JP2008091267A - 真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】真空バルブにおけるフランジの肉厚を薄くしたままフランジの強度を確保すること。
【解決手段】薄肉化した上側フランジ3に、補助シールド18の内フランジ部19をロウ付けする。
【選択図】図1
【解決手段】薄肉化した上側フランジ3に、補助シールド18の内フランジ部19をロウ付けする。
【選択図】図1
Description
本発明は真空バルブに関し、特に、真空バルブに用いられる真空容器におけるフランジ及びシールドの取り付けに関する。
従来から、遮断器や電磁接触器に真空バルブが用いられている。現在用いられている真空バルブは、一般に、絶縁筒の両端部にフランジがロウ付けされることで真空容器が形成され、その真空容器の内部に固定接点及び可動接点が配置される。
固定接点及び可動接点の周囲には、これらの接点を覆うように主アークシールドあるいは補助シールドが真空容器の内部に配置されている。主アークシールドあるいは補助シールドは、電流を遮断した際に固定接点及び可動接点からその周囲に対して飛散する金属粒子を受け止めて真空容器の内面に付着することを防いでいる。補助シールドは、真空容器の端部に設けられることがある。ここに設けられることで、飛散する金属粒子を受けると同時に、補助シールド上では等電位となるので、集中する電界を緩和させて絶縁破壊が起こることを抑えている。補助シールドとしては、例えば、その一端部がフランジの内面に接続されているものが特許文献1に開示されている。この補助シールドは、主アークシールドとは別に配置されており、その形状は略円筒状である。
真空バルブにおけるフランジは、通常、真空バルブにある程度の強度を持たせるために、適度な厚さを有している。そのため、従来用いられている真空バルブのフランジにおいては、特に補強の必要性が無い。ところが、フランジを厚くした場合には、その成形性が悪くなる虞がある。また、フランジと絶縁筒とのロウ付けの際に、ロウ材の全体に対して熱が伝わり難くなり、精度良くロウ付けを行うことが困難になる虞がある。
このような理由から、フランジを薄肉の金属から形成することが考えられる。こうすることで、フランジの成形性が良くなり、また、絶縁筒に対するロウ付けの精度も向上する。
しかしながら、フランジを薄肉とすることで、フランジの強度が不足してしまう虞があるという課題が生じる。従って、フランジの強度を確保するために、薄肉のフランジでロウ付けを行い、その後フランジに新たな補強板を取り付けることが考えられる。しかし、この場合には、新たな補強部材が必要となるため、真空バルブの製造におけるコストが上昇してしまう。
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、真空バルブにおけるフランジの肉厚を薄くすると同時に、特別な補強板を要することなくフランジの強度を確保することにある。
上記課題を解決するために本発明は、絶縁材からなる絶縁筒の端部にフランジが接合された真空容器の内部に固定接点と可動接点とが配置され、前記フランジの内面に筒状のシールドの端部が接合される真空バルブにおいて、前記フランジの内面に接合される前記シールドの端部に、薄肉化された前記フランジを補強するための内フランジ部を形成したことを特徴とする。
本発明によれば、フランジとシールドの内フランジ部とが接合されるので、真空バルブの内部の空間を狭めることなく、しかも、フランジの補強に新たな補強部材を取り付けることなく、補強部材としてのシールドを用いてフランジとシールドとの接合領域でフランジを補強することができる。従って、真空バルブを小型化、軽量化することと同時に真空バルブにおけるフランジの補強にかかるコストを抑えることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1を用いて、本発明の第一実施形態を説明する。図1は、本発明の真空バルブ1の断面図である。本実施形態の真空バルブ1では、円筒状の絶縁筒2の上側の端部に上側フランジ3が気密に取り付けられ、下側の端部に下側フランジ4が気密に取り付けられて真空容器5が形成される。これらの上側フランジ3、下側フランジ4は、金属によって薄い平板状に形成されている。
下側フランジ4の略中央部には下側貫通口6が設けられており、その下側貫通口6を通って真空容器5の内部に固定接点用ロッド7が延びている。そして、固定接点用ロッド7の先端には固定接点8が取り付けられている。また、上側フランジ3の略中央部には上側貫通口9が設けられており、その上側貫通口9を通って円筒状のガイド11が配置されている。ガイド11の上端部には、拡径する外フランジ部10が形成されている。ガイド11における円筒部分11aは上側貫通口9に通され、ガイド11の外フランジ部10の下面と上側フランジ3の上面の一部とが接合されている。ガイド11の中央部には通路12が設けられており、その通路12を通って案内されながら可動接点用ロッド13が真空容器5の内部に延びている。ガイド11は、可動接点用ロッド13の移動を案内するように、通路12で可動接点用ロッド13と摺動可能に配置されている。可動接点用ロッド13の先端には可動接点14が配置されている。
真空容器5内部の上側フランジ3の下面には、蛇腹状に形成されたベローズ15が上側フランジ3に対して気密に取り付けられている。ベローズ15の下端部にはベローズカバー16が配置されている。ベローズカバー16は、可動接点用ロッド13に対して気密に取り付けられている。
図1においては、固定接点8と可動接点14とが接触した状態となっており、この状態で固定接点8と可動接点14とが通電している。通電状態にある固定接点8及び可動接点14の周囲には、これらを囲んで覆うように主アークシールド17が絶縁筒2の内面に取り付けられている。
上側フランジ3の下面には、ベローズ15の外側に位置する補助シールド18が取り付けられている。補助シールド18は円筒状であり、その上端部には、筒状部分20から縮径する内フランジ部19が形成されている。これにより、補助シールド18は、上端部が縮径するカップ形状となっている。補助シールド18は、内フランジ部19が上側フランジ3の下面に対してロウ付けによって気密に取り付けられている。上側フランジ3と内フランジ部19との接合領域21においては、上側フランジ3における厚みが増すことと同様の効果が得られるので、上側フランジ3の強度が高められることになる。
このように、補助シールド18と上側フランジ3との接合を補助シールド18の筒状部分20から縮径する内フランジ部19で行うことで、筒状部分20の内部空間を十分に確保しつつ、上側フランジ3と内フランジ部19との接合領域21の面積を稼ぐことができる。従って、補助シールド18の内側の空間を確保したまま上側フランジ3を補強することができる。その結果、補助シールド18の内側の空間を有効に利用して、真空バルブ1を小型化、軽量化することができると共に、真空バルブ1における強度が高められて安全性の高い真空バルブ1とすることができる。
また、上側フランジ3の強度を向上させるために、新たな補強部材を取り付ける必要がなく、補助シールド18の内フランジ部19が補強部材を兼ねる構成となる。従って、真空バルブ1の製造におけるコストを抑えることができる。
図2は、真空バルブ1の上部を拡大した断面図であり、上側フランジ3とガイド11とが接合されている領域をR1、上側フランジ3と絶縁筒2とが接合されている領域をR2、接合領域R1と接合領域R2との間の領域をR3として示す。
領域R3は、絶縁筒2及びガイド11のいずれに対しても接合されない上側フランジ3の領域である。この領域R3における上側フランジ3の強度は、補助シールド18が取り付けられなければ上側フランジ3の厚みに依存する。これに対して、領域R1及びR2における上側フランジ3の強度は、ガイド11及び絶縁筒2との接合によって結果的に補強されることになる。本例においては、上側フランジ3と内フランジ部19との接合領域21が領域R3の少なくとも一部を含み、且つ領域R1内にも及んでいるので、強度の低い領域R3が効果的に補強されることになる。
また、補助シールド18の内フランジ部19が、領域R3と領域R1との両方の領域にまたがって上側フランジ3と接合されていることにより、領域R1では、上側フランジ3がガイド11と補助シールド18とによって挟まれた状態となる。従って、領域R3では、領域R1から延びた補助シールド18によってさらに効果的に強度が高められる。
このように構成された真空バルブ1においては、真空容器5の内部が予め排気され、高真空に保たれる。そして、通電時には、図1に示されているように固定接点8と可動接点14とが接触している。このとき、補助シールド18が真空容器5の上端部に設けられているので、ここでの電界が緩和されて、絶縁筒における絶縁破壊が抑えられる。
そして、通電を遮断するには、可動接点14をガイド11に沿って上方に引き上げて、固定接点8と可動接点14とを解離させる。可動接点用ロッド13が通路12内を移動しても、ベローズ15が蛇腹状に形成され、且つベローズカバー16が可動接点用ロッド13に気密に固定されているので、真空容器5内部の気密性は保たれる。
電流を遮断するために固定接点8と可動接点14とを解離させると、それらの間でアークが発生する。このアークを素早く消弧させるために、真空容器5の内部を高真空に保つのである。真空容器5の内部が高真空に保たれているので、真空容器5内部での拡散作用によりアークが素早く消弧される。
そして、このときのアーク放電により発生する金属粒子が絶縁筒2に付着するのを防ぐために、固定接点8及び可動接点14の周囲に、これらを覆うように主アークシールド17が絶縁筒2の内面に取り付けられている。従って、金属粒子が絶縁筒2に付着することにより絶縁性能が低下することを抑えることができる。
また、上側フランジ3下面付近へ飛散する金属粒子に対しては、補助シールド18が受け止めることになる。これにより、上側フランジ3下面付近へ金属粒子が飛散して絶縁筒2内面に付着することにより絶縁性能が低下することを抑えることができる。
なお、上記実施形態においては、補助シールド18を、真空容器5における可動接点14側端部の上側フランジ3下面のみに配置することした。しかし、補助シールド18は下側フランジ4に設けられていても良く、下側フランジ4における補助シールドの配置に関しても本発明を適用することができる。
1 真空バルブ
2 絶縁筒
3 上側フランジ
4 下側フランジ
5 真空容器
7 固定接点用ロッド
8 固定接点
11 ガイド
13 可動接点用ロッド
14 可動接点
17 主アークシールド
18 補助シールド
2 絶縁筒
3 上側フランジ
4 下側フランジ
5 真空容器
7 固定接点用ロッド
8 固定接点
11 ガイド
13 可動接点用ロッド
14 可動接点
17 主アークシールド
18 補助シールド
Claims (4)
- 絶縁材からなる絶縁筒の端部にフランジが接合された真空容器の内部に固定接点と可動接点とが配置され、前記フランジの内面に筒状のシールドの端部が接合される真空バルブにおいて、
前記フランジの内面に接合される前記シールドの端部に、薄肉化された前記フランジを補強するための内フランジ部を形成したことを特徴とする真空バルブ。 - 前記フランジに、前記可動接点に接続された可動接点用ロッドが摺動可能に貫通するガイドが接合されることを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
- 前記シールドの前記内フランジ部と前記フランジとの接合領域は、前記絶縁筒と前記ガイドとの間における前記フランジの領域と、前記ガイドに接合される前記フランジの領域と、の両方の領域にまたがることを特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。
- 前記シールドは、前記フランジに対してロウ付けによって接合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の真空バルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006272896A JP2008091267A (ja) | 2006-10-04 | 2006-10-04 | 真空バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008091267A true JP2008091267A (ja) | 2008-04-17 |
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ID=39375200
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JP (1) | JP2008091267A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110828228A (zh) * | 2019-10-29 | 2020-02-21 | 覃向阳 | 一种真空灭弧室触头保护装置 |
-
2006
- 2006-10-04 JP JP2006272896A patent/JP2008091267A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110828228A (zh) * | 2019-10-29 | 2020-02-21 | 覃向阳 | 一种真空灭弧室触头保护装置 |
CN110828228B (zh) * | 2019-10-29 | 2021-06-08 | 浙江泰控电气有限公司 | 一种真空灭弧室触头保护装置 |
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