JP2008096440A - 遅延テストパターンの量を削減する部分的拡張スキャン方法 - Google Patents

遅延テストパターンの量を削減する部分的拡張スキャン方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スキュードロード手法とブロードサイド手法の利点を組み合わせた新しいスキャンベースの遅延テスト技術を提供する。
【解決手段】デジタル回路のスキャンベースの遅延テストのスキャンチェーンにおいて、拡張スキャンセルの対応する1つと置換される少なくとも1つの通常型スキャンセルを選択し、スキュードロード手法により拡張スキャンセルを制御し、ブロードサイド手法によりスキャンチェーンの通常型スキャンセルを制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、一般に、性能に関係する不良に関するチップの試験に関し、特に、拡張(extended)スキャンセルを使用して、遅延テストパターンの量を削減し、デジタル回路の遅延故障検出率(falut coverage)を改善する方法に関する。本出願は、2006年10月12日に申請された、"Low overhead partial enhanced scan technique for compact and high fault coverage transition delay test patterns"と題する米国仮出願第60/829,183号の利益を請求し、その内容は参照によりここに組み込まれている。
絶え間ない形状寸法の縮小化およびクロック速度の上昇に伴い、所望の速度でのデジタル回路の正確な動作の確認は、製品品質水準を保持するために選択肢(オプション)として行われることというよりも、むしろ、必須事項になってきている。スキャンチェーン(scan chain)を含んだテストパターンが設計用の自動テストパターン発生器(ATPG;automatic test pattern generator)によって発生させられる、スキャンベース(scan-based)の遅延テストは、実動作速度の機能パターン手法に対するコスト効率の高い選択肢として、性能関連の不良に関して大規模チップをテストするために、ますます使用されるようになってきている。
遅延故障の検出には、通常、「初期化パターン」と呼ばれ、対象とする故障している回路線を所望の値に初期化する第1のパターンと、ローンチ(開始;launch)パターンと呼ばれ、回路線での遷移を開始し、主出力(primary output)および/またはスキャンセル(scan cell)に対して故障の影響を伝播させる第2のパターンとの1対のテストパターンの適用が必要である。各パターン対での第2のパターンの適用方法が異なる2つの異なった手法が、ツーパターン(two-pattern)テストを標準スキャン方式に適用するために使用される。スキュードロード(skewed-load)あるいはローンチオフシフト(launch-off-shift)手法と呼ばれる第1の手法において、第2のパターンは、第1のパターンにおいて1つのスキャンセルだけシフトすることにより得られる。ブロードサイド(broadside)あるいはローンチオフキャプチャ(launch-off-capture)と呼ばれる第2の手法において、第2のパターンは、第1のパターンに対する回路応答から得られる。
大半の方式では、スキュードロード手法によって発生させたテストパターン集合は、ブロードサイド手法によって発生させたテストパターン集合よりも、高い故障検出率を達成する。スキュードロード手法のテストパターンは、組合せATPG(combinational ATPG)によって発生させることができ、その一方、ブロードサイドのテストパターンの発生には、シーケンシャルATPG(sequential ATPG)が必要である。さらに、スキュードロード手法によって発生させたテストパターン集合の大きさは、通常、ブロードサイド手法によって発生させた集合よりも小さい。しかしながら、スキュードロード手法は、より大きなハードウェアオーバヘッドと、より長い設計時間とを必要とするので、業界では、ブロードサイド手法の方がより広汎に使用されている。
標準スキャン方式に対してテストパターン対を適用する手順は、図1において、スキャンイネーブル信号scan_enのタイミング図10で示されている。全てのスキャンセルはスキャンイネーブル信号によって制御され、シフトモードまたはノーマルモードのいずれかに構成される。ここでは、多重化されたスキャン式フリップフロップ(図4(b)を参照)によってスキャンチェーンが構築されると仮定する。
初期化クロックエッジで、パターン対の初期化パターンは、スキャンチェーンに完全にロードされ、スキュードロード手法およびブロードサイド手法の両方において、入力をスキャンするために適用される。初期化パターンの適用により引き起こされたスイッチングから被試験回路(CUT)が安定した後、ローンチパターン(launch pattern)が適用される。スキュードロード手法では、開始クロック(launch clock)がトリガするまで、スキャンイネーブル信号scan_enは論理値1のままである。したがって、スキャンチェーンは、開始クロックエッジにおいて、1つのセル分だけシフトされる。対照的に、ブロードサイド手法においては、開始クロックがトリガされる前に、スキャンイネーブル信号scan_enは0に遷移する。なお、初期化クロックと開始クロックとの間の期間は、通常動作速度(at-speed)サイクルである必要はない。したがって、ブロードサイド手法が使用される場合、scan_enは、通常動作速度でのスイッチング能力を必要としない。一方、開始クロックとキャプチャクロック(capture clock)との間の期間は、遅延故障をテストするために、通常動作速度サイクルでなくてはならない。スキュードロード手法では、スキャンセルは、通常動作速度のクロックサイクルでは、シフトモードからキャプチャモードに構成されるので、scan_enは、通常動作速度のスイッチング能力を必要とする。通常、たった1つのscan_en信号が、被試験回路CUT内の全てのスキャンセルを駆動する。したがってscan_enは、高度なバッファツリーまたは強力なクロックバッファによって駆動されるべきである。そのような設計要件は、しばしば、満足させるためにコストがかかりすぎる。さらに、スキャンイネーブル信号scan_enableに対するそのような厳しいタイミング要求を満たすことは、結果として、より長期の設計時間を必要とするであろう。
たとえブロードサイド手法がスキュードロード手法より安価に実施できても、ブロードサイド手法によって達成される故障検出率は、通常、スキュードロード手法によって達成される故障検出率よりも低い。さらに、ブロードサイド手法によって発生させたテストパターン集合は、通常、スキュードロード手法によって発生させたテストパターン集合よりも大きい。ブロードサイド手法で2つのパターンテストを発生させるために、2つのフルタイムフレームを処理することができるシーケンシャルATPGが必要とされる。一方、スキュードロード手法のテストパターンは、わずかな変更を加えることによって組合せATPGで発生させることができる。それゆえ、ブロードサイド手法でのテスト発生時間は、通常、スキュードロード手法でのテスト発生時間より長い。しかしながら上述のパラグラフで説明したような高い実装コストおよび長い設計時間により、スキュードロード手法がブロードサイド手法に優るいくつかの利点(より高い故障検出率、より小さなテストパターン集合、およびより低いテスト発生コスト)を有しているものの、多くの場合、ブロードサイド手法がスキャンベースのテスト方法の唯一の選択である。
ブロードサイド手法によるフルスキャン方式のための遷移テストパターン対の発生は、設計のツータイムフレームモデル(two time frame model)で示すことができる。フルスキャンを使用するシーケンシャル回路のツータイムフレームモデル20が、図2に示されている。この回路には、h個の主入力(primary input)pi1,pi2,…,pihと、m個の主出力po1,po2,…,pomと、n個の状態入力(state input)si1,si2,…,sinと、さらに、n個の状態出力(state output)so1,so2,…,sonがある。なお、i=1,2,…,nとして、1番目のタイムフレームの状態出力soiは、2番目のタイムフレームの状態入力siiに接続されている。したがって、初期化タイムフレームでの状態出力soiの値は、開始タイムフレームでの状態入力siiの値と同じである。実際の設計では、状態出力soiと状態入力siiとの対は、スキャンフリップフロップDiを通して接続され、フィードバックループを構成している。
テストコストは、テストパターン集合の大きさによって直接決定される。満足な検出率を達成するために必要なテスト量が大きいために、遷移故障検出率が、しばしば、容認できるテスト量のために妥協させられる。大半の圧縮アルゴリズムにおいて、テストパターンのドントケア(don't care)が、テスト集合のサイズを小さくする際に重要な役割を果たしている。テスト圧縮技術は、テストパターンのサイズの圧縮がいつ行われるかに応じて、動的圧縮および静的圧縮に分類できる。テスト発生の間に行われる動的圧縮では、ドントケアは、付加的な故障を検出するように規定されている。動的圧縮によって圧縮されたテストパターンは、テストパターンをすべて発生させた後、静的圧縮によってさらに縮小される。多数のドントケアを有するテストパターンは、静的圧縮によって、容易に他のテストパターンとマージすることができる。
最近、スキャンを介して遷移遅延パターンを適用できる、オーバヘッドの小さなスキャンベースの遅延テスト技術がいくつか提案されている(非特許文献1,2,3,4参照)。Wangら(非特許文献1参照)は、スキャンセルの小さな集合がスキュードロード手法によって制御され、残りのスキャンセルがブロードサイド手法によって制御される、ハイブリッド法を提案した。実験結果は、この方法によってテスト集合の大きさを縮小することができ、ブロードサイド手法の遷移遅延故障検出率を改善することができることを示している。しかしながらこの方法は、特別のATPGアルゴリズムを必要とするので、既存の商用ATPGツールを使用してテストパターンを発生させることができない。Ahmedらは、複数のローカル高速スキャンイネーブル信号を発生させる技術を提案した(非特許文献2参照)。高速スキャンイネーブル信号は、グローバルなスキャンイネーブル信号からスキャンセルによって発生させられる。スキャンセル用の高速スイッチング制御信号を必要としない技術が、Devtaprasannaらによって提案されている(非特許文献4参照)。しかし、この技術は、非特許文献1に記載のもののような特別のATPGを必要とする。Ahmedら(非特許文献3参照)は、各開始およびキャプチャサイクルにおいて、スキャンセルの一部がそれらのスキャンセルのキャプチャモードに構成されずにそれらのスキャンセルのシフトモードのままである、拡張ローンチオフキャプチャ技術を提案した。この技術によって最良の結果に最適化するためには、ATPGはこの提案された技術を理解していなけければならない。
以下、本明細書中で引用された他者による論文を列挙する。
S. Wang, X. Liu, and S. T. Chakradhar. Hybrid Delay Scan: A Low Hardware Overhead Scan-Based Delay Test Technique for High Fault Coverage and Compact Test Sets. In Proceedings Design Automation and Test in Europe Conference and Exhibition, pages 1296-1301, Feb 2004. N. Ahmed, C. P. Ravikumar, M. Tehranipoor, and J. Plusquellic. At-Speed Transition Fault Testing with Low Speed Scan Enable. In Proceedings VLSI Testing Symposium, pages 42-47, May 2005. N. Ahmed, M. Tehranipoor, and C. P. Ravikumar. Enhanced Launch-Off-Capture Transition Fault Testing. In Proceedings IEEE International Test Conference, pages 246-255, November 2005. N. Devtaprasanna, A. Gunda, P. Krishnamurthy, S. M. Reddy, and I. Pomeranz. Methods for Improving Transition Delay Fault Coverage Using Broadside Tests. In Proceedings IEEE International Test Conference, pages 256-265, November 2005.
スキュードロード手法とブロードサイド手法の利点を組み合わせた新しいスキャンベースの遅延テスト技術に対する必要性がある。
本発明によれば、デジタル回路のスキャンベースの遅延テストのスキャンチェーンにおいて、拡張スキャンセル(enhanced scan cell)の対応する1つと置換される少なくとも1つの通常型スキャンセル(regular scan cell)を選択することと、スキュードロード手法を用いて拡張スキャンセルを制御することと、ブロードサイド手法を用いてスキャンチェーンの通常型スキャンセルを制御することと、を含む。より具体的にはこの方法は、ブロードサイド手法よりも高速のスイッチングを必要とするスキュードロード手法によってすべてのスキャンセルを駆動するための高いコストを払う必要なく、テストシーケンス長を短縮し、より高い遅延故障検出率を達成する。拡張スキャンセルをスイッチングする駆動信号が通常型スキャンセルを駆動する信号から取り出されるので、拡張スキャンセルを駆動するための付加的なピンは必要ない。
本発明の他の態様において、装置は、ブロードサイドスイッチングによって制御される多くの通常型スキャンセルとスキュードロードスイッチングによって制御される少なくとも1つの拡張スキャンセルとを有する、デジタル回路のスキャンベースの遅延テストのスキャンチェーンを含む。拡張スキャンセルのスキュードロードスイッチングは、通常型スキャンセルのブロードサイドスイッチングより高速である。少なくとも1つの拡張スキャンセルを制御する駆動信号は、通常型スキャンセルを制御する駆動信号から取り出されるのが好ましい。例示的な実施形態において、拡張スキャンセルは、マスタフリップフロップと、スレーブフリップフロップとを含み、このスレーブフリップフロップは、入力とスレーブフリップフロップの出力との中から入力源を選択するマルチプレクサを通して、マスタフリップフロップに接続し、マスタフリップフロップは状態入力を直接駆動する。本発明を用いて設計用のテストパターンを発生させるために任意のATPGツールが使用されることを可能にする、自動テストパターン発生用途用の拡張スキャンセルのモデルは、マスタフリップフロップの出力とスレーブフリップフロップの出力との中での選択を選択的に可能にされた第2のマルチプレクサを有する。
発明のこれらおよび他の利点は、以下の詳細な説明および添付図面を参照して当業者には明白になるであろう。
次に、本発明の例示実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係るテスト技術は、スキュードロード手法とブロードサイド手法との利点を組み合わせた新しいスキャンベースの遅延テスト技術である。本発明に基づく技術は、通常型スキャンセルの小さな集合を、2ビットを保持できる拡張スキャンセルで置換している。拡張スキャンセルはスキュードロード手法によって制御され、通常型スキャンセルはブロードサイド手法によって制御される。このような方法によって発生させたテストパターン集合の大きさは、従来のブロードサイド手法によって発生させたテストパターンの大きさより小さい。本明細書において提案された手法は、従来のブロードサイド手法よりも高い故障検出率を達成できる。さらに、本発明に基づくハイブリッド手法でのATPGの実行時間(run time)は、従来のブロードサイド手法より短い。
図3(a)は、標準的なブロードサイド手法において、開始タイムフレームにおいて、ラインlを0に設定するプロセスを示している。ラインlを0に設定することは、開始タイムフレームにおいて状態入力siiを0に設定する必要があるものと仮定する。siiを0に設定することは、図3(a)に示すように、初期化タイムフレーム内でいくつかのスキャン入力を指定することによって行うことができる。図3(b)は、本明細書で提案する基づく方法によって同一のラインlを0に設定することを示している。なお、マルチプレクサが状態入力siiに対して挿入されている。マルチプレクサの選択した入力は、初期化タイムフレームにおいて0に設定され、開始タイムフレームにおいて1に設定される。したがって、フリップフロップDM(DS)に格納された値が、初期化(開始)サイクルにおいて状態入力siiに適用される。ここで、単に1つのフリップフロップDSだけを0に割り当てることにより、初期化タイムフレームにおいていかなるスキャン入力も指定せずに、開始タイムフレームにおいて状態入力siiを0に設定することができる。したがって、初期化タイムフレームにおいて極めて少数の状態入力を指定することにより、ラインlを開始タイムフレームにおいて0に設定することができる。初期化タイムフレームにおいて回路線を通して開始タイムフレームでのsiiを指定するATPGプロセスがもはや必要なくなるので、siiでの拡張スキャンセルの挿入は、ATPG実行時間も短縮することができる。フリップフロップDM,DS、およびマルチプレクサにより提供される機能は、本明細書において提案される拡張スキャンセルにより実現でき、それについては次に説明する。
図4(a)は、拡張スキャンセルを含んだスキャンチェーンの一部を示し、図4(b)は、通常型多重化(regular muxed)スキャンセルを説明しており、図4(c)は、本明細書において提案されている拡張スキャンセルを説明している。
図4(a)に示したスキャンチェーンの一部分では、拡張スキャンセルは、状態入力siiにおいて挿入されている。通常型スキャンセルまたは拡張スキャンセルであるすべてのスキャンセルのスキャンイネーブルピンSEは、スキャンイネーブル信号scan_enにより駆動される。通常型スキャンセルは、SEを1に設定することによりスキャンシフトモードに、SEを0に設定することによりキャプチャモードに構成される。なお、siiにおいて挿入されている拡張スキャンセルは、通常型スキャンセルよりも1つ多い、信号skew_ldによって駆動される制御入力SLを有する。本明細書によって提案された拡張スキャンセルは、構成要素である2つのフリップフロップ、すなわちマスタフリップフロップとスレーブフリップフロップとからなり、これらのフリップフロップはマルチプレクサを通して接続されている。マルチプレクサは、入力Dとスレーブフリップフロップの出力との中からマスタフリップフロップへの入力源を選択する。なお、マスタフリップフロップの出力は、状態入力siiを直接駆動する。したがって、各スキャンパターン対に対する初期化サイクルで、パターン対の初期化パターンで状態入力siiに割り当てられた値が、マスタフリップフロップにロードされる。同じサイクルにおいて、次のサイクル(すなわち開始サイクル)においてsiiに適用されるであろう値が、スレーブフリップフロップにロードされる。開始サイクルエッジでは、LSEが1に設定されるので、スレーブフリップフロップに格納された値は、マスタフリップフロップにロードされ、siiに適用される。引き続くサイクル(キャプチャサイクル)エッジでは、LSEは0に設定され、マスタフリップフロップは、D入力にある応答値を取り込む(キャプチャする)。なお、マルチプレクサがスキャンパス上に挿入されているので、拡張スキャンセルの挿入は、性能に不利な条件をなんら課すことがない。
図4(d)は、図4(c)に示した拡張スキャンセルの動作に関係する信号のタイミング図である。
初期化タイムフレームにおいてsiiに1を、開始タイムフレームにおいてsiiに0を適用することを考える。一般性を失うことなく図を理解しやすいように、すべてのスキャンセルのフリップフロップは、立ち上がりエッジでトリガされると仮定する。初期化クロックの立ち上がりクロックエッジで、マスタフリップフロップに1がロードされ(したがって、初期化サイクルで状態入力siiに1が適用され)、スレーブフリップフロップに0がロードされる。次に、スキャンイネーブル信号scan_enを0に設定してスキャンセルをキャプチャモードに構成し、次のクロック(すなわち開始クロック)のエッジで開始パターンを適用する。開始クロックの立ち上がりエッジで、拡張スキャンセル以外の通常型スキャンセルはすべて、初期化サイクルにおいて適用されたテストパターンに対する応答を取り込み、開始パターンがsii以外のすべての状態入力に適用される。一方、信号skew_ldは1であり、よって拡張スキャンセルのLSE信号は開始クロックの立ち上がりエッジで1であるので、D入力での値の代わりに、スレーブフリップフロップに格納された値すなわち0が、拡張スキャンセルのマスタフリップフロップにロードされる。したがって、開始サイクルにおいては0が状態siiに適用される。キャプチャサイクルでは、拡張スキャンセルを含むすべてのスキャンセルに、開始パターンに対する応答がロードされる。
図4(d)が示すように、skew_ld信号は、通常動作速度のスイッチング能力を必要とする(skew_ldは、開始クロックとキャプチャクロックとの間のサイクルで1から0へ遷移する)。この明細書では、拡張スキャンセルは、回路において、スキャン入力のたかだか2%までに挿入されている。言いかえれば、skew_ld信号は、非常に少数(2%以下)のスキャンセルを駆動する。したがって、skew_ldを通常動作速度でスイッチングさせることは、設計上スキャンセルをすべて駆動することとなるscan_enを通常動作速度でスイッチングさせることよりも、ずっと容易なことである。skew_ld信号は非常に小さな回路により内部的に発生させられるので、余分なピンはskew_ldにとって不要である。skew_ld信号は、図5(a),(b)に示すように、スキャンイネーブル信号scan_enから発生させることができる。
拡張スキャンセルは、通常のスキャン挿入手順によって既に挿入されている通常型スキャンセルを単に置換することにより、挿入できる。大半の商用のATPGツールは、図4(c)で説明している本明細書での提案の拡張スキャンセルをサポートしていない。したがって、本明細書で提案の拡張スキャンセルを有する設計用の遷移遅延テストパターンを直接発生させることができない。しかしこの問題は、ATPG用の別のライブラリを使用することにより解決できる。ATPGツール用のライブラリファイルでは、拡張スキャンセルの実際の表現(図4(c)を参照)が、図6において符号60で示した表現で置き換えられている。ATPG用の別のライブラリの使用は、業界では一般的である。なお、設計(ネットリスト)は全く変更する必要がない。図6に示したセルの表現によって図4(c)に示したセルの表現を置き替えることは、極めて容易である。ATPGプロセス中、図6に示した拡張セルの機能は、図4(c)に示した実際の拡張スキャンセルの機能と全く同じになる。
上述したように、ここでは、挿入される拡張スキャンセルの個数を設計における全ての状態入力の数のわずか2%以下に制限している。極めて少数の拡張スキャンセルを挿入するので、最良の状態入力に対して拡張スキャンセルを挿入して、拡張スキャンセルを挿入することの効果を最大限にする必要がある。すなわち遅延故障検出率の向上と、テストパターン数の減少とを最大限にする必要がある。この明細書では、各状態入力に対して異なる2つの測定基準(metric)、すなわち制御性測定(controllability measure)と有用性測定(usefulness measure)とを算出し、拡張スキャンセルを挿入するために最良の状態入力を選択する。
上述したように、テストパターン中のドントケアは、テストパターン集合のサイズを圧縮する際に重要な役割を果たしている。開始タイムフレームにおける状態入力siiの2進値vへの設定が、初期化タイムフレームにおいて多数の状態入力を指定する必要がある場合、siiでの拡張スキャンセルの挿入は、2進値vにsiiを設定する必要のあるテストパターンに多数のドントケアを生成できる。
この明細書において、制御性コストは、初期化タイムフレームにおいてすべての回路線のそれぞれに対して定義される。回路線lの制御性コストCv(l)(ここで、v=0または1)は、lを2進値vに設定するように指定されるべき入力の最小数を表している。
制御性コストは、入力から出力に向かって再帰的な方法で算出される。制御性コストCv(l)は、ラインlを所望の値vに設定するために指定される必要がある入力の最小数である。ラインlの制御性コストは次式で与えられる。
Figure 2008096440
ここで、ljは出力線lを有するゲートgaの入力、∪は合併集合演算子を表し、
Figure 2008096440
は、ljをvに設定するために指定されるべき状態入力の集合であり、caおよびiaは、それぞれ、gaのコントロール値および反転である。状態出力soiが非常に大きな制御性コストCv(soi)を有するならば、それは、純粋なブロードサイド手法を使用してテストパターンを発生させる場合に、初期化タイムフレームにおいて多数の入力を指定することにより、開始時間において対応する状態入力siiをvに設定できることを意味している。したがって、状態siiへの拡張スキャンセルの挿入は、テストパターンに多くのドントケアを追加するであろう。
状態出力soiが1についての非常に大きな制御性測定値、すなわちC1(soi)lを有すると仮定する。そのとき、siiでの拡張スキャンフリップフロップの挿入は、開始タイムフレームのsiiで1を必要とするテストパターンに、多くのドントケアを生成できるであろう。しかし、極めて少数の故障がそれらの故障の検出のために開始タイムフレームにおける状態入力siiで1を必要とする場合には、たとえC1(soi)lであっても、状態入力siiでの拡張スキャンセルの挿入は、全体のテストデータ量を著しく削減することはできないだろう。言いかえれば、テストパターン数の大きな削減を達成するためには、拡張スキャンセルが挿入される状態入力が、多くのテストパターンで使用されるべきである。
この明細書において、追加の測定すなわち「0の有用性測定」および「1の有用性測定」が、多数のテストパターンにおいて指定される必要のある状態入力を選択するために定義される。信号線lでの縮退0(stuck-at-0)(縮退1(stuck-at-1))故障fを検出するためには、信号線lを1(0)に設定することによりその故障を活性化すべきであり、活性化された故障(故障効果(fault effect)と呼ばれる)は、少なくとも1つの観測点、すなわち主出力または状態出力に伝播されるべきである。状態入力siiがv(ここで、v=0または1)に制御可能でないときに上記2つのプロセスのいずれかが達成されなくなった場合には、故障fは、siiのvへの不可制御性(uncontrollability)によって「影響される(affected)」と言う。状態入力siiの0(1)の有用性測定U0(sii)(U1(sii))は、状態入力siiが0(1)に設定できない場合に、その検出が影響を受ける縮退故障の数を反映している。なお、ここでは開始タイムフレームでの状態入力を指定する有用性を考慮しているので、遷移遅延故障モデルの代わりに縮退故障モデルを使用することができる。すなわち、縮退0(1)故障は、実際にはSTR(STF)故障を示している。多くの故障が入力siiのvへの不可制御性による影響を受ける場合、多くの故障に対するテストパターン対の開始パターンは、siiをvに指定することを必要とするだろう。言いかえれば、状態入力siiでの拡張スキャンセルの挿入は、多くのテストパターンにドントケアを追加するであろう。
状態入力siiの有用性測定を計算する手順は、まずsii
Figure 2008096440
を割り当てることによって開始される(ここで
Figure 2008096440
は、状態入力siiが0に制御できないことを示している)。次に、
Figure 2008096440
は、既知の伝播規則に従って内部の信号線を伝播する。AND(OR)ゲートgの入力に
Figure 2008096440
が割り当てられた場合、すなわち1(0)に制御可能でない場合、ゲートgの出力には
Figure 2008096440
が割り当てられる。同様に、NAND(NOR)ゲートgの入力に
Figure 2008096440
が割り当てられた場合、すなわち1(0)に制御可能でない場合、ゲートgの出力は
Figure 2008096440
を割り当てられる。回路の構造および機能に依存して、siiでの
Figure 2008096440
が伝播すると、いくつかの信号線には、
Figure 2008096440
のいずれかが割り当てられるだろう。次に、ここで、状態入力siiが0に制御可能でないときに活性化できない(縮退)故障を特定する。もし信号線lj
Figure 2008096440
が割り当てられると、ラインljの縮退1(0)故障が活性化できないので、この縮退故障は、siiが0に制御可能でない場合にはテストすることができない。これらの故障は、sii
Figure 2008096440
への不可制御性による影響を受けることが明らかである。次に、その故障効果が1つまたは2以上のゲートでブロックされる故障を特定する。ゲートを通して故障効果を伝播させるためには、故障効果が存在する入力以外のすべての入力は、ゲートの不可制御値(non-controlling value)を割り当てられるべきである。(ゲートの制御値cとは、ゲートの任意の入力に印加されたとき、ゲートの他の入力に印加された値とは無関係にそのゲートの出力値を決定する2進値であり、ゲートの不可制御値ncは制御値の相反値(opposite value)である。)言いかえれば、ゲートgの入力ljがゲートgの不可制御値に制御可能ではない場合、すなわち入力lj
Figure 2008096440
が割り当てられる場合、ゲートgの他の入力のファンインコーン(fanin cone)での故障は、ゲートgを通して伝播することができない。
状態入力siiについての0の有用性測定U0(sii)は、活性化できない故障の数と、siiが0に制御可能でない場合に故障効果が少なくとも1つのゲートでブロックされる故障の数との和で与えられる。ここで、同じ手順を繰り返して、状態入力sii
Figure 2008096440
を内部回路線へ伝播させることにより、状態siiについての1の有用性測定U1(sii)を計算する。有用性測定は、回路のすべての状態入力に対して計算される。
状態入力siiを2進値vに制御しがたい場合にその故障効果がブロックされる故障は、それらの故障効果がブロックされたすべてのゲートのファンインコーンをくまなく調べることにより、特定することができる。影響を受けた故障の数が状態入力ごとに計算されるので、大規模な設計に対する有用性測定の計算は、実行時における複雑性の点から、費用がかかるかもしれない。実行時間を短縮するために、ここでは、個別の回路線ではなくファンアウト自由領域(FFR;fanout free region)を使用する。前処理ステップで、回路のFFRをすべて特定する。次に、各FFRに対して、FFRでの故障の数を計数し、FFRの出力信号にその数を格納する。故障の数に加えて、各FFRの出力信号線は、FFRのすべての入力信号に対するポインタを格納する。したがって、FFRの出力または入力でない信号線をくまなく調べる必要はないので、ブロックされた故障の数は、極めて少数の信号線をくまなく調べることにより特定することができる。これは、上記のくまなく調べるプロセスを著しく迅速化できる。
以下、例に基づいてこの例示実施形態をさらに詳しく説明する。
例1:
図7はスキャン設計の一部を示している。状態入力si1についての0の有用性測定U0(si1)を計算することを考える。まず、
Figure 2008096440
がsi1に割り当てられる。si1が0に制御可能でない場合、si1によって駆動される唯一のゲートであるANDゲートg2の出力は、(他の入力l1を0に設定することにより)従前通り0に設定することができる。したがって、si1での
Figure 2008096440
は、g2の出力よりも遠くには伝播せず、U0(si1)=1である。すなわち、si1の縮退1(以下、1への縮退をs−a−1(stuck-at-1)のように表す)のみが、si1の0への不可制御性により影響を受ける。続いて、まず状態入力sii
Figure 2008096440
に設定することにより、U1(si1)を計算する。si1が1に制御可能ではない場合には、si1での縮退0(以下、0への縮退をs−a−0(stuck-at-0)のように表す)はテストすることができない。si1が1に制御可能でない場合、l1のファンインコーン内での故障に対する故障効果は、ゲートg2を通して伝播することができない。ここで、l1から入力に向かってくまなく調べることにより、l1のファンインコーンの故障の数を明らかにする。くまなく調査が行われたファンアウト自由領域FFR1には3つの故障があるので、3がU1(si1)に加えられる。(各ファンアウト自由領域FFR1,FFR2,…,FFR5の出力において示された数は、そのファンアウト自由領域内の故障の数を与える。)FFR1の訪問(visitation)は、FFR1の訪問リスト(visitation list)に
Figure 2008096440
を加えることにより記録される。
Figure 2008096440
は、ゲートg2の出力に伝播する。ゲートg2の出力である信号線l4が1に制御可能でないので、l4でのs−a−0が影響を受ける。g1の不可制御値が1なので、ゲートg1の他の入力l3のファンインコーンでの故障は、ゲートg1を通して伝播することができない。ここで縦型(depth-first)探索を使用すると、ファンアウト自由領域FFR5,FFR3,FFR4およびFFR2がこの順で訪問されるであろう。なお、
Figure 2008096440
が既にFFR1の訪問リストに載っているので、FFR1が再び訪問されることはない。したがって、
U1(si1)=5(FFR2)+14(FFR3)+7(FFR4)+3(FFR1)+5(FF5)+1(si1s−a−0)+1(l4s−a−0)=36
となる。
拡張スキャンセルが挿入された場合に状態入力を選択するために使用される利得関数は、制御性測定および有用性測定を使用して、状態入力ごとに計算される。状態入力siiに対する利得関数G(sii)は、次のように定義される。
G(sii)=C0(soi)×U0(sii)+C1(soi)×U1(sii) …(2)
毎回、最大のG(sim)を有する状態入力simが選択され、simに既に挿入されていた通常型スキャンセルは、拡張スキャンセルで置換される。これは、通常、設計者によって事前に決められているS個の拡張スキャンセルが挿入されるまで、繰り返される。
図7に示したスキャン設計70を再び参照する。si1が最大の利得関数を有し、それによって拡張スキャンセルはsi1に挿入されているものと仮定する。si1に挿入された拡張スキャンセルのおかげで、開始タイムフレームでのl4の指定が、開始タイムフレームでの非常に少ない数の入力を指定することにより達成できることも仮定する。si2を0に設定することは、初期化タイムフレームにおいて多くの数の入力を指定することが必要であるものとする。なお、ファンアウト自由領域FFR2およびFFR4での故障は、その故障の検出のために、ゲートg1またはg4のいずれかを通して伝播することができる。拡張スキャンセルがsi1に挿入されているので、FFR2およびFFR4での故障に対する故障効果は、l4を1に設定することにより、ゲートg1を通して伝播することができる。l4の1への設定は、初期化タイムフレームにおいて少ない数の入力を指定することにより、ここで達成できる。したがって、si2での拡張スキャンセルの挿入は、FFR2およびFFR4の故障用のテストパターンに、さらに多くのドントケアを追加しないだろう。よって、各拡張スキャンセルが挿入された後に、通常型スキャンセルが拡張スキャンセルにより既に置換されているスキャン入力以外のすべてのスキャン入力の有用性測定を更新することが必要である。有用性測定は、各FFRに保持されている訪問リストを使用して、迅速に更新することができる。
例2:
拡張スキャンセルがsi1に挿入された後、si1での
Figure 2008096440
のいずれかによる影響を受けたすべてのFFRは、再びくまなく調べられる。(FFR1,FFR2,FFR3,FFR4およびFFR5は、si1での
Figure 2008096440
による影響を受けている。)更新ルーチンが、F個の故障をその中に有するFFRjを訪れると、その更新ルーチンは、FFRjの訪問リストの要素をすべてチェックする。FFRjの訪問リストに要素
Figure 2008096440
があり、かつsiiのスキャンセルがまだ通常型スキャンセルである場合(これは、FFRjでの故障がsi1の不可制御性による影響も受けたことを意味している)、更新ルーチンは、Uv(sii)からF(FFRj中の故障の数)を差し引く。例えば、FFR2が2つの要素
Figure 2008096440
を有し、かつsi2のスキャンセルはまだ通常型スキャンセルである。FFR2は5個の故障を有するので、5がU0(si2)から差し引かれて。U0(si2)=9とされる。7個の故障を有するFFR4は、その訪問リストに
Figure 2008096440
も有している。したがって、FFR4の訪問リストをくまなく調べたとき、再び更新ルーチンは、U0(si2)から7を減じ、U0(si2)=2とする。
本発明者らは、本明細書で提案された技術を実装し、大規模なISCAS89およびITC99のベンチマーク回路およびいくつかの産業用の回路を用いて、実験を行った。実験結果を図8の表に示す。純粋なブロードサイド手法で得られた結果(「純粋なブロードサイド手法」の欄)が、本発明に基づく方法(部分的拡張スキャン方法)を使用して得られた結果(「本明細書で提案の手法」の欄)と比較された。本発明者らは、提案した方法について、2つの異なる実験を行った。第1の実験(「制限された故障検出率」の欄を参照)では、提案した方法の目標故障検出率を純粋なブロードサイド手法で達成された故障検出率に制限した。第1の実験の主な目的は、本明細書で提案した方法によって、どれだけのテスト量を削減できるかを示すことである。第2の実験(「制限なしでの故障検出率」の欄を参照)では、提案した方法によってどれだけ故障検出率が改善するかを示すために、目標故障検出率を制限しなかった。#inpの欄は各回路の入力数を示し、#linesの欄は回路の信号線の総数を示している。すべての場合について、発生させたテストパターンは、動的圧縮および静的圧縮の両方によって大幅に圧縮された。
「1%拡張セル」の欄(「2%拡張セル」の欄)に示されたデータは、通常型スキャンセルの1%(2%)が拡張スキャンセルで置換された回路に対する結果を与えている。純粋なブロードサイド手法のためのテストパターンを含む全てのテストパターンが、本発明者らの社内での遷移遅延ATPGツールにより発生させられた。FC%の欄は、達成された遷移遅延故障検出率を示し、一方、#patの欄は、ATPGによって発生させたパターンの数を示している。volの欄は、純粋なブロードサイド手法のテストデータ量で正規化された、提案した方法でのテストデータ量を与える(数値1は、提案した方法のテストデータ量が純粋なブロードサイド手法のそれと全く同じであることを意味している)。提案した方法のテストデータ量については、(各拡張スキャンセルが2つのスキャンフリップフロップを有するので)追加されたスキャンフリップフロップのためのテストデータを含めた。1%の拡張スキャンセルが挿入されると、スキャンフリップフロップの総数も1%だけ増加する。時間(time)欄は、ATPGの実行時間を秒単位で与えている。
これらの結果は、提案した方法の使用が、テストパターン数を削減できることを明確に示している。テストパターン数およびテストデータ量は、s13207およびs38417以外の大半の回路について、提案した方法の使用により、著しく削減された。テストデータ量の削減が産業用の大規模な設計ではより大きくなることは、注目すべきである。なお、1%のスキャンセルが拡張スキャンセルで置換された場合、テストデータ量は、(提案した方法の目標故障検出率が制限された場合)D3について52%削減されている。2%のスキャンセルが拡張スキャンセルで置換された場合には、D3のテストデータ量は65%も削減された。発生したテストパターンの数が削減され、開始タイムフレームにおいてスキャン入力をジャスティフィケーション(justification)することに費やした時間も削減されたので、ATPGの実行時間は著しく短縮される。なお、2%の拡張スキャンセルが挿入された場合、ATPGの実行時間は、s15850について221秒から39.7秒、すなわち、たった1/5.5になった。ATPGの実行時間の短縮は、産業用の大規模な設計に対してさらに大きくなる。故障検出率は、提案した方法の使用により、向上した(「制限なしでの故障検出率」の欄を参照)。なお、故障検出率の改善は、高い遷移遅延故障検出率を達成するのが難しいITC99ベンチマーク回路に対して大きくなっている。たった1%の拡張スキャンセルの挿入が、b22sについて、故障検出率を約6%向上させることができた。これは、提案された方法を用いることにより、純粋なブロードサイド手法では所望の故障検出率を達成できない回路の故障検出率を改善できることを示唆している。提案された拡張スキャンセルを有する設計に対して達成された故障検出率は、常に、すべての回路に対して、純粋なブロードサイド手法によって達成された故障検出率よりも高い。
本発明に基づくスキャンベースのテスト容易化設計(design-for-testability)技術は、拡張スキャンセルを使用して遅延テストパターンの量を削減し、遅延故障検出率を改善する。本発明に基づく技術は、少数の通常型スキャンセルをこの明細書で提案している拡張スキャンセルで置換する。提案された拡張スキャンセルは、2ビットを保持できる。拡張スキャンセルはスキュードロード手法によって制御され、残りのスキャンセルはブロードサイド手法によって制御される。しかしながら本発明に基づく技術は、テストパターンの印加中にスキャンセルを制御するスキャンイネーブル信号のカスタム設計を必要としない。その代りに、付加的な信号を内部的に発生させ、スキュードロードのようなやり方で拡張スキャンセルを制御する。拡張スキャンセルの挿入は、テストパターンのドントケアを増加させることができる。これらのドントケアは、ATPGプロセス中、動的圧縮および静的圧縮によって利用することができ、それによりテストデータ量を削減する。さらに、拡張スキャンセルの挿入は、ATPGの実行時間を短縮することができる。少数の拡張スキャンセルのみが挿入されるので、提案した方法におけるハードウェアのオーバーヘッドは非常に小さい。拡張スキャンセルが挿入されるスキャン入力は、制御性コストと有用性測定とからなる利得関数によって選択される。制御性コストは、信号線を2進値に設定するために指定されるべき入力の数を反映し、スキャン入力の有用性測定は、開始タイムフレームにおいてスキャン入力を指定する必要があるテストパターンの数を反映している。特別なATPGを必要とするLiuら(非特許文献1)が提案するものと異なり、本発明に基づけば、通常型の遷移遅延ATPGを使用して、修正することなく、提案した拡張スキャンセルを用いた設計用の遷移遅延テストパターンを発生させることができる。
実験結果は、少数の通常型スキャンセルのみが提案のスキャンセルで置換された場合に、提案された方法の使用により、65%までテストデータ量を削減でき、約6%まで遷移故障検出率を改善できることを示している。実験結果は、提案された方法を用いることで、ATPGの実行時移管の著しい短縮を達成できることも示している。
要約すると、本発明に基づけば、従来のブロードサイド手法よりも高い故障検出率を達成することができる。本発明に基づけば、スキャンイネーブル信号における通常動作速度でのスイッチング能力を必要とする高価なスキュードロード手法を使用せずに、遅延故障検出率を改善し、テストサイズを削減することができる。ブロードサイド手法をサポートするどのような商用ATPGツールも、何ら変更なく使用することができる。本発明に基づく方法が被るハードウェアのオーバヘッドは非常に低い。本発明に基づく方法のATPGの実行時間も従来のブロードサイド手法より短縮されている。
本発明に基づく方法は、ブロードサイド手法より高速のスイッチングを必要とするスキュードロード手法によってスキャンセルをすべて駆動するための高コストを払う必要なく、テストシーケンス長を短縮し、より高い遅延故障検出率を達成する。拡張スキャンセルをスイッチングする駆動信号が通常型スキャンセルを駆動する信号から取り出されるので、拡張スキャンセルを駆動する付加のピンは必要ではない。
最も実用的で好ましい実施形態であると考えられるものについて本発明を図示し、説明してきた。しかしながら、新しい試みがそこからなされてもよく、明白な修正が当業者によってなされることであろうことが予想される。当業者は、ここに明確に図示または説明していない多くの配置および変形を考案できるであろうが、それらは、本発明の原理を具体化するものであり、本発明の精神および範囲に包含されることが十分に理解されるであろう。
標準スキャン方式に対してツーパターンテストを適用するためにスキュードロード手法およびブロードサイド手法を用いる標準のスキャン遅延テストのタイミング図である。 図1のブロードサイド手法によりフルスキャン方式用の遷移テストパターン対を発生することを示すツータイムフレームモデルを示している。 (a)は、拡張チェーンを有しない回路に対する遷移遅延パターンの発生することを示し、(b)は、siiでの拡張スキャンセルを有する回路に対する遷移遅延パターンの発生を示している。 (a)は、本発明に基づき拡張スキャンセルを有するスキャンチェーンを示す図であり、(b)は、本発明に基づく多重化された(muxed)通常型スキャンセルを示す図であり、(c)は、本発明に基づくスキャンセルを示す図であり、(d)は、本発明に基づく、拡張スキャンセルに関連する信号の波形を示す図である。 図4(a)に示した拡張スキャンセルを駆動するskew_ld信号を発生させる回路のブロック図である。 本発明に基づく、自動テストパターン発生器ATPG用の拡張スキャンセルのブロック図である。 本発明に基づく拡張スキャンセルが標準スキャンチェーンに挿入された、状態入力の有用性尺度を例示的に計算するためのスキャン方式の一部を示す図である。 発明に基づく拡張スキャンセル技術を純粋なブロードサイド手法と比較した実験結果を示す表である。
符号の説明
20 ツータイムフレームモデル
70 スキャン設計

Claims (20)

  1. テストシーケンス長を縮小しかつ故障検出率を改善するために、デジタル回路のスキャンベースの遅延テストのスキャンチェーンにおいて、拡張スキャンセルの対応する1つと置換される少なくとも1つの通常型スキャンセルを選択する段階と、
    スキュードロード手法を用いて前記拡張スキャンセルを制御する段階と、
    ブロードサイド手法を用いて前記スキャンチェーンの通常型スキャンセルを制御する段階と、
    を有する方法。
  2. 前記拡張スキャンセルをスイッチングする駆動信号は、余分な入出力ピンを使用することなく、前記通常型スキャンセルを駆動する信号から取り出される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記拡張スキャンセルで置換された前記少なくとも1つの通常型スキャンセルは、テストデータの量を削減するように選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記拡張スキャンセルで置換された前記少なくとも1つの通常型スキャンセルは、遷移故障検出率を変えるように選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 拡張スキャンセルの対応する1つで置換される少なくとも1つの通常型スキャンセルを選択する段階は、自動テストパターン発生器ATPGツールが、前記デジタル回路用に発生させたテストパターン中のドントケアを増加させることを可能にさせ、かつ、テストデータの量を削減するために前記ドントケアでのテストパターン圧縮を可能にする、請求項1に記載の方法。
  6. 対応する拡張スキャンセルで置換される複数の前記通常型スキャンセルが、信号線を2進値に設定するように指定された複数の入力に対応して選ばれる、請求項3に記載の方法。
  7. 対応する拡張スキャンセルで置換される複数の通常型スキャンセルが、開始タイムフレームにおいてスキャン入力を指定する必要がある複数のテストパターンに対応して選ばれる、請求項3に記載の方法。
  8. 前記拡張スキャンセルは、マスタフリップフロップと、スレーブフリップフロップとを有しており、前記スレーブフリップフロップは、入力と前記スレーブフリップフロップの出力との中から入力源を選択するマルチプレクサを通して、前記マスタフリップフロップに接続し、前記マスタフリップフロップは状態入力を直接駆動する、請求項1に記載の方法。
  9. 自動テストパターン発生用途用の前記拡張スキャンセルのモデルは、前記マスタフリップフロップの出力と前記スレーブフリップフロップの出力との中での選択を選択的に可能にされた第2のマルチプレクサを有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記拡張スキャンセルは、短縮されたテストシーケンス長および改善された遅延故障検出率を有するテストパターンを発生させる任意の自動テストパターン発生ツールの使用を可能にするモデルである、請求項1に記載の方法。
  11. 拡張スキャンセルの対応する1つで置換される少なくとも1つの通常型スキャンセルを選択する段階は、それらの通常型スキャンセルを、テストシーケンス長を短縮し遅延故障検出率を改善できる前記拡張スキャンセルに置換する段階を有する、請求項1に記載の方法。
  12. デジタル回路のスキャンベースの遅延テストのスキャンチェーンであって、ブロードサイドスイッチングによって制御される通常型スキャンセルとスキュードロードスイッチングによって制御される少なくとも1つの拡張スキャンセルとを有するスキャンチェーン、
    を有する装置。
  13. 前記少なくとも1つの拡張スキャンセルを制御する駆動信号は、前記通常型スキャンセルを制御する駆動信号から取り出される、請求項12に記載の装置。
  14. 前記拡張スキャンセルは、マスタフリップフロップと、スレーブフリップフロップとを有しており、前記スレーブフリップフロップは、入力と前記スレーブフリップフロップの出力との中から入力源を選択するマルチプレクサを通して、前記マスタフリップフロップに接続し、前記マスタフリップフロップは状態入力を直接駆動する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記拡張スキャンセルをスイッチングする駆動信号は、前記通常型スキャンセルを駆動する信号から取り出される、請求項12に記載の装置。
  16. 複数の前記通常型スキャンセルと比較される複数の前記拡張スキャンセルが、信号線を2進値に設定するように指定された複数の入力に対応して選ばれる、請求項12に記載の装置。
  17. 複数の前記通常型スキャンセルと比較される複数の前記拡張スキャンセルが、開始タイムフレームにおいてスキャン入力を指定する必要がある複数のテストパターンに対応して選ばれる、請求項12に記載の装置。
  18. 複数の前記通常型スキャンセルと比較される複数の前記拡張スキャンセルが、前記デジタル回路をテストするためのテストパターン中のドントケアを増加させ、かつ、テストデータ量を削減するためにテストパターン発生中にドントケアでの圧縮を使用するように選ばれる、請求項12に記載の装置。
  19. 前記拡張スキャンセルは、短縮されたテストシーケンス長および改善された遅延故障検出率を有するテストパターンを発生させる任意の自動テストパターン発生ツールの使用を可能にするモデルである、請求項12に記載の装置。
  20. 前記拡張スキャンセルは、対応する1個の通常スキャンセルに取って代わり、テストシーケンス長を短縮し、遅延故障検出率を改善する、請求項12に記載の装置。
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