JP2008090660A - コスト見積もり装置、コスト見積もりシステム、プログラム、およびコスト見積もり方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造条件の変化を反映させた適正な見積額を得る。
【解決手段】基本データ管理装置1は、物品の製造に際して必要となる要素の基準価格を登録した基本データベースを記憶するとともに、最新の基準価格を取得して基本データベースを更新管理する。コスト見積もり装置2は、基本データ管理装置1から基本データベースを取得し、取得した基本データベースから見積もりパラメータを準備する。この見積もりパラメータを用いて材料費や加工費を見積もることによって、最新の製造条件下での見積額を算出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、加工部品等のコスト見積もりを行う技術に関する。
生産計画の立案時には、加工部品の製造コストを正確に見積もることが非常に重要であり、製造コストの見積もりに関して各種の技術が考案されている。例えば、特許文献1には、加工部品の図面から加工部品のサイズや素材名称を読み取り、これら読み取った情報を検索キーとしてコスト要因のデータベースから各種の情報(素材の比重、単価等)を取得して、材料費や加工費を見積もる技術が記載されている。
また、加工費を正確に見積もるためには、製造に必要な加工工程を特定しなければならない。これに関して特許文献2には、部品を製造するために必要な加工工程を3次元CADデータから読み取った情報を解析することによって特定する技術が記載されている。
特許文献1の構成では、材料費や加工費が、固定化して保持されたコスト要因値を用いて算出される。しかしながら、材料単価といったコスト要因の値は現実には日々変動していくものであるので、固定化されたコスト要因値を用いて算出された材料費や加工費の見積額は次第にその信憑性を欠くものとなってしまう。
コスト要因値としてより現実的な値を得るために、特許文献3では、コスト要因の一つに変動要素を組み入れている。ここでは部品メーカの企業努力等によって変更可能性のある値を変動要素としてコスト要因に加味している。つまり、部品メーカに変動要因を適宜更新させることによって、当該部品メーカに発注したと仮定した場合の現実的な製造コストを見積額として得ることが可能となる。
特開平9−160945号公報 特開2003−280715号公報 特開2002−7791号公報
特許文献3の技術によると、部品メーカから提供されたコスト要因を使用してコストを算出することによって現実的な見積額が得られるものの、提供されるデータは各部品メーカが個人的に提出したデータにすぎないため、算出された見積額が客観的にみて真に適正な見積額であるとの保証はなかった。つまり、材料価格の変動といった客観的な製造条件の変化を直接に反映させた真に適正な見積額を得ることができなかった。
また、従来のコストの見積もり技術においては、材料費や装置の使用から発生する費用についてはある程度綿密に算出されていたものの、労務費についてはごく大まかに概算されており、これが実際の製造コストと見積額との誤差となって現れていた。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、製造条件の変化を反映させた適正な見積額を得ることを第1の目的とする。さらに、労務費を適正に見積もって正確な見積額を得ることを第2の目的とする。
請求項1の発明は、物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格を登録した基準価格データベースを格納するデータベース格納手段と、見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得手段と、前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備手段と、前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出手段と、を備える。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコスト見積もり装置において、前記見積もりパラメータ準備手段が、前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品を製造する加工工程で必要となる労務作業の基準価格を労務パラメータとして取得する労務パラメータ準備手段、を備え、前記見積額算出手段が、前記労務作業に要する作業時間と当該労務作業について準備された労務パラメータとに基づいて当該労務作業から発生する労務費を算出する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のコスト見積もり装置において、前記基準価格データベースに、労務区分毎の労務費の基準価格が登録されており、前記労務パラメータ準備手段が、前記基準価格データベースから、前記労務作業に係る加工工程と対応付けられた労務区分の前記基準価格を、当該労務作業の労務パラメータとして取得する。
請求項4の発明は、請求項2に記載のコスト見積もり装置において、前記労務作業に、加工作業の段取りに関する作業が含まれる。
請求項5の発明は、通信手段を介して接続された基準価格データ管理装置と少なくとも1以上のコスト見積もり装置とを有するコスト見積もりシステムにおいて、前記基準価格データ管理装置が、物品の製造に際して必要となる要素の基準価格を登録した基準価格データベースを格納する第1のデータベース格納手段と、その時点での基準価格を取得して前記基準価格データベースに更新登録する基準価格更新管理手段と、を備え、前記コスト見積もり装置が、前記基準価格データ管理装置から前記基準価格データベースを取得する基準価格データベース取得手段と、前記基準価格データベース取得手段が取得した前記基準価格データベースを格納する第2のデータベース格納手段と、見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得手段と、前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備手段と、前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出手段と、を備える。
請求項6の発明は、請求項5に記載のコスト見積もりシステムにおいて、前記基準価格データベースが、前記要素の種類に応じてファイル化されており、前記基準価格更新管理手段が、前記基準価格の更新を前記ファイル毎に管理する。
請求項7の発明は、請求項5に記載のコスト見積もりシステムにおいて、前記通信手段を介して接続された見積額蓄積装置、を有し、前記見積額蓄積装置が、前記コスト見積もり装置において実行されたコスト見積もりの結果情報を取得して蓄積する結果情報蓄積手段、を備える。
請求項8の発明は、請求項5に記載のコスト見積もりシステムにおいて、前記通信手段を介して接続された出力装置、を有し、前記出力装置が、前記コスト見積もり装置が算出した見積額を出力する見積額出力手段、を備える。
請求項9の発明は、見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得機能と、物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格を登録した基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備機能と、前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出機能と、を実現する。
請求項10の発明は、物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格を取得して基準価格データベースに登録する基準価格取得工程と、前記基準価格データベースを取得する基準価格データベース取得工程と、見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得工程と、前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備工程と、前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出工程と、を備える。
請求項1の発明によると、見積もりパラメータ準備手段が、物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格が登録された基準価格データベースから、見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得するので、製造条件の変化を反映させた適正な見積額を得ることができる。
請求項2の発明によると、労務パラメータ準備手段が、基準価格データベースから見積もり対象物品を製造する加工工程で必要となる労務作業の基準価格を労務パラメータとして取得し、見積額算出手段が、労務作業について準備された労務パラメータを用いて当該労務作業から発生する労務費を算出する。すなわち、労務作業に応じてパラメータを切り替えて労務費を算出するので、各労務作業から発生する労務費を正確に算出することができる。つまり、労務費を適正に見積もって正確な見積額を得ることができる。
請求項3の発明によると、労務パラメータ準備手段が、労務パラメータとして、労務作業に係る加工工程と対応付けられた労務区分の基準価格を取得する。したがって、作業者の労務区分の相違に基づく労務費の差額を適正に加味して正確な労務費を算出することができる。
請求項4の発明によると、労務作業に、加工作業の段取りに関する作業が含まれるので、段取り作業から発生する労務費ももれなく見積額に反映して、正確な見積額を得ることができる。
請求項5の発明によると、基準価格データ管理装置がその時点での基準価格を取得して基準価格データベースに更新登録する一方で、コスト見積もり装置が基準価格データ管理装置から基準価格データベースを取得し、パラメータ準備手段が取得された基準価格データベースから見積もりパラメータを取得する。これによって、最新の製造条件下での見積額を得ることができる。また、更新管理された基準価格データベースが、少なくとも1以上のコスト見積もり装置によって共有されるため、基準価格データベースの更新管理を効率的に行うことができる。
請求項6の発明によると、基準価格データ更新管理手段が、基準価格の更新をファイル毎に管理するので、基準価格データベースを効率的に更新管理することができる。
請求項7の発明によると、コスト見積もり装置において実行されたコスト見積もりの結果情報が見積額蓄積装置において蓄積されるので、コスト見積もりの結果情報を、通信手段を介して接続された装置の間で共有可能となる。
〈第1の実施の形態〉
〈1.構成〉
〈1−1.システム構成〉
図1は、この発明の第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100の全体構成を示す図である。コスト見積もりシステム100は、1以上のコスト見積もり装置2と、コスト見積もり装置2に対して、後述する「基本データベースF」を提供可能な基本データ管理装置1と、コスト見積もり装置2が実行した見積もりの結果情報を蓄積する見積もりデータ管理装置3と、コスト見積もり装置2が実行した見積もりの結果情報を出力する出力装置4とがLAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークNで接続された構成となっている。
〈1−2.ハードウェア構成〉
基本データ管理装置1、コスト見積もり装置2および見積もりデータ管理装置3は、いずれもコンピュータによって実現される。
図2は、コスト見積もり装置2のハードウェア構成を示す図である。コスト見積もり装置2は、CPU911、ROM912、およびRAM913から構成され、後述する各機能を実現する制御部91と、このコンピュータをコスト見積もり装置2として機能させるためのプログラムPrなどを格納するための記憶部92と、オペレータが各種の指示を入力するためのマウスやキーボードなどからなる操作部93と、ディスプレイ等の表示部94と、ハードディスクなどにより構成され、メディアリーダ/ライタ951を通じて記録媒体Mとの間でデータのリード/ライトを行うためのR/W部95と、ネットワークN上の他の装置との間でデータの受け渡しを行うためのインターフェースである通信部96とを主として備えている。
基本データ管理装置1および見積もりデータ管理装置3についても、上述したコスト見積もり装置2と同様のハードウェア構成によって実現される。なお、以下において、基本データ管理装置1のハードウェア構成を示す場合、図2の参照符号の末尾に「a」を付して示す。また、見積もりデータ管理装置3のハードウェア構成を示す場合、図2の参照符号の末尾に「b」を付して示す。
出力装置4は、プリンタ等によって実現される。プリンタは、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、熱転写プリンタなどのいずれであってもよい。
〈1−3.機能構成〉
図3は、基本データ管理装置1、コスト見積もり装置2および見積もりデータ管理装置3の機能構成を示す図である。
〈i.基本データ管理装置1〉
基本データ管理装置1は基本データベースFを管理する装置であり、基本データ更新管理部11を備えている。この機能部は、制御部91aが記憶部92aに記憶されている所定のプログラムPraを実行することにより実現される構成要素である。また、基本データ管理装置1の記憶部92aは、基本データベースFとバージョン管理テーブルT1とを格納している。
基本データベースFとは、物品の製造に際して必要となる要素の基準価格(以下において「基本データ」ともいう。)を登録したデータベースである。物品の製造に関して必要となる要素とは、例えば、材料、人の作業(労務作業)、装置設備等である。また、基準価格とは、所定の領域(好ましくは、日本全域)において各要素にかかる平均的な価格を意味している。例えば、材料「規格3.2の板材の鉄」の基準価格は、例えば日本での「規格3.2の板材の鉄」の平均的な流通価格を単位kg当たりに換算したものである。また、例えば、アルバイトの労務形態で働く人の労務作業についての基準価格は、所定領域での平均的なアルバイト時給を単位分当たりに換算したものである。また、例えば、装置「複合機」についての基準価格は、平均的に用いられている製造装置「複合機」の単位分当たりの使用コストである。
基本データベースFは、要素の種類に応じてファイル化されている。材料値ファイルF1には、材料についての基準価格が登録されている(図4(a))。労務値ファイルF2には、労務作業についての基準価格が労務形態の区分(労務区分)毎に登録されている(図4(b))。設備使用値ファイルF3には、装置設備の使用や駆動に必要なコストの基準価格が登録されている(図4(c))。
基本データ更新管理部11について説明する。基本データ更新管理部11は、基本データベースFを更新管理する。基本データは、原油価格や天候の変動、政治情勢、最新型の装置の導入・普及等や減価償却等の各種の要因に応じて変動する。基本データ更新管理部11は、このように変動する基本データの最新値(すなわち、データ取得の時点での基準価格)を取得して基本データベースFに更新登録する。また、どの時点における情報であるかを明確にするべく、基本データベースFの各ファイルをバージョン管理テーブルT1によってバージョン管理する。
基本データ更新管理部11における基本データベースFの更新管理についてより具体的に説明する。基本データ更新管理部11は、材料値ファイル更新管理部111と、労務値ファイル更新管理部112と、設備使用値ファイル更新管理部113とを備えている。
材料値ファイル更新管理部111は、材料値ファイルF1を更新管理する。すなわち、材料費の基準価格の最新値(更新情報)を取得するとともに、取得した更新情報を取得日時とともに記憶部92aに格納された材料値ファイルF1に書き込む。材料値ファイルF1は、図4(a)に例示されるように、「材料種類」「基準価格」「更新日時」の各項目を有している。例えば、更新情報として、材料種類「規格3.2の板材の鉄」の最新の基準価格「90(円/kg)」を「2006/9/1」に取得した場合、当該更新情報を材料値ファイルF1の「材料種類」「基準価格」「更新日時」の各項目に格納する。材料値ファイルF1に新たな更新情報が書き込まれることによってファイルがバージョンアップされた場合、新たなバージョン情報をバージョン管理テーブルT1に格納する。バージョン管理テーブルT1は、図5(a)に例示されるように、「ファイル種類」「バージョン情報」「更新日時」の各項目を有している。例えば、「2006/9/1」に、「材料値ファイルF1」がバージョン番号「3.0」にバージョンアップされた場合、材料値ファイル更新管理部111は、当該情報を「更新日時」「ファイル種類」「バージョン情報」の各項目に格納する。
労務値ファイル更新管理部112は、労務値ファイルF2を更新管理する。すなわち、人件費の基準価格の最新値(更新情報)を取得するとともに、取得した更新情報を取得日時とともに記憶部92aに格納された労務値ファイルF2に書き込む。労務値ファイルF2は、図4(b)に例示されるように、「労務区分種類」「基準価格」「更新日時」の各項目を有している。労務値ファイル更新管理部112は、例えば、更新情報として、労務区分「アルバイト」の最新の基準価格「23(円/分)」を「2006/8/20」に取得した場合、当該更新情報を労務値ファイルF2の「労務区分種類」「基準価格」「更新日時」の各項目に格納する。労務値ファイルF2に新たな更新情報が書き込まれることによってファイルがバージョンアップされた場合、新たなバージョン情報をバージョン管理テーブルT1に格納する。
設備使用値ファイル更新管理部113は、設備使用値ファイルF3を更新管理する。すなわち、設備使用費に関する更新情報を取得するとともに、取得した更新情報を取得日時とともに記憶部92aに格納された設備使用値ファイルF3に書き込む。設備使用値ファイルF3は、図4(c)に例示されるように、「装置設備種類」「基準価格」「更新日時」の各項目を有している。設備使用値ファイル更新管理部113は、例えば、更新情報として、装置「ターレットパンチ」の最新の基準価格「64.5(円/分)」を「2006/9/1」に取得した場合、当該更新情報を設備使用値ファイルF3の「装置設備種類」「基準価格」「更新日時」の各項目に格納する。設備使用値ファイルF3に新たな更新情報が書き込まれることによってファイルがバージョンアップされた場合、新たなバージョン情報をバージョン管理テーブルT1に格納する。
なお、基本データ更新管理部11は、基本データの最新値をネットワークNを介して接続された外部端末装置から受信して取得してもよいし、最新値を格納した記録媒体Mから読み取って取得してもよい。また、オペレータに操作部93aから更新情報を入力させ、当該入力操作に基づいて最新値を取得してもよい。例えばこの場合、オペレータが定期的に新聞等で材料費をチェックして、材料費の基準価格が変動した場合には当該新たな基準価格を入力し、基本データ更新管理部11が当該入力された基準価格を基本データの最新値として取得する。
また、基本データ更新管理部11は、基本データの最新値を定期的に取得してもよいし、不定期のタイミングで取得してもよい。すなわち、所定時間おきに所定の通信端末装置にアクセスして最新値を取得してもよいし、例えばオペレータが操作部93aを介して所定の更新指示を入力した場合に最新値を取得してもよい。
また、各ファイル更新管理部111〜113のそれぞれで基本データの最新値の取得方法や取得タイミングは互いに異なってもよい。例えば、材料値ファイル更新管理部111は最新値をオペレータからの入力情報に基づいて取得し、設備使用値ファイル更新管理部113は最新値をネットワークN経由で定期的に取得するとしてもよい。
〈ii.コスト見積もり装置2〉
〈ii−i.全体の機能構成〉
コスト見積もり装置2は、基本データ取得部21と、物品情報取得部22と、加工工程特定部23と、パラメータ準備部24と、見積額算出部25と、見積もり結果情報送信部26とを備えている。これらの機能部は、制御部91が記憶部92に記憶されている所定のプログラムPrを実行することにより実現される構成要素である。また、コスト見積もり装置2の記憶部92は、基本データベースFとバージョン管理テーブルT2とを格納している。
基本データ取得部21は、基本データ管理装置1が有する基本データベースFを、ネットワークNを介して取得(ダウンロード)する。より具体的には、基本データ管理装置1の記憶部92aに格納された基本データベースFのうちのいずれかのファイルがバージョンアップされたことが確認された場合に、当該ファイルを基本データ管理装置1より取得して記憶部92に格納する。また、記憶部92に新たに格納されたファイルのバージョン情報をバージョン管理テーブルT2に格納する。バージョン管理テーブルT2の構成項目は、先に説明したバージョン管理テーブルT1と同様である。
なお、基本データ管理装置1の基本データベースFがバージョンアップされたか否かを確認するタイミングは、定期的であっても不定期であってもよい。すなわち、所定時間おきに基本データ管理装置1の基本データベースFのバージョン情報を確認する構成としてもよいし、例えば、オペレータが操作部93を介して所定の指示を入力した場合や、コストの見積もり処理を実行する際に当該コストの見積もり処理に先立って、基本データ管理装置1の基本データベースFのバージョン情報を確認する構成としてもよい。
物品情報取得部22は、見積もり対象となる物品(加工物品)の物品情報を取得する。物品情報とは、見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する情報であり、具体的には、加工物品のサイズ、加工物品の重量、加工物品の材質、必要とされる材質のサイズ、加工する形状、加工すべき物品数等である。また、物品情報から、各加工工程で必要となる作業の種類や作業時間も特定される。
物品情報の取得は、例えば、表示部94に物品情報の入力を受け付けるための画面を表示してオペレータに操作部93から所定の物品情報を入力させ、当該入力操作に基づいて物品情報を取得することによって行われる。また、スキャナなどの画像読取手段(図示省略)から図面を読み取って画像データを取得し、取得した画像データを解析して物品情報を取得する構成としてもよい。この場合、図面データから読み取れない情報については、オペレータに操作部93から入力させ、当該入力操作に基づいて別途物品情報を取得するとしてもよい。さらにまた、ネットワークNを介して接続された外部端末装置から物品情報を受信して取得する構成としてもよいし、物品情報を格納した記録媒体Mから読み取って取得する構成としてもよい。
加工工程特定部23は、物品情報に基づいて、物品を製造する一連の加工工程を特定する。
パラメータ準備部24は、基本データベースFから見積もり対象物品に係る基本データ(すなわち、見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格)を見積もりパラメータPとして取得する。取得された見積もりパラメータPは、見積額の算出に用いられる。パラメータ準備部24については、後により具体的に説明する。
見積額算出部25は、物品情報および見積もりパラメータPに基づいて見積額を算出する。見積額の算出にあたって見積額算出部25は、材料費と加工費とを算出する。また、加工費の算出にあたっては、見積もり対象物品の製造に必要とされる加工工程それぞれで発生する費用(工程毎加工費)を算出する。ただし工程毎加工費は、当該加工工程で使用する装置設備の使用コスト(設備使用費)と当該加工工程で必要となる労務作業から発生する労務費とを加算した値である。
見積もり結果情報送信部26は、見積もり結果を見積もりデータ管理装置3や出力装置4に送信する。より具体的には、見積額算出部25が算出した見積もり結果をデータ管理装置3に送信する。また、所定の指示(例えば、オペレータが操作部93を介して入力した見積もり結果の出力指示)に応じて、見積もり結果を出力装置4に送信する。
〈ii−ii.パラメータ準備部24〉
次に、パラメータ準備部24についてより詳細に説明する。上述の通り、パラメータ準備部24は、基本データベースFから見積もり対象物品に係る基本データを見積もりパラメータPとして取得する。
見積もりパラメータPは、材料費の算出に用いるパラメータ(材料パラメータP1)と、設備使用費の算出に用いるパラメータ(装置パラメータP2)と、労務費の算出に用いるパラメータ(労務パラメータP3)とに大別され、パラメータ準備部24は、各パラメータを準備する機能部として、材料パラメータ準備部241と、装置パラメータ準備部242と、労務パラメータ準備部243とを備える。
材料パラメータ準備部241は、材料値ファイルF1から、加工物品の材料の基準価格を材料パラメータP1として取得する。ただし、加工物品の材料の種類は物品情報から特定される。
装置パラメータ準備部242は、設備使用値ファイルF3から、見積もり対象物品を製造する加工工程で用いられる装置設備の基準価格を、装置パラメータP2として取得する。ただし、加工工程特定部23が物品情報から加工工程を特定すると、各加工工程で必要とされる装置設備の種類が特定される。
労務パラメータ準備部243は、加工費ファイルF10を介して労務値ファイルF2から(もしくは、直接に労務値ファイルF2から)、見積もり対象物品を製造する加工工程で必要となる労務作業の基準価格を労務パラメータP3として取得する。
〈加工費ファイルF10を介した労務パラメータP3の取得〉
加工費ファイルF10とは、図5(b)に例示されるように、各加工種類について、当該加工で用いられる装置設備の使用に係る基準価格(「装置設備基準価格」)と、当該加工で必要となる労務作業から発生する労務費の基準価格(「対応労務基準価格」)を規定する情報を格納したファイルである。パラメータ準備部24は、加工費ファイルF10を作成する機能部である加工費ファイル作成部244を有している。
各加工に係る労務作業は、加工の種類に応じて作業内容の難易度が異なり、したがって、作業可能な労務区分が異なってくる。記憶部92には、この事情を考慮して、各加工種類と当該加工に係る労務作業を行うに適した作業者の労務区分とを対応付けたテーブル(労務区分対応テーブル(図示省略))が予め作成されて格納されている。加工費ファイル作成部244は、労務区分対応テーブルを参照して各加工種類に対応付けられた労務区分を特定し、当該労務区分の基準価格を労務値ファイルF2から取得して「対応労務基準価格」の項目に格納する。例えば、労務区分対応テーブルにおいて、設備種類「タップ立て(機械)」が労務区分「社員(1年〜10年)」と対応付けられている場合、加工費ファイル作成部244は、設備種類「タップ立て(機械)」の設備対応労務基準価格として、労務値ファイルF2(図4(b)参照)から労務区分「社員(1年〜10年)」の基準価格「37.5(円/分)」を取得する(図4,図5(b)参照)。
労務パラメータ準備部243は、加工費ファイルF10から労務作業の加工種類と対応付けられた対応労務基準価格を当該労務作業の労務パラメータとして取得する。つまり、加工費ファイルF10を介して労務値ファイルF2から、労務作業に係る加工工程の種類と対応付けられた労務区分の基準価格が、当該労務作業の労務パラメータとして取得されることになる。なお、装置パラメータ準備部242についても、加工費ファイルF10から労務作業の加工種類と対応付けられた装置設備基準価格を当該加工工程の装置パラメータP2として取得してもよい。
なお、上記においては加工費ファイルF10を介して労務値ファイルF2から所定の基準価格を取得する構成について説明したが、加工費ファイルF10を介することなく労務値ファイルF2から直接に基準価格を取得してもよい。例えば、特定種類の労務作業(例えば後述する「段取り作業Wb」)については、当該作業種類に対応付けられた所定の労務区分の基準価格を労務値ファイルF2から直接に取得してもよい。
〈労務態様〉
加工工程によっては、複数種類の労務作業が必要となる場合がある。この場合、労務パラメータ準備部243は各作業についての労務パラメータP3をそれぞれ準備する。
労務パラメータ準備部243は、加工工程で発生する労務作業を2つの作業態様に分けて特定している。2つの作業態様とは「付帯作業Wa」と「段取り作業Wb」である。付帯作業Waは、加工作業に付帯して発生する作業、すなわち、加工作業が実行されるために必要となる作業である。例えば、正味加工(材料を実際に変形させる加工作業)が装置によって自動に行われる場合、当該装置の正味加工に付随して発生する作業(装置の操作、材料の取り付け、寸法チェック等)が付帯作業Waに相当する。また、正味加工が手作業によって行われる場合、当該作業も付帯作業Waとなる。段取り作業Wbは、加工作業の段取り作業、すなわち、加工作業が実行される前後において必要となる作業である。例えば、装置の設置場所まで原材料を運ぶ作業や治具の取り付け作業は段取り作業Wbに相当する。以下において、付帯作業Waについての労務パラメータP3を特に「付帯労務パラメータP3(a)」と示し、段取り作業Wbについての労務パラメータP3を特に「段取り労務パラメータP3(b)」と示す。
なお、ここでは、加工費ファイル作成部244は、付帯作業Waについての加工費ファイルF10を作成しており、労務パラメータ準備部243は、付帯労務パラメータP3(a)を加工費ファイルF10を介して労務値ファイルF2より取得する。また、段取り作業Wbについては、所定の労務区分(ここでは労務区分「アルバイト」とする。)の基準価格を労務値ファイルF2から直接に取得する。
〈iii.見積もりデータ管理装置3〉
見積もりデータ管理装置3は、見積もり結果情報送受信部31を備えている。この機能部は、制御部91bが記憶部92bに記憶されている所定のプログラムPrbを実行することにより実現される構成要素である。また、見積もりデータ管理装置3の記憶部92bは、見積もり結果情報送受信部31が受信した見積もり結果情報Dを格納している。
見積もり結果情報送受信部31は、コスト見積もり装置2から送信された見積もり結果情報Dを受信して記憶部92bに格納する。また、コスト見積もり装置2やネットワークNを介して接続された他の通信端末装置からの要求に応じて、記憶部92bに格納された見積もり結果情報Dを送信する。つまり、見積もりデータ管理装置3の記憶部92bに蓄積された見積もり結果情報Dは、ネットワークNを介して接続された1以上のコスト見積もり装置2の間で共有される。
〈2.処理〉
〈2−1.コストの見積もり処理の前提となる処理〉
〈基本データベースFの更新〉
コストの見積もり処理が行われる前提として、基本データ管理装置1(より具体的には、基本データ更新管理部11)が、基本データベースFを更新管理している。つまり、基本データ更新管理部11が所定のタイミングで基本データの最新値(更新情報)を取得して基本データベースFに更新登録するとともに、基本データベースFの各ファイルをバージョン管理テーブルT1に格納する。したがって、基本データ管理装置1の記憶部92aには、物品の製造に際して必要となる要素の最新の基準価格を登録した基本データベースFが格納されている。また、各ファイルF1〜F3のバージョン情報がバージョン管理テーブルT1に格納されている。
〈基本データベースFのダウンロード〉
コストの見積もり処理が行われる前提として、コスト見積もり装置2(より具体的には、基本データ取得部21)が、所定のタイミングで基本データ管理装置1が有する基本データベースFをファイル単位でダウンロードして取得している。したがって、コスト見積もり装置2の記憶部92には、最新の基準価格が登録された基本データベースFが格納されている。
〈2−2.コストの見積もり処理〉
〈i.処理の流れ〉
コスト見積もり装置2において実行されるコストの見積もり処理について図6を参照しながら説明する。なお、ステップS3〜5の処理については後にさらに詳述する。
はじめに、物品情報取得部22が、見積もり対象となる物品の物品情報を取得する(ステップS1)。
続いて、加工工程特定部23が、ステップS1で取得した物品情報に基づいて、物品を製造する一連の加工工程を特定する(ステップS2)。
続いて、パラメータ準備部24が、見積もりパラメータP(より具体的には、材料パラメータP1、装置パラメータP2、労務パラメータP3)を準備する(ステップS3)。
続いて、見積額算出部25が材料費を算出する(ステップS4)。
続いて、見積額算出部25が加工費を算出する(ステップS5)。
続いて、見積額算出部25が、ステップS4で得られた材料費とステップS5で得られた加工費とを加算して見積額を算出する(ステップS6)。
続いて、見積もり結果情報送信部26が、見積もり結果を見積もりデータ管理装置3に送信する(ステップS7)。なお、見積もり結果を受信した見積もりデータ管理装置3は、受信した見積もり結果を記憶部92bに格納する。
さらに、見積もり結果情報送信部26が、見積もり結果を出力装置4に送信する(ステップS8)。なお、見積もり結果を受信した出力装置4は、受信した見積もり結果をプリント出力する。
〈ii.各処理〉
〈見積もりパラメータPの準備〉
見積もりパラメータPの準備(ステップS3)について、図7を参照しながら、より詳細に説明する。なお、以下に説明する各処理(ステップS31〜S33)の実行順序は後述するものに限らない。また、各処理が並列的に実行されてもよい。
はじめに、材料パラメータ準備部241が、材料パラメータP1を準備する(ステップS31)。すなわち、まず、ステップS1で取得された物品情報から見積もり対象物品の材料の種類を特定する。続いて、記憶部92に格納された材料値ファイルF1から、加工物品の材料の基準価格を材料パラメータP1として取得する。例えば、物品情報から、加工物品の材質の種類が規格「3.2」の「板材」の「鉄」であると特定された場合、パラメータ準備部24は、材料値ファイルF1(図4(a))から当該材質の基準価格「90(円/kg)」を取得する。つまり、この場合、基準価格「90(円/kg)」が材料パラメータP1として準備される。
続いて、装置パラメータ準備部242が、装置パラメータP2を準備する(ステップS32)。すなわち、まず、ステップS2で特定された一連の加工工程のそれぞれで必要とされる装置設備の種類を特定する。続いて、記憶部92に格納された設備使用値ファイルF3から、当該特定された装置設備の基準価格を、当該加工工程の装置パラメータP2として取得する。例えば、ターレットパンチ加工工程に係る装置パラメータP2として、パラメータ準備部24は、設備使用値ファイルF3(図4(c))から当該加工工程で必要とされる装置「ターレットパンチ」の基準価格「64.5(円/分)」を取得する。つまり、この場合、基準価格「64.5(円/分)」が装置パラメータP2として準備される。なお、装置設備費が発生しない加工工程(例えば全て手作業で行われる加工工程)の場合、装置パラメータP2の値として「0」が取得される。
続いて、労務パラメータ準備部243が、労務パラメータP3を準備する(ステップS33)。すなわち、まず、ステップS2で特定された一連の加工工程のそれぞれで必要とされる労務作業を特定する。続いて、記憶部92に格納された労務値ファイルF2から(もしくは加工費ファイルF10から)、当該特定された労務作業の基準価格を、労務パラメータP3として取得する。例えば、ターレットパンチ加工工程で付帯作業Waと段取り作業Wbとが必要とされる場合、パラメータ準備部24は、加工費ファイルF10から当該付帯作業Waの基準価格「37.5(円/分)」を付帯労務パラメータP3(a)として取得する。また、労務値ファイルF2から当該段取り作業Wbの基準価格「23(円/分)」を段取り労務パラメータP3(b)として取得する。
〈材料費の算出処理〉
材料費の算出処理(ステップS4)についてより詳細に説明する。見積額算出部25は、まず、ステップS2で取得された物品情報(ここでは、必要とされる材質のサイズ)を取得し、当該物品情報とステップS3で準備された材料パラメータP1とに基づいて材料費を算出する。例えば、加工物品の材質の種類が規格「2.3」の「板材」の「鉄」であり、必要とされる材質のサイズが「1000(mm)×1200(mm)」である場合の材料費の算出処理について説明する。この場合、パラメータ準備部24は、先のステップS3で、材料値ファイルF1(図4(a))から基準価格「90(円/kg)」を取得して材料パラメータP1として準備している。見積額算出部25は、材質の体積(すなわち、必要とされるサイズ「1000(mm)×1200(mm)」に所定の余白分を加えたサイズ「1000+20(mm)×1200+20(mm)」の体積「1020(mm)×1220(mm)×2.3(mm)=2862.1(cm3)」から購買すべき材質の重量「2862.1×7.85×10-3=22.46(kg)」を算出し、さらに得られた値に準備された材料パラメータP1の値「90(円/kg)」を乗じて生の材料値「2021(円)」を算出する。ただし、鉄の比重の値「7.85」は予め記憶部92に格納されている。さらに、算出された生の材料値に所定のロス率(例えば12%)を乗じて得た値「2264(円)」を材料値として取得する。
〈加工費の算出〉
加工費の算出処理(ステップS5)について、図8および図9を参照しながら、より詳細に説明する。ただし、図9〜図12は、算出される加工費を模式的に説明する図であり、横軸は時間(分)を、縦軸は単位時間当たりの価格(円/分)を示している。
まず、加工工程特定部23において特定された一連の加工工程の1つを取り出す(ステップS51)。
続いて、ステップS51で取り出した加工工程の設備使用費を算出する(ステップS52)。より具体的には、まず、物品情報から当該加工工程で使用される装置設備を占有する時間(占有時間Tm)を特定する。続いて、当該特定された占有時間Tmに、当該加工工程について準備された装置パラメータP2を乗じて設備使用費を算出する。例えば、ターレットパンチ加工工程についての占有時間Tmが「9.8(分)」と特定された場合、当該加工工程について準備された装置パラメータP2「64.5(円/分)」に占有時間「9.8(分)」を乗じて設備使用費「64.5×9.8=632(円)」を取得する。つまり、図9中の領域V1の面積が設備使用費を表している。
続いて、ステップS51で取り出した加工工程において必要とされる作業を1つ取り出し(ステップS53)、続いて、ステップS53で取り出した作業に要する作業時間を物品情報から特定する(ステップS54)。例えば、ステップS53で当該加工工程の付帯作業Waが取り出された場合、物品情報に基づいて当該加工工程の付帯作業Waに要する時間(付帯作業時間Ta)を特定する。なお、加工工程によっては、一旦装置による加工作業が開始されてしまったらオペレータによる操作を必要としないものもある。このように、間欠的に付帯作業Waが必要となる場合は、トータルの作業時間が付帯作業時間Taとなる。
さらに、ステップS54で特定された作業時間に、ステップS53で取り出された作業態様について準備された労務パラメータP3を乗じて、ステップS53で取り出された作業から発生する労務費(以下において「作業毎労務費」という)を算出する(ステップS55)。例えば、ステップS53で付帯作業Waが取り出された場合、ステップS54で特定された付帯作業時間Taに付帯労務パラメータP3(a)を乗じて付帯作業Waから発生する労務費を算出する。例えば、ターレットパンチ加工工程についての付帯作業時間Taが「9.8(分)」と特定された場合、付帯労務パラメータP3(a)「37.5(円/分)」に付帯作業時間「9.8(分)」を乗じて作業毎労務費「37.5×9.8=368(円)」を算出する。つまり、図9中の領域V2の面積が付帯作業Waから発生する作業毎労務費を表している。
続いて、ステップS51で取り出した加工工程において必要とされる作業の全てについて作業毎労務費を算出したか否かを判断する(ステップS56)。
ステップS56で、全ての作業について作業毎労務費が算出されていないと判断された場合、ステップS53に戻る。例えば、ステップS53に戻り、今度は段取り作業Wbが取り出された場合、ステップS54で段取り作業Wbに要する作業時間(段取り作業時間Tb)を物品情報に基づいて特定する。なお、段取り作業Wbには、装置に加工作業を開始させる前の段階で行うもの(前段取り)と、装置が加工作業を終了した後の段階で行うもの(後段取り)とがある。両方の段取り作業が必要とされる加工工程の場合、段取り作業時間Tbは、前段取りに要する時間と後段取りに要する時間とをトータルした時間となる。さらに、ステップS55において、ステップS54で特定された段取り作業時間Tbに段取り労務パラメータP3(b)を乗じて段取り作業Wbから発生する労務費を算出する。例えば、ターレットパンチ加工工程についての段取り作業時間Tbが「3.2(分)」と特定された場合、段取り労務パラメータP3(b)「23(円/分)」に段取り作業時間「3.2(分)」を乗じて作業毎労務費「23×3.2=74(円)」を算出する。つまり、図9中の領域V3の面積が段取り作業Wbから発生する作業毎労務費を表している。
ステップS56で、全ての作業について作業毎労務費が算出されたと判断された場合、当該加工工程で発生する加工費(工程毎加工費)を算出する(ステップS57)。より具体的には、まず、各作業について算出された作業毎労務費の総和を算出し、そこにさらにステップS52で算出された設備使用費を加えた値を算出する。得られた値が当該加工工程の工程毎加工費となる。例えば、ターレットパンチ加工工程について、設備使用費「632(円)」、付帯作業Waから発生する作業毎労務費「368(円)」、段取り作業Wbから発生する作業毎労務費「74(円)」と算出されている場合、作業毎労務費の総和「442(円)」に、さらに設備使用費「632(円)」を加算して、工程毎加工費「1074(円)」を取得する。つまり、図9中の領域V1〜V3の総面積が工程毎加工費を表している。
ステップS57の処理が終了すると、続いて、加工工程特定部23において特定された一連の加工工程の全てについて工程毎加工費が算出されたか否かを判断する(ステップS58)。ステップS58で、全ての加工工程について工程毎加工費が算出されていないと判断された場合、ステップS51に戻る。
ステップS58で、全ての加工工程について工程毎加工費が算出されたと判断された場合、全加工工程を通じて発生する加工費(すなわち、各工程の工程毎加工費の総和)を算出する(ステップS59)。
〈3.効果〉
第1の実施の形態によると、パラメータ準備部24が、見積もりパラメータPを、物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格が登録された基本データベースFから取得して準備する。見積額算出部25が当該見積もりパラメータPに基づいて見積もり計算を実行することによって、製造条件の変化を反映させた適正な見積額を得ることができる。
特に、基本データ管理装置1が基本データベースFを更新管理し、コスト見積もり装置2は、この更新管理された基本データベースFを基本データ管理装置1から取得する。つまり、コスト見積もり装置2の記憶部92には最新の基準価格が登録された基本データベースFが格納されることになり、パラメータ準備部24は、最新の基本データに基づく見積もりパラメータPを準備することができる。つまり、基準価格が変動した場合、見積もりパラメータPの値が変化する。例えば図9の例において、装置設備費の基準価格が変動した場合、当該変化を受けて装置パラメータP2の値が変化することになるため、領域V1の面積も変化する。これによって、最新の製造条件下での見積額を得ることができる。
また、更新管理された基本データベースFが、少なくとも1以上のコスト見積もり装置2によって共有されるため、コスト見積もり装置2のそれぞれが個々に基本データベースFを管理する場合に比べて、効率的に基本データベースFの更新管理を行うことができる。
また、労務パラメータ準備部243が加工工程で必要となる労務作業のそれぞれに労務パラメータP3を準備し、見積額算出部25が労務作業毎に見積もりパラメータPを切り替えて労務費を算出するので、各労務作業から発生する労務費を正確に算出して見積額に反映することができる。
また、労務パラメータ準備部243は、労務パラメータP3を、加工費ファイルF10から取得する、すなわち、労務パラメータ準備手段が、労務パラメータP3として、労務作業に係る加工種類と対応付けられた労務区分の基準価格を取得する。したがって、作業者の労務区分の相違に基づく労務費の差が適正に加味された労務費を算出することができる。
また、労務パラメータ準備部243は、段取り作業Wbが必要とされる加工工程の場合、当該段取り作業Wbについての段取り労務パラメータP3(b)を準備し、見積額算出部25が当該段取り労務パラメータP3(b)を用いて段取り作業Wbから発生する労務費を産出する。つまり、段取り作業から発生する労務費ももれなく加味して見積額に反映することができる。
また、基本データ管理装置1は、基準価格の変動のタイミングに関連性の乏しい要素を互いに別のファイルとして独立に管理するので、基本データベースFを効率的に更新管理することができる。
また、見積もりデータ管理装置3は、コスト見積もり装置2において実行されたコスト見積もりの結果情報Dを蓄積するので、コスト見積もりの結果情報Dを、通信手段を介して接続された各種装置の間で共有することが可能となる。したがって、1以上のコスト見積もり装置2のうちのいずれかにおいて実行された見積もりについては改めて見積もり計算を実行しなくともよいため、効率的である。また、過去の見積もり結果をみることによって、製造条件の変化に応じた見積額の推移を確認することも可能となる。
〈第2の実施の形態〉
〈1.構成〉
この発明の第2の実施の形態に係るコスト見積もりシステムは、第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100と同様の構成を有している。また、この実施の形態に係るコスト見積もりシステムが有する装置のそれぞれは、第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100が有する各装置と同様の装置構成において実現されるのでその説明を省略する。なお、以下においては、第2の実施の形態に係る各装置の構成要素を示すにあたって、第1の実施の形態に係る各装置の構成要素と同じものについては、第1の実施の形態の説明に用いた参照符号を用いる。
〈パラメータ準備部24〉
第2の実施の形態に係るコスト見積もり装置2のパラメータ準備部24についてより詳細に説明する。第1の実施の形態と同様、この実施の形態に係るパラメータ準備部24も、基本データベースFに基づいて見積もりパラメータPを準備する。材料パラメータP1と装置パラメータP2を準備する機能部は、第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態に係る労務パラメータ準備部243は、第1の実施の形態と同様、労務値ファイルF2から(もしくは加工費ファイルF10を介して労務値ファイルF2から)、見積もり対象物品を製造する加工工程で必要となる労務作業の基準価格を労務パラメータP3として取得する。
ただし、この実施の形態においては、労務パラメータ準備部243は、加工工程で発生する労務作業を3つの作業態様に分けて特定している。3つの作業態様とは「一括付帯作業Wa1」、「個別付帯作業Wa2」および「段取り作業Wb」である。「一括付帯作業Wa1」は、付帯作業Waの中でも特に加工作業において加工される物品の数に関係なく一定時間を要する作業である。「個別付帯作業Wa2」は、付帯作業Waの中でも特に物品の数に応じて要する時間が変化する作業である。以下において、一括付帯作業Wa1についての労務パラメータP3を特に「一括付帯労務パラメータP3(a1) 」と示し、個別付帯作業Wa2についての労務パラメータP3を特に「個別付帯労務パラメータP3(a2)」と示す。
〈2.処理〉
第2の実施の形態に係るコスト見積もりシステムで行われる処理動作について説明する。なお、処理動作の概要は、第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100で行われる処理動作(図6参照)と同様である。ただし、ステップS5の処理の詳細が異なるので、以下においては相違する点について説明する。なお、以下においては、第1の実施の形態で説明したものと同じ処理動作については、同じ参照符号で示している。
〈加工費の算出〉
加工費の算出処理(図6のステップS5)について、図8および図10を参照しながら、より詳細に説明する。
この実施の形態においてもまず、上述したステップS51〜ステップS52の処理が行われる。さらに、続くステップS53〜ステップS55の処理が行われるが、この処理によって、一括付帯作業Wa1、個別付帯作業Wa2もしくは段取り作業Wbのいずれかから発生する作業毎労務費が算出される。
例えば、ステップS53で、一括付帯作業Wa1が取り出された場合、ステップS54で一括付帯作業Wa1に要する作業時間(一括付帯作業時間Ta1)を物品情報に基づいて特定する。さらに、ステップS55において、ステップS54で特定された一括付帯作業時間Ta1に一括付帯労務パラメータP3(a1)を乗じて一括付帯作業Wa1から発生する労務費(図10中の領域V21の面積に相当)を算出する。
また、例えばステップS53で、個別付帯作業Wa2が取り出された場合、ステップS54で個別付帯作業Wa2に要する作業時間(個別付帯作業時間Ta2)を物品情報に基づいて特定する。ただし、個別付帯作業Wa2は物品の数に応じて要する時間が変化する作業であるので、個別付帯作業時間Ta2は加工すべき物品の数に基づいて算出される。例えば、加工すべき物品の総数がN倍になると、個別付帯作業Wa2に要する作業時間もN倍になる(図10(b)参照。ただし、図10(b)には、図10(a)に示される加工工程において物品数が2倍になった場合が示されている)。さらに、ステップS55において、ステップS54で特定された個別付帯作業時間Ta2に個別付帯労務パラメータP3(a2)を乗じて個別付帯作業Wa2から発生する労務費(領域V22の面積に相当)を算出する。
ステップS56で、全ての作業について作業毎労務費が算出されたと判断された場合、ステップS57で、当該加工工程の工程毎加工費を算出する。例えば、図10に示される加工工程の場合、一括付帯作業Wa1から発生する作業毎労務費と、個別付帯作業Wa2から発生する作業毎労務費と、段取り作業Wbから発生する作業毎労務費(領域V3の面積に相当)との総和に、設備使用費(領域V1の面積に相当)を加えた値が算出され、工程毎加工費として取得される。
加工工程特定部23において特定された一連の加工工程の全てについて工程毎加工費が算出されると(ステップS58でYES)、全加工工程を通じて発生する加工費を算出する(ステップS59)。
なお、加工工程で用いられる装置設備が、加工に必要な時間が物品の数に依存して変化するものの場合、設備使用費を算出する際に取得される占有時間Tmのうち、正味加工時間Tmrは、個別付帯作業時間Ta2と同様、加工すべき物品の総数に基づいて算出する。例えば、加工すべき物品の総数がN倍になると、正味加工時間TmrもN倍になる(図10(b)参照。ただし、図10(b)には、図10(a)に示される加工工程において物品数が2倍になった場合が示されている)。
〈3.効果〉
一般に、加工すべき物品数異なれば、1個当たりの見積額も変わってくる。したがって、正確なコストの見積もりを行うためには、加工すべき物品の数を適正に反映させなければならない。第2の実施の形態においては、一括付帯作業Wa1についての労務パラメータP3と個別付帯作業Wa2についての労務パラメータP3とを準備し、加工される物品の数に依存して所要時間が変化する作業から発生する労務費と加工すべき物品の数に関係なく一定時間を要する作業から発生する労務費とを別々に算出する。したがって、加工すべき物品数を個別付帯作業時間Ta2に反映させることによって、加工物品数に応じた適正な加工費を算出することができる。
〈第3の実施の形態〉
〈1.構成〉
この発明の第3の実施の形態に係るコスト見積もりシステムは、第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100と同様の構成を有している。また、この実施の形態に係るコスト見積もりシステムが有する装置のそれぞれは、第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100が有する各装置と同様の装置構成において実現されるのでその説明を省略する。なお、以下においては、第3の実施の形態に係る各装置の構成要素を示すにあたって、第1の実施の形態に係る各装置の構成要素と同じものについては、第1の実施の形態の説明に用いた参照符号を用いる。
〈パラメータ準備部24〉
第3の実施の形態に係るコスト見積もり装置2のパラメータ準備部24についてより詳細に説明する。第1の実施の形態と同様、この実施の形態に係るパラメータ準備部24も、基本データベースFに基づいて見積もりパラメータPを準備する。材料パラメータP1と装置パラメータP2の準備については、第1の実施の形態と同様である。
この実施の形態に係る労務パラメータ準備部243は、第1の実施の形態と同様、労務値ファイルF2から(もしくは加工費ファイルF10を介して労務値ファイルF2から)、見積もり対象物品を製造する加工工程で必要となる労務作業の基準価格を労務パラメータP3として取得する。
ただし、この実施の形態においては、労務パラメータ準備部243は、加工工程で発生する各種の労務作業を3つの作業態様に分けて特定している。3つの作業態様とは「付帯作業Wa」、「装置外段取り作業Wb1」および「装置内段取り作業Wb2」である。「装置外段取り作業Wb1」は、段取り作業Wbの中でも特に加工工程で使用される装置を占有せずに行われる作業である。例えば、装置の設置場所まで原材料を運ぶ作業は装置外段取り作業Wb1である。「装置内段取り作業Wb2」は、段取り作業Wbの中でも特に加工工程で使用される装置を占有して行われる作業である。例えば、装置に加工作業を行わせるためのセッティング作業は、装置内段取り作業Wb2である。以下において、装置外段取り作業Wb1についての労務パラメータP3を特に「外段取り労務パラメータP3(b1)」と示し、装置内段取り作業Wb2についての労務パラメータP3を特に「内段取り労務パラメータP3(b2)」と示す。
〈2.処理〉
第3の実施の形態に係るコスト見積もりシステムで行われる処理動作について説明する。なお、処理動作の概要は、第1の実施の形態に係るコスト見積もりシステム100で行われる処理動作(図6参照)と同様である。ただし、ステップS5の処理の詳細が異なるので、以下においては相違する点について説明する。なお、以下においては、第1の実施の形態で説明したものと同じ処理動作については、同じ参照符号で示している。
〈加工費の算出〉
加工費の算出処理(図6のステップS5)について、図8および図11を参照しながら、より詳細に説明する。
この実施の形態においてもまず、上述したステップS51〜ステップS52の処理が行われる。さらに、続くステップS53〜ステップS55の処理が行われるが、この処理によって、付帯作業Wa、装置外段取り作業Wb1もしくは装置内段取り作業Wb2のいずれかから発生する作業毎労務費および設備使用費が算出される。
例えば、ステップS53で、装置外段取り作業Wb1が取り出された場合、ステップS54で装置外段取り作業Wb1に要する作業時間(装置外段取り作業時間Tb1)を物品情報に基づいて特定する。さらに、ステップS55において、ステップS54で特定された装置外段取り作業時間Tb1に外段取り労務パラメータP3(b1)を乗じて装置外段取り作業Wb1から発生する労務費(図11中の領域V31の面積に相当)を算出する。
また、例えばステップS53で、装置内段取り作業Wb2が取り出された場合、ステップS54で装置内段取り作業Wb2に要する作業時間(装置内段取り作業時間Tb2)を物品情報に基づいて特定する。さらに、ステップS55において、ステップS54で特定された装置内段取り作業時間Tb2に内段取り労務パラメータP3(b2)を乗じて個別付帯作業Wa2から発生する労務費(図11中の領域V32の面積に相当)を算出する。
ステップS56で、全ての作業について作業毎労務費が算出されたと判断された場合、ステップS57で、当該加工工程の工程毎加工費を算出する。例えば、図11に示される加工工程の場合、付帯作業Waから発生する作業毎労務費(領域V2の面積に相当)と、装置外段取り作業Wb1から発生する作業毎労務費と、装置内段取り作業Wb2から発生する作業毎労務費との総和に、設備使用費(領域V1の面積に相当)を加えた値が算出され、工程毎加工費として取得される。
加工工程特定部23において特定された一連の加工工程の全てについて工程毎加工費が算出されると(ステップS58でYES)、全加工工程を通じて発生する加工費を算出する(ステップS59)。
〈3.効果〉
第3の実施の形態においては、装置外段取り作業Wb1についての労務パラメータP3と装置内段取り作業Wb2についての労務パラメータP3とを準備し、各労務作業から発生する労務費を別々に算出する。同じ段取り作業Wbであっても、装置を占有して行われる作業と占有しない作業とでは作業者の労務区分が異なることもある。この場合、各作業から発生する労務費も異なってくる。ここでは、労務作業の種類を細分化して作業毎のコストを算出することによって、労務費を綿密に算出して正確な見積額を算出することができる。
〈4.変形例〉
上記の実施の形態においては、工程毎加工費を算出するにあたり、作業毎労務費とは別に設備使用費を算出する構成としていたが(図8のステップS52)、ステップS53〜ステップS55の処理において作業毎労務費を算出する際に併せて設備使用費を算出する構成でもよい。この場合、ステップS53で取り出された作業が、装置を占有して行われるか否かを判断し、装置を占有して行われる作業(例えば、装置内段取り作業Wb2)である場合には、ステップS55において、ステップS54で特定された作業時間に、労務パラメータP3と装置パラメータP2とを加算した値を乗じて当該作業時間で発生する労務費と設備使用費の総和を算出する。また、ステップS53で取り出された作業が、装置を占有せずに行われる作業(例えば、装置外段取り作業Wb1)である場合には、ステップS55において、ステップS54で特定された作業時間に、労務パラメータP3を乗じて当該作業時間に係る労務費を算出する。
また、工程毎加工費を算出するにあたり「持ち台数H」の概念を導入してもよい。「持ち台数H」とは、一人の作業者に受け持たせることが可能な装置の台数である。これについて、図12を参照しながら具体的に説明する。例えば、装置内段取り作業時間Tb2が時間Tiであるとする。この場合、ある作業者が、1つの装置M1についての装置内段取り作業Wb2を行うと、当該装置M1では加工処理が開始される。加工処理が行われている間(時間Tv)は当該作業者は当該装置M1に拘束されず、他の作業を行うことができる。そこでこの間に、当該作業者に別の装置M2,M3についての装置内段取り作業Wb2を行わせる。ここで、一人の作業者に受け持たせることが可能な装置の台数(すなわち持ち台数H)は、(Tv+Ti/Ti)で与えられる。例えば、図12に示すようにTv=2Tiの場合、持ち台数Hは「3」となる。
持ち台数Hを用いた加工費の算出は、次のように行うことができる。この場合もまず、上述したステップS51(図8)の処理が行われる。続いてステップS52の処理ではなくステップS53の処理に移行する。例えば、ステップS53で、ステップS51で取り出された加工工程の装置内段取り作業Wb2が取り出された場合、ステップS54で占有時間Tmを物品情報から特定する。さらに、ステップS55において、まず、内段取り労務パラメータP3(b2)を持ち台数Hで割って得た値P3eと、装置パラメータP2との和を算出する。さらに、当該得られた値にステップS54で特定された占有時間Tmを乗じて、当該加工工程の装置設備使用費および装置内段取り作業Wb2に係る労務費の総和を算出する(図12中の領域V10)。図12に示されるように当該加工工程で必要とされる作業が装置内段取り作業Wb2だけの場合、ここで得られた値が、工程毎加工費となる。以降の処理(ステップS56〜ステップS59)は上述した通りである。
また、上記の実施の形態においては、基本データベースFとして材料値ファイルF1と労務値ファイルF2と設備使用値ファイルF3とを有する構成としたが、さらに他の種類のファイルを有する構成としてもよい。例えば、表面処理について必要となる要素の基準価格をまとめたファイル等を有する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態において説明した通り、基本データ更新管理部11は、装置設備についての基準価格の最新値を取得して装置設備ファイルF3を更新するが、当該最新値を取得するにあたり、まず、工作機械メーカ等から最新の加工設備のスペックについての情報を取得し、当該取得したスペック情報から最新の基準価格を算出する構成としてもよい。スペックについての情報とは、例えば、「メーカ」「型式」「購入価格」「加工サイズ」「設備設置面積」「馬力」「電力」「油、水、刃物等の使用量」「加工速度」「同時加工面」等である。これらスペック情報については、機械メーカから受信してもよいし、オペレータが装置の仕様情報等に基づいて基本データ管理装置1の操作部93aから入力する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、基本データベースFは、基準価格を格納する構成としていたが、平均的な価格ではなく特定の工場等における価格を基本データベースFに格納してもよい。また、地域毎の基準価格を格納してもよい。また、基準価格と特定の工場についての価格とを別個にファイル化しておいてもよい。この場合、コスト見積もり装置2は、見積もりパラメータPを取得するファイルを切り替えることによって、各種の異なる見積額を算出することができる。例えば、基準価格を基本データとして用いることによって加工物品を製造した場合に発生する平均的なコストを正確に見積もることができる一方で、特定の工場についての価格を基本データとして用いることによって当該工場で加工物品を製造した場合に発生するコストを正確に見積もることができる。
また、上記の実施の形態においては、コスト見積もり装置2(より具体的には、基本データ取得部21)が基本データ管理装置1より基本データベースFをダウンロードするにあたって、データをファイル単位でダウンロードする構成としていたが、ファイル単位でダウンロードするのではなく、ファイルに格納された基本データを個々に取得する構成でもよい。つまり、見積もり計算を実行する際に、必要な基本データのみを基本データ管理装置1から取得する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、コスト見積もり装置2において実行されたコスト見積もりの結果情報は、出力装置4において紙等の媒体上にプリント出力されるとしたが、結果情報を出力する構成はこれに限らない。例えば、結果情報をPDF文書として作成し、電子メールに添付して通信回線を介して接続された外部端末装置に送信する構成としてもよい。
また、上記の実施の形態においては、例えば、段取り労務パラメータP3(b)については労務値ファイルF2より直接に取得するとしていたが、段取り作業Wbについて作成された加工費ファイルF10を介して取得するとしてもよい。つまり、労務態様のそれぞれについて労務パラメータP3の取得方法は上記の実施の形態のものに限らない。
この発明の実施の形態に係るコスト見積もりシステムの全体構成を示す図である。 コスト見積もり装置のハードウェア構成を示す図である。 基本データ管理装置、コスト見積もり装置および見積もりデータ管理装置の機能構成を示す図である。 材料値ファイル、労務値ファイルおよび設備使用値ファイルの構成例を示す図である。 バージョン管理テーブル、加工費ファイルの構成例を示す図である。 コスト見積もり処理の流れを示す図である。 見積もりパラメータの準備処理の流れを示す図である。 加工費の算出処理の流れを示す図である。 算出される加工費を模式的に説明するための図である。 算出される加工費を模式的に説明するための図である。 算出される加工費を模式的に説明するための図である。 持ち台数の概念を用いた加工費の算出処理で算出される加工費を模式的に説明するための図である。
符号の説明
1 基本データ管理装置
2 コスト見積もり装置
3 見積もりデータ管理装置
4 出力装置
11 基本データ更新管理部
21 基本データ取得部
22 物品情報取得部
23 加工工程特定部
24 パラメータ準備部
25 見積額算出部
26 見積もり結果情報送信部
111 材料値ファイル更新管理部
112 労務値ファイル更新管理部
113 設備使用値ファイル更新管理部
241 材料パラメータ準備部
242 装置パラメータ準備部
243 労務パラメータ準備部
244 加工費ファイル作成部
F 基本データベース
F1 材料値ファイル
F2 労務値ファイル
F3 設備使用値ファイル
F10 加工費ファイルF
T1,T2 バージョン管理テーブル
P 見積もりパラメータ
Pr プログラム

Claims (10)

  1. 物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格を登録した基準価格データベースを格納するデータベース格納手段と、
    見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得手段と、
    前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備手段と、
    前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出手段と、
    を備えることを特徴とするコスト見積もり装置。
  2. 請求項1に記載のコスト見積もり装置において、
    前記見積もりパラメータ準備手段が、
    前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品を製造する加工工程で必要となる労務作業の基準価格を労務パラメータとして取得する労務パラメータ準備手段、
    を備え、
    前記見積額算出手段が、前記労務作業に要する作業時間と当該労務作業について準備された労務パラメータとに基づいて当該労務作業から発生する労務費を算出することを特徴とするコスト見積もり装置。
  3. 請求項2に記載のコスト見積もり装置において、
    前記基準価格データベースに、労務区分毎の労務費の基準価格が登録されており、
    前記労務パラメータ準備手段が、前記基準価格データベースから、前記労務作業に係る加工工程と対応付けられた労務区分の前記基準価格を、当該労務作業の労務パラメータとして取得することを特徴とするコスト見積もり装置。
  4. 請求項2に記載のコスト見積もり装置において、
    前記労務作業に、加工作業の段取りに関する作業が含まれることを特徴とするコスト見積もり装置。
  5. 通信手段を介して接続された基準価格データ管理装置と少なくとも1以上のコスト見積もり装置とを有するコスト見積もりシステムにおいて、
    前記基準価格データ管理装置が、
    物品の製造に際して必要となる要素の基準価格を登録した基準価格データベースを格納する第1のデータベース格納手段と、
    その時点での基準価格を取得して前記基準価格データベースに更新登録する基準価格更新管理手段と、
    を備え、
    前記コスト見積もり装置が、
    前記基準価格データ管理装置から前記基準価格データベースを取得する基準価格データベース取得手段と、
    前記基準価格データベース取得手段が取得した前記基準価格データベースを格納する第2のデータベース格納手段と、
    見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得手段と、
    前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備手段と、
    前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出手段と、
    を備えることを特徴とするコスト見積もりシステム。
  6. 請求項5に記載のコスト見積もりシステムにおいて、
    前記基準価格データベースが、前記要素の種類に応じてファイル化されており、
    前記基準価格更新管理手段が、前記基準価格の更新を前記ファイル毎に管理することを特徴とするコスト見積もりシステム。
  7. 請求項5に記載のコスト見積もりシステムにおいて、
    前記通信手段を介して接続された見積額蓄積装置、
    を有し、
    前記見積額蓄積装置が、
    前記コスト見積もり装置において実行されたコスト見積もりの結果情報を取得して蓄積する結果情報蓄積手段、
    を備えることを特徴とするコスト見積もりシステム。
  8. 請求項5に記載のコスト見積もりシステムにおいて、
    前記通信手段を介して接続された出力装置、
    を有し、
    前記出力装置が、
    前記コスト見積もり装置が算出した見積額を出力する見積額出力手段、
    を備えることを特徴とするコスト見積もりシステム。
  9. 見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得機能と、
    物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格を登録した基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備機能と、
    前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出機能と、
    を実現することができるプログラム。
  10. 物品の製造に際して必要となる要素のその時点での基準価格を取得して基準価格データベースに登録する基準価格取得工程と、
    前記基準価格データベースを取得する基準価格データベース取得工程と、
    見積もり対象物品の製造に必要な材料や加工工程を特定する物品情報を取得する物品情報取得工程と、
    前記基準価格データベースから前記見積もり対象物品の製造に必要となる要素の基準価格を見積もりパラメータとして取得する見積もりパラメータ準備工程と、
    前記物品情報および前記見積もりパラメータに基づいて前記見積もり対象物品の製造に要する見積額を算出する見積額算出工程と、
    を備えることを特徴とするコスト見積もり方法。
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