JP2008110885A - アルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法 - Google Patents

アルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ土類金属炭酸塩粒子の形態や凝集性の制御ができ、針状または柱状の形態を有する粒径分布の改良されたアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】ダブルジェット法でアルカリ土類金属イオンと炭酸イオンを反応させ、平均アスペクト比が2以上の針状または柱状のアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、核形成工程終了時の核粒子の長軸径と短軸径の平均値を各々a1,b1、該粒子成長工程終了時の成長粒子の長軸径と短軸径の平均値を各々a2,b2、該核形成工程終了時の該核粒子の平均アスペクト比をAR1(=a1/b1)、粒子成長工程終了時の該成長粒子の平均アスペクト比をAR2(=a2/b2)としたとき、AR1が1以上、2以下で、AR2/AR1が2以上であることを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粒度分布が改良された針状または柱状の形態を有するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法に関するものである。
炭酸カルシウムや炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩は、紙、ゴム、樹脂、プラスチック、塗料、化粧品、医薬品等の添加剤として、また、誘電セラミック材料や高温超伝導体材料の原材料等として広範囲の工業分野で利用されている。
アルカリ土類金属炭酸塩は、その物理的な性状によって発現する機能や特性が異なることが知られており、例えば、低光沢でウェットインキ着肉性等に優れた塗料の製造には紡錘状炭酸カルシウムが適し、高光沢で不透明性、インキ着肉性及びインキセット性に優れた塗料の製造には針状炭酸カルシウムが適するとされている。また、チタン酸ストロンチウムの製造原料に炭酸ストロンチウムを用いる場合に、平均粒径0.8μm以下の粒子を用いると電気特性が改善されることが報告されている。更に、透明な樹脂やプラスチック材料に適用する場合には、透明性を損なわない為にμmオーダー以下の小さな粒子が求められる。このように、目的に応じて粒子形状や粒径を選択する必要があるため、形態が制御されたアルカリ土類金属炭酸塩粒子の工業的な利用価値は高い。それ故、特に工業的用途が広い針状や柱状等の異方性形状を有する粒子の形態を精密に制御し、かつ目的とする機能を十分に発現させるため、より均一な粒子、即ち粒径分布に優れた粒子を製造できる技術が求められている。
一般に、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法は、炭酸ガス法と称されるアルカリ土類金属イオンを含む溶液に炭酸ガスを反応させて調製する「液−気」法と、アルカリ土類金属イオンを含む溶液と炭酸イオンを含む溶液を反応させて調製する「液−液」法に大別される。現在、工業的に行われているのは主に「液−気」法であり、アルカリ土類金属イオンを含む溶液としてはアルカリ土類金属水酸化物、具体的にはCa(OH)2やSr(OH)2、Ba(OH)2が使用されることが多いが、これらの水酸化物は溶解度が低いため、通常スラリーとして用いられる。
「液−気」法においては、水酸化カルシウムスラリーの温度と炭酸ガスの導入速度を3段階に変化させて1〜2μmの柱状炭酸カルシウムを製造する方法(例えば、特許文献1参照)や、炭酸化反応が30%に達する前に水溶性の単糖類や少糖類を水酸化カルシウムスラリーに添加し1〜2μmの紡錘状炭酸カルシウムを製造する方法(例えば、特許文献2参照)、水酸化ストロンチウムスラリーの温度と炭酸ガスの導入速度を規定し0.72μmの針状炭酸ストロンチウムを製造する方法(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
しかし、「液−気」法では、i)反応過程におけるスラリー中のアルカリ土類金属水酸化物の溶解速度や炭酸ガスのスラリーへの溶解速度を厳密に制御することが難しい、ii)反応過程において核形成と粒子成長が並行して進行する、iii)核形成を水酸化ストロンチウムスラリー中で行うために、反応液を均一に攪拌することが困難で反応液内でのイオン濃度や過飽和度の不均化が生ずる、更に高い塩濃度の影響により生成した核が直ちに凝集する等の課題によって、調製できるアルカリ土類金属炭酸塩粒子は粒径分布の広いものであった。
上記i)の課題に対しては、例えば、炭酸イオンを含む水溶液とカルシウム化合物の水溶液とを超音波照射下に直接反応させて炭酸カルシウム結晶を製造する方法(例えば、特許文献4参照)や、バリウム塩の水溶液と炭酸アルカリの水溶液を別々の供給口から同時に反応容器に添加することにより針状の炭酸バリウムを製造する方法(例えば、特許文献5参照)、同様にストロンチウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、鉛の各イオンから選択される少なくとも1種を含む金属イオン源と炭酸源をダブルジェット法により液中で反応させて針状及び棒状の炭酸塩を製造する方法(例えば、特許文献6参照)等の「液−液」法を用いた方法が提案されている。しかし、これらの方法もii)項に示した課題を解決し得る技術手段を有していないため、製造できる粒子の粒径分布は依然として満足できるものではなかった。
前記ii)項に記載の課題に対しては、ストロンチウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、鉛の各イオンから選択される少なくとも1種を含む金属イオン源の液中で炭酸源を反応させる製造方法で、粒子数増加工程と粒子体積増加工程を含みかつ炭酸源の添加速度及び時間を制御して反応させ、アスペクト比が1より大きい形状を有する炭酸塩の製造方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。しかし、この方法は、イオン源の添加方法がシングルジェット法であるため、i)項に記載の課題を内包する製造方法であり、また、反応容器内に溜められた金属イオン源の中へ炭酸源を添加するため、iii)項に記載の課題が不可避となり、粒径分布の劣化を改良する技術としては不十分であった。
また、「液−気」法で製造されるアルカリ土類金属炭酸塩は、元来一次粒子(核粒子)間の凝集力が非常に強いものであり、一次粒子が多数凝集して大きな二次粒子(一次粒子の粗大凝集体)を形成しており、この二次粒子のスラリーは、長時間強力に攪拌を続けても、ほぼ一次粒子にまで分散させることは不可能であるとされている。例えば、このような一次粒子の凝集体を多数含有する炭酸カルシウムを、ゴム、プラスチック、紙、塗料等の填料あるいは顔料として使用した場合、二次粒子があたかも一次粒子のような挙動を示すため、分散不良、強度の低下、光沢の低下、流動性の悪化等を招き、一次粒子を配合した場合に発現する本来の効果が得られなくなる。また同様に、このように多数の凝集体を含有する炭酸カルシウムに、無機系又は有機系の表面処理を施しても二次粒子表面のみが処理されるにすぎず、充分な効果を引き出すことは難しい。
このようなアルカリ土類金属炭酸塩粒子における一次粒子凝集体を分散させる方法は多数報告されており、工業的にはボールミル、サンドグラインダーミル等により、強力に粉砕する方法が採用されている。しかしながら、このような方法は強大なエネルギーを使用した摩砕粉砕であるため、凝集体の分散が行われると同時に一次粒子の破壊も行われ、その結果、粒子の表面状態は不安定化し、加えて希望する一次粒子径より更に小さな粒子と分散が不完全な二次凝集粒子とが混在し、粒度の分布が幅広くなってしまうため、好ましい方法であるとは言い難い。また、このようなサンドグラインダー等の湿式粉砕機には、粉砕用メディアとして微小なガラスビーズが用いられる場合があるが、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の粉砕プロセスにおいて、これらガラスビーズ表面も破壊されるため、分散処理後のアルカリ土類金属炭酸塩粒子中に数μm以上の粗大ガラス片が多数混入することもあり、好ましい方法であるとは言い難いのが現状である。
従って、粉砕プロセスの必要がなく、凝集粒子の少ないアルカリ土類金属炭酸塩粒子を安定に製造できる方法が求められている。
特公昭55−51852号公報 特開2001−139328号公報 特開2006−124199号公報 特開昭59−203728号公報 特開平5−155615号公報 特開2006−21988号公報 特開2006−169038号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の形態や凝集性の制御が可能で、針状または柱状の形態を有する粒径分布の改良されたアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アルカリ土類金属の炭酸塩粒子の核形成工程と粒子成長工程を分離し各工程毎に最適な条件を付与することによって、針状または柱状の異方性形状を有する粒子であっても、その平均アスペクト比や平均粒径、および粒径分布を制御できることを見出すに至った。本発明はこのような検討から得られた知見に基づき導かれたものである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.ダブルジェット法を用いてアルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させ、平均アスペクト比が2以上の針状または柱状の形態を有するアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、核形成工程終了時における核粒子の長軸径と短軸径との平均値を各々a1,b1とし、該粒子成長工程終了時における成長粒子の長軸径と短軸径との平均値を各々a2,b2とし、該核形成工程終了時の該核粒子の平均アスペクト比をAR1(=a1/b1)とし、粒子成長工程終了時の該成長粒子の平均アスペクト比をAR2(=a2/b2)としたとき、AR1が1以上、2以下であり、かつAR2/AR1が2以上であることを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
2.前記核形成工程の少なくとも一部が、アルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液とをダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行うことを特徴とする前記1に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
3.前記核形成工程の少なくとも一部が、凝集防止剤の存在下で行われることを特徴とする前記1または2に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
4.前記凝集防止剤が、窒素含有水溶性ポリマーであることを特徴とする前記3に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
5.前記粒子成長工程の少なくとも一部が、形態制御剤の存在下で行われることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
6.前記形態制御剤が、一級アミン類またはアミノアルコールであることを特徴とする前記5に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
7.前記核形成工程または粒子成長工程の少なくとも一部が、反応容器内の液がpH9.0以上の条件下で行われることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
8.前記核形成工程または粒子成長工程の少なくとも一部が、反応容器内の液がアルカリ土類金属イオン過剰な条件下で行われることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
9.前記核形成工程におけるアルカリ土類金属塩溶液及び炭酸塩溶液のそれぞれの添加速度が、該核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たり0.1モル/min以上であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
10.前記粒子成長工程終了時のアルカリ土類金属炭酸塩のモル数に対する前記核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩のモル数の比(モル比)が、50モル%以下であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
11.前記粒子成長工程終了後に、限外濾過膜を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
12.前記粒子成長工程終了後に、限外濾過膜を用いて粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換する処理を施すことを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
13.アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液をダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ該粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
14.アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液とをダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換する処理を施すことを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
本発明により、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の形態や凝集性の制御が可能で、針状または柱状の形態を有する粒径分布の改良されたアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法を提供することができた。
以下に本発明の実施形態及びその詳細について説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものである。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、1)ダブルジェット法を用いてアルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させ、平均アスペクト比が2以上の針状または柱状の形態を有するアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、核形成工程終了時における核粒子の長軸径と短軸径との平均値を各々a1,b1とし、該粒子成長工程終了時における成長粒子の長軸径と短軸径との平均値を各々a2,b2とし、該核形成工程終了時の該核粒子の平均アスペクト比をAR1(=a1/b1)とし、粒子成長工程終了時の該成長粒子の平均アスペクト比をAR2(=a2/b2)としたとき、AR1が1以上、2以下であり、かつAR2/AR1が2以上であることを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法、2)アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液をダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ該粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法、または3)アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液とをダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換する処理を施すことを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法により、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の形態や凝集性の制御が可能で、針状または柱状の形態を有する粒径分布の改良されたアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明において、アルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造工程における核形成工程とは、核粒子を発生させるためのプロセスであり、粒子成長工程とは新たな核粒子の発生を殆ど伴わずに粒子を成長させるプロセスを意味する。換言すれば、核形成工程では粒子数は増加し、粒子成長工程では粒子数は実質的に増加しない(オストワルド熟成を施すと粒子数は減少する場合もある)。従って、両工程は新たな核の発生の有無によって区別することがきる。ここで、粒子数が実質的に増加しないとは、粒子成長工程終了時の粒子数が、粒子成長工程開始時(熟成工程を含む場合には熟成工程終了時)の125%以内であることを意味する。
本発明に係るアルカリ土類金属炭酸塩は、アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させて形成することができる。アルカリ土類金属イオン源としては、例えば、Ca2+、Sr2+,Ba2+,Ra2+であり、Ca2+の場合の具体的な化合物としては、CaCl2、Ca(NO32、CaSO4、Ca(OH)2、Ca(CH3COO)2、及びそれらの水和物等を挙げることができる。また、Sr2+,Ba2+,Ra2+の場合の具体的な化合物も同様である。炭酸イオン源として用いることができる化合物としては、例えば、Na2CO3、NaHCO3、K2CO3、KHCO3、(NH42NO3、NH4HCO3、(NH22CO等が挙げられる。本発明においては、アルカリ土類金属イオン源と炭酸イオン源のいずれも、溶媒に対する溶解度が高く、濃度の高い溶液を調製できる化合物がより好適である。
前述のように、アルカリ土類金属の炭酸塩を製造する方法としては、アルカリ土類金属塩の溶液に炭酸ガスを導入して反応させる方法(「液−気」法)や、アルカリ土類金属塩の溶液と炭酸イオンを含む溶液を反応させる方法(「液−液」法)が知られている。いずれの方法においても、アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとが反応すると、アルカリ土類金属炭酸塩の析出が直ちに生じる。反応により生じたアルカリ土類金属炭酸塩微粒子は、核粒子の生成直後から粒子成長を始めるため、早く発生した核粒子ほど成長しやすく、後から発生した核粒子ほど成長しにくい。この結果、核形成工程中の粒子成長は、核粒子の粒径分布を増大させ、粒子成長終了後の粒径分布の劣化を招くため好ましくない。核形成工程中に起こる核粒子の粒径分布の広がりには、核形成時間と核形成温度に大きく依存する。即ち、核形成工程の時間が長いと早く発生した核粒子の成長によって粒径分布が劣化し、また、核形成工程の温度が高いと核粒子の成長速度が増大し、早く発生した核粒子と後から発生した核粒子との粒径差が増幅される。
本発明では核形成工程の時間を任意に設定できるが、粒径分布の劣化を防止するために1800秒以内で終了することが好ましく、300秒以内がより好ましく、120秒以内が更に好ましい。また、同様に核形成工程の温度も任意に設定できるが、核形成工程中の核粒子の成長を抑制するため、なるべく低い温度で行うことが好ましく、具体的には−10℃〜40℃の間で行うことが好ましい。更に低い温度では、反応容器内の液が凍結したり、温度制御のために特殊な設備が必要となり生産コストが増大する。
核形成の方法としてアルカリ土類金属塩の溶液中に炭酸ガスのみを導入する、いわゆる炭酸ガス法と、アルカリ土類金属塩の溶液と炭酸イオンを含む溶液を同時に添加するダブルジェット法を選択できるが、本発明における核形成工程には、核発生を制御し易いダブルジェット法を適用することが、特に好ましい。ダブルジェット法では、撹拌混合装置内の過飽和度を高めて単位時間当たりの核発生数を増大することができるため、核形成工程の時間を短縮し、核形成工程における分布劣化を改善することが可能となる。
本発明でいうダブルジェット法とは、2種類の溶液を必要に応じて適当な送液装置等を用いて各々反応容器内の液の液面上または液中に滴下または噴射、あるいは注入することにより、該容器内の液中で反応させる方法であり、本発明においてはアルカリ土類金属塩溶液及び炭酸塩溶液を添加液として用いることにより実施できる。
ダブルジェット法では、送液装置等で添加液の添加速度を変更することによって、モル添加速度を任意に設定したり変更したりすることができるが、モル添加速度が小さい場合には、単位時間当たりに形成される核粒子数が減少するため生産効率が低下し、添加時間を長くして形成される核粒子数を増やすと生成した核の成長が並行して生じるため粒径分布が劣化する。従って、本発明では前記核形成工程におけるモル添加速度を、該工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たり0.1モル/min以上に設定することが好ましい。更に0.2〜4モル/minが好ましく、0.5〜2モル/minがより好ましい。モル添加速度が4モル/minより大きい場合には、反応容器内の攪拌効率が相対的に低下し不均一な核が生成したり、局所的な核密度の増加による凝集発生の懸念が増大する。
本発明における粒子成長工程では、新たな結晶核が発生しないようにアルカリ土類金属イオンと炭酸イオンを反応させることが重要である。そのためには、粒子成長工程をダブルジェット法で実施する場合にはアルカリ土類金属塩の溶液と炭酸イオンを含む溶液の添加速度の調整が必要であり、炭酸ガス法で実施する場合には炭酸ガス導入速度の調整が必要である。なお、本発明では、核形成工程終了後に必要に応じて反応容器内の液温を核形成工程より高く保持する(熟成工程)こともできる。通常熟成工程では、粒径の小さな粒子が溶解し粒径の大きな粒子が成長する現象(オストワルド熟成)が起こる。従って、本発明においては熟成工程を粒子成長工程の一部と見なすことができる。粒子成長工程は、粒子の成長速度を高めるために核形成工程と同等以上の温度で行うことが好ましく、具体的には0℃〜60℃の間で行うことが好ましい。0℃より低い温度では十分な粒子成長速度が得られないため粒子成長工程に長時間を要し、60℃以上では針状粒子または柱状粒子の直径が大きくなりアスペクト比を高めることが難しくなる。
本発明において、アスペクト比とは針状または柱状の形態を有する粒子の長さ(長軸径)と直径(短軸径)との比(長軸径/短軸径)であり、平均アスペクト比とは300個以上の粒子について個々のアスペクト比を求めて得られた算術平均の値を意味する。平均アスペクト比を計算する際に長軸径や短軸径の平均値も求めることができる。本発明は、平均アスペクト比が2以上の針状または柱状の形態を有するアルカリ土類金属炭酸塩の製造に特に有用である。
アスペクト比の高い針状粒子または柱状粒子を得るためには、核形成工程でアスペクト比の高い核粒子を形成する方法と、粒子成長工程でアスペクト比を高める方法があるが、核形成段階でアスペクト比を高めようとすると粒径分布の劣化を伴う場合が多い。本発明においては、核形成工程において得られる核の特性として、アスペクト比よりも粒径分布がより重要である。これは、核形成段階でより均一な核を形成することが粒子成長後の粒径分布の向上に大きく寄与するためである。そのため、本発明においては核形成の段階では粒径分布が劣化しにくい低アスペクト比粒子であることが好ましく、粒子成長工程で短軸径の成長を抑制しつつ長軸径を選択的に成長させて高アスペクト比粒子を形成することが好ましい。
従って、本発明に係るアルカリ土類金属炭酸塩粒子は、核形成工程終了時の核粒子の平均アスペクト比をAR1(=a1/b1)、粒子成長工程終了時の粒子の平均アスペクト比をAR2(=a2/b2)としたとき、AR1が1以上、2以下であることを特徴とし、1以上、1.5以下がより好ましい。同時に、AR2/AR1は2以上であることを特徴とし、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましい。ここで、a1,b1は各々核形成工程終了時の粒子の長軸径平均値と短軸径平均値であり、a2,b2は各々粒子成長工程終了時の粒子の長軸径平均値と短軸径平均値である。
本発明において、粒径はアルカリ土類金属炭酸塩粒子の投影面積に等しい面積を有する円の直径で表し、平均粒径とは300個以上の粒子について個々の粒径を求めて得られた算術平均の値を意味する。粒径分布は、平均粒径を求める際に用いた個々の粒径の標準偏差を平均粒径で除した値に100を乗じた値で表す。
粒径分布(%)=粒径の標準偏差/平均粒径粒子×100
本発明は、粒径分布に優れたアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造に有用である。本発明に係るアルカリ土類金属炭酸塩粒子は、粒径分布が25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。また、平均粒径は250nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。粒径分布と同様の方法で長軸径及び短軸径の分布を定義した場合、長軸径の分布は40%以下が好ましく、30%以下であることがより好ましく、短軸径の分布は30%以下が好ましく、20%以下であることがより好ましい。また、長軸径の平均値は80〜500nmであることが好ましく、100〜350nmがより好ましく、100〜250nm以下が更に好ましい。短軸径の平均値は10〜80nmが好ましく、15〜70nmがより好ましく、20〜60nmが更に好ましい。
上記の平均アスペクト比や平均粒径、成長速度比の算出に必要となる個々の粒子の長軸や短軸、投影面積は電子顕微鏡像から測定することができ、必要に応じて画像解析装置を用いて求めることもできる。
本発明においては、核形成工程と粒子成長工程で消費される原料(アルカリ土類金属塩及び炭酸塩)のモル比を任意に変えることができるが、平均アスペクト比が2以上の針状粒子または柱状粒子を形成するには、粒子形成終了時のアルカリ土類金属炭酸塩に対する核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩のモル比を少なくする方が有利である。これは、針状粒子または柱状粒子の異方形状の形成には粒子成長工程の寄与が大きいためである。従って、本発明では、核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩のモル比を50モル%以下に設定することが好ましく、更には30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましい。
本発明では、粒子凝集を防止するために核形成工程、粒子成長工程の少なくとも一部を凝集防止剤の存在下で実施することが好ましい。凝集防止剤は、反応容器内の液に添加してもよいし、アルカリ土類金属イオン源溶液と炭酸イオン源溶液の少なくとも一方に添加しておいてもよい。反応容器内の液に凝集防止剤を添加する場合、核形成工程、粒子成長工程のいずれの時点で添加してもよいが、少なくとも粒子成長工程開始前に添加することが好ましく、核形成工程開始前に反応容器内の液に凝集防止剤を含有させておくことがより好ましい。本発明で用いることができる凝集防止剤は、アルカリ土類金属塩粒子に対して吸着性を有し、立体障害として作用し、粒子間の凝集を防止することができる化合物であり、天然物と合成化合物のいずれであってもよい。
本発明において好ましく用いることができる凝集防止剤の例として、ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなどの窒素含有ポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどの中性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系ポリマー等の水溶性ポリマーを用いることができる。中でも好ましい化合物として、窒素含有水溶性ポリマーが挙げられる。ポリマーの平均分子量に制限はないが、分子量が小さいと凝集抑制効果が小さく、大きいと反応液の増粘を引き起こす。本発明で用いられる凝集防止剤の平均分子量は好ましくは1万〜100万、より好ましくは3万〜50万、更に好ましくは5万〜30万である。
また、上記凝集防止剤の添加量としては、反応容器内の液やイオン源溶液に対して0.1〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が更に好ましい。
なお、使用した凝集防止剤は、最終製品が疎水性塗料やプラスチックの場合等、製品性能に悪影響を与える可能性がある場合には、粒子形成後の脱塩工程及び水洗処理工程、或いは溶媒置換の工程等で取り除くことが出来る。
本発明では、粒子凝集性を改良するため、核形成工程、粒子成長工程の少なくとも一部を、反応容器内の液がアルカリ土類金属イオン過剰となる条件下で行うことができる。反応容器内の液がアルカリ土類金属イオン過剰となるように操作する方法に特に制限はないが、ダブルジェット法で添加されるアルカリ土類金属塩溶液とは別に必要量のアルカリ土類金属塩またはその溶液を反応容器内に添加する方法や、ダブルジェット法で添加されるアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液の流量のバランスで調整する方法が好ましい。アルカリ土類金属イオンの過剰量としては、反応容器内の液に溶解しているアルカリ土類金属イオンのモル濃度として0.001〜0.5モル/Lが好ましく、0.01〜0.5モル/Lがより好ましく、0.01〜0.2モル/Lが更に好ましい。この範囲をはずれると凝集発生の懸念が増大する。
本発明においては、反応容器内の液のpHを任意に設定することができるが、粒子の凝集抑制及び針状粒子または柱状粒子を形成するための異方成長性の観点から、核形成工程または粒子成長工程の少なくとも一部をpH9以上の条件下で行うことが好ましい。更にはpH値9〜13.5が好ましく、pH値10〜13が特に好ましい。これより高いpH値にしても凝集抑制や異方成長性に対する効果は変わらない。
本発明では、針状粒子または柱状粒子を形成するために、核形成工程または粒子成長工程の少なくとも一部を形態制御剤の存在下で実施することができる。形態制御剤に用いることができる化合物としてはアミン類を挙げることができ、その中でも、一級アミン類やアミノアルコール類は本発明で好ましく用いることができる。
本発明に適用可能な形態制御剤としては、例えば、ジアミン化合物やアミノアルコール化合物等があり、具体的にはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、プロピレンジアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、2−アミノエタノール等を挙げることができる。
本発明では、反応容器内の液がアルコールを含んでいてもよい。反応容器内の液にアルコールを添加するのは核形成工程、粒子成長工程のいずれの時点でも良いが、少なくとも粒子成長工程開始前に添加することが好ましく、核形成工程開始前に反応容器内の液にアルコールを含有させておくことがより好ましい。本発明で用いるアルコールは水と任意の比率で混じり合うことができるものであり、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールの内少なくとも1種を使用することが好ましい。アルコールの添加量としては、反応容器内の液の5〜80体積%が好ましく、5〜50体積%がより好ましく、10〜50体積%が更に好ましい。
本発明では、粒子成長工程の一部で炭酸ガスを炭酸源として用いることもできる。この場合、粒子凝集の懸念を回避するために、熟成工程終了後または粒子成長工程の途中段階から適用することが好ましい。具体的な態様として、核形成工程及び熟成工程終了後の反応液にアルカリ土類金属の水酸化物を添加してスラリーを形成し、該スラリー中に炭酸ガスを導入して核粒子を成長させる方法を挙げることができる。この方法ではアルカリ土類金属塩のスラリーを用いるため、実効的に高濃度の溶液を用いることができ生産性の向上に有効である。
本発明においては、アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液をダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ該粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことを特徴とする。すなわち、アルカリ土類金属塩粒子形成後に、限外濾過膜を用いて濃縮・希釈操作を行うことにより、脱塩・水洗処理を施すことができる。この方法に従えば、例えば、ゴムやプラスチック、塗料等の填料又は顔料として使用する場合に、乾燥工程を経ることなく適切な溶媒に対する分散液を得ることができるため、乾燥後の固形物を粉砕する工程を省略できるだけでなく、粒子を乾燥させることによって発生する乾固凝集を回避でき、一次粒子を配合した場合に得られる効果を有効に発現させることができる。
また、本発明においては、アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液とをダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換する処理を施すことを特徴とする。すなわち、アルカリ土類金属塩粒子を分散液として保存する際に、溶媒を粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換することによって、より好ましくはアルコール等のアルカリ土類金属塩粒子の貧溶媒に置換することによって、保存時のオストワルド熟成による粒径や形状の変化を防止することもできる。本発明に用いることができる限外濾過膜としては、アルカリ土類金属塩粒子を濾別できる分画分子量を有し、溶媒に対する耐性を有するものである限り特に制限は無い。アルカリ土類金属塩粒子製造時に保護コロイド剤や形態制御剤等の添加剤を使用し、粒子形成後に残存する添加剤を除去したい場合にも、適切な分画分子量の限外濾過膜を選択することによって、水洗処理または溶媒置換処理時にそれら添加剤を除去することも可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施態様における各種条件は、本発明の特徴や趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができ、本発明の範囲は以下の実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
実施例1
《アルカリ土類金属炭酸塩粒子の調製》
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製:本発明〕
容量8Lのステンレス製の反応容器に、4000mlの水(溶液A1)を準備した。また、塩化ストロンチウム6水和物から1.0モル/L水溶液1000ml(溶液B1)と、炭酸ナトリウムから1.0モル/L水溶液1000ml(溶液C1)を調製した。
(核形成工程)
反応容器内の溶液A1を5℃に保持し1000rpmで攪拌しながら、反応熱による温度上昇を考慮し3℃に冷却した各々200mlの溶液B1と溶液C1とを、ダブルジェット法を用いて等しい添加速度で溶液A1の液中に2分間を要して添加した。核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たりのモル添加速度は、0.5モル/minである。
(粒子成長工程)
次いで、5℃に保持した上記反応液を攪拌しながら、5℃に保持した溶液B1と溶液C1の残量800mlを、粒子成長に伴う表面積の増加に合わせて流量を加速しながらダブルジェット法を用いて反応容器内の液中に150分間で添加した。なお、核形成工程終了時、及び粒子成長工程間と工程終了後に反応液を採取し電子顕微鏡を用いて確認したところ、粒子成長工程での新たな核の生成は認められなかった。粒子成長工程終了後の反応液をフィルターで濾過し、取り出された反応物に数回水洗処理を行い、最後にエタノールで洗った後乾燥して、炭酸ストロンチウムであるアルカリ土類金属炭酸塩粒子1を調製した。得られた反応物のX線回折スペクトルを測定し、反応物が炭酸ストロンチウムであることが同定された。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子2の調製:本発明〕
反応容器に、ポリビニルピロリドン40gと塩化ストロンチウム6水和物0.1モルを含む4000mlの水溶液(溶液A2)を準備した。
(核形成工程及び粒子成長工程)
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製において、溶液A1に代えて、上記溶液A2を用いた以外は同様にして、炭酸ストロンチウムであるアルカリ土類金属炭酸塩粒子2を調製した。アルカリ土類金属炭酸塩粒子2の調製において、粒子成長工程での新たな核の生成は認められなかった。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子3の調製:本発明〕
反応容器に、ポリビニルピロリドン(平均分子量14万)120g、塩化ストロンチウム6水和物0.1モル、エチレンジアミン(形態制御剤)0.3モルを含む4000mlの水溶液(溶液A3)を準備した。溶液A3のpH値は、約12であった。
(核形成工程及び粒子成長工程)
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製において、溶液A1に代えて、上記溶液A3を用いた以外は同様にして、炭酸ストロンチウムであるアルカリ土類金属炭酸塩粒子3を調製した。アルカリ土類金属炭酸塩粒子3の調製において、粒子成長工程での新たな核の生成は認められなかった。粒子成長工程終了後の反応液は、フィルターで濾過し、取り出された反応物に数回水洗処理を行い、最後にエタノールで洗った後乾燥した。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子4の調製:本発明〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子3の調製において、下記の各工程条件を変更した以外は同様にして、炭酸ストロンチウムであるアルカリ土類金属炭酸塩粒子4を調製した。アルカリ土類金属炭酸塩粒子4の調製において、粒子成長工程での新たな核の生成は認められなかった。
(核形成工程)
反応容器内の溶液A3を5℃に保持し1000rpmで攪拌しながら、3℃に冷却した各々100mlの溶液B1と溶液C1を、ダブルジェット法を用いて等しい添加速度で溶液A3の液中に1分間で添加した。核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たりのモル添加速度は1.0モル/minである。
(粒子成長工程)
次いで、5℃に保持した反応液を攪拌しながら、5℃に保持した溶液B1の残量900mlと溶液C1の残量900mlを、流量を加速しながらダブルジェット法を用いて反応容器内の液中に添加した。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子5の調製:本発明〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子3の調製において、下記の各工程条件を変更した以外は同様にして、炭酸ストロンチウムであるアルカリ土類金属炭酸塩粒子5を調製した。アルカリ土類金属炭酸塩粒子5の調製において、粒子成長工程での新たな核の生成は認められなかった。
(核形成工程)
反応容器内の溶液A3を5℃に保持し1000rpmで攪拌しながら、3℃に冷却した各々600mlの溶液B1と溶液C1を、ダブルジェット法を用いて等しい添加速度で溶液A3の液中に6分間で添加した。核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たりのモル添加速度は0.17モル/minである。
(粒子成長工程)
次いで、5℃に保持した反応液を攪拌しながら、5℃に保持した溶液B1の残量400mlと溶液C1の残量400mlを、流量を加速しながらダブルジェット法を用いて反応容器内の液中に添加した。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子6の調製:本発明〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子3の調製において、粒子成長工程終了後に限外濾過膜を用いて水洗処理を施し、更に限外濾過膜を用いてエタノール溶媒への置換を行った以外は同様にして、炭酸ストロンチウムであるアルカリ土類金属炭酸塩粒子6を調製した。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子7の調製:比較例〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製において、核形成工程における溶液B1と溶液C1の添加時間を40分間とした以外は同様にして、炭酸ストロンチウム粒子であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子7を調製した。核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たりのモル添加速度としては、0.05モル/minに相当する。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子8の調製:比較例〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製において、核形成工程を下記のように変更した以外は同様にして、アルカリ土類金属炭酸塩粒子8を調製した。
(核形成工程)
反応容器内の溶液A1を5℃に保持し、1000rpmで攪拌しながら、5℃に保持した各々1000mlの溶液B1と溶液C1を、ダブルジェット法を用いて等しい添加速度で溶液A1の液中に120分間で添加した。核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たりのモル添加速度としては0.01モル/minに相当する。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子9の調製:比較例〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製において、粒子成長工程における溶液B1と溶液C1の添加時間をそれぞれ40分間に短縮した以外は同様にして炭酸ストロンチウム粒子であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子9を調製した。粒子成長工程開始前と粒子成長工程間、及び粒子成長工程終了後に、各反応液を採取して電子顕微鏡を用いて確認したところ、粒子成長と並行して新たな核が生成されていることが確認された。
〔アルカリ土類金属炭酸塩粒子10の調製:比較例〕
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製の核形成工程において、はじめに反応容器内の溶液A1に溶液B1の全量を添加し、次いで、溶液C1だけをシングルジェット法で添加した以外は同様にして炭酸ストロンチウム粒子であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子10を調製した。
《アルカリ土類金属炭酸塩粒子の評価》
〔平均アスペクトAR1、AR2の測定〕
核形成工程終了時及び粒子成長工程終了時に、各アルカリ土類金属炭酸塩粒子をサンプリングし、各粒子500個について、走査型電子顕微鏡を用いて粒子の長さ(長軸径)と直径(短軸径)を測定し、その比(長軸径/短軸径)をアスペクト比として算出し、その平均値を求め、これを平均アスペクト比AR1、AR2とした。
〔粒子形状の観察〕
上記調製した各アルカリ土類金属炭酸塩粒子について、走査型電子顕微鏡にて約200個の粒子を撮影し、その形状を観察し、主体を占める粒子の形状を、針状粒子、球状粒子、不定形のイガグリ状粒子に分類した。
〔平均粒径の測定〕
上記調製した各アルカリ土類金属炭酸塩粒子を走査型電子顕微鏡を用いて撮影し、粒子の投影面積に等しい面積を有する円の直径を粒径と定義し、300個の粒子について測定した個々の粒径の算術平均値を求め、これを平均粒径とした。
〔粒径分布の測定〕
上記平均粒径の測定で求めた個々の粒径の標準偏差を平均粒径で除した値に100を乗じた値を求め、これを粒径分布とした。
粒径分布[%]=粒径の標準偏差/平均粒径粒子×100
以上により得られた結果を、表1に示す。なお、アルカリ土類金属炭酸塩粒子7は、核形成と粒子成長のプロセスが分離できないため、核形成後の平均アスペクト比を測定することができなかった。また、なお、アルカリ土類金属炭酸塩粒子9は、核形成後の粒子が激しく凝集しており個々の粒子のアスペクト比を測定することができなかった。更に、アルカリ土類金属炭酸塩粒子8、9は、不均一な粒子形状を呈しているため、粒子成長後の平均アスペクト比や平均粒径の測定を行うことができなかった。
Figure 2008110885
表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する製造方法により調製したアルカリ土類金属炭酸塩粒子1は、ARが高く粒径分布に優れていることが分かる。これに対し、比較例であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子6の調製方法では、核形成工程におけるモル添加速度が0.05モル/minと低く添加に時間を要している(40分間)ため、核形成工程で生成された核の成長が並行して生じ、核形成段階でのアスペクト比が高くAR1が2以上かつAR2/AR1が2以下の関係になっているために、粒径分布の劣化を招いている。また、比較例であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子7の調製方法では、核形成工程と粒子成長工程が分離されていないため、針状粒子と球状粒子が混在した不均一な粒子形状となり、粒径分布の劣化を引き起こしている。また、比較例であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子8の調製方法では、粒子成長工程における添加速度を適切に制御していないために粒子成長工程でも核の生成が起こり、柱状粒子と球状粒子が混在した不均一な粒子形状となり、加えて粒径分布の劣化を引き起こしている。以上の結果は、粒径分布の改良には核形成工程と粒子成長工程をその目的通りに明確に機能分離することが重要性であることを示している。
また、比較例であるアルカリ土類金属炭酸塩粒子9の調製方法は、本発明のアルカリ土類金属炭酸塩粒子1の調製方法用いたダブルジェット法をシングルジェット法に変更して粒子調製を行ったものであるが、成長後の粒子は実施例1のものとは異なり、針状粒子にイガグリ状の粒子が混在したものであった。イガグリ状の粒子は、核形成工程で核の凝集が発生し、この凝集体が粒子成長工程で針状成長したものと思われる。比較例4における核形成工程での核の凝集発生は、反応溶液内に予め塩化ストロンチウムを全量添加したために、核形成が塩濃度の高い条件下で行われたことが原因と推定される。
一方、アルカリ土類金属炭酸塩粒子1とアルカリ土類金属炭酸塩粒子2との調製方法を比較すると、粒子調製を粒子凝集防止剤の存在下、またアルカリ土類金属イオン過剰な条件下で行うことにより、粒子凝集性が改良され粒径分布の改良及び小粒径化に結びついていることが理解できる。また、アルカリ土類金属炭酸塩粒子2とアルカリ土類金属炭酸塩粒子3との調製方法を比較すると、本発明の製造方法において、形態制御剤を適用することにより、アスペクト比を顕著に高められることが分かる。また、この場合、高アスペクト比化に伴う粒径分布の劣化は殆ど認められない。
また、アルカリ土類金属炭酸塩粒子3〜5の調製方法を比較すると、本発明の製造方法においては、核形成工程と粒子成長工程のモル比の配分により、アスペクト比の調整が可能であることが示されている。尚、アルカリ土類金属炭酸塩粒子4の製造方法の結果より、核形成工程のモル比が50%を超えると粒子成長後のアスペクト比が低くなってしまうため、針状または柱状粒子に期待される特性を十分に得ることが難しくなる可能性がある。
また、アルカリ土類金属炭酸塩粒子6の製造方法で調製した限外濾過膜を用いて水洗処理とエタノール溶媒への置換を行った炭酸ストロンチウム粒子分散物と、アルカリ土類金属炭酸塩粒子3を同濃度となるようにエタノール液中に分散した分散物について、分散物の濁度を測定したところ、アルカリ土類金属炭酸塩粒子6分散物の方が濁度値が低く、粒子凝集が少ないことが確認された。この結果から、粒子成長工程終了後に限外濾過法を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことは、粒子の凝集防止に有効であると判断できる。また、アルカリ土類金属炭酸塩粒子6の製造方法において、限外濾過膜を用いて水洗処理を行った後、エタノール溶媒への置換を有無による分散液を調製し、それぞれ室温で10日間放置した後の粒子形状を観察した結果、水洗処理後にエタノール溶媒へ置換を行った分散液中の粒子は表1に示した粒径や粒径分布の値を維持していたが、エタノール溶媒への置換を行わなかった粒子はオストワルド熟成によって粒径が増大し粒径分布も劣化していることが判明した。従って、アルカリ土類金属塩粒子を分散液として保存する場合には、本発明の貧溶媒への溶媒置換を行う方法が安定性を向上させる上で有効であることが確かめられた。
実施例2
上記アルカリ土類金属炭酸塩粒子1〜9の調製で使用した塩化ストロンチウム6水和物を、塩化バリウム、塩化カルシウムにそれぞれ変更して、各々塩化バリウムと炭酸カルシウムを調製した。得られたアルカリ土類金属炭酸塩粒子について、実施例1と同様の方法で各特性の測定を行った結果、本発明の製造方法で調製したアルカリ土類金属炭酸塩粒子は、実施例1に記載の本発明の炭酸ストロンチウム粒子と同様の針状または柱状の形状を示し、かつ粒径分布に優れることが確認された。

Claims (14)

  1. ダブルジェット法を用いてアルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させ、平均アスペクト比が2以上の針状または柱状の形態を有するアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、核形成工程終了時における核粒子の長軸径と短軸径との平均値を各々a1,b1とし、該粒子成長工程終了時における成長粒子の長軸径と短軸径との平均値を各々a2,b2とし、該核形成工程終了時の該核粒子の平均アスペクト比をAR1(=a1/b1)とし、粒子成長工程終了時の該成長粒子の平均アスペクト比をAR2(=a2/b2)としたとき、AR1が1以上、2以下であり、かつAR2/AR1が2以上であることを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  2. 前記核形成工程の少なくとも一部が、アルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液とをダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行うことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  3. 前記核形成工程の少なくとも一部が、凝集防止剤の存在下で行われることを特徴とする請求項1または2に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  4. 前記凝集防止剤が、窒素含有水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項3に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  5. 前記粒子成長工程の少なくとも一部が、形態制御剤の存在下で行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  6. 前記形態制御剤が、一級アミン類またはアミノアルコールであることを特徴とする請求項5に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  7. 前記核形成工程または粒子成長工程の少なくとも一部が、反応容器内の液がpH9.0以上の条件下で行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  8. 前記核形成工程または粒子成長工程の少なくとも一部が、反応容器内の液がアルカリ土類金属イオン過剰な条件下で行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  9. 前記核形成工程におけるアルカリ土類金属塩溶液及び炭酸塩溶液のそれぞれの添加速度が、該核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩1モル当たり0.1モル/min以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  10. 前記粒子成長工程終了時のアルカリ土類金属炭酸塩のモル数に対する前記核形成工程で形成されるアルカリ土類金属炭酸塩のモル数の比(モル比)が、50モル%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  11. 前記粒子成長工程終了後に、限外濾過膜を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  12. 前記粒子成長工程終了後に、限外濾過膜を用いて粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換する処理を施すことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  13. アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液をダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ該粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて脱塩及び水洗処理を施こすことを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
  14. アルカリ土類金属イオンと炭酸イオンとを反応させてアルカリ土類金属炭酸塩粒子を製造するアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法において、核形成工程及び粒子成長工程を有し、該核形成工程がアルカリ土類金属塩溶液と炭酸塩溶液とをダブルジェット法で反応容器内の液に添加して核形成を行い、かつ粒子成長工程の終了後に、限外濾過膜を用いて粒子成長工程の溶媒よりも溶解度の低い溶媒に置換する処理を施すことを特徴とするアルカリ土類金属炭酸塩粒子の製造方法。
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