JP2008115598A - 制震方法並びに装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の制震装置において、連続して発生する複数回の外力荷重や長時間に亘って発生する外力荷重に対しても安定した制震性能を継続して発揮することを可能とする。
【解決手段】外力荷重を受けて建物の躯体6が変形する際に躯体6の上部梁7に固定された支持部材2に回転可能に支持された円盤3を下部梁9に固定されたストッパー5の表面を回転移動させてからストッパー5から離すことによって外力荷重による力学エネルギーを円盤3の回転エネルギーに分配して躯体6の変形に寄与するひずみエネルギーを減少させると共に、躯体6の変形が元に戻る際に円盤3をストッパー5に接触させることによって外力荷重による力学エネルギーを円盤3とストッパー5との衝突のエネルギーとして消費して減少させるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、制震方法並びに装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、地震や風などによる建物の振動を速やかに減衰させて建物の主要構造部を健全に保つ仕組みとして用いて好適な制震方法並びに装置に関する。
地震や風などの外力荷重を受けると建物は水平方向に振動する。建物の変形が小さく建物の主要構造を形成する柱、梁及び壁のひずみが弾性範囲内にあるときは、建物に損傷が発生することはない。しかし、過大な外力荷重を受けて建物の水平方向の変形が大きくなって建物の主要構造部材である柱材、梁材及び壁材のひずみが弾性範囲を超えると建物に損傷が発生する。さらに、外力荷重が甚大となって建物の変形がより大きく進行すると主要構造部材が破壊されて建物全体が崩壊に至る。これを防止する方法として建物の層間に振動エネルギーを吸収するための制震装置(ダンパーとも呼ばれる)を設置して建物を制震構造とする方法があり、中高層建物や超高層建物に導入されている。制震構造を構成する制震装置では、地震や風によって建物に発生した運動エネルギーを大きく且つ効率的に減少させる性能が重要である。
従来の制震装置の原理としては、建物層間の運動エネルギーを鋼材などの破壊エネルギーとして消費するものや熱エネルギーに変換して消失させるものがある。建物層間の運動エネルギーを鋼材などの破壊エネルギーとして消費するものは、具体的には、建物層間に例えば低降伏点鋼,鉛,鋼棒など耐力の弱い鋼材を設置し、建物の運動エネルギーを鋼材が破壊されるときに消費されるエネルギーに変換することによって建物の力学エネルギーを減少させて建物の振動を減衰させる。また、建物層間の運動エネルギーを熱エネルギーに変換して消失させるものは、具体的には、建物層間に摩擦ダンパー,オイルダンパー,粘弾性体ダンパー等を設置し、建物の層間変形によってダンパーを変形させてその際に発生するダンパーの発熱によって建物の力学エネルギーの一部を熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーを消失させることによって建物の力学エネルギーを減少させて建物の振動を減衰させる。
建物層間の運動エネルギーを鋼材などの破壊エネルギーとして消費する考え方を適用した従来の制震装置としては、例えば鋼板制震ダンパーがある(特許文献1)。この鋼板制震ダンパー101は、図11に示すように、対をなす端部用鋼板制震ダンパー101aが同一平面上に配置され、垂直に配置されたリブプレート105を挟んで側部同士が一体化されたものであり、端部用鋼板制震ダンパー101aは、極軟鋼よりなるせん断変形パネル102と、その上下部に一体に設けられた上部本体取付け板103及び下部本体取付け板104と、リブプレート105とにより構成され、上部本体取付け板103及び下部本体取付け板104は、横幅がせん断変形パネル102より長く、端部103a,104aがせん断変形パネル102の側部102aより突き出ていると共に、横幅方向には複数のボルト孔103b,104bが並列に設けられ、せん断変形パネル102の一方の側部102aにはリブプレート105が設けられている。
特開2003−97084号
しかしながら、特許文献1の鋼板制震ダンパーは、ダンパー自体を破壊させることで建物を守ろうとする仕組みであるので、最初の揺れに対しては制震性能を発揮し得るが、地震や強風が複数回連続して発生した場合や長時間に亘って発生した場合には最初の一撃で制震装置は破壊され制震性能を継続して発揮することができないという問題がある。
また、建物層間の運動エネルギーを熱エネルギーに変換して消失させる制震装置では、長時間に亘って作動し続けると装置の温度が上昇して抵抗力が失われてしまう。例えば、摩擦系ダンパーの場合には、摩擦を発生する接触面の温度が上昇して摩擦抵抗が低下する。また、粘性型ダンパーの場合には、減衰力を生むオイルなど粘性体の温度が上昇して粘性度が低下する。したがって、地震や強風が長時間継続した場合には制震性能を継続して発揮することができないという問題がある。
以上のように、従来の制震装置では、複数回の荷重を受ける場合や長時間に亘って荷重を受ける場合には安定した制震性能を継続して発揮することができないという問題がある。したがって、制震装置がその性能を発揮して建物の損壊を防ぐことが特に要求される大規模地震の場合は、余震も含めて大きな揺れが複数回連続して発生することや、超高層ビルなどの長周期構造物において振動が数分間続くことが考えられ、従来の制震装置が適切に機能して建物の振動を十分に減衰させられるとは言い難い。
そこで、本発明は、連続して発生する複数回の外力荷重や長時間に亘って発生する外力荷重に対しても安定した制震性能を継続して発揮することができる制震方法並びに装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の制震方法は、外力荷重を受けて建物の躯体が変形する際に躯体の上下の梁の一方に固定された支持部材に回転可能に支持された円盤を他方の梁に固定されたストッパーの表面を回転移動させてからストッパーから離すことによって外力荷重による力学エネルギーを円盤の回転エネルギーに分配して躯体の変形に寄与するひずみエネルギーを減少させると共に、躯体の変形が元に戻る際に円盤をストッパーに接触させることによって外力荷重による力学エネルギーを円盤とストッパーとの衝突のエネルギーとして消費して減少させるようにしている。
また、請求項2記載の制震装置は、建物の躯体の上下の梁の一方に固定されたストッパーと、他方の梁に固定された支持部材に回転可能に支持されて外力荷重を受けて躯体が変形する際にストッパーの表面を回転移動してからストッパーから外れると共に躯体の変形が元に戻る際にストッパーに接触する円盤とを有するようにしている。
したがって、請求項1並びに2に記載の制震方法並びに装置によると、建物の躯体の上下の梁の変位に連動する円盤とストッパーとを有し、外力荷重を受けて躯体が変形する際に円盤がストッパーの表面を回転移動してからこのストッパーから外れるようにしているので、外力荷重の作用によって躯体の内部に蓄えられた力学エネルギーが円盤の回転エネルギーに分配されて躯体の変形に寄与するひずみエネルギーが減少し、外力荷重の作用による躯体の変形が抑制される。さらに、躯体の変形が元に戻る際に円盤がストッパーに接触するようにしているので、外力荷重の作用によって躯体の内部に蓄えられた力学エネルギーが円盤とストッパーとの衝突のエネルギーとして消費されて減少し、両者の衝突が繰り返されることによって力学エネルギーがゼロになる。
また、請求項3記載の制震機構は、建物の躯体の上下の梁の一方に固定されたストッパーと、他方の梁に固定された支持部材に回転可能に支持されて外力荷重を受けて躯体が変形する際にストッパーの表面を回転移動してからストッパーから外れると共に躯体の変形が元に戻る際にストッパーに接触する円盤とによって制震装置が構成され、ストッパーの長さが異なる複数の制震装置が躯体の上下の梁の変位方向に並べて配置されるようにしている。
したがって、請求項3記載の制震機構によると、ストッパーの長さが異なる複数の制震装置を躯体の上下の梁の変位方向に並べて配置するようにしているので、円盤がストッパーから外れるタイミング並びに円盤がストッパーに接触するタイミングが複数の制震装置の間でずれ、外力荷重の作用によって躯体の内部に蓄えられた力学エネルギーの円盤の回転エネルギーへの分配による躯体の変形の抑制効果と、円盤とストッパーとの衝突のエネルギーとしての消費による力学エネルギーの減少効果とが建物の振動の大きさに応じて順次発揮される。
なお、ストッパーの長さとは、上下の梁の変位方向であって円盤の回転移動方向のストッパーの長さのことをいう。
本発明の制震方法並びに装置によれば、外力荷重の作用によって躯体の内部に蓄えられた力学エネルギーを円盤の回転エネルギーに分配し、躯体の変形に寄与するひずみエネルギーを減少させて外力荷重の作用による躯体の変形を抑制することができるので、大きな荷重が作用した場合に変形が大きくなって建物が損傷したり破壊されたりすることを防ぐことが可能であり、建物の振動に対する安全性の向上を図ることができる。さらに、外力荷重の作用によって躯体の内部に蓄えられた力学エネルギーを円盤とストッパーとの衝突のエネルギーとして消費して減少させ、両者の衝突を繰り返して力学エネルギーをゼロにすることができるので、建物の振動を速やかに減衰させることが可能であり、力学エネルギーが長時間残存して振動が繰り返されることによる建物の損壊を防いで建物の振動に対する安全性の向上を図ることができる。また、本発明の制震装置は制震性能を繰り返し発揮することが可能であるので、複数回の荷重を受ける場合や長時間に亘って荷重を受ける場合にも安定した制震性能を継続して発揮することができ、制震装置の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、本発明の制震機構によれば、上記の効果に加え、外力荷重の作用によって躯体の内部に蓄えられた力学エネルギーの円盤の回転エネルギーへの分配による躯体の変形の抑制効果と、円盤とストッパーとの衝突のエネルギーとしての消費による力学エネルギーの減少効果とを建物の振動の大きさに応じて順次発揮することが可能であり、制震機構全体としては強力な制震性能を確保しつつその制震性能を徐々に発揮させることによって、小さい振動に対しても大きい振動に対しても適切な制震性能を発揮すると共に滑らかに変化する制震力を発揮することができる。
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
図1から図5に、本発明の制震方法並びに装置の実施形態の一例を示す。この制震方法は、外力荷重を受けて建物の躯体6が変形する際に躯体6の上部梁7に固定された支持部材2に回転可能に支持された円盤3を下部梁9に固定されたストッパー5の表面を回転移動させてからストッパー5から離すことによって外力荷重による力学エネルギーを円盤3の回転エネルギーに分配して躯体6の変形に寄与するひずみエネルギーを減少させると共に、躯体6の変形が元に戻る際に円盤3をストッパー5に接触させることによって外力荷重による力学エネルギーを円盤3とストッパー5との衝突のエネルギーとして消費して減少させるようにしている。
上記制震方法は、本発明の制震装置として装置化される。本実施形態の制震装置1は、建物の躯体6の下部梁9に固定されたストッパー5と、上部梁7に固定された支持部材2に回転可能に支持されて外力荷重を受けて躯体6が変形する際にストッパー5の表面を回転移動してからストッパー5から外れると共に躯体6の変形が元に戻る際にストッパー5に接触する円盤3とを備える。
制震装置1は、建物の躯体6に取り付けられ、地震や風などによる建物の振動を減衰させるものとして機能する。建物の躯体6は、上部梁7と柱8と下部梁9とから構成される。なお、図1から図7において躯体6として示しているものは、単層即ち一階建ての建物であっても良いし、複層即ち複数階建ての建物の一部の層であっても良い。そして、単層の建物の場合には、上部梁7は建物の屋根部分となり、下部梁9は建物の基礎部分となる。また、複層建物の中間層の場合には、上部梁7は当該層の天井部分であって上層の床部分となり、下部梁9は当該層の床部分であって下層の天井部分となる。なお、図1は、建物に外力荷重が作用しておらず、躯体6が変形していない平常時の状態を表す。
制震装置1は、支持部材2と円盤3と支持軸4とストッパー5とからなる。
支持部材2は、支持軸4を介して円盤3を回転可能に支持する柱状の部材である。支持部材2は上部梁7と同等以上の剛性を有する。そして、例えばボルト締めによって上端が上部梁7の下面に強固に固定される。また、支持部材2は、上部梁7に固定された側と反対側の端部付近に、支持軸4を貫通させて摺動可能に支持する貫通孔2aを有する。このとき、支持軸4が円滑に摺動するように、支持軸4と貫通孔2aとの間には十分な摺動性が確保され、摺動の抵抗が小さければ小さいほど好ましい。
円盤3は、中心部に支持軸4が貫通して固定され、この支持軸4を介して支持部材2に回転可能に支持される。なお、支持軸4は円盤3と一体成型されるようにしても良い。そして、支持軸4は、円盤3がストッパー5と接したり噛み合ったりして支持軸4を中心に回転しながらストッパー5の上面を移動可能な位置に調整されて支持される。
このように、支持部材2が剛性を有すると共に上部梁7に強固に固定され、この支持部材2に円盤3が支持される構成により、上部梁7が下部梁9に対して水平方向に変位すると上部梁7と一体に円盤3も同じだけ下部梁9に対して水平方向に変位する。なお、上部梁7が横方向に変位するとき、柱8の長さは変わらないので、厳密には上部梁7は平常時の位置から僅かに沈むことになるが、その量は僅かであるのでここでは水平方向の変位と表現する。
ストッパー5は、例えばボルト締めによって下部梁9の上面に強固に固定されるブロック状の部材である。ストッパー5の長さは、建物の特性や制震装置1が制御すべき躯体6の振動の振幅に基づいて設定される。具体的には、大きい振動に対して制震力を発揮させる場合にはストッパー5の長さを長く設定し、小さい振動に対しても制震力を発揮させる場合にはストッパー5の長さを短く設定する。
ここで、円盤3とストッパー5とは、躯体6が変形してお互いが相対的に変位する場合に、両者の間に摩擦力が発揮されて滑ることなく円盤3が回転する材質で形成され又は構造を有する。具体的には例えば、両者の表面を摩擦係数が大きい樹脂で覆ったり、円盤3の周面に歯車を形成すると共にストッパー5の上面に円盤3周面の歯車と噛み合うリニアガイドを形成したりすることが考えられる。なお、例えば円盤3とストッパー5とを樹脂で覆う場合には両者が接触する際に破損したり劣化したりすることがない程度の強度を少なくとも有する樹脂が用いられ、また、歯車とリニアガイドを形成する場合には両者が噛み合った際に破損することがない程度の剛性を少なくとも有する鋼材等が用いられる。
上述した制震装置1の動作を図2から図5を用いて以下に説明する。
図2に示すように、躯体6が矢印10の向きの地震荷重や風荷重などの外力荷重を受けると、上部梁7は下部梁9に対して相対的に矢印11の向きに動き始める(第一局面)。そして、円盤3は、支持部材2及び支持軸4を介して上部梁7の水平変位に連動して矢印11の向きに動き出し、矢印12の向きに回転を始めストッパー5の上面を転がりながら移動する(第二局面)。
そして、図3(A)に示すように、上部梁7の水平変位の幅がストッパー5の範囲を超えると円盤3がストッパー5から外れる(第三局面)。
ストッパー5から外れた時点の円盤3の角速度をωとすると、円盤3はストッパー5から外れた後も角速度ωを維持しながら矢印12の向きに回転を続ける(図3(B);第四局面)。すなわち、円盤3の回転エネルギーはストッパー5から外れた時点以降変化しない。なお、建物の躯体6の振動周期を考慮すると円盤3がストッパー5から外れている時間は短時間であり、支持軸4と支持部材2の貫通孔2aとの間の摺動性が十分に確保されていれば、円盤3がストッパー5から外れている間の回転抵抗による角速度の低下は僅かであるのでここでは無視して考える。
続いて、上部梁7が矢印11の向きに変位する速度は徐々に低下し、速度がゼロになった時点で躯体6の変形が最大となる(第五局面)。
ここで、最大変形時の水平変位量をxmax、躯体6の水平剛性をk、円盤3の回転慣性をIとすると、最大変形時の力学エネルギーEは躯体6の変形によるひずみエネルギーと円盤3の回転エネルギーとの和で表され、具体的には数式1で表される。
Figure 2008115598
ここで、躯体6の減衰がゼロ即ち散逸エネルギーがゼロであると仮定すると、外力荷重の作用によって躯体6の内部に蓄えられた入力エネルギーEは、躯体6のひずみエネルギー及び運動エネルギー並びに円盤3の回転エネルギーの和として保存される。言い換えると、外力荷重による入力エネルギーEは最大変形時の力学エネルギーEと等しい。したがって、数式1の左辺は外力荷重による入力エネルギーEでもあり、数式2の関係が成り立つ。
Figure 2008115598
数式2に示す関係からも解るとおり、本発明によれば、入力エネルギーEが円盤3の回転エネルギーにも分配されるので、本発明の制震装置1を用いない場合と比べて躯体6のひずみエネルギーを減少させることができる。すなわち、本発明によれば、躯体6の最大変形量xmaxを小さく抑えることができる。
最大変形になると同時に、図4(A)に示すように、上部梁7の変位の向きが矢印11’の向きへと変わる。そして、変位の向きが矢印11’の向きに変わってから円盤3がストッパー5に再び接触する前までの間は、躯体6の変形量が徐々に小さくなる一方で、上部梁7の矢印11’の向きの速度が増加していく(第六局面)。すなわち、躯体6のひずみエネルギーが運動エネルギーに変換される。
ここで、前述のとおり、第三局面から円盤3がストッパー5に再び接触するまでの時間は短時間であり、支持軸4と支持部材2の貫通孔2aとの間の摺動性が十分に確保されていれば回転抵抗による角速度の低下は僅かであるのでここでは無視して考える。したがって、円盤3はストッパー5から外れた時点(即ち第三局面)での角速度ωを維持して回転を続ける。すなわち、円盤3の回転エネルギーは第三局面以降変化しない。
上部梁7が矢印11’の向きに変位を続けると、図4(B)に示すように、円盤3とストッパー5とが再び接触する(第七局面)。円盤3とストッパー5とが接触する直前には円盤3は矢印12の向きに角速度ωで回転しているので、円盤3とストッパー5とが接触した瞬間に円盤3はストッパー5を矢印11’の向きに押し、その反力によって円盤3は矢印11’と反対向きに押し返される。この円盤3への反力は支持部材2を介して上部梁7を矢印11’と反対向きに押す。すなわち、円盤3の矢印12の向きの回転力は、上部梁7の矢印11’の向きの水平運動に対する制動力(即ちブレーキ)として作用する。
円盤3とストッパー5とは、接触面が滑ることなく衝突する。このときの円盤3とストッパー5との接触は、はね返り係数(反発係数とも呼ばれる)がゼロの完全非弾性衝突であり、接触時に力学エネルギーの一部が衝突のエネルギーとして散逸し、力学エネルギーの和が保存されない。したがって、外力荷重の作用によって躯体6の内部に蓄えられた力学エネルギーを円盤3とストッパー5とを接触させることで減少させることができ、外力荷重による入力エネルギーEが大きい場合には円盤3とストッパー5とを繰り返し接触させることで躯体6の振動を止めることができる。
ここで、円盤3の回転慣性をI、半径をr、上部梁7と円盤3と支持部材2と支持軸4との質量の合計をm、ストッパー5との接触前の円盤3の角速度をω、上部梁7の水平方向の変位速度をvとすると、ストッパー5との接触後の円盤3の角速度ωと上部梁7の速度vとは、角運動量保存則に基づいて数式3と数式4とで表される。
Figure 2008115598
Figure 2008115598
そして、ストッパー5との接触後(第八局面)の円盤3の運動としては、数式3の右辺分子を半径rで割った後の二つの項の大小によって以下のi)からiii)の三通りの場合が考えられる。
i)mrv>−Iωの場合
これは、上部梁7の運動に起因する角運動量が円盤3の角運動量よりも大きい場合である。この場合は、衝突によって速度は低減するものの、上部梁7の変位の向きは円盤3とストッパー5との接触時から変化しない。したがって、円盤3は、図5(A)に示すように、上部梁7の変位に連動して変位し、ストッパー5の上面を矢印12’の向き即ち第七局面における回転の向きから反転して回転しながら移動する。
そして、運動の向きを上述したものと逆向きにして第二局面から第八局面までを繰り返す。そして、円盤3とストッパー5との接触を繰り返すことにより、躯体6の内部に蓄えられた力学エネルギーを徐々に減少させる。
ii)mrv=−Iωの場合
これは、上部梁7の運動に起因する角運動量が円盤3の角運動量と等しい場合である。この場合は、円盤3とストッパー5とが接触した状態(第七局面;図4(B))で上部梁7及び円盤3の運動が停止し、躯体6の振動が止まる。
iii)mrv<−Iωの場合
これは、上部梁7の運動に起因する角運動量が円盤3の角運動量よりも小さい場合である。この場合は、図5(B)に示すように、第七局面における変位の向き(図4(B)の矢印11’)から上部梁7の変位の向きが矢印11の向きに反転すると共に、上部梁7の変位速度が第七局面における速度よりも小さくなる。また、円盤3の回転の向きは第七局面から変わらない一方で角速度は低減する。
そして、上述した第四局面から第七局面までを繰り返し、場合によっては上記i)の場合も経て、力学エネルギーを徐々に減少させながら最後には上部梁7及び円盤3の運動が停止し、躯体6の振動が止まる。
なお、上記iii)は円盤3の回転慣性Iが過剰となる場合であり、円盤3の回転慣性Iや重量は軽量の方が経済的あることを考慮すると、上記iii)を引き起こすような円盤3の仕様は最適とは言えない。したがって、上記i)又はii)の状態になるように円盤3の仕様を決定することが望ましい。
本発明の制震装置1によれば、以上の説明でも明らかなとおり、躯体6の力学エネルギーを円盤3の回転エネルギーに分配し、躯体6の変形に寄与するひずみエネルギーを減少させることができる。また、躯体6の力学エネルギーを円盤3の回転エネルギーとして蓄積し、揺れの向きが逆向きになったときにその蓄積した円盤3の回転エネルギーを躯体6の揺れのブレーキとして利用して効果的に揺れを減衰させることができる。さらに、振動減衰の原理として衝突によるエネルギー消費を利用しているので、繰り返して且つ長時間に亘って安定した制震性能を発揮することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、本実施形態では、建物の躯体6において、上部梁7の変位方向に一つの制震装置1を設けるようにしているが、これに限られず、上部梁7の変位方向に複数の制震装置1を並べて設けるようにしても良い。
さらに、躯体6において上部梁7の変位方向に複数の制震装置1を並べて設ける場合、図6に示すように、ストッパー5の長さを変えることによって段階的に制振効果を発揮させるようにすることもできる。具体的には、上部梁7の変位方向に三つの制震装置1を並べて設ける場合、中央の制震装置1のストッパー5の長さを両側の制震装置1のストッパー5の長さよりも長くする。この構成により、まず、躯体6が平常時の状態から変形する際、最初に両側の制震装置1の円盤3がストッパー5から外れることによって外力荷重による力学エネルギーを円盤3の回転エネルギーに分配してひずみエネルギーに変換される分を減少させ、変形が更に続く場合には中央の制震装置1の円盤3がストッパー5から外れることによって力学エネルギーを円盤3の回転エネルギーに分配してひずみエネルギーに変換される分を更に減少させる。また、躯体6が大きく変形して全ての制震装置1の円盤3がストッパー5から外れた後、躯体6が平常時の状態に戻ろうとして再び円盤3がストッパー5に接触する際には、最初に中央の制震装置1の円盤3がストッパー5に接触して振動を減衰させ、それでも振動が完全に収まらない場合には両側の制震装置1の円盤3がストッパー5に接触して振動を更に減衰させる。このように、複数の制震装置1を設けると共にストッパー5の長さを調整することにより、振動の大きさに合わせて制振効果を発揮させることができると共に、段階的に制振効果を発揮させることによって全体としては強力な制震力を有しながら変位速度の急激な変化を防止して滑らかな制振効果の発揮を実現することができる。
また、図7に示すように、上部梁7の変位方向に二つの制震装置1を並べて設け、同じ長さのストッパー5を平常時の円盤3の中心位置からずらして配置することによっても段階的な制震効果の発揮を実現することができる。このとき、上部梁7の変位方向に並べられた二つのストッパー5が離れるようにその中心5aを平常時の円盤3の中心位置からずらして配置するようにしても良いし(図7)、二つのストッパー5が近付くようにずらして配置するようにしても良い。
また、本実施形態では、円盤3を支持する支持部材2を上部梁7の下面に固定すると共に、ストッパー5を下部梁9の上面に固定するようにしているが、これに限られず、上部梁7の下面にストッパー5を固定すると共に、下部梁9の上面に支持部材2を固定するようにしても良い。
さらに、本実施形態では、一本の柱状部材を用いて支持部材2を構成するようにしているが、これに限られず、円盤3を剛に支持できる構成であれば支持部材2はどのような構成でも良い。例えば、二本の柱状部材を用い、上部梁7と二本の柱状部材とで下に凸の三角形のラーメン構造を形成し、下側の頂点部に支持軸4を貫通させる貫通孔2aを設けて支持部材2を構成するようにしても良い。
本発明の制震方法並びに装置の制震性能評価の実施例を図8及び図9を用いて説明する。
本実施例では、単層(即ち一階建て)の建物を想定した。したがって、上部梁7は屋根に相当し、下部梁9は建物の基礎に相当する。建物の躯体6の仕様は、上部梁7の重量は10トン、固有振動数は1Hzとした。また、本実施例では、建物の減衰定数を0%とし、建物自体には減衰性能がないとした。
そして、本発明の制震装置1を設置した場合の実施例1、並びに、実施例1と対比するために比較例1−1及び比較例1−2について数値解析を行った。実施例1並びに比較例1−1及び1−2の概要は以下のとおりとした。
実施例1は、躯体6に制震装置1を設置し、数値解析で想定する振動振幅に対して制振効果が効果的に発揮されるようにストッパー5の長さを設定した(図8(A))。
比較例1−1は、制震装置1を設置しない場合とした(図8(B))。
また、比較例1−2は、躯体6に制震装置1を設置し、ストッパー5の長さを数値解析で想定する振動振幅よりも長く設定した(図8(C))。
制震装置1の仕様は、円盤3の重量は0.1トン(即ち躯体重量の1/100)とし、半径は0.1mとした。また、円盤3の支持部材2に対する転がり抵抗はゼロとした。ストッパー5の長さは、実施例1は0.01m、実施例3は2.1mとした。なお、円盤3の重量の影響を把握し易くするために、支持部材2及び支持軸4の重量はゼロとした。
そして、上部梁7を水平方向に1.0m引っ張った後に解放して自由振動させ、変位の時刻歴波形の解析を行い、図9に示す結果が得られた。
実施例1(図9(A))は、上部梁7の変位波形が二周期目でほぼゼロとなっており、速やかに振動が減衰したことが確認された。
一方、比較例1−1(図9(B))は、建物自体には減衰性能がないとしたため、振動周期が1秒で振動振幅が1mの正弦波形のままで減衰しなかった。
また、比較例1−2(図9(C))は、振動周期が1.23秒の正弦波形となった。これは、比較例1−2は、躯体6のみの比較例1−1と比べて円盤3の慣性質量が躯体6への質量増加要因となって付加質量効果が現れたためと考えられた。そして、比較例1−2の場合にはストッパー5が上部梁7及び円盤3の変位範囲よりも長いため、躯体6が振動しても円盤3がストッパー5から外れることがなく制振効果が発揮されないために振動は減衰しなかった。
本発明の制震方法並びに装置の制震性能評価の他の実施例を図8及び図10を用いて説明する。
本実施例では、建物の減衰性能を2.0%とし、その他の条件は実施例1と同様とした。
そして、本発明の制震装置1を設置した場合を実施例2(図8(A))、制震装置1を設置しない場合を比較例2−1(図8(B))、ストッパー5の長さを数値解析で想定する振動振幅よりも長く設定した場合を比較例2−2(図8(C))として数値解析を行った。
そして、実施例1と同様に、上部梁7を水平方向に1.0m引っ張った後に解放して自由振動させ、変位の時刻歴波形の解析を行い、図10に示す結果が得られた。
実施例2(図10(A))は、上部梁7の変位波形が二周期目でほぼゼロとなっており、速やかに振動が減衰したことが確認された。
比較例2−1(図10(B))は、振動周期1秒の波形が時間の経過と共に徐々に小さくなった。これは、建物自体の減衰性能によるものであり、実際には、建物の振動エネルギーが建物内部の構造材料の接合部の摩擦や空気抵抗や地盤への逸散減衰などで消失されることによるものである。
また、比較例2−2(図10(C))は、振動周期1.23秒の波形が時間の経過と共に徐々に小さくなった。ここで、比較例2−2は、ストッパー5が上部梁7及び円盤3の変位範囲よりも長いために躯体6が振動しても円盤3がストッパー5から外れることがなく制振効果が発揮されない。したがって、振動の減衰は、制震装置1の制震性能によるものではなく、建物自体の減衰性能によるものであると考えられた。また、振動周期が長くなったのは、比較例2−2は躯体6のみの比較例2−1と比べて円盤3の慣性質量が躯体6への質量増加要因となって付加質量効果が現れたためと考えられた。そして、比較例2−1と比べると振動の減衰が鈍くなっており、これは、付加質量の効果によって質点の慣性力が大きくなって減衰力が相対的に低下したためであると考えられた。
以上の実施例1及び実施例2の結果から、本発明の制震装置1は良好な制震性能を発揮することが確認された。また、良好な制震性能を発揮させるためには円盤3とストッパー5とを衝突させることによって力学エネルギーを消費させることが必要であり、そのためには建物の特性や制御対象とすべき振動の種類等に基づいて上部梁7の変位方向のストッパー5の長さを設定する必要があることが確認された。
本発明の制震装置の実施形態の一例の概略構造を示す側面図で、平常時の状態を示す図である。 本実施形態の躯体が上部梁に外力荷重を受けた瞬間の状態を説明する図である。 本実施形態の躯体の上部梁が外力荷重を受けて変位した状態を説明する図である。(A)は円盤がストッパーから外れる瞬間の図である。(B)は円盤がストッパーから外れて回転する状態の図である。 本実施形態の躯体の上部梁が外力荷重を受けて変位した状態を説明する図である。(A)は上部梁の変位が最大の状態の図である。(B)は円盤がストッパーに再び接触した状態の図である。 本実施形態において円盤がストッパーに再び接触した後の状態を説明する図である。(A)は上部梁の運動に起因する角運動量が円盤の角運動量よりも大きい場合の図である。(B)は上部梁の運動に起因する角運動量が円盤の角運動量よりも小さい場合の図である。 本発明の制震装置の他の実施形態の一例の概略構造を示す側面図で、平常時の状態を示す図である。 本発明の制震装置の更に他の実施形態の一例の概略構造を示す側面図で、平常時の状態を示す図である。 実施例1及び2の解析対象を説明する図である。(A)は本発明の制震装置を有する場合(実施例1及び2)の図である。(B)は制震装置を有しない場合(比較例1−1及び2−1)の図である。(C)は制震装置のストッパーが長い場合(比較例1−2及び2−2)の図である。 実施例1の解析結果を示す図である。(A)は実施例1の結果の図である。(B)は比較例1−1の結果の図である。(C)は比較例1−2の結果の図である。 実施例2の解析結果を示す図である。(A)は実施例2の結果の図である。(B)は比較例2−1の結果の図である。(C)は比較例2−2の結果の図である。 従来の制震装置を示す斜視図である。
符号の説明
1 制震装置
2 支持部材
2a 貫通孔
3 円盤
4 支持軸
5 ストッパー
6 躯体
7 上部梁
8 柱
9 下部梁

Claims (3)

  1. 外力荷重を受けて建物の躯体が変形する際に前記躯体の上下の梁の一方に固定された支持部材に回転可能に支持された円盤を他方の梁に固定されたストッパーの表面を回転移動させてから前記ストッパーから離すことによって前記外力荷重による力学エネルギーを前記円盤の回転エネルギーに分配して前記躯体の変形に寄与するひずみエネルギーを減少させると共に、前記躯体の変形が元に戻る際に前記円盤を前記ストッパーに接触させることによって前記外力荷重による力学エネルギーを前記円盤と前記ストッパーとの衝突のエネルギーとして消費して減少させることを特徴とする制震方法。
  2. 建物の躯体の上下の梁の一方に固定されたストッパーと、他方の梁に固定された支持部材に回転可能に支持されて外力荷重を受けて前記躯体が変形する際に前記ストッパーの表面を回転移動してから前記ストッパーから外れると共に前記躯体の変形が元に戻る際に前記ストッパーに接触する円盤とを有することを特徴とする制震装置。
  3. 建物の躯体の上下の梁の一方に固定されたストッパーと、他方の梁に固定された支持部材に回転可能に支持されて外力荷重を受けて前記躯体が変形する際に前記ストッパーの表面を回転移動してから前記ストッパーから外れると共に前記躯体の変形が元に戻る際に前記ストッパーに接触する円盤とによって制震装置が構成され、前記ストッパーの長さが異なる複数の前記制震装置が前記躯体の上下の梁の変位方向に並べて配置されることを特徴とする制震機構。
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