JP2008116136A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置において、作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えて、衛生状態を保つ。
【解決手段】空気調和装置1は、食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置であって、圧縮機21と熱源側熱交換器23と膨張弁24と利用側熱交換器41とを含む冷媒回路10と、作業室内の空気と冷媒とを利用側熱交換器41において熱交換させて作業室に供給する室内ファン43とを備えており、所定の開始日時になった場合に、通常運転又は装置停止の状態から作業室内の除湿を行う乾燥運転を開始する。
【選択図】図4
【解決手段】空気調和装置1は、食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置であって、圧縮機21と熱源側熱交換器23と膨張弁24と利用側熱交換器41とを含む冷媒回路10と、作業室内の空気と冷媒とを利用側熱交換器41において熱交換させて作業室に供給する室内ファン43とを備えており、所定の開始日時になった場合に、通常運転又は装置停止の状態から作業室内の除湿を行う乾燥運転を開始する。
【選択図】図4
Description
本発明は、空気調和装置、特に、食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置に関する。
例えば、食品工場等のような食品を取り扱う施設の作業室は作業終了時に、衛生上、内壁や床面を日常業務として水洗いを行っている。このため、このような施設の作業室では、作業室の内壁をパネル仕上げで形成する等により、この水洗い作業が容易で、かつ、衛生状態が保たれるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−140452号公報
しかし、食品を取り扱う施設の作業室の内壁をパネル仕上げ等で形成した場合であっても、水洗い後の作業室内が高湿度の雰囲気になるため、例えば、パネル間の目地等にカビ等が発生するおそれがあり、このような作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えようとすると、内壁の仕上げに非常にコストがかかってしまう。また、このような作業室にも空気調和装置が設置される場合はあるが、作業終了後には停止するのが一般的である。
本発明の課題は、食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置において、作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えて、衛生状態を保つことができるようにすることにある。
第1の発明にかかる空気調和装置は、食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置であって、圧縮機と熱源側熱交換器と膨張機構と利用側熱交換器とを含む冷媒回路と、作業室内の空気と冷媒とを利用側熱交換器において熱交換させて作業室に供給する送風ファンとを備えており、所定の開始日時になった場合に、通常運転又は装置停止の状態から作業室内の除湿を行う乾燥運転を開始する。
第2の発明にかかる空気調和装置は、第1の発明にかかる空気調和装置において、所定の開始日時は、作業室における作業が終了した時点から次の作業が開始されるまでの間の日時に設定される。
この空気調和装置では、所定の開始日時になった場合に、通常運転又は装置停止の状態から乾燥運転を開始するようにしているため、所定の開始日時として、作業室における作業が終了した時点から次の作業が開始されるまでの間の日時に設定することで、作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぎ、作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えて、衛生状態を保つことができるようになる。しかも、乾燥運転によって、作業室内の温度も低下するため、カビの発生等の抑える効果を向上させることができる。
第3の発明にかかる空気調和装置は、第1又は第2の発明にかかる空気調和装置において、乾燥運転は、開始から所定時間が経過した場合、又は、所定の終了湿度条件になった場合に終了する。
この空気調和装置では、乾燥運転を、開始から所定時間が経過するまで、又は、所定の終了湿度条件になるまで行うことによって、作業室の除湿を確実に行うことができる。
第4の発明にかかる空気調和装置は、第1〜第3の発明のいずれかにかかる空気調和装置において、乾燥運転においては、圧縮機の運転周波数を最小にする。
この空気調和装置では、圧縮機の運転周波数を最小にして乾燥運転を行うようにしているため、サーモオフしにくくなり、効率的な除湿が可能となる。
第5の発明にかかる空気調和装置は、第1〜第4の発明のいずれかにかかる空気調和装置において、乾燥運転においては、送風ファンの風量を最小にする。
この空気調和装置では、送風ファンの風量を最小にして乾燥運転を行うようにしているため、サーモオフしにくくなり、効率的な除湿が可能となる。
第6の発明にかかる空気調和装置は、第1〜第5の発明のいずれかにかかる空気調和装置において、乾燥運転においては、室内温度の設定値を最低にする。
この空気調和装置では、室内温度の設定値を最低にして乾燥運転を行うようにしているため、サーモオフしにくくなり、効率的な除湿が可能となる。
第7の発明にかかる空気調和装置は、第1〜第6の発明のいずれかにかかる空気調和装置において、乾燥運転において室内温度の設定値に到達した場合には、一時的に暖房に切り換える。
この空気調和装置では、室内温度の設定値に到達してサーモオフになった場合であっても、一時的に暖房に切り換えて室内温度を高めることで、再度、除湿を行うことができるようになるため、作業室の除湿を確実に行うことができる。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1及び第2の発明では、作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぎ、作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えて、衛生状態を保つことができるようになる。しかも、乾燥運転によって、作業室内の温度も低下するため、カビの発生等の抑える効果を向上させることができる。
第3の発明では、作業室の除湿を確実に行うことができる。
第4〜第6の発明では、サーモオフしにくくなり、効率的な除湿が可能となる。
第7の発明では、室内温度の設定値に到達してサーモオフになった場合であっても、一時的に暖房に切り換えて室内温度を高めることで、再度、除湿を行うことができるようになるため、作業室の除湿を確実に行うことができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について説明する。
(1)空気調和装置の全体構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、例えば、食品工場のような食品を取り扱う施設等の作業室の空気調和を行う装置である。空気調和装置1は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、熱源ユニット2と利用ユニット4とを接続する冷媒連絡管6、7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、冷媒連絡管6、7とが接続されることによって構成されている。
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、例えば、食品工場のような食品を取り扱う施設等の作業室の空気調和を行う装置である。空気調和装置1は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、熱源ユニット2と利用ユニット4とを接続する冷媒連絡管6、7とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、熱源ユニット2と、利用ユニット4と、冷媒連絡管6、7とが接続されることによって構成されている。
(2)利用ユニットの構成
利用ユニット4は、例えば、作業室の天井に埋め込みや吊り下げ、あるいは、作業室の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット4は、冷媒連絡管6、7を介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
利用ユニット4は、例えば、作業室の天井に埋め込みや吊り下げ、あるいは、作業室の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット4は、冷媒連絡管6、7を介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路10の一部を構成している。
次に、利用ユニット4の構成について説明する。利用ユニット4は、主として、冷媒回路10の一部を構成する利用側冷媒回路10aを備えている。この利用側冷媒回路10aは、主として、利用側熱交換器41を備えている。
利用側熱交換器41は、冷房時には冷媒の加熱器として機能して作業室内の空気を冷却し、暖房時には冷媒の冷却器として機能して作業室内の空気を加熱する熱交換器である。
利用ユニット4は、本実施形態において、ユニット内に作業室内の空気を吸入して、作業室内の空気と冷媒とを利用側熱交換器41において熱交換させて作業室に供給する送風ファンとしての室内ファン43を備えている。室内ファン43は、室内ファンモータ43aによって駆動される。この室内ファンモータ43aは、インバータ制御等によって運転周波数を可変することが可能になっている。このため、室内ファン43は、室内ファンモータ43aの運転周波数(あるいは回転数)を可変することによって、風量を可変することが可能になっている。
また、利用ユニット4には、各種のセンサが設けられている。具体的には、利用ユニット4内には、ユニット内に吸入される作業室内の空気の温度及び相対湿度を検出する吸入空気温度センサ45及び吸入空気湿度センサ46が設けられている。本実施形態において、吸入空気温度センサ45は、サーミスタからなる。尚、吸入空気温度センサ45と吸入空気湿度センサ46とは、温度及び湿度を検出することが可能なセンサを使用してもよい。また、利用ユニット4は、利用ユニット4を構成する各部の動作を制御する利用側制御部47を備えている。そして、利用側制御部47は、利用ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、リモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、熱源ユニット2との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(3)熱源ユニットの構成
熱源ユニット2は、例えば、建物外等に設置されている。熱源ユニット2は、冷媒連絡管6、7を介して利用ユニット4に接続されており、利用ユニット4の間で冷媒回路10を構成している。
熱源ユニット2は、例えば、建物外等に設置されている。熱源ユニット2は、冷媒連絡管6、7を介して利用ユニット4に接続されており、利用ユニット4の間で冷媒回路10を構成している。
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する熱源側冷媒回路10bを備えている。この熱源側冷媒回路10bは、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器23と、膨張機構としての膨張弁24と、閉鎖弁25、26とを備えている。
圧縮機21は、本実施形態において、冷媒を圧縮するための圧縮機であり、圧縮機モータ21aによって駆動される容積式圧縮機である。この圧縮機モータ21aは、インバータ制御等によって運転周波数を可変することが可能になっている。このため、圧縮機21は、圧縮機モータ21aの運転周波数(あるいは、回転数)を可変することによって、運転容量を可変することが可能になっている。尚、本実施形態において、圧縮機21は、1台のみであるが、これに限定されず、利用ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が並列に接続されたものであってもよい。
四路切換弁22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁であり、冷房時には、熱源側熱交換器23を圧縮機21から吐出された冷媒の冷却器として、かつ、利用側熱交換器41を膨張弁24において減圧された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と熱源側熱交換器23の一端側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と冷媒連絡管7側とを接続し(図1の四路切換弁22の実線を参照)、暖房時には、利用側熱交換器41を圧縮機21において吐出された冷媒の冷却器として、かつ、熱源側熱交換器23を膨張弁24で減圧された冷媒の加熱器として機能させるために、圧縮機21の吐出側と冷媒連絡管7側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と熱源側熱交換器23の一端側とを接続することが可能である(図1の四路切換弁22の破線を参照)。
熱源側熱交換器23は、本実施形態において、冷房時には室外空気を冷却源とする冷媒の冷却器として機能し、暖房時には室外空気を加熱源とする冷媒の加熱器として機能する熱交換器である。熱源側熱交換器23は、その一端側が四路切換弁22に接続され、その他端側が冷媒連絡管6に接続されている。また、熱源側熱交換器23の熱源は室外空気に限定されず、水であってもよい。
膨張弁24は、冷房時には熱源側熱交換器23において冷却されて利用側熱交換器41に送られる冷媒を減圧し、暖房運転時には利用側熱交換器41において冷却されて熱源側熱交換器23に送られる冷媒を減圧する電動膨張弁である。
熱源ユニット2は、本実施形態において、ユニット内に室外空気を吸入して、熱源側熱交換器23に供給した後に室外に排出するための室外ファン27を備えている。室外ファン27は、室外ファンモータ27aによって駆動される。
閉鎖弁25、26は、外部の機器・配管(具体的には、冷媒連絡管6、7)との接続口に設けられた弁である。閉鎖弁25は、膨張弁24に接続されている。閉鎖弁26は、四路切換弁22に接続されている。
また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部28を備えている。そして、熱源側制御部28は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、利用ユニット4の利用側制御部47との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のように、利用側冷媒回路10aと熱源側冷媒回路10bと冷媒連絡管6、7とが接続されて、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。そして、本実施形態の空気調和装置1は、熱源側制御部28と利用側制御部47とからなる制御部8によって、後述のように、四路切換弁22により冷房と暖房とを切り換えて運転を行うことができるようになっている。
(4)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について説明する。
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置1の運転動作としては、熱源側熱交換器23を圧縮機21から吐出された冷媒の冷却器としてかつ利用側熱交換器41を膨張弁24において減圧された冷媒の加熱器として機能させる冷凍サイクル運転としての冷房と、利用側熱交換器41を圧縮機21において吐出された冷媒の冷却器としてかつ熱源側熱交換器23を膨張弁24で減圧された冷媒の加熱器として機能させる冷凍サイクル運転としての暖房とを行うことができる。これらの作業室内の空調負荷に応じて冷房や暖房を行う運転モードを通常運転モードとする。そして、空気調和装置1では、後述のように、所定の開始日時になった場合に、通常運転モード又は装置停止の状態から作業室内の除湿を行う乾燥運転を開始することができるようになっている。この乾燥運転は、通常運転モードとは異なり、作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぐために行われる特別な運転モード(以下、乾燥運転モードとする)である。尚、これらの各運転モードの動作は、空気調和装置1の運転制御手段として機能する制御部8によって行われる。
以下、空気調和装置1の各運転モードの動作について説明する。
(A)通常運転モード
まず、通常運転モードにおける冷房について、図1を用いて説明する。
まず、通常運転モードにおける冷房について、図1を用いて説明する。
冷房時は、四路切換弁22が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が熱源側熱交換器23の一端側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が冷媒連絡管7側に接続された状態となっている。また、閉鎖弁25、26は開にされ、膨張弁24は開度調節されるようになっている。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機21、室外ファン27及び室内ファン43を運転すると、低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧の冷媒となって吐出される。この高圧の冷媒は、四路切換弁22を経由して熱源側熱交換器23に送られて、室外ファン27によって供給される室外空気と熱交換を行って冷却される。そして、この熱源側熱交換器23において冷却された高圧の冷媒は、膨張弁24によって減圧されて低圧の冷媒となった後に、閉鎖弁25及び冷媒連絡管6を経由して、利用ユニット4に送られる。そして、利用ユニット4に送られた低圧の冷媒は、利用側熱交換器41に送られ、室内ファン43によって供給される作業室内の空気と熱交換を行って加熱される。ここで、利用側熱交換器41では、冷媒と熱交換を行うことによって冷却された作業室内の空気中に含まれる水分が結露してドレン水となって表面に付着する。そして、この結露水は、利用側熱交換器41の表面を流下して、図示しないドレンパンによって受けられた後に、利用ユニット4からドレン水として排出される。そして、この利用側熱交換器41において加熱された低圧の冷媒は、冷媒連絡管7を経由して熱源ユニット2に送られ、閉鎖弁26及び四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。このようにして、通常運転モードにおける冷房が行われる。
次に、通常運転モードにおける暖房について、図1を用いて説明する。
暖房時は、四路切換弁22が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が冷媒連絡管7側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が熱源側熱交換器23の一端側に接続された状態となっている。また、閉鎖弁25、26は開にされ、膨張弁24は開度調節されるようになっている。
この冷媒回路10の状態で、圧縮機21、室外ファン27及び室内ファン43を運転すると、低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧の冷媒となって吐出され、四路切換弁22、閉鎖弁26及び冷媒連絡管7を経由して、利用ユニット4に送られる。そして、利用ユニット4に送られた高圧の冷媒は、利用側熱交換器41において、作業室内の空気と熱交換を行って冷却される。そして、この利用側熱交換器41において冷却された高圧の冷媒は、冷媒連絡管6及び閉鎖弁25を経由して、熱源ユニット2に送られる。そして、熱源ユニット2に送られた高圧の冷媒は、膨張弁24によって減圧されて低圧の冷媒となった後に、熱源側熱交換器23に流入し、室外ファン27によって供給される室外空気と熱交換を行って加熱される。そして、この熱源側熱交換器23において加熱された低圧の冷媒は、四路切換弁22を経由して、再び、圧縮機21に吸入される。このようにして、通常運転モードにおける暖房が行われる。
(B)乾燥運転モード
次に、所定の開始日時になった場合に、通常運転モード又は装置停止の状態から開始される乾燥運転モードについて、図1〜図3を用いて説明する。ここで、図2は、通常運転モード又は装置停止と乾燥運転モードとの切り換え処理を示すフローチャートである。図3は、乾燥運転モードの制御処理を示すフローチャートである。
次に、所定の開始日時になった場合に、通常運転モード又は装置停止の状態から開始される乾燥運転モードについて、図1〜図3を用いて説明する。ここで、図2は、通常運転モード又は装置停止と乾燥運転モードとの切り換え処理を示すフローチャートである。図3は、乾燥運転モードの制御処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、空気調和装置1が乾燥運転開始条件に達しているかどうかを判定する。ここで、乾燥運転開始条件は、予め設定された所定の開始日時をいい、この所定の開始日時は、乾燥運転が作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぐことを目的としていることから、作業室における作業が終了した時点から次の作業が開始されるまでの間の日時に設定される。このため、例えば、日々の作業室における作業が終了する時刻が17:30であり、次の作業が開示される時刻が翌8:00である場合には、所定の開始日時としては、乾燥運転の運転時間(例えば、6時間とする)が確保できるように、17:30〜翌1:00の間の時刻から開始されるように設定される。また、この所定の開始日時は、例えば、リモコン(図示せず)を介して設定することができる。そして、空気調和装置1が、通常運転モード又は装置停止の状態において、乾燥運転開始条件を満たす場合には、ステップS2の乾燥運転モードの処理に移行し、乾燥運転開始条件を満たさない場合には、通常運転モード又は装置停止と乾燥運転モードとの切り換え処理を終了する。
次に、ステップS2の乾燥運転モードにおいては、図3に示されるステップS21〜S23の処理が行われる。
まず、ステップS21において、通常運転モードの冷房と同様の冷凍サイクル運転、すなわち、四路切換弁22が図1の実線で示される状態となっており、冷媒が、圧縮機、熱源側熱交換器23、膨張弁24、利用側熱交換器41の順に冷媒回路10を循環する運転を行うことによって、作業室内の除湿を行う。但し、この乾燥運転モードの除湿においては、サーモオフ状態(すなわち、空気調和装置1を構成する機器等の状態値が所定の設定値に到達して、圧縮機21を停止させる等により冷媒回路10内の冷媒の循環が停止した状態)が極力生じないように機器制御を行うことで、効率的な除湿が行われるようにしている。より具体的には、通常運転モードにおける圧縮機21の運転周波数が空調負荷に応じて可変されるのに対して、この乾燥運転モードにおける除湿では、圧縮機21の運転周波数を最小に固定して、冷媒回路10を循環する冷媒の流量を制限している。また、通常運転モードにおける室内ファン43の風量が空調負荷やユーザーの設定に応じて可変されるのに対して、この乾燥運転モードにおける除湿では、室内ファン43の風量を最小(例えば、ファンタップを最小)に固定して、利用側熱交換器41における作業室内の空気と冷媒との熱交換が制限されるようにしている。また、通常運転モードにおける室内設定温度(すなわち、作業室内の空気の温度の設定値)が空調負荷やユーザーの設定に応じて可変されるのに対して、この乾燥運転モードにおける除湿では、室内設定温度を最低に固定して(以下、この室内設定温度を除湿時室内設定温度とする)、吸入空気温度センサ45によって検出される作業室内の空気の温度が除湿時室内設定温度に到達しにくくなるようにしている。尚、サーモオフ状態が極力生じないようにするためには、圧縮機21の運転周波数を最小にすること、室内ファン43の風量を最小にすること、及び室内設定温度を最低にすることをすべて実施することが望ましいが、作業室における作業が終了した時点から次の作業が開始されるまでの間の時間が短い等のように乾燥運転の運転時間が限られている場合には、これら3つのうちいずれか1つ以上を実施するようにしてもよい。
次に、ステップS22において、作業室内の湿度が低下して作業室内の空気の湿度(ここでは、吸入空気湿度センサ46によって検出される作業室内の空気の湿度)が所定の終了湿度条件に到達したかどうかを判定する。ここで、終了湿度条件は、作業室内の湿度が予め設定された所定の室内設定湿度(以下、除湿時室内設定湿度とする)以下になることをいい、この除湿時室内設定湿度は、乾燥運転が作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぐことを目的としていることから、作業室の水洗い作業が終了した時点における作業室内の湿度よりも十分に低い湿度に設定される。このため、例えば、作業室の水洗い作業が終了した時点における作業室内の湿度が80%RHである場合には、これよりも十分に低い湿度である30%RH等の値に設定される。また、この除湿時室内設定湿度は、例えば、リモコン(図示せず)を介して設定することができる。そして、終了湿度条件を満たす場合には、乾燥運転モードにおける除湿を終了して、ステップS3の通常運転モード又は装置停止の状態に復帰する処理に移行し、終了湿度条件を満たさない場合には、ステップS23の処理に移行する。
次に、ステップS23において、乾燥運転モードにおける運転が所定の終了時間条件に到達したかどうかを判定する。ここで、終了時間条件は、乾燥運転モードにおける運転の開始から所定時間(以下、乾燥運転設定時間とする)を経過したことをいい、この乾燥運転設定時間は、乾燥運転が作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぐことを目的としていることから、作業室内の湿度が除湿時室内設定湿度に到達させることができる程度の運転時間に設定される。このため、例えば、乾燥運転設定時間としては、4時間〜9時間に設定される。また、この乾燥運転設定時間は、例えば、リモコン(図示せず)を介して設定することができる。そして、終了時間条件を満たさない場合には、ステップS22の処理に戻り、ステップS22における終了湿度条件、又は、ステップS23における終了時間条件を満たすまで、ステップS22、S23の処理を繰り返し、ステップS22において、ステップS23の終了時間条件を満たす場合には、作業室内の湿度が終了湿度条件に到達しなくても、乾燥運転モードにおける除湿を終了して、ステップS3の通常運転モード又は装置停止の状態に復帰する処理に移行する。
以上のようなステップS1〜S3、S21〜S23の処理により、本実施形態の空気調和装置1では、作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぎ、作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えて、衛生状態を保つことができるようにしている。しかも、乾燥運転によって、作業室内の空気の温度も低下するため、カビの発生等の抑える効果を向上させることができるようになっている。
(5)空気調和装置の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
(A)本実施形態の空気調和装置1では、所定の開始日時になった場合に、通常運転又は装置停止の状態から乾燥運転を開始するようにしているため、所定の開始日時として、作業室における作業が終了した時点から次の作業が開始されるまでの間の日時に設定することで、作業終了後の作業室内が高湿度の雰囲気になるのを防ぎ、作業室の内壁におけるカビの発生等を抑えて、衛生状態を保つことができるようになる。しかも、乾燥運転によって、作業室内の温度も低下するため、カビの発生等の抑える効果を向上させることができる。
また、乾燥運転は、開始から所定時間が経過するまで、又は、所定の終了湿度条件になるまで行われるようになっているため、作業室の除湿を確実に行うことができる。
(B)
本実施形態の空気調和装置1では、乾燥運転において、圧縮機21の運転周波数を最小にしたり、送風ファンとしての室内ファン43の風量を最小にしたり、室内温度の設定値としての除湿時室内設定温度を最低にしているため、サーモオフしにくくなり、効率的な除湿が可能になっている。
本実施形態の空気調和装置1では、乾燥運転において、圧縮機21の運転周波数を最小にしたり、送風ファンとしての室内ファン43の風量を最小にしたり、室内温度の設定値としての除湿時室内設定温度を最低にしているため、サーモオフしにくくなり、効率的な除湿が可能になっている。
(6)変形例1
上述の実施形態では、ステップS1(図2等参照)の乾燥運転開始条件として、所定の開始日時を設定しているが、乾燥運転を開始する前から作業室内の湿度が低い場合(例えば、作業室内の湿度が除湿時室内設定湿度以下になっている場合)には、乾燥運転を必要としない場合がある。
上述の実施形態では、ステップS1(図2等参照)の乾燥運転開始条件として、所定の開始日時を設定しているが、乾燥運転を開始する前から作業室内の湿度が低い場合(例えば、作業室内の湿度が除湿時室内設定湿度以下になっている場合)には、乾燥運転を必要としない場合がある。
そこで、本変形例では、ステップS1の乾燥運転開始条件として、所定の開始日時とともに、所定の開始湿度条件(例えば、作業室内の湿度が除湿時室内設定湿度以下になっていること)を加えるようにしている。
これにより、不必要に乾燥運転を開始するのを避けることができる。
(7)変形例2
上述の実施形態及び変形例1では、ステップS21(図3等参照)において、サーモオフ状態が極力生じないように機器制御を行っているが、例えば、作業室内の温度が低い場合には、ステップS22、S23の終了湿度条件や終了時間条件に到達する前に、除湿時室内設定温度に到達してしまい、サーモオフ状態になるおそれがある。
上述の実施形態及び変形例1では、ステップS21(図3等参照)において、サーモオフ状態が極力生じないように機器制御を行っているが、例えば、作業室内の温度が低い場合には、ステップS22、S23の終了湿度条件や終了時間条件に到達する前に、除湿時室内設定温度に到達してしまい、サーモオフ状態になるおそれがある。
そこで、本変形例では、図4に示されるように、上述のステップS21〜S23の処理に加えて、ステップS22、S23において、終了湿度条件及び終了時間条件に到達しなかった場合には、ステップS24〜S27の処理を行うようにしている。以下、本変形例における乾燥運転モードのステップS24〜S27の処理について、図4を用いて説明する。
まず、ステップS23において、終了時間条件に到達しなかった場合(すなわち、終了湿度条件及び終了時間条件に到達しなかった場合)には、ステップS24において、作業室内の温度が低下して作業室内の温度(ここでは、吸入空気温度センサ45によって検出される作業室内の空気の温度)が所定の温度条件に到達したどうかを判定する。ここで、温度条件は、乾燥運転モードにおける除湿が室内設定温度を最低に固定して行われている場合には、除湿時室内設定温度以下になることをいう。そして、作業室内の湿度がステップS22の終了湿度条件及びステップS23の終了時間条件に到達する前に、この所定の温度条件を満たす場合には、乾燥運転モードにおける除湿がサーモオフ状態になり、さらに、このサーモオフ状態が所定時間(例えば、15分〜30分)以上継続した場合には、これ以上、乾燥運転モードにおける除湿を行うことができない状態にあると判定して、ステップS25〜S27の処理に移行し、所定の温度条件が所定時間以上継続しない場合には、乾燥運転モードにおける除湿を行うことができる状態にあると判定して、ステップS22の処理に戻り、ステップS22における終了湿度条件、ステップS23における終了時間条件、又は、ステップS24における温度条件を満たすまで、ステップS22、S23、S24の処理を繰り返す。
次に、ステップS24において、乾燥運転モードにおける除湿を行うことができない状態にあると判定された場合には、ステップS25において、通常運転モードの暖房と同様の冷凍サイクル運転、すなわち、四路切換弁22が図1の破線で示される状態となっており、冷媒が、圧縮機、利用側熱交換器41、膨張弁24、熱源側熱交換器23の順に冷媒回路10を循環する運転に切り換えることによって、作業室内の暖房を行う。尚、この乾燥運転モードの暖房は、サーモオフ状態を解消して、再び、除湿を行うことができるようにすることを目的とした一時的な運転である。このため、ステップS26において、ステップS25暖房における室内設定温度は、除湿時室内設定温度に数度(例えば、2〜3度)だけ加えた温度に設定され(以下、この条件を暖房終了条件とする)、この暖房終了条件に到達するまで行われ、この暖房終了条件に到達した場合には、ステップS27に移行し、ステップS21と同様の乾燥運転モードにおける除湿を再開し、ステップS22の処理に戻る。
これにより、本変形例では、乾燥運転モードにおける除湿において、終了湿度条件及び終了時間条件に到達する前に、室内温度の設定値としての除湿時室内設定温度に到達してサーモオフになった場合であっても、一時的に暖房に切り換えて、室内温度を高めることで、サーモオフ状態を回避して、再度、作業室内の除湿を行うことができるようになるため、作業室の除湿を確実に行うことができる。
(8)他の実施形態
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(A)
上述の実施形態及びその変形例では、1台の熱源ユニットに1台の利用ユニットが接続された構成を有する空気調和装置に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、1台の熱源ユニットに複数台の利用ユニットが接続された構成や複数台の熱源ユニットに1台の利用ユニットが接続された構成、あるいは、複数台の熱源ユニットに複数台の利用ユニットが接続された構成を有する空気調和装置に本発明を適用してもよい。
上述の実施形態及びその変形例では、1台の熱源ユニットに1台の利用ユニットが接続された構成を有する空気調和装置に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、1台の熱源ユニットに複数台の利用ユニットが接続された構成や複数台の熱源ユニットに1台の利用ユニットが接続された構成、あるいは、複数台の熱源ユニットに複数台の利用ユニットが接続された構成を有する空気調和装置に本発明を適用してもよい。
(B)
上述の実施形態及びその変形例では、利用ユニットと熱源ユニットが冷媒連絡管を介して接続されたセパレート型の空気調和装置に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、例えば、両ユニットの構成機器が一体のユニットに内蔵された一体型の空気調和装置に本発明を適用したり、圧縮機が利用ユニットに内蔵されかつ熱源側熱交換器及び室外ファンが熱源ユニットに内蔵された、いわゆる、リモートコンデンサ型の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
上述の実施形態及びその変形例では、利用ユニットと熱源ユニットが冷媒連絡管を介して接続されたセパレート型の空気調和装置に本発明を適用した例を説明したが、これに限定されず、例えば、両ユニットの構成機器が一体のユニットに内蔵された一体型の空気調和装置に本発明を適用したり、圧縮機が利用ユニットに内蔵されかつ熱源側熱交換器及び室外ファンが熱源ユニットに内蔵された、いわゆる、リモートコンデンサ型の空気調和装置に本発明を適用してもよい。
本発明を利用すれば、食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置において、作業室の内壁におけるカビ等の発生を抑えて、衛生状態を保つことができる。
1 空気調和装置
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 熱源側熱交換器
24 膨張弁(膨張機構)
41 利用側熱交換器
43 室内ファン(送風ファン)
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 熱源側熱交換器
24 膨張弁(膨張機構)
41 利用側熱交換器
43 室内ファン(送風ファン)
Claims (7)
- 食品を取り扱う施設の作業室の空気調和を行う空気調和装置であって、
圧縮機(21)と熱源側熱交換器(23)と膨張機構(24)と利用側熱交換器(41)とを含む冷媒回路(10)と、
前記作業室内の空気と冷媒とを前記利用側熱交換器において熱交換させて前記作業室に供給する送風ファン(43)とを備え、
所定の開始日時になった場合に、通常運転又は装置停止の状態から前記作業室内の除湿を行う乾燥運転を開始する、
空気調和装置(1)。 - 前記所定の開始日時は、前記作業室における作業が終了した時点から次の作業が開始されるまでの間の日時に設定される、請求項1に記載の空気調和装置(1)。
- 前記乾燥運転は、開始から所定時間が経過した場合、又は、所定の終了湿度条件になった場合に終了する、請求項1又は2に記載の空気調和装置(1)。
- 前記乾燥運転においては、前記圧縮機(21)の運転周波数を最小にする、請求項1〜3のいずれかに記載の空気調和装置(1)。
- 前記乾燥運転においては、前記送風ファン(43)の風量を最小にする、請求項1〜4のいずれかに記載の空気調和装置(1)。
- 前記乾燥運転においては、室内温度の設定値を最低にする、請求項1〜5のいずれかに記載の空気調和装置(1)。
- 前記乾燥運転において室内温度の設定値に到達した場合には、一時的に暖房に切り換える、請求項1〜6のいずれかに記載の空気調和装置(1)。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018169102A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 高砂熱学工業株式会社 | 空調方法および空調システム |
EP2513244B1 (fr) | 2009-12-18 | 2020-09-16 | Arkema France | Procede metant en oeuvre de fluides de transfert de chaleur a inflammabilite reduite |
CN113819604A (zh) * | 2021-09-08 | 2021-12-21 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 一种空调控制方法、控制装置及空调器 |
-
2006
- 2006-11-06 JP JP2006300190A patent/JP2008116136A/ja active Pending
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CN113819604B (zh) * | 2021-09-08 | 2022-11-18 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 一种空调控制方法、控制装置及空调器 |
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