JP2008096648A - 縞状構造体、その形成方法、情報記録方法、情報記録媒体、及び縞状構造体製造装置 - Google Patents

縞状構造体、その形成方法、情報記録方法、情報記録媒体、及び縞状構造体製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スパッタ装置やCVD装置のような高コストでかつ大掛かりな装置を必要とせずに、画素毎の色情報のコントロールが容易にでき、大型の造形物にも展開可能な構造色を用いた情報・画像記録方法及び記録媒体を提供する。
【解決手段】チタンサファイアレーザ301からの出射光をビームスプリッタ307により2光束に分割し、該2光束の少なくとも1光束の位相をピエゾステージ320で変化させた後に、集光させた2光束の干渉による干渉縞の間隔を前記2光束の波長と独立して設定し、該干渉縞に基づいて縞状構造体を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、縞状構造体、その形成方法、情報記録方法、情報記録媒体、及び縞状構造体製造装置に関し、特に、構造色による発色を利用した情報記録法及び情報記録媒体等の発明に関する。
今日のような情報デジタル化の時代において、最も基本的なメディアとして、画像あるいは文字による情報を多種多様な印刷物により表現したメディアが存在し、また、このような表現形態による情報の流通及び蓄積が情報化社会を支えている。このような情報は、これまで主に、染料や顔料を溶解または分散させたインキ、ペイントあるいはトナー等を用いて印刷され表現されていた。このうち染料を用いた印刷媒体においては、鮮やかな発色や混色の自由度などのメリットがある反面、紫外線やオゾン等による退色の影響が避けられない等のデメリットも大きかった。他方、顔料を用いた場合には、基本的にはその顔料の微粒子状での散乱で使われることが多く、退色性に優れる反面、発色の鮮やかさや混色による中間色の表現等に難点がある。
発色のもう一つの原理として、蝶の鱗粉の発色等、生物の世界で発見された構造色という発色原理がある。この原理では光学素子のグレーティング(回折格子)に見られるような従来から知られた周期構造による多層干渉によって着色して見えるが、広がりのある膜の周期構造では、見る角度により色合いが大きく変化する。すなわち、ある角度から見ると青色だが、別の角度から見ると黄色、赤などの色違いのものとなり、色彩が表現されるものとなる。しかし、現実的には、このような蝶の鱗粉等に見られるような、膜の周期構造のような色合いの変化のない本原理に基づいてなされている人工的なものは少ない。この発色の原理が、構造色と呼ばれる細分化された周期構造(すなわち材料の光の吸収によって生じるかあるいは派生する色彩、あるいは単純な回折格子のような干渉に依るが見る角度(あるいは反射の角度)が異なると特定波長の異なる反射に基づく干渉光以外の干渉光)によることが明らかにされている。そしてこのような蝶に見られる構造色は、前述の微細構造と微細構造に光が導かれる透明度が維持される限り、退色することはないと考えられている。
従来では、このような構造色を、人工的に発現させる方法として、屈折率の異なるTiO2とSiO2とを、凹凸のある基板上に成膜することによって、面方向には一様でない周期構造が作成され、青色の発色が確認されることが知られている(例えば非特許文献1参照)。また、この非特許文献1には、鱗粉の形状を模した炭素の構造体が、収束イオンビームCVDにより作成され、同様に、青色の発色も確認されている。この他、波長程度の周期性に着目し、光の波長程度の粒径を持った、SiO2等の微粒子をフィルム上に配列した構造が開示されている。この構造によっても構造色が発現するとされている方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−276492号公報 日経サイエンス2005年1月号P140
しかしながら、非特許文献1では、従来から知られている一様な多層膜による多層干渉にはない角度に依存しない発色を示したが、TiO2とSiO2の多層膜はスパッタ成膜により成膜されており、プロセスが高コストであること、また、一様なものはできても、画像情報等の記録に用いることは難しい。また、非特許文献1には、蝶の鱗粉を模した立体的な構造を作っていることの記載が見られるが、集束イオンビームCVDを用いた高コストなプロセスで形成されたものであり、コストの面からもこの方法により作成されたものは実用的でない(非特許文献の142ページ参照)。
他方、特許文献1では、波長程度の粒径の単一分散微粒子を立体的に配列している偏光光学素子の発明が記載されている。このような偏光光学素子を粒子として使用することを考えた場合にこの粒子は、条件がそろえば比較的容易に自己組織化により配列することが知られており、また、粒子もコストダウンが進んでいる。しかし、色を変えるには粒径を変えなければならないこと、また、グラデーションも含め画像等の情報を記録するためには、画素を構成するエリアごとに異なる粒径の粒子を配置し、さらに欠陥なく自己組織化し配列することが必要となると考えられる。したがって、欠陥のない高品位な情報として記録したり、あるいは表現することは難しいという問題もある。
本発明は、上述した実情を考慮してなされたもので、スパッタ装置やCVD装置のような高コストでかつ大掛かりな装置を必要とせずに、画素毎の色情報のコントロールが容易にでき、大型の造形物にも展開可能な構造色を用いた情報・画像記録方法及び記録媒体を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、縞状構造体において、コヒーレント光を2光束に分割し、前記2光束の少なくとも1光束の位相を変化させた後に集光させた2光束の干渉による干渉縞の間隔が前記2光束の波長と独立して設定され、前記干渉縞に基づいて形成されたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の縞状構造体において、前記コヒーレント光として、パルスレーザ光を用いたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の縞状構造体において、前記コヒーレント光により、2光子吸収を含む多光子吸収させることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の縞状構造体において、前記2光束を、別個に走査することにより、アレイ状に構成されたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の縞状構造体において、前記2光束の収束部位にあるように走査させることにより、3次元状に形成することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の縞状構造体において、前記縞状構造体の各縞ごとに、変化させることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の縞状構造体において、前記縞状構造体の各縞により、構造色を呈することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、縞状構造体の形成方法において、コヒーレント光を2光束に分割し、前記2光束の少なくとも1光束の位相を変化させ、前記2光束の少なくとも1光束の位相を変化させた変調光束と他の光束とを集光させて2光束により縞状分布の干渉光を前記2光束の波長間隔と独立して設定し、前記設定した縞状分布の光を照射することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項8記載の縞状構造体の形成方法において、前記コヒーレント光として、パルスレーザ光を用いることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8又は9記載の縞状構造体の形成方法において、前記コヒーレント光により、2光子吸収を含む多光子吸収させることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8から10のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法において、前記2光束を、独立して走査することを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項8から11のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法において、前記2光束の収束部位にあるように走査させることにより、3次元状に形成することを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項8から12のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法において、前記縞状構造体の各縞を変化させて形成することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、情報記録方法において、請求項8から13のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法を使用して、情報を記録することを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、情報記録方法において、請求項8から13のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法を用いた後に、定着工程を設けたことを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、情報記録方法において、請求項1から7のいずれか1項に記載の縞状構造体を有する記録層と支持層の少なくとも2層以上の多層構造より構成されることを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、縞状構造体製造装置において、少なくともコヒーレント光を出射する光源と、前記光源からのコヒーレント光を光束に分割する分割手段と、前記分割された分割光の少なくとも1つの光束の位相を変化させる光束変調手段と、前記光束変調手段からの変調光束と前記分割手段により分割された未変調光束とを収束させて縞状分布の分散光を生成する生成手段と、前記分散光内で走査して縞状構造体を形成する走査手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、スパッタ装置やCVD装置のような高コストでかつ大掛かりな装置を必要とせずに、画素毎の色情報のコントロールが容易にでき、大型の造形物にも展開可能な構造色を用いた情報・画像記録方法及び記録媒体が実現される。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態における縞状構造体、その製造方法、情報記録方法、情報記録媒体、及び縞状構造体製造装置について、詳細に説明する。
(1)縞状構造体、その製法、及び縞状構造体製造装置(請求項1、8及び17に対応)
光源からの照射光を2つの光束に分割し、縞状分布を作る光反応法により、2つの光束の少なくとも一方の光束の位相を変えて露光する際に、前記2つの光束を干渉させることにより生じる干渉縞によって、該構造の縞間隔を光源波長と異なるように設定する。これによって、縞状分布に沿って縞状構造体が得られる。
図1に、本実施形態の縞状構造体のための1光子吸収による書き込み概念図を示し、図3に、その構造体を作成するための書き込み光学系(縞状構造体製造装置)の構成を示す。
光源からの出射光を2つに分割した後にこれらの2分割光を干渉させると干渉縞が生じる。図1(a)は図3に示すミラー310とプリズム318からのそれぞれの光束を、互いに反対方向から、それぞれ光束を同光軸上に配置した2つのレンズ311、313により集光して紫外線硬化樹脂層に入射した結果生じた縞模様の例を示す図である。この例では、2つのレンズ311、313の焦点が等しくなるよう調整されている場合の干渉縞を示している。干渉縞の位置は、いずれか一方の(両方動かしてもよい)光路長を、オプティカルディレイ(例えばEO素子等の遅延素子)等を用いて変更することにより、2つの光束の位相が変わってそれぞれの光束が干渉する結果、縞が形成される。
図1(b)は、各点(紙面上下方向)の光強度を光軸に沿って模式的に示している。この書き込み光で露光した場合には、周期構造が図1(c)に示すように縞状構造体が形成される。この縞状構造体の周期は干渉縞の周期に等しく、焦点(この例ではレンズ311と313との中間(レンズ311の位置と313の位置の中点))から外れるに従って徐々に減衰している。次に、いずれか一方の書き込み光の位相が半周期変わるよう変更し、多重露光した場合を図1(d)に示す。谷の部分を埋めるように反応が進み、図に示す例では2倍周期の構造物(前記周期の2倍)が形成される。このように、露光ごとに光路長を変え、位相を変えることにより、光源波長とは独立した周期構造が、露光量を加減あるいは調整することにより可能となる。
本実施形態の縞状構造体は、光源からの出射光を2光束に分割し、分割された2光束の少なくとも1光束の位相を変化させた後にこれら2光束を再び集光し干渉させて形成した干渉縞の間隔が光源からの出射光波長と独立して設定され、この干渉縞に基づいて縞状構造体が形成される。縞状構造体の前駆体として、例えば紫外線硬化性樹脂、フォトレジスト材等の感光材料を用い、これらを膜状あるいは層状に形成したものを使用することができる。なお、これら感光材料に露光後、露光部あるいは非露光部を、溶剤等を用いて除去することにより、露光部または非露光部が除去されて縞状構造体が形成される。
(2)縞状構造体及びその製法(請求項2、9に対応)
光源として、パルスレーザを用いた場合には、上記(1)のメリットに加えて、大きなエネルギーを加えることが可能となり、より精密あるいは微細な構造を構成することが可能となる。
(3)縞状構造体及びその製法(請求項3、10に対応)
例えば光源としてコヒーレント光を用い、2光子吸収を含む多光子吸収による反応により起こる光反応を適用した場合には、多光子吸収の特徴が、光量が増大するに伴い非線形に反応確率が増大する。このような非線形の光吸収反応は、パルスレーザのような、ピークパワーの著しく高い光源を用いて露光することにより得ることができる。図2は、このような2光子吸収を含む多光子吸収による感光反応(硬化反応または重合反応を含む)により、縞状構造体を形成する場合の縞の分散光の例を示す図であり、(a)は互いに反対方向からの光束を同光軸上に配置した2つのレンズにより集光した結果生じる縞模様の例を示す図であり、(b)は縞模様に分布した光強度を光軸に沿って模式的に示す図であり、(c)は(b)に示す書き込み光で露光した場合の周期構造である縞状構造体が形成される例を示す図であり、(d)はいずれか一方の書き込み光(一方の光束)の位相が半周期変わるよう変更して多重露光した場合を示す摸式図である。
干渉により生じる光軸方向の書き込み光の強度変化を示すと図2(b)の模式的なようになる。これにより2光子吸収反応により構成される構造物は図2(c)のように1光子に比較し幅の狭いものとなる(先の述べた非線形性のため、光強度が下がると急激に反応は進まなくなる)。これを、上記(1)に記載した説明と同様に、光路長を変えることにより2分割した出射光の位相関係を変え露光を変えると、例えば図2(d)のような波長周期を超え、より微細な周期構造が記録される。
光反応(光重合反応)が2光子吸収を含む多光子吸収により起こる光反応法であるので、1光子での吸収がないために、厚みを持った反応物の任意の位置に周期構造を構成可能である。しかも、反応はピークパワーの高い部位のみで起こるため、波長の周期を超える微細な周期構造が書き込み可能である。したがって、位相を変えて多重露光をすることにより、より精密な記録波長を超えた任意の周期の微細周期構造が書き込み可能となる。
(4)縞状構造体及びその製法(請求項4、11に対応)
2つに分割した光源からの光束を照射する位置を相対的に走査して、アレイ状に縞状構造体を形成する。そのアレイ状に形成した縞状構造体の一例、及びそれを情報記録体とした例である。
アレイ状に形成する場合に光源を走査し、あるいは光源からの光束を走査してもよく、また縞状構造体あるいは記録体(反応体)と書き込み光源からの光束との相対的運動が加わって縞状構造体の前駆体である紫外線硬化性樹脂、フォトレジスト材等の光感光性材料を用いた膜あるいは層に形成したものに照射すればよく、光路を固定し形成しようとする縞状構造体あるいは記録体(反応体)を移動させる構成にすることも本発明に含まれる。
(5)縞状構造体及びその製法(請求項5、12に対応)
上記(4)の場合に、光束の走査の際、縞状構造体あるいは記録体(反応体)の面方向と垂直な方向に変位させることにより、隣接する縞部が同一平面状にない縞状構造体あるいは記録体(記録媒体)とすることもできる。また、隣接する周期構造が独立し、多層膜と異なる面の広がりを有する周期構造が提供可能となり、このような周期構造の縞状構造体あるいは記録体(反応体)を提供可能である。
(6)縞状構造体及びその製法(請求項6、13に対応)
前記(4)〜(5)において、光照射による多重露光する際の位相の変更幅を各縞ごとに適宜変えて、縞状構造体あるいはこのような縞状構造体を有する記録体(記録媒体)を形成するようにすることができる。このようにすると、上記(5)のメリットに加え、限られた面積(エリア)の中に多様な機能を持った周期構造を形成することが可能となる。
(7)縞状構造体(請求項7に対応)
光反応(光重合反応)による反応物(記録媒体)は、光硬化性樹脂による硬化部位が3次元空間内にその分散光の強度に依存して硬化(重合)するため、この分散光の強度分布に依存して光硬化性樹脂が硬化して構造色を呈する光反応物(光硬化体)が形成され、これにより縞状構造体あるいはこのような縞状構造体を有する記録体(反応体)が形成される。この構造色とは、従来から知られている薄膜の周期構造による反射光に基づく発色をすることであり、本発明の構成によるように、互いに独立した離散的な周期構造によって反射されてもたらされる干渉による発色を意味している。
(8)情報記録方法(請求項14に対応)
前述した構造色により情報が記録された記録媒体及び情報記録方法では、画像や文字のような情報に限らず、吸収若しくは反射スペクトルによる周期構造ごとの多値情報も含んでよいものである。このような媒体に記録された情報の読み出し法は、ビームスキャンに限らず、CCD等による2次元分布の解析を行うことによってもよい。構造色により情報が記録された記録媒体及び情報記録方法であるので、多様な表現が可能となるとともに、これまでの情報メディアにはない長期的な耐候性を有する性能が付与される。
(9)情報記録媒体(請求項16に対応)
媒体が記録層と支持層の少なくとも2層以上の多層構造より構成される記録媒体、及びこのような媒体を用いて情報を記録する方法によって、上記(8)のメリットの他に、従来の紙媒体と同様の取り扱いもできるため、ユーザフレンドリーな地球環境にもやさしい媒体の提供が可能となる。
(10)情報記録方法(請求項15に対応)
光反応(光重合反応)後に定着工程を設けたことを特徴とする情報の記録方法によれば、定着工程には、光反応による縞状構造を保存する目的で、それ以上変化を防止する目的で行う全ての手段を含みうる。例えば、光反応により硬化した部分以外を洗い流すことも、この範疇であることはいうまでもない。本発明は前記光反応後に定着工程を設けたことを特徴とする光反応及びその反応物を含むので、記録層の材料にフォトポリマー、紫外線硬化樹脂等、様々な材料が適用可能となるとともに、感度と記録内容の長期安定性という相反する条件が両立可能となる。
特に上記(10)において、光反応工程終了後に一括して定着すると、低コストなプロセスの提供が可能となる。また、定着工程が光照射して硬化した後に適宜行われるようにすると、材料を適宜選択して、追記型の記録媒体等の構築が可能となる。
以下、本実施形態について実施例により、さらに詳説するが、本発明は、下記の実施例に拘束されて解釈されるものではなく、本発明は、明細書、図面に開示した範囲等に基づいて解釈される。
本実施例では、2光子吸収反応によりカバーグラス上にスピンコートした紫外線硬化樹脂に構造色を呈する構造を書き込む構造色記録システムの一例を示す。書き込み装置(縞状構造体製造装置)について、図3を用いて説明する。書き込み用光源には、チタンサファイアレーザ301(スペクトラフィジックス社製、MaiTai)を用い、800mmで書き込んだ。光軸に沿って説明すると、コンピュータ316によりコントローラ電源303を介して制御された電子制御シャッタ302によりON/OFFされ、凸レンズ304、306及びピンホール305よりなるスペーシャルフィルタを通過後、ビームスプリッタ307により2つの光束に分離される。一方は(今後光束1と呼ぶ)、プリズム308により構成されるオプティカルディレイを通過後、全反射ミラー309、310により対物レンズ311に導かれる。
もう一方の光束(今後光束2と呼ぶ)は、全反射ミラー317でオプティカルディレイを構成するプリズム318に導かれる。プリズム318は、ホルダ319を介してコンピュータ316でコントロールされたピエゾステージ320に保持されている。結果として、光束2の光路長をコンピュータコントロールされたピエゾステージにより制御することにより光束間の位相を制御する。プリズム318を通過後、対物レンズ313で集光させる。光束1及び2の焦点を調整し合わせることで、焦点で干渉縞を作成した。書き込み試料は、図に示すように、コンピュータ316でコントロールされたピエゾステージ315で位置制御されたカバーグラス基板314上に紫外線硬化樹脂312をコーティングしたものを用いた。この紫外線硬化樹脂312は、スリーボンド社製3042Bを用い、これをスピンコートにより成膜した。
書き込みのシーケンスについて述べると、各露光を1秒間で1/3波長ずつ位相をずらし、各点について合計3回露光した。その後、ピエゾステージ315で試料の露光位置を40μmずつ移動して、縦50点×横50点の合計2,500点でアレイを構成した。露光後、アセトンで洗浄を行い、重合した樹脂と空気層からなる干渉色を発する構造体を得た。構造色は目視の結果、緑色であった。
なお、本実施例で形成された構造体の構成はプリンティングシステム等、広く画像・情報記録システムに応用可能であり、本実施例はその構成を制限するものではない。
また、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
上記の実施形態によれば、1つの光源から発光したコヒーレント光を2光束に分割し、この2光束間の少なくとも一方の位相をずらしてこれら2光束を重畳させて形成した干渉光を光反応性樹脂に照射し、この照射光の干渉により生じる干渉縞によって、該光反応性樹脂が干渉光の光強度分布に基づいて硬化した特定の縞状構造体を形成することができる。
また、上記の実施形態によれば、この縞状構造体により、特定の縞状構造体で反射した反射光により発生した構造色を有する情報記録体は、光源を2つの光束に分け、2つの光束の位相を変えた多重露光の干渉縞により、反応した部位の間隔が、光源波長とは独立に設定した反応物であるので、光源波長と異なる周期の構造を提供することが可能になる。
また、上記の実施形態によれば、構造色による発色は、色素に比較して耐候性があり、かつ、位相を変え多露光により連続した色調が得られるため、顔料に比較して表現性に富む色表現が可能になる。また、反応光の光学系の分解能まで画素の微細化が可能となる。
本発明の実施形態における2光束による干渉波形を示した図である。 本発明の実施形態における多光子吸収反応で起こる光反応による干渉波の結果を示した図である。 本発明の実施形態における構造色記録システムの例を示す構成図である。
符号の説明
301 チタンサファイアレーザ
302 電子制御シャッタ
303 コントローラ電源
304,306 凸レンズ
305 ピンホール
307 ビームスプリッタ
308,318 プリズム
309,310,317 全反射ミラー
311,313 対物レンズ
312 紫外線硬化樹脂層
314 カバーガラス
315,320 ピエゾステージ
316 コンピュータ
319 ホルダ

Claims (17)

  1. コヒーレント光を2光束に分割し、前記2光束の少なくとも1光束の位相を変化させた後に集光させた2光束の干渉による干渉縞の間隔が前記2光束の波長と独立して設定され、前記干渉縞に基づいて形成されたことを特徴とする縞状構造体。
  2. 前記コヒーレント光として、パルスレーザ光を用いたことを特徴とする請求項1記載の縞状構造体。
  3. 前記コヒーレント光により、2光子吸収を含む多光子吸収させることを特徴とする請求項1又は2記載の縞状構造体。
  4. 前記2光束を、別個に走査することにより、アレイ状に構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の縞状構造体。
  5. 前記2光束の収束部位にあるように走査させることにより、3次元状に形成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の縞状構造体。
  6. 前記縞状構造体の各縞ごとに、変化させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の縞状構造体。
  7. 前記縞状構造体の各縞により、構造色を呈することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の縞状構造体。
  8. コヒーレント光を2光束に分割し、前記2光束の少なくとも1光束の位相を変化させ、前記2光束の少なくとも1光束の位相を変化させた変調光束と他の光束とを集光させて2光束により縞状分布の干渉光を前記2光束の波長間隔と独立して設定し、前記設定した縞状分布の光を照射することを特徴とする縞状構造体の形成方法。
  9. 前記コヒーレント光として、パルスレーザ光を用いることを特徴とする請求項8記載の縞状構造体の形成方法。
  10. 前記コヒーレント光により、2光子吸収を含む多光子吸収させることを特徴とする請求項8又は9記載の縞状構造体の形成方法。
  11. 前記2光束を、独立して走査することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法。
  12. 前記2光束の収束部位にあるように走査させることにより、3次元状に形成することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法。
  13. 前記縞状構造体の各縞を変化させて形成することを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法。
  14. 請求項8から13のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法を使用して、情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
  15. 請求項8から13のいずれか1項に記載の縞状構造体の形成方法を用いた後に、定着工程を設けたことを特徴とする情報記録方法。
  16. 請求項1から7のいずれか1項に記載の縞状構造体を有する記録層と支持層の少なくとも2層以上の多層構造より構成されることを特徴とする情報記録媒体。
  17. 少なくともコヒーレント光を出射する光源と、前記光源からのコヒーレント光を光束に分割する分割手段と、前記分割された分割光の少なくとも1つの光束の位相を変化させる光束変調手段と、前記光束変調手段からの変調光束と前記分割手段により分割された未変調光束とを収束させて縞状分布の分散光を生成する生成手段と、前記分散光内で走査して縞状構造体を形成する走査手段とを有することを特徴とする縞状構造体製造装置。
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