JP2008097152A - 位置制御装置、位置制御方法及び位置制御プログラム - Google Patents

位置制御装置、位置制御方法及び位置制御プログラム Download PDF

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Abstract

【目的】物体の位置を、物体を保持する移動機構によって速度制限を付しながら目標位置に速やかに追従させる技術を提供する。
【構成】本発明に係る位置制御装置は、物体を保持して移動させる移動機構と、物体に加える力の指令値を移動機構へ出力するコントローラを備える。図はコントローラ内の制御ブロック図である。図においてpは物体の位置を表し、psは仮想質点の位置を表す。仮想質点は物体と仮想的な連結要素で連結されている。コントローラは、スライディングモード制御に基づいて物体に加えるべき力fを算出する。移動機構は、力fを物体に加えるように制御され、物体を移動させる。コントローラ内で力fを算出する過程において、移動機構によって実現される物体の速度の大きさに上限値Vが設定される。これにより、物体の速度の大きさを上限値V以下に制限しながら物体を目標位置へ追従させる位置制御が実現される。
【選択図】図7

Description

本発明は、移動させる速度を制限しながら物体の位置を目標位置に追従させる位置制御装置、位置制御方法および位置制御プログラムに関する。
産業用ロボットに代表されるように、物体の位置を所定の目標位置へ位置決めする、或いは経時的に変化する目標位置に追従させる位置制御装置が知られている。位置制御装置は、動力(アクチュエータ)を有しており、物体を保持して移動させる移動機構と、移動機構(より正確には移動機構のアクチュエータ)に対して指令値を出力するコントローラを備える。
ロボットなどの位置制御装置では、移動機構が物体を過度な速度で移動させることがないように、コントローラ内に、移動機構の動作が所定の速度を超えないように制限する速度制限ロジックを組み込むことが望ましい。なお、本明細書では、物体の位置という場合にはその物体の位置及び/又はその物体の姿勢を意味するものとし、速度という場合には並進速度及び/又は角速度を意味するものとする。また、本明細書では後に「力」という表現を用いるが本明細書で用いる「力」は並進力及び/又はトルクを意味するものとする。
速度制限ロジックを組み込んだ位置制御技術の例として、たとえば非特許文献1及び2には、受動性に基づくエネルギ成形方法(A passivity-based energy shaping scheme)(例えば M. Takegaki and S. Arimoto, “A new feedback method for dynamic control of manipulator,” Trans. of the ASME: J. of Dynamic Systems,Measurement, and Control, vol. 102, pp. 109-125, 1981.に記載されている)に基づく位置或いは速度の制限を付加した制御方法(Some control schemes for imposing state (position and/or velocity) constraints)が開示されている。
或いは他の例として、非特許文献3には、時間軸変換を用いた速度制限の方法(Rate constraints using time-scale transformations)が開示されている。
K. B. Ngo and R. Mahony, "Passivity-based control of robot manipulators subject to constraints," in Proc. of the 2005 Australian Conf. on Roboticsand Automation, 2005. "Bounded torque control for robot manipulators subject to jointvelocity constraints," in Proc. of the 2006 IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, 2006, pp. 7-12. T. Sugie, K. Fujimoto, and Y. Kito, "Obstacle avoidance of manipulators with rate constraints," IEEE Trans. on Robotics and Automation, vol. 19, no. 1, pp. 168-174, 2003.
位置制御装置において、物体の速度を制限する良好な制御ロジックを実際の位置制御装置に実装するのは困難である場合が多いといわれている。ここでいう「良好」とは、例えば、物体の速度が制限値以下であるときの追従精度を犠牲にすることなく、物体の速度を制限できること、或いは、目標位置と物体の位置の偏差が大きくなったときに確実に物体の速度を制限できること、などである。
上記の非特許文献1及び2に開示された技術では、速度制限を付加することによって位置追従精度が低下してしまう。上記の非特許文献3に開示された技術では、上位のコントローラ(例えば物体の移動軌道を生成するコントローラ)から過大な目標位置指令値が入力されたときに下位のコントローラ(上位のコントローラからの指令に基づいて移動機構を制御するコントローラ)は速度を制限することができない。
本願発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な速度制限ロジックを組み込むことのできる位置制御技術を提供することにある。特に、位置追従性能を損なわずに、物体を所定の速度以下で移動させて目標位置に追従させることのできる位置制御技術を提供することにある。
発明者らは既に、従来のスライディングモード制御を発展させた制御ロジックを組み込むことによって優れた特性を有する位置制御装置を提案した。その位置制御装置は、正常動作時における高追従性と異常時における移動機構の予想外の動作の防止とを両立することができる。その技術については文献1(R. Kikuuwe and H. Fujimoto, "Proxy-based sliding mode control for accurate and safe position control", in Proc. of the 2006 IEEE Int. Conf. on Robotics and Automation, 2006. pp26-31)に詳しく記載されている。
本発明は、発明者らが既に開発した位置制御技術に速度制限のロジックを組み込むことによって、位置追従性能を損なわずに、物体を所定の速度以下で移動させて目標位置に追従させることのできる位置制御装置、位置制御方法、及び位置制御プログラムを実現するものである。
以下、本発明の特徴である制御則を導出する過程を説明する。なお、以下の説明で用いる記号は基本的にn次元のベクトル又はマトリクスを表し、記号がスカラ値を表す場合にはその都度述べることにする。記号「0」はゼロベクトルを表す。
まず、制御則を導出する際に利用する定理とその系を説明する。以下に説明する定理とその系は、発明者らが見出したものである。
n次元関数sgn(・)とsat(・)を定義する。
sgn(・)は、n次元空間RからRへ写像する正規化関数であり次の(1)式で定義される。
Figure 2008097152
ここで、xは任意のn次元ベクトルを表し、‖x‖は、ベクトルxの大きさ、即ちノルムを表す。なお、本明細書を通して記号‖x‖は、ベクトルxのノルムを表す。(1)式の関数sgn(・)は、n次元に拡張した符号関数(signum function)である。(1)式によるsgn(・)の定義のもとでは、y=sgn(x)は次の(2)式で表される関係と等価である。
Figure 2008097152
sat(・)は、n次元空間RからRへ写像する単位飽和関数であり次の(3)式で定義される。
Figure 2008097152
関数sgn(・)とsat(・)は、次の定理1と系1で示される関係を有する。
<定理1> 2つのn次元ベクトルxとyについて、次の(4)式を満たす関係が成立する。
Figure 2008097152
<定理1の証明>
関数sgn(・)の定義から、xとyは次の(5)式の関係を満足することは明らかである。
Figure 2008097152
ここで、xとyは、y=(x−y)/‖x−y‖、及びx≠yの関係を満足すると仮定する。r=‖x−y‖>0と置くと(rはスカラ値)、仮定した関係は(1+r)y=xと記述することができる。このとき、‖y‖=1であるので‖x‖=1+rの関係が成立する。このことは、‖x‖>1であることを意味する。よって、‖x‖=1+rの関係を(1+r)y=xの関係に代入すると、y=x/‖x‖の関係を得る。以上より次の(6)式を得る。
Figure 2008097152
上記の逆が成立することは自明である。また、(y=x∧‖y‖≦1)が(y=x∧‖x‖≦1)と等価であることも自明である。よって次の(7)式を得る。
Figure 2008097152
以上で定理1が証明された。
<系1> 2つのn次元ベクトルx、y、及び2つの正値のスカラ値X、Yについて、次の(8)式を満たす関係が成立する。
Figure 2008097152
<系1の証明>
Z>0である全てのスカラ値Z、及びz∈Rを満たすzに対してsgn(Zz)=sgn(z)が成立する。よって(8)式は次の(9)式に書き直すことができる。
Figure 2008097152
定理1より、上記(9)式の関係が成立する。以上で系1が証明された。
図1に、定理1のブロック図を示す。定理1は、発明者らが以前に導出した定理(前述の文献1に開示されている)の多次元への拡張である。定理1と系1は、「不連続関数sgn(・)が時間遅れのない閉ループ系に含まれている場合には、その閉ループ内の不連続関数sgn(・)は、連続関数sat(・)を用いることにより除去することができる」という事実を示唆する。
以上で定理1と系1についての説明を終る。
次に、図2に模式的に示す位置制御装置100を例として、本発明に係る位置制御装置の特徴をなす制御則を説明する。位置制御装置100は、移動機構10とコントローラ20を備える。移動機構10はその基部12で絶対座標系に対して固定されている。移動機構10の先端は、位置制御する対象である制御対象物14(請求項の「物体」に相当する)を保持することができる。制御対象物14を保持する機構はどのようなものでもよい。移動機構10は、複数の関節とリンクが連結されている多リンク機構を有しており、各関節には連結されたリンク同士を揺動させるアクチュエータが取り付けられている。移動機構10はコントローラ20からの指令に基づいて、制御対象物14を移動させることができる。
移動機構10には、保持した制御対象物14の位置を検出するセンサが取り付けられている。具体的には移動機構10の各関節にエンコーダ(不図示)が取り付けられており、各エンコーダの値からロボット工学における順キネマティクスを用いて先端に保持した制御対象物14の位置を算出する。またコントローラ20は、制御対象物14の位置を時間微分して速度を算出する。なお、本明細書では、制御対象物14の位置を直接検出するセンサ、間接的に検出するセンサ(例えば上記のエンコーダ)を含めて位置検出器と称する。また、制御対象物14の速度を直接検出するセンサ、間接的に検出するセンサ、或いは位置から速度を推定する推定手段を含めて制御対象物14の速度を検出する速度検出器と称する。速度を間接的に検出するとは例えば移動機構の各関節にジャイロを備え、各ジャイロの出力から制御対象物14の速度を求めることである。また、制御対象物14の位置を時間微分することによって制御対象物14の速度を得ることは換言すれば制御対象物14の速度を推定することであるが、本発明では制御対象物14の速度が直接検出したものであっても推定によって得たものであってもよいため、速度を推定する手段を含めて速度検出器と称する。
コントローラ20からは移動機構10の先端が制御対象物14に加えるべき力が出力される。移動機構10は、コントローラが出力した力の指令を実現するように動作する。例えば、移動機構10の先端で発生する力をf、そのときに移動機構10の各関節が発生するトルクをτ、移動機構10のヤコビ行列をJとすると、f=Jτの関係が成立する。この関係を用いることで、移動機構10の先端で発生すべき力fを実現するための各関節のトルクτを求めることができる。移動機構10の各関節に配置されたアクチュエータがこのトルクτを発生することによって、移動機構10の先端で力fを発生させることができる。即ち、移動機構10が制御対象物14へ力fを加えることができる。
なお、図2に示す位置制御装置100は、本発明の特徴をなす制御則を説明するための例示であり、移動機構10の物理的な構造(例えば関節の数やリンクの接続関係など)を限定するものではない。
位置制御装置100によって、n次元直交空間内で制御対象物14を目標位置に追従させる場合を考察する。目標位置を記号pで表し、制御対象物14の位置を記号pで表す。目標位置pは経時的に変化する値であってもよい。目標位置pの時間微分及び制御対象物14の位置pの時間微分を夫々vとvで表す。即ち、vは目標速度を表し、vは制御対象物14の速度を表す。
コントローラ20は、目標位置pと位置pを入力として、移動機構10の先端が発生すべき力f(先端が制御対象物14へ加えるべき力f)の指令値を出力する。移動機構10は、コントローラ20が出力する力fの指令値に基づいて、制御対象物14に対して力fを加えるように制御される。コントローラ20が出力する力fの指令値に基づいて移動機構10の先端が制御対象物14へ力fを加えることによって、制御対象物14の位置pを目標位置pへ移動させることができる。
まず、発明者らが先に提案した位置制御装置に組み込まれる制御ロジック(以下、PSMC(プロキシベースのスライディングモード制御)と称する)の概念について図2と図3を参照して説明する。PSMCについては前述した文献1に詳説されている。図3は、図2に示すコントローラ20内に実現される制御則を示すブロック図である。
図2に示すように、PSMCではプロキシ(proxy)と呼ぶ質量ゼロの仮想質点を設定する。仮想質点は、制御ロジック内で想定される点であり、実際には存在しない。仮想質点の位置を記号pで表し、仮想質点の速度を記号vで表す。
なお、「制御ロジック内で想定する」とは、より具体的には制御ロジックを構築する上で仮に想定するという意味である。請求項の「仮想空間内に設定する」との表現も同様の意味である。
仮想質点は制御対象物14と仮想的な連結要素で連結されている。この仮想的な連結要素も仮想質点と同様に制御ロジック内で想定される点であり、実際には存在しない。仮想連結要素は弾性を有している。
制御ロジック内で、仮想質点に対して加える力fを想定する。仮想質点は質量がゼロであり、かつ制御対象物14と弾性を有する仮想連結要素で連結されているため、仮想質点に加える力fは制御対象物14でも発生する。制御ロジック内では仮想質点と仮想連結要素を想定するが、コントローラ20は実際にはこの力fを移動機構10の指令値として出力する。以下で説明するように、力fは、仮想質点を目標位置へ移動させるための力として算出される。そのように算出された力fを移動機構10によって制御対象物14へ加えることで制御対象物14を移動させる。なお、質量ゼロの仮想質点へ力fを加えるとは、仮想質点のダイナミクスにおいて慣性項が存在しないことを意味する。この制御ロジックは、仮想質点の位置pが、仮想連結要素が発生する力と力fがバランスする位置となることに着目する。
なお、図2に示すhは、システムに加わる外力を表している。
仮想連結要素は、その長さを自然長に維持するために、PID制御に基づく力を発生するものと設定する。但し、その自然長はゼロである。即ち、仮想質点の位置pが目標位置pに一致し、かつ仮想連結要素が自然長となったとき(仮想連結要素が力を発生しない状態となったとき)に、制御対象物14の位置pは目標位置pに一致することになる。
図3に示すL/s+K+Bsのブロックがこの仮想連結要素の特性を示している。ここで、Lは積分ゲインであり、Kは比例ゲインであり、Bは微分ゲインを表す。なお、sはラプラス演算子である。即ち、仮想連結要素が発生する力fは、次の(10)式を満足する。
Figure 2008097152
図3に示すスライディングモード制御部は、スライディングモード制御(SMCと称する場合がある)に基づいて力fを算出する。前述の文献1では、次の(11)式で示される制御則を採用した。
Figure 2008097152
ここで、記号FとHは正値のスカラ値である。(11)式で示される制御則のブロック図を図4に示す。σ=0を満たす点の集合は、仮想質点のn次元位置pとn次元速度vによって張られる2n次元の状態空間においてn次元の部分空間となる。なお、本明細書で用いる「多様体」との用語は、数学上で定義され用いられるものと同義である。以下ではそのような多様体を多様体σ=0と称する。図5に多様体σ=0の模式図を示す。図5に示す灰色の太線が多様体σ=0である。この多様体σ=0はスライディング多様体(sliding manifold)と呼ばれており、(11)式で示される制御則は、仮想質点の状態(p、v)をこのスライディング多様体に引き付けるように機能する。
なお、図3に示すhは、システムに加わる外力を表している。
(11)式で表される制御則を用いた場合、仮想質点の状態がスライディング多様体に達する前に、仮想質点が過度の速度となる可能性がある。例えば、制御対象物14の位置pと目標位置pとの偏差が大きい場合である。偏差が大きいと、目標位置へ素早く追従させるために移動機構10が制御対象物14を高速で移動させる場合があるからである。また、コントローラ20の上位のコントローラが、何らかの不具合で過大な目標速度をコントローラ20へ与える場合などである。即ち、位置制御装置100が(11)式によって表される制御則を用いた場合、制御対象物14が過度の速度で移動する可能性がある。そこで、制御対象物14が過度の速度とならないように、次の(12)式で表わされるSMC制御則を提案する。
Figure 2008097152
ここで、VとAは、正値のスカラ値である。
=0を満足する点の集合が仮想質点の2n次元の状態空間{p、v}におけるn次元の多様体を表す。図6に、s=0で表される多様体を模式的に示す。図6に示す灰色の太線が多様体s=0である。
(12b)式の右辺第1項のノルムは常にVよりも小さいので、(12b)式は、s=0が‖v‖≦Vを満足することを示している。このことは、仮想質点の状態がs=0で表される多様体上にある限りにおいて、仮想質点の速度の大きさがV以下となることを意味する。s=0と‖v‖≦Vが成立する場合には‖Aσ+v‖は1より小さくなり、その結果、Aσ+v−v=0の関係が満足される。このことは、s=0と‖v‖≦Vが成立する場合には、σ=0が満足されることを意味する。それゆえ、‖Aσ+v‖≦Vが満足される場合は常に(12)式は(11)式と等価となる。なお、パラメータAは多様体s=0には影響を与えないことに留意されたい。
図5と図6を比較すると理解できるように、(11)式の制御則における多様体σ=0(図5)が、有界でないのに対して、(12)式の制御則における多様体s=0(図6)は、速度vの軸に対して有界となる。
図7に、(12)式で表される制御則のブロック図を示す。図7において灰色の部分が、図4に示したこれまでのPSMCとの違いである。なお、図7中の記号sはラプラス演算子を表す。
図3と図7によって表現される制御則は、次の(13)式を満足する。
Figure 2008097152
ここで、力fは、(13a)式と(13b)式の双方を満足することに留意されたい。
(13)式で表される制御則を実装すると、図2に示す位置制御装置100は、制御対象物14の速度の大きさをV以下に抑制しながら、制御対象物14の位置pを目標位置pに追従させることができる。
(13)式の制御則は連続時間系で表現されており、現実の位置制御装置へ実装するには(13)式を離散時間系で表現し直すことが必要である。そこで次に(13)式の離散時間系への変換について説明する。
(13)式をオイラー近似に基づいて離散時間系へ変換すると次の(14)式を得る。
Figure 2008097152
ここで、kは、時間の経過を離散化したときの時刻kを表す。記号∇は後退差分演算子を表す。具体的には記号∇は、∇x(k)=x(k)−x(k−1)と∇x(k)=∇x(k)−∇x(k−1)=x(k)−2x(k−1)+x(k−2)の両式を満足する演算子として定義される。以下では、v(k)=∇p(k)/T、v(k)=∇p(k)/T、及び、v(k)=∇p(k)/Tと置く。また、a(k)は、(14)式が表す制御ロジックを簡略化して表現するための内部状態変数である。
なお、(14)式の表現は、コンピュータによる演算を考慮した表現とはなっていないが、制御対象物14の速度の大きさをV以下に抑制するために満足すべき条件を網羅している。システムへの入力は目標位置p(k)と制御対象物14の位置p(k)、及びそれらの時間微分値(即ち速度)である。従って制御ロジック内ではこれらの値は既知であるものとして取り扱うことができる。それらの入力値が与えられると、(14)式によって、時刻kにおける位置制御装置100の移動機構10が制御対象物14へ加えるべき力f(k)と内部状態変数a(k)(及びその時間部分∇a(k))を決定することができる。
図3と図7は、制御則において、不連続関sgn(・)が時間遅れなしにフィードバックループ内に含まれていることを示している。従って、前述した系1により、(14b)式内の関数sgn(・)は除去することができ、少なくとも(14c)式の右辺第1項が既知ならば(14)式の解析的な解を得ることができる。
「A」は任意の正値のスカラ値であればよいので、解析的な導出が容易となるように「A」を選定すると好都合である。そこで、「A」を含め、新たに第1中間値u(k)を次の(15)式により定義する。
Figure 2008097152
(k)とσ(k)は次の(16)式と(17)式の通り書き換えることができる。
Figure 2008097152
Figure 2008097152
なおここでは、∇a(k)は未知である。「A」を次の(18)式の通り置くことによって、第1中間値u(k)を(19)式の通り表現し直すことができる。
Figure 2008097152
Figure 2008097152
(19)式は、u(k)が∇a(k)とは独立であることを示している。このことは、(18)式の通り設定することによって、u(k)を既知の値として扱うことができることを意味している。
第2中間値u(k)を次の(20)式の通り設定する。
Figure 2008097152
(20)式のu(k)によって、(14b)式は(21)式の通り書き換えることができる。
Figure 2008097152
ここで、v(k)は、未知の変数f(k)に依存する。(14a)式から次の(22)式を得ることができる。
Figure 2008097152
(22)式を(16)式へ代入すると次の(23)式を得る。
Figure 2008097152
第3中間値f(k)を次の(24)式の通り設定する。
Figure 2008097152
このf(k)を用いることによって次の(25)式を得る。
Figure 2008097152
上記(25)式を(21)式に代入することによって次の(26)式を得る。
Figure 2008097152
ここで、系1を用いることによって、次の(27)式を得る。
Figure 2008097152
(27)式によって、時刻kにおいて図2の移動機構10が制御対象物14へ与えるべき力f(k)を得る。なお、内部状態変数a(k)は、(14a)式によって算出することができる。
以上の説明をまとめると次の結論を得る。速度の大きさをV以下に抑制しながら制御対象物14の位置pを目標位置pへ追従させるために時刻kにおいて移動機構10が制御対象物14へ加えるべき力f(k)は次の(28)式によって算出することができる。また(28e)式は、a(k)が満たすべき漸化式であり、この式から各時刻kにおけるa(k)を求めることができる。
Figure 2008097152
(28b)式は、(28a)式によって求められる第1中間値u(k)を関数sat(・)で制限したものを第2中間値u(k)とすることを意味している。関数sat(・)による(28b)式の制限は、数学的に次の通り一般化できることが自明である。即ち、「第2中間値u(k)は、移動機構によって実現される物体(制御対象物14)の速度として許容されている速度の集合をYとしたときに、u(k)∈Yが満たされるときにはu(k)=u(k)を満たす値であり、u(k)∈Yが満たされないときにはu(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつu(k)∈Yを満たす値である。」
同様に、(28d)式は、(28c)式によって求められる第3中間値f(k)を関数sat(・)で制限したものを力f(k)とすることを意味している。従って(28d)式は、数学的に次の通り一般化できることが自明である。即ち、「力の指令値f(k)は、移動機構が物体に加えることを許容されている力の集合をXとしたときに、f(k)∈Xが満たされるときには指令値f(k)=f(k)で求められ、f(k)∈Xが満たされないときにはf(k)に正のスカラ値を乗じた値として求められる。」
図3に示すように上記の説明においては、仮想連結要素の特性を「L/s+K+Bs」と設定した。ここで、積分ゲインLをゼロとしても上記と同様の効果を得る制御則が得られる。これは仮想連結要素の特性を、その長さを自然長に維持するためにPD制御に基づく力を発生するものと設定することを意味する。
(28)式を導出した上記の過程においてL=0と置くと次の(29)式を得る。
Figure 2008097152
(28b)式、或いは(29b)式は、前述した集合Yを用いると次の通り表現することと等価である。即ち、「前記集合Yは、設定されたスカラ値Vよりも絶対値が小さい全ての値の集合であり、位置制御装置のコントローラは、移動機構によって実現される物体の速度として許容されている速度の大きさをVとしたときに、‖u(k)‖<Vが満たされる場合は第2中間値u(k)=u(k)とし、‖u(k)‖<Vが満たされない場合は第2中間値u(k)=(V/‖u(k)‖)・u(k)とする。」
同様に、(28d)式、或いは(29d)式は、前述した集合Xを用いると次の通り表現することと等価である。即ち、「前記集合Xは、設定されたスカラ値Fよりも絶対値が小さい全ての値の集合であり、位置制御装置のコントローラは、移動機構が物体に加えることを許容されている力の大きさをFとしたときに、‖f(k)‖<Fが満たされる場合は指令値f(k)=f(k)とし、‖f(k)‖<Fが満たされない場合は指令値f(k)=(F/‖f(k)‖)f(k)とする。」
(28a)式、(28c)式、及び(28e)式がそれぞれ請求項の第1式、第2式、及び第3式である。(29a)式、(29c)式、及び(29e)式がそれぞれ請求項の第4式、第5式、及び第6式である。
上記の表現は、さらにベクトルのノルムを用いて表現し直すことができる。代表的なノルムにL2ノルムがある。そこで上記の集合YやXを次の通り特定してよい。
集合Yは、設定されたスカラ値VよりもL2ノルムが小さい全てのベクトル値の集合である。或いは、集合Xは、設定されたスカラ値FよりもL2ノルムが小さい全てのベクトル値の集合である。
また、他の代表的なノルムにL無限大ノルム(一般にLと表現することがある)がある。そこで上記の集合YやXを次の通り特定することも好適である。
集合Yは、設定されたスカラ値VよりもL無限大ノルムが小さい全てのベクトル値の集合である。或いは、集合Xは、設定されたスカラ値FよりもL無限大ノルムが小さい全てのベクトル値の集合である。
一方、図6に示すスライディング多様体σ=0についても、次の通り数学的に一般化することができる。
図6に示すように、スライディング多様体σ=0は、少なくとも仮想質点の速度を状態変数に含む仮想質点の状態空間内の部分多様体である。そして、(12)式は、スライディング多様体σ=0上で仮想質点の速度が有界であることを表している。
本発明の特徴は、発明者らが提案したPSMCに速度制限を付加したことにある。その際、発明者らが導出した新たな定理とその系を用いることによって、PSMCに適切に速度制限を組み込むことが可能となった。速度制限を付加したPSMCを以下、VB−PSMC(Velocity Bounding PSMC)と称する。
次に、VB−PSMCをPSMCとの対比において説明する。
(28)式によって表されるVB−PSMCの制御則から速度制限を外すと(即ち、(28)式においてVを無限大とすると)、次の(30)式を得る。
Figure 2008097152
(30)式は、(11)式によって与えられる線形スライディング多様体に基づくPSMCの制御則を表す。(11)式によって与えられる線形スライディング多様体とは、図5において太線で示す多様体であり、図6においてσ=p−p+H(v−v)=0を満たす点の集合である。
前述した文献1で述べているように、PSMCはPID制御を拡張したものと捉えることができる。従って、VB−PSMCもPID制御を拡張したものと捉えることができる。(30)式においてFを無限大とすると次の(31)式を得る。
Figure 2008097152
(31)式は、次の(32)式と等価であることは自明である。
Figure 2008097152
ここで、(32)式を見やすくするため次の(33)式を採用する。
Figure 2008097152
(33)式を採用することによって、(32)式は次の(34)式の通り書き換えることができる。
Figure 2008097152
(34)式においてkを無限大とすると次の(35)式を得る。
Figure 2008097152
(35)式は、PID制御則と等価である。
以上より、(28)式で表されるVB−PSMCは、‖u(k)‖≦Vと‖f(k)‖≦Fが満足される限りにおいて(35)式で表されるPID制御則と等価である。このことは、‖u(k)‖≦Vと‖f(k)‖≦Fが満足されている状態においては(即ち、制御対象物14の速度の大きさが制限速度の大きさVに至らない状態においては)、スカラ値F、V及びHは追従性能に影響しないことを意味している。即ち、VB−PSMCは、(35)式で表されるPID制御則に次の特徴を付加した制御則であるということができる。
・移動機構が物体(移動機構が保持した制御対象物)に加えるべき力の指令値に、任意の大きさFの制限を加えることができる。
・移動機構によって実現する物体の移動速度に、任意の大きさVの制限を加えることができる。
・移動機構によって実現する物体の位置の目標位置への追従特性として、任意の時定数Hによる減衰特性を与えることができる。
VB−PSMC制御則は、PID制御ゲインK、L、及びBとは独立に上記のF、V、及びHの3パラメータを設定できる点に、従来のPID制御に優る利点がある。パラメータFとVは、位置制御装置が使用される環境に応じて設定することができる。
本願発明に係る位置制御装置に実装されるVB−PSMC制御ロジックの概要をまとめると次の通りである。
(1)移動機構が保持した物体に対して質量ゼロの仮想質点が連結されていると設定し、その仮想質点を目標位置に追従させるようにスライディングモード制御則を構築する。ここで、仮想質点と物体は仮想的な連結要素(少なくとも弾性を有する)で連結されており、仮想質点は、仮想質点と物体の位置偏差に応じて連結要素が発生する力(弾性による復元力)を受ける。スライディングモード制御則は、連結要素から力を受ける仮想質点に制御力として加える力を算出する。この制御力は、仮想質点を目標位置まで移動させる力として算出される。算出された力を物体に加える指令値として移動機構へ出力する。
(2)スライディングモード制御則が用いるスライディング多様体として、次の条件を満たす多様体を採用する。
・スライディング多様体は、仮想質点の速度を含む状態空間(上記の説明では仮想質点の位置pと速度vが張る状態空間{p,v})における部分多様体である。
・スライディング多様体は、その多様体上で仮想質点の速度が有界である。
なお、仮想質点の速度が有界であるとは、例えば物体の運動が所定の一方向に規制されている場合にはその速度の大きさにスカラ値である上限値Vを課すことに相当する。
上記の(1)は、PSMCの特徴でもあるが、「質量ゼロの仮想質点」を新たに導入し、その仮想質点に対して位置制御する制御力を求めるスライディングモード制御である点が従来のPID制御、或いはスライディングモード制御と異なる点である。
仮想質点は仮想的な連結要素を介して実際の物体に連結されている。一方、仮想質点は質量がゼロであるので仮想質点の慣性力は制御ロジック内に現れない。従って、仮想質点の位置(運動)を制御することはそのまま実際の物体を制御することに繋がる。一方、仮想質点の運動は、制御ロジック内で仮想される運動であるので精密に制御することができる。制御ロジック内において、仮想質点をスライディングモード制御の対象とすることによって、従来のスライディングモード制御が有していたチャタリングの生じ易さを抑制することに成功した。
そのようなPSMCに対して、さらに仮想質点の速度に対して上限値を付加した点が上記(2)の特徴である。特に、実際の物体ではなく、仮想質点の運動に対して速度制限を加えている点が特徴である。前述したように、制御ロジック内で仮想される仮想質点の運動は精密に制御することができる。従って、仮想質点に対する速度制限は、確実に仮想質点の運動に反映することができる。仮想質点の運動に速度制限を確実に反映できるということは、実際の物体に対して速度制限を確実に反映できることを意味する。
制御ロジック内で実際の物体に速度制限を付加しても、実際の物体には例えば図2や図3に示すように未知の外力hが作用する。そのため、物体に速度制限を確実に課すことが困難となる。VB−PSMC制御則では、速度制限を含めて仮想質点の運動を制御することで、実際の物体に確実に速度制限を課すことができる。
本発明は、上記説明したVB−PSMC制御則を実装した位置制御装置として具現化してもよいし、上記説明したVB−PSMC制御則を位置制御装置に実行させるプログラムとして具現化してもよい。また、上記説明したVB−PSMC制御則による制御方法に具現化することもできる。
本発明によれば、物体の位置を目標位置に追従させる位置制御装置であって、位置追従精度を損なうことなく良好な速度制限ロジックを組み込んだ位置制御装置を実現することができる。また、物体の位置を目標位置に追従させる位置制御装置に対して、位置追従精度を損なうことなく良好な速度制限ロジックを組み込んだ位置制御を実現するプログラム及び方法を提供することができる。
図8に示す2自由度平行リンクマニピュレータを用いて、本発明の特徴であるVB−PSMC制御則の効果を確認する実験を行った。図8に示すマニピュレータが、図2に示す移動機構10に相当する。図8に「手先」と示している点が、図2に示す制御対象物14に相当する。図8に示すマニピュレータは、手先(制御対象物14)を図8に示すxy直交座標系のx軸とy軸の方向に移動させることができる。
図8のマニピュレータは、ハーモニックドライブ(登録商標)ギアによって減速されたACサーボモータを含むアクチュエータを備えている。アクチュエータには光学エンコーダが取り付けられており、手先の位置p(即ち、制御対象物の位置p)を計測することができる。手先の速度v(即ち、制御対象物の速度v)は、手先の位置pを時間微分することによって得ることができる。
図8のマニピュレータを制御するコントローラ(不図示)には、(28)式で表されるVB−PSMCの2次元版が実装されている。マニピュレータが手先で発生する力f(制御対象物に加えるべき力f)は、コントローラ内で(28)式を演算することによって決定される。コントローラ内ではまた、算出された力fをマニピュレータの手先で実現するためにアクチュエータが出力すべきトルクが算出される。算出されたトルクがマニピュレータのアクチュエータへの指令トルクとなる。なお、制御周期Tは、T=0.001秒である。
VB−PSMCとPSMCの制御性能の差を確認するために、パラメータVの影響を調べた。他のパラメータK、B、L、F、及びHは次の通り設定した。
K=80000N/m、B=600Ns/m、L=100000N/(ms)、F=80N、H=0.2s
なお、従来のPID制御に対するPSMCの優位性については前述した文献1で述べている。
<第1の実験>
最初の実験として、所定の点から他の所定の点へ手先(制御対象物)を移動させる実験を行った。目標位置p(t)は、次の(数36)で表されるステップ状の関数として与えた。
Figure 2008097152
Vの値として0.4m/s、0.8m/s、及び無限大の3つの値を選定した。即ち、マニピュレータの手先(マニピュレータによって保持された物体)が実現すべき速度として許容されている速度の大きさを0.4m/s、0.8m/sとした。なお、マニピュレータの手先はxy平面内で移動可能であるから手先の速度は2次元のベクトルとなる。従って上記の速度制限は、手先(マニピュレータによって保持された物体)の速度ベクトルのL2ノルムを0.4m/s、0.8m/s以下に制限すること、と換言することができる。
なお、Vの値を無限大とした場合は、(30)式で表されるPSMCに基づく制御に相当する。
第1の実験の結果を図9に示す。図9(a)は、手先位置p(制御対象物の位置p)のx座標値(pと称する)の時間変化を示す。図9(a)における灰色の太線は、目標位置のx座標値pdxを示す。図9(b)は、手先のx軸方向の速度vの時間変化を表す。図9(c)は、手先のx座標位置p対x軸方向速度vの変化を表す。目標位置p(t)が時刻t=5sでステップ状に変化しているので、手先位置pは時刻t=5sで加速を開始している。VB−PSMC(V=0.4m/s及び0.8m/sに設定した場合)では、手先の速度vは、夫々設定したVの値に到達した後に一定の値(設定したVの値)となっていることがわかる。即ち、パラメータVによって設定される速度制限がよく実現されていることがわかる。一方、Vを無限大に設定した場合(PSMC制御に相当する場合)は、実現される手先速度vが制限されていないことがわかる。
図9(a)より、時間が経過するにつれて手先の位置が目標位置(x座標0.2mの位置)へ減衰しながら漸近していることがわかる。手先(制御対象物)を減衰させながら目標位置へ漸近させることができる点が従来のPID制御に対するPSMC制御の優位な点である。
<第2の実験>
第2の実験として、目標位置p(t)を次の(37)式で与えた実験を行った。
Figure 2008097152
なお、(37)式の右辺の上段は目標位置のx座標を表し、右辺の下段は目標位置のy座標を表す。(37)式は、目標位置が半径0.1mの円を描く軌道となることを表している。即ち、目標位置のx座標とy座標は夫々周期的な軌道となる。また、(数37)は、時刻t=10s付近でその周期が最速となる軌道となっている。
(37)式で与えられる目標位置に対してパラメータVをV=0.4m/sと無限大に設定して実験を行った。
実験結果を図10に示す。図10(a)は、手先位置p(制御対象物の位置p)のx座標値(pと称する)の時間変化を示す。図10(a)における灰色の太線は、目標位置のx座標値pdxを示す。図10(b)は、手先のx軸方向の速度vの時間変化を表す。図10(b)における灰色の太線は、x方向の目標速度vを示す。図10(c)は、手先の位置pと目標位置pの偏差を表す。図10(a)では、灰色の太線が示す目標位置のx座標値pdxは、Vを無限大としたときの手先位置pのグラフとほぼ重なっている。同様に図10(b)では、灰色の太線が示す目標速度dは、Vを無限大としたときの手先速度vのグラフとほぼ重なっている。
図10(c)から、手先の速度が上限値V=0.4m/s以下である期間(時刻t=8s以前、及び時刻t=13s以降)では、VB−PSMCとPSMCはほぼ同等の偏差となっていることがわかる。即ち、手先の速度がパラメータVで設定される上限値以下の場合には、VB−PSMC(V=0.4m/sに設定した場合)の追従性能はPSMC(V=無限大に設定した場合)の追従性能と同等の性能を実現できている。
一方、時刻t=8sから時刻t=13sで目標速度が増加する期間(目標位置の変化の周期が速くなっている期間)では、VB−PSMCでは速度制限がよく実現できていることがわかる。即ち、位置制御則にVB−PSMCを用いることによって、例えば上位のコントローラから与えられる目標位置と実際の手先位置(制御対象物の位置)との偏差が過大となる場合でも、手先(制御対象物)の速度を上限値以下に制限することができる。
以上の実験により、本発明の特徴であるVB−PSMC制御則が、速度制限を付した位置制御をよく実現できることが立証できた。
VB−PSMC制御を実装することによって、ユーザは速度制限値以下における目標位置追従性能と応答性を損なうことなく、次の2つのパラメータを任意に設定することができる。
・物体(制御対象物)の位置を目標位置へ追従させる際の減衰時定数
・速度の上限値
VB−PSMCは、物体を目標位置へ移動させる位置制御装置において、制限以下の速度においては追従性能を損なうことなく、物体の移動速度に制限を加えることができる。即ち、VB−PSMCを実装した位置制御装置は、物体を安全に移動させることができる。それゆえ、このVB−PSMCは、物体を移動させる産業用ロボットの下位コントローラに実装することが好適である。移動機構は多リンクマニピュレータに限らず、位置制御するための移動機構であれば例えば1自由度の移動機構であってもよい。
また、移動機構として、リンクが関節によって回転可能に連結されている多リンクマニピュレータを利用する場合には、次の通り構成することも好適である。この場合の位置制御装置は、多リンクマニピュレータの手先に物体を保持し、保持した物体を目標位置に追従させる。多リンクマニピュレータの場合、手先に保持した物体の位置と各関節の角度はロボット工学における順運動学(或いは逆運動学)によって対応付けることが可能である。従って、物体を目標位置に追従させることは、目標位置に対応する各関節の目標角度に各関節の角度を追従させることと同じとなる。また、多リンクマニピュレータの場合、各関節の目標関節角が決まれば、関節毎に独立して角度制御を行うことも可能である。そこでそのような場合には、上記説明したVB−PSMCの1次元版を多リンクマニピュレータの各関節の角度制御器として用いることができる。そうすることによって、各関節の角速度に制限を加えることができ(制限値は関節毎に独立して与えることができる)、その制限以下の角速度においては角度制御の追従性(即ち物体の位置制御の追従性)を損なうことのない位置制御装置を実現できる。多リンクマニピュレータが直動関節を有する場合も同様である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。
定理1のブロック図である。 位置制御装置の模式図である。 位置制御装置の制御ブロック図である。 PSMC制御則のブロック図である。 PSMCに基づくスライディング多様体を示す図である。 VB−PSMCに基づくスライディング多様体を示す図である。 VB−PSMC制御則のブロック図である。 実験に用いたマニピュレータの模式図である。 第1の実験の結果を示すグラフである。 第2の実験の結果を示すグラフである。
符号の説明
10:移動機構
14:制御対象物
20:コントローラ
100:位置制御装置

Claims (11)

  1. 保持した物体の位置を目標位置に追従させる位置制御装置であり、
    物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構と、
    物体の位置を検出する位置検出器と、
    物体の速度を検出する速度検出器と、
    検出した物体の位置と速度に基づいて、物体に加える力の指令値を算出して移動機構へ出力するコントローラと、を備え、
    コントローラは、
    離散時間系における時刻をk、時刻kにおける物体の目標位置をp(k)、時刻kにおける物体の目標速度をv(k)、時刻kにおいて位置検出器によって検出される物体の位置をp(k)、時刻kにおいて速度検出器によって検出される物体の速度をv(k)、単位時間をT、第1の係数をK、第2の係数をB、第3の係数をH、第4の係数をL、後退差分演算子を∇、時刻kにおいてコントローラ内で演算される内部状態変数をa(k)としたときに、
    時刻kにおける第1中間値u(k)を次の第1式、即ち、
    (k)={p(k)−p(k)+Hv(k)+Tv(k)
    −∇a(k−1)/T}/(H+T) ・・・(第1式)
    を満たすように算出し、
    移動機構によって実現される物体の速度として許容されている速度の集合をYとしたときに、u(k)∈Yが満たされるときにはu(k)=u(k)を満たし、u(k)∈Yが満たされないときにはu(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつu(k)∈Yを満たすように時刻kにおける第2中間値u(k)を算出し、
    時刻kにおける第3中間値f(k)を次の第2式、即ち、
    (k)=La(k−1)+(LT+K)∇a(k−1)/T
    +(LT+KT+B)(u(k)−v(k)) ・・・(第2式)
    を満たすように算出し、
    時刻kにおいてコントローラが算出して移動機構へ出力する指令値f(k)は、移動機構が物体に加えることを許容されている力の集合をXとしたときに、f(k)∈Xが満たされるときには指令値f(k)=f(k)とし、f(k)∈Xが満たされないときにはf(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつf(k)∈Xを満たすf(k)を指令値f(k)とし、
    時刻k+1における第1中間値u(k+1)と第3中間値f(k+1)を算出する場合に第1式と第2式に現れるa(k)を次の第3式、即ち、
    a(k)={(KT+B)a(k−1)+B∇a(k−1)
    +Tf(k)}/(LT+KT+B) ・・・(第3式)
    を満たすように算出することを特徴とする位置制御装置。
  2. 保持した物体の位置を目標位置に追従させる位置制御装置であり、
    物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構と、
    物体の位置を検出する位置検出器と、
    物体の速度を検出する速度検出器と、
    検出した物体の位置と速度に基づいて、物体に加える力の指令値を算出して移動機構へ出力するコントローラと、を備え、
    コントローラは、
    離散時間系における時刻をk、時刻kにおける物体の目標位置をp(k)、時刻kにおける物体の目標速度をv(k)、時刻kにおいて位置検出器によって検出される物体の位置をp(k)、時刻kにおいて速度検出器によって検出される物体の速度をv(k)、単位時間をT、第1の係数をK、第2の係数をB、第3の係数をH、第4の係数をL、時刻kにおいてコントローラ内で演算される内部状態変数をe(k)としたときに、
    時刻kにおける第1中間値u(k)を次の第4式、即ち、
    (k)={p(k)−p(k)+Hv(k)+Tv(k)
    −e(k−1)}/(H+T) ・・・(第4式)
    を満たすように算出し、
    移動機構によって実現される物体の速度として許容されている速度の集合をYとしたときに、u(k)∈Yが満たされるときにはu(k)=u(k)を満たし、u(k)∈Yが満たされないときにはu(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつu(k)∈Yを満たすように時刻kにおける第2中間値u(k)を算出し、
    時刻kにおける第3中間値f(k)を次の第5式、即ち、
    (k)=Ke(k−1)+(KT+B)(u(k)−v(k))・・・(第5式)
    を満たすように算出し、
    時刻kにおいてコントローラが算出して移動機構へ出力する指令値f(k)は、移動機が物体に加えることを許容されている力の集合をXとしたときに、f(k)∈Xが満たされるときには指令値f(k)=f(k)とし、f(k)∈Xが満たされないときにはf(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつf(k)∈Xを満たすf(k)を指令値f(k)とし、
    時刻k+1における第1中間値u(k+1)と第3中間値f(k+1)を算出する場合に第4式と第5式に現れるe(k)を次の第6式、即ち、
    e(k)={Be(k−1)+Tf(k)}/(KT+B) ・・・(第6式)
    を満たすように算出することを特徴とする位置制御装置。
  3. 前記集合Yは、設定されたスカラ値Vよりも絶対値が小さい全ての値の集合であり、前記コントローラは、移動機構によって実現される物体の速度として許容されている速度の大きさをVとし、ベクトルxのノルムを表す記号を‖x‖としたときに、‖u(k)‖<Vが満たされる場合は第2中間値u(k)=u(k)とし、‖u(k)‖<Vが満たされない場合は第2中間値u(k)=(V/‖u(k)‖)u(k)とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置制御装置。
  4. 前記集合Xは、設定されたスカラ値Fよりも絶対値が小さい全ての値の集合であり、前記コントローラは、移動機構が物体に加えることを許容されている力の大きさをF、ベクトルxのノルムを表す記号を‖x‖としたときに、‖f(k)‖<Fが満たされる場合は指令値f(k)=f(k)とし、‖f(k)‖<Fが満たされない場合は指令値f(k)=(F/‖f(k)‖)f(k)とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の位置制御装置。
  5. 前記集合Yは、設定されたスカラ値VよりもL2ノルムが小さい全てのベクトル値の集合であることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置制御装置。
  6. 前記集合Xは、設定されたスカラ値FよりもL2ノルムが小さい全てのベクトル値の集合であることを特徴とする請求項1、2、5のいずれか1項に記載の位置制御装置。
  7. 物体の位置を目標位置に追従させる位置制御装置であり、
    物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構と、
    物体の位置を検出する位置検出器と、
    物体の速度を検出する速度検出器と、
    物体に加える力の指令値を算出して移動機構へ出力するコントローラと、を備え、
    コントローラは、
    質量ゼロの仮想質点と、一端が検出された物体の位置に連結されており、他端が仮想質点に連結されている仮想的な連結要素と、を仮想空間内に設定し、
    スライディングモード制御則に基づいて、仮想質点の位置を目標位置に追従させる制御を仮想空間内で行った際に仮想連結要素から物体に加えられる力を算出し、算出された力を指令値として移動機構へ出力し、
    前記スライディングモード制御則が用いるスライディング多様体は、少なくとも仮想質点の速度を状態変数に含む仮想質点の状態空間内の部分多様体であり、その多様体上で仮想質点の速度が有界であることを特徴とする位置制御装置。
  8. 物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構を利用して、移動機構が保持した物体の位置を目標位置に追従させる位置制御方法であり、
    物体の位置を検出する位置検出ステップと、
    物体の速度を検出する速度検出ステップと、
    検出した物体の位置と速度に基づいて、移動機構が物体に加える力の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    算出された力の指令値を移動機構へ出力する指令値出力ステップと、を含み、
    前記指令値算出ステップは、
    離散時間系における時刻をk、時刻kにおける物体の目標位置をp(k)、時刻kにおける物体の目標速度をv(k)、時刻kにおいて位置検出器によって検出される物体の位置をp(k)、時刻kにおいて速度検出器によって検出される物体の速度をv(k)、単位時間をT、第1の係数をK、第2の係数をB、第3の係数をH、第4の係数をL、後退差分演算子を∇、時刻kにおいて算出される内部状態変数をa(k)としたときに、
    時刻kにおける第1中間値u(k)を次の第1式、即ち、
    (k)={p(k)−p(k)+Hv(k)+Tv(k)
    −∇a(k−1)/T}/(H+T) ・・・(第1式)
    を満たすように算出し、
    移動機構によって実現される物体の速度として許容されている速度の集合をYとしたときに、u(k)∈Yが満たされるときにはu(k)=u(k)を満たし、u(k)∈Yが満たされないときにはu(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつu(k)∈Yを満たすように時刻kにおける第2中間値u(k)を算出し、
    時刻kにおける第3中間値f(k)を次の第2式、即ち、
    (k)=La(k−1)+(LT+K)∇a(k−1)/T
    +(LT+KT+B)(u(k)−v(k)) ・・・(第2式)
    を満たすように算出し、
    時刻kにおける力の指令値f(k)は、移動機構が物体に加えることを許容されている力の集合をXとしたときに、f(k)∈Xが満たされるときには指令値f(k)=f(k)とし、f(k)∈Xが満たされないときにはf(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつf(k)∈Xを満たすf(k)を指令値f(k)とし、
    時刻k+1における第1中間値u(k+1)と第3中間値f(k+1)を算出する場合に第1式と第2式に現れるa(k)を次の第3式、即ち、
    a(k)={(KT+B)a(k−1)+B∇a(k−1)
    +Tf(k)}/(LT+KT+B) ・・・(第3式)
    を満たすように算出することを特徴とする位置制御方法。
  9. 物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構を利用して、移動機構が保持した物体の位置を目標位置に追従させる位置制御方法であり、
    物体の位置を検出する位置検出ステップと、
    物体の速度を検出する速度検出ステップと、
    検出した物体の位置と速度に基づいて、移動機構が物体に加える力の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    算出された力の指令値を移動機構へ出力する指令値出力ステップと、を含み、
    前記指令値算出ステップは、
    離散時間系における時刻をk、時刻kにおける物体の目標位置をp(k)、時刻kにおける物体の目標速度をv(k)、時刻kにおいて位置検出器によって検出される物体の位置をp(k)、時刻kにおいて速度検出器によって検出される物体の速度をv(k)、単位時間をT、第1の係数をK、第2の係数をB、第3の係数をH、第4の係数をL、時刻kにおいて演算される内部状態変数をe(k)としたときに、
    時刻kにおける第1中間値u(k)を次の第4式、即ち、
    (k)={p(k)−p(k)+Hv(k)+Tv(k)
    −e(k−1)}/(H+T) ・・・(第4式)
    を満たすように算出し、
    移動機構によって実現される物体の速度として許容されている速度の集合をYとしたときに、u(k)∈Yが満たされるときにはu(k)=u(k)を満たし、u(k)∈Yが満たされないときにはu(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつu(k)∈Yを満たすように時刻kにおける第2中間値u(k)を算出し、
    時刻kにおける第3中間値f(k)を次の第5式、即ち、
    (k)=Ke(k−1)+(KT+B)(u(k)−v(k))・・・(第5式)
    を満たすように算出し、
    時刻kにおける力の指令値f(k)は、移動機構が物体に加えることを許容されている力の集合をXとしたときに、f(k)∈Xが満たされるときには指令値f(k)=f(k)とし、f(k)∈Xが満たされないときにはf(k)に正のスカラ値を乗じた値であり、かつf(k)∈Xを満たすf(k)を指令値f(k)とし、
    時刻k+1における第1中間値u(k+1)と第3中間値f(k+1)を算出する場合に第4式と第5式に現れるe(k)を次の第6式、即ち、
    e(k)={Be(k−1)+Tf(k)}/(KT+B) ・・・(第6式)
    を満たすように算出することを特徴とする位置制御方法。
  10. 物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構を利用して、移動機構が保持した物体の位置を目標位置に追従させる位置制御方法であり、
    物体の位置を検出する位置検出ステップと、
    物体の速度を検出する速度検出ステップと、
    検出した物体の位置と速度に基づいて、移動機構が物体に加える力の指令値を算出する指令値算出ステップと、
    算出された力の指令値を移動機構へ出力する指令値出力ステップと、を含み、
    前記指令値算出ステップは、
    質量ゼロの仮想質点と、一端が検出された物体の位置に連結されており、他端が仮想質点に連結されている仮想的な連結要素と、を仮想空間内に設定し、
    スライディングモード制御則に基づいて、仮想質点の位置を目標位置に追従させる制御を仮想空間内で行った際に仮想連結要素から物体に加えられる力を算出し、算出された力を指令値として移動機構へ出力し、
    前記スライディングモード制御則が用いるスライディング多様体は、少なくとも仮想質点の速度を状態変数に含む仮想質点の状態空間内の部分多様体であり、その多様体上で仮想質点の速度が有界であることを特徴とする位置制御方法。
  11. 物体を保持可能であり、物体に加える力の指令値が入力され、入力された指令値を実現するように動力によって動作する移動機構を制御するコンピュータによって、請求項8から10のいずれか1項に記載の位置制御方法を実行させるための位置制御プログラム。
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