JP2008115235A - 耐チッピング用粘着シート - Google Patents

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和弥 北浦
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Abstract

【課題】三次元の曲面への追従性を維持したまま、貼付時に擦り傷を生じにくい耐チッピング用粘着シートを提供すること。
【解決手段】粘着層、熱可塑性樹脂シート基材、表面保護層を少なくともこの順に積層してなる粘着シートにおいて、前記表面保護層にガラス系フィラーを添加してなり、基材に柔軟な熱可塑性樹脂シートを用いることで三次元の曲面への追従性を維持かつ表面保護層にガラス系フィラーを添加することで前記三次元の曲面への追従性を維持しつつ十分な耐傷付性を付与することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の塗装鋼板に貼付される耐チッピング用粘着シート、特には、耐傷付性に優れた耐チッピング用粘着シートに関する。
自動車の塗装鋼板表面には、耐チッピングシート、マーキングシートなどの種々の粘着シートが貼付されている。耐チッピングシートは自動車の走行時に小石や砂利などが車輪によって跳ね上げられて車体塗装面が傷付けられるのを防ぐためのものであり、車体の両側面下部に貼付される。車体の下部には、構造上あるいはデザイン上の理由により帯状の溝や突起が設けられている場合が多く、こうした三次元の曲面に対応できるように、耐チッピングシートには比較的柔軟な基材が用いられており、例えば、ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂を用いたものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、耐チッピングシートを三次元の曲面に貼付する場合、気泡を巻き込まないようにするため、どうしてもシート表面を擦りながら貼付する必要があり、柔軟な基材を用いた場合にはその表面に擦り傷がついてしまう恐れがあった。
特開2005−272558
本発明は前記の点に鑑みて、三次元の曲面への追従性を維持したまま、貼付時に擦り傷を生じにくい耐チッピング用粘着シートを提供することにある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、すなわちその請求項1記載の発明は、粘着層、熱可塑性樹脂シート基材、表面保護層を少なくともこの順に積層してなる粘着シートにおいて、前記表面保護層にガラス系フィラーを添加してなることを特徴とするものである。
本発明の耐チッピング用粘着シートは、基材に柔軟な熱可塑性樹脂シートを用いることで三次元の曲面への追従性を維持かつ表面保護層にガラス系フィラーを添加することで前記三次元の曲面への追従性を維持しつつ十分な耐傷付性を付与することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。図1に本発明の耐チッピング用粘着シートの一実施例の断面の構造を示す。粘着層1、基材2、表面保護層3、ガラス系フィラー4からなる。
本発明における粘着層1に用いる粘着剤としては、アクリル系粘着剤、スチレン−ブタジエンゴム系粘着剤、クロロプレンゴム系粘着剤、オレフィンゴム系粘着剤、ウレタンゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などを使用することができるが、耐候性の面ではアクリル系粘着剤が最も有利である。なお、粘着剤中には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤を添加しても良い。
本発明における基材2としては、三次元の曲面への追従性を維持する熱可塑性樹脂を用いるものであり、具体的にはポリウレタンフィルム、アイオノマーフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、フッ素系樹脂フィルムなどが使用可能であるが、環境への影響という点から、特にポリウレタンフィルムを用いることが好ましい。
本発明における表面保護層3としては、基材の柔軟性に追従すべく、比較的柔軟なコーティング樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。
そして、本発明においては、表面保護層に傷付性を付与させるためにガラス系フィラー4を添加する。ガラス系フィラー4としては、表面保護層の透明性を維持しつつ十分な耐傷付性を付与するために、平均粒径が1〜20μm程度の球状ガラスビーズを用いることが好ましい。添加量としては3〜15重量部が好ましい。
より好ましくは、表面保護層を2層にし、表層に耐候性の良いアクリルウレタン系樹脂、基材側の層に基材への追従性の良いポリウレタン樹脂を用いるのが最適である。表面保護層を2層設ける場合、耐傷付性を十分に発揮させるため、ガラス系フィラー4は表層に添加することが好ましい。なお、表面保護層の樹脂中には、耐候性等の各種物性向上のため、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加しても良い。
基材2として厚さ300μmのポリウレタンフィルムを用い、この上に、表面保護層3の基材側の層として、ポリウレタン樹脂を厚さ3μmとなるように設け、さらにこの上に、表面保護層3の表層として、ガラス系フィラー4となるガラスビーズ系添加剤(大日本インキ化学工業(株)製:「W−09GR・NT」)を12重量部添加したイソシアネート14重量部を含有したアクリルポリオール樹脂を厚さ2μmとなるように設けて、表面保護層3を形成した。そして基材2の裏面側に、粘着層1としてアクリル樹脂系粘着剤(東洋インキ製造(株)製:「BPS5160」)を乾燥後の塗布量60μmとなるように塗布し、本発明の耐チッピング用粘着シートを得た。
<比較例1>
表面保護層にガラスビーズ系添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして耐チッピング用粘着シートを作成した。
<物性評価>
JIS−L−0823に準拠する摩擦試験機2型(学振型)の先端子にJIS−L−0803に準拠するかなきん3号布を取り付け、荷重0.98Nにて50往復の擦過を行い、粘着シート表面の傷付きを目視にて評価した。実施例1により得られた粘着テープでは表面の傷付きは見当たらなかったが、比較例1により得られた粘着テープでは表面に微細な傷が確認された。
本発明の耐チッピング用粘着シートは、自動車の塗装鋼板に貼付され、自動車の走行時に小石や砂利などが車輪によって跳ね上げられて車体塗装面が傷付けられるのを防ぐものとして利用可能である。
本発明の耐チッピング用粘着シートの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
符号の説明
1…粘着層
2…基材
3…表面保護層
4…ガラス系フィラー

Claims (1)

  1. 粘着層、熱可塑性樹脂シート基材、表面保護層を少なくともこの順に積層してなる粘着シートにおいて、前記表面保護層にガラス系フィラーを添加してなることを特徴とする耐チッピング用粘着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015186685A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 Dic株式会社 保護粘着フィルム、画像表示装置及び携帯電子端末

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