JP2008118997A - 低温保存された卵母細胞を蘇生するための方法および組成物 - Google Patents

低温保存された卵母細胞を蘇生するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】卵母細胞を凍結させそして解凍するための再生可能な方法および組成物を提供すること。
【解決手段】室温よりも高いが体温よりも低い温度に維持された1種または1種よりも蘇生溶液の使用が、蘇生される卵母細胞における細胞ストレスを最小にするという発見に関する。別の局面において、本発明はさらに、体温に維持された蘇生安定化溶液中での蘇生される卵母細胞の延長されたインキュベーションが、その卵母細胞の生存能を増強するという発見に基づき、凍結した卵母細胞を蘇生するための方法、凍結保護物質を含む卵母細胞を解凍するための凍結保護物質溶液、および脱水剤を含む卵母細胞を解凍するための脱水溶液などが提供される。
【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)の下で米国仮特許出願第60/859,305号(2006年11月15日出願)に対して優先権を主張する米国特許出願番号第11/694,848号(2007年3月30日出願)の一部継続出願である。これらの出願のいずれも、その全体が参考として援用される。
(技術分野)
本発明は、概して、低温保存された卵母細胞(特に、ヒトの卵母細胞のような哺乳動物の卵母細胞)を蘇生するために有用な方法および組成物に関する。
(当該分野の状況)
解凍の際に高い割合の生存能をもたらす容易に再生可能な様式で卵母細胞を低温保存し、次いで蘇生する能力は、いまだ達成されていない。しかし、凍結(freeze)した卵母細胞から子孫を首尾よく生み出すことが可能であることが示されている。したがって、これは、凍結した卵母細胞を蘇生するための再生可能な方法が達成可能であることを示唆する。
数種の卵母細胞解凍技術が示唆されており、各々がそれに特有の一連の利点および不利点を伴う。しかし全体として、これらの方法はかなり非効率的で、予測不可能であり、そして卵母細胞の解凍生存度、卵母細胞の受精、および胚分割に関しては最適以下の割合を生じている。
これらの以前に示唆された技術の典型的なものとしては、すでに凍結された卵母細胞を数種の溶液に連続して移動させる解凍手順が挙げられる。Fabbriの特許文献1では、
凍結した卵母細胞(French Straw中)は、最初に30秒間空気で温められ、次いで、アイス(ice)のいかなる痕跡も除去するために30℃の水浴に40秒間浸漬された。次いで、卵母細胞は、以下のような一連の4種の溶液中で処理された:
第1の溶液は、1Mの1,2−プロパンジオール(PG)と、0.3Mのスクロースと合成血清代替物(SSS)とを含み、室温に維持され、そして5分間インキュベートされる;
2番目は、0.5MのPGと、0.3MのスクロースとSSSとを含み、室温に維持され、そして5分間インキュベートされる;
3番目の溶液は、0.3MのスクロースとSSSとを含み、室温に維持され、そして5分間インキュベートされる;
さらに4番目は、PBS溶液中のSSSを含み、室温に10分間維持され、その後、その溶液は、37℃で約10分間維持される。
文献における成功の記載にもかかわらず、凍結から出生までの全体的な成功率は、許容し得ないほど低いままである。
米国特許第7,011,937号明細書
したがって、凍結した卵母細胞を蘇生するための再生可能な方法および組成物を提供することが必要とされる。
(発明の要旨)
本発明は、部分的に、凍結した卵母細胞の再生において使用するための方法および組成物に関する。
本発明は、部分的に、解凍プロセスの間に卵母細胞における細胞ストレスを最小にすることが、再生可能な蘇生方法論を提供するために不可欠であるという発見に基づく。具体的に、一局面において、本発明は、室温よりも高いが体温よりも低い温度に維持された1種または1種よりも蘇生溶液の使用が、蘇生される卵母細胞における細胞ストレスを最小にするという発見に関する。別の局面において、本発明はさらに、体温に維持された蘇生安定化溶液中での蘇生される卵母細胞の延長されたインキュベーションが、その卵母細胞の生存能を増強するという発見に関する。
したがって、本発明の一実施形態において、凍結した卵母細胞を蘇生するための方法が提供され、その方法は、
a)凍結保護状態(cryoprotection)から1つまたは1つよりも多い容器を取り出す工程であって、その容器は、凍結保護物質溶液中に凍結された卵母細胞を含む、工程;
b)その回収された容器を、その卵母細胞中のいかなる細胞質内アイス(intracytoplasmic ice)も融解するための条件下で維持し、次いで、その卵母細胞をその容器から取り出す工程;
c)その卵母細胞を、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液中に、各溶液を約28℃〜35℃の温度に維持しながら、卵母細胞が蘇生されかつ浸透圧ショックに起因するその卵母細胞の溶解が阻害される条件下で浸漬することによって、蘇生する工程;および
d)その蘇生された卵母細胞を、約33℃〜約38℃の温度に維持された蘇生安定化溶液中で、その蘇生された卵母細胞を受精のために安定化するのに十分な期間安定化する工程、
を包含する。
一実施形態において、本発明は、凍結保護物質を含む、卵母細胞を解凍するための凍結保護物質溶液に関し、その凍結保護物質溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、その凍結保護物質溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによる卵母細胞の溶解を阻害する。
本発明はさらに、以下を提供する。
(項目1)
低温保存された動物の卵母細胞を蘇生するための方法であって、その方法は、
a)凍結保護状態から1つまたは1つよりも多い容器を取り出す工程であって、その容器は、凍結保護物質溶液中に凍結された卵母細胞を含む、工程;
b)その回収された容器を、その卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するための条件下で維持し、次いで、その卵母細胞をその容器から取り出す工程;
c)その卵母細胞を、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液中に、各溶液を約28℃〜35℃の温度に維持しながら、卵母細胞が蘇生されかつ浸透圧ショックに起因するその卵母細胞の溶解が阻害される条件下で浸漬することによって、蘇生する工程;および
d)その蘇生された卵母細胞を、約33℃〜約38℃の温度に維持された蘇生安定化溶液中で、その蘇生された卵母細胞を受精のために安定化するのに十分な期間安定化する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、上記回収された容器を上記卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するための条件下で維持する工程が、
a)その容器を周囲大気条件に曝露する工程であって、その周囲大気条件は、例えば、室温に維持された空気環境である、工程;および
b)その容器を温かい水浴に浸漬する工程
を包含する、方法。
(項目3)
上記容器が、最初に、周囲大気条件に好ましくは5分間未満の期間、より好ましくは1分間未満、さらにより好ましくは約15秒間曝露される、項目2に記載の方法。
(項目4)
上記容器が、好ましくは約25℃〜35℃の温度に維持された温かい水浴に浸漬される、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記温かい水浴への浸漬が5分間未満である、項目2に記載の方法。
(項目6)
上記卵母細胞を、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液中に、卵母細胞が蘇生されかつ浸透圧ショックに起因するその卵母細胞の溶解が阻害される条件下で浸漬することによって、蘇生する工程が、約29℃〜34℃の温度に維持された溶液中で行われる、項目1に記載の方法。
(項目7)
より低い勾配の凍結保護物質を含む3種の連続的な溶液が使用される、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記3種の連続的な溶液が、
a)約0.8M〜約1.2Mのプロピレングリコールを含む第1の溶液;
b)約0.3M〜約0.7Mのプロピレングリコールを含む第2の溶液;および
c)0.3M未満のプロピレングリコールを含む、好ましくは0.1M未満のプロピレングリコールを含む、さらにより好ましくはプロピレングリコールを含まない第3の溶液、
を含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
上記溶液の各々が、必要に応じてさらに、糖、m−HTFおよびSSSからなる群より選択される1種または1種よりも多い成分を含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
上記糖がスクロースである、項目9に記載の方法。
(項目11)
上記糖の濃度が、約0.20M〜0.35Mである、項目9に記載の方法。
(項目12)
上記m−HTFが、約70体積%〜90体積%の範囲で使用される、項目9に記載の方法。
(項目13)
上記SSSが、約10体積%〜30体積%の濃度で使用される、項目9に記載の方法。
(項目14)
上記卵母細胞が、上記第1の溶液中に、約30℃〜34℃の温度で浸漬される、項目8に記載の方法。
(項目15)
上記第1の溶液中の上記卵母細胞の浸漬時間が、約3分〜7分間である、項目8に記載の方法。
(項目16)
上記第1の溶液中のプロピレングリコールの濃度が約1.0Mであり、その溶液のpHが好ましくは約7.2〜7.3に維持される、項目8に記載の方法。
(項目17)
上記第1の溶液中の上記卵母細胞の浸漬の後、その卵母細胞が、約30℃〜34℃の温度に維持された第2の溶液に移される、項目8に記載の方法。
(項目18)
上記第2の溶液が、約31℃〜33℃の温度に維持される、項目17に記載の方法。
(項目19)
上記第2の溶液中の上記卵母細胞の浸漬時間が、約3分〜7分間である、項目17に記載の方法。
(項目20)
上記第2の溶液中のプロピレングリコールの濃度が約0.5Mであり、その溶液のpHが好ましくは約7.2〜7.3に維持される、項目17に記載の方法。
(項目21)
上記第2の溶液中の上記卵母細胞の浸漬の後、その卵母細胞が、約30℃〜34℃の温度に維持された第3の溶液に移される、項目8に記載の方法。
(項目22)
上記第3の溶液が、約31℃〜33℃の温度に維持される、項目21に記載の方法。
(項目23)
上記第3の溶液中の上記卵母細胞の浸漬時間が、約3分〜7分間である、項目21に記載の方法。
(項目24)
上記第3の溶液中のプロピレングリコールの濃度が約0.3Mであり、その第3の溶液のpHが約7.2〜7.3である、項目21に記載の方法。
(項目25)
上記連続的な一連の解凍溶液中の浸漬の完了の際、上記卵母細胞が、蘇生安定化溶液に浸漬される、項目1に記載の方法。
(項目26)
凍結保護物質を含む、卵母細胞を解凍するための凍結保護物質溶液であって、その凍結保護物質溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、その凍結保護物質溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによるその卵母細胞の溶解を阻害する、凍結保護物質溶液。
(項目27)
上記凍結保護物質溶液の温度が、約30℃〜34℃に維持される、項目26に記載の凍結保護物質溶液。
(項目28)
上記凍結保護物質溶液の温度が、約31℃〜33℃に維持される、項目26に記載の凍結保護物質溶液。
(項目29)
上記凍結保護物質溶液の温度が、32±0.5℃に維持される、項目26に記載の凍結保護物質溶液。
(項目30)
上記凍結保護物質が、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目26に記載の凍結保護物質溶液。
(項目31)
上記凍結保護物質がプロピレングリコールである、項目26に記載の凍結保護物質溶液。
(項目32)
上記プロピレングリコールの濃度が約0.8M〜約1.2Mである、項目31に記載の凍結保護物質溶液。
(項目33)
上記プロピレングリコールの濃度が約0.3M〜約0.7Mである、項目31に記載の凍結保護物質溶液。
(項目34)
上記プロピレングリコールの濃度が約0.3M未満である、項目31に記載の凍結保護物質溶液。
(項目35)
上記プロピレングリコールの濃度が約0.1M未満である、項目31に記載の凍結保護物質溶液。
(項目36)
上記凍結保護物質溶液がさらに、糖、m−HTFおよびSSSからなる群より選択される1種または1種よりも多い成分を含む、項目31に記載の凍結保護物質溶液。
(項目37)
上記糖が、スクロース、デキストロース、トレハロース、ラクトース、またはラフィノースである、項目36に記載の凍結保護物質溶液。
(項目38)
上記糖がスクロースである、項目37に記載の凍結保護物質溶液。
(項目39)
上記糖の濃度が約0.20M〜0.35Mである、項目36に記載の凍結保護物質溶液。
(項目40)
上記糖の濃度が約0.25Mである、項目39に記載の凍結保護物質溶液。
(項目41)
上記m−HTFの濃度が、約70体積%〜90体積%の範囲である、項目36に記載の凍結保護物質溶液。
(項目42)
上記SSSが、約10体積%〜30体積%の濃度である、項目36に記載の凍結保護物質溶液。
(項目43)
上記凍結保護物質溶液が、表6および表7のものである、項目26に記載の凍結保護物質溶液。
(項目44)
脱水剤を含む、卵母細胞を解凍するための脱水溶液であって、その脱水溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、その脱水溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによるその卵母細胞の溶解を阻害する、脱水溶液。
(項目45)
上記脱水溶液が、表8のものである、項目44に記載の脱水溶液。
(項目46)
上記脱水剤がスクロースである、項目44に記載の脱水溶液。
(項目47)
上記脱水溶液が、約31℃〜33℃の温度に維持される、項目44に記載の脱水溶液。
(項目48)
上記脱水溶液が、約32±0.5℃の温度に維持される、項目44に記載の脱水溶液。
(詳細な説明)
本明細書中で使用される場合、他に示されない限り、以下の定義を適用するものとする。
「成熟した動物の卵母細胞」とは、成熟の尺度で「成熟期−−MII」と格付けされる収集された卵母細胞を指す。この尺度はさらに、収集された卵母細胞を「中期−−(MI)」または「未成熟期−−(GV)」と同定する。
「蘇生された卵母細胞」とは、受精および胚の発達が可能な解凍された卵母細胞を指す。
用語「卵」は、本明細書中で使用される場合、用語「卵母細胞」と同義であるように意味される。
「蘇生安定化溶液」とは、蘇生後に、蘇生された卵母細胞がインキュベートされる溶液を指す。本発明で有用な安定化溶液としては、例示の目的で、Global(登録商標)媒体(Life Global,IVF Onlineから入手可能)、SSSを補充したGlobal(登録商標)媒体(Irvine Scientific,Santa Ana,California,USAから入手可能)、ヒト卵管溶液(HTF−Irvine Scientific,Inc.,Santa Ana,Californiaから入手可能)(必要に応じてSSSおよび/または抗生物質(例えば、ゲンタマイシン)が補充される)、ならびに改変HTF(HEPESを含むHTF(mHTF)−Irvine Scientific,Inc.,Santa Ana,Californiaから入手可能)(必要に応じてSSSおよび/または抗生物質(例えば、ゲンタマイシン)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ナトリウム欠乏PBS(例えば、リン酸水素ナトリウム(HNaPO))が補充される)などが挙げられる。
上記解凍された卵母細胞は、受精に必要な減数分裂紡錘体の形成に関連するプロセスを回復するために、さらにミトコンドリアエネルギー生産を増強し、そしてmRNAプロセスおよびタンパク質活性を回復するために、蘇生安定化溶液に浸漬される。
用語「凍結保護物質」とは、代表的に浸透圧性の方法によって動物の卵母細胞の細胞壁を越えて浸透し、低温保存された状態のみならず低温保存のプロセスの間も卵母細胞の生存および生存能の保持を促進する液体を指す。適切な凍結保護物質は当該分野で周知であり、例示のみの目的で、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、グリセロール、およびそのような凍結保護物質のうちの2種以上の混合物などが挙げられる。
用語「糖」とは、1〜8個の糖単位、好ましくは2〜3個の糖単位を有する単糖類および多糖類を指す。適切な糖としては、例示の目的で、スクロース、デキストロース、トレハロース、ラクトース、ラフィノースなどが挙げられる。
用語「Global(登録商標)媒体」、「SSSを補充したGlobal(登録商標)媒体」「ヒト卵管溶液」または「改変ヒト卵管溶液」とは、市販の溶液(本明細書に記載されるとおり)、あるいは表1〜表2および/または表9の溶液組成を指す。
(1.方法論)
本発明の方法は、低温保存された動物の卵母細胞を効率的に蘇生するための多段階プロセスに関する。具体的に、低温保存された動物の卵母細胞を蘇生するための方法が提供され、その方法は、
a)凍結保護状態から1つまたは1つよりも多い容器を取り出す工程であって、その容器は、凍結保護物質溶液中に凍結された卵母細胞を含む、工程;
b)その回収された容器を、その卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するための条件下で維持し、次いで、その卵母細胞をその容器から取り出す工程;
c)その卵母細胞を、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液中に、各溶液を約28℃〜35℃の温度に維持しながら、卵母細胞が蘇生されかつ浸透圧ショックに起因するその卵母細胞の溶解が阻害される条件下で浸漬することによって、蘇生する工程;および
d)その蘇生された卵母細胞を、約33℃〜約38℃の温度に維持された蘇生安定化溶液中で、その蘇生された卵母細胞を受精のために安定化するのに十分な期間安定化する工程、
を包含する。
以下の議論において、用語「卵母細胞」とは、この用語が「1つ」、「ある」、「その」、「上記」などのような語を用いるかどうかにかかわらず、単数および複数の両方を指す。
一実施形態において、低温保存状態からの容器の取り出しから、蘇生された卵母細胞を蘇生安定化溶液中に入れるまでの全体の時間は、約1時間に過ぎず、好ましくは約30分間に過ぎず、さらにより好ましくは約15分〜20分間である。
一実施形態において、上記回収された容器を上記卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するための条件下で維持する工程は、
a)その容器を周囲大気条件(例えば、室温に維持された空気環境)に曝露する工程;および
b)その容器を温かい水浴に浸漬する工程
によって達成される。
この実施形態の一局面において、上記容器は、最初に、周囲大気条件に好ましくは5分間未満の期間、より好ましくは1分間未満、さらにより好ましくは約15秒間曝露される。
この実施形態の別の局面において、上記容器は、好ましくは約25℃〜35℃の温度に維持された温かい水浴に浸漬される。この実施形態のより好ましい局面において、上記温かい水浴は、約30℃〜34℃の温度に、さらにより好ましくは、約32±0.5℃に維持される。この温かい水浴中の浸漬は、好ましくは5分間未満であり、さらに好ましくは1分間未満であり、さらにより好ましくは約15秒間である。
当業者に明らかなように、空気曝露および水浸漬についての合計の時間は、卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するように選択される。したがって、細胞質内アイスが融解されるという条件で、2つの工程のうちの一方についての期間は短縮され得、他方は延長され得る。
一実施形態において、次いで、上記卵母細胞は、容器から取り出され、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液に、卵母細胞を蘇生しかつ浸透圧ショックに起因するその卵母細胞の溶解を阻害する条件下で浸漬されることによって、蘇生される。好ましくは、これらの溶液の各々は、約29℃〜34℃の温度に、より好ましくは約32±0.5℃に維持される。
この実施形態の一局面において、より低い勾配の凍結保護物質を含む3種の連続的な溶液が使用される。特に好ましい経路において、これらの複数の溶液は、以下を含む一例において、使用される:
a)約0.8M〜約1.2Mのプロピレングリコールを含む第1の溶液;
b)約0.3M〜約0.7Mのプロピレングリコールを含む第2の溶液;および
c)0.3M未満のプロピレングリコールを含む、好ましくは0.1M未満のプロピレングリコールを含む、さらにより好ましくはプロピレングリコールを含まない第3の溶液。
これらの溶液の各々はさらに、必要に応じて、糖、m−HTFおよびSSSのような成分を含む。好ましくは、これらの溶液は、スクロースと、m−HTFとSSSとを含む。特に好ましい実施形態において、単独で使用されるか組み合わせて使用されるかどうかにかかわらず、上記糖の濃度は、好ましくは約0.20M〜0.30M、より好ましくは約0.25Mであり;上記m−HTFは、好ましくは約70体積パーセント〜90体積パーセントの範囲で使用され、そして上記SSSは、好ましくは約10体積パーセント〜30体積パーセントの濃度で使用される。
一実施形態において、容器から第1の溶液に移された卵母細胞は、第1の溶液に、約30℃〜34℃の温度で、好ましくは31℃〜33℃で、より好ましくは32±0.5℃で浸漬される。浸漬時間は、好ましくは約3分〜7分間、好ましくは約5分間続く。好ましくは、第1の溶液中のプロピレングリコールの濃度は約1.0Mであり、この溶液のpHは、好ましくは約7.2〜7.3に維持される。
この実施形態のさらなる局面において、卵母細胞は、この第1の溶液から上に記載される第2の溶液に移される。好ましい実施形態において、そのように移された卵母細胞は、第2の溶液に、約30℃〜34℃の温度で、好ましくは31℃〜33℃で、より好ましくは32±0.5℃で浸漬される。浸漬時間は、好ましくは約3分〜7分間、好ましくは約5分間続く。好ましくは、第2の溶液中のプロピレングリコールの濃度は約0.5Mであり、この溶液のpHは、好ましくは約7.2〜7.3に維持される。
この実施形態のさらなる局面において、卵母細胞は、この第2の溶液から上に記載される第3の溶液に移される。好ましい実施形態において、そのように移された卵母細胞は、第3の溶液に、約30℃〜34℃の温度で、好ましくは31℃〜33℃で、より好ましくは32±0.5℃で浸漬される。浸漬時間は、好ましくは約3分〜7分間、好ましくは約5分間続く。好ましくは、第3の溶液中のプロピレングリコールの濃度は、約0.3M未満、より好ましくは0.1M未満であり、さらにより好ましくは、この第3の溶液中にプロピレングリコールは存在しない。この第3の溶液のpHは、好ましくは約7.2〜7.3に維持される。一実施形態において、第3の溶液は、プロピレングリコールを全く含まないが、脱水剤(例えば、スクロース、デキストロース、トレハロース、ラクトース、ラフィノースなど)を含む。脱水剤は、卵母細胞中の細胞質内の水の脱水を容易にする。好ましくは、そのような因子は、卵母細胞の細胞壁を浸透圧で越えない。
この連続的な一連の解凍溶液中の浸漬の完了の際に、卵母細胞は、受精の前に解凍安定化溶液に入れられる。この溶液は、生理学的温度に対して卵母細胞を安定化すると同時に、養分に富む環境を提供する。好ましい実施形態において、卵母細胞は、この溶液中に、安定化されるまで維持される。好ましい実施形態において、安定化は、約2時間以内に起こる。この時点で、卵母細胞は受精の準備ができている。
(2.組成物)
一局面において、本発明は、凍結保護物質を含む、卵母細胞を解凍するための凍結保護物質溶液に関し、その凍結保護物質溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、その凍結保護物質溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによるその卵母細胞の溶解を阻害する。
一実施形態において、上記凍結保護物質溶液は、約30℃〜34℃の温度に維持される。一実施形態において、上記凍結保護物質溶液は、約31℃〜33℃の温度に維持される。1つの好ましい実施形態において、上記凍結保護物質溶液は、32±0.5℃の温度に維持される。
一実施形態において、上記凍結保護物質としては、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
1つの好ましい実施形態において、上記凍結保護物質はプロピレングリコールである。一実施形態において、上記プロピレングリコールの濃度は、約0.8M〜約1.2Mである。一実施形態において、上記プロピレングリコールの濃度は、約0.3M〜約0.7Mである。一実施形態において、上記プロピレングリコールの濃度は、約0.3M未満である。一実施形態において、上記プロピレングリコールの濃度は、約0.1M未満である。
一実施形態において、上記凍結保護物質溶液はさらに、1種または1種よりも多い成分を含み、その成分としては、例えば、糖、m−HTFおよびSSSが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態において、上記糖はスクロース、デキストロース、トレハロース、ラクトース、またはラフィノースである。1つの好ましい実施形態において、上記糖はスクロースである。一実施形態において、上記糖の濃度は、約0.20M〜0.35Mである。一実施形態において、上記糖の濃度は、約0.25Mである。
一実施形態において、上記m−HTFは、約70体積%〜約90体積%の範囲で使用される。
一実施形態において、上記SSSは、約10体積%〜30体積%の濃度で使用される。
一実施形態において、上記凍結保護物質溶液は、表6または表7のものである。
一実施形態において、本発明は、脱水剤を含む、卵母細胞を解凍するための脱水溶液を提供し、その脱水溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、その脱水溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによるその卵母細胞の溶解を阻害する。
一実施形態において、上記脱水溶液は、表8のものである。
一実施形態において、上記脱水溶液中の上記脱水剤はスクロースである。
一実施形態において、上記脱水溶液は、約31℃〜33℃の温度に維持される。
一実施形態において、上記脱水溶液は、約32±0.5℃の温度に維持される。
以下の実施例は、本発明の特定の局面を例示するため、および本発明を実施することにおいて当業者を支援するために提供される。これらの実施例は、決して本発明の範囲を制限すると考えられるべきではない。
以下の実施例および本願の全体を通じて、以下の組成物が記載され、これらの組成物は以下に記載されるように市販されている。
Global Media、IVF Online、p/n LGGG
合成血清代替物(SSS)、Irvine Scientific、p/n 99193
改変ヒト卵管流体(mHTF)、Irvine Scientific、p/n 90126
プロピレングリコール、Sigma Chemicals、p/n 241229
スクロース、Sigma Chemicals、p/n S1888。
以下の実施例において、すべてのパーセントは、他に指定されない限り体積パーセントである。同様に、すべての温度は、他に記載されない限り、摂氏温度で報告される。
実施例において、以下の略語は、以下の意味を有する:
Figure 2008118997
(実施例1)
卵母細胞の凍結
以下の実施例1では、以下の溶液が示される。これらの溶液を以下のとおりに調製した:
第1の安定化溶液。 卵母細胞の凍結のための第1の安定化溶液を、約10体積%のSSSを含むGlobal Media(IVF Online)を用いることによって調製した。
第2の安定化溶液。 第2の凍結溶液を調製し、これは、約80体積%のmHTFを含み、SSSが補充されている。この溶液は、使用する前に4℃で保管されるべきである。
凍結保護物質溶液。 凍結保護物質溶液を、mHTF中の約1.5M プロピレングリコールから調製し、SSS(80:20)を補充し、そして好ましくは、pH7.2〜7.3で維持する。
脱水/凍結保護物質(D/C)溶液1。 D/C溶液1は、スクロース中に懸濁された約1.5Mのプロピレングリコールから構成され、さらに80:20のmHTF/SSSを含む。好ましくは、そのスクロース濃度は、0.05M〜0.15Mであり、0.12Mの濃度が好ましい。好ましくは、この溶液は、7.2〜7.3のpHで維持される。
脱水/凍結保護物質(D/C)溶液2。 D/C溶液2は、スクロース中に懸濁された約1.5Mのプロピレングリコールから構成され、さらに80:20のmHTF/SSSを含む。好ましくは、そのスクロースは、0.20M〜0.30Mであり、0.24Mの濃度が好ましい。好ましくは、この溶液は、7.2〜7.3のpHで維持される。
(溶液の浸透圧)
プロピレングリコール(不凍剤)は、溶液の凍結点が代表的な溶質よりも実質的に低下されるように、その溶液の浸透圧について人工的に高い数字をもたらす。以下の表は、使用される成分の各々についての好ましい浸透圧を提供し、これは従来の方法を用いて溶液を改変することによって達成され得る。
Figure 2008118997
浸透圧データは、上記安定化溶液が卵母細胞に、より高い浸透圧を有する凍結保護物質溶液に浸漬する前に低度〜中程度の浸透圧の溶液中で安定化する機会を提供することを示す。さらに、先行技術と比較してこれらの溶液で使用されるより高い温度は、さらなる安定性を提供する。上記の各々は、記載される浸漬時間と組み合わされて、卵母細胞の減数分裂紡錘体を安定化するために使用され、この卵母細胞の減数分裂紡錘体を安定化することは、解凍後の受精のために卵母細胞の生存能を維持するために重要である。
凍結保護物質溶液中と脱水/凍結保護溶液中との間の浸透圧の差が、紡錘体に損傷を与えることなく浸透圧性交換を推進するために十分に大きいことが特に重要である。その浸透圧の差が低すぎる場合、浸透に対する推進力が減少され、より長い曝露時間をもたらし、紡錘体に損傷を与え得る。一方、浸透圧の差が高すぎる場合、細胞膜の溶解が生じ得る。
各溶液についての浸透圧および浸漬時間は、凍結保護物質による細胞質の水の急速な交換を容易にするために凍結保護物質溶液および脱水/凍結保護溶液の十分に高い浸透圧が必要とされる様式で、組み合わされる。具体的に、これらの溶液に対して延長された卵母細胞の曝露は、毒性の増加および不可逆的な紡錘体損傷の増加を生じる。したがって、好ましい実施形態において、凍結保護物質溶液および脱水/凍結保護物質溶液について上に提供される浸漬時間は、これらの溶液の浸透圧に関連し、卵母細胞の生存能を最大にするように選択される。
好ましい実施形態において、凍結保護物質溶液および脱水/凍結保護溶液の浸透圧は、好ましくは、約1000〜3000、より好ましくは、約1200〜2500の範囲である。特に好ましい実施形態において、上記溶液の浸透圧は、使用される一連の溶液の各々について上向きの勾配(upward gradient)である。上の表は、好ましい浸透圧範囲を提供する。
本発明の好ましい実施形態においてヒトの卵母細胞は、当業者に公知の超音波誘導技術によって得られる。
収集された中期II(MII)卵母細胞を試験し、球形で半透明であり第1極体を放出しているものを、第1の安定化溶液を含むディッシュ(例えば、Nunc 4ウェルディッシュ)に置く。そのディッシュを、89%〜90% N;5%〜6% COおよび5% Oの大気を備えるトリガス(tri−gas)インキュベーターに、33℃〜38℃、好ましくは36.5℃〜37.5℃で、約2時間入れる。好ましい実施形態において、COの割合は、約7.2〜7.3の溶液のpHが提供されるように調整される。いかなる理論に制限されることなく、安定化溶液のpHが卵母細胞の生存能を維持することにおいて重要であり、そしてそのpHの注意深い制御が溶液中のCOの量を調整することによって達成される(ここで、そのpHは卵母細胞の細胞内pHに対応して制御される)と考えられる。好ましくは、ここで卵丘塊を卵母細胞から除去する。
次に、その卵母細胞を第2の安定化溶液に移し、6分〜7分間まで、好ましくは2分〜5分間の範囲、より好ましくは約3分間、ディッシュ(例えば、Nunc 4ウェルディッシュ)中で、33℃〜38℃で、好ましくは36.5℃〜37.5℃で培養する。
次いで、凍結保護溶液への卵母細胞の移動のために調製を行い、その溶液をディッシュ(例えば、Nunc 4ウェルディッシュ)内に含め、約35℃〜37℃で、1分〜5分間の間、好ましくは1.5分〜3分間の範囲、より好ましくは約2分間保持する。
次に、その卵母細胞をD/C溶液1に移し、その溶液をディッシュ(例えば、Nunc 4ウェルディッシュ)内に含め、35℃〜37℃で、約3分間保持する。次いで、この溶液の温度を、1℃/分〜3℃/分、好ましくは2±0.5℃/分の速度で、22℃〜26℃、好ましくは約24℃の温度に、最大8分間で、好ましくは約5分間で徐々に低下させる。
工程e)が完了した後、次いで、その卵母細胞を、D/C溶液2に移し、その溶液をディッシュ(例えば、Nunc 4ウェルディッシュ)内に、24℃で約1分〜5分間、好ましくは1.5分〜3分間、最適には約2分間含め、一方で同時に、卵母細胞を0.25mlプラスチックストロー(IMV International company(Minneapolis MN)から入手可能)に充填する。そのストローを両端で密封し、Kryo 10 Series III(Planer 10/1.7 GB)のような自動化生物学的直立型フリーザー中に置く。
そのストローを2℃/分〜3℃/分の冷却速度で−7℃にチルドする。この温度にて、鉗子でストローの外側に触れることによって「シーディング」を行う。これを液体窒素中で冷却して、水分子が結晶化するように誘発した。そのストローを−7℃で10分間保持し、その後、0.3℃/分の速度で−33℃まで冷却を再開して、卵母細胞への凍結保護物質の拡散を可能にする。次いで、保管のためにそのストローを液体窒素に入れる。
本発明の好ましい実施形態において、細胞内の細胞質小器官および減数分裂紡錘体は、氷晶形成のせん断力から生じる損傷、および他の凍結プロトコルに関連する室温への曝露を容認される。
さらに、プロピレングリコール凍結保護物質に対する卵母細胞の曝露時間および曝露温度を制限することによって、本発明は、卵母細胞への毒性を最小にする。
(実施例2)
卵母細胞を解凍するための方法
ヒトの卵母細胞の凍結の逆転は、卵母細胞の受精が計画されたときに行われる。深い凍結保管からの卵の蘇生は、解凍プロセスが過剰にゆっくりと行われた場合に生じ得る再結晶化を最小にする方法で、凍結段階を効率的かつ迅速に逆転することを必要とする。
好ましい実施形態において、蘇生または解凍段階は、容器(ストロー)を液体窒素容器から取り出す工程を包含する。そのストローを、室温で15秒間保持し、次いで、水浴に約31℃で15秒間沈める。
その後の工程において、卵母細胞の解凍を、凍結保護物質を細胞質から素早く除去すると同時に卵母細胞への浸透圧ショックを回避するための条件下で行う。これらの工程の目的は、プロピレングリコール凍結保護物質の濃度を操作することによって、高度に濃縮された細胞内の凍結保護物質を卵質の外にスムーズにかつ効率的に拡散させることである。卵母細胞を、以下の3種の連続的なリンスに供する:
解凍溶液A:m−HTF中の約1.0Mのプロピレングリコールとスクロース、およびSSS。スクロース濃度は、0.20M〜0.35M スクロース、好ましくは約0.29Mである。この溶液を、30℃〜34℃で、好ましくは31℃〜33℃で、より好ましくは、32±0.5℃で、4分〜7分間、好ましくは約5分間使用する。
解凍溶液B:m−HTF中の約0.5Mのプロピレングリコールとスクロース、およびSSS。スクロース濃度は、0.20M〜0.35M スクロース、好ましくは約0.29Mである。この溶液を、30℃〜34℃で、好ましくは31℃〜33℃で、より好ましくは、32±0.5℃で、4分〜7分間、好ましくは約5分間使用する。
解凍溶液C:m−HTF中のスクロース、およびSSS(プロピレングリコールはゼロ)。スクロース濃度は、0.20M〜0.30M、好ましくは約0.25Mである。この溶液を、30℃〜34℃で、好ましくは31℃〜33℃で、より好ましくは、32±0.5℃で、4分〜7分間、好ましくは約5分間使用する。
上記の工程が完了した後、卵母細胞はインキュベートの準備ができている。37℃の温度で、その卵母細胞を解凍安定化溶液(これは、第1の安定化溶液について実施例1に記載されるとおりである)中で、2時間、89%〜90% N;5%〜6% COおよび5% O(使用されるCOの量は7.2〜7.3のpHを提供するように選択される)を備えるトリガスインキュベーターを用いてインキュベートする。このようにして、卵母細胞を生きている状態に戻す。
卵母細胞の受精:
卵母細胞の授精が計画される場合、従来の細胞質内精子注入技術(ICSI)が使用される。なぜなら、透明帯が凍結プロセスの副産物として固くなっているからである。この重要な工程の認識が欠如すると非常に低い受精率となり、他のプロトコルに伴う不本意な結果の原因となる。
したがって、新鮮なヒトの卵母細胞の凍結または解凍のための本発明の改良された実施形態において、優れた生存率、改良された受精率および胚分割率が達成され得る。
以下の表は、報告された文献と比べた全体的な成功の比較を提供する。
Figure 2008118997
上のデータは、本発明の凍結方法が解凍方法と組み合わせた場合に、妊娠の高い成功率をもたらすことを示す。
(実施例3)
溶液
以下の表は、本発明において卵母細胞の凍結または解凍ために使用され得る種々の溶液組成を示す。これらの溶液組成は、本発明で使用される商業的供給源から入手される溶液を置き換え得る。以下の表1〜表9におけるすべての量は、最適な結果を与えるために絶対値で提供される。各構成メンバーが、溶液中で、±25%、±10%、好ましくは±5%、より好ましくは±3%、またはさらにより好ましくは±1%の範囲であることが理解される。当業者は、本明細書で規定される目的のために、その溶液の必要浸透圧を調整し得る。
以下の表1は、1リットルの基礎溶液のための安定化溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
Figure 2008118997
以下の表2は、1リットルの基礎溶液のための安定化溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表3は、1リットルの基礎溶液のための凍結保護物質溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表4は、1リットルの基礎溶液のための凍結保護物質溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表5は、1リットルの基礎溶液のための凍結保護物質溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表6は、1リットルの基礎溶液のための凍結保護物質溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表7は、1リットルの基礎溶液のための凍結保護物質溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表8は、1リットルの基礎溶液のための脱水溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
以下の表9は、1リットルの基礎溶液のための安定化溶液の組成を示す。
Figure 2008118997
Figure 2008118997
本発明が図面に示されるように特定の実施例または好ましい実施形態に関してこれまで記載されてきたことが理解される。種々の追加、削除、変更および改変が、本発明の意図される精神および範囲から逸脱することなく上記の実施形態および実施例に対してなされ得る。
(開示の要約)
低温保存された卵母細胞(特に、ヒトの卵母細胞のような哺乳動物の卵母細胞)を解凍するために有用な本発明および組成物が開示される。

Claims (48)

  1. 低温保存された動物の卵母細胞を蘇生するための方法であって、該方法は、
    a)凍結保護状態から1つまたは1つよりも多い容器を取り出す工程であって、該容器は、凍結保護物質溶液中に凍結された卵母細胞を含む、工程;
    b)該回収された容器を、該卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するための条件下で維持し、次いで、該卵母細胞を該容器から取り出す工程;
    c)該卵母細胞を、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液中に、各溶液を約28℃〜35℃の温度に維持しながら、卵母細胞が蘇生されかつ浸透圧ショックに起因する該卵母細胞の溶解が阻害される条件下で浸漬することによって、蘇生する工程;および
    d)該蘇生された卵母細胞を、約33℃〜約38℃の温度に維持された蘇生安定化溶液中で、該蘇生された卵母細胞を受精のために安定化するのに十分な期間安定化する工程、
    を包含する、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記回収された容器を前記卵母細胞中のいかなる細胞質内アイスも融解するための条件下で維持する工程が、
    a)該容器を周囲大気条件に曝露する工程であって、該周囲大気条件は、例えば、室温に維持された空気環境である、工程;および
    b)該容器を温かい水浴に浸漬する工程
    を包含する、方法。
  3. 前記容器が、最初に、周囲大気条件に好ましくは5分間未満の期間、より好ましくは1分間未満、さらにより好ましくは約15秒間曝露される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記容器が、好ましくは約25℃〜35℃の温度に維持された温かい水浴に浸漬される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記温かい水浴への浸漬が5分間未満である、請求項2に記載の方法。
  6. 前記卵母細胞を、各々が前の溶液よりも低い勾配の凍結保護物質を含む連続的な温かい水溶液中に、卵母細胞が蘇生されかつ浸透圧ショックに起因する該卵母細胞の溶解が阻害される条件下で浸漬することによって、蘇生する工程が、約29℃〜34℃の温度に維持された溶液中で行われる、請求項1に記載の方法。
  7. より低い勾配の凍結保護物質を含む3種の連続的な溶液が使用される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記3種の連続的な溶液が、
    a)約0.8M〜約1.2Mのプロピレングリコールを含む第1の溶液;
    b)約0.3M〜約0.7Mのプロピレングリコールを含む第2の溶液;および
    c)0.3M未満のプロピレングリコールを含む、好ましくは0.1M未満のプロピレングリコールを含む、さらにより好ましくはプロピレングリコールを含まない第3の溶液、
    を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記溶液の各々が、必要に応じてさらに、糖、m−HTFおよびSSSからなる群より選択される1種または1種よりも多い成分を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記糖がスクロースである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記糖の濃度が、約0.20M〜0.35Mである、請求項9に記載の方法。
  12. 前記m−HTFが、約70体積%〜90体積%の範囲で使用される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記SSSが、約10体積%〜30体積%の濃度で使用される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記卵母細胞が、前記第1の溶液中に、約30℃〜34℃の温度で浸漬される、請求項8に記載の方法。
  15. 前記第1の溶液中の前記卵母細胞の浸漬時間が、約3分〜7分間である、請求項8に記載の方法。
  16. 前記第1の溶液中のプロピレングリコールの濃度が約1.0Mであり、該溶液のpHが好ましくは約7.2〜7.3に維持される、請求項8に記載の方法。
  17. 前記第1の溶液中の前記卵母細胞の浸漬の後、該卵母細胞が、約30℃〜34℃の温度に維持された第2の溶液に移される、請求項8に記載の方法。
  18. 前記第2の溶液が、約31℃〜33℃の温度に維持される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第2の溶液中の前記卵母細胞の浸漬時間が、約3分〜7分間である、請求項17に記載の方法。
  20. 前記第2の溶液中のプロピレングリコールの濃度が約0.5Mであり、該溶液のpHが好ましくは約7.2〜7.3に維持される、請求項17に記載の方法。
  21. 前記第2の溶液中の前記卵母細胞の浸漬の後、該卵母細胞が、約30℃〜34℃の温度に維持された第3の溶液に移される、請求項8に記載の方法。
  22. 前記第3の溶液が、約31℃〜33℃の温度に維持される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第3の溶液中の前記卵母細胞の浸漬時間が、約3分〜7分間である、請求項21に記載の方法。
  24. 前記第3の溶液中のプロピレングリコールの濃度が約0.3Mであり、該第3の溶液のpHが約7.2〜7.3である、請求項21に記載の方法。
  25. 前記連続的な一連の解凍溶液中の浸漬の完了の際、前記卵母細胞が、蘇生安定化溶液に浸漬される、請求項1に記載の方法。
  26. 凍結保護物質を含む、卵母細胞を解凍するための凍結保護物質溶液であって、該凍結保護物質溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、該凍結保護物質溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによる該卵母細胞の溶解を阻害する、凍結保護物質溶液。
  27. 前記凍結保護物質溶液の温度が、約30℃〜34℃に維持される、請求項26に記載の凍結保護物質溶液。
  28. 前記凍結保護物質溶液の温度が、約31℃〜33℃に維持される、請求項26に記載の凍結保護物質溶液。
  29. 前記凍結保護物質溶液の温度が、32±0.5℃に維持される、請求項26に記載の凍結保護物質溶液。
  30. 前記凍結保護物質が、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項26に記載の凍結保護物質溶液。
  31. 前記凍結保護物質がプロピレングリコールである、請求項26に記載の凍結保護物質溶液。
  32. 前記プロピレングリコールの濃度が約0.8M〜約1.2Mである、請求項31に記載の凍結保護物質溶液。
  33. 前記プロピレングリコールの濃度が約0.3M〜約0.7Mである、請求項31に記載の凍結保護物質溶液。
  34. 前記プロピレングリコールの濃度が約0.3M未満である、請求項31に記載の凍結保護物質溶液。
  35. 前記プロピレングリコールの濃度が約0.1M未満である、請求項31に記載の凍結保護物質溶液。
  36. 前記凍結保護物質溶液がさらに、糖、m−HTFおよびSSSからなる群より選択される1種または1種よりも多い成分を含む、請求項31に記載の凍結保護物質溶液。
  37. 前記糖が、スクロース、デキストロース、トレハロース、ラクトース、またはラフィノースである、請求項36に記載の凍結保護物質溶液。
  38. 前記糖がスクロースである、請求項37に記載の凍結保護物質溶液。
  39. 前記糖の濃度が約0.20M〜0.35Mである、請求項36に記載の凍結保護物質溶液。
  40. 前記糖の濃度が約0.25Mである、請求項39に記載の凍結保護物質溶液。
  41. 前記m−HTFの濃度が、約70体積%〜90体積%の範囲である、請求項36に記載の凍結保護物質溶液。
  42. 前記SSSが、約10体積%〜30体積%の濃度である、請求項36に記載の凍結保護物質溶液。
  43. 前記凍結保護物質溶液が、表6および表7のものである、請求項26に記載の凍結保護物質溶液。
  44. 脱水剤を含む、卵母細胞を解凍するための脱水溶液であって、該脱水溶液は、約29℃〜34℃の温度に維持され、該脱水溶液は、卵母細胞を蘇生し、かつ浸透圧ショックによる該卵母細胞の溶解を阻害する、脱水溶液。
  45. 前記脱水溶液が、表8のものである、請求項44に記載の脱水溶液。
  46. 前記脱水剤がスクロースである、請求項44に記載の脱水溶液。
  47. 前記脱水溶液が、約31℃〜33℃の温度に維持される、請求項44に記載の脱水溶液。
  48. 前記脱水溶液が、約32±0.5℃の温度に維持される、請求項44に記載の脱水溶液。
JP2007297348A 2006-11-15 2007-11-15 低温保存された卵母細胞を蘇生するための方法および組成物 Withdrawn JP2008118997A (ja)

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