JP2008103655A - ウエハ貼着用貼着シートおよびウエハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルムと該基材フィルム上に形成された粘着剤層とからなる粘着シートであって、該粘着シートを350μm厚のベアウエハの一方の面に10枚重ねて貼合して130mm×20mmに加工した条件における、中央加振法により測定した損失係数(23℃、周波数600〜700Hz)が0.07以上であるウエハ貼着用粘着シート。
【選択図】図1
Description
ダイシング時には、チッピングと呼ばれるチップの欠け・ヒビが生じ、大きさは100μm以上となることは珍しくなく、回路面にチッピングが達すると回路そのものの性能に支障を来たすこともある。また、ピックアップ工程の際にチッピングにより生じたチップの破片が他のチップ表面に付着し、回路そのものを破壊することがある。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムと該基材フィルム上に形成された粘着剤層とからなる粘着シートであって、該粘着シートを350μm厚のベアウエハの一方の面に10枚重ねて貼合して130mm×20mmに加工した条件における、中央加振法により測定した損失係数(23℃、周波数600〜700Hz)が0.07以上であることを特徴とするウエハ貼着用粘着シート、
(2)前記粘着剤層が、ベンゼン環に結合した水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェノール化合物を含有することを特徴とする(1)項記載のウエハ貼着用粘着シート、
(3)前記フェノール化合物が、4,4´−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(2)項記載のウエハ貼着用粘着シート、
(4)前記粘着剤層がベースポリマー100質量部当りベンゼン環に結合した水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェノール化合物を30〜150質量部含有することを特徴とする(1)項記載のウエハ貼着用粘着シート、
(5)前記粘着剤層を形成する粘着剤がアクリル系粘着剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のウエハ貼着用粘着シート、
(6)前記粘着剤層が複数層から形成され、かつベンゼン環に結合した水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェノール化合物を含有する粘着剤層が、前記複数層の最外層以外の層として配設されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載のウエハ貼着用粘着シート、及び
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載のウエハ貼着用粘着シートにウエハを貼合し、該ウエハのダイシングを行うウエハの加工方法であって、前記基材フィルムまで切り込みを行わないことを特徴とするウエハの加工方法を提供するものである。
本発明のウエハの加工方法によれば、ウエハ切削をスムーズにし、チッピングを低減できる。
図1は、本発明のウエハ貼着用粘着シートの1つの実施形態を示す断面図である。
本発明のウエハ貼着用粘着シートは、図1の断面図で示すように、基材フィルム1と該基材フィルム上に形成された粘着剤層2とからなる実施形態とすることができる。本発明において、粘着シートは粘着テープ(例えば、ダイシングテープ)を含むものである。本発明のウエハ貼着用粘着シートは、350μm厚のベアウエハの一方の面に10枚重ねて貼合し、130mm×20mmに加工した条件にて、中央加振法にて測定した損失係数(23℃、周波数600〜700Hz)が0.07以上である。
粘着剤層2と接する面には密着性を向上するために、コロナ処理を施したりプライマー等の他の層を設けてもよい。基材フィルム1の厚さは特に制限されないが、好ましくは30〜200μm、特に好ましくは50〜100μmである。
これらのベースポリマーに凝集力を付加するために架橋剤を配合することができる。
該架橋剤としては、ベースポリマーに対応して、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン樹脂などが挙げられる。さらに粘着剤には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、各種添加成分を含有させることができる。
また、放射線硬化型や加熱発泡型の粘着剤も用いることができる。放射線硬化型の粘着剤としては、紫外線、電子線等で硬化し、剥離時には剥離しやすくなる粘着剤を使用することができ、加熱発泡型の粘着剤とは、加熱により発泡剤や膨張剤により剥離しやすくなる粘着剤を使用することができる。さらに、粘着剤としてはダイシング・ダインボンディング兼用可能な接着剤であってもよい。放射線硬化型粘着剤としては、たとえば、特公平1−56112号公報、特開平7−135189号公報等に記載のものが好ましく使用されるがこれらに限定されることはない。本発明においては、紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。その場合には、放射線により硬化し三次元網状化する性質を有すればよく、例えば通常のゴム系あるいはアクリル系の感圧性ベース樹脂(ポリマー)に対して、分子中に少なくとも2個の光重合性炭素−炭素二重結合を有する低分子量化合物(以下、光重合性化合物という)および光重合開始剤が配合されてなるものが使用される。
上記のゴム系あるいはアクリル系のベース樹脂は、天然ゴム、各種の合成ゴムなどのゴム系ポリマー、あるいはポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な他の不飽和単量体との共重合物などのアクリル系ポリマーが使用される。
このような光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。
本発明におけるフェノール化合物としては、具体的には、4,4´−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾール等を好ましく使用することができる。
このなかでも4,4´−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)が好ましい。
図2は、本発明のウエハ貼着用粘着シートの1つの実施形態を示す断面図である。
図2において、基材フィルム1上の前記粘着剤層が、前記フェノール化合物を配合した粘着剤層3(最外層以外の粘着剤層)、前記フェノール化合物を配合しない粘着剤層4(最外層)からなる2層構造を有する。粘着剤層は2層以上であり、3層でもよい。
ここで、「最外層」とは、複数層からなる粘着剤層のうち、ウエハ貼着面を形成する層をいう。
本発明において、最外層以外の粘着剤層の層数は、特に制限するものではないが、1層ないし2層であることが好ましく、1層であることがより好ましい。
本発明において、粘着剤層を複数層とし、前記フェノール化合物を配合した粘着剤層3を基材側に配置し、前記フェノール化合物を配合しない粘着剤層4を外側に配置することにより、ウエハ裏面への汚染性をより低減することができるので好ましい。
最外層以外の粘着剤層それぞれの厚さは特に制限されないが、好ましくは4〜30μm、特に好ましくは5〜25μmである。
最外層の厚さは特に制限されないが、好ましくは4〜20μm、特に好ましくは5〜15μmである。
アクリル系ベースポリマー(2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートからなる共重合体、重量平均分子量20万、ガラス転移点=−35℃)100質量部にポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、商品名コロネートL)3質量部、光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としてテトラメチロールメタンテトラアクリレート10質量部、光重合開始剤としてα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1質量部を添加し、混合して得た。
(基材フィルム)
エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)(三井・デュポンポリケミカル(株)「ニュクレルN1214」)をフィルム押し出し成形にて加工した。肉厚100μm。
(損失係数)
ベアウエハ(350μm厚、裏面2000番仕上)裏面に、ウエハ貼着用粘着シートを10枚貼り付け、幅20mm、長さ130mmに切断した。サンプル中央のウエハ表面に支持用治具を瞬間接着剤にて固定し、損失係数測定装置(B&K社製3550型)にセットした。測定温度23℃、測定周波数600〜700Hzで、JIS G 0602「制振鋼板の振動減衰特性試験方法」に基づく中央加振法により、損失係数を算出した。
(粒子間距離)
基材フィルムの粘着剤被塗布層断面をSEMにて観測し、粒子間距離の平均値とする(50個をサンプリング)。ただし、粒子が凝集している場合は1つの粒子とする。
(チッピング性)
使用ウエハ:表面金蒸着ウエハ
ダイシング後、UV照射を実施し(500mJ/m2)、1枚のウエハからランダムに50チップ取り出し、チップ裏面(粘着面)の各辺における最大のチッピング値を顕微鏡(100〜200倍)で測定し、全値の平均を算出した。
(ウエハ裏面への糊残り)
上記チッピング性を評価した際、チップを剥がして、ウエハ裏面に糊が貼着していないかを目視にて確認した。
2 粘着剤層
3 前記フェノール化合物を配合した粘着剤層
4 最外層
11 ホルダー
12 粘着シート
13 半導体ウエハ
14 素子小片(チップ)
15 実線矢印方向
16 エキスパンダー
17 点線矢印方向
Claims (7)
- 基材フィルムと該基材フィルム上に形成された粘着剤層とからなる粘着シートであって、該粘着シートを350μm厚のベアウエハの一方の面に10枚重ねて貼合して130mm×20mmに加工した条件において、中央加振法により測定した損失係数(23℃、周波数600〜700Hz)が0.07以上であることを特徴とするウエハ貼着用粘着シート。
- 前記粘着剤層が、ベンゼン環に結合した水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェノール化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のウエハ貼着用粘着シート。
- 前記フェノール化合物が、4,4´−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2´−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−P−クレゾールからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載のウエハ貼着用粘着シート。
- 前記粘着剤層がベースポリマー100質量部当りベンゼン環に結合した水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェノール化合物を30〜150質量部含有することを特徴とする請求項1記載のウエハ貼着用粘着シート。
- 前記粘着剤層を形成する粘着剤がアクリル系粘着剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のウエハ貼着用粘着シート。
- 前記粘着剤層が複数層から形成され、かつベンゼン環に結合した水素原子の少なくとも1つがアルキル基で置換されたフェノール化合物を含有する粘着剤層が、前記複数層の最外層以外の層として配設されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のウエハ貼着用粘着シート。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のウエハ貼着用粘着シートにウエハを貼合し、該ウエハのダイシングを行うウエハの加工方法であって、前記基材フィルムまで切り込みを行わないことを特徴とするウエハの加工方法。
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