JP2008116248A - 子宮体癌の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】未だ見出されていない子宮体癌の特異的腫瘍マーカーとなり得る生体要素を見出し、これを基とする子宮体癌を検出する手段を提供すること。
【解決手段】血液検体中において、アポリポタンパク質C−Iの変質が検出された場合に、当該変質アポリポタンパク質C−Iを検体提供者における子宮体癌の存在の指標とすることを特徴とする子宮体癌の検出方法、を提供することにより、上記の課題を解決し得ることを見出した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、癌の検出手段、より詳細には、子宮体癌に対する特異的腫瘍マーカーに関する発明である。
子宮癌は、女性では、胃癌、乳癌に次いで多い癌であり、子宮頸癌と子宮体癌に大別される。本発明に直接的に関連する子宮体癌は、子宮癌の中でも比較的発症頻度の低い癌として知られていたが、近年、その頻度が急激に高くなっていることが問題視されている。
子宮体癌は、子宮体部に発生する癌で、広義には、子宮内膜に発生する子宮内膜癌と、子宮筋に発生する子宮肉腫の両者を含むが、一般的には子宮内膜癌を意味するものである。本発明では、子宮内膜癌を子宮体癌として定義する。
子宮体癌の初期症状は、不正性器出血(特に閉経期後)が挙げられるものの、比較的緩慢であり、早期発見が難しい癌の一つである。
子宮体癌の診断としては、子宮内膜細胞診検査、子宮内膜組織検査、子宮内膜全面掻爬・子宮鏡検査、超音波・CT・MRI等による画像診断が、必要に応じて組み合わせて行われている。
癌の診断手段のうち、近年極めて有力な手段となりつつあるものとして、いわゆる腫瘍マーカーが挙げられる。腫瘍マーカーは、特定の腫瘍の存在に対応して、血液中や尿中において特徴的な挙動を示す生体物質である。腫瘍マーカーの定量を行い、その定量値を指標とすることにより、特定の腫瘍の存在を検出することができるので、腫瘍マーカーは、その簡便性から、当該特定腫瘍の早期発見に大いに貢献するものである。例えば、子宮頸癌等の腫瘍マーカーとして、SCC等が知られている。また、卵巣癌の腫瘍マーカーとして、CA125、α−フェトプロテイン、LDH、CEA、CA72-4、CA19-9等が知られている。
しかしながら、子宮体癌に対する特異的な腫瘍マーカーは、現在のところ知られておらず、上述したように、既存の子宮体癌に対する検査手段は手軽とはいえない。このことが、子宮体癌の早期発見を妨げる原因の一つであることは明らかである。
子宮体癌の早期発見は、患者の命を救うことになるのみならず、出産の望みをつなぐことになる。すなわち、子宮体癌の治療の原則は手術療法であることから、かつ、子宮全摘出+付属器(卵巣・卵管)切除+骨盤及び傍大動脈リンパ節郭清が原則であり、特に、閉経前の女性の場合、治療と同時に出産の望みが絶たれることになる。しかしながら、ごく初期段階(異型子宮内膜腺癌(Grade I)の臨床進行期Ia)であれば、子宮温存療法を選
択することも可能であるが、この段階の子宮体癌を発見するためには、鋭敏な腫瘍マーカーによる診断の助けを借りることが必要となる。
よって、本発明の課題は、未だ見出されていない子宮体癌の特異的腫瘍マーカーとなり得る生体要素を見出し、これを基とする子宮体癌を検出する手段を提供することにある。
本発明者は、この課題の解決に向けて検討を重ねた結果、驚くべきことに、特定の血中タンパク質のうち、アポリポタンパク質C−Iの変質を指標とすることにより、被験者の子宮体癌を高い精度で検出することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、血液検体中において、アポリポタンパク質C−Iの変質が検出された場合に、当該変質アポリポタンパク質C−Iを検体提供者における子宮体癌(本発明では子宮内膜癌を意味するものである)の存在の指標とすることを特徴とする、子宮体癌の検出方法(以下、本検出方法ともいう)を提供する発明である。
血液検体とは、被験者から採取された血液又はその処理物のことを意味するものであり、動脈血であっても、静脈血であってもよいが、通常は、静脈血、特に、末梢静脈血を用いる。また、本発明にて用いる血液検体は、真空採血又はシリンジ採血等により、常法により全血を採取することができる。本検出方法においては、全血、血漿、及び、血清のうち、血清を用いることが好適である。
アポリポタンパク質C−I(以下、アポC−Iともいう)は、ほとんどすべてのリポタンパク質に分布する小分子のポリペプチドであるアポC群(アポC−I、C−II、C−III)の中の一つである。アポC−Iは、肝臓又は小腸にて産生され、レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT)や、リポタンパクリパーゼ(LPL)の活性化に関わっていることが知られている。
しかしながら、血中における変質したアポC−Iの検出が子宮体癌の指標となり得ることは、全く新規かつ予想外の事実である。
この変質したアポC−Iの検出は、現状では、通常のアポリポタンパク質の検出方法である免疫比濁法等によっては困難であり、アポC−Iと、変質したアポC−Iの違いを分子量の差として検出することが可能な手段、例えば、微量検出が可能な質量分析計等を用いて検出することが必要となる。
これらの微量成分の検出方法の中でも、飛行時間型質量分析計とプロテインチップを組み合わせた、Ciphergen Biosystems社製のプロテインチップシステムは、特に好適な方法として例示される。このプロテインチップシステムは、固相担体に捕捉させたタンパク質に対してレーザー光線を照射することにより、当該タンパク質をイオン化した状態で当該固相担体から離脱させ、当該離脱タンパク質を、飛行時間型質量分析計にて検出することが可能なシステムである。
本検出方法においては、被験者の血中(血液検体中)において、変質したアポC−Iが検出された場合に、被験者の子宮体癌の可能性を予測することが可能である。「変質」とは、本来的にはアポC−Iである(例えば、抗アポC−I抗体に対して結合性を有する)が、そこに何らかの修飾等がなされることによって、上述した方法に代表される微量検出レベルにて、本来のアポC−Iとは異なる存在(検出チャート上のピークとして検出されること等により、その存在が確認される)として検出されることを意味する。また、その「変質」の内容に即した定性検出反応を用いることにより、かかる変質アポC−Iの検出を行うことが可能である。
変質アポC−Iの検出が認められた場合、子宮体癌についての可能性を想定することができる。また、他の検出指標、例えば、「血中のアポリポタンパク質A−Iの定量値の減少」(これも子宮体癌の存在指標となる)と組み合わせることによって、さらに、子宮体癌の診断精度を向上させることが可能となる。
本発明により、変質したアポリポタンパク質C−Iの存在を指標として、子宮体癌を高精度で検出し得る、子宮体癌の検出方法が提供される。
以下、本発明の具体的な形態を記載するが、かかる記載により本発明の範囲が限定されるものではない。
本発明者らは、以前に子宮体癌の血中マーカーを見出すために、飛行時間型質量分析計とプロテインチップを組み合わせた、Ciphergen Biosystems社製のプロテインチップシステムを用いて、子宮体癌患者等の血液検体を用いて、血中タンパク質の解析を行った。このプロテインチップシステムは、固相担体に捕捉させたタンパク質に対してレーザー光線を照射することにより、当該タンパク質をイオン化した状態で当該固相担体から離脱させ、当該離脱タンパク質を、飛行時間型質量分析計にて検出することが可能なシステムである。このプロテインチップシステムによる検出により、子宮体癌患者中の分子量1000〜200000Daの範囲のタンパク質の質量数と発現強度を測定し、当該発現パターンを健常人におけるパターンと比較して見出される差異を指標として、当該被験者における子宮体癌を検出することが可能であることを見出した。本発明は、この検出方法をさらに発展させ、上記質量分布を構成する特定のピークタンパク質のさらなる解析を行うことにより完成されたものである。
以下に、参考例として上記プロテインチップシステムによる解析の内容を開示し、これを基に、さらに本発明の実施例についても開示する。当然、これらの開示例は、本発明を具体的に説明することを目的としたものであり、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
[参考例] プロテインチップシステムによる子宮体癌患者の血液検体の解析
(1)血液検体
初期の被験者候補として、子宮体癌群26例(ステージI〜IV)と、健常人群25例について、腕末梢静脈血管から採血を行い、常法により血清を調製した。目視によるチェックとプロテインチップ[陽イオン交換チップ(CM10)]にてヘモグロビンピークを指標とした溶血チェックを行った(100 mM Sodium Acetate, pH4)。
子宮体癌群は、再発・ケモ中の3例とステージIVの2例、そして健常人群との年齢の差を考慮し、最高齢の1例の計6例を除いた20例を選択した。健常人サンプルは40代の中からヘモグロビンの影響が認められた2例と、子宮体癌群サンプルとの年齢の差を減少させるため、若年齢の方から3例の計5例を除いた20例を選択した。
このようにして選択された子宮体癌群と健常人群のそれぞれ20例の血清を検体とした。当該血清検体は、解析を行うまで、一旦、凍結状態として保存を行った。解析時に氷上で融解し、20000xgにて10分間遠心した後、上清を回収した。前分画は96ウェルフォーマットフィルタープレート上で処理し、全ての上清の回収工程を、DPC Micromix 5 shakerを搭載したBiomek2000 Laboratory Work Station(Beckman Coulter社)を用いて行った。
このようにして、上清として得られた血清サンプル20μLに、変性バッファーU9(9M urea, 2%CHAPS, 50mM Tris-HCl, pH9)30μLを加え、4℃で20分間振とうした。次いで、BioSepra Q Ceramic HyperDF(陰イオン交換樹脂)は50mM Tris-HCl,pH9にて前もって平衡化し、50% slurryに調製した。このレジン180μLを、フィルタープレートの各ウェルに加え、U1バッファー(U9バッファーを50mM Tris-HCl, pH9にて9倍希釈したもの)200μLで3回、平衡化を行った。上記のU9で変性させた血清サンプルをレジンに加え、サンプルウェルをU1バッファー50μLで共洗いし、併せてレジンに加え、4℃にて30分間振とうした後、非吸着画分を回収し、50mM Tris-HCl, pH9, 0.1%OGP 100μLをレジンに加えた。この洗浄液を回収し、非吸着画分と合わせ、Fraction1とした。この後、pH7,5,4,3の段階的なpH勾配によってタンパク質を溶出させた(各溶出バッファー, 100μL×2)。なお、この段階的なタンパク質溶出工程のうち、pH7における溶出は、溶出バッファー(50mM HEPES with 0.1%OGP pH7)にて行い、pH5における溶出は、溶出バッファー(100mM NaAcetate with 0.1%OGP pH5)にて行い、pH4における溶出は、溶出バッファー(100mM NaAcetate with 0.1%OGP pH4)にて行い、pH3における溶出は、溶出バッファー(50mM NaCitrate with 0.1%OGP pH3)にて行った。最後に、レジンに強固に結合したタンパク質を有機溶媒(33.3% isopropanol/16.7% acetonitrile/0.1% trifluoroacetic acid)で溶出した。
(2)プロテインチップへの試料の吸着
プロテインチップに固定化された固相担体としては、陽イオン交換樹脂(CM10)(結合・洗浄バッファー:100mM NaAcetate pH4)、同(結合・洗浄バッファー:50mM HEPES pH7)、銅イオン修飾担体(IMAC30)(結合・洗浄バッファー:50mM NaPhosphate, pH7.0, 0.5M NaCl)、及び、逆相担体(H50)(結合・洗浄バッファー:50mM HEPES pH7)を用いた。すべての条件で、シナピン酸 (sinapinic acid:SPA)とCHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)の2種をマトリクス分子として使用した。また、分注等の操作は、全てBiomek2000(Beckman Coulter社)を用いて行った。
陽イオン交換チップ(CM10)
陽イオン交換基(Carboxymethyl基)を有するCM10チップ(Ciphergen Biosystems社)に、結合・洗浄バッファー(100mM Sodium Acetate, pH4と100mM Sodium Acetate, pH7の2種類を使用)を150μL/spot添加して、5分間室温にて振とうし、当該バッファーを取り除いた。この操作を2回繰り返し、チップ表面を平衡化させた。次に、各フラクション10μLに結合・洗浄バッファー90μLを加えて10倍に希釈した後、チップに添加して30分間室温にて振とうしながら、サンプル中のタンパク質をチップ表面に吸着させた。結合・洗浄バッファーを150μL/spot添加して、5分間室温にて振とうし、チップ表面を洗浄した。これを3回繰り返して非吸着成分を取り除いた後に、200μL/spotのMilliQ水で2回脱塩処理を行った。チップは風乾した後に50%飽和シナピン酸(sinapinic acid:SPA)、あるいは、50%飽和CHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)を、1μL/spot添加後、風乾を行った。この添加・風乾の操作を2回繰り返した。
銅イオン修飾チップ(IMAC30)
銅イオンをチップ表面に固定化するため、nitrilotriacetic acid基を有するIMAC 30チップ(Ciphergen Biosystems社)に、100mM CuSO4を50μL/spot添加し、10分間室温にて振とうした後に、200μL/spotのMilliQ水で2分間・2回洗浄、さらに0.1M Sodium Acetate, pH4を50μL/spot添加し、5分間室温にて振とうした後に、200μL/spotのMilliQ水で2分間洗浄を行った。
次に、結合・洗浄バッファーを150μL/spot添加して、5分間室温にて振とうし、当該バッファーを取り除いた。この操作を2回繰り返し、チップ表面を平衡化させた。次に、各フラクション10μLに結合・洗浄バッファー90μLを加えて10倍に希釈した後、チップに添加して30分間室温にて振とうしながら、サンプル中のタンパク質をチップ表面に吸着させた。
結合・洗浄バッファーを150μL/spot添加して、5分間室温にて振とうし、チップ表面を洗浄した。これを3回繰り返して非吸着成分を取り除いた後に、200μL/spotのMilliQ水で脱塩処理を行った。チップは風乾した後に、50%飽和シナピン酸(sinapinic acid:SPA)、あるいは、50%飽和CHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)を、1μL/spot添加後、風乾
を行った。この添加・風乾の操作を2回繰り返した。
逆相チップ(H50)
炭素原子数6〜12のアルキル基を有するH50チップ(Ciphergen Biosystems社)に、結合・洗浄バッファーを150μL/spot添加して、5分間室温にて振とうし、当該バッファーを取り除いた。これを2回繰り返し、チップ表面を平衡化させた。次に、各フラクション10μLに結合・洗浄バッファー90μLを加えて10倍に希釈した後、チップに添加して30分間室温にて振とうしながら、サンプル中のタンパク質をチップ表面に吸着させた。結合・洗浄バッファーを150μL/spot添加して、チップ表面を洗浄、非吸着成分を取り除いた後に、200μL/spotのMilliQ水で脱塩処理を2回行った。チップは風乾した後に50%飽和シナピン酸(sinapinic acid:SPA)あるいは50%飽和CHCA(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid)をlμL/spot添加後、風乾を行った。この添加・風乾の操作を2回繰り返した。
(3)測定・データ解析
プロテインチップは、Ciphergen Biosystems社のプロテインチップリーダーModel PBS-IIcにより測定を行った。データ取得はProteinChip Software version3.2により行った。Optimization Rangeは、低分子領域データとしてm/z3000-10000、高分子領域データとしてm/z10000-30000、最高測定分子量は、低分子領域データとしてm/z100000・高分子領域データとしてm/z20000とした。1サンプルあたり2点アッセイを行い、ピーク強度の平均値で解析を行った。
データ解析は、CiphergenExpressTMDataManager version3.0より行った。測定されたスペクトルからベースライン補正を行った後、分子量校正を行った。分子量校正に用いたタンパク質は表1に示した。
次に、Total Ion Current(TIC)Normalizationにより正規化処理を行った。解析対象はSignal/Noise(S/N)が2より大きいピークとし、サンプル間でのピークパターン比較、群間でのピーク強度の値を用いたu-検定(p値による解析)を行った。
マルチマーカー解析としては、階層的クラスター解析、主成分分析(CiphergenExpressTMDataManager version3.0)、Biomarker Patterns Software version5.0を用いたClassification解析をおこなった。
(4)結果
(A)シングルマーカー解析
データ解析の流れを図1に示した。まず、上述のように、S/N>2を示した9175ピークを対象にして単変量解析(Mann-Whitney u-test)を行い、p値<0.05の1436ピークを選択した。次に、これらの中からノイズや個体差によるピークを取り除き、マーカー候補とした。
子宮体癌群サンプルで強度が増加しているピーク
子宮体癌群サンプルで、健常人群サンプルに比べて強度が増加しているピークとして、陽イオン交換チップにて捕捉され得る、平均質量数が、6493Da(6493Da#1:pH7の緩衝液で平衡化した陽イオン交換チップにて捕捉されたもの。6493Da#2:pH4の緩衝液で平衡化した陽イオン交換チップにて捕捉されたもの。以下、#1と#2は同様の意味で用いる。)6487Da(#1,#2)、3244Da、6691Da(#1,#2)、6684Da(#1,#2)、3343Da(#1,#2)、及び、19318Da、のピークに該当する強度の増加が認められた。
(a)6493Daタンパク質(図2〜3)
図2は、上記のpH9のバッファーを用いて調製したFr1画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(LOW)]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が6493Daのタンパク質(6493Da#1)量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。また、図3は、図2に示した系において、結合・洗浄バッファーをpH4の結合・洗浄バッファーに代えて捕捉されたタンパク質(6493Da#2)についての結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。両系とも、子宮体癌群において、6493Daタンパク質が有意に増加していることが、これらの図面において明確に示されている。
よって、pH7又はpH4の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る6493Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
(b)6487Daタンパク質(図4〜5)
図4は、上記のpH9のバッファーを用いて調製したFr1画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が6487Daのタンパク質(6487Da#1)量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。また、図5は、図4に示した系において、結合・洗浄バッファーをpH4の結合・洗浄バッファーに代えて捕捉されたタンパク質(6487Da#2)についての結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。両系とも、子宮体癌群において、6487Daタンパク質が有意に増加していることが、これらの図面において明確に示されている。
よって、pH7又はpH4の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る6487Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
(c)3244Daタンパク質(図6)
図6は、上記のpH9のバッファーを用いて調製したFr1画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が3244Daのタンパク質量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。子宮体癌群において、3244Daタンパク質が有意に増加していることが、当該図面において明確に示されている。
よって、pH7の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る3244Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
(d)6691Daタンパク質(図7〜8)
図7は、上記のpH9のバッファーを用いて調製したFr1画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(LOW)]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が6691Daのタンパク質(6691Da#1)量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。また、図8は、図7に示した系において、結合・洗浄バッファーをpH4の結合・洗浄バッファーに代えて捕捉されたタンパク質(6691Da#2)についての結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。両系とも、子宮体癌群において、6691Daタンパク質が有意に増加していることが、これらの図面において明確に示されている。
よって、pH7又はpH4の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る6691Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
(e)6684Daタンパク質(図9〜10)
図9は、上記のpH9のバッファーを用いて調製したFr1画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が6684Daのタンパク質(6684Da#1)量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。また、図10は、図9に示した系において、結合・洗浄バッファーをpH4の結合・洗浄バッファーに代えて捕捉されたタンパク質(6684Da#2)についての結果を示した図面(Group box and whiskers plot とROC plot)である。両系とも、子宮体癌群において、6684Daタンパク質が有意に増加していることが、これらの図面において明確に示されている。
よって、pH7又はpH4の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る6684Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
(f)3343Daタンパク質(図11〜12)
図11は、上記のpH9のバッファーを用いて調製したFr1画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が3343Daのタンパク質(3343#1)量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。また、図12は、図11に示した系において、結合・洗浄バッファーをpH4の結合・洗浄バッファーに代えて捕捉されたタンパク質(3343Da#2)についての結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。両系とも、子宮体癌群において、3343Daタンパク質が有意に増加していることが、これらの図面において明確に示されている。
よって、pH7又はpH4の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る3343Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
(g)19318Daタンパク質(図13)
図13は、上記のpH5のバッファーを用いて調製した画分を、陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(HIGH)]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が19318Daのタンパク質量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。子宮体癌群において、19318Daタンパク質が有意に増加していることが、当該図面において明確に示されている。
よって、pH7の緩衝液で平衡化された陽イオン交換チップに捕捉され得る19318Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが、明らかになった。
以上、図2〜13に示したように、子宮体癌群における、陽イオン交換チップにて捕捉され得る、平均質量数が、6493Da(#1,#2)、6487Da(#1,#2)、3244Da、6691Da(#1,#2)、6684Da(#1,#2)、3343Da(#1,#2)、及び、19318Da、のピークは、それぞれ有意差をもって、コントロール群よりも強いピークとして認められた。この結果より、これらのピークに相当する血中タンパク質のうち1種以上を選んで、そのピーク(血中存在量)の増大を、標準値(健常人におけるピーク値)との比較において検出指標とすることにより、鋭敏に子宮体癌を検出することが可能であることが判明した。これらのうち、3343Daタンパク質と、6684Daタンパク質と、6691Daタンパク質では、#1と#2の双方とも、P値<0.000001と極めて高い有意差を示した。
子宮体癌群サンプルで強度が減少しているピーク
子宮体癌群サンプルで、健常人群サンプルに比べて強度が減少しているピークとして、平均質量数が、5625Da、9370Da、及び、28165Daのピークに、該当する強度の減少が認められた。
(a)5625Daタンパク質(図14)
図14は、上記のpH4の結合・洗浄バッファーを用いて調製した画分を、銅イオン修飾チップ[IMAC30:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が5625Daのタンパク質量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。子宮体癌群において、5625Daタンパク質が有意に減少していることが、当該図面において明確に示されている。
よって、銅イオン修飾チップにて捕捉され得る5625Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが明らかになった。
(b)9370Daタンパク質(図15)
図15は、上記のpH4の結合・洗浄バッファーを用いて調製した画分を、銅イオン修飾チップ[IMAC30:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が9370Daのタンパク質量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。子宮体癌群において、9370Daタンパク質が有意に減少していることが、当該図面において明確に示されている。
よって、銅イオン修飾チップにて捕捉され得る9370Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが明らかになった。
(c)28165Daタンパク質(図16)
図16は、上記のpH4の結合・洗浄バッファーを用いて調製した画分を、銅イオン修飾チップ[IMAC30:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の平均質量数が28165Daのタンパク質量の分布を、コントロール(健常人)群と子宮体癌群との間で比較した結果を示した図面(Group box and whiskers plotとROC plot)である。子宮体癌群において、28165Daタンパク質が有意に減少していることが、当該図面において明確に示されている。
よって、銅イオン修飾チップにて捕捉され得る28165Daタンパク質は、本検出方法において子宮体癌のマーカーとして用いることが可能であることが明らかになった。
以上図14〜16に示したように、子宮体癌群における、銅イオン修飾チップにて捕捉され得る、平均質量数が、5625Da、9370Da、及び、28165Daのピークは、それぞれ有意差をもって、コントロール群よりも弱いピークとして認められた。この結果より、これらのピークに相当する血中タンパク質のうち1種以上を選んで、そのピーク(血中存在量)の減少を、標準値(健常人におけるピーク値)との比較において検出指標とすることにより、鋭敏に子宮体癌を検出することが可能であることが判明した。
(B)マルチマーカー解析
階層的クラスター解析
階層的クラスター解析とは、多変量解析の手法の一つであり、類似度を指標として対象を分類する解析手法である。いくつのグループに分かれるのかを事前に想定せず、また、対象に関する予備知識(例えば、癌患者であるとか、健常人であるとかの情報)なしで分類を行うことを特徴とする。
本実施例においては、P値が0.05以下のピークのうちノイズピークを除いた全試験条件の701ピークの高さ(当該ピークに相当するタンパク質の存在量)を基準として、コントロール群と子宮体癌群からなる上述した全40検体を解析した。その結果、コントロール群と子宮体癌群が明確に異なったグループに分類された。よって、子宮体癌と健常人の血清で存在量が有意に異なるタンパク質を指標として階層的クラスター解析を行うことにより、子宮体癌患者と健常人とを判別可能であることが示された。
主成分分析
主成分分析とは、多変量解析の手法の一つであり、対象に関連する多くの変数から、それらの特徴を要約・総合化するような少量の変数を合成する分析手法である。例えば、解析対象となる人の血清中の各タンパク質の発現量情報から、それらの特徴を表現するような少数の変数を合成することができる。これらの合成された変数を組み合わせることにより、対象がどのように分類されるのかを知ることができる。本実施例の場合、P値が0.05
以下のピークのうちノイズピークを除いた全試験条件の701ピークの高さ(当該ピークに相当するタンパク質の存在量)から、表2に示すPercent varianceの高い上位3つの主成分1(PCAcomp1)、主成分2(PCAcomp2)、主成分3(PCAcomp3)が新たに合成され、これらを組み合わせて解析を行った。各主成分において寄与率(Importance)の高いピークを上位10までリストアップした(表2)。その結果、PCAcomp1と3の組み合わせ、PCAcomp2と3の組み合わせ、およびPCAcomp1,2,3の組み合わせで、コントロール群と子宮体癌群を分類することができた。よって、血液検体における特定分子量間のタンパク質の質量分布のパターンについて、主成分分析を行うことにより、子宮体癌を検出可能であることが示された。
また、上述した15種類のピーク群[6493Da(#1,2)、6487Da(#1,2)、3244Da、6691Da(#1,2)、6684Da(#1,2)、3343Da(#1,2)、19318Da、5625Da、9370Da、及び、28165Daの分子量分布中心を示すピーク群]のみを使用して、上記と同様の主成分分析を行った。その結果、この場合においても、コントロール群と子宮体癌群を分類することができた。
Classification解析
Classification解析は、多変量解析の手法の一つである。すでにいくつかのグループに分類されている対象を解析することにより、グループを判別するためのルールを構築し、また、そのルールを用いて新たな対象がどのグループに属するのかを予測するための解析手法である。本実施例の場合は、Biomarker Patterns Software version5.0を用いてClassification解析を行った。具体的には、P値が0.05以下のピークのうちノイズピークを除いた全試験条件の701ピークの高さ(当該ピークに相当するタンパク質の存在量)を基準として、コントロール群と子宮体癌群とを判別するルールを構築した。
1)コントロール群と子宮体癌群の2群解析によるP値が0.05以下のピークからノイズピークを除いたCHCA条件のみを使用してClassification解析を行った。最も高い診断効率を示したルールは、シングルマーカー解析時にCandidate Peakに選ばれているMW3343のみを用いて判別するというルールで、Specificity90%、Sensitivity95%、という高い精度で診断可能であった。しかし、さらに例数を増やして解析することにより、MW3343のみによる判別よりも有効なマルチマーカーによる判別ルールが生成される可能性が高いと考えられる。
2)コントロール群と子宮体癌群の2群解析によるP値が0.05以下のピークでノイズピークを除いた全試験条件の701ピークを使用してClassification解析を行った。最も高い診断効率を示したルールは、シングルマーカー解析時にCandidate Peakに選ばれているMW3343のみを用いて判別するというルールで、Specificity90%、Sensitivity95%、という高い精度で診断可能であった。しかし、さらに例数を増やして解析することにより、MW3343のみによる判別よりも有効なマルチマーカーによる判別ルールが生成される可能性が高いと考えられる。
3)上記の15種類のCandidate Peakのみを使用してClassification解析を行った。最も高い診断効率を示したルールは、シングルマーカー解析時にCandidate Peakに選ばれているMW3343のみを用いて判別するというルールで、Specificity90%、Sensitivity95%、という高い精度で診断可能であった。しかし、さらに例数を増やして解析することにより、MW3343のみによる判別よりも有効なマルチマーカーによる判別ルールが生成される可能性が高いと考えられる。
まとめ
上述したシングルマーカー解析及びマルチマーカー解析を行うことにより、子宮体癌群とコントロール群を分類分け可能であることが示された。これらの解析により、血液検体中のタンパク質における分子量1000〜30000Daの範囲のタンパク質の質量数と発現強度を測定し、当該発現パターンを健常人におけるパターンと比較して見出される差異を指標として、当該被験者における子宮体癌を検出することが可能であることが明らかになった。
[実施例]
本発明においては、上述した各ピークのうち、子宮体癌患者において増加することが認められたピークタンパク質である、6.7kDaタンパク質(上記の6684Daタンパク質に相当する)についてのさらなる解析を行い、その本体が変質したアポC−Iであることを明らかにした。
(1)陰イオン交換レジンによる粗分画
陰イオン交換レジンに血清(子宮体癌患者群の血清)を吸着させて、pHを段階的に変えて溶出することにより、粗分画を行った。
具体的には、血清を変性バッファー(9M urea,2%CHAPS,50mM Tris-HCl,pH9)を用いて変性させた後、陰イオン交換レジン(Q Ceramic hyperD F:BioSepra社)500μlにアプライした。次いで、pH9の溶出バッファー[50mM Tris-HCl+0.1%OGP(1-o-n-Octyl-8-D-glucopyranosideの略称)]にて、溶出を行った。
得られた画分について、陽イオン交換チップ(pH4)にて測定して、目的のタンパク質の存在を確認した。
(2)固相抽出(C18)による分画
上記の陰イオン交換レジンによる分画により得られた、フラクション500μlを、Sep−Pak C18(Waters社製)にアプライした。溶出は、下記の溶出バッファー(50μl×2)にて行った。
0%:0%アセトニトリル/0.1%TFA
20%:20%アセトニトリル/0.1%TFA
30%:30%アセトニトリル/0.1%TFA
40%:40%アセトニトリル/0.1%TFA
50%:50%アセトニトリル/0.1%TFA
70%:70%アセトニトリル/0.1%TFA
90%:90%アセトニトリル/0.1%TFA
その結果、70%アセトニトリルフラクションからターゲットピークが検出された。しかしながら、本試験のターゲットピークである6.7kDaタンパク質を示すピーク(m/z6680)と、近傍の6632Daピークは、生化学的な手法では分離が困難であった。既出の文献(Engwegen JY et.al.,World J Gastroentrol,2006 Mar 14;12(10):1536-44)では、 m/z6632はアポC−Iであることが確認されている。従って、ターゲットピークは、アポC−Iと関連したタンパク質である可能性が示唆された。
(3)相互作用解析用チップ(RS100)による解析
抗ヒトアポC−I抗体(抗Apo-CI抗体)(Academy Bio-Medical Company,Inc.社製:cat.No.I-5506)を結合させたチップを用いて、ターゲットピークを形成する6.7kDaタンパク質が、6632DaのアポC−Iに関連したタンパク質であるか否かを確認した。
上記のチップ表面は、Carbonyldiimidazol基(Ciphergen Biosystems社製)である。
この相互作用解析用チップの表面にproteinGを常法により結合させ、2mg/ml BSA(in PBS)にてブロッキングを行い、PBSによる洗浄を3回行った。次いで、上記の抗アポC−I抗体(IgG)0.5mg/mlを、スポットあたり4μl結合させ(コントロール抗体:SIGMA社製、Bovine IgG,cat.No.I-5506)、血清サンプル(子宮体癌患者群の血清と、コントロールとして健常人の血清)を、2%FBS/PBSで50倍に希釈して、スポット毎に25μlアプライしてインキュベーションを行った。次いで、Binding/Washing buffer(0.5% TritonX-100/PBS)で3回、PBSで2回洗浄を行い、1mM HEPESで脱塩を行った後、EAM(CHCA)を添加して、風乾を行い、ProteinChipシステム(Ciphergen Biosystems社製)による測定を行った。
その結果を、図17〜18に示す。図17において、上のチャートは、抗アポC−I抗体を用いて、子宮体癌患者群の血清において上記の相互作用解析を行った結果を示しており、下のチャートは、同じくコントロール抗体を用いて行った解析の結果を示している。図17にて示すように、コントロール抗体ではm/z6632(アポC−I)と6680(ターゲットピーク)は検出されず、抗アポC−I抗体を用いた場合のみ、かかる2種類のピークが検出された。これは、m/z6632(アポC−I)はもちろんのこと、m/z6680(ターゲットピーク)もまた、抗アポC−I抗体に結合するタンパク質であること、すなわち、アポC−Iに関連するタンパク質(変質したアポC−I)であることを示唆している。図18において、左側が子宮体癌患者群の血清を用いて、右側がコントロール(健常人)の血清において、上記の相互作用解析を行った結果を示している。子宮体癌患者群の血清からは、m/z6632(アポC−I)と6680(ターゲットピーク)が独立したピークとして検出されているが、コントロールにおいては、ターゲットピークは実質的に認められなかった。よって、当該ターゲットピーク(m/z6680)は、子宮体癌患者群の血清にのみ、実質的に認められるものであることが明らかになった。当該ターゲットピークは、アポC−Iが変質したものと結論付けられるので、血液検体中において、アポC−Iの変質が検出された場合に、当該変質アポC−Iを検体提供者における子宮体癌の存在の指標とすることが可能であることが明らかになった。
シングルマーカー解析におけるデータ解析の流れを図式化して示した図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(LOW)]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6493Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(LOW)]とpH4の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6493Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6487Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH4の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6487Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の3244Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(LOW)]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6691Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(LOW)]とpH4の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6691Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6684Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH4の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の6684Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の3343Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はCHCA]とpH4の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の3343Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 陽イオン交換チップ[CM10:マトリクス分子はSPA(HIGH)]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の19318Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 銅イオン修飾チップ[IMAC30:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の5625Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 銅イオン修飾チップ[IMAC30:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の9370Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 銅イオン修飾チップ[IMAC30:マトリクス分子はCHCA]とpH7の結合・洗浄バッファーで処理して測定を行った場合の28165Daのタンパク質を示すピークについて解析した結果を示す図面である。 抗アポC−I抗体を結合させた相互作用解析用チップを用いて、ターゲットピークが、抗アポC−Iに対して結合性を有することを確認した結果を示す図面である。 抗アポC−I抗体を結合させた相互作用解析用チップを用いて、ターゲットピークが、子宮体癌患者群の血清においてのみ特異的に検出されることを確認した図面である。

Claims (2)

  1. 血液検体中において、アポリポタンパク質C−Iの変質が検出された場合に、当該変質アポリポタンパク質C−Iを検体提供者における子宮体癌の存在の指標とすることを特徴とする、子宮体癌の検出方法。
  2. 血液検体が、血清検体であることを特徴とする、請求項1記載の子宮体癌の検出方法。
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