JP2008095117A - 高分岐かつ高分子量のグリコーゲン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重量平均分子量が100万Da以上のグリコーゲンが提供される。このグリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量は50万Da以上であり、かつ、このグリコーゲンに300U/g基質のα−アミラーゼを37℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量は50万Da以上である。
【選択図】図2
Description
:微生物感染症治療剤、保湿剤(例えば、皮膚の保湿性向上に有効な化粧料、口唇の荒れを防ぐ口唇用化粧料)、複合調味料(例えば、ホタテ貝柱の味を有する複合調味料)、抗腫瘍剤、発酵乳の生成促進剤、コロイド粒子凝集体、毛髪の櫛通り性および毛髪のツヤに影響する毛髪表面の耐摩耗性を改善する物質、細胞賦活剤(表皮細胞賦活剤、線維芽細胞増殖剤など)、ATP産生促進剤、しわなどの皮膚の老化症状改善剤、肌荒れ改善剤、蛍光体粒子表面処理剤、環状四糖(CTS;cyclo{→6)−α−D−glcp-(1
→3)−α−D−glcp−(1→6)−α−D−glcp−(1→3)−α−D−glcp−(1→})の合成の際の基質。グリコーゲンは、皮膚外用剤(例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、養毛剤、育毛剤、パック、口紅、リップクリーム、メイクアップベースローション、メイクアップベースクリーム、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、シャンプー、リンス、ヘアーリキッド、ヘアートニック、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー、トリートメント、浴用剤、ハンドクリーム、レッグクリーム、ネッククリーム、ボディローションなど)中、眼用溶液中などで用いられ得る。
ゴ糖に作用させることにより、およびグリコーゲン合成酵素(またはデンプン合成酵素)とともにUDP−グルコース(またはADP−グルコース)に作用させることにより、天然グリコーゲンと類似の構造と性質を持つグリコーゲンを合成できることは知られている。しかし、α−グルカンホスホリラーゼは試薬として販売されているが、きわめて高価である。またグリコーゲン合成酵素、デンプン合成酵素の入手は困難である。さらに、グルコース−1−リン酸、UDP−グルコース、ADP−グルコースは極めて高価である。これらのことから、この方法では、グリコーゲンを多量にかつ安価に提供するという課題は達成できなかった。
であるため、その分子量は数平均分子量(Mn)もしくは重量平均分子量(Mw)で評価する。Mnは、その系の全質量を、その系に含まれる分子の個数で割ったものである。すなわち数分率による平均である。一方、Mwは重量分率による平均である。完全に均一な物質であれば、Mw=Mnとなるが、高分子は一般に分子量分布を有するためMw>Mnとなる。したがって、Mw/Mnが1より大きいほど、分子量の不均一度が大きい(分子量分布が広い)ということになる。
を得た例は存在しない。また、アミロペクチンにBEを作用させた場合に得られる高分子量α−グルカンは、非特許文献17にあるように、アミロペクチンの基本構造に枝が増えたようなものであると考えられており、グリコーゲン(球状の構造を有する)は合成されていなかったと言える。例えば、非特許文献1および非特許文献2には、Neurospora crassa由来のBEをアミロペクチンまたはアミロースに作用させて、これらを6グルコース単位の単位鎖からなる高分岐グリコーゲン様分子に変換させたことが記載されている。しかし、「グリコーゲン様」とは、ヨウ素による呈色度がグリコーゲンに似たものとなったということを示しているにすぎない。ここで基質として用いられたアミロースは、数平均重合度15、22または130であり、それぞれ、Mnは約2430、約3600および約21000である。特に、非特許文献2は、N.crassa由来のBEが、平均重合度15あるいは22の短鎖長のアミロースに作用できること、植物起源のBEでは作用しうる最小の重合度が30〜40以上であることを記載している。非特許文献2はまた、N.crassa由来のBEが、12残基以上のグルコース鎖に対して作用し、六糖を最小単位として転移反応を行うことが示唆されたと記載している。非特許文
献1のFig.1と2、および非特許文献2のFig.3および4からわかるように、N.crassa由来のBEをアミロペクチンおよびアミロースに作用させると、これらの基質の分子量は変化しなかった。さらに、非特許文献1のFig.4と5および非特許文献2のFig.5と6からは、基質分子よりも若干大きな分子と、若干小さな分子が得られたことが示されており、大幅な高分子化は観察されなかった。
and Biotransformation 21巻,167−172頁によれば、Mw/Mn=1.005〜1.006である。また、メーカーである(株)アジノキのパンフレットによるとMw/Mn<1.1である。したがって、ここで用いられた酵素合成アミロースのMnは、約252,000〜302,000である。そのため、酵素合成アミロースのおよそのMnは、Mwを1.1で割り算することにより概算できる。
れも触媒され、結果的にどのような大きさのアミロースからも、同じサイズのグルカンが得られたことを記載しているものである。アミロースから分子量100万以上の高分子グルカンが得られるためには、圧倒的な高頻度でAの分子間枝作り反応が触媒される必要が
あり、さらに、生じた分子のうち、大きい方の分子は、さらに高分子化し続ける方向の反応を受ける必要がある。これは従来のBEの触媒メカニズムからは全く予想されず、それを示唆する結果も全く得られていなかった。
coliからなる群より選択される細菌に由来し得る。
ilus、Bacillus caldovelox、Bacillus thermocatenulatus、Bacillus caldolyticusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来し得る。
本発明の1つの実施形態では、重量平均分子量が100万Da以上のグリコーゲンであって、該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα−アミラーゼを37℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上である、グリコーゲンが提供される。
また、本発明の好ましい実施形態では、以下の製造方法が提供される。
(1)グリコーゲンの製造方法であって、グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムを溶液中で基質に作用させて、グリコーゲンを生産する工程を包含し、該基質が、主にα−1,4−グルコシド結合で連結された重合度4以上のα−グルカンであり、該基質が、澱粉枝切り物、デキストリン枝切り物または酵素合成アミロースであり、反応開始前の該溶液中の糖の数平均分子量が180より大きく150,000以下であり、該グリコーゲンの重量平均分子量が100万Da以上であり、該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα−アミラーゼを37℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、該方法においては、α−グルカンホスホリラーゼまたはグリコーゲン合成酵素のいずれも使用せず、該ブランチングエンザイムのブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下であり、ただし、該ブランチングエンザイムが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号14または配列番号18のいずれのアミノ酸配列も有さない、方法。
(2)前記ブランチングエンザイムのブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、35以上466以下である、上記項1に記載の方法。
(3)前記ブランチングエンザイムが、耐熱性ブランチングエンザイムである、上記項1に記載の方法。
(4)前記ブランチングエンザイムが、好熱性菌または中温性菌由来である、上記項1に記載の方法。
(5)前記ブランチングエンザイムが、Aquifex aeolicus、Rhodothermus obamensis、Bacillus stearothermophilus、Bacillus caldovelox、Bacillus caldolyticusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来する、上記項1に記載の方法。
(6)前記ブランチングエンザイムが、Aquifex aeolicus VF5株、Rhodothermus obamensis JCM9785株、Bacillus stearothermophilus TRBE14株、Bacillus caldovelox IFO15315株、Bacillus caldolyticus IFO15313株およびEscherichia coli W3110株からなる群より選択される細菌株に由来する、上記項1に記載の方法。
(7)前記ブランチングエンザイムの反応至適温度が、45℃以上90℃以下である、上記項1に記載の方法。
(8)前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、180より大きく4,000未満である、上記項1に記載の方法。
(9)前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、4,000以上8,000未満であり、前記ブランチングエンザイムの使用量と反応時間との積が25,000U・時間/g基質以上になるように該ブランチングエンザイムの使用量と反応時間とを調整する、上記項1に記載の方法。
(10)前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、8,000以上100,000未満であり、前記ブランチングエンザイムの使用量と反応時間との積が40,000U・時間/g基質以上になるように該ブランチングエンザイムの使用量と反応時間とを調整する、上記項1に記載の方法。
(11)前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、100,000以上150,000以下であり、前記ブランチングエンザイムの使用量と反応時間との積が150,000U・時間/g基質以上になるように該ブランチングエンザイムの使用量と反応時間とを調整する、上記項1に記載の方法。
(12)数平均分子量が180より大きく1,500未満のα−グルカンに4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させることにより、前記基質を生産する工程をさらに包含する、上記項1に記載の方法。
(13)前記4−α−グルカノトランスフェラーゼが、Thermus aquaticus由来のアミロマルターゼである、上記項12に記載の方法。
(14)前記数平均分子量が180より大きく1,500未満のα−グルカンが、重合度4〜7のマルトオリゴ糖を含む、上記項12に記載の方法。
(15)数平均分子量500以上の低分岐α−グルカンに枝切り酵素を作用させることにより、前記基質を生産する工程をさらに包含し、該低分岐α−グルカンでは、α−1,6−グルコシド結合の数を1としたときのα−1,4−グルコシド結合の数が、10〜10000である、上記項1に記載の方法。
(16)4−α−グルカノトランスフェラーゼが前記ブランチングエンザイムと共存する、上記項1に記載の方法。
(17)前記4−α−グルカノトランスフェラーゼが、Thermus aquaticus由来のアミロマルターゼである、上記16に記載の方法。
(18)前記ブランチングエンザイムが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号14または配列番号18のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも65%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつグリコーゲン合成能力を有し、かつブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下である、上記項1に記載の方法。
(19)前記ブランチングエンザイムが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号14または配列番号18のいずれかのアミノ酸配列に対して1または数個のアミノ酸の欠失、置換または挿入を有するアミノ酸配列を有し、かつグリコーゲン合成能力を有し、かつブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下である、上記項1に記載の方法。
(20)前記ブランチングエンザイムが、配列表の配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号13または配列番号17のいずれかの塩基配列からなる核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子によってコードされ、かつグリコーゲン合成能力を有し、かつブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下である、上記項1に記載の方法。
配列番号2:Aquifex aeolicus VF5の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号3:Rhodothermus obamensis JCM9785の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号4:Rhodothermus obamensis JCM9785の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号5:Bacillus stearothermophilus TRBE14の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号6:Bacillus stearothermophilus TRBE14の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号7:Bacillus stearothermophilus 1503−4R var.4の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号8:Bacillus stearothermophilus 1503−4R var.4の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号9:Bacillus caldovelox IFO15315の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号10:Bacillus caldovelox IFO15315の天然の
BEのアミノ酸配列;
配列番号11:Bacillus thermocatenulatusの天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号12:Bacillus thermocatenulatusの天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号13:Bacillus caldolyticus IFO15313の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号14:Bacillus caldolyticus IFO15313の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号15:Thermosynechococcus elongatus BP−1の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号16:Thermosynechococcus elongatus BP−1の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号17:Escherichia coli W3110の天然のBEをコードする塩基配列;
配列番号18:Escherichia coli W3110の天然のBEのアミノ酸配列;
配列番号19:Thermus aquaticus由来のTaq MalQをコードする塩基配列;
配列番号20:Thermus aquaticus由来のTaq MalQのアミノ酸配列;
配列番号21:プライマーECBEN−NCOの配列;
配列番号22:プライマーECBEC−HINの配列;
配列番号23:プライマーROBEN−ECOの配列;
配列番号24:プライマーROBEC−PSTの配列。
量をいう。
「グリコーゲン合成能力を有するブランチングエンザイム」とは、BEのうちの、グリコーゲンを合成する能力を有するものをいう。あるBEが、グリコーゲン合成能力を有するか否かは、当該分野で公知の方法によって決定され得る。すなわち、例えば、アミロースにBEを作用させ、その後、その溶液中に分子量が100万Da以上である高分子α-
グルカンが生成したか否かを調べることならびに生成した高分子α−グルカンのプルラナーゼ分解耐性およびα−アミラーゼ分解耐性を決定することにより、決定され得る。溶液中に高分子α-グルカンが存在するか否かは、非特許文献8に記載される、多角度光散乱
検出器と、示差屈折計を検出器として併用したHPLCゲルろ過分析法によって決定され得る。プルラナーゼ分解耐性は、評価例1の方法に準じて決定され得る。α−アミラーゼ分解耐性は、評価例2の方法に準じて決定され得る。
={(対照液660nm吸光度−サンプル液660nm吸光度)/対照液660nm吸光度}×100/10×20。
aに低下させるのに必要な酵素量と定義する。
約5以上または約10以上であり得る。
BEによる高分子α−グルカン合成が起こるためには、図1に示した、分子間枝作り反応が環状化反応および分子内枝作り反応に比べて高頻度で起こる必要がある。高頻度の分子間枝作り反応は、低分子アミロースを基質とすることで達成される。さらに、この高頻度の分子間枝作り反応に加えて、分岐分子が優先して基質として使用され続ける必要がある。そして、分岐分子は大きな構造単位を保持したままでBEの作用を受けなければならない。このことを反応モデルによって説明する(図11A)。まず、アミロース二分子から、一個のα−1,6−結合を持つ分子が生じる。生じた分子がさらに基質として使用され、二個のα−1,6−結合を持つ分子が生じる。さらにこの生じた分岐分子が優先的に
基質として使用されていくことによって、少数の高分子α−グルカン分子と多数の低分子が生じる。
rothermophilus、Bacillus caldovelox、Bacillus thermocatenulatus、Bacillus caldolyticus、Bacillus flavothermus、Bacillus acidocaldarius、Bacillus caldotenax、Bacillus smithii、Thermosynechococcus elongatusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来し、さらにより好ましくは、Aquifex aeolicus、Rhodothermus obamensis、Bacillus stearothermophilus、Bacillus caldovelox、Bacillus thermocatenulatus、Bacillus caldolyticusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来する。なお、最近では、好熱性のBacillus属細菌は、Geobacillus属細菌と記載されることも多い。例えば、Bacillus stearothermophilusは、Geobacillus stearothermophilusと同一の細菌を指す。
aeolicus VF5由来の天然のBEをコードする塩基配列のクローニング方法は、非特許文献8およびvan der Maarel, M. J. E. C.ら、Biocatalysis and Biotransformation、2003、21巻、p199−207に記載される。Aquifex aeolicus由来のBEは、種々のMnの基質からグリコーゲンを極めて良好に製造するという特性を有する。
番号8に示す。Bacillus stearothermophilus 1503−4R var.4由来の天然のBEをコードする塩基配列のクローニング方法は、Kiel,J.A.K.W.ら,Mol.Gen.Genet.,1991.230:p.136−144およびEP0418945B1に記載される。配列番号7の1〜3位のTTGは開始コドンとして作用し、メチオニンに翻訳される。配列番号7の塩基配列を有する核酸分子を用いて他の生物においてBEを発現させる場合、一般に、1位のTはAに置換される。
、所望の性質を有するBEを容易に選択することができる。あるいは、目的とするBEをコードする遺伝子を直接化学合成してもよい。そのような化学合成の方法は、当該分野において周知である。
挙げられるがこれらに限定されない:アルギニンおよびリジン;グルタミン酸およびアスパラギン酸;セリンおよびスレオニン;グルタミンおよびアスパラギン;ならびにバリン、ロイシン、およびイソロイシン。
Laboratories、Detroit,Mich.,USA)、0.5% Bacto−YeastExtract(Difco)、0.5% NaCl、pH7.3))中に接種し、振盪させながら約50℃〜約60℃で一晩培養する。次いで、この培養液を遠心分離して、菌体を収集する。得られた菌体を、20mM Tris−塩酸緩衝液(pH7.0)中に懸濁し、次いで超音波処理により破砕し、菌体破砕液を得る。この菌体破砕液を、約60℃の水浴中で約30分間加熱する。加熱後、この菌体破砕液を、遠心機(ベックマン社製、AVANTI J−25I)を用いて遠心分離し、不溶性のタンパク質などを除去し、上清を得る。得られた上清を、あらかじめ平衡化しておいた陰イオン交換樹脂Q−Sepharoseに流してBEを樹脂に吸着させる。樹脂を、100mM塩化ナトリウムを含む緩衝液で洗浄して不純物を除去する。続いて、400mM塩化ナトリウムを含む緩衝液でBEを溶出させ、Bacillus stearothermophilus TRBE14由来BE酵素液とする。さらなる精製を必要とする場合、必要に応じて、Sephacryl S−200HR(ファルマシア社製)などを用いたゲルフィルトレーションクロマトグラフィーによる分画、Phenyl−TOYOPEARL 650M(東ソー社製)などを用いた疎水クロマトグラフィーによる分画を組み合わせることにより、精製Bacillus stearothermophilus TRBE14由来BE含有溶液を得ることができる。他の細菌種からのBEの精製も同様に行い得る。
1985);Oligonucleotide Synthesis (M.J.Gait編 1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins編 1984)を参照のこと。
該分野で公知である。
Spacies J.Biochem.92:1173−1177)。本明細書では配列の同一性は、GENETYX−WIN Ver.4.0のマキシマムマッチングをMatches=−1;Mismatches=1;Gaps=1;*N+=2の条件で用いて算出される。
400および0.2%ポリビニルピロリドン)、10%硫酸デキストラン、および20μg/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中での65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC(saline−sodium citrate)溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM 塩化ナトリウム、15mM クエン酸ナトリウムである)を用い、65℃条件下でフィルターを洗浄するという条件を用いることにより同定できるポリヌクレオチドを意味する。
ドする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUはすべて、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、GCAコドンによってアラニンが特定される全ての位置で、そのコドンは、コードされたアラニンを変更することなく、GCC、GCGまたはGCUに変更され得る。同様に、複数のコドンによってコードされ得るアミノ酸に関しては、コドンによってそのアミノ酸が特定される全ての位置で、そのコドンは、コードされた特定のアミノ酸を変更することなく、そのアミノ酸をコードする任意の別のコドンに変更され得る。このような塩基配列の変動は、保存的に改変された変異の1つの種である「サイレント変異」である。ポリペプチドをコードする本明細書中のすべての塩基配列はまた、その核酸の可能なすべてのサイレント変異を包含する。サイレント変異は、コードするアミノ酸が変化しない「サイレント置換」と、そもそも核酸がアミノ酸をコードしない場合(例えば、イントロン部分での変異、他の非翻訳領域での変異など)を包含する。ある核酸がアミノ酸をコードする場合、サイレント変異は、サイレント置換と同義である。本明細書において「サイレント置換」とは、塩基配列において、あるアミノ酸をコードする塩基配列を、同じアミノ酸をコードする別の塩基配列に置換することをいう。遺伝コード上の縮重という現象に基づき、あるアミノ酸をコードする塩基配列が複数ある場合(例えば、グリシンなど)、このようなサイレント置換が可能である。したがって、サイレント置換により生成した塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドは、もとのポリペプチドと同じアミノ酸配列を有する。当該分野において、核酸中の各コドン(通常メチオニンをコードする唯一のコドンであるAUG、および通常トリプトファンをコードする唯一のコドンであるTGGを除く)が、機能的に同一な分子を産生するために改変され得ることが理解される。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載された各配列において暗黙に含まれる。好ましくは、そのような改変は、ポリペプチドの高次構造に多大な影響を与えるアミノ酸であるシステインの置換を回避するようになされ得る。
しいリーディングフレームで結合される。特定の生物(例えば、細菌)に導入するために使用される発現ベクターのタイプ、その発現ベクター中で使用される調節エレメントおよび他の因子の種類が、目的の細胞に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
物細胞であってもよいが、植物、動物などの細胞であってもよい。用いる細胞によっては、本発明の酵素は、翻訳後プロセシングを受けたものであり得る。
Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997などに記載される。
本発明では、主にα−1,4−グルコシド結合で連結された重合度4以上のα−グルカンが、基質として用いられる。
糖の数平均分子量は、例えば、約190以上、約195以上、約200以上、約250以上、約300以上、約350以上、約400以上、約450以上、約500以上、約550以上、約600以上、約650以上、約700以上、約750以上、約800以上、約850以上、約900以上、約950以上、約1000以上、約1,000以上、約1,500以上、約2,000以上、約2,500以上などであってもよい。グルコース(分子量180)または重合度3以下のα−グルカンはBEの基質とはなり得ないが、重合度4以上のα−グルカンは基質となり得る。少量の基質(例えば、重合度4)に多量のグルコースを添加すると、その混合物のMnは180に近づく。反応開始前の溶液中の糖のMnが180付近であっても、重合度4以上のα−グルカンが存在すれば反応は生じる。それゆえ、反応開始前の溶液中の糖のMnが180付近であっても、重合度4以上のα−グルカンを含めば、反応に使用することができる。
(i.4−α−グルカノトランスフェラーゼ)
本発明の製造方法は、反応開始前の溶液中の糖のMnが180より大きく1,500未満の溶液中で、重合度2以上のα−グルカンに4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させることにより、前記基質を生産する工程をさらに包含し得る。
糖の重合度の不均一化をもたらす。供与体分子と受容体分子とが同一の場合は、分子内転移が生じ、その結果、環状構造をもつ生成物が得られる。4−α−グルカノトランスフェラーゼは、その一次構造から6つのタイプに分類されている(TypeI、II、III、IV、V、およびOthers)(Takaha,T.およびSmith,S.M.Biotechnol.Genet. Eng. Rev. 16巻 p257−280(199
9)。TypeIは、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(以下、CGTa
seという)と呼ばれている(EC2.4.1.19)。TypeIIは、ディスプロポ
ーショネーティングエンザイム、D−酵素、アミロマルターゼ、不均化酵素などとも呼ばれる酵素である(EC 2.4.1.25)(以下、MalQと呼ぶ)。TypeIIIは、Glycogen Debranching Enzymeという、4−α−グルカノトランスフェラーゼ活性とアミロ1,6グルコシダーゼ活性を併せ持つ酵素である(EC 3.2.1.33+EC 2.4.1.25)。TypeIVおよびVには、超好熱性菌由来の4−α−グルカノトランスフェラーゼが分類されている。Othersには、一次構造情報は得られていないが、4−α−グルカノトランスフェラーゼ活性は報告されているいくつかの酵素が分類されている。4−α−グルカノトランスフェラーゼ活性は、Teradaら(Applied and Environmental Microbiology,65巻,910〜915頁(1999))に基づいて決定され得る。4−α−グルカノトランスフェラーゼの性質に従って、測定時の反応温度、反応pHなどを調整し得る。
macerans由来のCGTase(商品名:コンチザイム、天野製薬株式会社、名
古屋)、あるいはAlkalophilic Bacillus sp. A2−5a由来のCGTaseが用いられ得る。より好適には、Alkalophilic Bacillus sp. A2−5a由来のCGTaseが用いられ得る。Alkalophilic Bacillus sp. A2−5aは、特開平7−107972号に開示されているアルカリ域で高い活性を有するCGTaseを産生する株であり、出願人によって、工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号(FERM P−13864)として寄託されている。CGTaseを産生する生物はこれらに限定されない。CGTaseは、市販のものであっても、当該分野で公知の方法によりこれらの生物から調製されてもよく、またはこれらの生物のCGTase遺伝子を用いて遺伝子組換え法により調製されてもよい。当該分野で公知の任意のCGTaseが使用され得る。本発明の製造方法では、CGTase以外の4−α−グルカノトランスフェラーゼを用いることが好ましい。CGTase以外の4−α−グルカノトランスフェラーゼをBEと共存させると、CGTaseをBEと共存させた場合よりも顕著にグリコーゲンの収率が向上する。
Mnが180より大きく1,500未満のα−グルカンが単独の物質である場合、例としては、重合度2〜9のマルトオリゴ糖が挙げられる。好ましくは、重合度3〜8のマルトオリゴ糖であり、より好ましくは重合度3〜7のマルトオリゴ糖であり、さらにより好ましくは重合度4〜6のマルトオリゴ糖であり、特に好ましくは重合度4〜5のマルトオリゴ糖であり、最も好ましくは重合度4のマルトオリゴ糖である。
本発明の製造方法は、Mn500以上の低分岐α−グルカンに枝切り酵素を作用させることにより、上記基質を生産する工程をさらに包含し得る。枝切り酵素とは、α−1,6−グルコシド結合を切断し得る酵素である。枝切り酵素は、アミロペクチンおよびグリコーゲンにともによく作用するイソアミラーゼ(EC 3.2.1.68)と、プルランによく作用するα−デキストリンエンド−1,6−α−グルコシダーゼ(プルラナーゼともいう)(EC 3.2.1.41)との2つに分類される。イソアミラーゼおよびプルラナーゼのいずれも本発明の方法において用いられ得る。枝切り酵素は、澱粉のような安価な材料から、主にα−1,4−グルコシド結合で連結された重合度4以上のα−グルカンを生成するために用いられ得る。枝切り酵素活性は、Yokobayashiら(Bio
chim.Biophys.Acta,vol.212,p458−469(1970))に
基づいて決定され得る。枝切り酵素の性質に従って、測定時の反応温度、反応pHなどを調整し得る。
物の例としては、Saccharomyces cerevisiae、Chlamydomonas sp.が挙げられる。枝切り酵素を産生する原核生物の例としては、Bacillus brevis、Bacillus acidopullulyticus、Bacillus macerans、Bacillus stearothermophilus、Bacillus circulans、Thermus aquaticus、Klebsiella pneumoniae、Thermoactinomyces thalpophilus、Thermoanaerobacter ethanolicus、Pseudomonas amyloderamosa、Flavobacteriumodoratum、Falvobacterium sp.、Cytophaga sp.、Escherichia coli、Sulfolobus acidocaldarius、Sulfolobus tokodaii、Sulfolobus solfataricus、Metallosphaera hakonensisなどが挙げられる。枝切り酵素を産生する植物の例としては、馬鈴薯、サツマイモ、トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、オートムギ、サトウダイコンなどが挙げられる。枝切り酵素を産生する生物はこれらに限定されない。枝切り酵素は、市販のものであっても、当該分野で公知の方法によりこれらの生物から調製されてもよく、またはこれらの生物の枝切り酵素遺伝子を用いて遺伝子組換え法により調製されてもよい。当該分野で公知の任意の枝切り酵素が使用され得る。
Mn500以上の低分岐α−グルカンは、天然に存在するα−グルカンであり得る。本明細書中では、「低分岐」とは、分岐の頻度が低いことをいう。低分岐α−グルカンは、分岐を含まなくてもよい。低分岐α−グルカンでは、好ましくは、α−1,6−グルコシド結合の数を1としたときのα−1,4−グルコシド結合の数が、好ましくは約10〜約10000であり、より好ましくは約10〜約5000であり、さらに好ましくは約15〜約1000であり、さらに好ましくは約20〜約600である。Mn約500以上の低分岐α−グルカンの例としては、澱粉、アミロース、アミロペクチンおよびこれらの誘導体あるいは部分分解物が挙げられる。澱粉の例としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、くず澱粉などの地下澱粉;コーンスターチ(ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチなど)、小麦澱粉、米澱粉(例えば、もち米澱粉、粳米澱粉)、サゴ澱粉、豆澱粉などの地上澱粉が挙げられる。アミロースの例としては、これらの澱粉から単離されたアミロースが挙げられる。アミロペクチンとしては、これらの澱粉から単離されたアミロペクチンが挙げられる。Mn500以上の低分岐α−グルカンは、当該分野で公知であり、容易に入手され得る。
本発明の製造方法では、例えば、グリコーゲン合成能力を有するBEと、基質(すなわち、主にα−1,4−グルコシド結合で連結された重合度4以上のα−グルカン)と、緩衝剤と、それを溶かしている溶媒とを主な材料として用いる。これらの材料は通常、反応開始時に全て添加されるが、反応の途中でこれらのうちの任意の材料を追加してもよい。上記のように、本発明の製造方法では、必要に応じて、Mnが180より大きく1,500未満のα−グルカンおよび4−α−グルカノトランスフェラーゼを用いることができる。本発明の製造方法ではまた、Mn500以上の低分岐α−グルカンおよび枝切り酵素を用いることができる。
ずれも使用しないことが好ましい。
ーゲンのMwは、例えば、以下の方法で測定され得る。
本発明の方法によって製造されたグリコーゲンは、従来のグリコーゲンと同様に、免疫賦活剤、健康食品素材、化粧品素材、食品素材(調味料)、その他産業用素材としての用途に利用され得る。
58−469(1970))に基づいて決定した。Thermus aquaticus
由来のMalQ(TaqMalQ)を4−α−グルカノトランスフェラーゼとして用いた。4−α−グルカノトランスフェラーゼの酵素活性を、Teradaら(Applied
and Environmental Microbiology,65巻,910〜915頁(1999))に基づいて決定した。
(A)Aquifex aeolicus VF5 BE遺伝子の作製
配列番号2のアミノ酸配列をコードする遺伝子(配列番号1)の化学的合成を行った。遺伝子の翻訳開始コドン上流にはSD配列を付与し、さらにその上流にBamHIサイトを設けた。また、翻訳停止コドン下流にはEcoRIサイトを設けた。この合成遺伝子をBamHIとEcoRIで切断して遺伝子断片を作製し、T4−DNAリガーゼを用いて、BamHIおよびEcoRIで切断したプラスミドpUC19(宝酒造株式会社製)に連結することにより、プラスミドpAQBE1を得た。
このプラスミドで、大腸菌TG−1を形質転換し、形質転換体をアンピシリン含有LB寒天培地(100μg/mlアンピシリン、Difco製トリプトン1%、Difco製酵母エキス0.5%、NaCl 0.5%、寒天 1.5%、pH 7.3)に独立したコロニーが得られるように希釈して塗布し、37℃で一晩培養した。このアンピシリン含有LB寒天培地で増殖した大腸菌は、導入したプラスミドを保有する。このようにして、BEを発現する大腸菌が作製できた。
非特許文献12に示されたプラスミドpUBE821を保持する大腸菌TG−1株より、同文献に示された方法によりBacillus stearothermophilus TRBE 14由来のBEを組換え生産した。
Teradaら(Applied and Environmental Micro
biology,65巻,910〜915頁(1999))に示されたプラスミドpFGQ8を保持する大腸菌MC1061株より、同文献に示された方法によりTaqMalQを組換え生産した。
(手順)
以下のプライマーを用いて、大腸菌W3110株染色体DNAを鋳型として大腸菌BE遺伝子を増幅した。このプライマーは、以下の文献を参考にして、大腸菌BE構造遺伝子全長が増幅されるようにデザインした:Hilden,I.ら(2000)Eur J Biochem 267,2150−2155。設計したプライマー配列を以下の表1Aに示す。
アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)またはアミロースAS10(
(株)アジノキ製、Mw10,000、数平均としては9100)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、30℃で24時間反応させた。反応液組成:大腸菌由来BE40,000U/g基質、基質濃度0.5重量%、リン酸カリウム濃度 20mM、pH 7.5。反応液中に合成されたグルカンの平均分子量および収率を、MALLS法により調べた。結果を以下の表1Bに示す。
Rhodothermus obamensis JCM9785は、独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンターより分譲を受けた。この株をMarine Broth 2216(Difco製)を用いて70℃で液体培養し、得られた菌体から染色体DNAを抽出した。
プライマー1(10pmol/μL) 3μL
プライマー2(10pmol/μL) 3μL
×10 KOD−Plus Buffer 10μL
2mM dNTP 10μL
25mM MgSO4 4μL
KOD−Plus 2μL
蒸留水(DW) 70μL
条件:94℃で2分間の加熱後、94℃で0.25分間、55℃で0.5分間、68℃で2.5分間のサイクルを30回。
離し、得られたプラスミドをpRBE1と命名した。
トラマメ(Kidney bean;Phaseolus vulugaris L.)由来BEとしては、下記文献に記載されているKBE2を用いた:Nozaki,K.ら(2001)Biosci. Biotechnol. Biochem. 65,1141−1148。
アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)またはアミロースAS10((株)アジノキ製、Mw10,000、数平均としては9100)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、30℃で24時間反応させた。反応液組成:KBE2量40,000U/g基質、基質濃度0.5重量%、リン酸カリウム濃度20mM、pH 7.5。反応液
中に合成されたグルカンの平均分子量および収率を、MALLS法により調べた。結果を以下の表1Dに示す。
Aquifex aeolicus由来のBEをコードする遺伝子の代わりにBacillus caldovelox由来のBEをコードする遺伝子(配列番号9)を用いたこと、および加熱処理温度を60℃としたこと以外は製造例1と同様の方法でBacillus caldovelox由来のBEを組換え生産した。
Aquifex aeolicus由来のBEをコードする遺伝子の代わりにBaci
llus caldolyticus由来のBEをコードする遺伝子(配列番号13)を用いたこと、および加熱処理温度を60℃としたこと以外は製造例1と同様の方法でBacillus caldolyticus由来のBEを組換え生産した。
まず、50mgのワキシーコーンスターチ(WCS;三和澱粉製)に100μl 蒸留水を添加し、充分に攪拌した。次いで、900μl ジメチルスルホキシド(DMSO)を添加して、攪拌し、沸騰湯浴中で、20分間加熱した。8.9ml 蒸留水を添加してよく撹拌し、沸騰湯浴中で、さらに10分間加熱した。この溶液に、100μlの1M リン酸緩衝液(pH7.5)を添加して攪拌し、基質液とした。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、製造例2で生産したBacillus stearothermophilus由来BEを用い、反応温度を50℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、BE活性/低分子化活性は、270であった。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、製造例5で生産したRhodothermus obamensis由来BEを用い、反応温度を65℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、B
E活性/低分子化活性は、35であった。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、製造例4で生産した大腸菌由来BEを用い、反応温度を30℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、BE活性/低分子化活性は、273であった。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、非特許文献9に記載の方法に従って製造したBacillus cereus由来BEを用い、反応温度を30℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、BE活性/低分子化活性は、1086であった。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、製造例6にトラマメ由来BEを用い、反応温度を30℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、BE活性/低分子化活性は、130069であった。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、製造例7で生産したBacillus caldovelox由来BEを用い、反応温度を50℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、BE活性/低分子化活性は、466であった。
Aquifex aeolicus VF5由来BEの代わりに、製造例8で生産したBacillus caldolyticus由来BEを用い、反応温度を50℃としたこと以外は測定例1と同様にして、BE活性/低分子化活性を決定した。この結果、BE活性/低分子化活性は、402であった。
製造されたグルカンのMwをMALLS法によって以下の通りに測定した。カラムとし
てShodex OH−Pack SB806MHQ(内径8mm、長さ300mm、昭和電工製)を用い、ガードカラムとしてShodex OH−Pack SB−G(内径6mm、長さ50mm、昭和電工製)を用い、検出器としては多角度光散乱検出器(DAWN−DSP、Wyatt Technology社製)および示差屈折計(Shodex RI−71、昭和電工製)をこの順序で連結して用いた。カラムを40℃に保ち、溶離液としては0.1M硝酸ナトリウム溶液を流速1mL/分で用いた。分子量が約1万以上のα−グルカンは、Shodex製のプルランP−50(GFC(水系GPC)用標準試料STANDARD P−82に含まれている)のピーク頂点が、9.3分になるように配管を調整した上記HPLCシステムにおいて、11分より前に溶出された。具体的には、シグナルの出始めの位置から11分までに溶出される示差屈折計と多角度光散乱検出器の両シグナルを含むように、ピークとしてとり、それらのシグナルを、データ解析ソフトウェア(商品名ASTRA、Wyatt Technology社製)を用いて収集し、同ソフトを用いて解析することにより、Mwを求めた。このような条件下では、分子量約1万以下のグルカンを除外している。グルカンのdn/dc(固有屈折率増分)として、0.145mL/gを用いた。
収率(%)={(溶出した高分子グルカンの量(g))÷(基質濃度(g/mL)×HPLCにロードした容積)(mL)}×100
分子量100万以上の高分子グルカンの量を用いることにより、グリコーゲンの収率を求めることができる。
(1−1:アミロースAからの製造)
アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、70℃で17時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicus由来BE量 10000、20000または40000U/g基質、基質濃度 2重量%、リン酸カリウム濃度 20mM、pH7.5。
基質として、アミロースAS−5、AS−10、AS−30、AS−70、またはAS−110(いずれも、(株)アジノキ製;それぞれ、Mw5000、10000、30000、70000、110000)を用いた。Mw/Mnはおよそ1.1であるので、Mnはそれぞれ4,500、9,100、27,000、64,000、100,000である。
水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、70℃で16時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicus由来BE量 10000U/g基質、基質濃度 2重量%、リン酸カリウム濃度 40mM、pH7.5。
基質として、アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、70℃で17時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicus由来BE量 10000または40000U/g基質、基質濃度2、4、8または12重量%、リン酸カリウム濃度 40mM、pH7.5。
(2−1:コーンスターチからのグリコーゲンの製造)
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)(2重量%)を水に懸濁し、100℃で30分間加熱することにより、コーンスターチを糊化した。それを40℃まで冷まし、イソアミラーゼ(IAMと略;5000または50000U/g基質;(株)林原生物化学研究所製)を添加して40℃で4時間、6時間、8時間、または20時間反応させ、アミロースを生成させた。その後、この溶液を5mM リン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整し、Aquifex aeolicus由来のBEを添加し、基質濃度2重量%、BE10000、20000、40000、または60000U/g基質とした後、55℃、65℃、70℃または75℃で20時間反応させた。
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)、ワキシーコーンスターチ(Roquette社製)、小麦澱粉(和光純薬工業(株)製)、馬鈴薯澱粉(和光純薬工業(株)製)、またはタピオカ澱粉(VEDAN ENTERPRISE Co.,Ltd製)(2重量%)を水に懸濁し、100℃で30分間加熱することにより、澱粉を糊化した。それを40℃まで冷まし、イソアミラーゼ(5000U/g基質;(株)林原生物化学研究所製)を添加して40℃で20時間反応させ、アミロースを生成させた。その後、この溶液を5mM リン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整し、Aquifex aeolicus由来のBEを添加し、基質濃度2重量%、BE20000U/g基質とした後、55℃、65℃または75℃で20時間反応させた。
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)(2重量%)を水に懸濁し、100℃で30分間加熱することにより、澱粉を糊化した。それを40℃まで冷まし、イソアミラーゼ(5000U/g基質;(株)林原生物化学研究所製)を添加して40℃で20時間反応させ、アミロースを生成させた。その後、この溶液を40mM リン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整し、Bacillus stearothermophilus由来のBEを添加し、基質濃度2重量%、BE20000U/g基質とした後、55℃で20時間反応させた。
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)(1重量%)を水に懸濁し、100℃で30分間加熱することにより、糊化した。それを65℃まで冷まし、イソアミラーゼ(500000U/g基質;(株)林原生物化学研究所製)およびAquifex aeolicus由来のBE(60000U/g基質)を添加し、この溶液を40mM リン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整し、65℃16時間反応させた。
(3−1:Aquifex aeolicus由来のBEおよびTaqMalQを用いたグリコーゲンの製造)
基質(マルトペンタオース(G5)、マルトヘキサオース(G6)、またはマルトヘプタオース(G7))を水に溶かし、水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、65℃で17時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicus由来BE量 40000、80000、または160000U/g基質、TaqMalQ量 10U/g基質、基質濃度 1%、リン酸カリウム濃度 10mM、pH7.5。
基質(マルトヘプタオース(G7))を水に溶かし、水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、50℃で17時間反応させた。反応液組成:Bacillus stearothermophilus由来BE量 160000U/g基質、TaqMalQ量 2.3U/g基質、基質濃度 0.5%、リン酸カリウム濃度 5mM、pH7.5。
アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、30℃で16時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicusまたはBacillus stearothermophilus由来BE量80,000U/g基質、基質濃度2重量%、リン酸カリウム濃度 20mM、pH 7.5。
アミロースAまたは、酵素合成アミロース(AS−10(Mw10000;Mn9100)またはAS−320(Mw320000;Mn290000))を、1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、30℃で24時間反応させた。反応液組成:B.cereus由来BE量40,000U/g基質、基質濃度0.5重量%、リン酸カリウム濃度 20mM
、pH 7.5。B.cereus由来BEは、非特許文献9に記載の方法に従って製造
した。
基質(マルトテトラオース(G4)、マルトペンタオース(G5)、マルトヘキサオース(G6)、またはマルトヘプタオース(G7))を水に溶かし、Aquifex aeolicus由来のBEを添加し、反応液を、以下の表7に示す基質濃度およびBE量とし、10mMリン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整した後、以下の表7に示す温度で、17時間反応させた。
。表7において、グリコーゲン収率(%)は、分子量100万以上のグルカン(すなわち、グリコーゲン)の収率を示す。
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)(2重量%)を水に懸濁し、100℃で30分間加熱することにより、コーンスターチを糊化した。それを60℃まで冷まし、プルラナーゼ(5U/g基質;大和化成(株)製クライスターゼ)を添加して60℃で20時間反応させ、アミロースを生成させ、その後、100℃で10分間加熱することにより、反応を停止した。その後、この溶液を10mM リン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整し、Aquifex aeolicus由来のBEを20000U/g基質となるように添加し、BE65℃で20時間反応させた。
従来の技術でBEをアミロースに作用させた場合に得られるα−グルカンは、プルラナーゼにより分解されやすいという点で、天然のグリコーゲンとは異なるということが報告されている(非特許文献10)。
N NaOHでpH7.5に調整し、Aquifex aeolicus由来のBEを20000U/g基質となるように添加した後、65℃で19時間反応させて重量平均分子量9719kDaのグリコーゲンを製造した。このグリコーゲン、牡蠣由来の試薬グリコーゲン(和光純薬工業(株)製)、ワキシーコーンスターチ(Roquette社製)またはコーンスターチ(和光純薬工業(株)製)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐにBacillus brevis由来のプルラナーゼ(大和化成(株)
製)を添加し、反応液を、基質濃度0.5重量%、プルラナーゼ(0、2、4、16、6
4、256U/g基質)とし、10mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)でp
H5.0に調整した後、60℃で30分間反応させた。
グリコーゲンは、プルラナーゼによってほとんど分解を受けないことが知られているが、本発明者らの実験により、α-アミラーゼによっても非常に分解されにくいことがわか
った。たとえば、ワキシーコーンスターチ、ノーマルコーンスターチは、300U/gのヒト唾液α−アミラーゼによって30分処理することにより、分子量1万以下にまで分解されたが、試薬のカキ由来グリコーゲンは同じ条件でほとんど分解を受けなかった。
アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)またはアミロースAS10((株)アジノキ製、Mw10,000、Mnとしては9100)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、70℃で24時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicus由来BE量34,000U/g基質、基質濃度0.5重量%、リン酸カリウム濃度
20mM、pH 7.5。この反応によって得られたグリコーゲンの収率(%)は、基質としてアミロースAを用いた場合、10.1%であり、基質としてアミロースAS10を用いた場合、59.0%であった。
て、室温で30秒間ボルテックスミキサーにより撹拌し、0.45μmのフィルターによって濾過した。濾液を、溶解したグリコーゲンの量をMALLS法によって算出した。
α−アミラーゼ耐性(%)={Mwα−アミラーゼ処理後÷Mw処理前}×100である。
(実施例7−1:アミロースAにTaqMalQおよびAquifex aeolicus由来のBEを作用させることによるグリコーゲンの製造)
アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、65℃で20時間反応させた。反応液組成:Aquifex aeolicus由来BE量5000または20000U/g基質、TaqMalQ量5、10、または20U/g基質、基質濃度 2重量%、リン酸カリウム濃度 20mM、pH 7.5。反
応条件および生成物の分析結果を以下の表10に示す。
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)(2重量%)を水に懸濁し、100℃で30分加
熱することにより、コーンスターチを糊化した。それを40℃まで冷まし、イソアミラーゼ((株)林原生物化学研究所製)5000U/g基質を添加して40℃で20時間反応させ、アミロースを生成させた。その後、この溶液を5mM リン酸カリウムバッファーでpH7.5に調整し、Aquifex aeolicus由来のBE(20000U/g基質)およびTaqMalQ(0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、または20U/g基質)を添加し、65℃で20時間反応させた。反応条件および生成物の分析結果を以下の表11に示す。
コーンスターチ(和光純薬工業(株)製)を6重量%になるように水に懸濁し、α-アミラ
ーゼ(大和化成(株)製)を用いて100℃でDE12まで液化させた。反応を停止後、イソアミラーゼ(5000U/g基質;(株)林原生物化学研究所製)を添加して40℃で20時間反応させ、枝きりした。枝切り物のMnは、約600であった。この溶液のpHを5mM リン酸カリウム緩衝液で7.5に調整し、Aquifex aeolicus由来のBE(5000U/g基質)およびTaqMalQ(1U/g基質)を添加した後、65℃で20時間反応させることにより、Mw11360kDaのグリコーゲンが得られた。
アミロースAおよびAS−10にRhodothermus obamensis由来のBEを作用させてグリコーゲンを製造した。詳細には、アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)、AS−10((株)アジノキ製、Mn9100)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、65℃で17時間反応させた。反応液組成:Rhodothermus obamensis由来BE量40,000U/g基質、基質濃度 2重量
%、酢酸ナトリウム濃度 40mM、pH 6.0。反応条件および生成物の分析結果を以下の表12に示す。
アミロースAおよびAS−10にBacillus caldovelox由来のBEを作用させてグリコーゲンを製造した。詳細には、アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)、AS−10((株)アジノキ製、Mn9100)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、55℃で16時間反応させた。反応液組成:Bacillus caldovelox由来BE量20,000U/g基質、基質濃度 2重量%、Tris
濃度 20mM、pH 7.0。反応条件および生成物の分析結果を以下の表13に示す。
アミロースAおよびAS−10にBacillus caldolyticus 由来のBEを作用させてグリコーゲンを製造した。詳細には、アミロースA(ナカライテスク(株)製、Mn2900)、AS−10((株)アジノキ製、Mn9100)を1N NaOHに溶かし、HClで中和した。その後、すぐに水、酵素液、緩衝液を以下の反応液組成となるように添加して、45℃で16時間反応させた。反応液組成:Bacillus caldolyticus由来BE量20,000U/g基質、基質濃度 2重量%
、Tris濃度 20mM、pH 7.0。反応条件および生成物の分析結果を以下の表14に示す。
向上に有効な化粧料、口唇の荒れを防ぐ口唇用化粧料)、複合調味料(例えば、ホタテ貝柱の味を有する複合調味料)、抗腫瘍剤、発酵乳の生成促進剤、コロイド粒子凝集体、毛髪の櫛通り性および毛髪のツヤに影響する毛髪表面の耐摩耗性を改善する物質、細胞賦活剤(表皮細胞賦活剤、線維芽細胞増殖剤など)、ATP産生促進剤、しわなどの皮膚の老化症状改善剤、肌荒れ改善剤、蛍光体粒子表面処理剤、環状四糖(CTS;cyclo{→6)−α−D−glcp−(1→3)−α−D−glcp−(1→6)−α−D−glcp−(1→3)−α−D−glcp−(1→})の合成の際の基質。本発明の方法によって製造されるグリコーゲンは、皮膚外用剤(例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、養毛剤、育毛剤、パック、口紅、リップクリーム、メイクアップベースローション、メイクアップベースクリーム、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、シャンプー、リンス、ヘアーリキッド、ヘアートニック、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー、トリートメント、浴用剤、ハンドクリーム、レッグクリーム、ネッククリーム、ボディローションなど)中、眼用溶液中などで用いられ得る。
Claims (21)
- 重量平均分子量が100万Da以上のグリコーゲンであって、
該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα−アミラーゼを37℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上である、グリコーゲン。 - 請求項1に記載のグリコーゲンの製造方法であって、
グリコーゲンを合成する能力を有するブランチングエンザイムを溶液中で基質に作用させて、グリコーゲンを生産する工程を包含し、
該基質が、主にα−1,4−グルコシド結合で連結された重合度4以上のα−グルカンであり、該基質が、澱粉枝切り物、デキストリン枝切り物または酵素合成アミロースであり、反応開始前の該溶液中の糖の数平均分子量が180より大きく150,000以下であり、該グリコーゲンの重量平均分子量が100万Da以上であり、
該グリコーゲンに50U/g基質のプルラナーゼを60℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、かつ該グリコーゲンに300U/g基質のα−アミラーゼを37℃で30分間作用させた場合に得られる生成物をMALLS法によって分析した場合の重量平均分子量が50万Da以上であり、
該方法においては、α−グルカンホスホリラーゼまたはグリコーゲン合成酵素のいずれも使用せず、該ブランチングエンザイムのブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下であり、ただし、該ブランチングエンザイムが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号14または配列番号18のいずれのアミノ酸配列も有さない、方法。 - 前記ブランチングエンザイムのブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、35以上466以下である、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、耐熱性ブランチングエンザイムである、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、好熱性菌または中温性菌由来である、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、Aquifex aeolicus、Rhodothermus obamensis、Bacillus stearothermophilus、Bacillus caldovelox、Bacillus caldolyticusおよびEscherichia coliからなる群より選択される細菌に由来する、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、Aquifex aeolicus VF5株、Rhodothermus obamensis JCM9785株、Bacillus stearothermophilus TRBE14株、Bacillus caldovelox IFO15315株、Bacillus caldolyticus IFO15313株およびEscherichia coli W3110株からなる群より選択される細菌株に由来する、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムの反応至適温度が、45℃以上90℃以下である、請求項2に記載の方法。
- 前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、180より大きく4,000未満である、請求項2に記載の方法。
- 前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、4,000以上8,000未満であり、前記ブランチングエンザイムの使用量と反応時間との積が25,000U・時間/g基質以上になるように該ブランチングエンザイムの使用量と反応時間とを調整する、請求項2に記載の方法。
- 前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、8,000以上100,000未満であり、前記ブランチングエンザイムの使用量と反応時間との積が40,000U・時間/g基質以上になるように該ブランチングエンザイムの使用量と反応時間とを調整する、請求項2に記載の方法。
- 前記反応開始前の溶液中の糖の数平均分子量が、100,000以上150,000以下であり、前記ブランチングエンザイムの使用量と反応時間との積が150,000U・時間/g基質以上になるように該ブランチングエンザイムの使用量と反応時間とを調整する、請求項2に記載の方法。
- 数平均分子量が180より大きく1,500未満のα−グルカンに4−α−グルカノトランスフェラーゼを作用させることにより、前記基質を生産する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
- 前記4−α−グルカノトランスフェラーゼが、Thermus aquaticus由来のアミロマルターゼである、請求項13に記載の方法。
- 前記数平均分子量が180より大きく1,500未満のα−グルカンが、重合度4〜7のマルトオリゴ糖を含む、請求項13に記載の方法。
- 数平均分子量500以上の低分岐α−グルカンに枝切り酵素を作用させることにより、前記基質を生産する工程をさらに包含し、該低分岐α−グルカンでは、α−1,6−グルコシド結合の数を1としたときのα−1,4−グルコシド結合の数が、10〜10000である、請求項2に記載の方法。
- 4−α−グルカノトランスフェラーゼが前記ブランチングエンザイムと共存する、請求項2に記載の方法。
- 前記4−α−グルカノトランスフェラーゼが、Thermus aquaticus由来のアミロマルターゼである、請求項17に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号14または配列番号18のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも65%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、かつグリコーゲン合成能力を有し、かつブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下である、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号10、配列番号14または配列番号18のいずれかのアミノ酸配列に対して1または数個のアミノ酸の欠失、置換または挿入を有するアミノ酸配列を有し、かつグリコーゲン合成能力を有し、かつブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下である、請求項2に記載の方法。
- 前記ブランチングエンザイムが、配列表の配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号9、配列番号13または配列番号17のいずれかの塩基配列からなる核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子によってコードされ、かつグリコーゲン合成能力を有し、かつブランチングエンザイム活性/アミロペクチン低分子化活性が、1以上466以下である、請求項2に記載の方法。
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