JP2008088902A - 排気ガス中のパティキュレート捕集装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 排気通路に設置されるパティキュレートフィルタにおいて、担体内に堆積したアッシュを定期的に排出可能として、該アッシュの堆積によるエンジンの出力性能や燃費性能の低下を抑制することを課題とする。
【解決手段】 排気ガスの流れ方向に貫通する複数のセル21…21が細孔を有するセル壁22…22によって区画形成されてなる担体20と、該担体20の上流側端面に圧接され、隣接するセル21の入口を交互に閉鎖する上流側プラグプレート30と、担体20の下流側端面に圧接され、隣接するセル21の出口を交互に閉鎖する下流側プラグプレート40とを備え、入口が開いたセル21は出口が閉じ、入口が閉じたセル21は出口が開くように、両プラグプレート30、40を位置させると共に、両プラグプレート30、40をスライドさせることにより、各セル21…21の入口と出口の開閉状態の切り換えを可能とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 排気ガスの流れ方向に貫通する複数のセル21…21が細孔を有するセル壁22…22によって区画形成されてなる担体20と、該担体20の上流側端面に圧接され、隣接するセル21の入口を交互に閉鎖する上流側プラグプレート30と、担体20の下流側端面に圧接され、隣接するセル21の出口を交互に閉鎖する下流側プラグプレート40とを備え、入口が開いたセル21は出口が閉じ、入口が閉じたセル21は出口が開くように、両プラグプレート30、40を位置させると共に、両プラグプレート30、40をスライドさせることにより、各セル21…21の入口と出口の開閉状態の切り換えを可能とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、エンジンの排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するパティキュレート捕集装置に関し、エンジンの排気ガス浄化技術の分野に属する。
ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれる炭素質含有微粒子であるパティキュレートは、環境対策上、その排出抑制が望まれているところであり、その排出量を抑制する手段として、排気通路にパティキュレートフィルタを配設することが行われている。また、希薄燃焼ガソリンエンジンにおいても、ディーゼルエンジンほどではないが、排気ガス中にパティキュレートが含まれていることから、パティキュレートフィルタの配設が望まれる。
このパティキュレートフィルタは、耐熟セラミック製、または耐熱合金製の三次元網目構造を有するものが知られているが、一般的には、コージェライト製または炭化珪素製で、セル壁に各セルを連通する細孔が設けられたハニカム状担体を用い、排気ガスの入口側端面で隣り合うセルに交互に目封止材を注入すると共に、排気ガスの出口側端面では、入口側端面で目封止されていないセルに目封止材を注入した構成のものが用いられる。
これによれば、フィルタ担体の入口側が開ロしたセルにパティキュレートを含む排気ガスが流入し、セル壁の細孔を通って出口側が開口したセルに排気ガスが流入することになり、この間、パティキュレートは入口側が開口したセルの壁面とセル壁内部の細孔表面に堆積し、該パティキュレートが除去された排気ガスが出口側が開口したセルから排気通路下流側に排出されることになる。
また、このパティキュレートフィルタにおいては、各セルの壁面と、セル壁内部の細孔表面とに、触媒金属としてPt(白金)を担持したアルミナ粒子や、酸素吸蔵放出能を有するCe(セリウム)系複合酸化物粒子等を含有した触媒層を設けることがある。
つまり、所定量以上のパティキュレートがフィルタ担体に堆積すると、排気通路内の背圧が高まり、エンジンの出力の低下や燃費の悪化等を招くので、定期的にパティキュレートを燃焼、除去し、フィルタを再生させる作業が行われるのであるが、その際のパティキュレートの燃焼を促進する触媒として、前記Pt等を含有する触媒を用いるのである。また、酸素吸蔵放出能を有する前記Ce系酸化物粒子等の触媒材は、パティキュレートの燃焼を促進させると共に、排気ガス中のHC成分等の有害成分を除去するために用いられる。
しかし、前記のように、堆積したパティキュレートを燃焼させてフィルタの再生処理を行っても、該フィルタを完全に初期の状態に再生することはできない。つまり、排気ガス中には、前記パティキュレートのほかに、エンジンオイルに含有されているP(リン)、Zn(亜鉛)、Ca(カルシウム)等が酸化物や硫酸塩、炭酸塩などの状態でミストとして含有されており、これらが高熱によってガラス状のアッシュとなってフィルタ担体に堆積するのである。そして、このアッシュは、パティキュレートの燃焼によるフィルタ再生処理では除去できないため、担体に堆積し続けるのである。
そのため、フィルタの長期の使用により排気通路の背圧が次第に高まり、エンジン出力の低下や燃費性能の悪化を招くと共に、前記PtやCe系複合酸化物を含む触媒層の作用を妨げ、フィルタ再生時におけるパティキュレートの燃焼効率の低下や、排気ガス中の有害成分除去性能の低下を招くのである。
パティキュレートフィルタにおけるアッシュの堆積に関するものとしては、特許文献1〜3に開示された発明が存在する。このうち、特許文献1には、フィルタ担体の下流側端面に網部材を備え、該網部材によってアッシュを除去するようにしたものが開示されている。また、特許文献2には、フィルタ再生完了後に灰分堆積量を算出し、その値からパティキュレート捕集量の推定値を補正して再生制御を行うようにしたものが開示されている。さらに、特許文献3には、フィルタ担体にアッシュ捕捉材粒子を含有した触媒層を備えたものが開示されている。
しかし、上記特許文献1に記載のものは、所定の大きさ以上の塊物質を保持する網部材を設けることでアッシュのみを除去しようとするものであるが、実際のパティキュレートのサイズは数十nm〜10μm程度と幅広く、本来パティキュレートフィルタとして捕集すべきパティキュレートが網部材を通過して排出されるおそれがある。
また、特許文献2のものは、アッシュの堆積量に基づいて再生制御を行うもので、アッシュが堆積し続けるという問題が考慮されていない。
さらに、特許文献3のものは、アッシュ捕捉材粒子を触媒層に含ませることで、特定部位に集中的にアッシュを堆積させることにより圧力損失を抑制しようとするものであるが、その特定部位では、アッシュの堆積によりセル壁細孔部への入口が塞がれることになり、それだけ、パティキュレートに対する捕捉能力が低下することになる。
つまり、いずれの従来技術もアッシュを除去することはできず、前述のように、フィルタの長期の使用により、エンジンの出力性能や燃費性能の低下を招くことになる。
そこで、本発明は、排気ガス中のパティキュレートを除去するフィルタにおいて、堆積したアッシュを定期的に排出可能とし、これにより、エンジンの出力性能や燃費性能の低下を抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、エンジンの排気通路に設置され、排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するパティキュレート捕集装置であって、排気ガスの流れ方向に貫通する複数のセルが細孔を有するセル壁によって区画形成されてなるフィルタ担体と、該フィルタ担体の上流側端面に圧接され、前記フィルタ担体の隣接するセルの入口側開口部を交互に閉鎖して、該入口側開口部が開いたセルと閉じたセルとを交互に隣接させて形成する上流側プラグプレートと、前記フィルタ担体の下流側端面に圧接され、前記フィルタ担体の隣接するセルの出口側開口部を交互に閉鎖して、該出口側開口部が開いたセルと閉じたセルとを交互に隣接させて形成する下流側プラグプレートと、入口側開口部が開いたセルは出口側開口部が閉じ、入口側開口部が閉じたセルは出口側開口部が開くように前記両プラグプレートを位置させると共に、これらをスライドさせることにより、各セルの入口側開口部と出口側開口部の開閉状態を切り換える制御手段とが備えられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の排気ガス中のパティキュレート捕集装置において、前記フィルタ担体の下流の排気通路に分岐通路が設けられ、該分岐通路にフィルタ部材が設置されていると共に、排気通路における前記分岐通路の分岐部より下流部を開通させて分岐通路を閉鎖した第1の状態と、排気通路における前記分岐通路の分岐部より下流部を閉鎖して分岐通路を開通させた第2の状態との切り換えを行う弁装置が備えられていることを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の排気ガス中のパティキュレート捕集装置において、前記フィルタ担体に堆積したパティキュレートを燃焼除去するフィルタ再生手段が備えられていると共に、前記制御手段は、前記再生手段によるフィルタ担体の再生処理の終了後、前記両プラグプレートをスライドさせて、各セルの入口側開口部と出口側開口部の開閉状態を切り換えると共に、その切り換え時から所定期間、前記弁装置を第2の状態に設定されるように作動させることを特徴とする。
以上のように構成したことにより、本願各請求の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、フィルタ担体の上、下流側端部のプラグプレートをスライドさせることにより、セル壁の細孔を通過して隣接するセルの一方から他方へ排気ガスが流れる状態と、他方から一方へ流れる状態とを形成することが可能となる。
したがって、例えばパティキュレートを燃焼除去した後、前記状態を切り換えれば、セル壁の両面がパティキュレートを捕集する面として活用されることになって、フィルタ担体のパティキュレート捕集性能や耐久性能が向上すると共に、セル壁にフィルタ再生時のパティキュレート燃焼促進用或いは排気ガス中の有害成分であるHC浄化用等の触媒層が設けられている場合に、この触媒層が有効に活用されることになり、フィルタ担体の再生効率や排気ガスの浄化性能が向上することになる。
また、プラグプレートをスライドさせて流れの状態を切り換えることにより、セルの壁面に堆積しているアッシュを、そのセルに隣接しているセルからの排気ガスの流入により除去することが可能となり、アッシュの堆積によるエンジンの出力性能や燃費性能の低下が防止されることになる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記のようにして、アッシュを除去する際に、弁装置を作動させて排気通路における分岐通路の分岐部より下流部を閉鎖して分岐通路を開通させる第2の状態とすれば、上記のようにしてフィルタ担体のセルの壁面から除去されたアッシュが、分岐通路上のフィルタ部材に捕集されることになり、該アッシュの大気への放出が防止されることになる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、フィルタ再生手段により、フィルタ担体に堆積したパティキュレートを燃焼除去してフィルタ担体を再生させた後、該フィルタ担体の上、下流側のプラグプレートがスライドして、各セルの入口側開口部と出口側開口部の開閉状態が切り換えられることにより、隣接するセルの一方の壁面に堆積しているアッシュが該壁面から除去されると共に、所定期間に亘って、このアッシュが分岐通路上のフィルタ部材に捕集されることになる。
このようにして、フィルタ担体の再生処理時にアッシュの除去も併せて行われることになり、前記のようなアッシュの堆積によるエンジンの出力性能や燃費性能の低下が確実に防止されることになり、また、前記触媒層が設けられている場合に、この触媒層の作用がアッシュの堆積によって阻害されることが防止され、該触媒層によるフィルタ担体の再生効率や排気ガスの浄化性能が良好に維持されることになる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係るパティキュレート捕集装置の制御システムを含む全体の概略構成を示すもので、エンジンの排気通路1にはコンバータ10が配置されていると共に、該排気通路1におけるコンバータ10の下流側には分岐通路2が設けられ、該分岐通路2上にアッシュフィルタ担体52(図7参照)を収納するハウジング51が設置されている。
また、排気通路1における前記コンバータ10の上流側と下流側には、排気通路1内の背圧をそれぞれ検出する上流側背圧センサ3、下流側背圧センサ4が設置されている共に、該排気通路1における分岐通路2の分岐部の直下流部には、該排気通路1の下流側部分への入口を開閉する第1開閉弁5が設けられ、また、分岐通路2の入口部には、該分岐通路2への入口を開閉する第2開閉弁6が設けられている。なお、図例では、分岐通路2はアッシュフィルタ50の下流側で再び排気通路1に合流させているが、合流させずに分岐したままとしてもよい。また、第1、第2開閉弁5、6に代え、排気通路1の下流部を開いて分岐通路2を閉じる状態と、排気通路1の下流部を閉じて分岐通路2を開く状態とに切り換る単一の流路切換弁を用いてもよい。
そして、前記背圧センサ3、4からの信号が入力されるコントロールユニット7が備えられ、該コントロールユニット7からの信号により、前記コンバータ10に備えられた上流側流路切換モータ11及び下流側流路切換モータ12と、前記第1、第2開閉弁5、6のアクチュエータ5a、6aとに、それぞれ制御信号が出力されるようになっており、また、フィルタ再生時の燃料制御のために、エンジンの燃料噴射弁8に燃料制御信号が出力されるようになっている。
次に、前記コンバータ10の構成を説明すると、図2に示すように、該コンバータ10は、両端が排気通路1の上流側及び下流側にそれぞれ連通された中空筒状のハウジング13を有し、該ハウジング13内の上流部に熱膨張を吸収するマット部材14を介して酸化触媒15が収納されていると共に、その下流側には、同じくマット部材16を介してフィルタ担体20が収納保持されている。
このフィルタ担体20は、図2、図3に示すように、コージェライトや炭化珪素等の多孔質性材料で形成された筒体にその軸心方向に貫通する多数のセル21…21を設けた構成で、各セル21…21を仕切るセル壁22…22の細孔が上下左右に隣接するセル21、21同士を連通させるようになっている。
また、このコンバータ10においては、前記フィルタ担体20の上流側及び下流側に、上流側プラグプレート30及び下流側プラグプレート40がそれぞれ配設されている。
これらのプラグプレート30、40は、フィルタ担体20の上、下流端部の外周にマット部材31、41を介して固定されたカバー部材32、42内にそれぞれ収納保持され、前記フィルタ担体20の上流側端面20a及び下流側端面20bにそれぞれスライド可能に圧接されている。
そして、図2、図4に示すように、上流側プラグプレート30の両側にはラック30′、30′が形成されていると共に、前記カバー部材32に軸33を介して回転自在に支持された一対のピニオン34、34がこれらのラック30′、30′にそれぞれ噛み合わされ、前記上流側流路切換モータ11によって軸33を介してピニオン34、34が駆動されることにより、該プラグプレート30が所定方向に所定量スライドするようになっている。
同様に、下流側プラグプレート40においても、両側に設けられたラック40′、40′に前記カバー部材42に軸43を介して回転自在に支持された一対のピニオン44、44がそれぞれ噛み合わされ、前記下流側流路切換モータ12によって軸43を介してピニオン44、44が駆動されることにより、該プラグプレート40が所定方向に所定量スライドするようになっている。
ここで、プラグプレート30、40の前方を横断する軸33、43を廃止し、両側のピニオン34、34、44、44にそれぞれモータを備えてもよく、また、カバー部材32、42内にプラグプレート30、40をガイドする機構を設けることにより、ラック30′、40′とピニオン34、44とを一側方のみに設けるようにしてもよい。
そして、図4〜図6に示すように、上流側プラグプレート30には、フィルタ担体20の上流側端面20aにおけるセル21…21の入口に対応位置させて、連通部30aと遮蔽部30bとが上下、左右方向に交互に設けられており、同様に、下流側プラグプレート40には、フィルタ担体20の下流側端面20bにおけるセル21…21の出口に対応位置させて、連通部40aと遮蔽部40bとが上下、左右方向に交互に設けられており、上流側プラグプレート30の連通部30aによって入口が開かれたセル21…21は、下流側プラグプレート40の遮蔽部40bにより出口が閉じられ、上流側プラグプレート30の遮蔽部30bによって入口が閉じられたセル21…21は、下流側プラグプレート40の連通部40aにより出口が開かれるように、両プラグプレート30、40の位置関係が設定されている。
これにより、フィルタ担体20に、入口が開き、出口が閉じたセル21…21と、入口が閉じ、出口が開いたセル21…21とが上下、左右方向に交互に隣接して形成されることになる。そして、図5に示す状態から図6に示す状態へ、両プラグプレート30、40が逆方向にセルの一列分スライドすることにより、入口が開き、出口が閉じたセル21…21と、入口が閉じ、出口が開いたセル21…21とが入れ替わるようになっている。
ここで、プラグプレート30、40は、フィルタ担体20との熱膨張差が生じないように、該担体20と同材料で形成されている。
さらに、図7に示すように、ハウジング51は、前記フィルタ担体20と同様に、多孔質性材料で形成された筒体にその軸心方向に貫通する多数のセル52a…52aを設けたフィルタ担体52をマット部材53を介して収納保持した構成とされ、かつこのフィルタ担体52においては、各セル52a…52aの入口と出口が目封止部材54…54により交互に閉塞され、入口が開いて出口が閉じたセル52a′…52a′と、入口が閉じて出口が開いたセル52a″…52a″とが、上下、左右方向に交互に隣接して形成され、入口が開いたセル52a′…52a′に流入した排気ガスがセル壁52b…52bの細孔を通過して隣接する出口が開いたセル52a″…52a″に流入するようになっている。
次に、図1に示すコントロールユニット7による上流側プラグプレート30及び下流側プラグプレート40に対する制御と、第1、第2開閉弁5、6に対する制御の動作を、図8に示すフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS1で、図1に示す上流側及び下流側背圧センサ3、4からの信号により、コンバータ10の上流側背圧P′と下流側の背圧P″とを読み取り、その差圧P(=P′−P″)がフィルタ再生開始条件として設定された差圧P1を超えたか否かを判定する。そして、P>P1にとなれば、ステップS2で、フィルタ担体20の再生処理を実行する。
この再生処理は、燃料噴射弁8に通常時よりも余分に燃料を噴射させるように燃料制御信号を出力し、この余分に噴射された燃料をコンバータ10内の酸化触媒15で燃焼させることにより、フィルタ担体20に高温の排気ガスを供給することにより行われ、これにより、担体20における各セル21…21を仕切るセル壁22…22の表面や該セル壁22の内部の細孔表面等に堆積していたパティキュレートが燃焼、除去されることになる。
そして、このパティキュレートを除去することにより、ステップS3で、前記差圧Pが再生終了条件として設定された差圧P2(<P1)より小さくなったことが判定されれば、コントロールユニット7はフィルタの再生処理を終了する。
ところで、図9に示すように、例えば上流側プラグプレート30の連通部30aにより入口が開かれ、下流側プラグプレート40の遮蔽部40bにより出口が閉じられているセルを第1セル21a、上流側プラグプレート30の遮蔽部30bにより入口が閉じられ、下流側プラグプレート40の連通部40aにより出口が開かれているセルを第2セル21bとし、この状態を第1の状態とすれば、この状態では、排気ガスは矢印Xで示すように、第1セル21aからセル壁22を通過して第2セル21bに流入することになり、したがって、パティキュレートはセル壁22の内部の細孔表面と、該セル壁22の第1セル21a側の表面とにもっぱら堆積することになる。これは、エンジンオイルに含有されているP、Zn、Ca等を含むガラス状のアッシュも略同様であり、図9に符号aで示すように堆積する。
そして、前記再生処理により、このセル壁22の内部の細孔表面とセル壁22の第1セル21a側の表面に堆積したパティキュレートが燃焼、除去されるのであるが、アッシュは燃焼しないのでセル壁22の第1セル21a側の表面や細孔内に残存する。
そこで、コントロールユニット7は、ステップS4で上流側及び下流側プラグプレート30、40を逆方向にセルの一列分スライドさせるように、モータ11、12に制御信号を出力する。これにより、上流側及び下流側プラグプレート30、40の連通部30a、40a及び遮蔽部30b、40bと、各セル21…21の入口及び出口との位置関係が入れ替わり、図10に示すように、入口が開かれ、出口が閉じられていた第1セル21aは、入口が閉じられて出口が開かれ、入口が閉じられ、出口が開かれていた第2セル21bは、入口が開かれて出口が閉じられ、フィルタ担体20内の流路が図10に矢印Yで示す第2の状態となる。
これにより、排気ガスは、第2セル21bからフィルタ担体20内に導入された後、セル壁22を通過して第1セル21aに流入することになる。そして、この第2セル21b側からの排気ガスの流れにより、セル壁22の第1セル21a側の表面や細孔内に残存していたアッシュが壁面から剥離、除去され、第1セル21a内を通ってコンバータ10から排気通路1へ放出されることになるのである。
これにより、アッシュの堆積による背圧の上昇、これに伴うエンジン出力の低下や燃費性能の悪化等が防止され、また、セル壁表面等にPtやCe系複合酸化物を含む触媒層が設けられている場合には、フィルタ再生時におけるパティキュレートの燃焼効率の低下や排気ガスの浄化性能の低下等が抑制されることになる。
そして、コントロールユニット7は、前記ステップS4でプラグプレート30、40をスライドさせることによるアッシュの除去制御と共に、ステップS5以下による排気通路下流部の流路切換え制御を行う。
つまり、ステップS5で、図1に示す第1、第2開閉弁5、6のアクチュエータ5a、6aに制御信号を出力し、図1に示すように、通常運転時における第1開閉弁5が排気通路1の下流部を開通させ、第2開閉弁6が分岐通路2の入口部を閉鎖した状態から、第1開閉弁5が排気通路1の下流部を閉鎖し、第2開閉弁6が分岐通路2を開通させた状態に切り換える。
これにより、前記プラグプレート30、40のスライドによるアッシュ除去制御によってフィルタ担体20のセル壁面から除去されて該フィルタ担体20から放出されたアッシュが排気ガスと共に分岐通路2に導入され、該分岐通路2に設置されたフィルタ担体52によって捕集されることになる。したがって、フィルタ担体20から除去されたアッシュが大気に放出されることがない。
そして、このアッシュ除去制御により排気通路1におけるフィルタ担体20の上、下流側の背圧の差圧Pがさらに少なくなり、前記フィルタ再生処理終了条件の差圧P2よりもさらに低い差圧P3より小さくなれば、コントロールユニット7は、アッシュは十分に除去されたものと判定し、ステップS7で、前記第1開閉弁5を開き、第2開閉弁6を閉じるように、アクチュエータ5a、6aに制御信号を出力する。
また、差圧Pが前記差圧P3より小さくなる前であっても、ステップS4、S5によるアッシュ除去制御の開始時から所定時間が経過すれば、アッシュは十分除去されたものとみなし、ステップS8から前記ステップS7を実行して、第1開閉弁5を開き、第2開閉弁6を閉じるように、アクチュエータ5a、6aに制御信号を出力する。
これにより、図1に示すように、分岐通路2の入口が閉じられると共に、排気通路1の下流部が開通されて、該排気通路1が通常の状態に復帰され、一連のフィルタ再生処理及びアッシュの除去処理が完了する。
なお、この制御例では、アッシュ除去処理の終了後、上流側及び下流側プラグプレート30、40を元の位置に戻す制御を行わないので、次の通常運転時には、フィルタ担体20と上流側及び下流側プラグプレート30、40は、図10に示す第2の状態で使用され、排気ガスが第2セル21bから担体20に導入され、セル壁22を通過して第1セル21aから排出されることになる。したがって、各セル壁22…22の両側の壁面が均等に利用されることになり、フィルタ担体20のパティキュレート捕集性能や耐久性能が向上することになる。
ここで、以上の実施の形態では、プラグプレート30、40をフィルタ担体20の上流側及び下流側端面に圧接させた状態で直線方向にスライドさせることにより、図9に示す第1の状態と図10に示す第2の状態とを形成するようにしたが、図11、図12に示す実施の形態のように、プラグプレート130、140を回転させることにより、第1の状態と第2の状態とを形成するようにしてもよい。
この実施の形態の構成を、上流側プラグプレート130を例にとって説明すると、該プレート130の周囲所定範囲には歯車131が設けられ、この歯車131に噛み合わされたピニオン134がモータ(図示せず)によって駆動されることにより、プラグプレート130が図11に示す状態から図12に示す状態に90°回転する。そして、下流側プラグプレート140も同様に回転することにより、図9に示す第1の状態と図10に示す第2の状態とが形成されることになる。
なお、セルの断面形状や、中間閉塞セルと出口閉塞セルの配置、あるいはその他の構成は、以上の実施の形態に示すものに限らず、プラグプレートの直線方向または周方向のスライドにより、担体内の流路が切り換えられる構成であれば、本発明は同様に適用されることになる。
以上のように、本発明によれば、パティキュレートフィルタの担体に堆積するアッシュがフィルタ再生時等の適宜時期に除去されて、該アッシュが堆積し続けることによるエンジンの出力性能や燃費性能の低下が抑制される効果が得られるので、自動車用の排気ガス対策技術の産業分野で好適に利用される可能性がある。
1 排気通路
2 分岐通路
5、6 弁装置(第1、第2開閉弁)
7 制御手段(コントロールユニット)
10 コンバータ
15 酸化触媒
20 フィルタ担体
21 セル
22 セル壁
30、130 上流側プラグプレート
40、140 下流側プラグプレート
51 アッシュフィルタハウジング
52 フィルタ部材(アッシュフィルタ担体)
2 分岐通路
5、6 弁装置(第1、第2開閉弁)
7 制御手段(コントロールユニット)
10 コンバータ
15 酸化触媒
20 フィルタ担体
21 セル
22 セル壁
30、130 上流側プラグプレート
40、140 下流側プラグプレート
51 アッシュフィルタハウジング
52 フィルタ部材(アッシュフィルタ担体)
Claims (3)
- エンジンの排気通路に設置され、排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するパティキュレート捕集装置であって、
排気ガスの流れ方向に貫通する複数のセルが細孔を有するセル壁によって区画形成されてなるフィルタ担体と、
該フィルタ担体の上流側端面に圧接され、前記フィルタ担体の隣接するセルの入口側開口部を交互に閉鎖して、該入口側開口部が開いたセルと閉じたセルとを交互に隣接させて形成する上流側プラグプレートと、
前記フィルタ担体の下流側端面に圧接され、前記フィルタ担体の隣接するセルの出口側開口部を交互に閉鎖して、該出口側開口部が開いたセルと閉じたセルとを交互に隣接させて形成する下流側プラグプレートと、
入口側開口部が開いたセルは出口側開口部が閉じ、入口側開口部が閉じたセルは出口側開口部が開くように前記両プラグプレートを位置させると共に、これらをスライドさせることにより、各セルの入口側開口部と出口側開口部の開閉状態を切り換える制御手段とが備えられていることを特徴とする排気ガス中のパティキュレート捕集装置。 - 前記請求項1に記載の発明において、
前記フィルタ担体の下流の排気通路に分岐通路が設けられ、
該分岐通路にフィルタ部材が設置されていると共に、
排気通路における前記分岐通路の分岐部より下流部を開通させて分岐通路を閉鎖した第1の状態と、排気通路における前記分岐通路の分岐部より下流部を閉鎖して分岐通路を開通させた第2の状態との切り換えを行う弁装置が備えられていることを特徴とする排気ガス中のパティキュレート捕集装置。 - 前記請求項2に記載の発明において、
前記フィルタ担体に堆積したパティキュレートを燃焼除去するフィルタ再生手段が備えられていると共に、
前記制御手段は、前記再生手段によるフィルタ担体の再生処理の終了後、前記両プラグプレートをスライドさせて、各セルの入口側開口部と出口側開口部の開閉状態を切り換えると共に、その切り換え時から所定期間、前記弁装置を第2の状態に設定されるように作動させることを特徴とする排気ガス中のパティキュレート捕集装置。
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2006
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