JP2008115796A - 内燃機関の還元剤分散装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の排気に供給された還元剤を排気中に分散させる還元剤分散装置において、排気の流量に拘らず、排気における還元剤の分散性と該還元剤分散装置における圧損とを好適に維持できる技術を提供する。
【解決手段】排気管2に渡された複数の軸7cに回動可能に支持された複数の傾斜板7aを有し、各傾斜板7aは、傾斜角θが大きくなる方向に付勢バネ7dによって付勢されている。排気の流量が変化すると、排気の風圧に基づく力と、付勢バネ7dによる付勢力とが釣り合うまで、傾斜板7aの傾斜角θが変更される。
【選択図】図2
【解決手段】排気管2に渡された複数の軸7cに回動可能に支持された複数の傾斜板7aを有し、各傾斜板7aは、傾斜角θが大きくなる方向に付勢バネ7dによって付勢されている。排気の流量が変化すると、排気の風圧に基づく力と、付勢バネ7dによる付勢力とが釣り合うまで、傾斜板7aの傾斜角θが変更される。
【選択図】図2
Description
本発明は内燃機関の排気に添加された還元剤を排気通路内で分散させる内燃機関の還元剤分散装置に関する。
内燃機関の排気にはNOxなどの有害物質が含まれている。これらの有害物質の排出を
低減するために、内燃機関の排気系に、排気中のNOxを浄化するNOx触媒からなる排気浄化装置を設けることが知られている。この技術において、NOx触媒として例えば吸蔵
還元型NOx触媒を設けた場合には、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能により排気中のNOxを浄化することができる。
低減するために、内燃機関の排気系に、排気中のNOxを浄化するNOx触媒からなる排気浄化装置を設けることが知られている。この技術において、NOx触媒として例えば吸蔵
還元型NOx触媒を設けた場合には、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中のNOxを吸蔵し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸蔵していたNOxを還元する機能により排気中のNOxを浄化することができる。
また、この吸蔵還元型NOx触媒においては、吸蔵されたNOxの量が増加すると浄化性能が悪化するため、吸蔵還元型NOx触媒に還元剤を供給し、同触媒に吸蔵されたNOxを還元放出することが行われる(以下、「NOx還元処理」という。)。さらに、NOx触媒に排気中のSOxが吸蔵され、浄化性能が劣化するSOx被毒を解消するために、NOx触
媒の床温を上昇させるとともに還元剤を供給する場合もある(以下、「SOx被毒回復処
理」という。)。
媒の床温を上昇させるとともに還元剤を供給する場合もある(以下、「SOx被毒回復処
理」という。)。
一方、内燃機関の排気にはカーボンを主成分とする微粒子物質(PM:Particulate Matter)が含まれている。これらの微粒子物質の大気への放散を防止するために内燃機関の排気系に微粒子物質を捕集するパティキュレートフィルタ(以下、「フィルタ」という。)を設ける技術が知られている。
かかるフィルタにおいては、捕集された微粒子物質の堆積量が増加すると、フィルタの目詰まりによって排気における背圧が上昇し機関性能が低下するので、例えばフィルタまたはフィルタ上流の酸化触媒に還元剤を供給してフィルタの温度を上昇させ、捕集された微粒子物質を酸化除去することとしている(以下、「PM再生処理」という。)。
ここで、排気に添加された還元剤が、排気中に充分に分散されないままNOx触媒やフ
ィルタなどの排気浄化装置に導入された場合には、上記したNOx還元処理、SOx被毒回復処理、PM再生処理などの、排気浄化装置における浄化能力の再生処理の効率が悪化する場合がある。その結果、前記再生処理に係る燃費の悪化や、エミッションの悪化が生じるおそれがあった。
ィルタなどの排気浄化装置に導入された場合には、上記したNOx還元処理、SOx被毒回復処理、PM再生処理などの、排気浄化装置における浄化能力の再生処理の効率が悪化する場合がある。その結果、前記再生処理に係る燃費の悪化や、エミッションの悪化が生じるおそれがあった。
これに関連する技術としては、煙道ガスダクト内の、還元剤の噴射装置の下流側に、煙道ガスの流れに対して斜めになるように固定的に組み込まれた複数のプレートによって、混合器を構成する技術などが提案されている (例えば、特許文献1。)。
しかし、この技術においては、内燃機関の運転状態によって変化する排気の流量によって排気における還元剤の分散性や圧損が変化してしまう場合があった。具体的には排気の流速が小さいと還元剤の分散性が悪化し、排気の流速が大きいと還元剤を分散させる際の排気の圧損が高くなり機関出力やエミッションに影響を及ぼす場合があった。
特表2003−503172号公報
特開平5−125923号公報
特開平7−310532号公報
本発明の目的とするところは、内燃機関の排気に供給された還元剤を排気中に分散させる還元剤分散装置において、排気の流量に拘らず、排気における還元剤の分散性と該還元剤分散装置における圧損とを好適に維持できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、少なくとも傾斜方向の異なる2つ以上の傾斜板を含んだ複数の傾斜板を有する還元剤分散装置であって、傾斜板の傾斜角が排気の風圧に応じて変更されることを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関の排気が通過する排気通路に設けられ、上流において該排気に供給された還元剤を該排気中に分散させる内燃機関の還元剤分散装置であって、
前記排気の進行方向に対して傾斜した複数の傾斜板を有し、
前記複数の傾斜板の少なくとも一部の傾斜板は、互いに傾斜方向が異なり、
前記複数の傾斜板の、前記排気の進行方向に対する角度である傾斜角度は、前記排気の風圧によって変更されることを特徴とする。
前記排気の進行方向に対して傾斜した複数の傾斜板を有し、
前記複数の傾斜板の少なくとも一部の傾斜板は、互いに傾斜方向が異なり、
前記複数の傾斜板の、前記排気の進行方向に対する角度である傾斜角度は、前記排気の風圧によって変更されることを特徴とする。
すなわち、本発明における還元剤分散装置は、排気の進行方向に対して傾斜した複数の傾斜板を有している。これにより、少なくとも2枚以上の傾斜板によって、該還元剤分散装置に導入される還元剤及び排気の流れを変更させることができ、排気における還元剤の分散を促進することができる。
そして、前記複数の傾斜板には、少なくとも傾斜方向の異なる傾斜板が含まれているので、本還元剤分散装置において還元剤及び排気が流れを変更する際に、2方向以上に流れを変更された排気及び還元剤を排出することができ、排気における還元剤の分散性をさらに向上させることができる。なお、ここで傾斜板の傾斜方向とは、傾斜板の法線の、排気の進行方向に対する傾き方向を意味する。換言すると、傾斜板が排気通路の周方向における如何なる方向に傾いているかを意味する。
例えば、本発明に係る還元剤分散装置の傾斜板は、傾斜方向が互いに180度異なる傾斜板を含んでいてもよい。この場合は、排気の進行方向に対して互いに反対方向に傾いた傾斜板を有することとなる。また、本発明に係る還元剤分散装置の傾斜板は、傾斜方向が互いに90度異なる傾斜板を含んでいてもよい。この場合は、排気の進行方向に対して互いに直角方向に傾いた傾斜板を有することとなる。
さらに、本発明においては、前記複数の傾斜板の、前記排気の進行方向に対する角度である傾斜角度は、前記排気の風圧によって変更される。従って、排気の風圧に応じて最適な角度まで傾斜板を排気の進行方向に対して傾けることができ、排気の風圧に応じて還元剤の分散の促進度合いを最適に維持することができる。
ここで、傾斜板の傾斜角度が大きければ、還元剤の分散性が向上するとともに還元剤分散装置における排気の圧損が増加し、傾斜板の傾斜角度が小さければ、還元剤の分散性が抑えられるとともに還元剤分散装置における排気の圧損が減少する傾向がある。従って、本発明においては、排気の風圧に応じて、還元剤の分散性と排気の圧損とをバランスさせた傾斜角度を選択することで、還元剤の分散性と排気の圧損の両方を、好適に維持することが可能となる。
ここで排気の風圧は、排気の流量が多いほど高くなる関係がある。従って、本発明においては換言すると、排気の流量に応じて還元剤の分散性と排気の圧損とを好適に維持させ
ることが可能となる。
ることが可能となる。
なお、ここで傾斜角度とは、前記排気の進行方向に対する角度であるが、この角度は、ある傾斜板がその傾斜方向にどの程度傾いているかを示している。また、傾斜板の機能を考慮すると、傾斜角度は実質的には0度〜90度の範囲で決定される。例えば、傾斜角度が0度とは、傾斜板が排気の進行方向と平行である状態を示し、傾斜角度が90度とは、傾斜板が排気の進行方向に垂直である状態を示す。
また、本発明においては、前記傾斜角度は、排気の風圧が大きいほど小さい角度に変更されるようにしてもよい。
ここで、排気の風圧が大きいほど前記傾斜角度を小さくすることにより、排気の風圧が大きいほど相対的に排気通路内の有効断面積を増加させることができる。従って、排気の風圧が大きい状態において排気通路における背圧を低く抑えることができ、排気の風圧が内燃機関の運転性能に影響を及ぼすことを抑制できる。なお、この状態においては、前記傾斜角度が小さいために、排気における還元剤の分散性が抑えられるが、本来排気の風圧が大きい状態においては還元剤の分散度合いが大きいので、この点は問題となりづらい。
一方、本発明においては排気の風圧が小さい状態では、前記傾斜角度が大きくなり90度に近づくので、傾斜板と衝突した排気及び還元剤の流れの変化を大きくすることができ、また、排気通路の有効断面積を小さく抑えることができる。そうすると、還元剤分散装置を通過する際の排気の流れの変化をより大きくすることができ、排気における還元剤の分散を促進できる。
また、本発明においては、前記傾斜板は、弾性体によって前記傾斜角度が大きくなる側に付勢されており、前記傾斜角度は、前記排気の風圧によって、該風圧に基づく力と前記弾性体の弾性力とがつり合う角度に変更されるようにしてもよい。
そうすれば、排気の風圧が大きいほど、傾斜板の傾斜角度が小さくなるように、傾斜板を自動的に制御することができ、より簡単な構成及び方法で、排気の風圧に拘らず、還元剤の分散性と還元剤分散装置における圧損とを好適に維持することができる。また、傾斜板を制御するための動力を必要としないので、燃費を向上させることができる。
また、本発明においては、前記複数の傾斜板のうちの少なくとも2つの傾斜板は、互いに共通の回転軸回りに回動可能に支持されることにより、前記排気通路の上流側に対して楔状に対向する楔部を形成し、前記楔部の開き角度は前記排気の風圧が大きいほど小さくなるようにしてもよい。
すなわち、前記複数の傾斜板のうちの2つを共通の回転軸回りに回動可能に支持して1つの楔部を形成させる。そして、この回転軸は、排気の進行方向に垂直に配置させる。また、楔部を形成する傾斜板の間の開き角度が、排気の風圧が大きいほど小さくなるようにする。そうすれば、この楔部に衝突する排気及び還元剤は互いに反対方向に方向転換することとなり、より効率的に還元剤の分散性を向上させることができる。
また、本発明に係る還元剤分散装置においては、前記楔部を複数個備えるようにしてもよい。そうすれば、より確実に還元剤の分散性を向上させることができる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明にあっては、内燃機関の排気に供給された還元剤を排気中に分散させる還元剤分散装置において、排気の流量に拘らず、排気における還元剤の分散性と該還元剤分散装置における圧損とを好適に維持することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関及び排気系、制御系の概略構成を示す図である。なお、図1においては内燃機関の内部及び吸気系については図示を省略している。
図1において内燃機関1には、排気管2が接続されている。排気管2には、還元剤としての燃料を添加する燃料添加弁5が設けられている。また燃料添加弁5の下流には、排気管2を通過する排気中の微粒子物質を捕集するとともに排気中のNOxを浄化する排気浄
化装置3が設けられている。この排気浄化装置3には、吸蔵還元型NOx触媒及びフィル
タが内臓されている。この排気浄化装置3の下流において排気管2は図示しないマフラに接続され、その下流において大気に開放されている。
化装置3が設けられている。この排気浄化装置3には、吸蔵還元型NOx触媒及びフィル
タが内臓されている。この排気浄化装置3の下流において排気管2は図示しないマフラに接続され、その下流において大気に開放されている。
また、排気管2における燃料添加弁5と排気浄化装置3との間には、燃料添加弁5から添加された燃料を排気中に、より均一に分散させる分散装置7が形成されている。燃料添加弁5から添加された燃料がこの分散装置7を通過する際に、排気の進行方向に対して横方向の力を受けて排気管2全体に分散し、還元剤としての燃料が排気浄化装置3全体により均一に導入されるようになっている。
また、内燃機関1には、電子制御コンピュータであるECU20が併設されている。ECU20は図示しないROM、RAM、CPU、入力ポート、出力ポート等を備え、内燃機関1の運転状態や運転者による要求に応じて、燃料噴射等の既知の制御を行う。また、燃料添加弁5からの還元剤としての燃料の添加制御もこのECU20からの指令に基づいて行なわれる。
ここで、例えば排気管2における分散装置7が、静止した羽根によってあるいは排気管3の軸に垂直な断面の全域に開口部を分布させることによって、燃料を排気の全体に分散させようとした場合について考える。この場合は、内燃機関1の運転状態によって排気の流量が変化すると、還元剤の排気への分散性と、分散装置7における圧損とを好適に維持することが困難な場合があった。具体的には、排気の流量が少ない場合には、排気流量エネルギが低く燃料を排気の流れに乗せづらいため、充分な分散性を得ることができない場合があった。一方、排気の流量が多い場合には、分散装置7における圧損が大きくなり、内燃機関1の運転性能に影響を及ぼすおそれがあった。
そこで、本実施例においては、分散装置7内に複数の傾斜板7aを設け、その傾斜板7aの排気の進行方向に対する角度θが、排気の風圧に応じて自動的に変化する構成とした。
図2には、本実施例における分散装置7の構成を示す。図2(a)は排気の流量が少なく風圧が比較的低い状態を、図2(b)は排気の流量が多く風圧が比較的高い状態を示している。
図2(a)に示すように、本実施例における分散装置7は6枚の傾斜板7aを有してい
る。全ての傾斜板7aは、排気管2に図2中水平方向に渡された傾斜板軸7cの回りに回動可能に支持されている。排気管2の上下の壁面に設けられた2つの傾斜板軸7cには、それぞれ1枚の傾斜板7aが支持されている。排気管2の内部には、排気の進行方向に平行に支持板7bが2枚設けられており、この支持板7bの上流端に設けられた傾斜板軸7cにはそれぞれ2枚の傾斜板7aが回動可能に支持されている。なお、本実施例において楔部は、支持板7bの上流端の傾斜板軸7cに支持された2枚の傾斜板7aによって形成されている。
る。全ての傾斜板7aは、排気管2に図2中水平方向に渡された傾斜板軸7cの回りに回動可能に支持されている。排気管2の上下の壁面に設けられた2つの傾斜板軸7cには、それぞれ1枚の傾斜板7aが支持されている。排気管2の内部には、排気の進行方向に平行に支持板7bが2枚設けられており、この支持板7bの上流端に設けられた傾斜板軸7cにはそれぞれ2枚の傾斜板7aが回動可能に支持されている。なお、本実施例において楔部は、支持板7bの上流端の傾斜板軸7cに支持された2枚の傾斜板7aによって形成されている。
また、排気管2の壁面または支持板7bと、傾斜板7aとの間には、傾斜板7aを開き側、換言すると排気の進行方向に対する角度θ(以下、傾斜角θという。)が大きくなる方向に付勢する付勢バネ7dが設けられている。従って、傾斜板7aは、排気の風圧に基づいて傾斜板7aを閉じようとする力と付勢バネ7dによる傾斜板7aを開こうとする力とが釣り合う角度で姿勢が保持される。
そうすると、図2(a)のように排気の流量が少ない場合には、傾斜板7aは、傾斜角θが比較的大きい姿勢で保持される。従って、燃料添加弁5から添加された燃料8は傾斜板7aによって進行方向と垂直方向により大きな力を受ける。また、傾斜板7a同士の隙間が狭くなるので、その隙間を通過するために排気及び燃料8の流れはより大きく変化する。その結果、分散装置7における燃料の分散性を向上させることができる。
一方、図2(b)に示すように排気の流量が多い場合には、傾斜角θが小さくなる。従ってこの場合には、燃料添加弁5から添加された燃料8は傾斜板7aによってあまり大きな力を受けない。また、傾斜板7aの間の隙間が大きくなるので、その隙間を通過する際に排気の流れはあまり変化しない。その結果、分散装置7における圧損を低減することができる。また、この場合には燃料の分散性は抑えられるが、排気の流量が大きい状態では排気管2の外周付近にも充分な排気の流れができ排気流速エネルギも高いために、本来分散性が高く、このことは問題となりづらい。
以上、説明したように、本実施例における分散装置7は、複数の傾斜板7aを有しており、この傾斜板7aは、傾斜角θが大きくなるように付勢バネ7dによって付勢されている。そして、排気の風圧と付勢力とが釣り合う角度で傾斜板7aの姿勢が保持される。
従って、排気の流速が少ないほど(排気の風圧が小さいほど)、傾斜板7aの傾斜角θを自動的に大きくすることができ、分散性の低下し易い運転状態において、自動的に分散装置7における分散性を向上させることができる。一方、排気の風圧が大きいほど、傾斜板7aの傾斜角θを自動的に小さくすることができ、分散装置7における圧損を自動的に好適な値に調節することができる。
なお、本実施例においては、傾斜板軸7cは、排気管2に水平に渡されている。従って本実施例における傾斜板7aの傾斜方向は、図2(a)の鉛直上方向と鉛直下方向である。また、本実施例において傾斜角θが傾斜角度に相当する。また、本実施例において楔部を形成する2つの傾斜板7aの間の角(2θ)は、楔部の開き角度に相当する。
また、上記の実施例においては、傾斜板7aを付勢バネ7dによって、傾斜角θを大きくする方向に付勢する例について説明したが、この付勢バネ7dの代わりにゴムなどの他の弾性体を用いてもよいことはもちろんである。
次に、弾性力以外の力を利用して傾斜板を付勢する例について説明する。本実施例においては、電磁力を利用して、傾斜角θを大きくする方向に傾斜板7aを付勢する。図3に
は、本実施例における分散装置7の概略構成を示す。
は、本実施例における分散装置7の概略構成を示す。
本実施例においては、図3に示すように、傾斜板7aと排気管2の上下の壁面との間及び、傾斜板7aと支持板7bとの間には、同極が向かい合うように永久磁石7eが備え付けられている。
このように、永久磁石同士の反発力を利用して、傾斜板7aを傾斜角θが大きくなる方向に付勢しても構わない。また、この場合には、排気熱の永久磁石の性能への影響を排除するために、図3(b)に示すように、傾斜板軸7cを排気管2の外部まで引き出し、傾斜板7a、支持板7bと連動する外部傾斜板7f、外部支持板(不図示)を形成し、この外部傾斜板7fと外部支持板に永久磁石を備えるように構成しても構わない。
さらに、各傾斜板7aまたは各外部傾斜板7fに対して、傾斜角θが大きくなる方向に電動モータや電磁ソレノイドなどの電磁アクチュエータで直接付勢力を作用させても構わない。電磁アクチュエータで傾斜板7aに直接付勢力を作用させる場合には、傾斜板7aの傾斜角θに拘らず一定の付勢力が作用するようにしてもよい。また、排気の流量(風圧)と、最適な傾斜角θとの関係を予め実験的に求めて格納したマップと、排気の流量(風圧)を検出する流量センサ(不図示)をさらに設けてもよい。この場合には、流量センサによって検出された流量に対応する傾斜角θを前記マップから読み出し、傾斜角θが排気の流量(風圧)に対する最適値となるように電磁アクチュエータによる付勢力を制御してもよい。なお、ここで最適な傾斜角θとは、排気の流量の値に対して、要求される分散性を充足させ且つ分散装置7における圧損が許容範囲内となる傾斜板7aの角度である。
次に、傾斜板7aを排気管2内に3次元的に配置した例について説明する。すなわち、本実施例においては、図4に示すように、傾斜板軸7cを水平方向に渡して傾斜板7aを支持させた分散装置7と、傾斜板軸17cを鉛直方向に渡して傾斜板17aを支持させた第2分散装置17とを、排気の進行方向に並べて配置させた。
このように、傾斜板の傾斜方向が異なる複数の分散装置を、排気の進行方向に並べることにより、排気及び還元剤としての燃料の運動方向をより多用に変化させることができ、排気における還元剤の分散性をより向上させることができる。
このような場合には、排気の進行方向に並べられる個々の分散装置における付勢バネの付勢力は、並べられる分散装置の個数に応じて弱くしてもよい。そうすれば、全体としての圧損が大きくなることを抑制することができる。
次に、分散装置において傾斜板軸または、傾斜板軸における傾斜板の配置を変更した例について説明する。図5(a)には、傾斜板27aが1本の傾斜板軸27cに複数配置された例について示す。
図5(a)の例では、4本の傾斜板軸27cが水平方向に渡され、排気管2の中央寄りの2本の傾斜板軸27aには、傾斜板軸27cの軸方向に複数の傾斜板27aが設けられている。そして、隣り合う2本の傾斜板軸27cの間には、各傾斜板軸27aに設けられた傾斜板27aが交互に並ぶように傾斜板27aが設けられている。
この例では、排気の風圧によって傾斜板27aの傾斜角θが小さくなるように傾いた場合に、傾斜板軸27cの軸方向にも異なる傾斜方向の傾斜板27aが交互に並ぶこととなる。この構成により、排気における還元剤の分散性をより向上させることが可能となる。
また、図5(b)に示した例においては、互いに直交する2本の傾斜板軸37cを有し、各傾斜板軸37cに三角形の傾斜板37aを回動可能に支持している。この例においても、各傾斜板軸37cの軸方向に複数の傾斜板37aを配置することができ、還元剤である燃料の分散性を向上させることができる。
1・・・内燃機関
2・・・排気管
3・・・排気浄化装置
5・・・燃料添加弁
7、17・・・分散装置
7a、17a、27a、37a・・・傾斜板
7b・・・支持板
7c、17c、27c、37c・・・傾斜板軸
7d・・・付勢バネ
7e・・・永久磁石
7f・・・外部傾斜板
8・・・燃料
20・・・ECU
2・・・排気管
3・・・排気浄化装置
5・・・燃料添加弁
7、17・・・分散装置
7a、17a、27a、37a・・・傾斜板
7b・・・支持板
7c、17c、27c、37c・・・傾斜板軸
7d・・・付勢バネ
7e・・・永久磁石
7f・・・外部傾斜板
8・・・燃料
20・・・ECU
Claims (4)
- 内燃機関の排気が通過する排気通路に設けられ、上流において該排気に供給された還元剤を該排気中に分散させる内燃機関の還元剤分散装置であって、
前記排気の進行方向に対して傾斜した複数の傾斜板を有し、
前記複数の傾斜板の少なくとも一部の傾斜板は、互いに傾斜方向が異なり、
前記複数の傾斜板の、前記排気の進行方向に対する角度である傾斜角度は、前記排気の風圧によって変更されることを特徴とする内燃機関の還元剤分散装置。 - 前記傾斜角度は、前記排気の風圧が大きいほど小さい角度に変更されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の還元剤分散装置。
- 前記傾斜板は、弾性体によって前記傾斜角度が大きくなる側に付勢され、
前記傾斜角度は、前記排気の風圧によって、該風圧に基づく力と前記弾性体の弾性力とがつり合う角度に変更されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の還元剤分散装置。 - 前記複数の傾斜板のうちの少なくとも2つの傾斜板は、互いに共通の回転軸回りに回動可能に支持されることにより、前記排気通路の上流側に対して楔状に対向する楔部を形成し、
前記楔部の開き角度は前記排気の風圧が大きいほど小さくなることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の還元剤分散装置。
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