JP2008101448A - 軒樋のリフォーム方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】古い既設の軒樋をそのまま残し、その内面に新造の軒樋を嵌め込んで施工することにより、軒樋全体を取り換えるよりも短い工期で安価に軒樋を再生させることができる軒樋のリフォーム方法を提供する。
【解決手段】建物1に取り付けられている既設の軒樋3をそのまま使用し、この既設の軒樋3の内側に新造の軒樋11を嵌め込んで固定し、新造の軒樋11に長さ方向の勾配を持たせ、新造の軒樋11の勾配の低い位置に設けた落とし口を壁面に沿って取付けられている既設の縦樋と接続処理する。
【選択図】図2
【解決手段】建物1に取り付けられている既設の軒樋3をそのまま使用し、この既設の軒樋3の内側に新造の軒樋11を嵌め込んで固定し、新造の軒樋11に長さ方向の勾配を持たせ、新造の軒樋11の勾配の低い位置に設けた落とし口を壁面に沿って取付けられている既設の縦樋と接続処理する。
【選択図】図2
Description
この発明は、建物の軒先等に取り付けられている軒樋が、経年によって劣化したり雨漏りが生じたりしたときに、軒樋の機能を低コストで復元させるための軒樋のリフォーム方法に関する。
例えば、建物に取付ける樋には、建物の屋根における軒先に樋受けを用いて取り付けられる断面溝形の軒樋と、軒樋と接続した状態で壁面等に縦の状態で取付けられ、軒樋で集めた雨水を地上に導く筒状の縦樋がある。
上記軒樋は、軒先に取付けられているので風雨や日光に曝され、このため、経年による劣化の進行が早く、強度が低下するだけでなく、劣化が進めば腐食等によって孔が開き、雨水が漏れる等の事態が発生する。
従来、経年による劣化や腐食が進行した軒樋のリフォームは、全体を新品に取り代えることによって行われている。
ところで、軒樋を新品に取り換える従来の方法は、古い軒樋を全て取り外したあとに新品の軒樋を取付ける必要があり、このため、その取り換えに手間と時間がかかるだけでなく、新品の軒樋を購入する費用が高く付き、また、取り外した古い軒樋がゴミとなるため、その処理に別途経費がかかることになる。
そこで、この発明の課題は、古い既存の軒樋をそのまま残し、その内側に新造の軒樋を嵌め込んで施工することにより、全体を新品の軒樋と取り換えるよりも短い工期で安価に軒樋を再生させることができる軒樋のリフォーム方法を提供することにある。
上記のような課題を解決するため、この発明は、建物に取り付けられている既設の軒樋をそのまま使用し、この既設の軒樋の内側に既設の軒樋の内部に納まる断面形状の新造の軒樋を嵌め込んで施工する構成を採用したものである。
上記既設の軒樋の内部に、新造の軒樋を受けるための勾配金具を、既設の軒樋の長さ方向に所定間隔の配置で固定し、この勾配金具における新造の軒樋を受ける部分の高さを調整することにより、新造の軒樋に長さ方向への勾配をもたせるようにすることができる。
また、上記新造の軒樋内の上部に嵌め込んだ樋固定金具の端部を既設の軒樋の上部に固定することにより、既設の軒樋に対して新造の軒樋を固定するようにしたり、上記新造の軒樋の勾配の低い位置に設けた落とし口を既設の縦樋と接続処理する構成を採用することもできる。
ここで、新造の軒樋は、金属板を折り曲げ加工することによって既設の軒樋の内側に丁度嵌り込む断面形状を有し、複数の中間樋と両端に配置する端部樋を順次防水状に接続することで必要な長さに形成され、軒樋の再生において、既設の軒樋をそのまま使用し、予め既設の軒樋の内側に勾配金具を長さ方向に、新造の軒樋の接続部や中央部を支持できる所定の間隔で固定し、勾配金具の新造の軒樋を受ける部分をスペーサによって高さ調節し、新造の軒樋は屋根の上で全長を組み立てた後、既設の軒樋の内面に嵌め込むことによって組み込み、勾配金具での支持によって新造の軒樋に勾配を持たせる。
この後、新造の軒樋内の上部に嵌め込んだ樋固定金具の端部を既設の軒樋の上部にビスで固定することにより、既設の軒樋に対して新造の軒樋を固定する。
また、新造の軒樋の勾配の低い位置には、嵌め込み前に予め落とし口を設けておき、既設の軒樋内に嵌め込んだ後、縦樋と接続処理すればよい。
上記のように、既設の軒樋をそのまま使用することで、その取外しの手間がいらないだけでなく、取外した古い軒樋によるゴミの発生がなく、既設の軒樋をそのまま使用すれば、内側に嵌める新造の軒樋に強度が要求されず、新造の軒樋は新品の軒樋に比べてコスト的に安価である。
この発明によると、既設の軒樋の内側に新造の軒樋を嵌め合わせて取付けることにより、既設の軒樋を再生するようにしたので、既設の軒樋をそのまま使用することにより、その取外しの手間がいらないだけでなく、取外した古い軒樋によるゴミの発生がなく、全体を新品の軒樋と取り換えるよりも短い工期で安価に軒樋を再生させることができる。
また、新造の軒樋を既設の軒樋に嵌め込んで機能を再生させることにより、既設の軒樋をそのまま使用することができ、既設の軒樋を補強することで強度的に問題のない仕上がりとなり、内側に嵌める新造の軒樋に大きな強度が要求されず、新造の軒樋は新品の軒樋に比べてコスト的に安価なものでよく、既設の軒樋を安い費用でリフォームすることができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図3と図6(a)は、建物1の屋根2における軒先に設けられている既設の軒樋3の一例を示し、軒樋3は、建物1の壁面に所定の間隔で固定した樋受け金具4で支持され、底壁3aとその両側縁に設けた起立側壁3bで断面上向きコ字状に形成され、建物側の起立側壁3bの上端は、内面側が建物1に固定した係止杆5に係合し、建物1と反対側の起立側壁3bの上端に外方へ折れ曲がるよう設けた張り出し壁6の先端に垂下壁7が設けられ、この垂下壁7と建物1と反対側の起立側壁3bで樋受け金具4の先端に設けた屈曲突起部4aを挟み、垂下壁7の下部が軒先天井板8の先端にビスで固定されている。
上記既設の軒樋3は、その途中や端部に設けたドレンが、図5(b)で示した壁面等に取付けられた縦樋9に接続され、軒樋3で集めた雨水を地上に導くようになっている。
上記既設の軒樋3をリフォームするため、この発明は、新造の軒樋11と勾配金具12、樋固定金具13、既設の軒樋3の張り出し壁6の上部を覆って仕上げるパラペット14等を使用する。
ここで、新造の軒樋11は、図4と図5のように、複数の中間樋11aと両端に配置する端部樋11bを順次防水状に接続することで必要な長さに形成され、これら中間樋11aと端部樋11bは、薄い金属板を折り曲げ加工することによって既設の軒樋3の内側に丁度嵌り込む断面形状に形成される。
上記中間樋11aは、図4のように予め断面L字形に形成され、現場において底部を同図4の破線の位置で折り曲げることにより、既設の軒樋3の内部に丁度納まる断面上向きコ字状に加工される。
また、端部樋11bは、図4のように、中間樋11aと同様の断面形状となる上向きコ字状に加工され、非接続側の端部を折り曲げ加工することによって閉鎖されている。
上記中間樋11a相互の接続及び中間樋11aと端部樋11bの接続は、例えば40mm程度の長さをラップさせ、このラップ部分を接着剤で接続すると共に、上側段差の部分にシール材を施すようにする。
上記新造の軒樋11は、既設の軒樋3に組み合わせ使用するため、あまり強度が要求されず、厚みの薄いものでよいため、軽量で新品の軒樋に比べてコスト的に安価に製作することができるという利点がある。
上記勾配金具12は、図8や図9のように、帯状金属板を用い、下杆12aと垂直杆12bで既設の軒樋3の底壁3aと建物と反対側の起立側壁3bの内面に重なるL字形に形成され、垂直杆12bの上端に外方へ折り曲げた取り付け片12cが、既設の軒樋3の張り出し壁6の上面にビス15で固定される。
既設の軒樋3内に新造の軒樋11を嵌め込んだとき、新造の軒樋11は底部が勾配金具12の下杆12a上に載ることになり、この下杆12a上に重ねて取り付けるスペーサ16の高さ方向の厚みを選択することにより、新造の軒樋11に長さ方向への勾配を導入することができる。
上記樋固定金具13は、既設の軒樋3内に嵌め込んだ新造の軒樋11を上方に抜けないように固定するものであり、帯状金属板を用い、水平杆13aと直立杆13bでL字形に形成され、新造の軒樋11の内部で上下方向の中間部に水平杆13aが位置するように直立杆13bの長さが設定され、直立杆13bの上端に外方へ折り曲げた取り付け片13cが、既設の軒樋3の張り出し壁6の上面にビス17で固定される。
上記水平杆13aは上下二枚重ねとなり、ボルト、ナット18と長孔によって新造の軒樋11の幅方向に長さ調整自在とし、水平杆13aの先端を新造の軒樋11における建物側の起立側壁11dに当接させて突っ張り状とすることにより、新造の軒樋11を上方に抜けないように固定すると共に、図8(a)のように、取り付け片13cの先端に設けた延長片13dにビス19でパラペット14を張り出し壁6の上部に固定配置することができるようになっている。
次に、上記新造の軒樋を用いた既設軒樋のリフォーム方法を説明する。
先ず、建物1の軒下に取り付けられている既設の軒樋3に溜まった落ち葉等取り除き、底に溜まった泥、水は掃除機等で取り除く清掃作業を行う。
次に、既設の軒樋3にあるドレンの上部をバール等で除去して内部への突出物をなくし、この軒樋3の垂下壁7及び建物と反対側の起立側壁3bの上部で長さ方向の適宜位置にコアドリル等を用いてオーバーフロー管用の円形孔を開けておく。
この後、図4のように、建物1の屋根2上に新造の軒樋11の構成材料である中間樋11aと端部樋11bを持ち上げ、これら構成材料を既設の軒樋3の長さ方向に沿って並べ、中間樋11aと端部樋11bを適宜切断することにより新造の軒樋11が既設の軒樋3の長さになるよう長さ合わせの調節をする。
新造の軒樋11の中間樋11a相互及び中間樋11aと端部樋11bの接続は、40mm程度が互いにラップするように長さを設定し、このラップさせた部分を接着剤で接続すると共に、上側に重なる板の端部をシール剤でシールし、接続部分の防水性を向上させる。
接続が完了すると、中間樋11aと端部樋11bの底部板を折り曲げ、図5(a)のように、既設の軒樋3の長さに見合う断面コ字状の新造の軒樋11を完成する。
この新造の軒樋11において、端部樋11bの端部は折り曲げて閉鎖し、既設の軒樋3の落とし口とオーバーフロー管の位置に合わせてそれぞれ円形孔を開けておく。
次に、既設の軒樋3に勾配金具12を長さ方向に間隔を設けてビス15で取り付ける。この勾配金具12の配置は、図5(a)のように、一列に接続した新造の軒樋11の各ジョイント部とセンター部にくるように設定する。
各勾配金具12の下杆12a上にはスペーサ16を取り付け、各勾配金具12で新造の軒樋11を支持した時、図5(b)のように、新造の軒樋11は縦樋9間の真ん中から縦樋に向かって3/100程度の勾配になるようにスペーサ16の重ねる枚数を調整する。
図7(a)乃至(c)のように、一列に接続した新造の軒樋11の建物側の側壁11dを底壁11cに重なるように全体を断面L字状にした状態で、新造の軒樋11を既設の軒樋3内に回転させながら落とし込み、その底壁11cを勾配金具12の下杆12a上に設けたスペーサ16上に載置した状態で、折り畳んだ建物側の側壁11dを広げて元に戻し、新造の軒樋11を正規の断面形状に戻すことにより、既設の軒樋3内に新造の軒樋11を納める。
新造の軒樋11を既設の軒樋3内に納めると、図1のように、建物と反対側の側壁11bに設けた円形孔にオーバーフロー管20を接続し、底壁11cの落とし口を縦樋とドレンパイ部で防水状に接続し、図6(c)のように、既設の軒樋3と新造の軒樋11の上部をゴムテープ21の貼り付けによって防水処理する。
この後、樋固定金具13を既設の軒樋3の張り出し壁6の上面にビス17で固定し、その水平杆13aの先端を新造の軒樋11における建物側の起立側壁11dに当接させて突っ張り状とすることにより、新造の軒樋11を上方に抜けないように固定すると共に、取り付け片13cの先端に設けた延長片13dにビス19でパラペット14を張り出し壁6の上部に固定配置することにより、図1と図2で示すように、新造の軒樋11による既設の軒樋3のリフォームが完了する。
上記のように、古い既設の軒樋3をそのまま残し、その内面に新造の軒樋11を嵌め込んで施工することにより、古い既設の軒樋3全体を取り換えるよりも短い工期で安価に軒樋を再生させることができる。
なお、図示の実施の形態では、断面コ字状となる既設の軒樋3の再生を例示したが、断面半円筒状の既設の軒樋に対しても、その内側に断面半円筒状の新造の軒樋をはめ込んで取り付けることにより、リフォームを行うことができる。
1 建物
2 屋根
3 既設の軒樋
4 樋受け金具
5 係止杆
6 張り出し壁
7 垂下壁
8 軒先天井板
11 新造の軒樋
12 勾配金具
13 樋固定金具
14 パラペット
15 ビス
16 スペーサ
17 ビス
18 ボルト、ナット
19 ビス
2 屋根
3 既設の軒樋
4 樋受け金具
5 係止杆
6 張り出し壁
7 垂下壁
8 軒先天井板
11 新造の軒樋
12 勾配金具
13 樋固定金具
14 パラペット
15 ビス
16 スペーサ
17 ビス
18 ボルト、ナット
19 ビス
Claims (4)
- 建物に取り付けられている既設の軒樋をそのまま使用し、この既設の軒樋の内側に既設の軒樋の内部に納まる断面形状の新造の軒樋を嵌め込んで施工することを特徴とする軒樋のリフォーム方法。
- 上記既設の軒樋の内部に、新造の軒樋を受けるための勾配金具を、既設の軒樋の長さ方向に所定間隔の配置で固定し、この勾配金具における新造の軒樋を受ける部分の高さを調整することにより、新造の軒樋に長さ方向への勾配をもたせるようにすることを特徴とする請求項1に記載の軒樋のリフォーム方法。
- 上記新造の軒樋内の上部に嵌め込んだ樋固定金具の端部を既設の軒樋の上部に固定することにより、既設の軒樋に対して新造の軒樋を固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の軒樋のリフォーム方法。
- 上記新造の軒樋の勾配の低い位置に設けた落とし口を既設の縦樋と接続処理する請求項1乃至3の何れかに記載の軒樋のリフォーム方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006310761A JP2008101448A (ja) | 2006-10-19 | 2006-10-19 | 軒樋のリフォーム方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006310761A JP2008101448A (ja) | 2006-10-19 | 2006-10-19 | 軒樋のリフォーム方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008101448A true JP2008101448A (ja) | 2008-05-01 |
Family
ID=39435981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006310761A Pending JP2008101448A (ja) | 2006-10-19 | 2006-10-19 | 軒樋のリフォーム方法 |
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---|---|
JP (1) | JP2008101448A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009270391A (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-19 | Asahi Kasei Homes Co | パラペット構造 |
JP2017061784A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 積水化学工業株式会社 | 樋支持構造、建物、樋設置方法 |
-
2006
- 2006-10-19 JP JP2006310761A patent/JP2008101448A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017061784A (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | 積水化学工業株式会社 | 樋支持構造、建物、樋設置方法 |
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