JP2008091577A - 洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄槽を薄型化することができ、これにより洗浄装置の占める面積を小さくするとともに、洗浄に用いる流体の量を減少させることができ、さらにウオーターマークがつきにくい洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄槽内の洗浄用流体により、洗浄槽に配設された被処理物を洗浄またはリンスする洗浄装置であって、被処理物は、洗浄槽内の洗浄用流体の圧力によって、洗浄槽を構成する側壁のうちの一側壁に接触しつつ起立した状態で保持されることを特徴としている。
【選択図】図12

Description

本発明は、洗浄槽内で板状の被処理物を洗浄又はリンスする洗浄装置に関し、特にウエハなどの半導体基板の表面及び/又は裏面を一枚ずつ洗浄する洗浄装置に関する。
近年の半導体基板の大型化にともなって、基板の清浄度の向上が要求されており、これに応えるべく、基板の洗浄を一枚ずつ行う洗浄装置が用いられるようになってきている。このような洗浄装置では、上面が開口となった洗浄槽に洗浄液を収容し、この洗浄槽の上面開口から、洗浄対象となる半導体基板を洗浄液に浸漬し、洗浄液を循環させることにより半導体基板の洗浄を行っている。
特許第2840799号明細書 特許第2920165号明細書
しかしながら、上述の洗浄装置においては、被処理物としての半導体基板を搬送して洗浄液内に浸漬するときに、半導体基板とともに、半導体基板を洗浄槽内に搬送するためのチャッキングアームを洗浄槽内に入れる必要があり、また、洗浄槽内には、半導体基板を保持するための保持具を配置する必要があった。したがって、洗浄槽の容積を、チャッキングアーム及び保持具を含んだ大きなものにしなければならなかった。このため、洗浄装置を複数配置して同時に多数の半導体基板を洗浄する場合に、洗浄装置が多くの面積を占めていた。また、洗浄槽が大きいため、洗浄液を大量に使用しなければならず、大きなコストがかかっていた。さらに、洗浄槽の上面が開放されていると、洗浄液の蒸発などによって半導体基板にウオーターマークがつきやすいという問題もあった。
そこで本発明は、洗浄装置の洗浄槽を薄型化することができ、これにより洗浄装置の占める面積を小さくするとともに、洗浄に用いる流体の量を減少させることのでき、さらにウオーターマークがつきにくい洗浄装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の洗浄装置は、洗浄槽内の洗浄用流体により、洗浄槽に配設された被処理物を洗浄またはリンスする洗浄装置であって、被処理物は、洗浄槽内の洗浄用流体の圧力によって、洗浄槽を構成する側壁のうちの一側壁に接触しつつ起立した状態で保持されることを特徴としている。
本発明の洗浄装置において、一側壁は、装置躯体に対し開口の軸方向に移動可能であって、装置躯体と当接することにより洗浄槽を構成し、被処理物は、一側壁を装置躯体から離間させたときに洗浄増内に搬入され、一側壁を装置躯体と当接させることにより洗浄槽内に収容されることを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、洗浄槽内において、洗浄槽内に洗浄用流体を供給する洗浄用流体供給口と被処理物との間に、洗浄槽内へ供給する洗浄用流体の流れを整える整流板が配置されたことを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、一側壁には、被処理物の外形に対応する開口が形成され、一側壁の外側から開口を通して、一側壁の内側に搬入された被処理物の裏面を保持可能として、被処理物を縦方向に起立状態とする保持手段が設けられたことを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、保持手段は、旋回流により発生する負圧の作用で、被処理物の裏面を非接触状態で保持することを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、整流板には、洗浄用流体が通過する複数の貫通孔が設けられ、貫通孔の内径は、整流板の中央部分よりも外側部分の方が大きいことを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、一側壁は、水平面に対し、一側壁よりも一側壁に対向する側壁の方が高くなるように傾斜していることを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、整流板には、洗浄用流体が通過する複数の貫通孔が設けられ、貫通孔の内径は、整流板の中央部分と周縁部分の間の外側部分が最も大きく、中央部分が最も小さいことを特徴とする。
本発明の洗浄装置において、一側壁の内面における開口周囲に設けられ、被処理物の裏面が接触することで、被処理物と開口周囲との間に隙間を形成する隙間形成部材を備え、被処理物は、洗浄槽内の洗浄用流体の圧力によって、隙間形成部材を介して一側壁に接触しつつ縦方向に起立した状態で保持されることを特徴とする。
本発明によると、洗浄槽内の洗浄用流体の圧力によって、被処理物を起立した状態で保持するため、洗浄中は保持具が不要となり、パーティクル等の発生をより確実に防止することができる。また、洗浄槽の一側壁を離間させたときに被処理物を洗浄槽内に搬入し、搬入後に一側壁を装置躯体に当接するように戻す構成としたため、洗浄槽内にチャッキングアームを挿入するスペースを考慮して洗浄槽を構成する必要がない。これらにより、洗浄装置の洗浄槽を薄型化することができるため、洗浄装置の占める面積を小さくするとともに、洗浄用流体の量を減少させることができる。
また、被処理物の洗浄槽内への搬入後に一側壁を装置躯体に当接させるため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
さらにまた、洗浄槽内において、洗浄用流体を供給する洗浄用流体供給口と被処理物との間に、洗浄槽内へ供給する洗浄用流体の流れを整える整流板を設け、この整流板において、長手方向中央部分よりも外側部分の貫通孔の内径を大きくしているため、洗浄槽内の被処理物上において、洗浄用流体が対流することなく、直線状に、かつ、高速で流れ、これにより効率よくムラなく被処理物を洗浄することができる。
また、整流板を上記構成としたことにより、高速で洗浄用流体を供給することができるため、被処理物上の各点で洗浄液又はリンス液に触れる時間にほとんど差がなくなり、これによりウオーターマークの発生を防止することができる。
さらに、洗浄槽への被処理物の搬入後、一側壁を装置躯体に当接した状態のまま、洗浄、リンス、乾燥を順次行うため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る洗浄装置11の待機状態を、斜め正面側から目視して示す斜視図である。図2は、洗浄装置11の待機状態を、斜め背面側から目視して示す斜視図である。図12は、図1の洗浄装置11の原理を説明するための概略構成を示す断面図である。
第1実施形態に係る洗浄装置11は、洗浄後に、洗浄槽23を乾燥槽とする乾燥装置としても機能するものである。また、洗浄装置11は、洗浄工程を省略し、洗浄槽23を乾燥槽と捉えた乾燥装置として利用することも可能である。このような乾燥装置によれば、被処理物としてのウエハ1をウエハ保持装置24により縦方向に起立した状態で乾燥出来るため、乾燥槽ひいては乾燥装置全体の省スペース化を実現できる。
洗浄装置11は、図1〜図8及び図12(特に図12)に示すように、基本構造となるボックス形状の装置躯体29において、その下部に、洗浄液、リンス液としての純水を貯液してウエハ1の洗浄を行う扁平ボックス形状の洗浄槽23と、この洗浄槽23内にウエハ1を装着するウエハ保持装置24と、洗浄槽23に隣接すると共にウエハ保持装置24と反対の位置に石英板53により区画されて併設された間接槽52と、間接槽52に隣接すると共に洗浄槽23と反対の位置に設置された超音波振動装置25と、洗浄槽23の上方で、この洗浄槽23に隣接して設けられた第1オーバーフロー槽26と、洗浄槽23の上方で洗浄槽23に連設して設けられて、この洗浄槽23内へ乾燥用流体を導く乾燥用流体供給槽27とを有して構成される。なお、洗浄液及びリンス液を洗浄用流体と称する。ここで、図3は、洗浄装置11のウエハ搬入出状態を示す正面図である。図4は、図3の洗浄装置11を矢印IV方向からみた側面図である。図5は、洗浄装置11のウエハ受け渡し状態を示す側面図である。図6は、洗浄装置11のウエハセット状態またはウエハ乾燥状態を示す正面図である。図7は、図6の洗浄装置11を矢印VII方向からみた側面図である。図8は、洗浄装置11のウエハ洗浄状態またはウエハリンス状態を示す側面図である。
また、扁平ボックス形状の洗浄槽23は、装置躯体29における洗浄槽構成部23Aに対して、石英板53に対向する位置に、一側壁としての正面壁28が当接することで構成される。この正面壁28には、ウエハ1の外形に対応する形状の開口30が形成される。また、正面壁28の内面には、装置躯体29と当接する領域にシール部材32が配設される。
上記正面壁28の上端には、図4及び図7に示すように水平プレート33が直交して結合され、この水平プレート33にスライダ34が取り付けられる。また、洗浄槽23の上方の乾燥用流体供給槽27には、側面視L字形状のベースプレート部35が固着され、このベースプレート部35の水平プレート36にレール37が敷設される。このレール37に上記スライダ34が摺動自在に嵌合される。また、正面壁28の下部には、図3及び図4に示すように貫通孔38が形成されると共に、この貫通孔38と同軸にブッシュ39が固着される。また、装置躯体29には、下部に支持シャフト40がシャフトベース41を介して取り付けられ、この支持シャフト40が上記貫通孔38及びブッシュ39に摺動自在に挿通される。
上記ベースプレート部35の水平プレート36には、図1に示すように、ロッドレスタイプのスライドシリンダ42が設置され、このスライドシリンダ42の図示しないピストンが、上記水平プレート36を貫通して正面壁28の水平プレート33に結合される。従って、このスライドシリンダ42の作動により、レール37及びスライダ34と、支持シャフト40及びブッシュ39とに案内されて、正面壁28は、装置躯体29に対し開口30の軸方向30R(図4)に沿って、例えば75mmのストロークで移動可能に構成される。
図3及び図4に示すように、装置躯体29の両側部上下にはクランプシリンダ43が設置され、このクランプシリンダ43のロッドにクランパ44が取り付けられている。図6及び図7に示す正面壁28と装置躯体29との当接時には、上記クランプシリンダ43が作動してクランパ44が正面壁28を装置躯体29に押圧させ、正面壁28が装置躯体29に一体化されて洗浄槽23が構成される。このとき、正面壁28のシール部材32(図6及び図12)が装置躯体29に密着して、正面壁28と装置躯体29とのシール性が良好に確保される。
ウエハ保持装置24は、図3、図4及び図11に示すように、基部45がウエハ1の大きさに対応して円板状に構成され、円板状に構成された基部45の端部内側には、等間隔に例えば6つの非接触保持具としての凹部47が形成される。特開2002‐64130号公報に記載の如く、凹部47内(図3、図9、図11)に旋回流が形成されることで当該凹部47に負圧が形成され、この負圧の作用で凹部47に張り付くようにウエハ1の裏面3(ウエハ1における表面2と反対の面)が非接触状態で保持される。例えば、ウエハ1は、ウエハ保持装置24の凹部47との間で、約0.25mmの隙間を隔てた状態で、このウエハ保持装置24に非接触状態で保持される。ここで、図9は、図7の一部(開口30の周辺)を拡大して示す断面図である。図11は、洗浄装置11におけるウエハ保持装置を、保持装置用シリンダ78と共に示す斜視図である。
また、図11に示すように円板状の基部45の内側中心には、複数の孔からなる乾燥用流体供給孔48が設けられており、この乾燥用流体供給孔48からは、乾燥用流体(例えば、有機溶剤ベーパー(気化された有機溶剤)、高温の窒素ガス)をウエハ1の裏面3に供給することが可能である。さらに、図11、図12、及び図13に示すように、円板状の基部45の外側には、乾燥工程時にウエハ1の裏面をもIPAベーパー雰囲気下とするべく、正面壁28と当接する板状のカバー46が基部45を覆うように配されており、カバー46の内面には、正面壁28と当接する領域にシール部材46aが配設される。なお、乾燥用流体供給孔48は、複数の孔ではなく、単一の孔として構成することもできる。
図1及び図4に示すように、正面壁28の両側にはサイド板79が設置され、このサイド板79に取付プレート77を介して保持装置用シリンダ78が配置される。この保持装置用シリンダ78のロッド先端に上記ウエハ保持装置24が取り付けられる。図7及び図8に示すように、保持装置用シリンダ78は、ロッドの進退動作によってウエハ保持装置24を、正面壁28に対し開口30の軸方向30Rに沿って相対移動可能とする。この保持装置用シリンダ78によるウエハ保持装置24の移動量(ストローク)はたとえば30mmである。
保持装置用シリンダ78は、ウエハ1の搬入出時(図4)、受け渡し時(図5)、セット時または乾燥時(図7)には、ロッドの前進動作によって、ウエハ保持装置24を正面壁28の開口30内に進入させて位置付ける。この場合、ウエハ保持装置24のカバー46は、正面壁28に当接し、カバー46のシール部材46a(図11、〜図13)が正面壁28に密着して、カバー46と正面壁28とのシール性が良好に確保される。また、保持装置用シリンダ78は、ウエハ1の洗浄時またはリンス時(図8)には、ロッドの後退動作によって、ウエハ保持装置24を正面壁28の開口30外へ退避させる。ここで、図13は、図9の一部を拡大するとともにIPAベーパーの流れを示す断面図である。
前述のごとく、正面壁28は装置躯体29に対して開口30の軸方向30Rに沿って移動可能とされる。この正面壁28が装置躯体29から離間するウエハ1の搬入出時または受け渡し時には(図4、図5)、保持装置用シリンダ78によってウエハ保持装置24が正面壁28の開口30内に進入して位置付けられる。従って、正面壁28が装置躯体29から離間し、搬送用ロボット15のハンド部20D(図4)がウエハ1の表面2を非接触状態で保持して正面壁28と装置躯体29との間に入ったとき、ウエハ保持装置24が負圧の作用で、正面壁28の外側から開口30を通して上記ウエハ1の裏面3を非接触状態で保持して、このウエハ1はウエハ保持装置24に受け渡しされ、洗浄装置11の洗浄槽23内に搬入される。このとき、ウエハ1は、縦方向に起立した状態でウエハ保持装置24に保持される。ウエハ1が洗浄槽23内に搬入された後に、図7、図9及び図12に示すように、正面壁28が装置躯体29に当接して洗浄槽23が構成され、洗浄液等の貯液が可能となり、洗浄が可能となる。
このように、ウエハ1の搬入出時に正面壁28を装置躯体29から離間するように退避させ、その後正面壁28を装置躯体29に当接させる構成としたことにより、洗浄槽23内に搬送用ロボット15のハンド部20Dを入れる空間を用意する必要がないため、洗浄槽23を薄型化(例えば5mm)することができ、洗浄装置の占める面積を小さくするができ、さらに、洗浄用流体の量を減少させることができる。また、正面壁28が装置躯体29に当接した状態で洗浄、リンス、乾燥が行われるため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
ところで、図6、図7及び図10に示すように、上記正面壁28の外面には、開口30の周囲にざぐり面部70が形成され、このざぐり面部70に隙間形成部材としてのピン71が植設されている。このピン71は、開口30の周囲に沿って略等間隔に複数本、例えば12本設けられる。ここで、図10は、図9の正面壁28における開口30の周囲を示す斜視図である。
洗浄槽23内に搬入されたウエハ1は、縦方向に起立した状態で、ウエハ1の受け渡し時(図5)、セット時または乾燥時(図7)にウエハ保持装置24の負圧の作用により、また、後述のウエハ1の洗浄時またはリンス時(図8)には洗浄槽23内の洗浄液またはリンス液の圧力(水圧)により、また、後述のウエハ1の洗浄時またはリンス時であって、洗浄液またはリンス液が洗浄槽23内から排出された場合は(後述)、正面壁28のピン71とウエハ1の裏面3との接触点における洗浄液等の残存液の表面張力により、その裏面3における周縁部が上記ピン71に接触して保持される。従って、ウエハ1は、表面2が洗浄槽23内に臨み、裏面3が洗浄槽23外に臨むようにして洗浄槽23に装着されると共に、図9に示すように、上記ピン71によってウエハ1と正面壁28の開口30周囲との間に環状の隙間72を形成しつつ、この開口30を閉塞する。
ウエハ1の洗浄時またはリンス時には、図8及び図12に示すように、装置躯体29の下部に設けられた洗浄槽給液口(洗浄用流体供給口)49から洗浄液またはリンス液が洗浄槽23内へ導かれる。この洗浄液またはリンス液は、洗浄槽23内を上方へ向かって流動し、ウエハ1の表面2を洗浄またはリンスした後、第1オーバーフロー槽26に一時貯溜される。この第1オーバーフロー槽26に貯溜された洗浄液またはリンス液は、この第1オーバーフロー槽26に設けられたオーバーフロー槽排液口50及び排液パイプ74を経て排液槽75に貯溜され、この排液槽75に設けられた排液口76から排出される。排液口76から排出される洗浄液は、図示しないフィルタ及び循環ポンプによってろ過された後、洗浄槽23内に戻される。
図2及び図12に示すように、洗浄槽23内において、洗浄槽給液口49とウエハ1の下端との間に、洗浄槽23内へ供給する洗浄液又はリンス液の流れを整える長板状の整流板61が配置されている。この整流板61は、長手方向(図14の左右方向)を11の洗浄槽23の幅方向(図12の紙面に垂直な方向)に、幅方向(図14の上下方向)を洗浄槽23の奥行き方向(図12の左右方向)に、それぞれ合わせて配置され、厚さ方向に貫通する孔61a1、61b1が複数設けられている。これらの孔61a1、61b1は、例えば図14に示すように行列をなすように配置されている。ここで、図14は、整流板61の構成を示す平面図である。この整流板61においては、長手方向中央部分61aの孔61a1よりも外側部分61bの孔61b1の方が内径が大きくなっている。
以上のように整流板61の孔61a1、61b1を構成したことにより、図15に示すように、洗浄槽23内のウエハ1上において、洗浄液又はリンス液が対流することなく、洗浄槽給液口49から第1オーバーフロー槽26側へ直線状に、かつ、高速で流れるため、効率よくムラなくウエハ1を洗浄することができる。ここで、図15は、第1実施形態に係る洗浄槽23をモデルとして、その中に配置されたウエハ1上における洗浄液又はリンス液の流れを解析した結果を示す図であり、表示された色の濃淡が流速を表している。この図15では、ウエハ1上の流速が高速かつほぼ同一であって、下から上へ(洗浄槽給液口49から第1オーバーフロー槽26側へ)直線状に洗浄液又はリンス液が高速に流れることが分かる。よって、高速で洗浄液又はリンス液を安定供給することができるため、ウエハ1上の各点で洗浄液又はリンス液に触れる時間にほとんど差がなく、これによりウオーターマークの発生を防止することができる。
このウエハ1の洗浄時またはリンス時には、図16において矢印で示すように、上記ピン71によって形成された環状隙間72を経て洗浄槽23内の洗浄液またはリンス液が洗浄槽23外へ流出し、この洗浄液またはリンス液がウエハ1の裏面3を洗浄またはリンスする。ここで、図16は、図12の一部を拡大するとともに洗浄液又はリンス液の流れを示す断面図である。環状隙間72を経て洗浄槽23外へ流出しウエハ1の裏面3を洗浄またはリンスした洗浄液またはリンス液は、洗浄槽23内の洗浄液またはリンス液の圧力(水圧)の作用で、この洗浄槽23内へ流入することがない。このため、ウエハ1の裏面3を洗浄またはリンスした洗浄液またはリンス液によってウエハ1の表面2が転写汚染されることがない。また、洗浄液またはリンス液が環状隙間72を経て洗浄槽23外へ流出し、ウエハ1の裏面3を洗浄等する過程において、ウエハ1の端面も洗浄またはリンスされる。
上述のように、ウエハ1の裏面3に洗浄液などの流体が流れることから、ウエハ1の洗浄時またはリンス時には、ウエハ保持装置24は、保持装置用シリンダ78によって正面壁28の開口30から離間し(図8)、ピン71に接触したウエハ1から退避して当該ウエハ1の保持を解除する。このとき、ウエハ1は、洗浄槽23内に供給された洗浄液またはリンス液の圧力(水圧)によってピン71への接触状態が維持される。すなわち、ウエハ1は、洗浄槽23内の洗浄液又はリンス液の圧力によって、ピン71を介して正面壁28に接触し、縦方向に起立した状態で保持される。よって、洗浄槽23内にウエハ1を保持するための保持具を配置する必要がないため、洗浄槽23を薄型化することができ、洗浄装置の占める面積を小さくするができ、さらに、洗浄に用いる流体の量を減少させることができる。
ここで、上記ピン71の突出長さは、図9に示すように、正面壁28において開口30の上部に設置されたピン71が下部に設置されたピン71よりも大きく設定される。これにより、環状隙間72の上方部分は下方部分よりも広く設定される。例えば、環状隙間72の最上部の寸法が1.0mmに、最下部の寸法が0.1mmにそれぞれ設定される。環状隙間72の下方部分が狭く設定されることで、図12に示すウエハ1の洗浄時またはリンス時に、洗浄槽23内に洗浄液またはリンス液が貯溜され易くなる。また、環状隙間72の上方部分が広く設定されることで、ウエハ1の洗浄時またはリンス時に、環状隙間72から流出する洗浄液またはリンス液によって、ウエハ1の裏面3の全面が均一に洗浄またはリンスされる。このウエハ1の裏面3の均一な洗浄またはリンスは、洗浄槽23内を流れる洗浄液またはリンス液の流速との相乗効果で実現される。
図10に示すように、正面壁28の外面には、開口30の周囲の下部に受け部材73が設置される。この受け部材73は、開口30に沿って複数個、例えば4個設けられる。この受け部材73がウエハ1を支持する上部は先細り形状に形成されて、ウエハ1の周縁を点接触状態で支持し、ウエハ1への汚染等が抑制される。また、受け部材73の下部も先細り形状に形成されて、良好な液切れが実現される。
また、正面壁28の外面には、図6、図8及び図12に示すように、開口30周囲の下部に第2オーバーフロー槽80が設置される。この第2オーバーフロー槽80は、環状隙間72から流出してウエハ1の裏面3を洗浄またはリンスした洗浄液またはリンス液を受け取って集め一時貯溜するものである。この第2オーバーフロー槽80に集められた洗浄液またはリンス液は、排液パイプ81を経て排液槽75へ導かれ、第1オーバーフロー槽26からの洗浄液またはリンス液と共に、排液槽75の排液口76から排出される。第2オーバーフロー槽80から排液槽75へ導かれた洗浄液も、第1オーバーフロー槽26から排液槽75へ導かれた洗浄液と共に、前述の如く、図示しないフィルタ及び循環ポンプによってろ過されて、洗浄槽23内へ戻される。
上記洗浄槽23は、後述の如く石英板53によって間接槽52と区画されるが、この洗浄槽23内におけるウエハ1と石英板53との間の寸法L1(図12)は、洗浄槽給液口49が設けられた洗浄槽23の下部の寸法L2や、第1オーバーフロー槽26に連設する洗浄槽23の上部の寸法L3よりも狭く設定される。これにより、洗浄槽23の中央部を流動する洗浄液またはリンス液の流速が上がり、洗浄槽23に配設されたウエハ1の表面2の洗浄効率またはリンス効率の向上が図られると共に、環状隙間72から流出する洗浄液またはリンス液によるウエハ1の裏面3全面の均一な洗浄またはリンスが実現される。例えば、上記寸法L1は約5mmに、上記寸法L2及びL3は約35mmにそれぞれ設定される。
図2、図8及び図12に示すように、超音波振動装置25は、超音波振動子51、間接槽52、石英板53及び図示しない高周波発振器を有して構成される。前述の如く間接槽52は、石英板53を介して洗浄槽23に隣接し、超音波伝達媒体としての純水を満たす。間接槽52には、下部に間接槽給排液口54が、上部に間接槽オーバーフロー口55がそれぞれ形成され、間接槽給排液口54から新鮮な純水が間接槽52内へ導入され、この間接槽52内の純水が間接槽オーバーフロー口55を経て排水されたことを確認して超音波振動装置25が作動する。
上記超音波振動子51は間接槽52の背面に装着され、この超音波振動子51と石英板53とは、洗浄槽23に装着されたウエハ1に対向して略平行に配置される。上記高周波発振器からの高周波信号が超音波振動子51へ送信されることによって、この超音波振動子51が超音波振動し、この超音波振動が間接槽52内の純水及び石英板53を経て、洗浄槽23内の洗浄液またはリンス液へ至り、ウエハ1の表面2を超音波洗浄またはリンスする。更に、洗浄槽23内へ至った超音波振動は、ウエハ1を経て、このウエハ1の裏面3を流れる洗浄液またはリンス液へ伝播され、ウエハ1の裏面3を超音波洗浄またはリンスすることが可能であり、ウエハ1の表面2及び裏面3のそれぞれの全面を均一に洗浄またはリンス可能となっている。この超音波の作用により、アルカリ洗浄液によるウエハ1の洗浄効率、及びこのアルカリ洗浄後のリンス液(純水)によるリンス効率が向上する。
図2、図6及び図7に示すように、乾燥用流体供給槽27は、洗浄槽23内に流体を供給するべく、複数個の2流体ノズル56、純水ノズル57及びガス供給部58を有して構成され、上記2流体ノズル56は、圧搾空気の高速の流れを利用して液体を微粒化するノズルであって、有機溶剤供給口59及び不活性ガス供給口60が接続される。また、図2に示すように、有機溶剤供給口59には、有機溶剤を供給するためのパイプ59aが接続される。パイプ59aは、アースに接続され、かつ、水や、高純度薬液に対して金属イオンの溶出を抑えたSUS配管によって構成され、該パイプ59aには、面状発熱体としてのラバーヒーター59bが巻き付けられている。
有機溶剤供給口59を経て2流体ノズル56へ供給される有機溶剤は、水溶性で且つウエハ1に対する純水の表面張力を低下させて、乾燥を促進しうるアルコール類、ケトン類またはエーテル類から選択され、本実施形態ではIPA(Iso−propyl alcohol)が用いられ、上記ラバーヒーター59bにより、例えば40℃に加熱されて、2流体ノズル56へと至る。また、不活性ガス供給口60を経て2流体ノズル56へ供給される不活性ガスは、有機溶剤であるIPAと同時に供給されて安全性を確保するものであり、本実施形態では窒素ガス(N)が用いられ、予めヒーター(図示せず)により、高温(例えば150℃)に加熱されて、2流体ノズル56へ供給される。2流体ノズル56へ高温のIPAと窒素ガスが供給されることで、この2流体ノズル56がIPAミストを生成する。尚、上記有機溶剤の加熱は、上記ラバーヒーター59bによることのみならず、例えば、予めヒーターで加熱された不活性ガスのタンク内に、有機溶剤供給口59に接続されるパイプ59aを挿通して、既に加熱された不活性ガスの熱を利用することによって有機溶剤の加熱を行うことも可能である。ここで、2流体ノズル56へ供給される窒素ガスの温度は、洗浄、リンス、乾燥に用いる流体の種類に応じた高温とし、これらの流体の沸点よりも高いことが好ましい。本実施形態では、窒素ガスの温度を、リンス液として用いる純水の沸点である100°C(大気圧)よりも高く設定する。
2流体ノズル56で生成されたIPAミストは、流体自体が高温に維持されているため、ノズルからの噴射とほぼ同時にミストから蒸気へと気化してIPAベーパーとなり、IPAベーパーが、洗浄槽23内へ導かれる。洗浄槽23内で洗浄されリンスされたウエハ1へ上記IPAベーパーが導かれることで、ウエハ1の表面2に付着した水分が、蒸発しやすいIPAベーパー雰囲気下となり、このウエハ1の表面2の乾燥が促進される。このIPAベーパーは、リンス液としての純水が洗浄槽23内から排水された後に、この洗浄槽23内へ導入される。
ガス供給部58は、図示しないヒーターのon又はoffにより常温又は高温の窒素ガス(N)を洗浄槽23内に供給するものである。ウエハ1が疎水性である場合に、2流体ノズル56にてIPAベーパーを生成する前に常温の窒素ガス(ヒーターoff)を噴射して、洗浄槽23内で洗浄されリンスされた上記疎水性のウエハ1を常温の窒素ガスの雰囲気下とする。また、上述の常温の窒素ガスは、リンス液としての純水が洗浄槽23内から排水される過程で、この排水と同時に洗浄槽23内へ噴射される。
また、ウエハ1の乾燥は、上述したガス供給部58より、ヒーター(図示せず)により加熱された高温の不活性ガス、本実施形態では高温の窒素ガス(HOT N)が洗浄槽23内のIPAベーパー雰囲気下のウエハ1の表面2へ供給されることにより、急速に達成される。ガス供給部58から洗浄槽23内へ高温の窒素ガスが導かれる際には、洗浄槽23の下部に設けられたガス排気口62(図6、図12)から余剰の窒素ガスが排気される。
洗浄槽23内へ洗浄液が供給されて、この洗浄槽23内のウエハ1を洗浄する際、または洗浄槽23内へリンス液(純水)が供給されて、この洗浄槽23内のウエハ1がリンスされる際に、この洗浄槽23内の不要なガスは、ガス排気口64から排気される(図6、図7及び図12)。また、洗浄槽23内の洗浄液、リンス液(純水)は、排液口65から排液される。
また、乾燥工程において、高温の乾燥用流体により熱を帯びた洗浄槽23の温度の一定化(冷却)及び槽内の洗浄を行うべく、純水ノズル57から、純水(DIW)が装置躯体29の内側表面に供給される(図2、図3、図6及び図12)。純水ノズル57は、洗浄装置11の正面壁28が装置躯体29から離間している状態で純水を洗浄槽23へと供給するものであり、洗浄槽23内に純水を貯留せずに冷却・洗浄を行う必要があるため、純水を装置躯体29の内側及び石英板53の表面に沿って流れるように供給し、洗浄槽23内の冷却及び洗浄を行う。そのため、純水ノズル57は、図2、図4及び図12に示すように、その供給口が装置躯体29の内側表面に接するよう取り付けられている。洗浄槽23内に供給された純水は、排液口65を経て排液される。
接続口85、86(図2から図8)は、洗浄槽23内の液面を検出する液面検出センサー89(図6にのみ図示)が配されたパイプ87(図6にのみ図示)へと繋がり、接続口85は、洗浄槽23側面であって、第1オーバーフロー槽26に対応する位置に設けられており、接続口86は、洗浄槽23側面であって、洗浄槽給液口49の下方、即ち、洗浄槽23の最下部に設けられている。液面検出センサー89は、静電容量近接センサー等のパイプ87内の液体の有無を確認しうる手段によって構成され、継手87a(図6にのみ図示)によって接続口85、86に連結された鉛直方向に配されるパイプ87に取り付けられるものである。詳しくはウエハ保持装置24が備える最も下方に配された凹部47の下端に対応する位置に取り付けられる。これによって、リンス終了後、リンス液を排液して乾燥工程に移行する場合、リンス液の液面が、ウエハ保持装置24の最も下方の凹部47の下端より下がったことを液面検出センサー89により確認してウエハ保持装置24を正面壁28の開口30内へと進入させて、ウエハ1の裏面3を保持することが可能であり、排液時に環状隙間72を経て洗浄槽23外へ流出するリンス液が、凹部47の先端内側に形成された凹部47に浸入することを防止することが可能である。
上述のように、洗浄装置11では、ウエハ1の搬入後、正面壁28を装置躯体29に当接した状態のまま、洗浄、リンス、乾燥を順次行うため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
次に、上述の洗浄装置(乾燥装置)11の作用を、図17及び図18を用いて説明する。図17は、洗浄装置11における動作の一部を示すフローチャートであり、図18は、洗浄装置11における動作の残部を示すフローチャートである。
洗浄装置11は、搬送用ロボット15によりウエハ1を洗浄槽23内へ搬入し、このウエハ1の表面2を洗浄槽23内に、ウエハ1の裏面3を洗浄槽23外に臨ませ、ウエハ1と正面壁28との間に環状隙間72を設けて、このウエハ1を洗浄槽23に装着するウエハ1の搬入工程(ステップS1〜S5)と、洗浄槽23内で洗浄液を流動させ、この洗浄液に接液するウエハ1の表面2を洗浄しリンスすると共に、洗浄槽23内の洗浄液またはリンス液の圧力(水圧)の作用で上記環状隙間72から流出する洗浄液またはリンス液により、ウエハ1の裏面3をリンスする洗浄・リンス工程(ステップS6〜S22)と、この洗浄・リンス工程の終了後に、ウエハ1を洗浄槽23内に装着した状態でIPAベーパー、純水ミスト、高温窒素ガスを洗浄槽23内へ導き、上記ウエハ1を乾燥する乾燥工程(ステップS23〜S27)と、上記洗浄、リンス及び乾燥処理されたウエハ1を、搬送用ロボット15により洗浄槽23外へ搬出するウエハ1の搬出工程(ステップS28〜S31)とを有する。これらの各工程を更に詳説する。
[搬入工程]
ウエハ1の搬入工程では、まず、ウエハ搬送容器(所謂フープ)(不図示)が容器オープナーによって開けられ(S1)、搬送用ロボット15のハンド部20Dがウエハ搬送容器内のウエハ1の表面2を非接触状態で保持する(S2)。そして、後述するステップ29において純水ノズル57より洗浄槽23内に供給されている純水の供給が停止される(S3)。即ち、現在処理されているウエハ1の1つ前に処理されたウエハの乾燥工程において、高温の乾燥用流体により熱を帯びた洗浄槽23内の温度の一定化(冷却)及び槽内の洗浄を行うべく、純水ノズル57より、純水が、装置躯体29及び石英板53の表面に供給されているが、ウエハ1が洗浄槽23内に装着されるのに備え、純水の供給が停止される。
次に、図3乃至図5に示すように、洗浄装置配置部12における洗浄装置11の正面壁28が装置躯体29から離間し、正面壁28の開口30内に進入して位置付けられたウエハ保持装置24が、搬送用ロボット15のハンド部20Dに保持されたウエハ1の裏面3を非接触状態で保持して、搬送用ロボット15からウエハ1を受け取る(S4)。この状態では、ウエハ1が正面壁28のピン71に接触して、ウエハ1と正面壁28の開口30周囲との間に環状隙間72が形成され、図6及び図7に示すように、引き続き正面壁28が装置躯体29に当接して洗浄槽23が構成されると同時に、ウエハ1が洗浄槽23内に装着される(S5)。従って、ウエハ1の搬入出時に正面壁28を装置躯体29から離間するように退避させ、その後正面壁28を装置躯体29に当接させる構成としたことにより、洗浄槽23内に搬送用ロボット15のハンド部20Dを入れる空間を用意する必要がないため、洗浄槽23を薄型化することができ、洗浄装置の占める面積を小さくするができ、さらに、洗浄用流体の量を減少させることができる。
[洗浄・リンス工程]
洗浄・リンス工程では、図8及び図12に示すように、洗浄槽給液口49から整流板61を介してアルカリ洗浄液が洗浄槽23内へ供給されると共に(S6)、間接槽52内へ間接槽給排液口54から純水が供給される(S7)。このアルカリ洗浄液の供給開始時に、保持装置用シリンダ78の後退動作によってウエハ保持装置24が正面壁28の開口30外へ退避されて、ウエハ1の裏面3が洗浄槽23内のアルカリ洗浄液の圧力(水圧)によりピン71に接触して保持され(S8)、更にこのウエハ1が受け部材73に支持されると共に、ガス排気口64が開操作される。従って、ウエハ1は、洗浄槽23内の洗浄液又はリンス液の圧力によって保持されるため、洗浄槽23内にウエハ1を保持するための保持具を配置する必要がなく、洗浄槽23を薄型化することができ、洗浄装置の占める面積を小さくすることができ、さらに、洗浄に用いる流体の量を減少させることができる。また、正面壁28が装置躯体29に当接した状態で洗浄、リンス、乾燥が行われるため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
洗浄槽23内で洗浄槽給液口49から整流板61を介して第1オーバーフロー槽26へ向かってアルカリ洗浄液が流動し、このアルカリ洗浄液の一部が環状隙間72から洗浄槽23外へ流出し、第2オーバーフロー槽80を経て排液槽75に至り、洗浄槽23内のアルカリ洗浄液の大部分が第1オーバーフロー槽26を経て排液槽75へ至る。この排液槽75内のアルカリ洗浄液は、ろ過され洗浄槽給液口49を経て洗浄槽23内へ戻り循環する。この間に、間接槽52内で間接槽給排液口54から間接槽オーバーフロー口55へ向かって新鮮な純水が流動する。純水が間接槽52内を流れる間に超音波振動装置25が作動して、この超音波及びアルカリ洗浄液によりウエハ1の表面2及び裏面3を洗浄する(S9)。この場合、アルカリ洗浄液が環状隙間72を経て洗浄槽23外へ流出し、ウエハ1の裏面3を洗浄する過程において、ウエハ1の端面も洗浄される。また、整流板61の存在により、洗浄槽23内のウエハ1上において、洗浄液又はリンス液が対流することなく、洗浄槽給液口49から第1オーバーフロー槽26へ直線状に、かつ、高速で流れ、これにより効率よくムラなくウエハ1を洗浄することができる。さらに、高速で洗浄液又はリンス液を安定して供給することができるため、ウエハ1上の各点で洗浄液又はリンス液に触れる時間にほとんど差がなくなり、これによりウオーターマークの発生を防止することができる。
このアルカリ洗浄終了後、洗浄槽23内のアルカリ洗浄液を排液口65を経て排液し、超音波振動装置25を停止し(S10)、洗浄槽23からアルカリ洗浄液が排液される。この場合、洗浄槽23内の洗浄液が排出され、貯液されていないものの、正面壁28のピン71とウエハ1の裏面3との接触点に洗浄液が残ることにより、その表面張力により、ウエハ1の裏面3における周縁部が上記ピン71に接触して縦方向に起立した状態のまま保持される。アルカリ洗浄液の排液後、洗浄槽給液口49を経て洗浄槽23内にリンス液としての純水(DIW)を整流板61を介して導く(S11)。ウエハ1の裏面3がリンス液の圧力(水圧)によりピン71に接触して保持され、更にこのウエハ1が受け部材73に支持される。
このリンス液が洗浄槽23内で洗浄槽給液口49から整流板61を介して第1オーバーフロー槽26に向かって流動し、環状隙間72から流出する間に超音波振動装置25を作動して、ウエハ1の表面2及び裏面3をリンス液によりリンスする(S12)。このリンス時に、第1オーバーフロー槽26及び第2オーバーフロー槽80から排液槽75を経て排水されたリンス液は廃棄されて、洗浄槽23内には洗浄槽給液口49から新鮮なリンス液(純水)が供給される。
上記リンス終了後に、超音波振動装置25を停止し、洗浄槽23内から排液口65を経てリンス液を排液する(S13)。この場合、正面壁28のピン71とウエハ1の裏面3との接触点にリンス液が残ることにより、その表面張力により、ウエハ1の裏面3における周縁部が上記ピン71に接触して縦方向に起立した状態のまま保持される。超音波振動装置25の停止と同時に間接槽52内への純水の供給が停止され(S14)、間接槽52内の純水が間接槽給排液口54を経て排液される(S15)。
次に、酸洗浄液が洗浄槽給液口49から整流板61を介して洗浄槽23内へ供給される(S16)。これにより、ウエハ1の裏面3が洗浄槽23内の酸洗浄液の圧力(水圧)によりピン71に接触して保持され、更にこのウエハ1が受け部材73に支持される。この酸洗浄液は、洗浄槽23内で洗浄槽給液口49から整流板61を介して第1オーバーフロー槽26へ向かって流動し、この酸洗浄液の一部が環状隙間72から洗浄槽23外へ流出し、第2オーバーフロー槽80を経て排液槽75へ至り、洗浄槽23内の酸洗浄液の大部分が第1オーバーフロー槽26を経て排液槽75へ至る。この排液槽75内の酸洗浄液は、ろ過され、洗浄槽給液口49を経て洗浄槽23内へ戻り循環する。このように循環する酸洗浄液が、ウエハ1の表面2及び裏面3を洗浄する(S17)。この場合、酸洗浄液が環状隙間72を経て洗浄槽23外へ流出し、ウエハ1の裏面3を洗浄する過程において、ウエハ1の端面も洗浄される。
この酸洗浄の終了後、洗浄槽23内の酸洗浄液を排液口65を経て排液する(S18)。この場合、正面壁28のピン71とウエハ1の裏面3との接触点に洗浄液が残ることにより、その表面張力により、ウエハ1の裏面3における周縁部が上記ピン71に接触して縦方向に起立した状態のまま保持される。洗浄槽23内からの酸洗浄液の排液後に、この洗浄槽23内へ洗浄槽給液口49から整流板61を介してリンス液としての純水(DIW)を供給する(S19)。これにより、ウエハ1の裏面3がリンス液の圧力(水圧)によりピン71に接触して保持され、更にこのウエハ1が受け部材73に支持される。
このリンス液が洗浄槽23内で洗浄槽給液口49から整流板61を介して第1オーバーフロー槽26へ向かって流動し、環状隙間72から流出する間にウエハ1の表面2及び裏面3をリンスする(S20)。この場合、リンス液が環状隙間72を経て洗浄槽23外へ流出し、ウエハ1の裏面3をリンスする過程において、ウエハ1の端面もリンスされる。このリンス時に、第1オーバーフロー槽26及び第2オーバーフロー槽80から排液槽75を経て排水されたリンス液は廃棄され、洗浄槽23内には洗浄槽給液口49から新鮮なリンス液(純水)が供給される。
上記リンス終了後に乾燥工程へ移行し、洗浄槽23内から排液口65を経てリンス液を排液する(S21)。リンス液の排液時、図6に示す液面検出センサー89により、リンス液の液面が、ウエハ保持装置24(基部45)の縦方向上部に配置した凹部47の下端より下がったことを確認、即ち、リンス液が液面検出センサー89より上方に存在しないことを検出して、図6及び図7に示すように、保持装置用シリンダ78を前進動作させてウエハ保持装置24を正面壁28の開口30内へ進入させて位置付け、ウエハ1の裏面3をウエハ保持装置24によりピン71に接触して保持する(S22)。
[乾燥工程]
S22で、ウエハ1の裏面3をウエハ保持装置24により保持したとき、ウエハ1が疎水性であれば(S23)、洗浄槽23からのリンス液(純水)の排液と同時に、乾燥用流体供給槽27におけるガス供給部58から常温の窒素ガスを噴射して洗浄槽23内へ導く(S24)。疎水性のウエハ1を常温の窒素ガスの雰囲気下とすることで、次工程で洗浄槽23内に噴射されるIPAベーパーがウエハ1に馴染みやすい状態とするものである。そして、ガス供給部58からの常温の窒素ガスの噴射開始時から所定時間経過後に、常温の窒素ガスの噴射を停止して(S25)、次に述べるIPAベーパーの噴射へ移行する。
上記ステップS20のリンス液(純水)排液後に、ステップS23においてウエハ1が疎水性でない場合には、洗浄槽23内から排液口65を経てリンス液が排液された後に、乾燥用流体供給槽27における2流体ノズル56からIPAベーパーを噴射する(S26)。このIPAベーパーの噴射開始前にガス排気口64が閉操作される。IPAベーパーが洗浄槽23内へ導かれることで、洗浄槽23内がIPA雰囲気下になり、次工程(S27)の高温の窒素ガスによる乾燥が促進されやすい状態となる。この場合、図11〜図13に示すように、ウエハ保持装置24のカバー46は、正面壁28に当接し、カバー46のシール部材46aが正面壁28に密着しているため、カバー46と正面壁28とのシール性が良好に確保されており、図13において矢印で示すように、カバー46によりIPAベーパーが正面壁28とウエハ保持装置24との隙間から拡散してしまうことが防止され、ウエハ1の裏面もIPAベーパー雰囲気下となり、ウエハ1の裏面においても、次工程(S27)の高温の窒素ガスによる乾燥が促進されやすい状態となる。
上記IPAベーパー供給終了後に、乾燥用流体供給槽27におけるガス供給部58から高温の窒素ガス(HOT N)が洗浄槽23内へ供給されて、洗浄槽23内のIPAが気化され、ウエハ1の表面2及び裏面3が急速に乾燥される(S27)。この高温の窒素ガスによるウエハ1の乾燥時には、ウエハ保持装置24へ導入されて凹部47において旋回流を形成するガスにも高温の窒素ガスが混入されて、ウエハ保持装置24が非接触状態で保持するウエハ1が裏面からも加温されるとともに、ウエハ保持装置24の内側中心に設けられた乾燥用流体供給孔48からも高温の窒素ガスを噴射することにより、このウエハ1からの乾燥がより促進される。更に、この高温の窒素ガスによる乾燥時にはガス排気口62(図6)が開操作されて、窒素ガスが洗浄槽23外へ排気される。
[搬出工程]
上述の乾燥工程終了後にウエハ1の搬出工程へ移行し、図5に示すように、洗浄装置11の正面壁28が装置躯体29から離間する(S28)。そして、乾燥工程において、高温の乾燥用流体により熱を帯びた洗浄槽23内の温度の一定化(冷却)及び槽内の洗浄を行い、次に処理されるウエハに備えるべく、純水ノズル57より純水を装置躯体29及び石英板53の表面に沿って流れるように供給し、洗浄槽23内の冷却及び洗浄を行う(S29)。洗浄槽23内に供給された純水は、排液口65を経て排液される。この純水ノズル57からの純水の供給は、現在のウエハ1の処理が終了し、次にウエハ搬送容器17から搬入されるウエハの処理工程において、洗浄装置11の正面壁28が装置躯体29から離間し、ウエハ保持装置24が、搬送用ロボット15からウエハ1を非接触状態で受け取るまで(S4)続けられる(純水の供給停止:S3)。この後、図4に示すように、搬送用ロボット15のハンド部20Dが正面壁28と装置躯体29との間に入り、ウエハ1の表面2を非接触状態で保持して、洗浄装置11のウエハ保持装置24からウエハ1を受け取る(S30)。この搬送用ロボット15は、ウエハ搬送容器(フープ)が開操作された時点で、受け取ったウエハ1をウエハ搬送容器内へ収納する(S31)。
なお、上記実施形態では、洗浄槽23から洗浄液またはリンス液を排液する際には、正面壁28のピン71とウエハ1の裏面3との接触点における洗浄液等の残存液の表面張力により、ウエハ1を縦方向に起立した状態のまま保持するものを述べたが、排液の度に保持装置用シリンダ78の作用でウエハ保持装置24が正面壁28の開口30内に進入し、このウエハ保持装置24がウエハ1の裏面3を保持することにより、非接触保持を確実化させてもよい。
また、上記実施形態では、洗浄装置11のウエハ保持装置24が、旋回流により発生する負圧の作用でウエハ1の裏面3を非接触状態で保持するものを述べたが、例えば上記実施形態において、正面壁28に設けられたピン71を略真空圧の作用により吸引する吸引保持装置とし、搬送用ロボット15のハンド部20Dにより正面壁28の内側に位置付けられたウエハ1の裏面3の周縁部を上記ピン71に吸着させて、当該ウエハ1を正面壁28に装着してもよい。この場合には、ウエハ保持装置24及び保持装置用シリンダ78を省略できるので、洗浄装置11の構造を簡素化できると共に、洗浄装置11の動作も容易化できる。
以上のように構成されたことから、上記実施形態によれば、次の効果(1)〜(6)を奏する。
(1)ウエハ1の搬入出時に正面壁28を装置躯体29から離間するように退避させ、その後正面壁28を装置躯体29に当接させる構成としたことにより、洗浄槽23内に搬送用ロボット15のハンド部20Dを入れる空間を用意する必要がないため、洗浄槽23を薄型化することができ、洗浄装置の占める面積を小さくするができ、さらに、洗浄用流体の量を減少させることができる。
(2)ウエハ1は、洗浄槽23内の洗浄液又はリンス液の圧力によって、ピン71を介して正面壁28に接触し、縦方向に起立した状態で保持される。よって、洗浄槽23内にウエハ1を保持するための保持具を配置する必要がないため、洗浄槽23を薄型化することができ、洗浄装置の占める面積を小さくすることができ、さらに、洗浄に用いる流体の量を減少させることができる。
(3)正面壁28が装置躯体29に当接した状態で洗浄、リンス、乾燥が行われるため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
(4)整流板61において、長手方向中央部分61aの孔61a1よりも外側部分61bの孔61b1の方の内径を大きくしているため、洗浄槽23内のウエハ1上において、洗浄液又はリンス液が対流することなく、洗浄槽給液口49から第1オーバーフロー槽26へ直線状に、かつ、高速で流れ、これにより効率よくムラなくウエハ1を洗浄することができる。
(5)整流板61を上記構成としたことにより、高速で洗浄液又はリンス液を安定供給することができるため、ウエハ1上の各点で洗浄液又はリンス液に触れる時間にほとんど差がなくなり、これによりウオーターマークの発生を防止することができる。
(6)ウエハ1の搬入後、正面壁28を装置躯体29に当接した状態のまま、洗浄、リンス、乾燥を順次行うため、洗浄用流体の蒸発や異物の混入を防止することができ、ウオーターマークがつきにくい環境を実現することができる。
つづいて本発明の第2実施形態について図19を参照しつつ説明する。図19は、第2実施形態の洗浄装置90の原理を説明するための概略構成を示す断面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態の洗浄装置90では、第1実施の形態において、正面壁28の開口30の周囲に設けられたざぐり面部70及びこのざぐり面部70に隙間形成部材として植設されたピン71が存在せず、ウエハ1の裏面3の周縁部が正面壁28に密着されて環状隙間72が存在しない構成となっている。ウエハ1の裏面3の周縁部が正面壁28に密着されて、正面壁28の開口30を閉塞するため、洗浄槽23から洗浄液またはリンス液が流出しない。従って、ウエハ1の表面のみが洗浄またはリンスされ、裏面3は洗浄またはリンスされない、片面のみ洗浄またはリンスされる構成となっている。洗浄槽23からウエハ1の裏面3側に洗浄液またはリンス液が流出しないため、ウエハ保持装置24を正面壁28から退避させる必要がなく、正面壁28とウエハ保持装置24とが結合されて、一体に移動可能な構成となっている。
その構成を具体的に説明すると、洗浄槽23は、一側壁としての正面壁28と、この正面壁28以外の装置躯体29とが当接して扁平のボックス形状に構成され、この正面壁28にウエハ1の外形に対応する形状の開口30が形成される。また、正面壁28の内面に、開口30の周囲に沿ってOリング等のシール部材31が配設される。正面壁28の内面には、更に、シール部材31の外側で装置躯体29に当接し得る位置にシール部材32が配設される。
ウエハ保持装置24は、正面壁28の開口30内に位置づけられた状態で、正面壁28に支持部材28aを介して結合され、この正面壁28と一体に移動可能とされる。従って、正面壁28が装置躯体29から離間したときに、搬送用ロボット15のハンド部20Dがウエハ1の表面2を非接触状態で保持して正面壁28と装置躯体29との間に入り、このときウエハ保持装置24が負圧の作用で、正面壁28の外側から開口30を通して上記ウエハ1の裏面3を非接触状態で保持して、ウエハ1がウエハ保持装置24に受け渡され、洗浄装置90の洗浄槽23内に搬入される。ウエハ1が洗浄槽23内に搬入された後に、正面壁28が装置躯体29に当接して洗浄槽23が構成される。
ウエハ1の裏面3がウエハ保持装置24に非接触状態で保持されることによって、ウエハ1は、洗浄槽23内で縦方向に起立し、且つ裏面3の周縁部が正面壁28のシール部材31に密着されて正面壁28の開口30を閉塞し、表面2が洗浄槽23内に臨み、裏面3が洗浄槽23外に臨むようにして洗浄槽23に装着される。ウエハ1の裏面3の周縁部が正面壁28のシール部材31に密着されると共に、正面壁28のシール部材32が装置躯体29に密着されることで、洗浄槽23は液密状態に確保される。また、洗浄槽23内が洗浄液等の流体で満たされている状態においては、ウエハ1に対する流体の水圧により、ウエハ1の裏面3の周縁部が正面壁28のシール部材31に密着されている。すなわち、シール部材31を介して正面壁28に接触しつつ起立した状態で保持される。よって、ウエハ保持装置24を作動させない場合であっても、液密状態が確保される。また、ウエハ1の表面2が洗浄槽23内に臨み、裏面3が洗浄槽23外に臨むことで、洗浄槽23内の洗浄液にウエハ1の表面2が接液し、ウエハ1の裏面3は接液しないように構成される。
また、洗浄槽23内においては、第1実施形態と同様に、洗浄槽給液口49とウエハ1の下端との間に、洗浄槽23内へ供給する洗浄液又はリンス液の流れを整える長板状の整流板61が配置されている。この整流板61の構成及び配置は、第1実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
高周波発振器からの高周波信号が超音波振動子51へ供給されることによって、この超音波振動子51が超音波振動し、この超音波振動が間接槽52内の純水及び石英板53を経て、洗浄槽23に装着されたウエハ1の表面2へ照射され、表面2のみの洗浄が行われる。この場合、ウエハ1の裏面3の周縁部のみが正面壁28のシール部材31に密着された状態で洗浄されるため、ウエハ1の端面も洗浄される。なお、その他の構成、作用、効果は第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第3実施形態について図20〜図22を参照しつつ説明する。図20は、第3実施形態の洗浄装置90の原理を説明するための概略構成を示す断面図である。図21は、第3実施形態に係る整流板161の構成を示す平面図である。図22は、第3実施形態に係る洗浄槽23内のウエハ1上の洗浄液又はリンス液の流れの解析結果を示す図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態に係る洗浄装置100は、装置全体が水平面Hに対して角度αだけ傾斜している点、ウエハ保持装置24を設ける必要がない点、及び、第1実施形態の整流板61に代えて図21に示す整流板161を用いている点が第1の実施形態と異なる。
洗浄装置100は、正面壁28よりも正面壁28に対向する側壁としての石英板53の方が高くなるように構成され、そのため正面壁28が角度α傾斜している。このような構成としたため、ウエハ1は、重力により、ピン71を介して正面壁28に立て掛けられた状態となり、起立状態で保持される。従って、ウエハ保持装置24を配する必要がなく、洗浄装置11を薄型化できるとともに、簡易な構成とすることが可能である。
ここで、この角度αは、ウエハ1の保持の観点からは大きいことが好ましいが、ウエハ1上を流れる洗浄液又はリンス液の流れの均一性も考慮すると、0°<α≦10°が好ましく、3°であることがより好ましい。
整流板161は、整流板61と同様に、長手方向(図21の左右方向)を洗浄装置100の洗浄槽23の幅方向(図21の紙面に垂直な方向)に、幅方向(図21の上下方向)を洗浄槽23の奥行き方向(図21の左右方向)に、それぞれ合わせて配置され、厚さ方向に貫通する孔161a1、161b1、161c1が複数設けられている。これらの孔161a1、161b1は、161c1は、例えば図21に示すように行列をなすように配置されている。この整流板161においては、長手方向中央部分161aの孔161a1よりも周縁部分161cの孔161c1の方が内径が大きく、周縁部分161cの孔161c1よりも中間部分(外側部分)161bの孔161b1の方が内径が大きくなっている。
洗浄装置100を角度αだけ傾け、上述のように整流板61の孔161a1、161b1、161c1を構成したことにより、図22に示すように、洗浄槽23内のウエハ1上において、洗浄液又はリンス液が対流することなく、洗浄槽給液口49から第1オーバーフロー槽26側へ直線状に、かつ、高速で流れるため、効率よくムラなくウエハ1を洗浄することができる。ここで、図22は、第3実施形態に係る洗浄槽23において角度αを3度としたモデルにおいて、洗浄槽23内に配置されたウエハ1上における洗浄液又はリンス液の流れを解析した結果を示す図であり、表示された色の濃淡が流速を表している。この図22では、ウエハ1上の流速が高速かつほぼ同一であって、下から上へ(洗浄槽給液口49から第1オーバーフロー槽26側へ)直線状に洗浄液又はリンス液が高速に流れることが分かる。よって、高速で洗浄液又はリンス液を供給することができるため、ウエハ1上の各点で洗浄液又はリンス液に触れる時間にほとんど差がなく、これによりウオーターマークの発生を防止することができる。
なお、第3実施形態は、第1実施形態に係る洗浄装置11を角度α傾斜させたものであったが、これに代えて、第2実施形態に係る洗浄装置90を同様に角度α傾斜させたものであってもよい。また、その他の構成、作用、効果は第1実施形態と同様である。
本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の待機状態を、斜め正面側から目視して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る洗浄装置の待機状態を、斜め背面側から目視して示す斜視図である。 図1の洗浄装置のウエハ搬入出状態を示す正面図である。 図3のIV矢視図である。 図1の洗浄装置のウエハ受け渡し状態を示す側面図である。 図1の洗浄装置のウエハセット状態またはウエハ乾燥状態を示す正面図である。 図6のVII矢視図である。 図1の洗浄装置のウエハ洗浄状態またはウエハリンス状態を示す側面図である。 図7の一部を拡大して示す断面図である。 図9の正面壁における開口周囲を示す斜視図である。 図1の洗浄装置におけるウエハ保持装置を、保持装置用シリンダと共に示す斜視図である。 図1の洗浄装置の原理を説明するための概略構成を示す断面図である。 図10の一部を拡大するとともにIPAベーパーの流れを示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る整流板の構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る洗浄槽内のウエハ上の洗浄液又はリンス液の流れの解析結果を示す図である。 図12の一部を拡大するとともに洗浄液又はリンス液の流れを示す断面図である。 図2の洗浄装置における動作の一部を示すフローチャートである。 図2の洗浄装置における動作の残部を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る洗浄装置の原理を説明するための概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る洗浄装置の構成を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係る整流板の構成を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係る洗浄槽内のウエハ上の洗浄液又はリンス液の流れの解析結果を示す図である。
符号の説明
1 ウエハ(被処理物)
2 表面
3 裏面
11 洗浄装置
12 洗浄装置配置部
23 洗浄槽
23A 洗浄槽構成部
24 ウエハ保持装置(保持手段)
24a カバー
25 超音波振動装置
26 第1オーバーフロー槽
27 乾燥用流体供給槽
28 正面壁(一側壁)
29 装置躯体
30 開口
30R 開口の軸方向
46 カバー
46a シール部材
48 乾燥用流体供給孔
49 洗浄槽給液口
56 2流体ノズル
57 純水ノズル
58 ガス供給部
59 有機溶剤供給口
59a パイプ
59b ラバーヒーター
60 不活性ガス供給口
61 整流板
62 ガス排気口
71 ピン(隙間形成部材)
72 環状隙間
73 受け部材
78 保持装置用シリンダ
80 第2オーバーフロー槽
90 洗浄装置
100 洗浄装置
161 整流板

Claims (9)

  1. 洗浄槽内の洗浄用流体により、前記洗浄槽に配設された被処理物を洗浄またはリンスする洗浄装置であって、
    前記被処理物は、前記洗浄槽内の前記洗浄用流体の圧力によって、前記洗浄槽を構成する側壁のうちの一側壁に接触しつつ起立した状態で保持されること
    を特徴とする洗浄装置。
  2. 前記一側壁は、前記装置躯体に対し開口の軸方向に移動可能であって、前記装置躯体と当接することにより洗浄槽を構成し、
    前記被処理物は、前記一側壁を前記装置躯体から離間させたときに前記洗浄増内に搬入され、前記一側壁を前記装置躯体と当接させることにより前記洗浄槽内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記洗浄槽内において、前記洗浄槽内に前記洗浄用流体を供給する洗浄用流体供給口と前記被処理物との間に、前記洗浄槽内へ供給する前記洗浄用流体の流れを整える整流板が配置されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置。
  4. 前記一側壁には、前記被処理物の外形に対応する開口が形成され、前記一側壁の外側から前記開口を通して、前記一側壁の内側に搬入された前記被処理物の裏面を保持可能として、前記被処理物を縦方向に起立状態とする保持手段が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、何れか1に記載の洗浄装置。
  5. 前記保持手段は、旋回流により発生する負圧の作用で、被処理物の裏面を非接触状態で保持することを特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
  6. 前記整流板には、前記洗浄用流体が通過する複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔の内径は、前記整流板の中央部分よりも外側部分の方が大きいことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の洗浄装置。
  7. 前記一側壁は、水平面に対し、前記一側壁よりも前記一側壁に対向する側壁の方が高くなるように傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、何れか1に記載の洗浄装置。
  8. 前記整流板には、前記洗浄用流体が通過する複数の貫通孔が設けられ、前記貫通孔の内径は、前記整流板の中央部分と周縁部分の間の外側部分が最も大きく、前記中央部分が最も小さいことを特徴とする請求項7に記載の洗浄装置。
  9. 前記一側壁の内面における前記開口周囲に設けられ、前記被処理物の裏面が接触することで、前記被処理物と前記開口周囲との間に隙間を形成する隙間形成部材を備え、前記被処理物は、前記洗浄槽内の前記洗浄用流体の圧力によって、前記隙間形成部材を介して前記一側壁に接触しつつ縦方向に起立した状態で保持されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、何れか1に記載の洗浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014214332A (ja) * 2013-04-23 2014-11-17 株式会社荏原製作所 基板めっき装置及び基板めっき方法

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