実用に耐え得る良好な歯車対を歩留まりよく加工するための設計歯面修正量を、オペレータの経験に依存することなく容易に設定することができる。すなわち、複数パターン設定した歯面修正量群G毎に複数パターンの加工誤差及び噛合条件に応じた複数の伝達誤差量Eを演算し、それぞれに複数求まる伝達誤差量Eの全てを評価して何れかの歯面修正量群Gを抽出することにより、実用に耐え得る良好な歯車対を歩留まりよく加工するための設計歯面修正量を、オペレータの経験に依存することなく容易に設定することができる。
その際、駆動歯車及び被動歯車のドライブ側及びコースト側の各基準歯面上における有効歯面の中心と有効歯面の四隅と有効歯面を囲む各辺の中心に対してそれぞれ該当する各歯面修正量を付与すると共に各加工誤差量を付与して3行×3列の歯面誤差分布情報を生成し、当該歯面誤差分布情報を補間することにより、簡単な演算によって有効歯面全域に亘る歯面誤差分布情報を演算することができる。
また、設計歯面修正量を設定するための最終的な歯面修正量群Gの抽出に際し、歯面修正量群Gに対応する各伝達誤差量Eのうちの設定要件を満たす伝達誤差量Eを、目標値に基づいて評価することで抽出対象とする歯面誤差修正量群Gを絞り込み、絞り込んだ歯面誤差修正量群Gの中から最終的な歯面修正量群Gを抽出することにより、好適な歯面修正量群Gの抽出を実現することができる。すなわち、歯面修正量群Gに基づいて加工され得る各歯車対のうち、実際に加工される可能性が特に高い歯車対(例えば、各項目の加工誤差がゼロの歯車対)の各伝達誤差量Eを、閾値よりも条件の厳しい目標値に基づいて評価し、この評価結果に基づいて抽出対象とする歯面誤差修正量群Gを絞り込むことにより、好適な歯面修正量群Gの抽出を実現することができる。
なお、歯面修正量として設定される項目は、上述のものに限定されないことは勿論である。
また、上述の実施形態においては、各伝達誤差量Eに基づいて歯面修正量群Gを抽出する際に目標値と閾値を併用する一例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、閾値のみに基づいて歯面修正量群Gを抽出してもよい。
歯車対の設計装置の概略構成図 歯車対の設計装置を実現するためのコンピュータの一例を示す概略図 歯車対の設計歯面修正量設定ルーチンを示すフローチャート 歯面誤差演算サブルーチンを示すフローチャート 伝達誤差量演算サブルーチンを示すフローチャート 歯面上に設定された修正量入力点を示す説明図 歯先修正量及び歯面修正量の説明図 (a)はクラウニング修正量の説明図、(b)は歯筋タオレ修正量の説明図 バイアス修正量の説明図 駆動歯車の歯幅が被動歯車の歯幅よりも大きい場合の歯面誤差データの抽出領域を示す説明図 駆動歯車の歯幅が被動歯車の歯幅よりも小さい場合の歯面誤差データの抽出領域を示す説明図 等高線表示された相対歯面誤差分布の一例を示す説明図 相対歯面誤差分布から導き出される伝達誤差量の説明図 伝達誤差量の目標値の一例を示すマップ 図14のI−I線に沿って伝達誤差量の目標値及び閾値を示すマップ 図14のII−II線に沿って伝達誤差量の目標値及び閾値を示すマップ 歯車対の概略構成図
符号の説明
1 … 設計装置
5 … 入力部
6 … 演算部(歯面修正量群設定手段、歯面誤差情報演算手段、伝達誤差量演算手段、歯面修正量群抽出手段)
7 … 記憶部
8 … 出力部
100 … 歯車対
101 … 駆動歯車
102 … 被動歯車
z … 歯数(基本諸元)
n … 歯直角モジュール(基本諸元)
s … 歯丈係数(基本諸元)
k … 頂隙係数(基本諸元)
αn … 圧力角(基本諸元)
b … 歯幅(基本諸元)
β0 … ねじれ角(基本諸元)
T … 歯先修正量(歯面修正量)
R … 歯元修正量(歯面修正量)
C … クラウニング修正量(歯面修正量)
L … 歯筋タオレ修正量(歯面修正量)
Bl … 左バイアス修正量(歯面修正量)
Br … 右バイアス修正量(歯面修正量)
G … 歯面修正量群
(r) … 歯先修正量に対する許容修正量範囲
(r) … 歯元修正量に対する許容修正量範囲
(r) … クラウニング修正量に対する許容修正量範囲
(r) … 歯筋タオレ修正量に対する許容修正量範囲
Bl(r) … 左バイアス修正量に対する許容修正量範囲
Br(r) … 右バイアス修正量に対する許容修正量範囲
Te … 歯先修正量に対する加工誤差量
Re … 歯元修正量に対する加工誤差量
Ce … クラウニング修正量に対する加工誤差量
Le … 歯筋タオレ修正量に対する加工誤差量
Ble … 左バイアス修正量に対する加工誤差量
Bre … 右バイアス修正量に対する加工誤差量
Ge … 加工誤差量群
Te(r) … 歯先修正量の加工誤差範囲
Re(r) … 歯元修正量の加工誤差範囲
Ce(r) … クラウニング修正量の加工誤差範囲
Le(r) … 歯筋タオレ修正量の加工誤差範囲
Ble(r) … バイアス修正量の加工誤差範囲
Bre(r) … バイアス修正量の加工誤差範囲
D … 組付誤差(噛合条件)
Tq … 入力トルク(噛合条件)
Gc … 噛合条件群
(r) … 組付誤差範囲
Tq(r) … 実用トルク範囲
E … 伝達誤差量
δ … デフレクション

Claims (7)

  1. 互いに噛み合う駆動歯車及び被動歯車の基本諸元により規定される各基準歯面対して複数項目の歯面修正量を付与することで歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する歯車対の設計装置であって、
    上記各歯面修正量をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群を複数パターン設定する歯面修正量群設定手段と、
    上記基準歯面に上記各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に設定加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を上記歯面修正量群毎にシミュレーションし、当該各歯車対における駆動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報と被動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報とをそれぞれ演算する歯面誤差情報演算手段と、
    上記歯面修正量群毎に上記設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての上記歯車対に対し、上記駆動歯車と上記被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量を、対応する上記各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する伝達誤差量演算手段と、
    演算した上記各伝達誤差量のうちの設定割合以上が設定閾値内となる上記歯面修正量群の中から最終的な歯面修正量群を抽出する歯面修正量群抽出手段と、を備えたことを特徴とする歯車対の設計装置。
  2. 上記歯面誤差情報演算手段は、上記基準歯面上における有効歯面の中心と、上記有効歯面の四隅と、上記有効歯面を囲む各辺の中心に対し、上記歯面修正量群中のそれぞれ該当する上記歯面修正量を付与するとともに上記設定加工誤差範囲内の各加工誤差量を付与することで3行3列の歯面誤差分布情報を生成し、
    上記3行3列の歯面誤差分布情報を補間することにより、上記有効歯面全域に亘る歯面誤差分布情報を演算することを特徴とする請求項1記載の歯車対の設計装置。
  3. 上記噛合条件は、上記駆動歯車と上記被動歯車との組付誤差をパラメータとして含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯車対の設計装置。
  4. 上記噛合条件は、上記駆動歯車と上記被動歯車との間に作用するトルクをパラメータとして含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の歯車対の設計装置。
  5. 上記歯面修正量群抽出手段は、上記歯面修正量群に対応する上記各伝達誤差量のうちの設定要件を満たす上記伝達誤差量を、予め設定された目標値に基づいて評価することで抽出対象とする上記歯面誤差修正量群を絞り込み、当該絞り込んだ上記歯面誤差修正量群の中から上記最終的な歯面修正量群を抽出することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の歯車対の設計装置。
  6. 互いに噛み合う駆動歯車及び被動歯車の基本諸元により規定される各基準歯面に対して複数項目の歯面修正量を付与することで歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する歯車対の設計プログラムであって、
    上記各歯面修正量をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群を複数パターン設定する歯面修正量群設定ステップと、
    上記基準歯面に上記各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に設定加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を上記歯面修正量群毎にシミュレーションし、当該各歯車対における駆動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報と被動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報とをそれぞれ演算する歯面誤差情報演算ステップと、
    上記歯面修正量群毎に上記設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての上記歯車対に対し、上記駆動歯車と上記被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量を、対応する上記各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する伝達誤差量演算ステップと、
    演算した上記各伝達誤差量のうちの設定割合以上が設定閾値内となる上記歯面修正量群の中から最終的な歯面修正量群を抽出する歯面修正量群抽出ステップと、を備えたことを特徴とする歯車対の設計プログラム。
  7. 互いに噛み合う駆動歯車及び被動歯車の基本諸元により規定される各基準歯面に対して複数項目の歯面修正量を付与することで歯車対の加工に供する最終的な設計歯面修正量を設定する歯車対の設計方法であって、
    上記各歯面修正量をそれぞれ変化させた値の組み合わせからなる歯面修正量群を複数パターン設定する歯面修正量群設定工程と、
    上記基準歯面に上記各歯面修正量を付与して歯面加工を行った際に設定加工誤差範囲内で製造され得る複数パターンの歯車対を上記歯面修正量群毎にシミュレーションし、当該各歯車対における駆動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報と被動歯車の上記基準歯面に対する歯面誤差分布情報とをそれぞれ演算する歯面誤差情報演算工程と、
    上記歯面修正量群毎に上記設定加工誤差範囲内でシミュレーションされた全ての上記歯車対に対し、上記駆動歯車と上記被動歯車とを予め設定された複数パターンの噛合条件でそれぞれ噛合させたときの各伝達誤差量を、対応する上記各歯面誤差分布情報に基づいてそれぞれ演算する伝達誤差量演算工程と、
    演算した上記各伝達誤差量のうちの設定割合以上が設定閾値内となる上記歯面修正量群の中から最終的な歯面修正量群を抽出する歯面修正量群抽出工程と、を備えたことを特徴とする歯車対の設計方法。
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