JP2008095582A - 排気ガス黒煙回収装置 - Google Patents

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隆昌 松永
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Abstract

【課題】小型化及び軽量化が容易で、かつ、安価に製造することが可能な簡易型の排気ガス黒煙回収装置を提供する。
【解決手段】排気ガス黒煙回収装置1aは、前端及び後端にそれぞれ吸気口3及び排気口4が設けられるとともに後端近傍の側面に補助吸気口9が設けられた略円筒形の本体2aと、中央に開口部6が設けられたフィルタ5aと、フィルタ7aとを備え、フィルタ5a及びフィルタ7aが円筒軸と直交するように本体2aの内部に設置されたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用ディーゼルエンジン等の排気ガスに含まれる黒煙を捕捉して取り除く黒煙回収装置に係り、特に小型化及び軽量化が容易で、かつ、安価に製造することが可能な簡易型の黒煙回収装置に関する。
ディーゼルエンジンでは空気と燃料が不均一に混合するため、燃料中の炭素成分は煤や炭化水素等に変化した後、凝集して黒煙粒子状物質(以下、単に黒煙という。)となる。ディーゼルエンジンを搭載した車両などから排出されるガスには、この黒煙が含まれており、人体に有害であることから、近年、特に問題となっている。そして、一部の地域では、ディーゼルエンジンを搭載した車両に対して黒煙回収装置の設置を義務付けている。しかしながら、これらの装置は高価であったり、設置する車両に対して大幅な改造が必要となったりするなどの問題があり、黒煙回収装置の設置が義務付けられていない地域では、なかなか普及が進まないのが現状である。そこで、このような問題を解決すべく、盛んに研究や開発がなされており、既にそれらに関していくつかの発明や考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「黒煙除去マフラー」という名称で排気ガス中の黒煙微粒子を遠心力によって分離するサイクロン型の黒煙除去マフラーに関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、円筒状の筺体内に排気ガスに旋回流を生じさせる案内部材と、黒煙微粒子を捕捉するフィルター部材が設置された構造となっている。
このような「黒煙除去マフラー」においては、筺体内部に導入された排気ガスが案内部材によって円周方向に旋回させられ、このとき生じる遠心力によって排気ガスから黒煙微粒子が分離される。そして、分離された黒煙微粒子は筺体の内周面に設置されたフィルター部材によって捕捉される。
次に、特許文献2には、「ディーゼルエンジンの黒煙回収装置」という名称で、小型化、軽量化が可能なシンプルな構造の黒煙回収装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、上面に排気ガス出口が設けられるとともに上部側面に排気ガス入り口が設けられた円筒形状の装置の底面中心部にエアー抜きのパイプを立設し、このパイプの周囲にステンレスタワシを設置するとともに、中心部に穴を有する仕切り板を上記パイプの上方に設けたことを特徴とする。なお、仕切り板と装置の内壁面との間には隙間が形成されている。
このような「ディーゼルエンジンの黒煙回収装置」によれば、排気ガス入り口から装置内に流入した排気ガスが渦巻状に旋回する。このとき、排気ガス中の黒煙粒子は排気ガスとともに旋回しながら、仕切り板と装置内壁面との間を通って下降し、装置の下部に蓄積する。そして、黒煙粒子が分離された排気ガスは排気ガス出口あるいはエアー抜きパイプを通って装置外部に排出されることになる。
さらに、特許文献3には、「ディーゼル車の黒煙除去方法」という名称で、ディーゼル車から排出されるガス中の黒煙をグリセリン等によって除去する方法に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、グリセリン等の多価アルコール液が注入されたタンクをディーゼル車のマフラーにホースを介して接続し、ディーゼル車からの排気ガスをタンク内の多価アルコール中に導いて、その液中を通過させることを特徴とする。
このような方法によれば、タンク内の管路を通って多価アルコール液内に排気ガスが噴射されると、多価アルコール液は排気ガスに含まれる黒煙等の有害物質を捕捉し、浄化する。そして、浄化されたガスはタンクの出口を通って外部に排出される。
特開平9−177541号公報 特開2005−113898号公報 特開2002−317623号公報
しかしながら、上述の従来技術である特許文献1に開示された発明は、排気ガスが筺体内部を流れる際の圧力損失が大きいため、燃料等の節約を図ることができないという課題があった。また、構造が複雑なため、小型化及び軽量化が容易でないという課題があった。
また、特許文献2に開示された発明は、装置内部を流れる排気ガスの圧力損失が大きく、無駄なエネルギーが浪費されるおそれがあるという課題があった。また、構造が複雑なため、製造コストが高くなる可能性があった。
特許文献3に開示された発明は、構造が複雑であり、安価に製造することが難しいという課題があった。また、液体によって黒煙を捕捉する構成となっているため、装置の保守や維持管理が容易でないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、小型化及び軽量化が容易で、かつ、安価に製造することが可能な簡易型の排気ガス黒煙回収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である排気ガス黒煙回収装置は、両端にそれぞれ吸気口及び排気口を有する筒状の本体と、中央に開口部が設けられるともにその側面がこの本体の内壁面に略内接するようにこの本体内部に取りつけられる第一のフィルタと、本体の内壁面との間に通気口として間隙が形成されるように本体内部に取りつけられる第二のフィルタとを備え、第一のフィルタ及び前記第二のフィルタは本体の円筒軸と直交するように本体内に設置されることを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、吸気口から本体内に導入された排気ガスの流れが遅い場合には、排気ガスの大部分が第一のフィルタの開口部を通過した後、第二のフィルタの側面と本体内壁面との間に形成される通気口を通過するため、排気ガスが本体内を流れる際に生じる圧力損失が小さい。また、吸気口から本体内に導入された排気ガスの流れが速い場合には、第一のフィルタ及び第二のフィルタの内部を通過する排気ガスの割合が増加し、第一のフィルタ及び第二のフィルタによって捕捉される黒煙が増加する。
また、請求項2記載の発明は、一端に吸気口が設けられるとともに他端が開放された筒状の本体と、この本体内に着脱自在に嵌挿される筒状のフィルタ保持具と、中央に開口部が設けられるともにその側面がこのフィルタ保持具の内壁面に略内接するようにこのフィルタ保持具内部に取りつけられる第一のフィルタと、フィルタ保持具の内壁面との間に通気口として間隙が形成されるようにフィルタ保持具内部に取りつけられる第二のフィルタとを備え、第一のフィルタ及び第二のフィルタはフィルタ保持具の円筒軸と直交するようにフィルタ保持具内に設置され、本体の開放端近傍に位置するフィルタ保持具の端部には排気口が形成されることを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、請求項1記載の発明の作用に加え、本体内にフィルタ保持具を挿設することによって第一のフィルタ及び第二のフィルタが本体内に設置され、フィルタ保持具を本体内から抜き取ることによって第一のフィルタ及び第二のフィルタが本体内から取り外されるという作用を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の排気ガス黒煙回収装置において、本体側面の排気口近傍に補助吸気口が設けられたことを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、補助吸気口から流入する本体外部の空気が、第一のフィルタ及び第二のフィルタによって黒煙が除去された排気ガスを希釈するという作用を有する。
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の排気ガス黒煙回収装置において、本体側面の開放端近傍に補助吸気口が設けられるとともに、フィルタ保持具側面にこの吸気口に連通する貫通孔が穿設されたことを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、補助吸気口及び貫通孔を通ってフィルタ保持具の内部に流入する本体外部の空気が、第一のフィルタ及び第二のフィルタによって黒煙が除去された排気ガスを希釈するという作用を有する。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排気ガス黒煙回収装置において、第一のフィルタ又は第二のフィルタは、少なくとも片面に半径方向又は円周方向に形成された複数の凹溝を有することを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、第一のフィルタ又は第二のフィルタと排気ガスとの接触面積が広くなるため、黒煙がフィルタに捕捉され易くなる。また、第一のフィルタ又は第二のフィルタにおいて半径方向に形成された凹溝は、排気ガスがフィルタ表面に沿って流れる際に生じる圧力損失を小さくするという作用を有するとともに、フィルタ表面の面積を増加させて黒煙の回収効率を高めるという作用を有する。さらに、第一のフィルタ又は第二のフィルタにおいて円周方向に形成された凹溝は、排気ガスがフィルタ表面上を流れる際に生じる圧力損失を高めるものの、黒煙の回収効率をより高めるという作用を有する。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排気ガス黒煙回収装置において、第一のフィルタは、中央に、開口部が設けられる代わりに、外周部よりも薄く形成される薄肉部を設けることを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、排気ガスの流れが遅い場合でも第一のフィルタに形成された薄肉部によって黒煙が捕捉されるという作用を有する。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の排気ガス黒煙回収装置において、第二のフィルタは、本体又はフィルタ保持具の内壁面との間に通気口を形成する代わりに、その側面が内壁面に略内接するように本体又はフィルタ保持具の内部に取りつけられるとともに、外周部が中央よりも薄く形成される薄肉部であることを特徴とするものである。
このような構造の排気ガス黒煙回収装置においては、排気ガスの流れが遅い場合にも第二のフィルタに形成された薄肉部によって黒煙が捕捉されるという作用が発揮される。
以上説明したように、本発明の請求項1記載の排気ガス黒煙回収装置によれば、例えば、ディーゼルエンジンから排出されるガスを処理する際に、排気ガスの流れが遅く、黒煙の排出量も少ない通常運転時には、排気ガス黒煙回収装置の内部を排気ガスが流れる際に生じる圧力損失を小さくすることで、ディーゼルエンジンの消費エネルギーを節約することが可能である。また、エンジンを始動した時やエンジンの回転数を上げた時などのように排気ガスの流れが速く、黒煙の排出量も多い場合には、黒煙を捕捉する作用を高めて黒煙の回収量を増やすことができる。さらに、本発明の排気ガス黒煙回収装置は構造が簡単であるため、小型化及び軽量化が容易である。従って、安価に製造することが可能であるとともに、車両等にも容易に搭載することができる。
本発明の請求項2記載の排気ガス黒煙回収装置においては、第一のフィルタ及び第二のフィルタの清掃や交換を容易に行うことができる。
本発明の請求項3及び請求項4に記載の排気ガス黒煙回収装置においては、第一のフィルタ及び第二のフィルタを通過した排気ガス中の黒煙含有率を下げることが可能である。
本発明の請求項5記載の排気ガス黒煙回収装置においては、排気ガスの流れが遅い場合でも黒煙を捕捉する作用を高めて黒煙を効率良く回収することが可能である。
本発明の請求項6記載の排気ガス黒煙回収装置においては、排気ガスの流れが遅い場合でも黒煙を捕捉するという第一のフィルタの作用を高めることで請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の発明よりも多くの黒煙を回収することができる。
本発明の請求項7記載の排気ガス黒煙回収装置においては、排気ガスの流れが遅い場合でも第二のフィルタによる黒煙捕捉作用を高めることにより請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の発明よりも黒煙の回収効率を上げることが可能である。
本発明の最良の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例1について図1及び図2を用いて説明する(特に、請求項1、請求項3及び請求項5に対応)。
図1(a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例1の構成を示す斜視図であり、(b)及び(c)はフィルタの斜視図であり、(d)は図1(a)のX−X線矢視断面図である。また、図2(a)及び(c)は実施例1のフィルタの変形例を示す平面図であり、(b)及び(d)はそれぞれ図2(a)及び(c)のY−Y線矢視断面図である。
図1(a)に示すように、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1aは、前端及び後端にそれぞれ吸気口3及び排気口4が設けられた外径150〜200mm、長さ200〜300mm、肉厚1〜2mmの略円筒形のステンレス製の本体2aと、この本体2aの内部に円筒軸と直交するように設置されるフィルタ5a及びフィルタ7aとを備えるものである。なお、吸気口3は、外径80〜100mm、長さ40〜70mmの円筒状であり、排気口4は外径100〜200mm、長さ50〜150mmの円筒状となっている。また、フィルタ5a及びフィルタ7aは炭化珪素系繊維の不織布からなる厚さ5〜10mmの円板状部材であり、中央に開口部6を有する外径190mmのフィルタ5aは吸気口3の近傍にその側面を本体2aの内壁面に略内接するように設置されている。
一方、外径120mmのフィルタ7aは、本体2aの内壁面に4つの取付具8を用いて取付けられている。そして、フィルタ7aの側面と本体2aの内壁面との間には後述する通気口11としての間隙が形成されている。また、本体2aの側面には、フィルタ7aの後方となる位置に補助吸気口9が2箇所設けられている。さらに、図1(b)及び(c)に示すように、フィルタ5a及びフィルタ7aの片面には、半径方向に複数の凹溝10aが形成されている。
上記構造の排気ガス黒煙回収装置1aの内部に排気ガスを導入した場合には、図1(d)に示すようなガスの流れが形成される。すなわち、矢印Aで示すように吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスは、その一部が矢印Bで示すように本体2aの開口部6を通過し、残りの排気ガスは矢印Fで示すようにフィルタ5aの内部を通過する。そして、この矢印B及び矢印Fで示される経路を通って流れる排気ガスは、一部がフィルタ7aの側面と本体2aの内壁面との間に形成された通気口11を矢印Cで示すように通過し、残りの排気ガスはフィルタ7aの内部を矢印Gで示す向きに通過する。このとき、排気ガスに含まれる黒煙はフィルタ5a及びフィルタ7aによって捕捉される。なお、フィルタ5aが無い場合には、吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスのうち本体2aの内壁面に沿って流れる排気ガスはフィルタ7aの側面と本体2a内壁面との間に形成される通気口11をそのまま通過することになる。この場合、フィルタ7aによる黒煙の捕捉作用が極端に低下する。また、フィルタ7aが無い場合には、吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスのうち本体2aの中央部を流れる排気ガスはフィルタ5aの開口部6を通過してそのまま排気口4に達することになり、フィルタ5aによる黒煙捕捉作用が著しく低下する。すなわち、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1aでは、フィルタ5aとフィルタ7aとを併設することで、このような黒煙捕捉作用の低下を防止しているのである。
さらに、矢印C及び矢印Gで示される経路を通って流れる排気ガスは、矢印Eで示すように補助吸気口9から流入する本体2a外部の空気と合流した後、矢印Dで示すように排気口4を通って本体2a外部へ流出する。このように、排気ガス黒煙回収装置1aの本体2a内に設置されたフィルタ5a及びフィルタ7aは本体2a内を流れる排気ガスから黒煙を除去し、補助吸気口9から流入する本体2a外部の空気はフィルタ7a又は通気口11を通過した後に排気口4へと向かう排気ガスを希釈するという作用を有する。また、フィルタ5a及びフィルタ7aの表面に形成された凹溝10aは、フィルタ5a及びフィルタ7aの表面に沿って流れる排気ガスの圧力損失を小さく抑えつつ、フィルタ5a及びフィルタ7aと排気ガスとの接触面積を広くして黒煙の捕捉を容易にするという作用を有する。
なお、矢印A〜Gで示される排気ガスの流れのうち、矢印F及び矢印Gで示されるものはフィルタ5a及びフィルタ7aをそれぞれ通過する経路であるため、これらの経路を通って排気ガスが流れる際に生じる圧力損失は大きいものとなる。従って、特に、吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスの流れが遅いような場合には、排気ガスの大部分は矢印F及び矢印Gで示される経路を通らずに、矢印Aから矢印B及び矢印Cで示される圧力損失の小さい経路を通って流れることになる。この場合、フィルタ5a及びフィルタ7aの内部を通過する排気ガスが少ないため、フィルタ5a及びフィルタ7aによって除去される黒煙の量は少ない。これに対し、吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスの流れが速い場合には流れの直進性が強いため、矢印F及び矢印Gで示される経路を通る排気ガスの流量が多くなり、フィルタ5a及びフィルタ7aによって除去される黒煙の量も多くなる。すなわち、排気ガスの流速が増加すると、それに伴って排気ガスの流れの直進性が強まるため、フィルタ5a及びフィルタ7aによって除去される黒煙の量も増加することになる。
以上説明したように、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1aにおいては、本体2a内に導入された排気ガスの流速の増減に対応して、黒煙の除去量が増減する構成となっている。従って、例えば、ディーゼルエンジンから排出されるガスを処理する場合、排気ガスの流量が多く黒煙も多量に排出されるエンジン始動時や加速運転時にのみ黒煙を除去することが可能である。すなわち、黒煙の排出量が多い場合にはそれを積極的に回収するとともに、排気ガスの流量が少なく黒煙の排出量が少ない定速走行時には、必要以上に黒煙を除去することなく、排気ガス黒煙回収装置1a内を流れる排気ガスの圧力損失を小さくすることで、黒煙の回収効率を高めるとともに消費エネルギーを節約することが可能なのである。また、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1aは構造が簡単であるため、小型化及び軽量化が可能である。従って、ディーゼルエンジンを搭載した車両に容易に取付けることができる。また、安価に製造することが可能である。
本実施例では、フィルタ5a及びフィルタ7aの片面に凹溝10aを形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、フィルタ5a又はフィルタ7aのうち少なくとも一方の両面に凹溝10aを形成した構造としても良い。この場合、フィルタ5aやフィルタ7aと排気ガスとの接触面積が広くなるため、黒煙を捕捉し易くなる。また、凹溝10aの形成方向も半径方向に限定されない。すなわち、排気ガス黒煙回収装置1aに凹溝10aが半径方向に形成されたフィルタ5a及びフィルタ7aを用いる代わりに、例えば、図2(a)乃至(d)に示すように、凹溝10bが円周方向に形成されたフィルタ5b及びフィルタ7bを用いることもできる。このようなフィルタ5b及びフィルタ7bは、その表面に沿って排気ガスが流れる際に生じる圧力損失を大きくするものの、黒煙を捕捉し易くするという作用を有する。なお、凹溝10a及び凹溝10bの本数は、図1及び図2に示す場合に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
また、フィルタ7a又はフィルタ7bを本体2aに固定する取付具8の個数や取り付け箇所も適宜変更可能である。さらに、フィルタ7a又はフィルタ7bは、それらの側面と本体2aの内壁面との間に通気口11としての間隙が形成されるように取付具8を用いて本体2aに取付けられているが、フィルタ7a又はフィルタ7bの本体2aへの取り付け方法はこれに限定されるものではない。例えば、フィルタ7a又はフィルタ7bの外周面近傍に通気口11となる貫通孔を少なくとも1箇所穿設するとともに、そのようなフィルタ7a又はフィルタ7bをそれらの側面が本体2aの内壁面に略内接するように設置した構造とすることもできる。
なお、排気ガス黒煙回収装置1a自体が小さいために本体2aの側面に補助吸気口9を設けるスペースがない場合や、外気の混入による排気ガスの希釈が必要ない場合には、補助吸気口9を省略した構造としても良い。
実施例2について図3を用いて説明する(特に、請求項1、請求項3及び請求項5に対応)。
図3(a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例2の構成を示す斜視図であり、(b)は図3(a)のX−X線矢視断面図である。なお、図1に示した構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図3(a)に示すように、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1bは実施例1の排気ガス黒煙回収装置1aにおいて、フィルタ7aをフィルタ5aの後方に設置する代わりに、フィルタ7aを吸気口3の近傍に設置するとともにフィルタ5aをフィルタ7aの後方に設置したことを特徴とする。
上記構造の排気ガス黒煙回収装置1bにおいては、図3(b)に示すように、矢印Aの向きに流れる排気ガスは、一部がフィルタ7aを矢印Fで示すように通過し、残りの排気ガスは通気口11を矢印Bで示すように通過する。次に、これらの排気ガスは、その一部が矢印Cで示すように開口部6を通過し、残りの排気ガスは矢印Gで示すようにフィルタ5aの内部を通過する。そして、矢印C及び矢印Gで示される経路を通って流れる排気ガスは、矢印Eで示すように補助吸気口9から流入する本体2a外部の空気と合流し、矢印Dで示すように排気口4を通って本体2a外部へ流出する。このとき、フィルタ5a及びフィルタ7aは排気ガス中の黒煙を除去するという作用を有する。なお、フィルタ7aが無い場合には、吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスのうち本体2aの中央部を流れる排気ガスはそのままフィルタ5aの開口部6を通過して排気口4に達してしまうため、黒煙が十分に除去されない結果となる。また、フィルタ5aが無い場合には、フィルタ7aの側面と本体2a内壁面との間に形成される通気口11を通過した排気ガスがそのまま排気口4に達してしまうため、黒煙の除去効率が著しく低下する。すなわち、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1bでは、フィルタ7aとフィルタ5aを併設することで、上述の黒煙捕捉作用の低下を防止しているのである。
このように、排気ガス黒煙回収装置1bは、吸気口3から本体2a内に導入され、まだ直進性が弱まっていない排気ガスの流れをまずフィルタ7aで受け止める構成となっているため、吸気口3を経て本体2aに導入された排気ガスの流れが遅い場合でもフィルタ7aの内部を通過する排気ガスの量が多くなる。これにより、フィルタ7aによって捕捉される黒煙の量が増加する。すなわち、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1bにおいては、吸気口3から本体2a内に導入された排気ガスを中央に開口部6を有するフィルタ5aで受け止める構成となっているために流れの遅い排気ガスに対しては黒煙が除去され難い排気ガス黒煙回収装置1aとは異なり、流れの遅い排気ガスに対しても黒煙を除去する作用が発揮されるのである。なお、矢印Aで示される排気ガスの流れがさらに速くなった場合には流れの直進性がより一層強まるため、矢印F及び矢印Gで示される経路を通る排気ガスの流量が増加して、フィルタ5a及びフィルタ7aによって捕捉される黒煙の量は多くなる。
以上説明したように、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1bにおいては、本体2a内に導入された排気ガスの流れが遅い場合でも実施例1の排気ガス黒煙回収装置1aに比べて多くの黒煙を回収することが可能である。
実施例3について図4を用いて説明する(特に、請求項3、請求項5乃至請求項7に対応)。
図4(a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例3の構成を示す斜視図であり、(b)は図4(a)のX−X線矢視断面図である。なお、図1に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図4(a)に示すように、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1cは実施例1の排気ガス黒煙回収装置1aにおいて、中央に開口部6が設けられたフィルタ5aとフィルタ7aに代えて内周部13を外周部12よりも薄く形成された薄肉部とするフィルタ5cと、外径がフィルタ5aと略等しいとともに外周部12を内周部13よりも薄く形成された薄肉部とするフィルタ7cとを備え、側面が本体2aの内壁面に略内接するようにフィルタ7cが本体2a内部に取りつけられたことを特徴とするものである。
図4(b)に示すように、排気ガス黒煙回収装置1cの本体2a内部の排気ガスの流れは実施例1の排気ガス黒煙回収装置1aと同じである。ただし、矢印Bで示される排気ガスの流れは黒煙回収装置1aではフィルタ5aの開口部6を通過するのに対し、排気ガス黒煙回収装置1cではフィルタ5cにおいて外周部12よりも薄く形成された内周部13を通過することになる。この場合、フィルタ5cは排気ガスの圧力損失を大きくする反面、排気ガスの流れが遅い場合でも黒煙を捕捉し易くするという作用を有する。また、矢印Cで示される排気ガスの流れは黒煙回収装置1aではフィルタ7aの通気口11を通過するのに対し、排気ガス黒煙回収装置1cではフィルタ7cにおいて内周部13よりも薄く形成された外周部12を通過することになる。このとき、フィルタ7cによって排気ガスの圧力損失が大きくなるものの、流れの遅い排気ガスからも黒煙が除去されるという作用を有する。
このように本実施例の排気ガス黒煙回収装置1cにおいては、排気ガス黒煙回収装置1aでは黒煙が除去されないような流れの遅い排気ガスに対しても有効に作用し、黒煙を効率良く除去することが可能である。
実施例4について図5を用いて説明する(特に、請求項2、請求項4に対応)。
図5(a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例4の構成を示す斜視図であり、(b)は図5(a)のX−X線矢視断面図である。なお、図1に示した構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
図5(a)に示すように、本実施例の排気ガス黒煙回収装置1dは実施例1の排気ガス黒煙回収装置1aにおいて、前端に吸気口3が設けられるとともに後端が開放された略円筒形の本体2bの内部に略円筒形のフィルタ保持具14が着脱自在に嵌挿された構造となっている。そして、フィルタ5a及びフィルタ7aがフィルタ保持具14内部の前端及び後端にその円筒軸と直交するようにそれぞれ設置されたことを特徴としている。フィルタ5aはその側面をフィルタ保持具14の内壁面に略内接するように設置され、フィルタ7aはフィルタ保持具14の内壁面との間に通気口11を形成するように4つの取付具8によってフィルタ保持具14に取付けられている。また、フィルタ保持具14の側面後方には、補助吸気口9と連通する貫通孔15が穿設されている。そして、フィルタ保持具14の後端は排気口4を形成している。
この排気ガス黒煙回収装置1dの内部に排気ガスを導入すると、図5(b)に示すように実施例1と同様なガスの流れが形成される。従って、フィルタ5a及びフィルタ7aは実施例1の排気ガス黒煙回収装置1aと同様の作用を有する。なお、これらのガスの流れは、図1(d)に示したものと略同一であるため、詳細な説明は省略する。
上記構造の排気ガス黒煙回収装置1dにおいては、フィルタ保持具14を本体2bの内部に挿設することで、フィルタ5a及びフィルタ7aが本体2b内の所定の箇所に配置される。また、フィルタ保持具14を本体2bから抜きとることによりフィルタ5a及びフィルタ7aが本体2bから取り出される。すなわち、フィルタ5a及びフィルタ7aの本体2bへの装着及び本体2bからの脱着が容易である。また、付着した黒煙を燃焼させて除去する際に、フィルタ5a、フィルタ7a及びフィルタ保持具14は高温で加熱されることになるため、これらの部材には高い耐熱性が要求されるのに対し、本体2bにはこれらの部材ほどの耐熱性は要求されない。すなわち、本体2bの材質は排気ガスの温度に耐え得る程度のものであれば良い。従って、安価な材料を使用することが可能であり、これにより、製造コストを削減することができる。
請求項1乃至請求項7に記載された発明は、自動車用ディーゼルエンジンに限らず、黒煙を含むガスを排出するあらゆる装置に対して適用可能である。
(a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例1の構成を示す斜視図であり、(b)及び(c)はフィルタの斜視図であり、(d)は図1(a)のX−X線矢視断面図である。 (a)及び(c)は実施例1のフィルタの変形例を示す平面図であり、(b)及び(d)はそれぞれ図2(a)及び(c)のY−Y線矢視断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例2の構成を示す斜視図であり、(b)は図3(a)のX−X線矢視断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例3の構成を示す斜視図であり、(b)は図4(a)のX−X線矢視断面図である。 (a)は本発明の実施の形態に係る排気ガス黒煙回収装置の実施例4の構成を示す斜視図であり、(b)は図5(a)のX−X線矢視断面図である。
符号の説明
1a〜1d…排気ガス黒煙回収装置 2a,2b…本体 3…吸気口 4…排気口 5a〜5c…フィルタ 6…開口部 7a〜7c…フィルタ 8…取付具 9…補助吸気口 10a,10b…凹溝 11…通気口 12…外周部 13…内周部 14…フィルタ保持具 15…貫通孔 A〜G…矢印

Claims (7)

  1. 両端にそれぞれ吸気口及び排気口を有する筒状の本体と、中央に開口部が設けられるともにその側面がこの本体の内壁面に略内接するようにこの本体内部に取りつけられる第一のフィルタと、前記本体の内壁面との間に通気口として間隙が形成されるように前記本体内部に取りつけられる第二のフィルタとを備え、前記第一のフィルタ及び前記第二のフィルタは前記本体の円筒軸と直交するように前記本体内に設置されることを特徴とする排気ガス黒煙回収装置。
  2. 一端に吸気口が設けられるとともに他端が開放された筒状の本体と、この本体内に着脱自在に嵌挿される筒状のフィルタ保持具と、中央に開口部が設けられるともにその側面がこのフィルタ保持具の内壁面に略内接するようにこのフィルタ保持具内部に取りつけられる第一のフィルタと、前記フィルタ保持具の内壁面との間に通気口として間隙が形成されるように前記フィルタ保持具内部に取りつけられる第二のフィルタとを備え、前記第一のフィルタ及び前記第二のフィルタは前記フィルタ保持具の円筒軸と直交するように前記フィルタ保持具内に設置され、前記本体の開放端近傍に位置する前記フィルタ保持具段の端部には排気口が形成されることを特徴とする排気ガス黒煙回収装置。
  3. 前記本体側面の前記排気口近傍に補助吸気口が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス黒煙回収装置。
  4. 前記本体側面の前記開放端近傍に補助吸気口が設けられるとともに、前記フィルタ保持具側面にこの吸気口に連通する貫通孔が穿設されたことを特徴とする請求項2に記載の排気ガス黒煙回収装置。
  5. 前記第一のフィルタ又は前記第二のフィルタは、少なくとも片面に半径方向又は円周方向に形成された複数の凹溝を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の排気ガス黒煙回収装置。
  6. 前記第一のフィルタは、中央に、開口部が設けられる代わりに、外周部よりも薄く形成される薄肉部を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の排気ガス黒煙回収装置。
  7. 前記第二のフィルタは、前記本体又は前記フィルタ保持具の前記内壁面との間に前記通気口を形成する代わりに、その側面が前記内壁面に略内接するように前記本体又は前記フィルタ保持具の内部に取りつけられるとともに、外周部が中央よりも薄く形成される薄肉部であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の排気ガス黒煙回収装置。




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