本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。実施形態1は、主に請求項1、6などについて説明する。実施形態2は、主に請求項2、7などについて説明する。実施形態3は、主に請求項3、8などについて説明する。実施形態4は、主に請求項4などについて説明する。実施形態5は、主に請求項5などについて説明する。
(実施形態1)
(実施形態1:概要)本実施形態は、映像情報を取得し、取得した映像情報により構成されるコンテンツの属性情報に加えてビットレート及び動き量にも基づいて基本符号化圧縮率を計算し、さらに圧縮した映像情報のブロックノイズの有無に基づいて基本符号化圧縮率を調整して映像情報を圧縮することを特徴とする映像記録装置について説明する。
(実施形態1:構成)本実施形態に係る映像記録装置の機能ブロック図を図1に例示する。映像記録装置(0100)は、「映像情報取得部」(0101)と、「ビットレート動き量検出部」(0102)と、「属性情報取得部」(0103)と、「計算部」(0104)と、「ブロックノイズ検出部」(0105)と、「圧縮部」(0106)と、を有する。
なお、本件発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インタフェース、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インタフェースを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。(明細書の全体を通じて同様である。)
「映像情報取得部」(0101)は、映像情報を取得する。「映像情報」とは、コンテンツを構成するための映像データを指す。なお、コンテンツとは、映像や音声、音楽等を含み、さらに、文字情報、アプリケーションプログラム、またはそれらの複合形で表現される情報等を含むものを意味する。具体的には、例えば、テレビ番組、EPG等のテレビ番組情報、データ放送、ネットワーク上にて配信される動画コンテンツ等が該当し、さらにこれらを組み合わせたものであってもよい。また、映像情報は圧縮されたものであってもよいし、非圧縮のものであってもよい。また、映像情報の取得方法としては、テレビ放送などの放送波を受信することにより映像情報が取得される場合や、ネットワーク通信により映像情報が取得される場合などが想定される。また、より具体的には、映像情報取得部では、通信インタフェース等を介して映像情報が受信され、受信された映像情報は映像記録装置内のハードディスク等に格納される。また、映像情報取得部はこのような処理をCPUに実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
「ビットレート動き量検出部」(0102)は、取得した映像情報のビットレート及び動き量を検出する。動き量の検出については、映像情報が圧縮されている場合には復号してから検出するとよい。動き量を検出する方法として、例えば、ブロックマッチングなどの技術を利用するとよい。ブロックマッチングは一般的によく知られている画像マッチング処理技術であるが、図2を用いてその仕組みを簡単に説明する。例えば、(a)の画像における斜線で示す格子状領域(0201)内の被写体画像が、(b)の画像においてどの位置に移動しているかを判断する場合を示す。まず図2(b)の画像内から、前記格子状領域(0201)と同じ位置のブロックを中心として周囲所定個のブロック群で構成される探索範囲(0202)を決定する。なお、格子状領域(0201)は通常、16×16画素もしくは8×8画素である。また、探索範囲(0202)は通常、格子状領域(0201)の周囲15画素程度を探索範囲とする。そして探索範囲の中から画素値やその分布情報などを利用して、図2(a)の格子状領域(0201)内の被写体画像と最も近似しているブロック(0203)を検出する。そしてその移動量を水平、垂直成分として、格子状領域(0201)における動き量(0201n)が検出される、という具合である。また、動きを検出する格子状領域(0201)を決定する方法として、エッジ抽出を行ない、輪郭のはっきりしている画像をより多く含むブロックを格子状領域(0201)として決定してもよい。
また、ビットレート動き量検出部では、図3のような情報が取得されることとなる。すなわち、検出したビットレートを表す情報と、図2のような方法により検出された動き量を表す情報である。より具体的には、ビットレート動き量検出部においては、図3のような情報がRAM等の所定の記憶領域に格納されることとなる。また、ビットレート動き量検出部はこのような処理をCPUに実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
「属性情報取得部」(0103)は、取得した映像情報により構成されるコンテンツの属性情報を取得する。「属性情報」とは、例えば番組名、番組のジャンル、解像度、などを表す情報が該当する。属性情報は、例えばEPGデータ等から取得される場合が想定される。すなわち、属性情報取得部では図4に例示するような情報が取得されることになる。より具体的には、属性情報取得部においては、図4のような情報がRAM等の所定の記憶領域に格納されることとなる。また、属性情報取得部はこのような処理をCPUに実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
「計算部」(0104)は、検出されたビットレート及び動き量と、取得した属性情報とに基づいて取得した映像情報の基本符号化圧縮率を計算する。なお、「基本符号化圧縮率」は、圧縮率で表されてもよいし、記録ビットレートで表されてもよい。いずれにしても、映像情報記録時の圧縮率を表すことになるからである。また、計算部は図5のような情報をハードディスク等にデータベース等として保持していることが想定される。すなわち、図5に例示する情報は、取得した属性情報に基づいて適切と思われる圧縮レートを決定するための情報である。例えば、属性情報取得部において図4に示すような属性情報が取得されたとすると、ジャンルが「ニュース(総合)」であり、解像度は「HD(1920×1080)」であるので、図5の情報によれば適切な圧縮レートは「11Mbps」となる。
さらに、図6を用いて計算部での処理の具体例を説明する。まず、ビットレート動き量検出部においては図3に例示した情報(0601)が取得され、属性情報取得部においては図4に例示した情報(0602)が取得されたとする。すると、計算部においては、まず前述したように図5に例示したような情報(0603)に基づいて予測圧縮レート(適切と思われるビットレート)が「11Mbps」と決定される。次に、この予測圧縮レートと、ビットレート動き量検出部にて取得されたビットレート(実際の映像情報から検出されたビットレート)を比較する。ここで、事前に閾値を決定しておき(ここでは5Mbpsとする)、例えばビットレート動き量検出部にて検出されたビットレートが予測圧縮レートの値より5Mbps以上大きい場合には圧縮レートを2Mbps上げる、また、ビットレート動き量検出部にて検出されたビットレートが予測圧縮レートの値より5Mbps以上小さい場合には圧縮レートを2Mbps下げる、等と決めておく。また、ビットレート動き量検出部にて検出された動き量に対してもあらかじめ閾値を決めておき(ここでは10画素とする)、ビットレート動き量検出部にて検出された動き量が閾値より大きい場合には圧縮レートを1Mbps上げる、等と決めておく。以上のようなアルゴリズムで予測圧縮レートを調整すると、最終的な圧縮レート(基本符号化圧縮率)は「14Mbps」と算出される。
また、図7を用いて計算部におけるハードウェア上の処理動作を説明する。まず、入出力インタフェースから映像情報(0711)が取得され、取得された映像情報に基づいてビットレート動き量検出部と属性情報取得部にてビットレート及び動き量(0701)と属性情報(0702)が取得され、RAM等を介してメインメモリにそれぞれ格納される(0704、0705)。なお、図7においてはビットレート及び動き量(0701)と属性情報(0702)が入出力インタフェースにおいて取得されるように記述されているが、これは概念的に示したものであり、実際には入出力インタフェースにて受信された映像情報が解析され、各情報がRAM等の所定の記憶領域に格納されることとなる。次に、メインメモリに格納された属性情報(「ニュース」、「HD」)をハードディスクに記録されているデータベース(0703)に照合する(0706)。すると、照合した結果である「11Mbps」というデータがメインメモリに格納される(0707)。次に、メインメモリに格納されているビットレート「16Mbps」とデータベースの照合結果である「11Mbps」が比較される(0708)。また、ROM等の所定の記憶領域に格納されている閾値「10画素」がメインメモリに格納され、映像情報から取得された動き量「12画素」と比較される(0709)。これらの比較の結果、基本符号化圧縮率である「14Mbps」が算出されメインメモリに格納される(0710)。すなわち、これにより基本符号化圧縮率が算出されたこととなる。なお、図7はハードウェアを用いた処理の大まかな流れを示したものであるので、実際の計算機における処理とは厳密には異なる場合がある。なお、計算部はこのような処理をCPUに実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
「ブロックノイズ検出部」(0105)は、後記圧縮部にて圧縮された映像情報によって得られる映像のブロックノイズを検出する。「ブロックノイズ」とは、圧縮を行った映像において画像の一部がモザイク状になる現象であり、MPEG(Moving Picture Experts Group)−2などにおいて採用されている離散コサイン変換(DCT)によって生じる。また、基本的には圧縮率が高くなるにつれてブロックノイズも生じやすくなる。そこで、ブロックノイズ検出部では後述する圧縮部(0106)にて圧縮された映像情報からブロックノイズを検出し、圧縮部(0106)に検出結果をフィードバックすることで、計算部にて計算された基本符号化圧縮率をさらに調整することとしている。検出結果とは、具体的にはブロックノイズが検出されたか否かを表す情報が想定される。なお、例えばブロックノイズを検出した映像情報がN番目の映像情報であったとすると、その検出結果が圧縮部にて利用されるのは、N番目の映像情報であってもよいし、N+1番目やN+2番目の映像情報であってもよい。
「圧縮部」(0106)は、計算部にて計算された基本符号化圧縮率を検出されたブロックノイズに基づいて調整した値である調整後符号化圧縮率で取得した映像情報を符号化圧縮する。映像情報の圧縮方式としては、MPEGやH.264などが想定される。「検出されたブロックノイズに基づいて」とは、ブロックノイズの検出結果に基づいて、と同義である。なお、「調整後符号化圧縮率」は、基本符号化圧縮率と同様に圧縮率で表されてもよいし、記録ビットレートで表されてもよい。いずれにしても、映像情報記録時の圧縮率を表すことになるからである。なお、圧縮率が上がると記録ビットレートは下がることとなり、圧縮率が下がると記録ビットレートが下がることとなる。
図8を用いて圧縮部での処理の具体例を説明する。まず、計算部(0801)においては図6で説明したように基本符号化圧縮率が「14Mbps」と算出されたとする。また、圧縮部にて前回圧縮された映像情報のブロックノイズがブロックノイズ検出部(0803)で検出され、フィードバックされた検出結果が「ブロックノイズ有」という結果であったとする。すると、圧縮部(0802)では、「ブロックノイズ有」という検出結果に基づいて例えば基本符号化圧縮率「14Mbps」をさらに1Mbps上げて調整後符号化圧縮率を「15Mbps」として映像情報を符号化圧縮する。なお、圧縮された映像情報(0804)はブロックノイズ検出部(0803)にてブロックノイズの検出がなされ、検出結果が圧縮部にフィードバックされることとなる。なお、前述したように、ブロックノイズ部でブロックノイズを検出した映像情報がN番目の映像情報であったとすると、その検出結果が圧縮部にて利用されるのは、N番目の映像情報に対して利用されてもよいし、N+1番目やN+2番目の映像情報に対して利用されてもよい。
また、図9を用いて計算部におけるハードウェア上の処理動作を説明する。まず、図7にて説明したように、計算部にて計算された基本化符号圧縮率「14Mbps」がメインメモリに格納されているとする。また、前回のブロックノイズ検出結果(ブロックノイズ有)がRAM等の所定の記憶領域からメインメモリにロードされているとする。これらの情報から、調整後符号化圧縮率を「15Mbps」と算出しメインメモリに格納する(0901)。次に、この調整後符号化圧縮率によって、ハードディスク等に記憶されている映像情報を圧縮する(0902)。また、その後圧縮された映像情報からブロックノイズが検出され検出結果(ここではブロックノイズ無)が前回の検出結果に置き換わる(0903)。なお、図9はハードウェアを用いた処理の大まかな流れを示したものであるので、実際の計算機における処理とは厳密には異なる場合がある。なお、圧縮部はこのような処理をCPUに実行させるためのプログラムを含んでいてもよい。
(実施形態1:処理の流れ)図10は、本実施形態に係る映像記録装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。
最初に、映像情報を取得する(S1001)。この処理は、主に映像情報取得部によって実行される。次に、ビットレート及び動き量を検出する(S1002)。この処理は、主にビットレート動き量検出部によって実行される。次に、映像情報により構成されるコンテンツの属性情報を取得する(S1003)。この処理は、主に属性情報取得部によって実行される。次に、ビットレート及び動き量と属性情報とに基づいて、基本符号化圧縮率を計算する(S1004)。この処理は、主に計算部によって実行される。次に、前回検出したブロックノイズ(検出結果)を取得する(S1005)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、基本符号化圧縮率をブロックノイズに基づいて調整し調整後符号化圧縮率を計算する(S1006)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、映像情報を調整後符号化圧縮率で符号化圧縮する(S1007)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、圧縮された映像情報によって得られる映像のブロックノイズを検出する(S1008)。この処理は、主にブロックノイズ検出部にて実行される。最後に、処理を終了するか判断する。処理を終了しないとの判断であれば、ステップS1001に戻る。
なお、図10のフロー図は、計算機に実行させるプログラムの処理フロー図とみなすことも可能である。さらに、このようなプログラムをフレキシブルディスク等の媒体に記録することも可能である。(明細書の全体を通じて同様である。)
(実施形態1:効果)本実施形態に係る映像記録装置は、コンテンツの属性情報に加えて実際の映像情報のビットレート及び動き量に基づいても圧縮率を決定し、さらに前回圧縮した映像のブロックノイズの検出結果に応じても圧縮率を調整するので、最適な圧縮率にて映像情報を圧縮することができる。
(実施形態2)
(実施形態2:概要)本実施形態は、放送波を受信することで映像情報を取得し、コンテンツの属性情報はEPG(電子番組ガイド)データを利用して取得することを特徴とする映像記録装置について説明する。
(実施形態2:構成)本実施形態に係る映像記録装置の機能ブロック図を図11に例示する。映像記録装置(1100)は、「映像情報取得部」(1101)と、「ビットレート動き量検出部」(1102)と、「属性情報取得部」(1103)と、「計算部」(1104)と、「ブロックノイズ検出部」(1105)と、「圧縮部」(1106)と、を有する。また、映像情報取得部(1101)は「放送波映像情報取得手段」(1107)を有する。また、属性情報取得部(1103)は「EPG属性情報取得手段」(1108)を有する。放送波映像情報取得手段(1107)とEPG属性情報取得手段(1108)以外の構成については実施形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
「放送波映像情報取得手段」(1107)は、放送波を受信することで映像情報を取得する。「放送波」とは、具体的には、例えば衛星デジタル放送波、地上デジタル放送波、などが該当する。なお、通常、デジタル放送波には放送番組データの他にEPGデータやデータ放送用データが含まれており、これらも同時に取得される。
「EPG属性情報取得手段」(1108)は、EPGデータを利用してコンテンツの前記属性情報を取得する。EPGデータには主に放送番組に関する情報が含まれており、放送番組の放送日時、放送時刻、ジャンル、放送内容等が含まれている。よって、EPGデータを利用して番組のジャンルなどを取得することができる。なお、「属性情報を取得する」とは、計算部にて利用される属性情報のすべてを取得せずとも、一部のみを取得する場合も含む。例えば、番組のジャンルについてはEPGデータから取得し、解像度については他の方法にて取得する等となっていてもよい。
(実施形態2:処理の流れ)図12は、本実施形態に係る映像記録装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。
最初に、放送波の受信により映像情報を取得する(S1201)。この処理は、主に放送波映像情報取得手段によって実行される。次に、ビットレート及び動き量を検出する(S1202)。この処理は、主にビットレート動き量検出部によって実行される。次に、EPGデータを利用してコンテンツの属性情報を取得する(S1203)。この処理は、主にEPG属性情報取得手段によって実行される。次に、ビットレート及び動き量と属性情報とに基づいて、基本符号化圧縮率を計算する(S1204)。この処理は、主に計算部によって実行される。次に、前回検出したブロックノイズ(検出結果)を取得する(S1205)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、基本符号化圧縮率をブロックノイズに基づいて調整し調整後符号化圧縮率を計算する(S1206)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、映像情報を調整後符号化圧縮率で符号化圧縮する(S1207)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、圧縮された映像情報によって得られる映像のブロックノイズを検出する(S1208)。この処理は、主にブロックノイズ検出部にて実行される。最後に、処理を終了するか判断する。処理を終了しないとの判断であれば、ステップS1201に戻る。
(実施形態2:効果)本実施形態に係る映像記録装置は、放送波によって受信される映像情報に対して最適な圧縮率にて圧縮処理をすることができる。
(実施形態3)
(実施形態3:概要)本実施形態は、基本符号化圧縮率を計算する際には、GOP(Group Of Picture)単位の映像情報のビットレート及び動き量に基づいてGOP単位基本符号化圧縮率を算出し、映像情報を圧縮する際には、GOP単位で得られるブロックノイズに基づいてGOP単位基本符号化圧縮率を調整したGOP単位調整後符号化圧縮率により前記圧縮をすることを特徴とする映像記録装置について説明する。
(実施形態3:構成)本実施形態に係る映像記録装置の機能ブロック図を図13に例示する。映像記録装置(1300)は、「映像情報取得部」(1301)と、「ビットレート動き量検出部」(1302)と、「属性情報取得部」(1303)と、「計算部」(1304)と、「ブロックノイズ検出部」(1305)と、「圧縮部」(1306)と、を有する。また、計算部(1304)は「GOP単位計算手段」(1309)を有する。また、圧縮部(1306)は「GOP単位圧縮手段」(1310)を有する。また、さらに映像情報取得部(1301)は放送波映像情報取得手段を有していていもよいし、属性情報取得部(1303)はEPG属性情報取得手段を有していてもよい。GOP単位計算手段(1309)とGOP単位圧縮手段(1310)以外の構成については実施形態1または実施形態2と同様であるので、詳細な説明は省略する。
「GOP単位計算手段」(1309)は、GOP単位の映像情報のビットレート及び動き量に基づいてGOP単位の基本符号化圧縮率であるGOP単位基本符号化圧縮率を取得する。「GOP」とは、映像圧縮方式の一つであるMPEGにおいて、Iフレーム、Pフレーム、Bフレームを複数含む単位であり、MPEGではGOP単位で圧縮や伸長が行われる。なお、GOPは通常15フレーム又は18フレームから構成される。図14にGOPの具体例を示す。図14においては、GOPが、I、B、B、P、B、B、P、・・・、P、B、B、というフレームの並びによって構成されている場合を示している。なお、GOPは図14の例以外にもさまざまな構成をとりうる。GOP単位計算手段は、このようなGOP単位にて映像情報のビットレートや動き量を取得する。
「GOP単位圧縮手段」(1310)は、GOP単位で得られるブロックノイズに基づく調整情報であるGOP単位調整情報によりGOP単位計算手段により計算されたGOP単位基本符号化圧縮率を調整することで得られるGOP単位調整後符号化圧縮率により前記圧縮をする。「GOP単位調整情報」とは、具体的には、ブロックノイズ検出部(1305)においてGOP単位でブロックノイズを検出した際の検出結果が該当する。すなわち、GOP単位圧縮手段においては、前記GOP単位計算手段にて算出されたGOP単位基本符号化圧縮率を、ブロックノイズ検出部にてGOP単位で検出されたブロックノイズ検出結果に基づいて調整し、GOP単位調整後符号化圧縮率を算出する。さらに算出したGOP単位調整後符号化圧縮率によって映像情報を符号化圧縮する。
(実施形態3:処理の流れ)図15は、本実施形態に係る映像記録装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。
最初に、映像情報を取得する(S1501)。この処理は、主に映像情報取得部によって実行される。次に、ビットレート及び動き量を検出する(S1502)。この処理は、主にビットレート動き量検出部によって実行される。次に、映像情報により構成されるコンテンツの属性情報を取得する(S1503)。この処理は、主に属性情報取得部によって実行される。次に、GOP単位のビットレート及び動き量と属性情報とに基づいて、GOP単位基本符号化圧縮率を計算する(S1504)。この処理は、主にGOP単位計算手段によって実行される。次に、前回検出したGOP単位のブロックノイズに基づくGOP単位調整情報を取得する(S1505)。この処理は、主にGOP単位圧縮手段にて実行される。次に、GOP単位基本符号化圧縮率をGOP単位調整情報に基づいて調整しGOP単位調整後符号化圧縮率を計算する(S1506)。この処理は、主にGOP単位圧縮手段にて実行される。次に、映像情報をGOP単位調整後符号化圧縮率で符号化圧縮する(S1507)。この処理は、主にGOP単位圧縮手段にて実行される。次に、圧縮された映像情報によって得られる映像のGOP単位のブロックノイズを検出する(S1508)。この処理は、主にブロックノイズ検出部にて実行される。最後に、処理を終了するか判断する。処理を終了しないとの判断であれば、ステップS1501に戻る。
(実施形態3:効果)本実施形態に係る映像記録装置は、映像情報がGOP単位にて圧縮、伸長される場合に、最適な圧縮率にて圧縮処理をすることができる。
(実施形態4)
(実施形態4:概要)本実施形態は、圧縮率を算出する際に、検出されたビットレート及び動き量と、取得した属性情報とに基づいて算出される符号化圧縮率にさらに利用者が入力するオフセット値を付加して基本符号化圧縮率を計算することを特徴とする映像記録装置について説明する。
(実施形態4:構成)本実施形態に係る映像記録装置の機能ブロック図を図16に例示する。映像記録装置(1600)は、「映像情報取得部」(1601)と、「ビットレート動き量検出部」(1602)と、「属性情報取得部」(1603)と、「計算部」(1604)と、「ブロックノイズ検出部」(1605)と、「圧縮部」(1606)と、を有する。また、計算部(1604)は「オフセット計算手段」(1611)を有する。また、さらに映像情報取得部(1601)は放送波映像情報取得手段を有し、属性情報取得部(1603)はEPG属性情報取得手段を有していてもよい。また、さらに計算部(1604)はGOP単位計算手段を有し、圧縮部(1606)はGOP単位圧縮手段を有していてもよい。オフセット計算手段(1611)以外の構成については実施形態1から実施形態3のいずれか一と同様であるので、詳細な説明は省略する。
「オフセット計算手段」(1611)は、検出されたビットレート及び動き量と、取得した属性情報とに基づいて算出される符号化圧縮率にさらに利用者が入力するオフセット値を付加して基本符号化圧縮率を計算する。ここでの「基本符号化圧縮率」とは、実施形態1などにて説明した基本符号化圧縮率のみならず、実施形態3にて説明したGOP単位基本符号化圧縮率も指す。「利用者が入力するオフセット値」とは、圧縮率を調整するための値であり、例えば、利用者が、圧縮記録された映像を再生して視聴しながら入力する場合が想定される。圧縮率が低い場合には映像の質は向上するが映像情報を記録する記録媒体の容量をより多く使用する。逆に、圧縮率が高い場合には映像の質は低下するが記録媒体の使用容量は少なくて済む。利用者によっては、映像の質を落としても記録媒体の使用容量を抑えたい場合や、映像の質を重視したい場合があると思われ、オフセット値はそのような利用者の意向を圧縮率に反映させるために用いられる。なお、オフセット値は映像記録装置のキーなどを介して入力され、ハードディスクやメモリ等の所定の記憶領域に格納される。また、基本符号化圧縮率が算出される場合には、ハードディスクやメモリ等の所定の記憶領域から読み出されて利用される。
図17は、オフセット計算手段における処理の具体例を示す。まず、ビットレート動き量検出部においては図3に示した情報(1701)が取得され、属性情報取得部においては図4に示した情報(1702)が取得されたとする。また、オフセット計算手段においては図5に示した情報(1703)がデータベースとして保持されているとする。すると、オフセット計算手段においては、まず、属性情報取得部において取得されたジャンルと解像度によってオフセット計算手段が保持しているデータベース(1703)を参照して予測圧縮レートが「11Mbps」であると決定する。次に、ビットレート動き量検出部で検出されたビットレートと予測圧縮レートを比較し、さらに検出された動き量と閾値を比較することで、予測圧縮レートを調整する。ここまでは、図6に示した具体例と同様である。本実施形態では、さらに前回の映像情報を視聴する等して利用者が入力したオフセット値をハードディスク等の所定の記憶領域(1704)から読み出す。このとき読み出した値が−2(Mbps)であるとすると、最終的に算出される基本符号化圧縮率は「12Mbps」となる。
(実施形態4:処理の流れ)図18は、本実施形態に係る映像記録装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。
最初に、映像情報を取得する(S1801)。この処理は、主に映像情報取得部によって実行される。次に、ビットレート及び動き量を検出する(S1802)。この処理は、主にビットレート動き量検出部によって実行される。次に、映像情報により構成されるコンテンツの属性情報を取得する(S1803)。この処理は、主に属性情報取得部によって実行される。次に、ビットレート及び動き量と属性情報と、オフセット値に基づいて、基本符号化圧縮率を計算する(S1804)。この処理は、主にオフセット計算手段によって実行される。次に、前回検出したブロックノイズ(検出結果)を取得する(S1805)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、基本符号化圧縮率をブロックノイズに基づいて調整し調整後符号化圧縮率を計算する(S1806)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、映像情報を調整後符号化圧縮率で符号化圧縮する(S1807)。この処理は、主に圧縮部にて実行される。次に、圧縮された映像情報によって得られる映像のブロックノイズを検出する(S1808)。この処理は、主にブロックノイズ検出部にて実行される。最後に、処理を終了するか判断する。処理を終了しないとの判断であれば、ステップS1801に戻る。
(実施形態4:効果)本実施形態に係る映像記録装置は、利用者が入力したオフセット値にも基づいて基本符号化圧縮率を算出するので、利用者の意向を反映しつつ適切な圧縮率を設定することができる。
(実施形態5)
(実施形態5:概要)本実施形態は、映像情報を圧縮する際に、調整後符号化圧縮率の値を基本符号化圧縮率を上回る圧縮率としないことを特徴とする映像記録装置について説明する。
(実施形態5:構成)本実施形態に係る映像記録装置の機能ブロック図を図19に例示する。映像記録装置(1900)は、「映像情報取得部」(1901)と、「ビットレート動き量検出部」(1902)と、「属性情報取得部」(1903)と、「計算部」(1904)と、「ブロックノイズ検出部」(1905)と、「圧縮部」(1906)と、を有する。また、圧縮部(1906)は「上限値付圧縮手段」(1912)を有する。また、さらに映像情報取得部(1901)は放送波映像情報取得手段を有し、属性情報取得部(1903)はEPG属性情報取得手段を有していてもよい。また、さらに計算部(1904)はGOP単位計算手段を有し、圧縮部(1906)はGOP単位圧縮手段を有していてもよい。また、さらに計算部(1904)はオフセット計算手段を有していていもよい。上限値付圧縮手段(1912)以外の構成については実施形態1から実施形態4のいずれか一と同様であるので、詳細な説明は省略する。
「上限値付圧縮手段」(1912)は、調整後符号化圧縮率の値を基本符号化圧縮率を上回る圧縮率としないためのものである。ここでの「調整後符号化圧縮率」とは、実施形態1などにて説明した調整後符号化圧縮率のみならず、実施形態3にて説明したGOP単位調整後符号化圧縮率も指す。また、ここでの「基本符号化圧縮率」とは、実施形態1などにて説明した基本符号化圧縮率のみならず、実施形態3にて説明したGOP単位基本符号化圧縮率も指す。図20を用いて上限値付圧縮手段での処理の具体例を説明する。まず、計算部(2001)においては基本符号化圧縮率が「14Mbps」と算出されたとする。また、圧縮部にて前回圧縮された映像情報のブロックノイズがブロックノイズ検出部(2003)で検出され、フィードバックされた検出結果が「ブロックノイズ無」という結果であったとする。すると、圧縮部(2002)では、「ブロックノイズ無」という検出結果に基づいて例えば基本符号化圧縮率「14Mbps」をさらに1Mbps下げて調整後符号化圧縮率を「13Mbps」として映像情報を符号化圧縮する。すなわち、圧縮率を上昇させる。しかし、この調整後符号化圧縮率と基本符号化圧縮率とを比較すると調整後符号化圧縮率の値が基本符号化圧縮率を上回っていることになるので、調整後符号化圧縮率を「14Mbps」に調整する。
(実施形態5:処理の流れ)本実施形態に係る映像記録装置における処理の流れは、実施形態1から実施形態4のいずれか一に係る映像記録装置における処理の流れと同様であるので詳細な説明は省略する。ただし、圧縮部においては、調整後符号化圧縮率の値を基本符号化圧縮率を上回る圧縮率としないことを特徴とする。
(実施形態5:効果)本実施形態に係る映像記録装置においては、調整後符号化圧縮率の値が基本符号化圧縮率を上回る値にはならないため、圧縮率が高くなりすぎて映像の質が低下することを防ぎ、最低でも基本符号化圧縮率で圧縮した際の映像の品質レベルを保証することができる。