JP2008122249A - 水の酸化力および抗酸化力の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水中に含まれる微量の金属イオン等の影響を過度に受けることなく、水の酸化力および抗酸化力を正確に評価できる方法を提供する。
【解決手段】水の酸化力を評価する方法であって、当該水と、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)とを含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、得られた電子スピン共鳴スペクトルにおける、HTIO由来のラジカルのシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出する、酸化力の評価方法。および、水の抗酸化力を評価する方法であって、さらに酸化剤を含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、上記シグナル強度比を
算出する、抗酸化力の評価方法。
【選択図】図1
【解決手段】水の酸化力を評価する方法であって、当該水と、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)とを含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、得られた電子スピン共鳴スペクトルにおける、HTIO由来のラジカルのシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出する、酸化力の評価方法。および、水の抗酸化力を評価する方法であって、さらに酸化剤を含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、上記シグナル強度比を
算出する、抗酸化力の評価方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、水、特に電解還元水等の飲料水の酸化力および抗酸化力を評価する方法に関する。
近年、電解還元水や海洋深層水等のいわゆる機能水は、健康によいとされ、飲料用や調理用など様々な分野で利用されている。そして、水道水等を原水として各種機能水を生成する数多くの種類の装置が市販されている。
たとえば、ナトリウム塩等の電解質溶液を電気分解したときに陰極室で得られる、電解還元水は、体内において活性酸素消去活性およびDNA切断抑制活性を有するとされており、これは電解還元水に含まれる活性水素の還元性によるものとされている。ここで、活性水素とは紫外線照射や放電などの方法によって化学反応を起こしやすくなった水素ラジカルを意味する。
このような電解還元水や水道水、天然水などの各種飲料水が健康によいかどうかを判定する指標として、当該飲料水の酸化力(あるいは還元力)や抗酸化力を評価することは極めて重要である。飲料水が有する酸化力(あるいは還元力)や抗酸化力の大きさは、体内における活性酸素消去活性およびDNA切断抑制活性等に大きく影響を与えると考えられるからである。ここで、酸化力とは、他の物質を酸化する能力を意味し、還元力とは、他の物質を還元する能力を意味する。また、抗酸化力とは、酸化剤によって酸化されるのを抑制する能力を意味する。
飲料水の酸化力、抗酸化力を評価する方法としては、従来、化学発光法や化学的検出法などが用いられているが、これらの方法では、飲料水中に含まれる微量の金属イオンなどの影響により、飲料水の酸化力、抗酸化力を正確に評価することは困難であった。
また、電子スピン共鳴法(ESR法)を用いた評価方法も考えられるが、当該方法においても同様に、飲料水中に含まれる微量の金属イオンなどの影響により、飲料水の酸化力、抗酸化力を正確に評価することは困難であった。なお、以上本発明についての従来技術を、出願人の知得した一般的な技術情報に基づいて説明したが、出願人の記憶する範囲おいて、出願前までに先行技術文献情報として開示すべき情報を出願人は有していない。
このように、飲料水の酸化力、抗酸化力を正確に評価する方法はないのが現状であり、飲料水の健康に対する影響の評価方法として、飲料水の酸化力および抗酸化力を正確に評価する方法の確立が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水中に含まれる微量の金属イオン等の影響を過度に受けることなく、水の酸化力および抗酸化力を正確に評価できる方法を提供することである。
本発明者らは鋭意研究の結果、下記式(1)に示されるように、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)なる化合物1が、酸化剤の存在により、共存する酸素や金属イオンの影響を過度に受けることなく酸化されて、ニトロキシドラジカル2を生成し、当該ニトロキシドラジカル2は、電子スピン共鳴測定において3本線のESRスペクトルとして検出されることを見出した。
そして、当該HTIOの上記現象を利用することにより、水の酸化力および抗酸化力を正確に評価できることがわかった。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、電子スピン共鳴法を用いた、水の酸化力を評価する方法であって、当該水と、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)とを含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、得られた電子スピン共鳴スペクトルにおける、上記HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカル(HTIOラジカルと称することもある。)のシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出することを特徴とする、水の酸化力を評価する方法である。
また本発明は、電子スピン共鳴法を用いた、水の抗酸化力を評価する方法であって、当該水と、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)と、酸化剤とを含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、得られた電子スピン共鳴スペクトルにおける、上記HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカルのシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出することを特徴とする、水の抗酸化力を評価する方法である。
本発明によれば、水、特に電解還元水、水道水、天然水等の飲料水の酸化力および抗酸化力を正確に評価することが可能となる。
<酸化力の評価方法>
本発明による水の酸化力の評価方法は、HTIO1が、酸化剤の存在により、上記式(1)に示されるように、共存する酸素や金属イオンの影響を過度に受けることなく酸化されて、上記HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカル2を生成することを利用したものである。
本発明による水の酸化力の評価方法は、HTIO1が、酸化剤の存在により、上記式(1)に示されるように、共存する酸素や金属イオンの影響を過度に受けることなく酸化されて、上記HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカル2を生成することを利用したものである。
ここで、図1にニトロキシドラジカルを含む水の電子スピン共鳴(ESR)スペクトルの一例を示す。図1に示されるように、HTIOが水中の酸化剤により酸化されると、ニトロキシドラジカルが発生し、該ニトロキシドラジカルは、ESRスペクトルにおいて3本線のシグナルとして検出される。そして、該シグナル強度は、HTIOが酸化される量が多いほど大きくなる。したがって、ニトロキシドラジカルのシグナル強度を調べることにより、水試料の酸化力を評価することが可能となる。すなわち、ニトロキシドラジカルのシグナル強度が大きいほど、当該水の酸化力は高いということができる。
ここで、ニトロキシドラジカルのシグナル強度は、水に含有させたHTIOの濃度にも依存するため、同一磁場内に置かれた内部標準マーカーとしての既知量のマンガンのシグナル強度に対する、HTIO添加水試料におけるニトロキシドラジカルのシグナル強度の比を、水試料の酸化力の指標として用いることが好ましい。これにより、異なる水試料間の酸化力を、マンガンマーカーのシグナル強度に対するニトロキシドラジカルのシグナル強度の比に基づいて比較評価することができる。
本発明による水の酸化力の評価方法は、具体的には次のとおりである。まず、ESR測定の対象となる水試料に1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)を添加し溶解させる。本発明の酸化力の評価方法に供される水試料は、特に制限されるものではなく、たとえば、天然水や水道水の他、これらを原水とする電解還元水等の各種機能水である飲料水や調理水などを挙げることができる。
水試料に添加するHTIOの量は、特に制限されるものではなく、適切なESR測定が行なわれるよう適宜選択されるものである。具体的には、HTIOの量は、水試料中の濃度がたとえば、0.001〜10mMとなるように選択される。内部標準マーカーとしてのマンガンは、使用するESR装置にあらかじめ既知量セットされているものを使用する。複数の水試料間の酸化力の比較は、該装置中にセットされているマンガンのシグナル強度(IMn)とHTIO添加水試料のニトロキシドラジカルのシグナル強度(Is)との比(Is/IMn)を用いて行なわれる。
次に、当該水試料についてESR測定を行なうが、ESR測定は、水試料調製から一定時間経過後に行なうことが好ましい。このような保持時間を設けるのは、HTIOが十分に酸化されるのを保証するためである。当該保持時間は、特に限定されるものではないが、たとえば数分〜数時間程度、より好ましくは数十分程度である。複数の水試料の酸化力を比較する場合には、同じ時間が適用される。なお、適切にHTIOの酸化が行なわれるよう、当該保持時間の間、攪拌操作を行なってもよい。
ESR測定は、特に限定されるものではなく、通常採用される測定条件を本発明の方法についても適用することができる。
ついで、得られたESRスペクトルにおけるマンガンマーカーのシグナル強度に対するニトロキシドラジカルのシグナル強度の比を算出し、当該シグナル強度比を指標として水試料の酸化力を評価する。当該シグナル強度比が大きいほど、酸化力は大きいと評価される。ニトロキシドラジカルのシグナルは、上述のように3本線のシグナルであるが、これら3本のうちいずれか1つのシグナル強度を当該シグナル強度比の算出のために採用してもよく、3本のシグナル強度の合計を当該シグナル強度比の算出のために採用してもよい。
<抗酸化力の評価方法>
本発明による水の抗酸化力の評価方法は、上記水の酸化力の評価方法と同様に、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)が、酸化剤の存在により、上記式(1)に示されるように、共存する酸素や金属イオンの影響を過度に受けることなく酸化されて、上記HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカルを生成することを利用したものであるが、水試料中に酸化剤を添加する点において、上記水の酸化力の評価方法と異なる。ここで、抗酸化力とは、酸化剤によって酸化されるのを抑制する能力を意味し、より具体的には、水試料に添加された酸化剤および水試料にもともと含まれていた酸化剤によるHTIOの酸化を抑制する能力を意味する。
本発明による水の抗酸化力の評価方法は、上記水の酸化力の評価方法と同様に、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)が、酸化剤の存在により、上記式(1)に示されるように、共存する酸素や金属イオンの影響を過度に受けることなく酸化されて、上記HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカルを生成することを利用したものであるが、水試料中に酸化剤を添加する点において、上記水の酸化力の評価方法と異なる。ここで、抗酸化力とは、酸化剤によって酸化されるのを抑制する能力を意味し、より具体的には、水試料に添加された酸化剤および水試料にもともと含まれていた酸化剤によるHTIOの酸化を抑制する能力を意味する。
本発明において、このような水の抗酸化力は、酸化剤およびHTIOを添加した水試料についてESR測定を行ない、得られたESRスペクトルにおける、HTIO由来のラジカルであるニトロキシドラジカルのシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出することにより評価される。すなわち、抗酸化力が大きいほどHTIOは酸化されにくくなることから、当該シグナル強度比が小さいほど、抗酸化力が高いと評価できる。本明細書中においては、水として超純水(Milli Q水)を用いた場合の、ニトロキシドラジカルのシグナル強度/マンガンのシグナル強度比(Is/IMn)を基準として、これより小さいシグナル強度比を有する場合、すなわち超純水(Milli Q水)と比較して酸化がより抑制されている場合、抗酸化力を有すると判断される。
水試料に添加される酸化剤としては、特に限定されるものではない。たとえば、次亜塩素酸、過度の量の銅イオンや鉄イオンでもよいが、典型的には、生体内で安定に存在し、かつ活性酸素障害において重要な役割を担っているという理由から、過酸化水素が用いられる。添加される酸化剤の量は、特に限定されないが、たとえば水試料中の濃度が0.0003〜3質量%となるように添加される。
HTIOの添加量およびESR測定条件等、その他の条件については、上記本発明の水の酸化力の評価方法と同様である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(酸化力の評価)
<実施例1>
(1)水試料の調製
以下に示す各種水に、濃度が0.1mMとなるようにHTIOを加え、ESR測定用試料とした。
(i)超純水(Milli Q水)
(ii)浄水:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「浄水 薬/ミルク」モードで処理した浄水である。
(iii)TI9000−1:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(iv)TI9000−2:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用/調理・1」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(v)TI9000−3:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用/調理・2」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(vi)TI9000−4:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「調理」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(vii)水道水
(2)ESRスペクトルの測定
上記各種ESR測定用試料を15分間静置した後、ESR測定を行ない、生成したニトロキシドラジカルのシグナル強度(3本のシグナルのうち、いずれか1本のシグナル強度)と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnを算出した。結果を図2に示す。なお、ESR測定条件は次のとおりである。ESR装置:日本電子製JES−FR30、測定温度:20℃、磁場336±10mT、磁場変調:100KHz、変調幅:0.1mT、マイクロ波出力:8mW、マイクロ波振動数:9.427GHz、時定数:60秒、掃引時間0.01秒。
<実施例1>
(1)水試料の調製
以下に示す各種水に、濃度が0.1mMとなるようにHTIOを加え、ESR測定用試料とした。
(i)超純水(Milli Q水)
(ii)浄水:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「浄水 薬/ミルク」モードで処理した浄水である。
(iii)TI9000−1:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(iv)TI9000−2:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用/調理・1」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(v)TI9000−3:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用/調理・2」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(vi)TI9000−4:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「調理」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(vii)水道水
(2)ESRスペクトルの測定
上記各種ESR測定用試料を15分間静置した後、ESR測定を行ない、生成したニトロキシドラジカルのシグナル強度(3本のシグナルのうち、いずれか1本のシグナル強度)と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnを算出した。結果を図2に示す。なお、ESR測定条件は次のとおりである。ESR装置:日本電子製JES−FR30、測定温度:20℃、磁場336±10mT、磁場変調:100KHz、変調幅:0.1mT、マイクロ波出力:8mW、マイクロ波振動数:9.427GHz、時定数:60秒、掃引時間0.01秒。
(3)酸化力の評価
図2に示されるように、水道水のシグナル強度比Is/IMnは、80程度と非常に高く、酸化力が比較的大きいことがわかった。また、シグナル強度比Is/IMnが小さくなることから、水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い電解処理あるいは浄水処理することにより、水道水と比較して大きく酸化力が低下することがわかった。なお、浄水の酸化力が比較的小さいのは、フィルタ処理等により酸化力を有する物質が除去されたことに起因すると考えられる。さらに、超純水(Milli Q水)は、酸化力が非常に小さいことがわかった。
図2に示されるように、水道水のシグナル強度比Is/IMnは、80程度と非常に高く、酸化力が比較的大きいことがわかった。また、シグナル強度比Is/IMnが小さくなることから、水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い電解処理あるいは浄水処理することにより、水道水と比較して大きく酸化力が低下することがわかった。なお、浄水の酸化力が比較的小さいのは、フィルタ処理等により酸化力を有する物質が除去されたことに起因すると考えられる。さらに、超純水(Milli Q水)は、酸化力が非常に小さいことがわかった。
<実施例2>
以下に示す各種水を用いたこと以外は実施例1と同様にしてESR測定用試料を調製した後、15分後にESR測定を行ない、ニトロキシドラジカルのシグナル強度と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnを算出した。結果を図3に示す。
(i)超純水(Milli Q水)
(ii)ナチュラルミネラルウォーター1:日本国内で広く販売されているフランス産ナチュラルミネラルウォーターである。
(iii)天然水2:健康によいとされ、日本国内で販売されている天然水である。
(iv)水道水
(v)TI9000−1:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(vi)水道水陰極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陰極側で得られた電解還元水である。
(vii)水道水陽極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陽極側で得られた電解酸性水である。
以下に示す各種水を用いたこと以外は実施例1と同様にしてESR測定用試料を調製した後、15分後にESR測定を行ない、ニトロキシドラジカルのシグナル強度と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnを算出した。結果を図3に示す。
(i)超純水(Milli Q水)
(ii)ナチュラルミネラルウォーター1:日本国内で広く販売されているフランス産ナチュラルミネラルウォーターである。
(iii)天然水2:健康によいとされ、日本国内で販売されている天然水である。
(iv)水道水
(v)TI9000−1:水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI9000を用い、「飲用」モードで電解処理して得られた電解還元水である。
(vi)水道水陰極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陰極側で得られた電解還元水である。
(vii)水道水陽極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陽極側で得られた電解酸性水である。
図3に示されるように、水道水陰極水(TI−200)は、ナチュラルミネラルウォーター1や天然水2と同程度に酸化力が小さいことがわかった。また、水道水陽極水(TI−200)は、水道水と比較して酸化力がより大きいことがわかった。これは、陽極側でHClO-が発生したことが原因と考えられる。
(抗酸化力の評価)
<実施例3>
(1)水試料の調製
以下に示す各種水に、終濃度がそれぞれ0.1mMおよび0.03質量%となるように、HTIOおよび30質量%過酸化水素水を加え、ESR測定用試料とした。
(i)超純水(Milli Q水)
(ii)水道水
(iii)水道水陰極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陰極側で得られた電解還元水である。
(iv)水道水陽極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陽極側で得られた電解酸性水である。
(v)2mMNaOH陰極水(TI−200):2mMの濃度でNaOHを含有する水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陰極側で得られた電解還元水である。
(vi)ナチュラルミネラルウォーター1:日本国内で広く販売されているフランス産ナチュラルミネラルウォーターである。
(vii)天然水2:健康によいとされ、日本国内で販売されている天然水である。
<実施例3>
(1)水試料の調製
以下に示す各種水に、終濃度がそれぞれ0.1mMおよび0.03質量%となるように、HTIOおよび30質量%過酸化水素水を加え、ESR測定用試料とした。
(i)超純水(Milli Q水)
(ii)水道水
(iii)水道水陰極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陰極側で得られた電解還元水である。
(iv)水道水陽極水(TI−200):水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陽極側で得られた電解酸性水である。
(v)2mMNaOH陰極水(TI−200):2mMの濃度でNaOHを含有する水道水を日本トリム社製の電解還元水装置TI−200を用い、電解処理して陰極側で得られた電解還元水である。
(vi)ナチュラルミネラルウォーター1:日本国内で広く販売されているフランス産ナチュラルミネラルウォーターである。
(vii)天然水2:健康によいとされ、日本国内で販売されている天然水である。
(2)ESRスペクトルの測定
上記各種ESR測定用試料を15分間静置した後、実施例1と同じ測定条件にてESR測定を行ない、生成したニトロキシドラジカルのシグナル強度(3本のシグナルのうち、いずれか1本のシグナル強度)と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnを算出した。結果を図4に示す。なお、図4において縦軸は、超純水(Milli Q水)のシグナル強度比Is/IMnを100%としたときの各種水試料のシグナル強度比Is/IMnの相対値を示している。
上記各種ESR測定用試料を15分間静置した後、実施例1と同じ測定条件にてESR測定を行ない、生成したニトロキシドラジカルのシグナル強度(3本のシグナルのうち、いずれか1本のシグナル強度)と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnを算出した。結果を図4に示す。なお、図4において縦軸は、超純水(Milli Q水)のシグナル強度比Is/IMnを100%としたときの各種水試料のシグナル強度比Is/IMnの相対値を示している。
(3)抗酸化力の評価
図4に示されるように、水道水および水道水陽極水(TI−200)のシグナル強度比Is/IMnは、超純水(Milli Q水)より大きいことから、過酸化水素による酸化が促進されており、抗酸化力を有しないことがわかった。また、電解還元水(水道水陰極水(TI−200)および2mMNaOH陰極水(TI−200))は、シグナル強度比Is/IMnが、超純水(Milli Q水)より小さいことから、酸化が抑制されており、抗酸化力を有することがわかった。同様に、抗酸化機能を有するとされている天然水(ナチュラルミネラルウォーター1および天然水2)についても、シグナル強度比Is/IMnが、超純水(Milli Q水)より小さいことから、酸化が抑制されており、抗酸化力を有することが確認された。
図4に示されるように、水道水および水道水陽極水(TI−200)のシグナル強度比Is/IMnは、超純水(Milli Q水)より大きいことから、過酸化水素による酸化が促進されており、抗酸化力を有しないことがわかった。また、電解還元水(水道水陰極水(TI−200)および2mMNaOH陰極水(TI−200))は、シグナル強度比Is/IMnが、超純水(Milli Q水)より小さいことから、酸化が抑制されており、抗酸化力を有することがわかった。同様に、抗酸化機能を有するとされている天然水(ナチュラルミネラルウォーター1および天然水2)についても、シグナル強度比Is/IMnが、超純水(Milli Q水)より小さいことから、酸化が抑制されており、抗酸化力を有することが確認された。
<実施例4>
実施例1と同じ水について、抗酸化力評価試験を行なった。ESR測定用水試料の調製およびESR測定条件は、実施例3と同様である。結果を図5に示す。なお、図5において縦軸は、超純水(Milli Q水)のシグナル強度比Is/IMnを100%としたときの各種水試料のシグナル強度比Is/IMnの相対値を示している。
実施例1と同じ水について、抗酸化力評価試験を行なった。ESR測定用水試料の調製およびESR測定条件は、実施例3と同様である。結果を図5に示す。なお、図5において縦軸は、超純水(Milli Q水)のシグナル強度比Is/IMnを100%としたときの各種水試料のシグナル強度比Is/IMnの相対値を示している。
図5に示されるように、特にTI−9000を用いて電解処理した電解還元水は、酸化が抑制されており、抗酸化能に優れることがわかった。
以上のように、本発明によれば、各種水の酸化力および抗酸化力を、ニトロキシドラジカルのシグナル強度と、マンガンマーカーのシグナル強度との比Is/IMnという数値を指標として、比較、評価することが可能となる。このような本発明の酸化力および抗酸化力の評価方法は、各種飲料水等の酸化力および抗酸化力の評価方法として非常に有効であり、得られた酸化力および抗酸化力についての評価データは、飲料水等の健康に対する評価の指標として好適に利用できる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (2)
- 電子スピン共鳴法を用いた、水の酸化力を評価する方法であって、
前記水と、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)とを含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、
得られた電子スピン共鳴スペクトルにおける、前記HTIO由来のラジカルのシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出することを特徴とする、水の酸化力を評価する方法。 - 電子スピン共鳴法を用いた、水の抗酸化力を評価する方法であって、
前記水と、1−ヒドロキシ−2,2,5,5−テトラメチル−3−イミダゾリン−3−オキシド(HTIO)と、酸化剤とを含有する試料について電子スピン共鳴測定を行ない、
得られた電子スピン共鳴スペクトルにおける、前記HTIO由来のラジカルのシグナルと、内部標準マーカーであるマンガンのシグナルとの強度比を算出することを特徴とする、水の抗酸化力を評価する方法。
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- 2006-11-13 JP JP2006306835A patent/JP2008122249A/ja active Pending
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